今年になって入替機DE10がいよいよ一線を離れたと聞いたから、これを機会に少し振り返ってみた。
もともと凸型機関車は苦手だったアントンKだが、長年見たり撮影したりしているうちに、印象も少しずつ変わり馴染みが出てきた矢先の出来事のようで、何とも物悲しいものだ。何にでもご縁というものは存在し、短い人生、出会いは大切にしたいもの。いつもは地味で目立たない凸型ディーゼル機でさえ、目の前から居なくなるのはやはり寂しく思えてしまうのである。
好んで撮影はしてこなかったデーテンではあるから、あまり気に入った画像は持てなかった。自分にとっての名シーンは、限定列車とはいえ、陸羽東線を重連で走った「あけぼの」の雄姿だったが、如何せん時間帯が悪く思うようには撮影出来なかった。印象的だったのは、秋田の五能線を走っていた「ノスタルジックビュートレイン」だろうか。今でも美しい風光明媚な路線は変わらないが、専用の客車を従え定期的に走っていたことを思い出す。個人的には、ノスタルジーを謳うのなら、オハ61などの茶色い旧型客車で走らせて欲しかった。
掲載写真は、五能線から回送で奥羽線に入ってきた同列車だったが、どういう訳か機関車のみの単機で姿を現わし、がく然とした思いが蘇る写真。当時は、ジョイフルトレインも流行っていた時代だからか、車体が随分と派手な装いに感じたものだが、こんな印象の列車でも懐かしく思い出されるのは、現代の車両たちが、どれも無個性なものばかりに感じているからかもしれない。
1996-07-13 DE10 1112 JR東日本/奥羽本線:川部付近
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