みちあき神父のふぉと日記

カトリック教会の司祭です。日記のテーマは「がんばらない―Take it easy―」。ここで、ひと息ついてくださいね。

矢萩司祭のエッセイ

2014-05-30 20:00:00 | Everyday is special
おかげさまで、写真展は連日の盛況で、本当にありがとうございます。
また、来られない方々からも、お祝いの言葉や励ましのメッセージをいただいております。
心から感謝申し上げます。

今回の写真展では、相方の矢萩栄司司祭(下館聖公教会)のエッセイも掲げられています。
とてもよいエッセイで、わたしたちの小さな花たちに込める思い、そしてその花たちを写真に撮る心が、とてもうまく表現されています。
ご本人の承諾も得て、ここに紹介させていただきます。


まずは、この下の「スプリング・エフェメラル」の写真について。



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スプリングエフェメラル

森の中で地面に身をかがめファインダーを覗き、誰に見られることもなくひっそりと、しかし懸命に花を咲かせている野の花に向き合うたびに、「野の花を見なさい」という聖書の言葉が胸に迫ります。
早春のまだ木の芽が芽吹く前、木の葉に遮られることなく自分が太陽の光を受けることのできるほんの短い間に、花を咲かせ受粉し種を落とし短い命の営みを終える花々は、「スプリングエフェメラル(春のはかない花たち)」と呼ばれています。しかしその名前とは対照的に彼らが行う命の営みは、一つの無駄も無くまた力強く繰り広げられます。晴れた日には暖かな太陽の光を精一杯受けるために大急ぎで花びらを反り返るほどに広げ、日がかげると蓄えた熱を少しも逃がすまいとさっと花を閉じ再び太陽が顔をだす時をじっと待ち続けます。
ただ自分に与えられた生を引き受けまっとうしようとするその凛とした姿は、私たちに大切なことを教えてくれているような気がするのです。
(矢萩栄司)
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そして、下の写真「ナズナ」について。



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神の国を感じる心

遠くの山や森へ出かける時間が持てなくなるのと時を同じくして、少しずつ撮影の対象と興味が遠くの野山ではなく、毎日歩いている道端や足元にある小さな自然へと移ってゆきました。そこで繰り広げられている、自然豊かな場所と何ら変わらない、神秘的で不思議な自然の営みにはいつも驚かされます。そしてまた、そんな足元の自然に注意深く目を留めていると、ほんの一瞬、この世のものとは思えない素晴らしい自然の芸術に出会えることもしばしばです。
普段とりたてて気にかけることもない道端のナズナ。ある朝、そこに露が降り、朝の光が射し始めた時、すべてのものが光り輝く、息をのむほどの神々しい世界が現れました。神の愛と憐れみによって生かされていることを受けとめ、いつも感謝の心をもって過ごしていたいと思います。それが、ほんの一瞬、垣間見ることが許される、私たちが生きる日常の中で働く聖霊の存在、今ここにある神の国を感じることができる心なのではないか、そう思わされます。
(矢萩栄司)
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写真展はあと二日。
ここを訪れてくださる皆さんの上に、神さまの祝福が豊かにありますように。

いちばん上の写真は、Nobu's Gallery前に咲いている美しいバラ。



これが、展示室の様子。小さなスペースですが、とてもよい雰囲気です。

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