落下した天体のカケラに
時が経ち、百合の花が咲く。
その花の芳香はいつか、しかし消滅するだろう
この地上から。
しかし芳香の思い出は、夜から夜に語り継がれるだろう
ここにこうして音信を待つ。何の?
待つことは憂いでいっぱいである
憂いを待つ人。
時が経ち、幸いは憂いの中にもひそんでいる。
この絵はもうだいぶ前に描いたもので、絵の日付を見ると2008年だから僕がちょうどUターンしてきた年である。そして3月になっているからUターン寸前の東京時代に描かれたものである。当時の資生堂の “ZEN” という商品の広告を張り付けている。この商品が何だったかは思い出せないが、しかしタイトルに “PRETENDER” (見せかけの人) を付けているから、きっと “ZEN” (善) なるものへの、また、 (全) なるものへの意識があったかも知れない。今はもう昔になってしまった。
添えた言葉も当時のもので、長い東京暮らしに別れを告げて両親の元に戻って行く、これも一つの、過去への愁いである。ここにも、僕と言う一人のプレテンダーが潜む。
これを書きながらも、やっぱり暑いのは暑いから、いくら涼し気な青い絵を選んでも、こう暑くては氷水に敵うものはない。
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