世相を斬る あいば達也

民主主義や資本主義及びグローバル経済や金融資本主義の異様さについて
定常で質実な国家像を考える

地球人口100億人も視野 近未来の人類の課題は食料、自給自足が決め手

2011年10月31日 | 日記
フォーリン・アフェアーズ・リポート2010年3月10日発売号
ジョセフ・E・スティグリッツ,ジョージ・パッカード,ジャグディッシュ・バグワティ,他
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地球人口100億人も視野 近未来の人類の課題は食料、自給自足が決め手


  光やケーブル等でネット環境を構築している人々が多くなっているが、筆者は未だにADSL接続で15年も前のモデムでネット生活をしている。そのモデムが壊れたのだ。モデムはレンタルになっているので、故障の連絡は筆者の義務だが、そこから先はプロバイダ会社、そのサービス外注会社、ADSL接続会社、その外注企業、モデム製造企業、その下請け外注、モデム倉庫保管発送会社、宅配業者等々。たかだかモデムの交換に、最低限8社が関わっている。金曜日の夜には届くと言われたモデムが届いたのは土曜日の夕方だった。

 末端の一人のユーザーは、何処のどいつに文句を言うべきか?そして、何処のどいつの間違いで、到着日が丸々1日遅れたのか?当然受けつけ窓口のプロバイダになるわけだが、電話口に出てくるのは、そのアウトソーシング企業の技術サポート要員である。サポート要員は属人性が無きに等しいのだから、有料のサポート電話でくどくど文句を言うのは合理的ではない。慇懃無礼に謝られるだけで、絶対にそれ以上の進展はない。勿論、誰の間違いか追求できるとは思えない。つまり、筆者はここ数日に、システムと云う罠を実感したと云うだけの話だが、これこそが現代社会のシステムと云うものだと痛感したわけである。

 たかだかモデムの世界でこう云う具合なのだから、原発事故の対応と云う問題などでは、50か100の関係者が関わり、何処のどいつに、どんな問題があったのか、国民の側に探る道はあまりないだろう。検証委員会、事故調なんてものも出来ているが、真の原因究明などに至るわけがない。システムで動いている物事が齟齬を来した場合、その齟齬の在処を探ることは絶望的だ。勿論、原因を抽出する作業も絶望的だ。こうして、システムに組み込まれた我々は、何事もなければ、安穏な時間空間に居られるが、一旦事が起きた場合は、それを個人的にどのように対抗すべきか、殆ど道は閉ざされている。行政のシステム、司法のシステムもしかりである。

 そうそう、今日の本題に入ろう。(笑)地球の人口が70億人に達したそうだ。先ずは読売の突っ込み不足の記事を参考に掲載する。

≪ 明日、世界人口70億人に…アフリカ爆発的増加
【ニューヨーク=柳沢亨之】国連の推計によると、世界の人口が31日、70億人に達する。
人口の爆発的増加はサハラ以南のアフリカで特に顕著で、国連人口基金の「世界人口白書」は、人口増と貧困の悪循環からの脱却を求めている。 白書は中東の民衆蜂起「アラブの春」の背景として、増加する若者の失業問題も指摘し、解決を促している。 国連によると、サハラ以南のアフリカの人口は2000年の6億6912万人から昨年は27・9%増の8億5632万人となり、50年には19億 6010万人と倍以上になる見込みだ。サハラ以南では避妊普及率は08年時点で22%と遅れており、15年時点でも人口の約36%が日収1ドル未満の極貧層にとどまる見通しだ。≫(読売新聞)


 2050年には、地球の人口は100億人を突破するかもしれない、と世界の学者たちは危惧している。15,000年前くらいに地球上では氷河期が終わり、人類が農耕に手を染め、戦争や疫病の試練にも関わらず、人類は爆発的に増加の一途を辿っている。日本を代表とする人口減少国家では考えられない現実が、地球上では休むことなく続いている。驚くような数字だが、地球上では1日20万人のペースで人口が増加している。

 農耕が始まった新石器時代の地球の推定人口は400万人程度と言われているのだから、100億人は巨大だ。1万年の時を経て、人類は増殖に増殖を重ねたことになる。勿論、地球の大きさが変わるものではないから、いずれ人間が住むスペースが不足することは想像に難くない。居住のスペースと云うより、農耕、つまり食料を生産出来るスペースの不足である。当然、その生産に必要なエネルギーも不足になる。学者の研究によると、地球上に存在する、人類が棲むのに適している(居住、食糧生産等)土地は、現状70億人レベルでも不足しているのだそうだ。地球の大きさにおいて、人類生存に適しているスペースは、一人当たり1.7ヘクタールなのだそうだ。ところが、もう既に人類は2.2ヘクタールを無理やり利用していると云う。おそらく、人類は食料を得る為に、今以上の無理をすることになるのだろう。荒れ地でも育つ食物、遺伝子組み換え食品やそれ以上に未知な食糧増産に手を染めるかもしれない。

  以前からそうなのだが、人類生存適正地1.7ヘクタールを2.2ヘクタールに拡げる為に、人類は多くの自然破壊を行ってきた。多くは山林の喪失であり、二酸化炭素の光合成の減少にも繋がっている。この強引なまでの不可抗力的人類の生き様が、予期せぬ自然災害を惹き起こすこともある。また人口の増加は、最終的に土着な農耕においては、土地を受け継ぐ人間は一人であり、その他の兄弟らは、都会に出ることになる。都会と云うか、町に群れ何らかの仕事で生計を立てるのだが、ドロップアウトも多く、町のスラム化や犯罪の温床をも構築、社会不安を増幅することにもなるわけだ。

 地球規模の人口の急激な増加(アフリカ・インド・バングラディッシュ・パキスタン等々)と日本のような国の急激な人口減少と云う事実を前提に考えた日本の食糧安保と云うものがある。TPPとか云うもので、食糧が安く手に入るとか、そう云う短絡的回答で納得する国民はどの位居るのだろう?BSEウィルスが入っているかもしれない牛肉、遺伝子組み換えで生産された農産品。経済がグローバルだから、食料もグローバル?TPPの枠内で分業しようみたいな話だが、食い物を他国任せて生きる国家など、ひ弱すぎて、キチガイ沙汰なのは自明だろう。他国性善説なら別だろうが。

  地球規模で急増する人類は、いずれ海を渡り、陸を経て、僅かでも安定的に食料の得られる土地に群がるのは、当然の摂理だ。また、自然破壊の究極の姿は農地の砂漠化である。人口は増える、農地は減少する。排除か受け入れと云うジレンマ。尚且つ、グローバル経済と金融資本主義経済の下では、究極の食料品の不足と高騰が続く。又背に腹は代えられずと云う事で、儲かると判っていても、他国に食い物を輸出できる国家さえなくなるかもしれない。3食食べられる国家に、1食の食事にありつけない飢えた人々が、1.5食食べられるなら、日本に住みたいと言い出す。TPPによる労働力の移動の自由は、彼等の襲来を止めることも出来なくなる。

 米国やオースラリアが余っている物を売りたい。出来たら合理的製造物ではない米国製品を売りつけたい、と云う“やらずぼったくり”は近視眼では、日本の僅かな人々に恩恵を与えるかもしれないが、ただそれだけだ。そして、その企業群は概ね外資のニオイがプンプンたる企業群なのである。我々日本人は、今こそ自給自足の精神に磨きをかける時代が来ているのだと思う。地産地消と自給自足の経済の精神、いや魂だ。システムと云う罠に嵌り、何処の誰が、どのような嘘をつき、国民を犠牲に、ただ目先の為政に精を出すか、とくと考えるべき時が来ているのだと思う。

  もう前のめりで、止めるに止められない状態になっている野田佳彦だが、彼もグローバル経済と霞が関・日米同盟のシステムと云う罠に嵌った憐れなドジョウだが、国民を道連れにしようと云うのだから、憐れでは済まされない。一昔前であれば“天誅!”と云う事で“どぜう鍋”になる筈だが、果たして野田君の運命や如何に。韓国同様、テーブルにつくも、国会で批准出来ず、更に一層、日米関係の割れ目を大きくするのかもしれない。オバマの大統領選を側面支援などと、身の程知らずに行った軽率な行為で己が死んでしまう可能性は大いにある。その意味では、強引にTPPを進め、自らの運命を縮めるのも悪くないのかな?と思うわけである。現状、国会議員400人の反TPP勢力の腰が砕けないことを祈ろう。



100億人への食糧―人口増加と食糧生産の知恵
ロイド エヴァンス
学会出版センター


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野田首相、売国外交だけは大胆不敵 「TPP」総勢700議員中400人は反対

2011年10月27日 | 日記
吉里吉里人 (1981年)
井上 ひさし
新潮社


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野田首相、売国外交だけは大胆不敵 「TPP」総勢700議員中400人は反対


 最近、読売新聞のYOMIURI ONLINEを開くと、液晶画面の半分を占めてデカイ面をするバナー広告に出遭う。なんと広告主は、あの今や日本売国商人教育をしたPanasonic(松下電器産業)である。野田・前原・玄葉の側面支援なのだろうか、苦笑いするしかない。

 それはさておき、アメリカ奴隷国家宣言をし、国賓でチヤホヤおもてなしされた李明博大統領が自国に帰って酷い目に遭っている。(笑)アメリカ議会で米韓FTAが承認されたと云うのに、自国の国会では演説すら出来ない状態になっている。つまり、アメリカ様からおもてなしを受けたのに、韓国国会での承認が頓挫する可能性が結構あるようだ、筆者にとっては笑い話だが、李明博大統領にとっては死活問題。当然与党ハンナラ党も立ち往生だ。国賓晩餐会で韓国料理なんて全然知る由もないシェフは料理の名前をマサゴ、ダイコン、ワギュウ、カボチャてな調子で寿司まで出たそうだ。まさか、李明博大統領が大阪育ちの情報から提供された料理とは思えない。  

 そんなこんなの酷い目に遭ったとしても、まぁ笑っていられるがアメリカ議会承認、韓国議会不承認では洒落にもならない。ところが来年12月の大統領選の前哨戦といわれるソウル市長選が行われ、無所属の野党系統一候補で弁護士の朴元淳氏が、与党ハンナラ党の羅卿最高委員(47)を抑え、当選確実となった。次期大統領の有力候補といわれるハンナラ党の朴槿恵氏が強く支持した羅氏の敗北は与党ハンナラ党に強い衝撃を与えているだろう。朴元淳氏は既存政党色が少ない無党派候補だけに、韓国も政界再編の時を迎えているようだ。  

 李明博大統領のアメリカ奴隷国家宣言・米韓FTA協定の影響に言及する論調は現時点で確認出来ないが、あれだけの“アメリカ奴隷国家宣言・米韓FTA協定”を土産に国賓になった大統領を韓国国民が快く迎える筈もない。米韓FTA協定が韓国経済の実態を表す協定だとしても、協定で明文化され“アンタ達は奴隷だからね”といわれて歓ぶ国民は居ないだろう。  

 野田君の松下パナソニック軍団は住友化学経団連からの支援も受け意気軒昂、政局になるとも知れずTPPだとピイチクパーチク雀の学校そのものだ。僕の給料3割カット、だから公務員は7.8%カットね。朝霞公務員宿舎の凍結?たかだか100億円がどうだってのよ?象徴的かどうか判らんが、野党マスメディアが騒ぐほど国益云々な話ではないだろう。愚民の方々は、猿でも判る話題に喰い付く習性を利用されている、まるでパブロフの犬のごとし。TPPのメリットなんて糞のようなもの、その殆どが「アメリカ奴隷国家宣言・米韓FTA協定」と瓜二つ。明らかに売国政策だね。今度は野田君が国賓晩餐会でキムチ料理にあるつくのだろうか。(笑)  

 野田君のような人は、菅と違って動物的勘が働かない。見るからに臭覚の悪い顔だが、危険を察知する器量に欠けている。日本亡国であると同時に、自らの政権自体の危機だと云う認識がゼロなのだ。財務省主導というか、もう新興宗教信者並の野田君は、増税路線でマヤカシの財政再建は素敵なことだと思い込んでいるのだから、どうにも手がつけられない。頭をカチ割って調べてみると、米(福島産米+米国)とパナソニック製品と銭ゲバとプルトニウムで満たされているのかもしれない。言い忘れたが、米軍自衛隊分隊も入っているな(笑)  

 亀井静香がまたぞろ動き出した。小沢一郎と密談し、その後山崎拓ともひそひそ話。何を話したか判らんが、野田政権擁護論をぶっていたわけではないだろう。円相場は、日本財務省及び日銀の馬鹿どもの稚拙な円売りドル買いと云う馬鹿の一つ覚え政策しか出来ず、もう殴られっぱなし。金融緩和策の50兆以上の枠も10兆位10王余って、宝の持ち腐れ。安住が口を開くたびに円は一層高くなる。何処の誰がやっているのか知らないが、野田民主党政権は未だ豊かさを残す日本国家を破滅させようと死に物狂いだ。狂信的天皇中心主義右翼保守ではないリベラル保守の鳩山・小沢・亀井らは、これでは本当に日本が壊滅すると思い込んでも不思議ではない状況になりつつある。

 あまりにも子供染みた脳味噌で、これ以上の政権運営は幾らなんでもマズかろう、TKO(テクニカルノックアウト)にしようではないか。民主党の内部は、隷米市場原理主義者とアジア重視リベラル保守主義者に二分されている。自民党もほぼ同様だ。この衆参議会のネジレ以上に厄介なネジレが、二大政党内において存在する事実は、日本国家にとってトテツモナイ災難だ。おそらく、今日本にとって最も重要なことは、この民主党、自民党内のネジレに他ならない。  

 700人近い国会議員の内356人がTPP反対を表明、署名している。現状だけでも半数以上の議員が反対し、署名の声が掛からなかった50人も反対らしいので、400人が反対のTPP交渉参加。オバマ国賓晩餐会の呼ばれたいが為とは思わんが、交渉テーブルについて話はじめたら、オバマが居ない!共和党の怖いオッサンがグワ~と赤鬼のような手で鷲掴みされてしまうのが判らないのだろうか。まぁ批准に至るまでには野田政権は胡散霧消しているのだろうが、暴力団の宴会参加申込書にサインしちゃうのだから、断りに行く奴は命がけ。だったら、そんな損な役回りを避ける為にも、野田君潰そうか?政治的経験と知能があれば、事前に次善の策を講じるのも吝かではないのだろう。


日本 権力構造の謎〈上〉 (ハヤカワ文庫NF)
カレル・ヴァン ウォルフレン
早川書房


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意欲なき自民・万年野党 “円”天まで昇れ!経団連米倉よ悲鳴をあげろ!

2011年10月26日 | 日記
文明の災禍 (新潮新書)
内山 節
新潮社


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意欲なき自民・万年野党 “円”天まで昇れ!経団連米倉よ悲鳴をあげろ!


昨日のコラムで≪ “ 植民地化急加速 ” 野田政権何処へゆく 自民の奮起を促したい!≫なる見出しで自民党の奮起に一縷のエールを送ってみたが、到底叶わぬ無駄骨のような気分になってきた。25日から始まった質疑が衆議院の各委員会において始まったのだが、閣僚個人のゴシップ談義、嘗ての社会党の与党追求のデジャブの有様だ。60年に近く政権与党として君臨した貫禄のようなものが見せられれば、野田政権であれば倒閣出来るものを、国民目線と云うより、三流週刊誌的発想の質疑に終始した。  

 マスメディアも似たりよったりの体質なので、そのような委員会における質疑に疑問さえ持たない。国会議員の実態は哀しいほど粗末なものだが、それにしても国会は国家国民の行方を左右する問題を議論すべきと指摘するメディアさえ見つけることが出来ない。国会の姿、マスメディアの姿、それが実は国民の鏡であるとするならば、なんともはや脱力感に苛まれる。今、目の前に“大震災の復旧復興”“福島原発放射能問題”“沖縄普天間移設問題”“TPP交渉参加問題”“消費税増税問題”“年金問題”等々、追求すべき重大な課題が満載だと云うのに、閣僚のゴシップ追求では、単なる野党と云う事だ。  

 たしかに臨時の閣僚への所信質疑で自民党も本腰を入れられない気分もあるだろうが、各委員会それぞれに国家的課題は目白押しなわけで、返答に窮するほどの質問を投げかけるチャンスは幾らでもある筈だ。少なくとも政権奪還の意欲をみせる質疑をぶつけるくらいの姿勢がないと、このまま野党で消滅と云う将来が待ち受けているのだろう。公明党が自公連携に逃げ腰になりはじめたのが、その兆しと云う事なのだろう。そう云う事であれば、TPP等を基準にして、話し合い分党する事が賢明だろう。稲田等と云う議員が脚光を浴びるようでは、とても明るい将来があるとは思えない。どうも、自民党への筆者の期待は勘違いだったようだ。  

 おぉ!又円が最高値を更新した! ≪ [ニューヨーク 25日 ロイター] 25日午前のニューヨーク外国為替市場で、ドルが一時75.77円まで下落し、最安値を更新した。市場では政府・日銀による介入に対する警戒感が高まっている。 ロイターのデータによると、ドル/円はその後0.2%安の75.92ドルで推移した。これまでの最安値は前週につけた75.78円。 安住淳財務相は25日の閣議後の記者会見で、行き過ぎた円高には断固たる措置を取るとの考えをあらためて示している。≫(ロイター)  

 財務省・日銀の手口は見え見え、なんの方策にもならない。各国のハイエナ・トレーダーはにやにや笑いながら、チビっ子ギャング安住の放言を聞き流すに違いない。円売りドル買い以外なにひとつ対策を持たない、財務省・日銀。もう糞の役にも立たない無能者の集団だ。経団連の米倉爺の吠え面が目に浮かぶ(笑)構わんよ、海外に出て行きたまえ!日本民族である前にグローバル人で白人の仲間入りがしたいのなら、日本を捨て、中国だろうが、韓国だろうが、ベトナム・タイ・インド、お好きなところに出て行ってよ。天まで登れ!円円円!  

 だいたいが、“貿易立国”と云う言葉が国家の正しい道である錯覚が、日本中、否、世界中に蔓延している。本当に、貿易立国、グローバル経済、国境なき経済活動が正解なのかどうか議論したことはあるのだろうか。それにもかかわらず“地産地消”と云う言葉も正しい選択として認知されている。これって、グローバル経済と真っ向対立する概念なのだ。   

 “地産地消”の連鎖が国家的に行われれば、その国家は“地産地消国家”である。つまり“自給自足”出来る国家の成立だ。あらゆる分野において“地産地消”を目指すことで、“自給自足国家”は成立する。一見夢想家のような事を言っているようだが、案外本気になると、出来ない事ではない。勿論、江戸時代の鎖国のように、海外出入り禁止のような政策を設ける必要もない。貿易もやりたければすれば良い。ただ、国家的支援はしないので、市場原理主義で勝てるならどうぞ!と云う事だ。つまり、世界に丸裸で勝負に出ても勝てる製品・サービス・文化は世界に出て行けば宜しい。これぞまさに選択的集中である。  

 衣食住に関して、日本はその自然の上に立脚し、人モノ金を“地産地消”の連鎖で賄えば、ほぼ達成出来る。貿易立国を死守しようと無理に無理を重ねれば、TPPの如く、他国に影響されて生きる国家が続くだけで、国民とってそれ程の利益を享受することはない。グローバルな、半分外国資本の企業が利益を生み、その利益を次なる利益の為に注ぎ込むと云う、市場原理主義と金融資本主義、グローバル経済の餌食になるだけで、多くの国民は不満足な“生かさず殺さず”な境遇から脱する事は出来ないのだろう。いと哀れだ。  

 防衛にしても、軍事と外交のバランス・筋道さえ間違わなければ、重大時に至ることはない。エネルギーにしても、本気で知恵さえ出せば、必ず国民・企業のエネルギーは地産地消“可能だ。まぁ米国が、こんな富を抱えた能天気な日本と云う国家を指を咥えて見るとは思えないので、実は結構困難な話だ。逆説的にみれば判ることだが、日本の国力は、日本人が考えている以上に豊富なのだ。おそらく、その潜在能力は米国中国も羨むものなのだと思う。故に、現在のTPPや米軍基地如き事態に遭遇している。中国もロシアも日本市場に参入したいのだ。  

 日本に接近する国が多く存在すると云う事は、そこに何かがあるからだ。その何かがなかったら、ばい菌のようなもので、誰も接近しようとはしない。つまり、ボロ屋に滅多にドロウボウは入らない。何となく金がありそうな国家だから、盗人が土足で入り込もうとしている。日本の政治家も官僚も、その位の自信を持って国家を運営したらどうなのだ。経団連は良いよ、いらないよ。日本から出て行ってくれ!米倉などは溺れてしまえば良いのだ。浮き輪など貸すなよ!(笑)本棚の奥から「吉里吉里人」(井上ひさし著)でも読み直してみるか~。


吉里吉里人 (1981年)
井上 ひさし
新潮社


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“植民地化急加速” 野田政権何処へゆく 自民の奮起を促したい!

2011年10月25日 | 日記
ふしぎなキリスト教 (講談社現代新書)
橋爪 大三郎,大澤 真幸
講談社



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“植民地化急加速” 野田政権何処へゆく 自民の奮起を促したい!


日毎夜毎、悪化していく民主党政権、ついつい今夜の見出しのような愚痴も出る。(笑)そりゃそうだろう、TPPの功罪がどうのこうのと言い立てても、交渉参加と云うハードルだけなら国会の議決も必要ないし、政権だけで結べる範囲なのだから、いわば治外法権のようなものだ。TPPにおいて、交渉参加と云うテーブルを設けた罠が功を奏している。ウ~ム、流石に謀略国家アメリカのやることはそつがない。褒めてどうすると言われそうだが、中々手が込んでいる。  

 思い出すに筆者が2010年5月7日に書いた≪町村信孝が合意した「日米同盟合意文書」が鳩山の決断の足枷に≫で触れているが、2005年に署名された「日米同盟・未来のための変革と再編」と云う条約で日米安保条約が驚くべき変質を遂げていたことを外務省も防衛省も充分に把握していなかった。日米安保条約が極東の安全、延いては日本の安全と米軍基地の駐留及び思いやり予算がバーターでセットになっていると受け取っている国民が多いはずだが、この町村・大野とライス・ラムズフェルドが取り交わした日米同盟の合意文書は、米国の世界戦略に日本も一致協力すると云う、トンデモナイ合意である。憲法違反、国連無視、米軍と一蓮托生に合意しているのである。この「日米同盟・未来のための変革と再編」と似たような国体を変質させる出来事が、常夏の国ハワイで、2週間足らずで起きようとしている。   

 野田が走りだした南スーダン自衛隊PKO派遣準備も武器輸出三原則の緩和も普天間移設に関する辺野古移転計画の強行姿勢も、上記の「日米同盟・未来のための変革と再編」において、殆ど約束された協定の履行に過ぎない、と云うのが外務防衛の主張なのだろう。オバマ政権の大統領再選に向けての形振り構わぬ行動は、自国民の不満を海の向こうに振り向けるしか手立てがなくなった証左のようだ。沖縄問題でも、パネッタ米国防長官は議会が海兵隊グアム移転の予算を通さないから、環境影響評価(アセスメント)の「評価書」を年内に提出しろと屁理屈をこねている。何でもいいから、目に見える政権運営の前進が欲しいのだと、オバマは希求している。野田はオバマの為に、今政権を運営する覚悟を強く持っている。  

 日本国家の米国植民地化が強化されようがされまいが、「国民生活に直ちに影響が出ない政策」の実行は平気の平左と云う事だ。その植民地と云う影響が国民生活を直撃する頃には、菅にしろ、野田にしろ、政治家でなくなっている可能性すらある問題を、野田は今を切り抜ける為にしようとしている。否、ハワイに行って、オバマに褒められたいだけ、と云う笑い話にさえ思える。米国には隷属恭順の意現し、経団連の命令に従属し、霞が関改革の遥か彼方、もう政権交代時の民主党マニュフェストの後退どころか、野党自民党の旧守右翼系勢力を飛び越え、米国が新たな宗主となる英連邦植民地政策回帰とみることさえ可能だ。  

 以上のような蛮勇を奮い続けようとする野田民主党政権の基盤が盤石か、と云うと全く逆、脆弱そのものだ。野党で冷や飯を食い続けるうちに、政権の奪還どころか、党運営に汲々としている姿を見ると、煽っても意味はなさそうだが、今こそ民主党政権を追い詰めるチャンスが目の前にぶら下がっていると気づかないのだろうか。たしかに、野田政権を追い詰めようとすると、自らの政権時の悪行、体たらくをなぞる痛みも伴うだろうが、攻めどころではないのか。谷垣ら執行部は“戦いは来年だ”等と逃げを打っているが、攻めどころ満載の今こそ、信を問え!と主張できる時である。  

 経済成長そっちのけで、ひたすら増税、デフレ脱却の入り口さえ探そうとしていない。国家運営の基本の基本も叶わず、米国一辺倒政策に現を抜かし、国民に増税だけを強いる。福島原発問題の処理も虚偽に満ち、大震災復旧復興を本気で実行しようとしていない。たしかに自民党でも似たりよったりの政策選択しか出来ないだろうが、折角の文句垂れが出来る野党という有利な立場ではないか。それを使わずに漫然と指を咥えるべきではない。こんな時に“政治とカネ”などで国民の溜飲を下げさせ、結果心ある国民から見放される愚を犯すべきではないのだ。今こそ、世に阿らず、米国一辺倒外交を指摘し、真の独立国としての姿、戦後から一貫して占領国米国と闘ってきた保守政治の矜持の観点から野田政権を追求すべきなのだ。  

 その主張の中に、政権交代時の民主党の「国民の生活が第一」に類した立場を主張し、稚拙な国民生活の堅持手法は国民の生活崩壊に繋がる。“TPP反対”“増税反対”“公務員制度改革の促進”“地方分権の加速”等々打ち出せば、今の民主党なら自民党は良い勝負が出来る。3次補正を早急に成立させ、一気に野田政権打倒に突っ走るべきだ。可能性はある。ただ、小沢一郎が自民党の動きに同調するかどうか、その辺を推し量る必要は大いにある。  

 理由は、自民党が撒いてしまった種だが、小沢の裁判の行方が定まっていないせいである。自民党も、目先の政権死守の為の、トンデモナイ間違いをしでかしたものだ。今になって、左翼と右翼が同居する仙谷・前原・枝野らに塩を送る結果になり、自民党と同質なモノを根本的に有する鳩山・小沢・亀井を外様に押しやる愚挙を行った。小沢が動かない可能性は、日本の裁判所が最高裁事務総局の意向に左右され、事務総局は時の総理の意向に左右されるのが実態なので、表立って小沢一郎は野田と闘いたくない苦しい事情を抱えている。もしかすると、自民党自体がその事を承知しているので動けないのかもしれない。そこまで、宗主国は植民地日本の事情をご存知と云うことかもしれない。


文明の災禍 (新潮新書)
内山 節
新潮社



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カダフィ大佐の死 だからリビアが民主国家を手にしたわけではない

2011年10月24日 | 日記
グローバリゼーションと植民地主義
クリエーター情報なし
人文書院


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カダフィ大佐の死 だからリビアが民主国家を手にしたわけではない


  悪の枢軸・独裁政権リビアのカダフィ大佐が自国民になぶり者にされ死を遂げた。欧米日のメディアは総じて大歓迎ムード、“これでリビアの民衆にも民主主義国家建設の機会が訪れた”と手放しに近い歓びようだ。筆者からみると、イラク同様混沌のはじまりであり、リビア石油資源争奪の草刈り場になるだけだろうとしか想像できない。  

 その前に、直近の国内の記事を眺めておく。千葉県柏市の空き地から57.5マイクロシーベルトと云う高空中放射線量が測定された。初めは「福島原発由来とは思えない」等と空とぼけていたのだが、文部科学省は福島第一原発事故の影響を受けた雨水に含まれる放射線物質が蓄積した可能性が高いと認めるに至った。この事実は非常に重い。なぜなら、現在「除染、除染だ」と云う“放射能お守り”と化した除染によって、外観を糊塗するダマシ絵を完成させようと云う国家的詐欺が露呈した訳だ。 高圧洗浄した水は明らかに地下に流れ、地下水に流れ込む。地下水の汚染を除染出来ることはないのだから、ゴミを見えないところに隠すだけの話だ。水に溶け込んだ放射能を除くことの方は一層問題を難しくする。ところが、地下水に溶け込んだ放射能が悪さをするまでには、5年、10年以上の年月があるので、有耶無耶に出来るに違いないと、政府が考えていることは、いとも簡単に理解できる。そいして、綺麗になったよ!と福島県民をゴミを除けたに過ぎない大地に住めと言うのだろう。

 前原のガキがTPPについて、「交渉に参加して、国益にそぐわなければ撤退はあり得る」と言ったらしいが、党内反TPP派を懐柔するつもりなのだろうが、前原の言動を信じる奴は、そうそう居ないだろう。(笑)筆者は米国の脅しが強烈なら、野田君では到底断りようがないと読んでいるので、トコトン交渉で主張する道しか残っていないのだろうか、と読んでいる。反TPP派が党を割るほどの勢いで動いているとは思えないからである。米国に逆らう権力者は、フセイン、ビンラディン、カダフィ等々と次々に殺されるのだから、菅も野田もヒヤヒヤだろう。野田の場合、TPP本気で良いと思っているかもしれないから、余計に厄介だ。ペルーでTPP第9回目の交渉が9カ国で行われているが、米通商代表部(USTR)は「アジア太平洋地域への輸出拡大は、米国のさらなる雇用創出と、景気回復に極めて大きな貢献が見込める」と公言して憚らない。暴排条例の適用を申請したい気分だ。(笑)

 本題に戻るが、欧米が創りだすグローバル資本主義に毒された見せかけの民主主義は、一見自国民の側から湧き出た自由への渇望のような姿を模し、巧妙に欧米先進国が、リビアやイラク、エジプトへの植民地化回帰を狙っていると考えるのが妥当だろう。リビアの暫定政権にどれだけ自国の影響下にあるリビア人を大臣に就けるかの争奪戦が始まっている。見た目だけリビア人に支配させ、間接的に欧米各国がリビアを植民地にすると云う、フザケタ話なのである。一説によると、欧米支配層には「アラブやアフリカに民主主義や自由を与えてみたが、彼らにそれを実現する能力が無いということがハッキリした。再度これらの国々を植民地下に置いて、民主化、自由化そして発展を、指導していかなければならない。」と公言している。

  イラク、アフガンに始まり、次にはチュニジアのジャスミン革命からの一連のエジプト、シリア、イエメン、バーレン等々の政変は、上述欧米人の横柄な思い上がりに由来するものなのだろう。ビンラディンの怒りとは、このような欧米権力者への怒りの現れだと理解することも可能だ。

 フセインに処刑人が「地獄に堕ちろ」と叫んだら、フセインは「今のイラクは地獄だろう」と答えたと云う。カダフィ大佐は「アイツらの狙いは植民地政策だぞ!虫けらども」と徹底抗戦を選んだと云う。また、カダフィ大佐は「日本もそろそろ独立精神に目覚めたらどうなのだ」と語ったと言われている。米国に抵抗する勢力は当然米国の軍事力、経済力に敵うものではなかった。或る意味でヤケクソと云うか自暴自棄にさえ見えるのだが、国家として独立するのだ、と云う矜持はあったと見ることも出来る。その矜持の現し方がテロ行為である点は称賛する事は出来ないが、矜持の部分は爪の垢を煎じて呑まなければならない国家が身近にあるようで仕方ない。見せかけの民主主義(資本主義に隷属した)に徹底的に馴染んでしまった国、日本。米国は何とも都合のいい国を植民地にしたものだ。

 復興増税、消費税増税、福島原発処理、原発再稼働問題、公務員制度改革、予算の組み替え、TPP、普天間移設問題、経済成長戦略等々を見ていると、国家ビジョンがボンヤリトでも展望できるものがないのが、菅・野田政権の姿だ。この調子で小沢一郎抜きの民主党が、今後2年間政権を担うとすると、トンデモナイ植民地日本を出現する素地を作り上げてしまうようだ。今でも十二分に植民地だと云うのに、これ以上となると、大和民族が胡散霧消する危機さえ感じてしまう。小沢抜きの民主党に日本が米国に売り払われるのか?その前に米国が破綻してくれるのか?それとも多少は独立国家の矜持で政治を行う政権が生まれるのか?此処1年が、大袈裟ではなく日本の将来を決定するかもしれない。にも拘らず、日本人全体に流れている空気は、オウム返しに口々に色んな事を言う割には悲壮感がない。この悲壮感のなさは何なのだろう?筆者も正解は持ち得ない。個人的には、10年後くらいには英語を公用語にしろ、と宗主国アメリカが言い出すのだろう。日本語が消えてゆく、それが一番気がかりだ。


世界の軍事力が2時間でわかる本---「軍事費と「兵員数」の上位国を、あなたは軽く言えますか? (KAWADE夢文庫)
クリエーター情報なし
河出書房新社


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悪徳自民の米国、霞が関への抵抗が懐かしい(笑) 小沢を抜けば腑抜けの民主党

2011年10月22日 | 日記
100年予測―世界最強のインテリジェンス企業が示す未来覇権地図
ジョージ フリードマン,George Friedman
早川書房



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悪徳自民の米国、霞が関への抵抗が懐かしい(笑) 小沢を抜けば腑抜けの民主党


  カダフィ大佐がリビア国民によって殺された。否、正確には欧米の軍事介入によって排除、最後のトドメにリビア人に手を汚させ、リビアの自由・民主主義を演出したと云うだけだ。「アラブの春」などと云う「美しき国日本」みたいな名前が付き、如何にも素敵なことが起きている印象だが、内実は生々しい欧米の形振りかまわぬ、生き残りの醜い姿である。

 チュニジアのジャスミン革命でベン・アリ政権が倒され、エジプトではムバラク政権が倒され、ヨルダン、バーレン、イエメン、サウジ、シリアと火種だらけになっている。その間に、パキスタン国内でアルカイダの司令官・ビンラディンが米国の劇場型暗殺の中で殺された。

 何とも奇妙な按配で世界に火が着いている訳だが、常に欧米イスラエルを中心とする勢力が介在している。血生臭さこそないのだが、我が国においても欧米勢力の日本国家の再占領のような動きが加速している。史実的にいえば、日本は明治維新以降、「追いつき追い越せ」を合言葉に、知らず知らずに、あらゆる分野において欧米の真似事をしているうちに、実は欧米システムと資本の呑み込まれ続けたわけで、特に今さら再占領だと騒ぐまでもない。しかし、何故か民主党政権以降、この動きが加速し、嘗ては“見えざる手”によって、徐々に米国に隷属する巧妙な手順があったのだが、今やそれも省かれ、露骨に「言うことを聞け!」と云う姿を現している。

 今にして思うと、09年の衆議院選において民主党は想像以上の圧倒的勝利を得たのだが、選挙制度(小選挙区比例代表並立制)の所為だとか、自公政権に辟易としたとか、小沢の選挙上手が功を奏した等々、色々と取り沙汰されたが、決め手と言えるほどのもはなかった。この頃の、マスメディアの論調を思い出すと、朝日新聞を中心に民主党贔屓が優勢だった。米国も自民党政権の崩壊阻止に積極的行動を起こしたとは言い難い。つまり、米国も霞が関もどちらかと云うと、“一つの例外を除いて”、民主党政権の方が良い(与しやすい)と判断したような流れがあった。

  “一つの例外を除いて”と云うのは小沢一郎のことだ。この一人の民族派保守政治家を除いた民主党は非常にグッドだと認定していたのだろう。故に、極めて単純に“小沢一郎を貶める事件”を画策したことになる。キャラクター・アサシネーション(人物破壊)を武器に大衆を扇動しておけば、後は得意の“闇の中司法”の枠内で、一人の邪魔者政治家を封殺出来るとした。このキャラクター・アサシネーションを一身に受けた小沢一郎と云う政治家の政治力は、必ずしも彼らの思惑通りには凋落していない点で、不満はあるだろう。

 ウッカリ間違えて、東京地裁の裁判官が小沢一郎に対して“無罪”等と云う判決を出したら、小沢一郎を封殺しようとした意図が頓挫するし、与し易しと政権につかせた民主党と云う政党が、自公政権以上に厄介な存在になる危惧は今でも共通認識となっているだろう。米国の欺瞞だらけの血で汚れた手で行われる民主主義・自由主義は、何てことないグローバル資本主義の奴隷だと云う事なのだが、意外に見落としてしまうトラップが存在するようだ。

 そのトラップは、資本主義の中では、人間が動物的本能にのみ生きるに非ずと云うトラップだ。人間が生きる為に最低限必要とする“衣食住”の充足などは当然の事で、その周りを着飾るフリンジ・ベネフィットにこそ、現代人の生きる価値があるが如き幻想を抱かせることに長けている。飢餓に苦しむアフリカ難民が聞いたら気が狂わんばかりに怒りそうな価値が、先進諸国では当然の権利の如く語られている。

 少々横路に逸れたが、“民主主義・自由主義は、何てことないグローバル資本主義の奴隷”と云う獣道に迷い込んでいるのだ。先進各国は、後進国まで食い物にして、この“グローバル資本主義の奴隷”を継続しようとしている。実際は、継続したいと望んでいると云うよりも、“グローバル資本主義の奴隷”の道から逃れられなくなっていると考えるのが妥当だろう。“衣食住”の充足などは当然の事で、その周りを着飾るフリンジ・ベネフィットを謳歌する愉しみを自らの国民に与えてしまった為政者は、そのジレンマから抜けきれず、より一層酷い“グローバル資本主義の奴隷”に拍車をかけることになる。

 自民党には、善かれ悪しかれ派閥や族議員や政治プレッシャーグループの代表が存在し、“霞が関のやりたい放題”に横槍を入れる仕組みがあった。故に改革等々が口だけ改革に終わり、骨抜き法案がまかり通ったわけだが、今回のTPP問題などを論議するシチュエーションにおいては、その方が一気に国体の体質をチェンジしてしまう速度を緩める効果はあっただろう。正直、小沢一郎を除いた民主党は政権運営に疎く、学級委員会レベルの政治手法しか知らない。そう云う人間達は、礼儀正しく、煽てながら語られる論理的説得法(役人が得意とする戦法)に矢鱈弱い人種でもある。知的でありたいと思う心情が仇になるのだ。政治は知性より胆力・権力実現である事、彼等は知らない。


自民党政治の終わり (ちくま新書)
野中 尚人
筑摩書房


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“アサひる全開”朝日記事「小沢氏、TPPに前向き 自由貿易は日本にメリット」

2011年10月21日 | 日記
帝国以後―アメリカ・システムの崩壊
エマニュエル トッド
藤原書店


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“アサひる全開”朝日記事「小沢氏、TPPに前向き 自由貿易は日本にメリット」


  今夜は昨日の小沢一郎会見を通じて、記者クラブメディアが何を書いたか、ネットで確認してみた。驚きは、何と言っても朝日新聞の「小沢氏、TPPに前向き 自由貿易は日本にメリット」だ。小沢はそんな事言ってない!でも朝日新聞を購読している読者は、見出し通りに受け取るだろう。先ずは、朝日、読売、時事の順で列挙しておく。

 ≪小沢氏、TPPに前向き 「自由貿易は日本にメリット」
 民主党の小沢一郎元代表は20日、東京都内でフリー記者らが主催する記者会見に応じ、TPP(環太平洋経済連携協定)について「自由貿易は最も日本がメ リットを受ける。原則として理念的にはいいこと」と述べ、交渉参加に前向きな考えを示した。一方で、「セーフティーネットを国内的に構築したうえでやらな いと、競争力の弱い分野は生活できなくなってしまう恐れがある。国民生活が大変なことになる」とも指摘した。≫(朝日新聞)

  ≪小沢氏「TPP交渉参加は早計」
 民主党の小沢一郎元代表は20日、フリー記者らを対象にした記者会見で、環太平洋経済連携協定(TPP)について、「自由貿易には賛成だが、弱い産業部 門は突然、『関税撤廃だ、自由競争だ』となったら成り立たなくなる。国民生活を守る対策が取られないうちにやるのは早計だ」と述べ、交渉参加は慎重に判断すべきだとの考えを示した。 自らの資金管理団体の政治資金規正法違反事件に関しては、「司法、行政、立法は分立しているが、国会が憲法で最高の機関にされている。国会の国政調査権を強化すべきだ。裁判に対しても、誰に対しても。検察も行政の一部だが、国家権力をオープン化すべきだ」と語った。検察審査会の判断で起訴されたことや、秘書3人が有罪判決を受けたことから、検察や裁判への不信を表したものだ。≫(読売新聞)

  ≪国内対策なければ早計=TPP参加で民主・小沢氏
 民主党の小沢一郎元代表は20日午後、フリー記者らでつくる 「自由報道協会」主催の会見に臨み、環太平洋連携協定(TPP)交渉への参加に関し、「自由貿易や自由競争という基本的原則は日本に大変有利でありメリットがあるので賛成だが、国民生活を守る対策が取られないうちにやるのはちょっと早計だ」との認識を示した。 小沢氏は「TPP(に参加した場合の 影響)は農林水産業の話だけではない。むしろ(米国などの)メーンの狙いは他の分野にある」とも指摘した。 首相を目指す考えがあるかどうかを問われたのに対しては、「本当の意味の政権交代可能な、国民が政権を選ぶことのできる民主主義を日本に定着させたい。そのためならば自分でやれることは何でもやりたい」と否定しなかった。≫(時事通信)


  以上三つの記事を繋ぎ合わせると、小沢一郎の会見の一部に通じるが、小沢が最も言いたかった事は「行政の枠組みの改革」(中央から地方)なのだと云う肝が進んでいない点が、現在の民主党の混迷だと見破っているようだった。小沢が自由主義貿易論者なのは以前からの話で、今に始まった事ではない。ただ、TPPに関しては“関税障壁云々の話が主題ではなく、違うところに目的がある”と云う点の指摘が重要だ。間違っても、アサヒル朝日新聞のようなTPPに前向き発言は、トンデモナイ捏造報道だ。

  たまたまTPP関連としての質問に答えた前後の脈略から、曲解したのが朝日新聞だが、今さら朝日も“小沢の政治力に翳りが出た”と歓んでいる新聞社が、“小沢もTPP賛成だ”と事更に歓ぶのは変だろう?読売新聞の社会部記者の会見場荒らしは見苦しかったが、毎日新聞などは、陸山会事件の記事を特集のように執拗に書いていて、TPPなんて関係ねっ!と云うスタンス。筆者の比較対象記事から外れる始末。記者クラブの連中は、小沢への興味は、小沢の力山会関連発言の齟齬探しに懸命なのだが、公判に入った事件に関連する質問を、会見質問ですること自体違和感がある。政治家にはビジョンを語らせろよ!

  まぁ、彼らの世論調査の数字を盾にすれば、“いま小沢に聞きたいのは犯罪の事実確認だ”と云う確信犯なのだろうが自由報道協会の趣旨は、小沢と国民の対話を試み、今の小沢の考えを聞きたかったわけでが、企画の点で記者クラブ連中に塩を送ったつもりが、相手は紳士協定を歯牙にもかけず、小沢一郎追求の場にしようとしたのだろ。岩上安身氏は相当頭に来て“正力、ナベツネの追求でもしたらどうだ~”と怒り心頭だった。

 小沢はTPPが農業だけでなく、全ての分野に亘り規制を取っ払う協定であり、米国の目的は農業ではなく、別にある(金融・保険・医療・郵政・公共事業等々)と見ている。そのような協定を結ぶには、その前に国内基盤を整えてからでなければ、一気に国民経済が破綻すると思っている。故に、直接TPPと云う問いに答えなかった。つまり、自由貿易と云う概念とTPPは違うと云う事を暗に示している。現時点では“反対”に近い立場だ。おそらく、米国の行政部門の圧力と財務・外務・経産省の霞が関勢、経団連・マスメディアの力も加わり、民主党内も押され気味な状況を測りながら発言だったと思われる。輿石幹事長を孤立させるわけにもいかないと云うのが、小沢一郎の悩ましい心境だろう。

  輿石幹事長を孤立させるわけにもいかないし、民主党内も二分された状況だし、自分は党員資格停止であり、且つ法廷を抱えている。いま党内を大混乱させるのは得策ではない、と考えても不思議ではない。そうなると「交渉参加」まではやむなしと云う落としどころもありだろう。巷で言われるほど、「交渉参加」イコール“蟻地獄”と云うホラーじみた話も大袈裟なのだ。交渉のテーブルについて、ガンガン議論すれば良い。ただ、そうなった時、民主党に議論のテーブルで喧々諤々米国相手に語れる政治家いるか?と云う問題になってくる。小便をチビられては困るのだ。この際、田中康夫をTPP交渉日本通商代表になって貰おうか?勿論亀井静香もあり、小沢一郎もありだ。松木けんこうってのも悪くない。


自由報道協会が追った3.11
自由報道協会・編
扶桑社


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米韓FTAとTPP日本参加はセットだった! 凋落米国覇権の悪足掻き

2011年10月20日 | 日記
グローバル化経済の転換点 - 「アリとキリギリス」で読み解く世界・アジア・日本 (中公新書)
中井 浩之
中央公論新社



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米韓FTAとTPP日本参加はセットだった! 凋落米国覇権の悪足掻き



  米韓不平等FTA協定を結んだ韓国の李明博大統領の韓国にいそいそと出掛けて行った野田君は、米国から命令されている韓国支援を表明。通貨危機の際に外貨を融通しあう日韓通貨スワップの枠を130億ドルから5倍超の700億ドル(約5.4兆円)に拡充することで合意した。つまり、韓国があれ程の不平等FTAを米国と結んだ背景には、韓国の通貨危機を支援するのは日本である、と米国から強烈に命令されていたことを裏付ける。  

 ウォン安で経団連輸出企業の焦りを誘発し、輸出産業でわが世の春を謳歌していた韓国経済も、実は張り子の虎。米国経済の張り子の虎のソックリさん。日本にだぶついているドルを有効に使う事は、日米間共通の利益である、と云う馬鹿げた話だ。サムソンが世界を席巻して、日本企業は後塵を拝しているような話ばかりが、日本のマスメディアで語られている。だからTPPだなんてアホウまで現れる始末。ユーロの危機を契機にウォンの下落は止めどなくなり、一旦輸出に陰りが出た時には、一瞬にして外資が資金を引き揚げ、アジア通貨危機の再来が韓国経済を襲う可能性は充分にある。
 アジア通貨危機当時、韓国の抱えていた民間短期対外債務残高は320億ドル、その借入先の内訳は日本が118億ドル、欧州全体で118億ドル、米国42億ドルであった 。つまり、米国が韓国経済を支えているわけではなく、日本と欧州が韓国経済を支えているのだ。日本の場合、米国の命令により、永遠に敵に塩を送り続けると云う構造的問題を抱えている。輸出で韓国に痛い目に遭わされながら、米国の指示により、韓国経済の下支えをしなければならない。なんとう云う馬鹿げた話だ。  

 この流れで考えれば判ることだが、今回の米韓不平等FTA協定も、代わりに日本のドル資金で支えるから良いだろう、と云う米国の説得が韓国にあった事実を見逃す事は出来ない。つまり、一人損させられるのは日本だけと云う構図だ。勿論、このTPPにせよFTAにせよ、単なる経済協定でないことは誰にでも判る。グローバル経済が中途半端だから、その過程において齟齬が生まれるわけで、その経済政策を貫徹すれば、ウィンウィンな日米韓・アジアの枠組みが完成するのだ。もう、金融資本主義、市場原理主義の“竹中平蔵珍竹林論”そのものなのである。  

 今回の野田訪韓で、日米韓の同盟を外交・軍事・経済で強化し、中露と対抗的勢力を結集しなければならないと云う、米国の焦りが如実に現れている。米国の凋落もここまで来てしまっているのか~と云うのが筆者の実感だ。本当にヤバイ状況なのだ。期せずして孫崎氏が以下のようにツィッターで呟いている。  

 ≪米国:英FT紙米国に、衰退という不可避な状況を直視し対策を考えるべしと忠告。17日Rachman論評「ナイ、フリードマン等米国の代表的論客は米国の衰退は必然ではないとの立場。米国の衰退は英国の様に急激ではない。しかし起こる。経済では中国の米国追い抜きは多分2020年が境目。その後しばらく軍事、政治で米国の優位はあろうが、経済力の後退は米国に制約を課す。今こそ米国は衰退とどう立ち向かうか議論すべき時。衰退の議論をしないことは逆に衰退を加速させる。十分な議論がない場合、米国国民が冷静に対処すると言うより、怒り、非合理的になる可能性がある。英国の衰退は米国にとって代わられたが、共通性により易しかったが、米国が中国に力を譲るのはより難しいだろう。」Rachmanは不安な予言。 日本はその中、米国の怒りを中国に向ける先兵の道を歩む準備中。≫(孫崎亨)  

 筆者は最近の中露の大接近にはそれなりの外交・軍事・経済における米国覇権の凋落を予期した動きなのだと読んでいる。中露も必ずしも盤石な国家状況ではないが、自分達は欧米ほど酷い経済状況ではない。しかし、窮鼠猫を食むと云うか、覇権国のメンツの為なら何でもしてしまう米国と云う「ならず者国家」の暴走に共同で対処しようと云う連携的動きと見ている。プーチンが大統領に返り咲くことがスンナリ進んだ要因も、この米国の暴走への歯止めと考えることも出来る。筆者はこの流れが鮮明になると“第二期東西冷戦構造”の再来もあるのかな?と思う時がある。  

 TPP推進論者の元情報を掘り起こしてみると、TPP構想には文字通り環太平洋の国々が列挙されている。現時点で協定を締結している4カ国(シンガポール、ブルネイ、チリ、ニュージーランド)、前向きに交渉参加しているのが5カ国(アメリカ、オーストラリア、ベトナム、ペルー、マレーシア)。韓国は上述の通り国益を考慮の上米韓FTAにシフトした。今後の交渉参加国として、日本、メキシコ、カナダ、中国、フィリピン、タイ等となっているが、米国にしてみれば、中国に参加して欲しいとは本音で思っていないだろう。外交・安保・経済の枠組み合意のきらいがある協定だけに、ドロップアウトの国も出てくるに違いない。

 野田君の口から尤もな経済成長戦略は聞いた事がない。戦略として言い出したのが、外資に日本市場を占拠させ、米国中心の民間企業のエネルギーに依存する戦略。他人に任せる戦術は独立国の自主性の放棄であり、とても成長戦略とはいえないのだが、本人は成長戦略だと位置づけている。今日も「食と農林漁業の再生実現会議」を開き、農業の競争力強化は農家の経営規模を20~30ヘクタールへと大規模化し、就農促進を進めると明記。つまり、小さな農家は切り捨てようとしている。よく言えば、個人農業をやめないと食ってはいけないよ、と言っている。語るに落ちた話なのだが、野田君本人は、酷く正しい事を言っているつもりだ。(笑)多分、TPP交渉参加は既定路線になっているだろう。関係業界が怒りだした時には、野田君はハワイに居る筈だ。

  小規模農家は、農業をやめるか、農地を大企業に売るか貸すかせよ、と言っている。農地解放の逆さまをやるわけだ。そして、働きたければ外資のカーギルやモンサントの従業員になれば良かろうと言っている。(実は、外資大規模農業企業は、ベトナム研修生労働力を使うつもり)つまり、戦前のような大地主と小作農の再来である。漁業についても似たような発想だろう。TPP交渉参加での反論を抑えようと、より怖ろしい発想を展開している。怖いのは、大地主対小作の世界を作り上げ、日本の農漁村の文化伝統を、市場原理主義の餌食として奉納しようと云う事だ。まぁ、農家の一人ひとりが、この事実を知った時、野田政権が一気に崩壊するか、民主党政権が崩壊するのだろう。  

 野党自民党にしてみれば、積極解散要求から、ニヤニヤ笑いながらTPP参加も悪くない等と言っておいて、野田政権がコケルのを待つと云う、消極姿勢に転じている。公明党は、もう自民党の再起は多分ないだろうと読み、ジワジワと民主党野田政権に優しい態度をみせ始めている。まぁ、TPP交渉参加したら“蟻地獄”のように抜け出せないと云うのも奇妙な話。多分、交渉してみたが、無理です、と云う国が結構出てくるだろうから、交渉参加を持って臨終と云うのは気が早すぎるだろう。多少楽観論でもあるが(笑)勿論、野田君には出来ませんがね、国家の国益の為なら一命を辞さずと云う政治家も数人は居るでしょう。



お節介なアメリカ (ちくま新書)
ノーム チョムスキー
筑摩書房



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鳩山は夢見て嘘をつき、菅は思いつきで嘘をつき、野田は国益だと嘘をつく

2011年10月19日 | 日記
「NO」と言える国家―奪われ続ける日本の国富
原田 武夫
ビジネス社



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鳩山は夢見て嘘をつき、菅は思いつきで嘘をつき、野田は国益だと嘘をつく


 自民党の歴代総理も総じて嘘つきだが、政権交代した民主党の歴代総理も押し並べて、何らかの嘘つきである。鳩山の嘘は結果的嘘の部分が多かったのは事実だ。マニュフェストを実現しようと、内閣を動かそうと思った途端にエンストした車である。ギアをパーキングに入れ、サイトブレーキを引くことも忘れ、ズルズルと坂道を転がって行った。菅は当初からの無免許運転者であり、尚且つ無謀な運転をこよなく愛したのだか、それは凄かった。ただ幸か不幸か、東日本大震災に見舞われ、国家の方向を狂わせるような重大事の舵を握ることなく消え去った。  

 抱きつき詐欺のような菅直人が消えて事で、ホッとする間もなく野田佳彦と云う男が日本の総理になってしまった。菅に続いて、“何がしたい”、“日本とういう国をどうしたい”のビジョンも準備もなく総理になり、車の操作マニュアルを読む暇もなく、車は走り出した。しかし、彼の耳には霞が関直通のヘッドホーンが被されており、ヘッドホーンから流れる指示通り操作すれば、恙無く1年間の任期は全うさせてやる、と云う“オバマ神社”発行の“交通安全祈願”の御守がぶらさがっている。なんともデカイ御守で、前方の視界を大きく遮っているのが気がかりだ。(笑)  

 それでも愚直な野田君は、一心にヘッドホーンから流れる指示に従い、アクセルを踏み、ハンドルを米国へ米国へと、今にも太平洋の海原に1300CCのカ*ーラで渡り切ろうと眦を決している。何故か野田君は安全ベルトを締める代わりに、ライフジャケットを生真面目に着込んだ姿は、何処か滑稽なのだが、本人が本気なだけにとても怖い。最後の最後、車が海の藻屑となったあかつきには、たった一人でもオバマ様が待つ米国本土に泳ぎ着こうと云う魂胆のようだ。そしてオバマから「ウェルカム、ジャパン州知事」と言われるのを夢見ている。多分野田君が米国に辿りついた頃には、共和党の大統領に「NODA、ゴーホーム」と言われるとは露知らずだ。  

 まぁ半分冗談、半分本当の話だけど、今の野田君見ていると、上述のような感じだ。ハワイ訪米の土産に「日米不平等FTA協定(TPP)」の交渉参加決定を持って行かなければ、日米の亀裂は修復不可能になる等と官邸や各関連省庁の事務方からの実しやかな作り話を、本気にしていると云う事だろう。復興増税と消費税増税でも、事務方からの作られ準備された“好ましき統計”と云う嘘の罠に嵌っているのだろう。今月下旬にはパネッタ国防長官が日本政府に強行に申し入れる(恫喝しにくる)つもりらしい。辺野古移転も、驚く話だが機動隊投入まで、シュミレーションされていて、辺野古沿岸部の埋め立で国民の犠牲が出るやも知れぬが辞さず、まで追い込まれているようだ。嘉手納統合案など、会話の中にも出せないような按配、急転直下のようである。  

 勝手に、米国産牛肉の輸入規制を緩和。ウッカリすると遺伝子組み換え作物の輸入規制も、勝手に緩和するかもしれない。そういえば、武器三原則も和らげ、最後には米国軍需産業の下請けを明確にし、米国ならず者国家の隷属が決定的になるのかもしれない。小泉・竹中ラインの百倍隷米な野田君だ。何も考えられず、闘う事を厭う総理の誕生は、融和どころか、溶解の道をひた走ることになりそうだ。  

 事の序でに、野田政権の悪口を書き連ねておくと、先ずは「国家戦略会議」のメンバーだ。野田佳彦、藤村修、古川元久、枝野幸男、玄葉光一郎、安住淳、川端達夫、白川日銀総裁、古賀連合会長、米倉経団連会長、岩田日銀元副総裁、長谷川経済同友会代表幹事、緒方貞子等々。なんと云う顔ぶれだ!「日本沈没戦略会議」さながらになるだろう。(笑)   

 嫌にTPPへの参加に反論しないイイ人ぶりの輿石が、“野田総理はTPPで日本の農業を駄目にする発想なんて持つだろうか。世界経済の流れの中で農業を再生し、全世界に発信していく」と述べ、TPP参加と農業再生の両立は可能との認識を示したことを明らかにした。”と云うのだが、「食品や農産物の輸出戦略を策定、16年度までに平地にある水田の営農規模を現行平均の10倍以上に当たる20~30ヘクタールまで拡大することが柱」だと公言している。輸出産業としての農業を守ると云う事で、農家農民を守る事ではない点、輿石の爺は判っているのか!つまり、大規模農業へのシフトと云う事だ。宮城村井ファシスト知事の漁業者の漁業権収奪と漁師のサラリーマン化、大企業優先がまさに正体を現している。文化を捨て、金が欲しい野田政権と云う事。  

 福島原発も原子炉底部の温度が100度以下、やったね!おいおい、溶けた核燃料は何処にあるのだ!冷温停止だ!と胡散臭い安全情報だけを垂れ流し、挙句に原発事故で自主的避難を求めている「緊急時避難準備区域」を逐次解除し始めた。保育園から中学校まで再開と魔法のような出来事さえ起きている。除染だ除染だと云うけれど、山森林田畑を残して除染?雨が降れば、山から平地に放射能が流れる。見た目だけ綺麗にする、おざなりなガキ共の水ぽたぽた雑巾での拭き掃除さながらだ。除染で流れた放射能は消えるのか?いつの日か地下水を通して人間の近くに忍び寄る?国家がこの様な欺瞞を平気でする。まさに国家犯罪と云うものだ。晩発性放射能被害同様、20年後50年後に起きる放射能被害などに構っていられないと云う事なのだろう。  

 まぁ言いたい事を言っていられる市井の評論家は気楽だ。文句と云うか、出来るだけ真実とおぼしき事実をブログで伝えれば良いだけだ。気に入られようが入られまいが生活に痛痒はない。仮に当該ブログで食べていたなら、もっと沢山の嘘やプロパガンダをしていたと思う。(笑)あまりにも、多くの野駄目君を虐めたので、同情的分析もチョットしておこう。  

 まず日米関係TPPだが、明らかにオバマ大統領再選運動への同盟国としての側面支援なのだが、実は米国経済が公表以上に危機に瀕している可能性もある。真実のデフォルトに近いとなると、日本政府としても他人事では済まされない。米国債は全部パーだし、軍事力も大幅に落ち込む。中国・ロシアの覇権的動きを阻止できるのか?グローバル経済と金融資本が相当食いこんでいる日本経済にとっても、重大な被害を蒙る。理屈抜きに米国経済を助けない事には、親ガメと子がめは紐で結ばれているので、間違いなく一緒に海に沈む。故にTPPなのだ。軍産複合企業の横暴を抑え、金融資本の抑制をする為にも、オバマ政権を守る方が国益に適うなのだ。放射能問題も、もし本当の事を小出京大助教のように言えたならどれ程良いだろう。東電が破産するような話ではない。国家予算が破綻するほどの金が掛かる。どうしても、嘘つき原発学者や山下嘘つき福島医大副学長のように嘘をつくしかないのだ。そのような事が、野田官邸では、真実として語られているのだろう。もしかすると半分本当かもしれないが、だからと云って国民を犠牲にして生き残る国家など考えるのは国賊政治に他ならない。小室直樹が言っているだろう「日本国民に告ぐ―誇りなき国家は、滅亡する」とさ。


日本国民に告ぐ―誇りなき国家は、滅亡する
小室 直樹
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“反格差デモ”富裕VS貧困の戦い 日本の貧困マジックの存在について

2011年10月18日 | 日記
日本国民に告ぐ―誇りなき国家は、滅亡する
小室 直樹
ワック



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“反格差デモ”富裕VS貧困の戦い 日本の貧困マジックの存在について


「世界で起きる“反格差デモ”金持ちVS貧困の戦いなのだろうか」の続きを書く。その前に以下の記事が気になったのでひと言。皆さまの記憶に新しいIMF専務理事であったストロスカーン氏に対する、無謀とも思えるNY捜査当局による身柄拘束逮捕劇は、世界をアッと驚かせた。その事件の顛末が凄すぎる。同氏に性的暴行を受けたと云う女性従業員の証言だけで、空港でIMF専務理事を逮捕し、舌も乾かぬ間に「証言は信用できない」とあっさり釈放、あっけにとられるばかりである。ストロスカーン氏が仏の次期大統領選における、サルコジ大統領の有力対抗馬であった事実や、IMFのギリシャ問題関与への方向性がユーロ寄り過ぎだと云う米国の苛立ちが存在した事実などを考え併せると、政治的陰謀事件であったと断言してもいいのだろう。小沢一郎陸山会事件も同様の様相であり、いずこも同じと云うか、常に米国と云う国が関与している。

 ≪社会党候補にオランド氏…仏大統領選最大野党
【パリ=三井美奈】来年春のフランス大統領選で、最大野党・社会党の候補を決める予備選の決選投票が16日行われ、フランソワ・オランド前第1書記(57)がマルティヌ・オブリ現第1書記(61)を破って公認候補に決まった。
 サルコジ大統領はまだ立候補表明をしていないが、再選を狙うのは確実だ。各種世論調査では、大統領の支持率が20%台 に低迷しており、オランド氏は一貫してリードしている。オランド氏は16日夜(日本時間17日朝)、勝利宣言し、「党は真の戦い(大統領選)に向け、結束を必要としている」と訴えた。同夜の中間開票によると、オランド氏の得票率は約56%。社会党では5月、党内人気が最も高かったドミニク・ストロスカーン国際通貨基金(IMF)前専務理事が米国で強姦未遂容疑で逮捕され、公認争いから離脱した。その後、オランド氏はストロスカーン氏の側近グループの 支持を固め、労働組合に支持基盤を置く左派のオブリ氏と一線を画してきた。党内では中道派と位置づけられている。≫(読売新聞)

 野田総理はどんな神経か判らないが「戒名:日米不平等FTA協定」(俗名:TPP)を米国のマヤカシ言葉に飛び乗って「環太平洋」だと強弁、「日本は貿易立国であるべきだ。なるべく開かれた体制を取ること(が必要だ)。アジア太平洋地域は間違いなく成長のエンジンになるので、高いレベルでの経済の連携をしていくことは日本にとってプラスだ。」と「アジア太平洋地域」(APEC)と無関係に近い地域をアジアだと強弁、もう原発冷温停止同様の嘘八百をシャアシャアと語る。アジアだと強弁する米国、核燃料がない原子炉が冷えたと馬鹿言う政府、日本の沈没は必然的かもしれない。

  それはさておき、本題だが紙面の都合上簡略に語っておこう。日本においても、世代間格差は世界の各地同様にある。世代の次元ではない社会格差も当然存在する。「オキュパイ・トウキョウ」の行動を筆者が居酒屋の愚痴の延長線とした事に異論のコメントもあったが、フランス革命はラテン民族の革命であり、到底日本民族の同等の行動が伴うと考えるのは、風が吹けば桶屋が儲かる以上に非現実的だ。

 彼らの行動をまったく否定はしないが、影響力もない事は事実だ。原発反対デモとは、意味合いがまったく違う。世界における世代間格差を日本に当てはめる事には、筆者は反対だ。何故かといえば、日本の家族社会は、東京で一人暮らしでもしていない限り、実は営々と生き永らえている。大震災に見舞われ、糞政府のチンタラ復旧政策でも、彼らが自ら逞しく生きて行っている根底には、日本民族の家族制度が生きているからだ。

  団塊世代以前の人々が幸運だったと言い切る論調には、戦争で直接間接に死んだ人々の逸失利益が含まれていない。おそらく、彼らの逸失利益は残った者たちが何らかの形で受け継ぎ、次の世代にバトンを繋いでいる。当然、孫達にも、その資産は継続される。相続税など、国家が召し上げようと国民の資産を狙っているが、彼らとて、むざむざと腐った役人に召し上げられないように知恵を使うわけで、そう簡単に財務省の手に入るものでもない。

 つまり、ジジババの資産は、知恵を働かして息子娘に譲る渡せば、最終的に孫にまで行き着くし、曾孫にも行き着く。その資産は、土地家屋であり、田畑山林であり、時に金融資産、金銀財宝だ。今では、あまりの預貯金の低金利に業を煮やしたジジババは、タンス預金の世界に嵌り込んでいると云う。このタンス預金を補足できるほど、国税庁が優秀と云う事はない。マルサの女は例外中の例外だ。

 と云う事はどういうことか。いまワーキングプワーだと気の毒がられている彼らには、意地張って東京一人暮らしをする場合や例外を除けば、帰れる故郷があるか都内に既に親が土地家屋を所有している場合が多い。つまり、団塊世代以前の日本人が、自分の持家を所有する為に血の汗を流した歴史をモラトリアム?否、不必要なわけである。35年、40年等と云う気の遠くなる住宅ローンから、既に解放されている可能性が大いにある。少子高齢化のメリットもあるのだ。

 サラリーマンが、持家の為に稼ぐことから解放されたとしたら、60歳以上の人々は、どれ程楽な生活を送れたか、考えてみれば直ぐに判る事である。それほど、戦後の日本人は、自分の家を持つことに必死だった。これから解放された世代の年収が多少低くても、世界における格差社会と同一視するのには無理がある。崩壊しているようで、崩壊せず残っているのも、実はこのジジババのあらゆる資産のお陰であり、汗水の結晶が家族の絆。少々言いすぎかもしれないが、そのような側面を無視して、“一杯のかけそば風”の方向で議論するのは益がない。

  ワーキングプワーな問題に直面している人々には、それなりの人生哲学がある。その哲学・信条・好みが、現在の日本のシステムに合わないのなら、何度でもデモで、自己主張すべきだ。格差社会そのものが悪いのか、格差を作った何かが悪いのか、せめてその程度に方向を定めるべきだろう。だから「オキュパイ・トウキョウ」は駄目なのだ。なぜ米国が「オキュパイ・ウォール」なのに、日本はトウキョウなのだ?格差社会そのものが悪いのなら、国家である。筆者から言わせれば、小泉の横須賀の実家にでもデモをかけるべきだと思う。経団連でも良いし、霞が関でも良い。格差社会をつくったのが悪いなら、米国大使館にデモるのが適切だ。勿論赤坂警察がそのようなデモルートを認めないだろう(笑)ただ言える事は、団塊世代以前の人々が営々と築いたsあらゆる資産を、つつがなく受け取り、極力国家に召し上げられずに、子孫に受け継いでいけば、日本の世代間格差や格差社会の影響は必ずしも大きいとは言えない。勿論、財務省と厚労省が画策する、社会保障と税の一体改革、及び米国の恫喝TPPの成り行き如何では、筆者の上述、日本家族の家族内補助システムは崩壊するかもしれない。その時は、あらゆる格差によって、あらゆる運動が激化するかもしれない。まぁ、それも改革の道程と云う事はあるのだろうから、それはそれで悲惨なことだとも言えない。

  野田政権のTPPで貿易立国を目指すなどと小学生の全校演説会みたいな事を野田君は言っているが、TPPで貿易立国になりたいよ~、と言っているのはオバマ君だよ。他人様にモノを売って儲けようとする前に、自国の産業の空洞化を埋めるべき新たな産業の育成に力を入れるべきであろう。流石に、30年、40年前の経済成長は上述の如く、国民が土地建物を所持することで一段落している。工業製品も、一部の付加価値製品を除けば、労働賃金の問題であり、関税がどうだこうだ等瑣末な要因である。当面安価な労働市場と消費地での地産は当然の流れであり、わざわざ安価な労働力を輸入する必要はあるまい。

  結果的に、輸出産業依存から脱却せずに、失われた25年を30年、40年と延長するのは確実だ。貿易立国等と戯言を言うようでは、日本経済の緩やかな成長すら望めなくなるだろう。まったくビジョンも想像力もない財務省中心の役人らに丸投げした野田政権は、野田や仙谷の党ではなく、民主党と云う党なのだ。最終的には、米国隷属の潮流と増税をした政党と云う歴史的汚名を一身に浴びる政党になる事だろう。そのような政治的過程を辿り、次なるビジョンを持つ政党が誕生するのも悪い事ではない。


ルポ 貧困大国アメリカ (岩波新書)
堤 未果
岩波書店


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世界で起きる“反格差デモ”金持ちVS貧困の戦いなのだろうか

2011年10月17日 | 日記
孫は祖父より1億円損をする 世代会計が示す格差・日本 (朝日新書)
島澤 諭,山下 努
朝日新聞出版



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世界で起きる“反格差デモ”金持ちVS貧困の戦いなのだろうか


 NY・ウォール街に端を発した「格差社会」を糾弾するデモは、オキュパイ・トウキョウ(東京を占拠せよ)と云う僅かな有志によって「99%のための社会を!」をテーマに、数百人がデモをした。急場デモとしては、それなりに人は集まったと評価しておこう。米国発の運動であり、世界的現象になりつつあるだけに、ニュースバリュウがあると云う事で、例のマスメディアと呼ばれる連中も大挙二、三百人訪れ、その様子をカメラに収めていた。何やら少々間抜けな時空さえ感じた。

 デモの主宰者の考えでは、特にテーマを決めない事から始めようと云う事のようだ。今ある不満を表現する場、と云う位置づけと云う事なのだろう。その所為かNYにおける「格差社会」への怒りを表明するデモと異なり、自由放任とでも云うか、参加者夫々が各自自分の主張を訴えると云う変わったデモになった。これが特徴といえば特徴のデモなのだが、“居酒屋の愚痴デモ”と揶揄するのは礼を失するのかもしれない。

  しかし、「原発反対」「TPP断固反対」「高校授業料無償で継続」「貧困撲滅」等々となると、どうも今ひとつ判らなくなる。立ちあがって、自己表現する事は大切であり、民主主義の原点なのだから、このような傾向が続くことは、日本の民主主義の成長には欠かせないのだろう。個人的には、『オキュパイ・トウキョウ(東京を占拠せよ)』と云う言葉の響きが、何処かクーデター的臭いを感じて“はてな?”と思う。“トウキョウ”を“カスミガセキ”、“ケイダンレン”、“ナガタチョウ”等々の言葉に置き換えた方が、既得権勢力の横暴への怒りが、的確に表現できるような気がする。漠とした表現の場も必要だろうが、漠とし過ぎると“何が何だか判らない”事になり、気晴らしの場になってしまう嫌いがあるだろう。

  まぁ成長の糊代を失った世界への、若者の怒りの表現と云う側面には共感を覚える。既得権を堅持したい勢力や富裕層と呼ばれる人々の“彼等には努力や勤勉の欠片もなく、ただ不満を鬱積しているだけ”と云う分析は、自分達の階層において通じる論理であり、立ち上がる99%に象徴される人々には通じない論理だ。読売新聞が珍しく、直接取材で、NY格差デモの仕掛け人にインタビューをしている。また、産経新聞も珍しく地球規模の世代間格差について、真っ当な記事を書いている。

  ≪ 反格差デモ仕掛け人「今後数週間で明確な要求」
【ニューヨーク=吉形祐司】米ニューヨークから世界に波及した「格差是正」を求めるデモは7月中旬、数々のキャンペーンを展開する社会派の雑誌「アドバスターズ」(カナダ・バンクーバー)がホームページで呼びかけた。仕掛け人となった創刊者カレ・ラースン氏(69)に電話で狙いなどを聞いた。
――なぜ「ウォール街占拠」を呼びかけたのか。
「ウォール街は資本主義の象徴。2008年の金融危機の根源で、世界に影響を及ぼした。ウォール街に対しカナダからも戦いを挑む権利はある。5月から7月にかけて計画を練った」
――デモは手慣れた人が組織しているように見える。
「中核の数人は欧州各地のデモに参加し、組織化や食料供給などを学んだ。米国で爆発的な支持を得て運動が生命を得た」
――急速に世界に広がったのはなぜか。
「当初から(ネットで)デモを生中継した。ネットでの情報発信は非常に強力かつ重要な要素だ」
――具体的な要求に欠けるとの批判もある。
「今後、数週間で明確な要求が出る。今月29日に世界中で数百万人規模のデモを行い、(投機目的の)金融取引に1%の税金を課すよう要求する。今の世界経済は地球規模のカジノだ」≫( 読売新聞)


≪地球を一周 親より貧しい世代の反乱
 【ロンドン=木村正人】米国からアジア、欧州と世界を一周した反格差社会デモはインターネットの威力とともに「親より貧しい世代」の不満がくすぶっていることを浮き彫りにした。大きな家や高級車は届かぬ夢となり、授業料の値上げや就職難という現実が目の前に立ちはだかる。未来に希望を抱けなくなった若者 世代が景気低迷や債務危機をきっかけに構造的矛盾に気づかされ、世界中の街頭で反乱を起こした格好だ。
 国際コンサルタント会社プライスウォーターハウスクーパース(PwC)が最近、英国の「1963年生まれ」と「93年生まれ」の世代の所得を比較したところ、65歳の時点で93年生まれは25%、金額にして40万ポンド(約4900万円)も63年生まれより貧しくなるという結果が出た。 第二次大戦が終了した46年から60年代半ばまでの出産ブーム時代に誕生した「ベビー・ブーマー世代」は無料の教育費、緩やかに上昇する不動産市場など の恩恵を享受できた。これに対し、その後の「バスター世代」は目先の大学授業料値上げだけでなく、不動産バブル崩壊、将来の年金削減に直面するとPwCは 分析する。
 今年4月の米世論調査会社ギャラップの調査でも、55%の米国民が「所得・住宅・教育面で子や孫の世代は自分たちの世代より貧しくなる」と答えていた。 7~8月に英BBCラジオ番組で「親より貧しい世代」を特集した米国出身の人気財務コンサルタント、アルビン・ホール氏は「若者たちは親世代は幸運だっただけと考え、自分を取り巻く環境にひどく怒っている。革命が起きてもおかしくないと語る親世代も少なくなかった」と報告した。
 スペインでは若者世代の失業率が43%に達するなど、金融・経済危機の後遺症をひきずる先進国では、15~24歳の失業率は25歳以上の3~4倍にのぼる。
 高齢化で年金や医療費の予算が膨らみ、各先進国は財政赤字を埋めるため国債を大量発行。一方で財政健全化に教育費など将来世代への投資を削っている。
 英国では大学授業料が約3倍の年9千ポンドに値上げされ、昨年12月に若者の暴動が起きた。イタリアでは大学予算削減やスキャンダルまみれのベルルスコーニ首相に対する若者の不満が渦巻いている。
 世代間の経済格差に気づかされた若者が自分たちの声を政治に反映させようにも人口構成上、有権者の中では少数派にとどまり、街頭を占拠して声を上げるしか道がない。インターネットを通じた「Occupy(オキュパイ=占拠せよの意)」という呼びかけに欧州やアジアの若者が一斉に反応したのは、構造的な矛盾へのいらだちを共有しているからに他ならない。≫(産経新聞)  

 読売のインタビューからは、NYのウォール街占拠デモには、それなりのターゲットと目的がある事が判る。共和党のテーパティーの向こうを張った趣さえ感じ、幾分大統領選を意識した運動の臭いも感じられる。それに対して、産経の記事を読んでみると、NYとは必ずしも目的を一致させない動機のようなものも見えてくる。  

 最終的に筆者は、地球上で何が起きているかと云う俯瞰的認識が必要な時期が来ているのかもしれないと思う。その問題は、政治経済と云う枠組みで対応する問題と云うより、社会文化哲学思想的領域の問題になりつつあるようだ。先進国家の世代間人口構成のいびつさ、緩やかな成長が構造的に約束されていた世代VS成長を失った若者世代と云う図式がある。悪夢のような、米国軍産複合のリーダーらによる、“第三次世界戦争”の陰謀等と云う話も、閉塞した世代間問題をブレイクスルーする一便法として、語られる素地になっているのだろう。逆に、アフリカや後進国においては、膨大な人口増が問題になると云う皮肉さえ生まれている。その意味では、地球上に、まったく異なった人類が存在している錯覚に陥る。  

 “先進国家の世代間人口構成のいびつさ”において、典型的国家が我が国・日本である。本来であれば、「高齢者VS働き盛り・若者」の利害対立が最も先鋭化されても不思議ではない人口構成であるにも関わらず、どこか先鋭化すべきものが、どんよりとしている。その原因が、今どきの若い連中は意欲・気力・能力がない等と、短絡的に語るは愚かだ。長くなったので、続きは明日語ろう。


ルポ 貧困大国アメリカ (岩波新書)
堤 未果
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不平等協定:米韓FTA、米国賛成、韓国は批准せざるを得なかった

2011年10月16日 | 日記
韓米FTAと韓国経済の危機―新自由主義経済下の日本への教訓 (立命館大学コリア研究センター研究叢書)
クリエーター情報なし
晃洋書房


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不平等協定:米韓FTA、米国賛成、韓国は批准せざるを得なかった


 日本のマスメディアの「米韓FTA」交渉が米国議会承認となり、オバマ大統領が李明博大統領を国賓として招き、FTAの成果を大きく強調したと大々的に報道している。オタオタしていると、日本は置いてきぼりを喰らい、世界の孤児になってしまうぞ!と言わんばかりの報道だ。  

 日本が韓国に抜かれてしまった!サムソンを見てみろ!日本に流れている現在の論調は経済誌を眺めても、韓国経済賛美が多い。ウォン安の韓国経済が輸出産業の好調に支えられている構図だが、その輸出企業や金融機関の殆どが外資(7~80%)と云う実態やドル基軸通貨の為替操作に国家の命運を任せ切っている実態などを解説報道することはない。韓国内の貯蓄銀行の取り付け騒ぎなど、日本人は殆ど知らない。  

 つまり、韓国経済は海外からの資金の流入と為替操作で生きている経済構造だと云う情報が抜け落ちていると云う事だ。現実に、韓国国民の平均貯蓄額はマイナスなのだから、綱渡り経済を強いられていると云う事だ。挙句に、北朝鮮の威嚇が24時間365日圧し掛かる訳だから、米国(米軍)の言いなりになるのは、自然の成り行きと言っても過言ではない。  

 野田君に向かって、これ見よがしに「李明博大統領を国賓」を見せつける米国政府だが、上述のようなのっぴきならない事情が米国よりも韓国にある事実を無視して、心をかき乱されるのは、ほとほと愚かである。韓国経済は明らかに“張り子の虎”であり、外資が逃げだせば一気にギリシャ以上の破綻国家なのである。故に、「米韓FTA」実態を追認する協定に過ぎないのだ。  

 正確で詳しい協定の中身は未だ判らないが、韓国経済を生き永らえさせている経済実態を、より明確に規定・規制し、韓国を救うから、米国にも恩を返せと云う中身に変容しているようだ。韓国の国富が“張り子の虎”状態なのだから、米国が本気で韓国の富や市場を奪いに行くと云う分析は間違いだろう。むしろ、野田政権の「TPP交渉参加」が国内的にスムーズに進捗する為の“撒き餌”と考えておく方が妥当だろう。  

 “他山の石”、“人の振り見て我が振り直せ”と云う言葉を思い出して、「米韓FTA」の中身を吟味するべきだ。韓国に対して程奴隷的従属性は求めていないようだがTPPの米国の意図は同類だと解釈して間違いがない。何せ我が国には、身内である筈の財務省と云う勢力までが欲しがる「国民の資産」があるわけで、警戒の上にも警戒が必要である。「米韓FTA」はどうも米国の“やらずブッタクリ”に近似しているが、“対岸の火事”と笑っている内に、野田君が「TPP交渉参加」を決めてしまうかもしれない。  

 それを心配して、松木けんこう議員がブログで以下のように書いている。

≪TPPの問題がいよいよ大きくクローズアップされて来ました。私はこの問題一貫して反対して来ました。2月23日に農林水産大臣政務官を自ら辞めた大きな 理由の1つです。6月2日の内閣不信任案の賛成の理由の1つでもあります。何せ突然菅前首相が言い出したことです。農業は当然大打撃を受けますが、医療の世界、弁護士の世界あるいは公共事業のあり方にも影響を与えます。私は国の有り方そのものも随分変わると見ております。
24分野に渡る内容です。米韓 FTAで日本は大変なことになるとか。こんな記事も、民主党の岡田前幹事長は講演で「思い切って国を開かないと、この国は終わりだ。」と言われたそうである。どう終わるのか聞いてみたい気もするが、この人はいつも自分が正しいとだけ思っているのでどうしょうもない。もっと冷静に物事を考えないと「この国は終わりだ。」なんて思って交渉に入ったって、ろくな事はありません。 
  民主党のマニフェストの中に農業者への戸別所得補償というのがあり、今実施されているわけです。それは40%の自給率を50%へ、そして60%位までは何 とかしたいと考えたから実施したわけです。先進国で食の自給率がこんなに低い国はとにかく日本だけです。アメリカ、フランス100%以上、イギリスが 30~40年前、40%位まで落ち込んだのを今70%近くまで上げてきています。「食」には安全保障という側面ももっているんです。TPPで日本の自給率 は13%位まで落ち込むと言われております。
 さて、民主党はどうするつもりか?いつもそうだがPT(プロジェクトチーム)などを作りそこに賛成派を送り込み決めてしまうって感じですかね。党を割っても自分がどうなろうとも、と考える方々の決起を願うばかりです。党がどうなるとかより本当に大きな問題が TPPです。ちなみに「TPPを慎重に考える会」山田正彦代議士の会長の会では反対署名を集めており、既に190人以上の署名が集まっており、過半数(政権与党)を超えるのは確実視されています。さてもう一度言います、民主党はどうするのか?≫(松木けんこう)


日本をダメにしたこの民主党議員たち
松木 謙公
日本文芸社



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野田総理よ、米国の顔色を窺うな!! 亀井静香からの喝!!

2011年10月15日 | 日記
韓米FTAと韓国経済の危機―新自由主義経済下の日本への教訓 (立命館大学コリア研究センター研究叢書)
クリエーター情報なし
晃洋書房


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野田総理よ、米国の顔色を窺うな!! 亀井静香からの喝!!


 本日は筆者のTPPへの考えを色濃く反映してくれている亀井静香国民新党代表の「月刊日本」の記事の一部を引用する。全文は宣伝機関ではないが「月刊日本」10月号を購読していただきたい。

 筆者自身、執拗にTPPの馬鹿さ加減をコラムで書き続けているが、個別分野を詳細に検証すれば、トンデモナイ売国協定だと云う事実が証明されるに違いないのだが、なにせ確たる情報がない事には分析のしようもないわけである。にも拘らず、野田、仙谷、前原、玄葉らは、“メクラ蛇に怖じず”の躁状態で”独楽鼠”のように走りまわっている。

 それに輪を掛けて滑稽なのが、マスメディアの姿勢だ。大手各社がTPPの「交渉参加」推進論を“社説”を通じて“金太郎飴”に喧伝している。
「TPP参加が日本の成長に不可欠だ」(読売)、
「TPP参加―丁寧な説明で再起動を」(朝日)、
「TPP首相の力強い決断を」(毎日)、
「首相はTPP交渉参加へ強い指導力を」(日経)、
「TPP参加 もはや先送りは許されぬ」(産経)

 本来であれば、押し紙、記者クラブの開放、クロスオーナーシップ禁止、電波オークション等々のフェアな市場の形成と云う事で、それら障壁の撤廃に至る筈のTPPの精神なのだが、電通を通じて「マスメディア体制温存」が約束されているとでも言わんばかりに“天に唾する”論調を展開。これは何かあるな?と思うのが当然だろう。それとも、そこまで日本のマスメディアはアホなのだろうか?

≪ 野田総理よ、米国の顔色を窺うな!! 衆議院議員・国民新党代表 亀井静香

 ―― 一昨年九月に民主党政権がスタートしてまもなく二年が経ち、野田佳彦氏が三人目の首相に就任した。亀井さんは、 民主党政権発足前に対米自立を宣言したが、この二年間の民主党政権はそれを実現できたのか。

亀井: 国家にとって、自らの足で立ち、自らの利益のために政策を決定することは、最も重要なことだ。ところが、長期 間続いた自民党政権は、アメリカに過度に依存してしまった。アメリカに守ってもらい、アメリカに付き従っていさえすればよいという「奴隷の幸福」状態を恥 とも思わなくなっていた。 民主党政権の誕生は、こうした状態から抜け出し、日本が自立国家になる絶好の機会だった。だからこそ、私は鳩山政権発足前の一昨年五月に訪米し、「日本は自立する」と宣言してきたのだ。
 国家安全保障会議(NSC)のセイモア調整官やNSCアジア上級部長のジェフリー・ベーダー氏ら米政府高官に会って、「従来のようにアメリカが勝手に方針を決定して、日本はそれに協力しなさい、と言われても新政権下ではそうはいかない」と宣言してきた。「在日米軍を使って新政権を倒すことなどできない。 亀井静香をCIAが暗殺しない限り新政権の動きを阻止することなどできない」とまで、言ってきた。
 「対等な日米関係」を掲げた鳩山政権には、当初対米自立に向けたエネルギーが感じられた。「対等な日米関係」と言ったのは、歴代の総理の中で鳩山首相が 初めてだった。私は、鳩山政権が、長期間続いてきた対米従属政治から決別することを期待していた。 しかし、普天間問題でつまずいてしまった。私は、鳩山総理に「普天間の移設問題は、事務レベルの純技術的、純軍事的な議論に陥ってはいけない」と言って いた。海兵隊の運用という視点だけでの議論は、日本の防衛省とペンタゴン(米国防総省)の協議に過ぎない。
基地問題を今後の日米関係の在り方という大きな 枠組みの中で考えるべきだと助言していた。ところが、鳩山首相は、普天間の問題をうまく処理できなかった。そして、従来の対米従属路線へ後退してしまった のだ。従来の日米関係から脱却できないマスコミも、民主党政権が自民党時代の対米従属路線に逆戻りすべく後押しした。
 もちろん、日米関係は重要だ。しかし、日米両国がお互いに独立国家として、お互いに尊重し合う関係でなければ、真の友好関係は確立できない。経済面だけ ではなく、文化の面でも、安全保障の面でも、お互いを尊重し、協力し合うという姿勢がなければ、国家の関係は安定しない。
 小泉政権は、アメリカの言うがままに、新自由主義的な経済政策を進め、わが国の共同体を破壊してしまった。アメリカの言いなりになることは保守の立場で はない。保守とは長い歴史の中で培われた日本人の生活の仕方、文化を守ることなのだ。 TPPもまた、アメリカが自国の利益のために戦略的に進めていることだ。アメリカは、自分たちの要求を外国に飲ませていくために、TPPを利用しようと しているに過ぎない。通商的要求を、TPPというオブラートに包んで実現しようとしているのだ。「関税全面撤廃」という大きな投網をかけておいて、自国の 利益になる自由化政策を要求しようとしている。
 にもかかわらず、菅直人前総理は、まるで小学生のように、アメリカの言うがまま、前のめりの姿勢でTPPに乗ろうとした。ここにも、自民党時代の対米従 属的体質と同じ流れが示されている。
 TPPにどう対応するかは、まずわが国の経済的利益を踏まえた上で決めるべきであって、アメリカの政策がどうであるかということは、決定の際の参考に過 ぎない。
 私は野田総理にも言ったが、日米関係は大事だが、アメリカが日本に十分配慮してこそ、真の友好関係は成り立つのだ。日本が一方的にアメリカの顔色を窺っ て、アメリカの気持ちを一方的に忖度して日本の政策を決めるようでは、真の友好関係は築けない。野田総理は、「わかっています」と言っているが、今後それ が具体的な形で示せるかどうかが問われている。

―― TPPは菅前首相が唐突に言い始め、当時外務大臣だった前原誠司氏は、「対GDP比で僅か一・五%に過ぎない第 一次産業の保護のため他の分野が犠牲になるのはおかしい」などと主張して、TPPを推進しようとした。そして、前原氏は野田政権の政調会長に就いた。野田 政権は、対米従属の度合いを強めていく恐れがあるのではないか。

亀井: そうした外交を展開させるようなことになっては、我々が連立を組んだ意味はない。我々は、そうした対米従属に 歯止めをかける。(以下全文は本誌10月号をご覧ください。)≫ (月刊日本23年10月号)


亀井静香が吠える 痛快言行録
高橋 清隆
ケイアンドケイプレス


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日本「悲惨指数」は加速度的に増加、「幸福感」は急減 高失業時代が到来!

2011年10月14日 | 日記
TPPが日本を壊す (扶桑社新書)
廣宮 孝信
扶桑社


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日本「悲惨指数」は加速度的に増加、「幸福感」は急減 高失業時代が到来!



野田総理のTPP交渉参加への“前のめり”姿勢は、本気なのか、辺野古同様にアリバイづくりなのか、未だ“本決まり”と云う状況には至っていない。マスメディアの報道を見る限り、腰が入っている印象だ。しかし、米国の年次改革要望書時代から、マスメディアは米国追随になんら躊躇いも持たないプロパガンダ・メディアなので、野田総理の決意が“民主党を割ってでも”とまで決意しているとも思えない。復興増税、消費税増税だけは猛烈に強い決意を感じるが、TPPに関しては“出来たら交渉参加の方がハワイに行きやすい”と云う程度な気もする。  

 TPPを慎重に考える会への参加メンバーに鳩山由紀夫。亀井静香、山田正彦、原口一博、田中康夫等々のメンバーを考慮すると、“菅内閣不信任案”の時に決起した小沢一郎と気脈を通じる面々であることから、背後に小沢一郎の意志も働いていると考えるのが妥当だ。情報によると、「TPPを慎重に考える会」の参加メンバーは民主党衆参議員だけで200名に達しているらしい。  

 結局ここに来て、野田佳彦が「党内融和」を旗印に民主党を纏めようと内閣及び党人事を構築したものの、“菅内閣不信任騒動”の分裂要因は変わることなく残っていると云う事実を突きつけられている。最終的に煎じつめると、「小沢VS仙谷」の構図に至るわけだが、復興増税では野田に塩を送った形になる小沢だが、“TPP許すまじ”の姿勢は鮮明になりつつある。今後は、野田佳彦が“不信任案提出”も覚悟して、米国の要求恫喝に屈するか、典型的“踏み絵”になる様相だ。   

 まぁ政局になるのも悪くはない。ウッカリすると、年内に“まだ見ぬ新党”なんてものが見られるかもしれないのだから、個人的には愉しみである。それはさておき、皆さんは「悲惨指数」と云う経済尺度をご存知だろうか。「悲惨指数」とは、米国・経済学者アーサー・オークン(1928-1980)が考案した経済的な苦痛の水準を表す経済指標。本指数は、インフレ率(消費者物価上昇率)と失業率の絶対値を足した数値で、各国の国民生活の困窮度を示し、インフレ率が上昇したり失業率が上昇したりすると、本指数も上昇することになる、と云うものだ。  

 すべてを決定する経済指数なんてものはないわけだが、最近のGDP比が中心の経済指数だけが正しいとも言えない事だけは確かなようだ。このインフレ率と失業率の合計が10.0を超えた国の経済は黄色信号と云うものだが、概ね当たっているようだ。経済のファンダメンタルすべてを網羅した指数ではないので経済学者は多用しないが、国民の政府の経済政策への不満指数だと捉えると、なかなか価値のある経済指数である。  

 国民生活をする上で、国民が肌で感じる経済情勢と云う事だろう。故に、この指数が12.0を超えると、困窮者の怒りが、デモや暴動と云う形で現れやすくなるそうだ。デフレで威張っている日銀の政策の功罪はさておき、暴動が起きた英国の悲惨指数は12.4、ウォール街を占拠せよデモが起きている米国の指数は12.9なのだから、相当当たっている。リビアのカダフィ政権も失業率で崩壊させられた。ちなみに、我が日本の悲惨指数は4.9で先進国NO1。暴動デモが起きにくい状態と云う事になる。

   TPPにおける労働の移動の自由化も原則障壁なしだから、ベトナムの最大の輸出は労働力と云う認識だとすると、悪名高き研修員労働と云うタナボタを経団連の米倉は涎を垂らして待っている。つまり、ワーキングプワーの上前を撥ねる安価な労働力が大量に我が国に流入することになる。失業率は天井知らずと云う事も考えられる。インフレ率と失業率の絶対値の合計で測る「悲惨指数」は労働の賃金相場が現在のデフレを加速するので、失業率が10%以上になっても現在の数値とあまり変わらないことになる。  

 たしかに、現時点での日本人の一般的生活感覚は、口で云う程酷いと実感している国民は少ないようである。デフレによって、インフレが単純に抑えられているだけで、一部インフレ傾向が出ているモノもある。失業率にしても、就活をギブアップした人々や極端なワーキングプワーをカウントすれば、7.0くらいまでは行くと云う説もある。筆者の場合、日本では家族による経済扶助作用(家族内富の再配分機能)が結構生きており、肌で感じる悲惨度が落ちている点も見逃せないと認識している。  

 悪名高き格付け会社・ムーディーズは真似っ子で、財政赤字と失業率で「悲惨指数」独自に出している。それによると、最悪がスペイン、2位以降はラトビア、ルーマニア、アイルランド、ギリシャ、英国、アイスランド、米国、ジャマイカ、フランス…だそうである。日本の名前は何故か出てこない?(笑)なのに、財務省は財政が破綻する、増税だ~。どうも何処かが変である。≪日本では家族による経済扶助作用(家族内富の再配分機能)が結構生きている≫部分に関し、財務省が手出しできない部分で、金が動くことを毛嫌いしている様子が窺える。ジジババの資産は国家が召し上げる予定なのに、勝手に再配分するとはケシカラン!と云うのが財務省の糞共の性根だろう。

 あの国民洗脳報道機関・NHKが昨夜ニュースで大いに取り上げたので、書きたくないのだが、ブータンの国民総幸福量(GNH:Gross National Happiness,)と云う、GDPとは国家の価値観を逆手に取るような概念を抱えて、若きワンチュク国王が立憲君主国家を率いるのが注目される。≪「国民全体の幸福度」 を示す“尺度”である。≪国民総生産 GDPで示されるような、金銭的・物質的豊かさを目指すのではなく、精神的な豊かさ、つまり幸福を目指すべきだとする考えから生まれたものである。≫ 70万人程度の国家なので、一概にGDP大国と比較は出来ないが、市場原理主義とグローバル経済で疲弊した人々の心に、一条の光を与える概念と云う事も出来る。  

 NHKの大越などは、わざわざブータンのイカレタ若者らにインタビュー、その不満を語らせ悦に入っていた。本当にNHK大越とは悪意な男だ。結局、ブータンも、国家を近代化しようと、色々な経済政策を実行する為に、シンガポール等々の外資を導入した。つまり、軽度のグローバル経済に足を踏み入れたのだが、経済の発展が、国家を繁栄させると同時に、そこからはみ出した人間の不満を作り出していく。経済の発展、国家の近代化は人々の価値観を金銭やモノに移行させる、魔法の杖である。この魔法が、悪魔になるのか、女神になるのか、そこが問題だが、ブータン国王の国家・国民と云う概念には学ぶところが多い。*参考:イギリスの環境保護団体が提唱する地球幸福度指数(The Happy Planet Index)と云うものもある。


幸福王国ブータンの智恵
アスペクトブータン取材班
アスペクト


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TPPと云う名の「仙谷ウィルス」ただちに国民生活に影響なしと云う虚偽

2011年10月13日 | 日記
世界を壊す金融資本主義
ジャン ペイルルヴァッド,宇野 彰洋
NTT出版



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TPPと云う名の「仙谷ウィルス」ただちに国民生活に影響なしと云う虚偽


 筆者としてみれば、TPPに関して書き過ぎかな?と疑問を持つことも多い。最近だけでも、*「米国の焦りがTPP推進 ドル基軸圏の死守と覇権国家維持は同義だ」、*「小泉の構造改革の百倍の威力を持つTPP 日本はアメリカ国内市場と化す」、*「いつまで、米国の尻にへばりつくのか TPPは年次改革要望書の総仕上げ」と執拗に、その協定の問題点を指摘してきた。

 今さら付足す事もないのだが、このTPP推進の日本側エージェントが仙谷由人であるらしい事を聞きつけた以上、更にもう一言いわざるを得なくなった。(笑)仙谷はそもそも左翼運動家でありながら、暴力団や米国金融資本“シティグループ”と良好な関係を構築していると言われている。その子分と云うか、同じ穴のムジナ前原誠司が軍産複合体のエージェントと云う、鬼に金棒のようなタッグを組んでいる。この米国金融資本であるシティグループ(D・ロックフェラー)と軍産複合体(チェイニーとラムズフェルドら)の日本側“橋渡し役”が、仙谷由人であり、前原誠司である事は確実なようである。  

 この構図を見ただけで、もう解説は要らない。野田総理が仙谷・前原の傀儡で、尚且つ財務省の傀儡であったとすると、もう最悪な事態に突入すると云う事だろう。ただ、財務省がTPPに関して、どのようなスタンスなのかは微妙だと思うのだが、復興増税、消費税増税でポイントを稼いだ財務省にしてみれば、TPPは外務省・経産省とのバーター取引であると推測することが可能なのだ。日本の内需拡大を希望していた米国財務省の要求を撥ねつけた関係上、TPPで農産物くらい米国のモノを輸入させても良いだろう位の軽い考えに違いない。なにせ、彼等は中身も判らずに交渉に参加しないと、と思っているのだから。  

 本来、直ちに日本国民の生活に与える影響は農業部門だ。しかし、彼らの多くは、日本の農業は既に斜陽、特に維持しなければならない意味合いはない、と思っているのだろう。折しも福島原発で放射能汚染された食品を、国民が好んで選択するとは思えない千載一遇のチャンス。日本の食市場に遺伝子組み換え食品、狂牛病騒ぎの牛肉をフリーで輸出する最適な時期だと云う帰結に至るのは、市場原理主義者の当然の行動である。  

 米国財務省が希求した日本市場の内需拡大には財政出動が必須であり、それを阻んだ日本の財務省としては、農産物くらい米国の顔を立てないとイカンと思っただろうし、外務省・経産省の顔も立てる一挙両得の為に、国民生活の一部を米国に売ることにしたと云うのが実情だろう。酷く短絡的で無茶苦茶な話である。彼等霞が関の官僚は、“直ちに”の部分さえクリアすれば、後は天下りするだけなので、責任の“せ”の字もついてこない。  

 最近の日本永田町では、米国のエージェント的ロビーストの活動が目立ち始めている。特に民主党政権になってからの米国ロビーストの動きは激しい。つまり、与党政権のヨチヨチ舵取りを手玉にとり、自分達の利益誘導をヨチヨチの政権に擦り寄りながら、政治家を手玉に、思うがままに動かそうとしているのだろう。米国ロビーストの働きかけは多種多様だが、最終的には仙谷と前原に集約される状況になっているようだ。  

 売国奴と呼ぶに相応しい、仙谷や前原・玄葉・安住に野田が加われば、もう鬼が金棒を持ち、米軍・マスメディアに守られながらヨチヨチの民主政権内を闊歩するのだから、堪らないわけである。そこで、昨夜のコラムの最後の方で、「小沢さん、これで良いのか?」と書いたわけだが、後々「交渉参加」が不参加可能なら良いのだろうが、オバマが漸く手に入れた獲物・日本市場を「やっぱりやめます」とは言い難いだろう。  

 結局、農業問題に限らず様々な分野における障壁の撤廃なのだから、長い目で見ると、日本と云う国家の体質そのものが変質するわけで、臨時総理のような野田内閣が推し進める協定のレベルでは断じてないのだ。仮に、このTPPの交渉参加の決定を、国会が閉じている間隙をついて強行されるなら、俄かに政局と云う臭いまでしてくる。国家の生き様まで変えてしまうような重大な協定は、民主党議員に限らず、日本の国会議員全体の体質を見極める問題にまで発展するかもしれない。  

 福島原発の放射能汚染もジワジワと真実が現れ、大増税路線も喧伝され、小沢裁判も大騒ぎ。このような中で、どさくさに紛れたTPP検討会など、充分な議論も、国民的周知も何もなしに、国家の市場を他人に売ってしまう。こんな事を唯々諾々と許す政治家であれば、筆者は小沢一郎でも指示しない。来年の秋に、代表総理となり、その参加を仕切り直しする展望があるなら別の話だ。  

 TPPは日本のデフレを加速化し、労働力の自由化で更なる労働賃金の低下を招き、あっという間に1%の富裕層と99%の貧困層。完璧に米国化するだけだ。農家は離農し農地を手放し米国資本の大規模農業が展開、幾らでもデフレは加速する。今ウォール街で起きている米国の労働環境のソックリさんが日本に現れる。おそらく10年以内に失業率は10%を超えるだろう。医療の崩壊も凄まじく、混合診療が当たり前、平均寿命短縮の国家的陰謀までみえてくる。意外に「野田内閣不信任案」と云うシーンが早々に見られるかもしれない。


策謀家チェイニー 副大統領が創った「ブッシュのアメリカ」 (朝日選書)
バートン・ゲルマン
朝日新聞出版


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