詩集

2012-12-06 | 日記

                

マルセル・プルースト詩集 『 画家と音楽家たちの肖像 』 ( 窪田般弥訳 1974年・コーベブックス刊 1500部限定 )から 「 ショパン 」 という詩を紹介。

         ショパンよ、溜息と涙とすすり泣きの海よ、

         一むれの蝶たち、とまりもせず、

         悲しみの上を戯れ、波の上を踊りつつ渡る海よ。

         夢み、愛し、苦しみ、叫び、宥め、楽しませ、やすらげるお前は、

         つねに、一つ一つの苦しみの間に、

         花から花に飛びまう蝶のごとくに、

         奇想の調べの、眼をくらませる甘い忘却を走らせる。

         そのとき、お前の喜びはお前の悲しみのかたわれ。 (以下略)

今日も一日冷たい雨が降った。時折バラバラと氷雨も降った。そして束の間、青空が見えた。一瞬鮮やかな虹がかかった。12月に入って長岡の大気は忙しない。 「 甘い忘却 」 さえ思い出させないくらいに、早くも一年が暮れて行こうとする。そう言えば梶井基次郎の戯れ句に 「 チョピンとは俺のことかとショパン言い 」 なんていうのがあったっけ…。せめて夜の時間には、CHOPINの 「 奇想の調べ 」 を聴きながら暖かくしていたいものである。