みちあき神父のふぉと日記

カトリック教会の司祭です。日記のテーマは「がんばらない―Take it easy―」。ここで、ひと息ついてくださいね。

黙想会って何?

2009-08-28 12:00:00 | Everyday is special
たいへん長らくご無沙汰いたしました。
おかげさまで、黙想会は無事に終了し、また素晴らしい体験をさせていただきました。
お祈りくださった皆さん、参加されたシスターの皆さん、またお世話になった修道院の皆さん、どうもありがとうございました。

ところで、カトリックの信者でない友人から、ときどき「黙想会って何?」と聞かれることがあります。「黙って想う会?」とか、「何をやるの?」とか。

そこで、ぼくなりに答えてみようかと思います。

黙想会は、英語では'Retreat'と言います。手元にある研究社の「リーダーズ英和辞典第2版」を引いてみると、名詞としては次のような意味が出てきます。

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1 退却, 後退; 《軍隊の》退却(合図); 《日没時の》帰営太鼓[らっぱ], 国旗降下式[らっぱ]...
2a 引きこもること, 隠退, 隠遁, 避難.
b 隠棲の地[場所], 隠遁所, 隠宅, 隠れ家, 避難所, 潜伏所...
3 修養会, 静想《一定期間, 静かな所で行なう宗教的研修》.
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動詞の項を見ても分かりますが、第一の意味はなんと軍隊用語で、退却を意味するのですね。これがいつから3番目の宗教的な意味になっていったかは分かりませんが、ここに黙想会の意味が隠されています。

つまり、忙しい日常生活を「前線」とするならば、そこから一時退却して、まずはこころとからだの疲れをいやします。そして、これまでどのような道のりを来たかを振り返り、今どこにいるのかを確認し、これからどこへどのように道を進んで行けばよいのかを見つけていく(あるいは、軌道修正を図っていく)、それが黙想会の意味、もしくは目的になるかと思います。

シスター方の黙想会や「イグナチオの霊操」と言われる黙想会は、丸々8日間、前後の日を合わせて足掛け10日間になります。多くの男子修道会や教区司祭の黙想会は5日間だけのところが多いかと思いますけど(最低、年に5日間の黙想をすることは、たしか教会法で定められていたと思います。教会法は、苦手で詳しくはありませんけど)。

黙想会中は、基本的に沈黙です(食事中も)。ちなみに今回の一日のスケジュールは、次のようなものでした。

6:45 ミサ
7:30 朝食
9:00 第1講話
10:00 個人面談
12:00 昼食
3:00 おやつ
3:30 第2講話
4:30 個人面談
6:30 夕食

祈りの時間は、個人で自由に設定します。
講話は、祈りの材料となるものを提供しますが、基本的に聖書を使っていきます。「霊操」のようにその日ごとに決められたテーマが決まっている場合もありますが、講師によって話す内容はもちろん異なってきます。

ぼくの場合は、霊操の指導はできないので、まったく自由な形式による講話です。もちろん聖書を基本に使いますが、視聴覚に訴えるもの、写真とか朗読のCDとかを使ったりします。

というわけでして、今回も、参加されたシスター方はぼくの話すことをとても優しく聴いてくださり、また打てばすぐ鳴る鐘のように、個人面談のときにフィードバックをしてくださいました。ありがとうございました。

この黙想中に真に働いてくださった神の力、イエスの愛、聖霊の導きに感謝したいと思います。

写真は、今回黙想会のあった大阪府和泉市のスピノラ修道女会和泉修道院にて。和風の美しい聖堂でした。





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