風雅遁走!(ふうがとんそう)

引っ越し版!フーガは遁走曲と訳される。いったい何処へ逃げると言うのか? また、風雅は詩歌の道のことであるという。

ワレ路上デ発見セリ!/絶対零度の看板

2006-02-23 23:57:29 | ワレ路上デ発見セリ!
Mirror_ad鏡文字というのは、ちょうど裏側から透かして読める文字、鏡に写せば正像となって読める文字の事だが、ミステリーや謎かけには使われても、まさか多くの宣伝媒体として町を埋め尽くしている看板には使われることはないはずだろう思っていた。ところが、それがあったのだ。それも、ボクにとってはもっとも身近なわが町に!
ボクが知る限りこの看板は、もう数年にわたって営々と見事な宣伝効果をあげている!
もうボクなど気になって気になって、この町の看板の中で一番みている看板ではないかと思う程である。それに、どうやらその看板が宣伝し、誘い掛けるものがどうやら中空というか、空虚な実体をともなわないものらしいと推測すればするほど、ボクの好奇心は増大するのだ。

そう、なんと言えばいいのだろう! あのロラン・バルトの構造主義的な見事な論理構成を彷佛とさせてしまうのだ。その実用的な役目から解き放たれた看板、読ませ宣伝するという「看板」の役割からさえ自由になった看板。そこに掲げられ、あることだけの純粋なる存在!
中心が空虚なる非実用的な有り様!
これをロラン・バルトの「零度の文学」の、ひそみにならって「絶対零度の看板」と名付けたい(笑)!

<ワレ路上デ発見セリ!(5)/絶対零度の看板