そろそろ交換どきの使用中のスリッパである。8ヶ月くらい使っているものだけど、安物だけにもう寿命が近くなっているようだ。底がだんだん剥げかかってきている。これから冬に向かっているから今度は少し厚手のいいものを買ってみようか。
ということで、このスリッパ、中々捨てるに忍びないのである。購入した時、僕のマーキングとしてマジックで描いたこの鳥の絵に目が行くと、しかしどうも捨てきれない気がしているのである。左右それぞれに鳥のメス・オスである。番 (つがい) なのである、裏と表、左と右が一対であると同じく、対でなければ機能しないもの、対であることで命が発生するのである、は自明であるので、このスリッパを廃棄することは、どうも考えようでは、この世から一つのイノチを抹殺することになりかねないのである。ナンテ!大げさなお話になってきたようだ。あまり大げさに考えないようにしなければならない … 誇大な考えはよせ! ボウチョウシタカンガエハ、ヨセヨ!
しかし考えて見れば、この寿命というものも一個の膨張 (ボウチョウ) なる結果かも知れない。剥げかかっているというのは、使っているうちに物が押しつぶされてボウチョウして、くっ付いていた物からはみ出したその現象のことであるだろう。誇大なものいいはしかし面白くもあって、空想の世界に僕を遊ばせるのである。そして、オスとメスの番は種を遺すとこの世から去って行く。だから、新しいスリッパを買ったら、古いものを鄭重に葬ってやらなければバチが当たる。たかがスリッパ、されどスリッパ。
なんというかわいらしいつがい。
きっとパタパタと仲良く睦み合って、主様の足下にたくさん種を残しましたね・・