世相を斬る あいば達也

民主主義や資本主義及びグローバル経済や金融資本主義の異様さについて
定常で質実な国家像を考える

●細川よ、開き直れ! 下品で浅ましい官邸のネガキャンに殿様対応を選択せよ

2014年01月17日 | 日記
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●細川よ、開き直れ! 下品で浅ましい官邸のネガキャンに殿様対応を選択せよ

 細川護煕が都知事選出馬候補としての「公約」のまとめで、苦慮しているようだ。この苦慮は、公約自体をまとめる為に悩んでいるわけではなく、細川潰しに躍起となっているマスメディア対策、具体的には質疑応答の場面で起きる「想定問答」の対応をどうするかで、議論が伯仲しているようだ。朝日新聞は、以下のように報じている。

≪ 五輪に否定的?佐川問題は?細川氏、公約会見再延期
 23日告示の東京都知事選に立候補を表明した細川護熙(もりひろ)元首相(76)は、17日に予定していた公約発表会見を20日以降に延期した。2020年東京五輪や脱原発に関する政策作りに難航し、東京佐川急便からの借り入れ問題への説明についても調整を続けている。 細川氏は14日、小泉純一郎元首相の支援をうけ、脱原発をめざして立候補すると表明。陣営は、15日に記者会見で政策を公表する予定だった。だが、14日夜、「公約や質疑での回答案が固め切れていない」として17日に延期し、さらに16日、20日以降に延ばすことにした。
 複数の関係者によると、脱原発をめぐっては、陣営内で議論があったが、即時原発ゼロを掲げる方向になっている。脱原発の政策内容を最終的に詰めているところだ。
 五輪についても、説明の準備を続けている。昨年末、ジャーナリストの池上彰氏が出した著書で、細川氏は「安倍(晋三首相)さんが『五輪は原発問題があるから辞退する』と言ったら、日本に対する世界の評価は格段に違った」と述べていた。
 陣営関係者は「決まった以上よい五輪になるために全力を尽くす」と話す。ただ、他陣営からは「五輪を開催する都知事なのに、五輪に否定的だったことをどう説明するのか」といった声があがる。
 また、陣営が懸念するのは、首相在任中の1993年、東京佐川急便からの1億円借り入れを追及された問題だ。
 今回の都知事選は、猪瀬直樹前知事が医療法人「徳洲会」グループから5千万円を受け取った問題で辞職したため実施される。菅義偉官房長官は14日の会見で「細川さんもカネの問題で辞めた。都民がどう受け止めるかだ」と述べている。
 細川氏は辞職時、「政治資金規正法にのっとり適正に処理した」と説明したが、側近は「きっちりと対応を詰める必要がある」と話す。 ≫(朝日新聞デジタル)

 マスメディアは、細川の「公約」そのものに、何ら興味など抱いていないだろう。焦点は、細川が脱原発の立場から「五輪招致に否定的」であった事、と20年前の辞任のきっかけになったと巷が噂するところの「東京佐川急便借入疑惑」の2点への対応であることは想像に難くない。

  まず細川が「五輪招致に否定的」と云う問題だが、この発言は実は“正論”である。細川氏は「安倍さんが『五輪は原発問題があるから辞退する』と言ったら、日本に対する世界の評価は格段に違った」と語った点を取沙汰しているわけだが、細川は間違ったことを言っているわけではない。間違った発言(ほとんど嘘発言)をしたのは安倍晋三の方である。五輪招致演説において、「フクシマについて、お案じの向きには、私から保証をいたします。状況は統御されています。東京には、いかなる悪影響にしろ、これまで及ぼしたことはなく、今後とも、及ぼすことはありません。……」英語で「アンダーコントロール」と言った方が責められるべきである。

 つまり、嘘つきへの議論はさて置かれ、細川の五輪辞退の方が、日本の矜持と名誉に貢献できるといったわけであり、まさに妥当な発言である。ただ、現実はオリンピック委員会の面々が東京開催を決定してしまった“現実”を基にする「論理のすり替え」議論なのである。論理的に、五輪辞退が正しい道であったかどうかの議論ではなく、東京五輪開催が決定した後の現実論がごっちゃにされたネガキャンが行われているに過ぎない。現実に、開催が決定された以上、理論的立場とは別に、事実に即した対応をとるのは、公職に就く人間の採るべき道であり、前向きに対応する。ただ、将来に負の遺産になるような無謀な開発など、検証は必要だと述べれば済む話だ。

 次の問題が、舌なめずりしながら聞くであろう記者クラブの連中の質問への回答は、幾分注意を要する。巷では、政治資金規正法違反だとか、猪瀬が徳洲会から借りた金と同じ問題ではないなど、印象操作の嵐が吹きすさぶ。20年前の疑義を持ち出す浅ましい連中には呆れるが、菅官房長官まで印象操作の言辞を弄するとは、世も末である。仮に法的に問題があったとしても、時効が成立しているのだか、法治国家であるなら、時の政権の官房長官が口にすべき問題ではない。ただ、一般の有権者に対する印象を悪くさせる効果があるのは事実だ。

 この問題が事実無根だとは、いまさら言えないだろうから、「何々を購入するため等に直近の金が必要だったので、お借りした。そして、数年掛かったが返済を済ませている。無論、政治資金として借り受けたものではない」、「この疑問の対応に窮して辞任したと云う風聞も事実無根である。辞任の理由は、この問題ではない。皆様に、この場で説明できれば良いのだろうが、国家秘密に属し、外交問題においてセンシティブな問題なので、残念ながら離せない」、「必要なので、借金をし、それを返した、それに尽きる。それ以上でもなく、以下でもない。20年も過去のことであり、それを証明することは出来ないし、証明する義務もあるとは思わない。政治的に、そのことを問題にしたがる人々はいるだろうが、この問題に関するジャッジは、都民の皆様の賢明なる判断にゆだねる」

 上述のように答えるしかないだろう。細川の妻佳代子夫人は、地元熊本で12日にマスコミの取材に応じ、佐川から借りた1億円について、「全部返しました」、「ほかに言いようがないじゃないですか」と説明し、都知事選への影響を問われると、「全然」と答えたそうである。現実、それ以外に対応の手立てはない。この問題は、法的問題ではない、個人の行動が、必ずしも“李下に冠”ではない行動で、極めて不注意であったとしか、言いようがないし、それで十分だ。いずれにせよ、ネガキャンで印象操作する政権与党の態度に、都民がどのような判断を下すかが問題である。

 マックス・ウェーバーが言うように、「金の為に政治をする」と「金による政治をする」の峻別が民度を測るバロメータであることを、有権者は考えるべきだ。「政治と金」と云うプロパガンダに左右され、政治の本質を見誤ることは、最終的に官僚機構の罠にみすみす嵌ることであり、ことの本質を見誤る。この問題の元凶はマスメディアにあり、記者クラブにある。日本人は、このあまりにも長く続く、メディアの大衆操作から、いくらなんでも抜け出していい時期が来ているのではなだろうか。

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