みちあき神父のふぉと日記

カトリック教会の司祭です。日記のテーマは「がんばらない―Take it easy―」。ここで、ひと息ついてくださいね。

沖縄平和祈念公園

2010-02-26 21:30:00 | Everyday is special
今週は、春の陽気になったり雨が降ったりしていますが、いかがお過ごしでしょうか。

さて、沖縄では、美しい観光地だけでなく、沖縄のかなしい歴史を見る機会もいただきました。

この平和祈念公園の広大な敷地の中には、沖縄平和祈念堂と沖縄県平和祈念資料館、平和の礎などがあります。上の写真は、その祈念堂で、下の写真は内部の巨大な「平和祈念像」です。いただいたパンフレットによれば、山田真山画伯の制作で、「高さが約12メートル、幅が約8メートルの人間の祈りの姿を象徴した座像で」「宗教や思想、政治や人種、あるいは国を超えてすべての人が戦没者の慰霊と平和の一点に力を合わせていこうということを10本の指を合わせた合掌の形に表現されて」いるとのこと。
山田画伯はカトリックの信者さんであったとのことですが、人間の真に祈る姿を表現すると、自然とこのような形になったのでしょう。

また、沖縄県平和祈念資料館は、たいへん立派な建物の中にあり、語り継がれるべき沖縄戦の悲惨な物語が、視覚や聴覚を通して目の前に再現されます。これまでも、もちろんテレビなどである程度知っていたつもりではありましたが、じっさいに現地の資料館などで体験すると、心の奥底にたいへん重く伝わってくるのもがあります。

沖縄の人々の心の奥底には、いまもなお深い苦しみとかなしみがあることを、ひしひしと感じます。
「平和」のひと言では表現しきれない祈りが、そこにあります。

たった10日間の滞在で、沖縄のことを何も言えたものではありませんが、米軍基地問題も、沖縄の人々にとっては過去の歴史と切り離しては考えられないのだと思います。ぼく自身、あらためて平和について知らなければならないことがたくさんあると思いました。

ところで、この地を案内してくださったのは、カプチン・フランシスコ修道会のアメリカ人のローラン神父さん。もう一人、今回アメリカから訪問していた神父さんも同行したのですが、沖縄でアメリカ人(司祭)に日本人(司祭)が案内されて、これは、ひとつの平和の証しのように思えました。



このご像の前で、修学旅行やさまざまな機会に平和についての講演会や祈りの集会などが開かれるそうです。



平和祈念堂の前に広がる公園。



沖縄県平和祈念資料館の一角。



沖縄戦で犠牲となった人々の名前が書かれた石碑(墓碑)「平和の礎(いしじ)」。日本人だけでなく、アメリカ人などの名前も書かれており、亡くなった方の出身地ごとに、幾重にも石碑の道が重なっています(24万人以上の名前が彫られているそうです)。



平和祈念公園の前に広がる断崖。陸上をここまで逃げて、最後は多くの人々が飛び降りて亡くなって行きました。



平和祈念公園から少し離れたところにある有名な「ひめゆりの塔」。県内(沖縄本島)には、あちこちに「○○の塔」があり、犠牲となった方々の慰霊を祈ります。

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