ブラインド越しの白昼

2019-08-01 | 日記

          

わが村のお寺に盆参に来たといって、遠方の親戚のじいさんに早くに起こされてしまった。もうすでに暑い日差しである。西瓜を食べてもらって、氷水を飲んでもらって、彼は早々に軽トラで寺に向かって行った。寝苦しかった寝不足のアタマがボーっとして、彼が行ってしばらくの間椅子に座ってウトウトする。朝の外光を遮って、昨夜の本を膝に置いたままウトウトしている。今日は何も書くことはないな、とウトウトしている。と思っていながら、ブラインドをひねって写真に納めたのがこの外光である。見るからにもう高温度を感じてしまうのである。
もう少ししたら僕も、お寺に母の「新盆」のお参りに行かなければならないが、眠れぬ昨夜に読んでいた本が、松永伍一 (1930-2008) の『 詩集 割礼 』( 昭和51年 国文社刊 ) である。詩人には生前、井上三綱 (1899-1981) の画集『豊饒なるフォルム 井上三綱の世界』(1995年 NHK出版刊) 編集の折には大変お世話になって、石神井のご自宅には何度も日参したのを懐かしく思い出すのである。その時の先生の執筆された「井上三綱論」の原稿はとても美しかった印象があって、全80枚くらいの原稿だったかに、訂正した箇所はほとんどなかったのではないだろうか。あったにしろその箇所はきれいに直されていて、ちょっと見には分からないようにきれいに直されていた。今もその原稿が、当時、僕が勤めていた会社が作った「群馬ガラス工芸美術館」の収蔵庫に保管されているに違いない。いつかこの原稿にお目にかかれると嬉しい。ああ、もうお寺に行く時間である。

 


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