みちあき神父のふぉと日記

カトリック教会の司祭です。日記のテーマは「がんばらない―Take it easy―」。ここで、ひと息ついてくださいね。

ダミアン神父の列聖式

2009-10-10 10:10:10 | Everyday is special
台風18号は、なにやら我が故郷、信州の上を通り過ぎ、速いスピードで過ぎて行ったようですが、各地でさまざまな傷跡を残したとのこと。たいへんでした。

フィリピンの台風17号は、先週西に抜けるはずだったのが台風18号に引っ張られるようにルソン島北部を中心にほぼ一週間も居座り続け、深刻な被害をもたらしています。昨日は土砂崩れも発生して、多くの犠牲者が出た模様です。台風はようやく西に向かって動き始めたようです(関連ニュース:日経ネットAFP BBニュース)。

すべての被災された方々が、一日も早く安心できる生活に戻れますようにと願っています。

さて、明日10月11日(日曜日)、いよいよダミアン神父の列聖式です。この日は、ダミアン神父だけでなく、他にも4名が列聖されるそうですね。皆ヨーロッパ出身の修道者のようです。昨日は日本からの巡礼団もローマに無事に到着し、今晩は前夜祭のミサに参加されることでしょう。

明日、ローマに行けない多くの人々も、それぞれの場所で祈りを共にすることと思います。
こちらフィリピンでは、カロオカン市のバゴンシラン教会で、ノヴァリチェス教区のトビアス司教の司式でミサと祝賀会が予定されています。ぼくも、木曜日からこの教会に来ていて、明日まで滞在し、参加します。

バゴンシラン教会では、この列聖式の心の準備として「ノベナ」という9日間のミサをささげています。とても素晴らしい準備の仕方だと思います。
また昨晩は、そのミサの後、聖体礼拝がささげられ、多くの子どもたちが参加しました。他に、作詞作曲と歌のコンテストやポスターのコンテストもあり、皆盛り上がっています。

援助を必要としている家族の多い教会ですが、皆とても熱心に参加しています。
列聖式は、ダミアン神父の列聖のお祝いが名ばかりのもので終わるのではなく、痛みを分かち合って助け合っていこうとしたダミアン神父の精神が、現在も生きていることのお祝いなのかもしれません。今回の洪水による被災の体験を通して、じっさいに具体的に、皆、そのことを学んだのではないかと思います。

本当の意味で、よいお祝いの日となりますようにと願っています。

ちなみに、日本では、11月3日に山形県と茨城県(友部修道院)でそれぞれ記念ミサとお祝いがささげられる予定です。

上の写真は、バゴンシラン教会正面入り口。



聖堂内部。天井はなく、トタン屋根の裏側が見えます。強い雨が降ると、とてもうるさいのが難点。



聖堂正面。空色が基本色です。復活したイエスが雲の中を天に昇る姿。



祭壇から会衆席を眺めたところ。広さはかなりあり、椅子を追加すれば500名ほどは入るでしょうか(水戸教会くらいの大きさ)。窓は鉄格子のようになっていますが、これは風通しのため。スズメ、犬猫往来自由。



聖堂脇の無料薬局。



経済的に苦しくて必要な人は、ここで薬をもらいます。今回の洪水のときも、被災者のために大活躍しました。アメリカやスペインなどからの寄付によってまかなわれています。この他に、「ミルクステーション」(粉ミルクを無料で提供)、奨学金制度などがあります。



聖堂脇の分別式ゴミ箱。'Pray hard... It works.'との文字が読めます。