世相を斬る あいば達也

民主主義や資本主義及びグローバル経済や金融資本主義の異様さについて
定常で質実な国家像を考える

世界唯一、政府行政当局お抱え「記者クラブ」 ジャーナリズム魂放棄、民主主義の敵

2012年09月30日 | 日記
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世界唯一、政府行政当局お抱え「記者クラブ」 ジャーナリズム魂放棄、民主主義の敵


 この見出しのような話は、今さらの感もあるが、民主主義国家にとって非常に重要な構成要件である事実認識から、時々忘れない意味でも、コラムで言及しようと思う。昨日の原子力規制委員会の田中委員長の発言にしても、記者クラブ系メディアの扱い方は、ベタかナッシングだ。原子力行政の監視の要となる独立性が高い委員会のウォッチングは政治の介入を許さない存在だけに、メディアの監視が、政府行政機関に対する監視以上の重要性を帯びている。

■原子力規制委員会は以下のようにして発足に至った。
・ 2012年6月12日 - 民主、自民、公明の3党が、新たな原子力規制組織の設置法案をめぐる修正協議で、原発事故時に首相の指示権を、原発事故など緊急時の首相の指示権に「規制委員会の技術的、専門的判断を覆すことはできない」と、限定的に認めることで大筋合意。
・ 同年6月20日 - 原子力規制委員会設置法が参議院本会議で賛成多数で可 決・成立し、9月までに「原子力規制委員会」が発足することに。
・ 同年6月20日 -日弁連が「原子力規制委員会設置法成立に対する会長声明」を発表、安全保障の追加など、複数の問題点を指摘。
・ 同年9月11日 -国会が閉会中のため、原子力規制委員会委員長ならびに委員を首相権限で任命。さらに、原子力規制委員会発足までの間、委員長ならびに委員の5名を内閣官房参与に任命。
・ 同年9月19日 -正式に発足。
≪注:原子力規制委員会は環境省の外局として設置される機関である。同委員会は国家行政組織法3条2項に基づいて設置されるいわゆる三条委員会で、内閣からの独立性は高い。両議院の同意を得て内閣総理大臣が任命する。また、委員長はその任免を天皇が認証する認証官である。委員長及び委員の任期は5年で、再任されることができる。≫

 つまり、原子力規制委員会の決定に関し、国会・政府行政が口先介入する事を原則禁じている機関なので、委員長及び委員の選定は慎重な上にも慎重であるべきなのだが、クーデター民主党政権だけにやることが凄い。国会を閉会し、仕方ないから内閣総理大臣権限で決めてしまう蛮行で、天皇認証官の委員長を決めたのである。その委員長が「主義主張のあるジャーナリストは排除」と発言した事を追求するのは、ジャーナリストの基本中の基本だ。筆者は、クーデター民主党政権が、ドサクサ紛れに“何でもかんでも勝手に決めちゃう政治”をする事は現在の日本の法律では許される範囲である以上、何をか況やの気分だが、自分達にも火の粉がかからないとも限らない“憲法抵触発言”を見逃し、何事もなきが如き風情でいられる日本のマスメディアは、あまりにも愚劣だ。

 このマスメディアが“決められる政治キャンペーン”の論陣を張り、野田佳彦のファシズム決断を煽り、多々容認したのだから、マスメディアが実は民主主義にとって一番の敵であるとも言える。この病巣の元凶は、各マスメディアの立ち位置の違いとかと云う問題ではなく、マスメディアの取材のあり方に起因する点、異論を挟む余地はない。それが明治以来続く「記者クラブ」の存在なのである。この取材形態を排除しない限り、我が国の民主主義そのものが、根づくことは永遠にないと言っても過言ではない。世界広しと謂えども、我が国と韓国の二国にしか存在しなかった。しかし、韓国は2003年に記者クラブ制度を廃止しているので、唯一無二は日本だけである。笑っちゃうようなマスメディアの取材態勢なのだが、所属するマスメディアの連中は悪びれる様子一つない。ジャーナリズムヘッタくれの議論を口にするなど、千年早いのである。あきらかに“世界遺産”への登録が可能と考える。蛇足にもう一つ世界遺産に加えられるのが、日本の検察官の地位である。これを話すと長くなるので、いずれと云う事にする。

 民主主義において、言論の自由が保証され、報道の自由が保証されていると云うことは、言論報道の自由の保証に対して、法理的に期待すべきものがあると云うことだ。その期待とは何かといえば、粗っぽく表現すれば、権力の監視である。マスメディアに、自社の自説を語って欲しいと云うよりも、腐敗する事が摂理である“権力”への監視の目の意識こそが求められている。しかし、現実の日本のマスメディアは「記者クラブ」と云う、政府行政の“情報排出装置”と迎合し、何ら疑問を持たない組織になってしまった。今さら彼らにジャーナリスト魂を取り戻せ、と言っても馬の耳に念仏だろう。

 ネットメディアも奮戦はしているが、まだまだ対抗しうる勢力になったとは言えない。記者クラブから発信される情報は、質の吟味なく世間に垂れ流され、それが質の善し悪しに関係なく、国中を駆け巡るのだから、余程注意深い人間でなければ騙されるのが普通である。仮に、一人の人間が根掘り葉掘り、ある問題を追及しても、「記者クラブ」が発信する“情報量”に凌駕されてしまうのである。やはり、この制度が成り立たない国家の枠組みを作る根性を政治家が持たない事には、廃止の可能性は殆どないのだろう。

 単に、記者会見をフリーにするとか、その程度の歯止めでは絆創膏を貼る程度のことで、問題の解決には至らない。現在の電通傀儡通信社・時事通信、共同通信が良いか悪いか別にして、独立通信社2社程度が政府行政関連の情報を取材する形を取るべきなのだろう。その2社が、各行政機関に常駐し、茶を飲み、電話ファックスPCを駆使できるスペースを提供する事は、一種行政機関のマスメディアに対する饗応であり、広い意味の役人の汚職と言えるだろう。その政策は、あくまで搦め手にならざるを得ないが、応分の賃料の徴収や経費の負担を担保する政策であり、電波オークションなども搦め手となるのだろう。

 根本的には、ジャーナリズムと云うものは、権力と国民との中間に位置し、どちらかと言えば、権力の監視をし、政策や条例、不正などを国民に知らせる責務を持つものである。故に、彼らに圧倒的情報量で、世論を左右する“ペンは剣よりも強し”を与えているわけで、国民に対する凶器として、“ペン”を与えているわけではない。ブッシュが引き起こした“イラク戦争”の発端となったニューヨーク・タイムズの「イラクが大量破壊兵器(核兵器)を隠し持つ」と云う報道であったが、書いた記者はチェイニー副大統領の側近とねんごろな関係にあり、日常“美味しい情報”を入手していた。

 その側近がリークのかたちで、その記者に“特ダネ”として齎した“大量破壊兵器”が捏造情報だったのである。たかが一記者の権力側と癒着した関係が、アメリカを、そして世界をイラク戦争に巻き込んだと云うのだから、権力に近づくジャーナリズムが如何に危険であるかを、象徴するような出来事である。それに引き換え、我が国のジャーナリストは「記者クラブ」に囲い込まれ、全員が当局のリーク報道の餌を食んで生きている。その弊害は、想像を絶するものだろう。

 我が国のジャーナリストの多くは、新聞社・テレビ局に新入社員で入社、その後「記者クラブ」に配属され、終身雇用の身分保障と引きかえに、ジャーナリスト魂とは、当局の情報を発表通り世間に垂れ流せば事足りると云う、精神に変えられていくわけだ。 時に、この終身雇用による身分保障の替わりに、ジャーナリスト魂を発揮したい人間は、独立を指向するのだが、その後の道は、経済的に何ら裏付けない世界に飛び込む事になる。飛び出すような不埒モノが出ない為に、マスメディア各社は、年功序列で報酬を支給し、30歳程度で1000万円近い年収を保証する。デスクや論説スタッフになった時には、年収3~5000万円が待ち受ける。

 当局が用意する「記者クラブ制度」に齧りついていれば、そのような身分保障を与える事が、マスメディアの戦力と云うより、霞が関官僚らが明治以来、“欧米に追いつき、追い越せ”の掛け声で作られた、国家一丸となり欧米列強に立ち向かう勇ましき「記者クラブ体制」だったのである。国家一丸となり欧米列強に立ち向かう必要性がなくなった現在も、この制度が残っているところに問題があるのだが、政府行政当局にとって、非常に都合が良いからであり、マスメディアの側も、合理的に紙面を埋める事が可能と云う経済合理性で、ジャーナリズムが利用されている。

 筆者が、こんな事を長々と語らなくてもかなりの国民が、東京地検特捜部が引き起こした、小沢一郎の陸山会事件や福島原発事故報道等々の真実を、ネットメディアや雑誌を通して知る機会が増えた点で光明は見えているが、充分と云うレベルには達していない。やはり、強いリーダーシップを持って、「記者クラブ」と云う制度が成立不可能な仕組みづくりが必要なのだろう。マスメディアが自ら、それを放棄することは絶対にない。また、彼らはそのような振舞いを「報道への挑戦だ、報道の自由の侵害だ」等と云うだろうが、「君らが報道を独占する事で、言論の自由が奪われる」と云う反論で充分だ。記者クラブが排他的な性格を持つ以上、彼らに抗弁権はない!



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“原発ムラ村長”の正体あらわ、田中俊一委員長 「主義主張ある記者は排除したい!」 

2012年09月29日 | 日記
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“原発ムラ村長”の正体あらわ、田中俊一委員長 「主義主張ある記者は排除したい!」 

 “おっとっと”な発言が、原子力規制庁委員長の田中俊一から飛び出した。まさに意識が「原発ムラ村長」と揶揄される由縁が露呈した。これだけでも、本来であれば辞任ものだが、この男が5年間は国家権力を持ってしても辞任させられない原子力行政の要だと言うのだから、これは凄い話である。おそらく、九電やらせメール事件で「赤旗」にスクープされた事が余程痛かった証拠であり、恨みを晴らしたい心情が露呈した。

 当該被害報道機関の「赤旗」は以下のように伝えている。自己主張の強い機関紙なので、大袈裟?と云う不安もあるので、東京新聞の記事も書き起こして置いた。連続して読まれる事をお薦めする。田中俊一を委員長に選んだのは国会ではなく、閉会後の野田佳彦の独り独断だ。野田が野垂れ死にしても、“糞人事”は残存する。まさに、“使用済み核燃料”のような存在で、5年間は誰も手を出せない委員長だ。5年間で終わるから、使用済み核燃料よりはマシと云う考えもあるが、どれ程今後の我が国の原発行政が歪められるか、痛恨の極みだ。


≪ “初仕事は報道規制”  おかしいぞ!! 原子力規制委  「赤旗」排除に批判広がる
 「信頼回復」「透明性」を掲げながら「特定の主義主張」を理由に「しんぶん赤旗」を排除する―。原子力規制委員会の不当な取材規制に怒りの声が広がっています。本紙26日付の第一報「原子力規制委員会が取材規制」には、インターネットアクセスが2万1000件、「原子力規制委員会の最初の仕事は報 道“規制”だった」などといったツイッターのリツイートは2200件(27日午前)に達しました。怒りの矛先は「規制の相手が違うだろう」などと、規制委員会の姿勢そのものに向けられています。
 同委員会の田中俊一委員長が「政治からの独立性」を理由に排除を正当化しようとしたことに、大阪大学コミュニケーションデザイン・センターの平川秀幸准教授はツイッターで反論。「政治的独立性というのは、何よりも、その審議過程に政治が不当に介入し、審議内容が歪曲(わいきょく)される可能性を排することを意味するはず。記者会見での質疑が審議過程に介入し影響力を行使する行為に当たるとは考えられない」と指摘しています。「しんぶん赤旗」は「機 関紙ではあろうが、新聞の機能も果たしていて、共産党員や支持者じゃなくても有益な情報を報道しているではないか。それを『政党機関紙』と矮小化するの は、まず排除ありきで、取ってつけた屁理屈ではないか」といいます。
 「驚きをもって受けとめています」とするのは、立命館大学国際関係学部の大島堅一教授。「都合の悪いことは隠ぺいしてきた(経済産業省原子力安全)保安院の体質をまた継承するようだ」「国民の不信もまた引き継がれてしまうだろう」
 音楽評論家の湯川れい子さんは「原子力規制委員会が、赤旗…をしめ出したって…。自ら公平公正な判断は出来ません、致しませんとアナウンスしているようなもの」。
 フリーランス編集者の渡部真さんは本紙に「政党の機関紙だからと排除されるのはおかしい。合理性がない。ヨーロッパの多くの国では、政党機関紙が排除されることはない。民主主義国家なら当然だ。原子力規制委員会の対応は、情報公開に逆行しトンチンカンだ」とコメントしました。 ≫ (しんぶん赤旗)


≪ 原子力規制委 揺らぐ公開性
 今月19日に発足した原子力規制委員会が、26日に開いた記者会見から、共産党の機関紙「しんぶん赤旗」の記者を排除した。
 同紙記者はこれまで原子力安全・保安院などの会見には問題なく参加していた。透明・公開性を保つため、「報道機関を他の官庁より広く捉える」とうたったはずの規制委の“後退”に、早くも疑問の声があがっている。(中山洋子) ―――――――――――――――――――――――――
 赤旗記者の排除問題は26日の会見でフリーランスの記者らが追求し、事務局の原子力規制庁側は「(会見の対象は)報道を事業とする団体や個人という趣旨から考えて、政党の機関紙は少し違うのではないか」と説明した。
 規制委は毎週一回会議を開催。終了後に田中俊一委 員長が会見を行う事になっている。その田中氏も「政治の力を表に出す手段の一つとして使われるのが政党機関紙。(赤旗の記者の出席は)政治からの独立が少し怪しくなるかなという感じがする」と述べた。
 赤旗は同日、抗議文を規制委に手渡した。その中で、フリーの記者についても「特定の主義主張を持って書かれている方はご遠慮いただいております」との発言があったとして批判する。
 「一般の報道機関ではない」
 原発事故後、新聞大手は「脱原発」や「原発維持・推進」などをあげて論陣を張る。「主義主張」で排除されれば大手紙であっても締め出されかねない。
 報道の自由を脅かす発言について、規制庁側は会見で「配慮に欠けた」と訂正した。こちら特報部の取材にも、佐藤暁政策評価・広聴広報課長は「実際に主義主張で判断することは一切ない」と強調。一方で、「政党機関紙は一般の報道機関ではない」と繰り返した。
 規制委の認める「報道機関」とは何か。19日の第1回委員会で決めた範囲では、日本新聞協会や日本インターネット報道協会の会員などの既存のメディアや、それに「準ずると認めるもの」などとしている。赤旗は九州電力の「やらせメール」をスクープし、脱原発報道に力を入れている。実績は十分ではないか。
 「拒む理由が日々変わる」
 赤旗社会部の三木利博デスクは「統合本部や原子力安線・保安院、原子力安全委員会の会見にも出席してきたと言うと、今度は会見のスペースが足りないという。拒む理由が日々変わり、理由になっていない。本音は別にあると疑われても仕方がない」と話す。
 会見で追求したフリー編集者の渡部真氏も「席は3分の1しか埋まってお らず、言い訳にすぎない」。とりわけ、田中氏の「政治からの独立」発言には「記者会見の意味を理解できていないトンチンカンな発言」とあきれる。「会見は意見を発表する場ではないので、運営上支障をきたすような発言は誰であれ 当然注意される。機関紙かどうかの問題ではない」
 関東学院大の丸山重威元教授(メディア論)は「報道機関とは何か、記者とは何かという問題に繋がるが、役所が勝手に決めることではない。政党機関紙であっても、フリーであっても報道の意図を持つ人を拒むべきではない」と指摘する。
  規制委はネット中継などで開かれた会見をアピールするが、丸山氏は「記者会見は一方的な情報提供の場ではない。表現の自由を脅かす今回のような動きこそ注視しなければならない」と話した。 ≫ (東京新聞)


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原発一色だった東京新聞が漸くウィングを拡げた “原発新聞”と揶揄されないように

2012年09月28日 | 日記
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原発一色だった東京新聞が漸くウィングを拡げた “原発新聞”と揶揄されないように

 ここ1年、筆者は東京新聞に目を通すようになった。原発問題では社運を懸けているのか?と思うほど力が入っていたが、流石に原発一色では、報道機関として色々支障をきたすに至ったと推測出来る。特に営業販売実績に陰りが出ていた点だ。定期購読の固定客離れが生まれていたようだ。筆者が推薦した新聞社でもあり、個人的に幾分責任を感じていた。勿論、「そうだね、あまりにも原発にのめり込んでいるね。なんなら、最近は論説と編集の論調が変わり出した朝日も悪くないかも?」等と言うようになっていた。

 27日の朝刊の話だが、トップ記事見出しが「民も自も『タカ派』」。その他に「イラク帰還隊員25人自殺」(自衛隊員の自殺の実態)。【核心】では一面を引き継ぎ、安倍自民党総裁の「危うい国民とのズレ」について語っている。これは27日に限った事ではなく、最近の東京新聞の“原発新聞”不評からの脱出が試みられている感じだ。勿論、他紙よりも“原発問題”に注意深い報道機関と云う評判は維持する事も重要だろう。今後も唯一の“ニュートラルなメディア”と云う立ち位置を維持して貰いたい。最後に、27日付の中日・東京新聞の社説を載せておく。*筆者は個人的には安倍のイデオロギーを部分的には認める。必ずしも隷米体制でアメリカと対峙しない姿勢も評価する。ただ、残念な点は、安倍を支持する人々の多くが“思考なき右派”な人びとであることだ。

≪ 自民新総裁に安倍氏 表紙を変えただけでは
 自民党総裁に安倍晋三元首相が返り咲いた。野田民主党政権と対峙(たいじ)し、政権奪還を目指すが、「表紙」を変えただけでは、国民の信頼は取り戻せない。
 自民党国会議員にとっては無難な選択なのかもしれない。次期衆院選や来夏の参院選の「顔」として、新鮮さはあるけれども、総裁としての力量は未知 数の石破茂氏(55)より総裁経験者の安倍氏(58)の方が適任とみたのだろう。
 ただ、かつて福田赳夫元首相が「天の声」と呼んだ党員・党友票の選択と異なる結果は、自民党議員と国民感覚とのズレを象徴しているように思える。
◆現実的政策見えず
 安倍氏は当選後のあいさつで政権奪還に向けた強い決意を示し、「政権奪還は私たちのためでも自民党のためでもない。日本を取り戻し、強く豊かな日 本、子どもたちが生まれたことを誇りに思える日本をつくるためだ」と述べた。
 その通りだ。政治は国民の暮らしを豊かにする政策実現のためにある。一政党の私物ではない。党利党略が優先されるようなことは断じてあってはならない。
 ただ残念でならないのは、今回の総裁選を通じて、行き詰まりを見せる日本の政治、外交、経済、社会をどう立て直すのか、国民の暮らしを豊かにするための現実的なシナリオが見えてこなかったことだ。
 国内総生産(GDP)第三位に転落した経済の長期低迷、国と地方合わせて一千兆円に上る巨額の財政赤字、原発事故を招いた厳格さを欠く原子力行政、天下りに代表される政官業癒着と強固な官僚主導政治、沖縄県民に過重な負担を押し付けることで成り立つ日米安全保障体制、などなど。
 これらは三年前、民主党政権になって突然始まったのではなく、前政権からの延長線上にある、自民党政治の「負の遺産」だ。
声高に叫んでも…
 確かに、自民党の失政が招いた閉塞(へいそく)状況からの脱却を期待し、民主党に政権を託した国民にとっては、裏切られた三年間だった。
 政治主導の政策実現は期待外れだったばかりか、国民との契約であるマニフェストに反する消費税増税を強行した。政権担当能力不足は否めず、国民の暮らしがよくなったと思える状況でない。
 政権を選ぶ眼力が国民に不足していたと言われればそれまでだ。
 しかし、ただ民主党政権を批判するだけでいいのだろうか。
 自民党にとって今、必要なことは、政権転落の反省に立って、かつて進めた政策を総点検し、今に至る状況を打開するための現実的な解決策を国民に示して、判断を仰ぐことではないのか。
 その処方箋もなく、ましてや党再生にも死力を尽くさず、ただ民主党の「敵失」で政権に返り咲いたとしても、何も解決しない。
 かつて、竹下登総裁(首相)から後継就任を打診された伊東正義総務会長(いずれも当時)は「本の表紙だけ変えて、中身は変わっていないということでは駄目だ」と固辞した。総裁が代わっても、党の体質を変えなければ、政権に返り咲く資格などない。
 石破氏は各地の街頭演説会で、かつての自民党政治を謙虚に反省し、民主党批判ではなく、自民党として何ができるかを示さなければならないと訴えていた。
 その主張に同調し、自民党の再生が必要だと考える党員・党友が多かったことが、石破氏が地方票の過半数を制した大きな理由だろう。決選投票で敗れたとはいえ、石破氏善戦の意味を、安倍氏は謙虚に受け止めねばならない。  安倍氏は、集団的自衛権の行使容認による日米同盟強化や靖国神社への首相参拝など、「タカ派的」主張を繰り返した。
 自民党本来の支持層を固める狙いがあることは想像できるが、声高に主張するだけで中韓両国など近隣諸国との関係が好転するほど国際情勢は単純では ない。  安倍氏は首相当時、靖国参拝に行くとも、行かないとも言わない「あいまい戦術」で中韓との関係改善に努めた。自民党に期待されるのは、そうした経験に裏打ちされた、老練で、したたかな外交であることを想起すべきだ。
 原子力政策も同様だ。原発を推進し、甘い規制行政を許した歴代の自民党政権は、原発事故の責任から免れられない。この際、原発稼働ゼロに舵(か じ)を切ってはどうか。反対する経済界や米政府を説得できれば、面目躍如だろう。
健康不安の払拭を
 安倍氏には五年前、持病である潰瘍性大腸炎の悪化を理由に政権を一年で投げ出した過去がある。  病歴は個人のプライバシーだが首相を目指す公人は別だ。米大統領が毎年するように、健康診断結果を公表してはどうか。それが本人の言う「ほぼ完治」を裏付け、健康不安の払拭(ふっしょく)につながる。≫(東京新聞:27日付社説)

検察崩壊 失われた正義
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小沢一郎と安富歩が対談をしたなら そういう企画は耳に入っていなのだが・・・

2012年09月27日 | 日記
幻影からの脱出―原発危機と東大話法を越えて―
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小沢一郎と安富歩が対談をしたなら そういう企画は耳に入っていなのだが・・・

 悪態をつくのもバカバカしいが、自民党の総裁に安倍晋三“腹イタ君”が選ばれたようである。正直、「国民連合」(オリーブの木)勢力にとって、厄介な自民党総裁は石破だと考えていたが、幸運にも安倍晋三が選ばれたことは目出度い限りだ。これで、既存の社会システム温存の政治勢力が「自公民維新」と特定された事は、国民にとって非常に判りやすい構図になった。問題は、この既存の日米同盟や産業構造の堅持が、21世紀の日本の生きる道だと思い込んでいる国民が相当数存在する事実が現存している事である。

 小沢一郎があらゆる妨害にも関わらず日本の政治シーンで生きてこられた理由が明確に理解できた点も重要だ。ただ、その理由に気づく国民が、どの程度居るかどうかが、今後の問題になるのだろう。「原発危機と東大話法」の著書で名が知られるようになった経済学、金融論、社会生態学と幅広い知識に裏打ちされた安富歩氏(東京大学東洋文化研究所教授)も、世界のドラスティックな構造変革に着眼した講演等々を行っている。非常に為になる講話だが、基本的に世界、そして日本を観察す目は、概ね小沢一郎と一致している。僭越だが、筆者の観察とも、ほぼ一致している。参考までに、IWJの「大阪市浪速区の討論Bar “シチズン” に於いて安冨歩氏講演会『金と政治と東大話法』」を視聴すると、その流れが判りやすく解説されている。
参考URL:http://iwj.co.jp/wj/open/archives/32454

 小沢一郎を代表とする「国民の生活が第一」の“自立と共生”と云う政治理念と政党の基本政策が示しているものは、抽象的表現は避けているものの、「世界のドラスティックな構造変革」が見えているが故の基本政策になっている。「自立と共生」これ自体が、現在の民主主義・資本主義が変わらなければ滅びる、と云う切迫感を漂わせている。筆者のような表現をしてしまうと、選挙向け、一般受けしないわけで(笑)、判りやすい基本政策として、ブレークダウンしたのだろう。

 1「エネルギー政策の大転換」、2「国民生活の立て直し」(消費増税廃止、デフレ脱却、民間主導経済、国民生活直結の公共投資)、3「地域が主役の社会」(基礎自治体を基本とした地域主権改革、中央省庁の抜本改革等々)、4「社会保障制度の維持・拡充」(年金制度の抜本改革、介護制度の充実、子育て支援の拡充等々5教育(人づくり)・子育て支援」(高校授業料無償化等の堅持、教育基本法の改正、教育行政の抜本改革、公立小中学校の運営改革等々)、6「自立した外交・安全保障の展開」(自立と共生と理念の下で主張する外交、安全保障基本法の制定、国連決議の下での積極的参加、自衛権の行使に係る原理原則の制定、独立国家としての責任に基づいた日米関係、普天間移設 - 恒常化した異常事態の解消、国内外への分散移転、アジアの平和の調整機能を果たす等々)

 小沢一郎自身が、あまり世界観な視点で語ろうとしないのは、何故だろうかとと云うことだ。おそらく小沢は現在の国民の認知度に合わせ、表現に留めているのだろうと推測出来る。また、彼が政治家であるという事実からかもしれない。折にふれ語るヨーロッパ(EUが選択した)の苦難の道とか、アメリカ経済の挫折とか、中国の大国化の影響とか、彼の中では、自分が歩んできた政治人生では経験した事のない、カオスの世界観を有しているものと思われる。それが「自立と共生」と云うシンボリックな言葉になるわけだが、政治理念とか、権力闘争とか、それこそ下世話な話とは異なる哲学的思考を基にし、それを日本の政治に反映させる処方箋が基本政策になったとみるべきだろう。

 彼の歴史的世界観は、日本と云う国をみつめる狭い世界から、世界で今後とも100年の歴史が覆る大転換期が連続するであろうことを、予感しているのだと思われる。勿論、政治権力と云う裏打ちなしに、その意思を国民に感じて貰わなければならないのだか、気の遠くなるような作業だ。彼が常に「教育」を持ち出すのも、そこに行き着かざるを得ないのであろう。安富氏によると、大人は“もう駄目である”100年の歴史を背負いこんだ人間では打破できない、大転換を、いずれに日にか“変わらざるを得ない”と云う認識が強いのかな?とも思う。

 小沢自身は、その寡黙度も手伝って、聞かれた事にしか答えない主義のように思われているが、多分違うだろう。尋ねる人間が、政局とか、権力とかの枠を離れた質問をぶつければ、彼の世界観、歴史観を聞くことは可能なのかもしれない。出来れば、小沢一郎vs安富歩の対談を企画するテレビ局が現れたら、それは我が国の政治史に新たなシーンが生まれる事になるかもしれない。早い話が、日本と云う国が、単なる単純製造業の領域で、自由貿易を謳歌すると云う幻想は終焉しているわけで、輸出産業で生きるとしても、作るものが、現在の経団連企業が生産するものでない事は自明だ。

 日本の重大な課題と云うもの、それは個々の諸問題ではなく、世界的に起きている、産業の地域シフトを受け入れる度量が必要なのである。所謂、産業構造そのものを、世界の潮流を基礎として、乱暴なくらい大胆に変革しなければならないのだろう。それが産業構造革命である。この革命は、既存の勢力にとって、天地がひっくり返ることなので、こぞって大反対である。その大反対勢力に“日本維新の会”も加担している事を見逃してはいけない。産業構造改革は、単純に市場に任せれば成就するものではなく、既存企業の退場も含むものでなければ、変化は起こせない。

 そのことに、日本の国民がいつ気づくか、そこが問題だ。筆者は個人的には、相当な年月無駄な時間を費やすのではないか、と危惧している。ネガティブな発想から、そう思うわけではない。日本人の、世界観における認知度が、そこに至っていないし、認知出来たとして、それを考える知識と云うものが欠損している。極めて悲観的結論が当分続くと云う悪い予感がする。逆に言うなら、まだまだ痛みを感じる実感が乏しいのだろう。それが、20世紀において、僅かな期間栄華を極めた“高度経済成長国家”であった蓄積が残存している結果が、元凶になっているとすると、まったくもって皮肉なものである。蓄えが底をついた時、はじめて無能な政治家の正体に気づくとは、大学生が小遣いがなくなる度に、アルバイトをするようなもので、なんとも20世紀的な“無機質合理主義”である。



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直近の下世話な永田町政局エトセトラ 懲りない鳩山・原口、自民総裁は石破優勢?

2012年09月26日 | 日記
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直近の下世話な永田町政局エトセトラ 懲りない鳩山・原口、自民総裁は石破優勢?

 まずは前回の拙コラム「マニュフェスト反故を恥じるなら”離党”で筋を通せ 鳩山・川内・ 原口・山田・・・」の続き。どうも原口一博と云う男は“食わせ者”のようだ。まったく人望もヘッタくれもないのに、自己顕示欲だけ政治の神髄と思い込んでいるらしい。あきらかに前原誠司と瓜二つだ。松下政経塾出身者には、両者と共通の人格的欠損が備わっていると考えても過言ではなさそうだ。逢沢一郎、野田佳彦、長浜博行、松原仁、山田宏(元杉並区長・維新の会)、樽床伸二、原口一博、高市早苗、玄葉光一郎、前原誠司、中田宏(元横浜市長・維新の会)、福山哲郎、村井嘉浩(宮城県知事)気がつくだけで、これだけ悪質な政治家が屯していた。短絡的だが、“松下政経塾”イコール“悪の巣窟”と呼んで、問題はなさそうだ(笑)。

 石原騒擾と野田稚拙外交で、領土問題に発展、反目する日中関係とあいなった。日中国交正常化40周年記念行事もお流れとなり、二進も三進も行かないのだが、外務事務次官会議が持たれるなど、いったん終息の着地点を視野に、両政府が動き出した気配はある。そんな最中、日中友好7団体及び日中友好議連等々の連中が、中国側の招待で訪中する事になった。この訪中に、又鳩山の馬鹿がノコノコ出ていくと云うニュースが一時流れたが、訪中を鳩山は中止する事にしたようだ。あまりに当たり前の判断だが、どうも鳩山と云う男も、判りにくい男である。たしかに松下政経塾は出ていないのだが(笑)、言動の面で理解に苦しむ男である。

 色んな情報を総合すると、この招待は中日友好協・唐カセン会長(元外相)の“招宴”と云う名目のようである。外交上は、このような微妙な言い回しの言葉が重要性を持つ。まぁそれはさておき、出席者はアノ米倉爺、張富士夫ら経済人と高村正彦、江田五月、加藤紘一、野田毅、田中真紀子、二階俊博らのようだ。この中に、元内閣総理大臣で“東アジア共同体構想”でアメリカに潰された鳩山由紀夫が参加するのは、極めて違和感がある。勿論、中国の狙いは、誰あろう“鳩山由紀夫”を呼ぶ事で、他の連中は全員刺身のツマである。流石に何処かで気づいたのか、外務省から待ったが掛かったか知らないが、訪中などするべきではないのは当然だ。それこそ、弱腰外交で米中韓に舐められた発端は鳩山にあるのだから、隠忍自重が当然。オマエの今の仕事、決意は民主党を出るかどうかだよ!

 21世紀を生き抜くと云う意味では、大局的に同一方向しか向くことが出来ない、「民自公維新」と云う大政翼賛勢力は、歴史と云う感覚で眺めれば、消滅は必然だ。ただ、今夜はあくまで直近の永田町政局の話に限定しているので、自民党総裁選はそれなりに面白い。石破茂が“なんぼ”の政治家か知らないが、政治手腕が未知数の部分があるだけマシに見える。事実、自民党内の人気を除けば、巷では断トツの人気を誇っている。自民の地方支部や党員らの期待度も石破に集中しているようだ。自民党に関しては、筆者もミーハーな視点しかないので、判らない分石破支持だ(笑)。時事は以下のように伝えている。

≪ 自民総裁選、26日に投開票=決選投票は確実
 自民党総裁選は26日投開票され、谷垣禎一総裁の後継となる第25代新総裁が選出される。立候補した5人のうち石破茂前政調会長(55)が党員票で先行するが、1回目の投票で過半数を確保するのは困難とみられ、上位2人による決選投票が40年ぶりに行われるのは確実だ。
 総裁選は国会議員票198と党員票300の計498票で争われる。石破氏のほか、安倍晋三元首相(58)、町村信孝元官房長官(67)、石原伸晃幹事長(55)、林芳正政調会長代理(51)が出馬した。
 地方議員ら党員・党友による投票は25日に締め切られた。各都道府県連は26日午前、党員票の開票作業を開始し、集計結果を順次、党本部に報告する。国会議員による投票は午後1時からスタート。午後2時ごろに議員票と党員票の投票結果が発表される。決選投票となれば、午後2時30分ごろに結果が判明する見通しだ。 
  最終盤の情勢では、石破氏が1回目の投票で1位を確保するものの、過半数には届かない見通し。これに対し、安倍、石原両氏が激しく2位を争っている。石破氏は議員票で両氏より劣勢で、議員票だけで争われる決選投票になれば、2位候補が3位以下の支持を得て逆転する可能性がある。
 町村、林両陣営は、安倍、石原両陣営による支持議員の引きはがしを警戒している。
 選挙戦で各候補はそろって、野田佳彦首相に早期の衆院解散を求める考えを示した。ただ、赤字国債発行のための特例公債法案については、石破氏だけが成立への協力に柔軟な姿勢を示し、他候補との違いを見せた。
 また、入院中の町村氏を除く総裁選候補は25日夕、東京都JR新宿駅西口で選挙戦最後の街頭演説を行い、支持を訴えた。≫(時事通信)

 一回目の投票で過半数を制するものが居ない場合、国会議員だけで雌雄を決すると云うシステムが永田町論理で釈然としない点があるが、まぁたいした問題ではない。石破以外の有力候補、安倍も石原は既に底が割れた政治家であり、何ら期待とか裏切りとか、いずれにせよ望むべくもない。町村は敵前逃亡だし、林は顔見世興行だ。石破の場合だと、野田にしてみると一番厄介そうで、一番“瞬間芸”で折り合いがつく相手かもしれない。理屈好きと云う政治家は、意外に意外脆いものである。

 チョイと興味があったので、石破について調べてみたが、少なくとも軍事オタクと簡単に片づけるのは失礼かもしれない(笑)。如何にも軍事好きだから、右翼のような奴だろうと思うのだが、どうしてどうして、イデオロギーがありそうな顔だが、イデオロギーはない(笑)。唯一、彼の思考経路には「日米同盟いのち」が鎮座していることだ。ことのほか融通無碍で、たしかに“瞬間芸”の野田に似たところがある。状況に応じて、合理性を基準に、考えを変える器用な面も相当ある。まぁその都度考えが変わるので、安心してモノを任せるのは怖い面も多い。ただ、橋下ほど無茶苦茶と云うわけではないので、安倍、石原よりはマシだろう。さて、明日の17時ころには、誰が総裁記者会見をしているのだろう?筆者の自民総裁選への興味レベルは、ダルビッシュのアスレチックス戦で17勝目とトントンの勝負である(笑)。では今夜はこの辺で、オヤスミナサイ!



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マニュフェスト反故を恥じるなら”離党”で筋を通せ 鳩山・川内・原口・山田・・・

2012年09月25日 | 日記
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マニュフェスト反故を恥じるなら”離党”で筋を通せ 鳩山・川内・原口・山田・・・

 野田の臨機応変と云うか、状況に応じた“瞬間芸”が始まった。党執行部と閣僚の入れ替えで、新鮮さを出そうと云う呆れるほど姑息な芸なのだが、おそらくそれなりのアナウンス効果はあるだろう。なにせ、瞬間に生きている国民が多いだけに、数%の支持率上昇はあり得るだろう。細野に関しては、代表選不出馬の論功行賞の臭いがプンプンだ。

 細野は震災発生後の11年3月11日以降、主に原発事故問題の処理を押しつけられ、同年6月内閣府特命担当大臣(原発事故の収束及び再発防止担当)と云う謂わば謝罪役・汚れ役を演じてきたのだから、「もう勘弁してくれ!」が本音だった可能性が充分考えられる。党政調の主たる仕事も終わり、憎まれるモノも残っていないので、閑職。細野もそれを望んでいた節がある。職務をまっとうしている顔で、昔の“モナ男”な生活もさせてくれ、が本音だろう(笑)。良いではないか、色々言われているが、細野は閣僚の中では、野田を含め誰よりも働いたのは事実だ。勿論、その働きが国益に沿っていたかどうか、それは別問題だが、大役を果たしていたのは事実だ。“モナ男”な生活エンジョイ!して良いぞ(笑)。

≪ 政調・細野氏、国対・山井氏=幹事長代行は安住氏-野田首相、民主執行部を刷新
 民主党執行部人事で野田佳彦首相は24日、政調会長に細野豪志環境相、国対委員長に山井和則国対副委員長、幹事長代行に安住淳財務相の起用を決めた。党内融和を優先する観点から輿石東幹事長を続投させる一方、41歳の細野氏の起用などで党の刷新をアピールし、党勢を立て直す狙いがあるとみられる。
 細野氏は、先の代表選で若手を中心に擁立の動きがあり、一時は首相の有力対立候補と目された。城島光力国対委員長を支え、国会運営に携わってきた山井氏は鳩山内閣で厚生労働政務官を務め、首相が重視する社会保障政策にも詳しい。選対委員長の経験がある安住氏は、参院議員の輿石氏を補佐し、次期衆院選の実務に当たることになる。
 政府・民主党内では、交代する前原誠司政調会長、城島氏、樽床伸二幹事長代行について、政府の要職で処遇すべきだとの声がある。首相は内閣についても「より機能強化を図る」として改造する考えだ。党内では、消費増税を柱とする社会保障と税の一体改革の推進役として首相を支えた岡田克也副総理は続投が有力との見方が出ている。 
 首相は米国から帰国後の28日にも、自民党新総裁と公明党の山口那津男代表との党首会談を開き、一体改革に関する民主、自民、公明3党の合意を確認したい考え。早ければ10月1日に改造に踏み切る方針だ。≫(時事通信)

 細野を“選挙の顔”として打ち出すのなら、代表・首相として打ち出した方が、断然有利なわけで、“選挙の顔”は何処まで行っても野田佳彦だ。細野の場合だと、菅・野田の嘘つき民主党を“ご破算”に出来る可能性があったのだが、それも泡沫の夢となった。勿論、小沢支持の筆者にとっては、有難いほど馬鹿な選択でもある(笑)。前原が満を持して内閣に入る雲行きだが、末席閣僚になる事はなく、それなりに重要ポジションだろう。これは野田内閣の火種と云うか、火を噴いた状態の大臣を内閣に抱える事になる。非常に愉しみだ。

 まぁ野田民主に興味を未だに持っている国民は、彼らが考える以上に少ないだろう。武士の情けで、二桁の支持率が一応出ている場合が多いが、真実は一桁台なのではないだろうか。反野田でありながら、与党としての何某かのオコボレに与ろうと云うサモシイ性根にしか見えないのだが、他になにがあるのだろう。醜い限りである。内閣改造を確認した上で、意を決しようとしているかもしれないが、そろそろ立ち位置を明確にした方が良いのではないだろうか。

 最近、筆者の耳に入ってくる情報だと、次期衆議院選における多くの人々の興味は、自民、維新が勝つかどうかではなく、如何に“民主党が破れるか”を目撃したい、と云う幾分面白願望に替わってきている。このような現象は、いままで嘗てないことだ。どこどこ政党に勝って欲しい政権選択選挙が普通だが、今回の空気は、“民主党を惨敗させる”がメインストリームとなっている点だ。未だに野田民主に未練たらたらで金魚の糞並の優柔不断な態度に終始していると、ある時点からは“なにが今さら新党だ”と云う事になるだろう。

 鳩山由紀夫、川内博史、原口一博、山田正彦、福田衣里子等々だが、此のままウロウロしていると、離党の最後の扉が閉じられてしまうに違いない。野田・輿石ラインが保持された事で、「近いうち解散」はチャラになったと云う民主党議員の認識は甘いかもしれない。つまり、解散は当然のように来年の夏と皮算用しているようだが、自民の誰が総裁になろうと、解散に向けた与野党対決は続くわけで、来年の予算を組む最終段階の11月から年末にひと政局ある筈だし、早ければ特例公債法案で財務省が野田の梯子を外す可能性すらある。もう、増税法案を通過させた以上、野田の役目は終わっているわけだから、今さら社会保障で財源に手を突っ込まれてはいい迷惑なわけで、今は切るタイミングを見計らっているとしか思えない。勝栄二郎も退任したのだから、野田は何時でも切れる状況にある。

 それにだ、野田民主は「民自公」場合によれば「民自公維新」と云う、無風な政治状況を作り、“親米・軍国保守連立”と云う大政翼賛の構築を描いているのだろうが、「民自公維新」から“民”がスケープゴートされる可能性は相当な確率である(笑)。いじめっ子グループの一員が、或る日を境に、突如“虐められっ子”になる図式である(笑)。政党助成金を視野でも構わんぞ、離党は早目に、新党は12月初めで良いだろうよ(笑)。それでは今夜はこの辺で、オヤスミナサイ!

PS:そうそう、それでは「自公維新」で政権を取るほど勝てるかどうかも未知数なので、そこに命運を懸ける民主党風見鶏議員も多いのだろうが、自ら立ち、己が手で当選を勝ち取る毅然たる決意のない政治家は、最終的には淘汰されてしまうのだ。筆者個人としては、国民の生活が第一が中心となる「国民連合」の躍進を強く期待している。未だ全貌は見えていないが、イザ選挙となってからの、小沢一郎の動きは烈火なものとなるだろう。現時点はまさに風林火山である。



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“瞬間芸”で政治を判断すると世論を笑えない 内閣総理大臣野田が手本を示している

2012年09月24日 | 日記

 

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“瞬間芸”で政治を判断すると世論を笑えない 内閣総理大臣野田が手本を示している

  各メディアが行う世論調査には、常にヤラセとか質問設定誘導等々の疑惑が常につきまとう。最近、筆者はその上に、世論調査に二つ返事で応答する国民の資質も大きく影響している疑惑をつけ加えることにした(笑)。ジッと各メディアの世論調査の結果と新聞TVにおける露出度が極めて鮮明にリンクした関係だと思うようになった。まぁ自分の実生活以外は「空気感」で日常を過ごす一般市民は、そんなものだろう。特に、その人々を非難するつもりもない。ただ、最近の世論が、瞬間芸的断面で捉えられる傾向が強くなるばかりだな、と云う感想を持つ。今であれば、4人の政治家が鍔迫り合いを繰り広げている“自民党”がサブリミナル的に、時間軸輪切りの瞬間として捉えられるのである。故に、すこぶる自民党の支持率が上昇している。「国民の生活が第一」の支持率が1%前後になっているのも、この点からみれば自明なのだ。

  各メディアへの露出度では、「生活」など相手にもならない程の露出度のある「日本維新の会」などは、上述の理屈からすると常に15%程度の指示は獲得しそうだが、どうもその論理が通用しないようで、政党支持では「ドコデモ数%」に甘んじている。政党のネーミングが世論調査対象者の脳裏にインプットしていない所為なのだろう。「橋下維新の会」とでもすれば、10%は上積みしているのかもしれない(笑)「国民の生活が第一」にも多少似たような傾向はあるだろう。橋下維新が田原を呼んで第二回の公開討論会を行った。橋下は「討論会は面白さでやっているわけでない」と冒頭言い訳をしたが、実は余程ショックだったとみえ、歴然たる証拠に田原総一朗を雇ってきた。田原の今日の役回りは、完全に「朝生」同様の“モノ言う司会者”だった。幾ら支払ったのか?聞く勇気のあるメディアは居なかったな(笑)。まぁ雇った甲斐があったようで、記者とも質疑応答も活気があった。朝日は以下のように伝えている。

≪ 維新の会、国会議員9人に さらに十数人増える可能性も
 大阪維新の会(代表・橋下徹大阪市長)は23日、新党「日本維新の会」への参加を希望する国会議員との第2回公開討論会を大阪市内で開き、新たに民主党の今井雅人(比例東海)、自民党の谷畑孝(比例近畿)両衆院議員が参加した。維新側は入党を認める方針。両氏は近く所属政党を離党する見通し。維新の国会議員は計9人となる。
 維新幹事長の松井一郎大阪府知事は討論会後、両氏の受け入れを表明した。討論会は今後も開かれ、維新幹部によると、参加する国会議員はさらに十数人増える可能性もあるという。
 討論会は外交・安全保障がテーマ。橋下氏は竹島や尖閣諸島の問題をめぐり「威勢のいいことばかり言ってはだめ。積み重ねられた事実を相互に確認すべきだ」と指摘。野田政権の尖閣国有化を批判した。竹島問題では国際司法裁判所で決着をつけるよう韓国に働きかけるべきだとし、日韓の共同管理が望ましいとの考えを示した。
 集団的自衛権は行使を認めるべきだとの考えを重ねて示したが、対象地域については「議論しないといけない」とした。  日米同盟については「日本が自立していないから(米国に)頼らざるをえない。自立して沖縄の負担やオスプレイの問題を主張する立場を取るなら、防衛費の 上限をGDP(国内総生産)1%とせず、どこまで防衛力を持つかを決めないといけない」と指摘。沖縄県の普天間飛行場の移設先について「今のところ(同県名護市の)辺野古以外の案は頭の中にない」とし、「普天間を他県に持っていけるという二枚舌は使ってはいけない。沖縄の人たちに『申し訳ないけど』とお願いしなければいけない」と述べた。≫ (朝日新聞デジタル)

 考えてみると、長谷川幸洋氏ではないが、野田佳彦も“瞬間芸”に生きているのだから、国民の”浮世度”をどうこう云うのも、如何なものかと云うことになる。長谷川氏が指摘するように、一般的に「政治家は信念にしたがって行動し、理想を実現するために政治活動をしている」と勝手に思っているが、政治家の実情は異なるだろうし、野田佳彦などは、その状況、状況に即時即応、行動するのが有能な政治家であると自負しているのかもしれない。マニュフェスト破りも当然、近いうち解散も反故、何ごとも臨機応変がすべてである。

 野田自身は、この瞬間芸を、現実的状況への合理的対応と云う風に理解している節がある。尖閣に突如深夜、数十人の中国人活動家が上陸、構築物を作ろうとしたら、即時即応、現実状況への合理的判断として自衛隊出動を命じるかもしれない。政治理念などに振りかざすは、臨機応変な対応の出来ない頭でっかちな政治家に過ぎない、と思っているのかもしれない(笑)。その辺は、長谷川氏のコラムを載せておくので、読んでお好みのようにご判断ください。オヤスミナサイ!

≪ 「近いうち解散」「シロアリ退治」「原発稼働ゼロ」・・・約束を平気で次々に破る野田佳彦という政治家の「本質」
 野田佳彦首相が「秋の解散」先送り発言を繰り返している。
  9月19日のテレビ朝日系列「報道ステーション」では「『近いうち』と言ったのは事実。ただし、それは内閣不信任案と問責決議という野党にとっての異議申し立てを放棄するという前提での話だった」と述べた。そのうえで自民党総裁選の後、新しい総裁と「3党合意をどうやって実現していくのか腹合わせして、今後のスケジュールを考えたい」と語った。
 私は先週のコラムで 「10月解散の話は消えた」「野田は党代表に再選されれば、新しい自民党総裁と党首会談を開いて、3党合意やその先にある連立の可能性について突っ込んだ 協議をする運びになるだろう。解散に踏み切るかどうかは会談の結果次第だ」と書いたが、まさにその通りの展開になった。

 谷垣との約束を一方的に破った野田
  注目されるのは、野田が谷垣禎一自民党総裁との会談の中身に触れた点だ。近いうち解散の約束は「内閣不信任案と問責決議の放棄が前提だった」と暴露している。先週のコラムで書いたように、谷垣は「会談について外に出すのは『近いうち』という部分だけにする、と合意した」と語っている。そうだとすると野田は今回、この約束も破った形になる。
 ここが、むしろ重要だ。政治家同士の密約で中身と公表の仕方は表裏一体、ワンセットである。野田は公表の仕方について谷垣との約束を一方的に破ったのだから、合意の中身についても、もはや「守る理由はない」と考えているとみて間違いない。
 野田が暴露したように、もしも谷垣が本当に「近いうち解散」と引き換えに内閣不信任案と問責決議を封印する約束をしていたなら重大だ。言うまでも なく、野党にとって最大の武器は内閣不信任案、次いで問責決議である。この2つを封印するなら、いわば完全武装解除したのと同じになる。戦う前から政局のイニシアティブを敵に渡したも同然だ。「あなたを信じますから、私は武器を捨てます」という話なのだ。
 野田の話が本当なのかどうか。もし違うなら、谷垣は堂々と反論すべきだ。だが20日夜になっても、谷垣サイドから何も反論が出ていないところをみると、どうやら谷垣は武装解除を本当に約束していたのかもしれない。そうだとすると、野田に封印を約束しながら結局、野党7会派が提出した問責決議に同調したのだから、谷垣もブレにブレた格好である。これでは野田のほうが一枚上手と言わざるをえない。
 いずれにせよ、自民党新総裁との話し合い次第の面はあるが、これで10月解散話はいったんリセットとみるべきだ。

 野田という政治家の本質とは
 野田は「2030年代に原発稼働ゼロ」というエネルギー戦略の閣議決定も見送った。今回の「近いうち解散」先送りと原発ゼロ閣議決定の見送り、さらに5月25日コラムで紹介した消費税をめぐるシロアリ発言を合わせて考えると、あらためて野田という政治家の本質が見えてくる。
 *野田はどうして、こう次から次へといったん口にした約束を平気で破れるのか。その謎が解けてきたような気がするのだそれは、こういうことではないか。
 野田にとって発言や政治行動はあくまで、その場の状況に合わせたものなのだ。状況が変われば、全体の判断も変わり、したがって発言も行動も変わる。それで何の問題もない。不都合とも思わない。野田はそういう政治家である。
 野田にとって重要なのは、いつでも目の前の「状況」である。選挙の時は自分が当選する。それがもっとも重要な「自分が置かれた状況」だったので、 当選するには「消費税を上げる前にシロアリ退治をします」と約束する。それはそれで、もっとも合理的なセリフになる。
 次に谷垣との会談では、野田の最優先事項は消費税引き上げ法案の成立と、できれば内閣不信任案や問責決議の提出阻止だった。増税法案成立だけでも十分だったはずだが、欲張って不信任案と問責決議の封印を持ち出してみたら、なんと谷垣はそちらも同意してしまった。それなら、まったく文句はないので 「近いうち解散」を約束した。野田の言い分が本当だとすれば、そういう話になる。
 だが後になって、谷垣自民党が問責決議に賛成するという「新しい状況」が生まれる。すると野田の判断も変わって「いまや前提が崩れた。新総裁と話し合ってみなければ分からない」という話になる。

 官邸を取り巻く数万人の群衆は予想外
 原発ゼロも同じである。当初は霞が関(とせいぜい経済界)の風景しか目に入っていないから、経済産業省の言い分にしたがって関西電力大飯原発の再稼働を決めた。将来のエネルギー戦略についても、経産省まかせで「2030年原発ゼロ案」「15%案」「20~25%案」という3つの選択肢を用意し、真ん中の15%案への着地を狙っていた。ほぼ同時進行で、これまた霞が関まかせで原子力規制委員会の露骨な原子力ムラ人事を内定した。
 ところが毎週末の首相官邸前抗議行動が象徴するように、脱原発世論と原子力ムラ人事への批判が高まると、野田にとって状況が変わる。反対派の抗議 を「大きな音」などと口が滑ったが、官邸を取り巻く数万人の群衆は予想外の「新しい状況」だったのだ。
 だから、あわてて軌道修正を図る。さすがに大飯原発は止められないでいるが、15%案はあきらめてゼロ案に傾く。原子力ムラ人事は国会同意をあきらめ、首相権限での任命という非常手段に訴えざるをえなくなった。それはたしかに乱暴だが、むしろ野田がそれほど追い詰められていた、と理解すべきであ る。批判が効いたのだ。
 ゼロ案を公表してみると、当然なのだが、経済界や原発立地県、青森県などから猛烈な反発を浴びた。それがまた野田にとって「新たな状況」になる。 すると、今度は閣議決定の見送りに舵を切り換える。
 もう1つ、例を挙げよう。野田は先の番組で12月訪ロ予定について「11月までは次官級、外相級の会談があるので、総理が訪ロするなら12月になる。だから12月訪ロ希望を言った。それと解散時期の話は関係ない」と説明した。これも同じだ。
 プーチン大統領を目の前にして、野田の視野には「日ロ交渉をどう進めるか、という状況」しか入っていない。解散は関係ないのだ。だから12月訪ロという答えがスッと出てくる。ところが、もちろん現実には訪ロだけでなく解散をどうするかという問題がある。
 特例公債法案の成立が見通せないなど政権が行き詰まって解散せざるを得なくなると、今度は解散不可避という「新しい状況」が目に入ってくる。そこでは12月訪ロの約束など、どこかに消え失せてしまうに違いない。そのときは日本人だけでなく、プーチンまでがあっけにとられることだろう。

 野田は信念の政治家ではない
 以上のように徹頭徹尾、野田の行動原理を支えているのは、常に目の前の状況である。状況に応じて対応するのが「悪いことだ」とか「信念に反する」といった考えは初めからない。もともと信念など持ち合わせていない。むしろ「状況に応じて柔軟に対応するのが政治家の手腕、力量」と考えているのではないか。
 これに対して、普通の人々は「政治家は信念にしたがって行動し、理想を実現するために政治活動をしている」と思っている。野田のように自信満々で 「シロアリ退治」を訴えられると「その通りだ。彼は信念の政治家だ」と勘違いしてしまう。人々は「政治家は信念で活動してほしい」と願っているから、そういう風に演じられると、つい「信念の政治家」と思い込みたくなってしまうのである。
 自分が願うように現実を理解する。これは日本社会のいたるところで見受けられる。日本人の悪い癖だと思う。最近の一例を挙げれば、環太平洋連携協定(TPP)への態度もそうだ。TPP反対論者は野田が昨年、TPP交渉について「参加に向けて協議する」と表明したら「あいまいだ」とか「参加はとんでもない」と批判した。
 日本が「参加に向けて協議する」と表明したところで、相手が参加を認めるとは限らない。当たり前だが、参加できるかどうかは相手次第の面が半分、 あるのだ。現に共和党のロムニー大統領候補は交渉が減速する懸念があるので、現段階での日本の参加に反対している。とにかく交渉反対という立場の人はとも かく、新聞や識者が野田の言い方をあいまいと批判するのは、自分の都合でしか物事を判断しない視野狭窄である。
 脱線した。
 野田は信念の政治家ではない。そうではなく、その場の状況に対応する政治家だ(こういう人を「政治家」と呼ぶのはためらうが)。その場しのぎの人である。多くの人が「政治家は信念の人」であってほしいと願うのは勝手だが、間違ってはいけない。政治家も人それぞれだ。実績と行動で正しく判断すべきで ある。
 野田には初めから信念だとか、実現すべき理想のようなものはない。あったとしても、それは「床の間の掛け軸」のようなものだ。あれば格好よく収まりもいいが、別になくても困らない。邪魔になれば、いつでも外す。その程度なのだ。
 そう考えると、野田の政治方針はこれからもコロコロ変わる、とみて間違いないだろう。いまや野田の脱原発路線はほとんど風前の灯火だ。だが、たとえば次の選挙で落選すれば、またまた脱原発を言い始めるかもしれない。あるいは「消費税引き上げは間違っていた」とさえ言うかもしれない。
 こういう政治家が内閣総理大臣にまで昇り詰めた事実に脱力する。しかし、それが日本の現実でもある。(文中敬称略) ≫(現代ビジネス:ニュースの深層:長谷川幸洋)



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世の上澄みで騒ぎまくる“民自維新” 地下深く黙々選挙対策を練る小沢、どちらに軍パイ?

2012年09月23日 | 日記
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世の上澄みで騒ぎまくる“民自維新” 地下深く黙々選挙対策を練る小沢、どちらに軍パイ?

 我が国の政治経済、外交防衛等々が、「凪」の状態に入った。賢明な諸氏はご存知だろうが、この「凪」は怒涛の嵐の前の静けさである可能性が高い。冗談ではない、なにが「凪」だ。領土問題が起きている、オスプレイ導入問題がある、野田が未だ首相を続ける、自民党総裁選もある、原発政策もすべてが玉虫色だ、総合エネルギー問題も意志決定がなされていない、国際収支が連続赤字を計上した、経済成長の基本路線も見えていない、来年から復興増税分が生活費から天引きされる、翌年14年からは諸費税は8%になり、15年10%になる、目に見えて福祉が充実するどころか支給の目減りが画策されている等々、「凪」等と云うのは冗談だと云う考えもある。

 しかし、筆者は「凪」だと感じている。一見勇ましく聞こえる発言も、毅然たる態度で臨むあらゆる政策も、結果的には実効性は乏しく、逆に現状よりも状況を悪化させる傾向さえ見せている。消費増税の決定が典型的だろうが、尖閣の国有化も“領土問題”と善かれ悪しかれ、世界に知らしめた点で悪化の方向に向けただろう。米国が日中の間を取り持つような構図を示した事で、ポイントをゲットしている。アメリカ戦争屋陰謀論の一つも語りたくなると云うものだ。国防長官が仲介に動いたのが味噌で、軍事だと云う印象を日中双方に暗に示している。日本に対しては“日米同盟”忘れるなよ、であり。中国には、安保条約の範囲になるので、時には嫌でも介入する事になる、とでも軽く言ったのだろう。

 まぁ、そんなこんなの我が国の喧騒なのだが、今さらながら、日本と云う国家に政治が不在だと云う事実を思い知らされている。時々、毅然として行う事は、常に“売国的行為”に結果的に至っている。政治の混沌と云うものは、どこの国でも存在するし、“雁字搦め”の利権構造の中で選挙を戦い、当選しなければならないのが民主主義国家の政治家なのだから、あらゆる主張を明確にする事は、現実的には困難なのだろう。ある程度の玉虫色は、最大公約な国益を政策化すると、どこか玉虫色になるものなのだろう(笑)。

 スッカリ秋めいて、体調の不具合を気候の所為に出来なくなって、何か言い訳を探さなければと思っているのだが、何にしようか?そうそう、その理由を「国民の生活が第一」がマスメディアからナッシング攻撃を受けている所為だ!と思う事にした(笑)。と云うのは冗談で、小沢一郎が深く地下に潜り込んだのだから、マスメディアの情報が枯渇するのも肯ける。必ずしも、意図的ナッシング攻撃と云うよりも、マトモな情報がひとつもゲット出来ないので書かない、書けない、と云うのが実情なのだと思う。

 小沢支持の筆者にとっても、気がかりな部分だが、断片的に耳に入っている情報を繋ぎあわせた情報が「週刊ポスト」(10/5)に載っていた。タイトルは≪ 小沢一郎 「一人っきりの選対本部」の秘策≫となっている。その前に、金曜日に行われた茶番・民主党代表選挙だが32万の党員サポーターの22万人が棄権か無効票を投じたのだそうだ。野田は7万票だそうだから、見方によると圧倒的に不支持が表明されたとみるべきなのだろう。しかし、民主主義のルールは棄権は無視されるので、粛々と不支持の代表が“圧倒的勝利”の名の下に闊歩するのである(笑)。

 そうそう、ポストの話だが、その記事の内容は概ね筆者が知っている情報と一致しているので、正しい報道になっている。既にネットに出回っているので、多くの小沢が気になる方々は読んでいるだろうが、読んでいない方の為に貼りつけておく。

≪ 民自“贖罪党首選”、橋下維新の国政進出の”蚊帳の外”でこの男は静かなる号令を発している
 小沢一郎 「一人っきりの選対本部」の秘策

 蝉の声が鳴き止んだと思ったら、永田町から聞こえてくるのは「代表は私だ」「我こそが総裁」の喧しい声。そんなお祭り騒ぎをよそに、”あの男”は沈黙を 続けている。 が、小沢一郎という政治家は水面下に潜っている時にこそ、政治を動かす大戦略をめぐらせてきた。民自両党の贖罪合戦は「小沢の目」にどう映っているのか。そして発せられた大号令は……。

代表選で1万超の”小沢票”  
 4人が争った民主党代表選挙には、「5人目の候補」がいた。民主党を離党し、いまや”過去の人”と見られている小沢一郎・元代表その人だ。  
 反野田の3候補たちは、口々に党を分裂に追い込んだ野田執行部の対応を批判した。  
 「野田首相は70人を超える離党者を出したことへの責任を取っていない」(鹿野氏)
 「離党した多くの議員を戻すべきだ」(赤松氏)
 原口氏に至っては、「党名を変えるような解党的な出直しをしなければならない」と民主党にサヨナラをロにした。代表選というより新たな党分裂のセレモニーを見るかのようだ。
 約33万人の党員・サポーター票にも異変が起きた。離党した小沢グループの議員たちが集めた民主党の党員・サポーターは岩手4区の約7700人を筆頭に 「全国にざっと数万人」(民主党事務局スタッフ)に上るとされる。「1人で600万票を持つ」といわれる小沢個人票の一部だ。しかも、小沢氏に近い民主党 支持団体には、組織的に「小沢票」を投じる動きまであった。
 その票を反野田の3候補が奪い合ったが、「投票を呼びかけると、『小沢一郎と書く』という人がかなりの数に上った。軽く1万票は超えるのではないか」 (反野田陣営の選対幹部)と驚き、野田陣営の議員は、「無効票である小沢票があまり多いと党内が動揺する。無効票の内訳は集計でも公表する必要はない」と神経を尖らせていた。
 野田首相の圧勝に見える代表選の裏側では、まさに”離党した小沢、残った野田を走らす”の光景が繰り広げられていたのである。  
 その間、当の小沢氏は新党「国民の生活が第一」(以下、生活)の選対本部で、総選挙とその後の政界再編戦略を練っ ていた。  
 「選対はオレー人でやる。みんな自分の選挙に全力をあげろ」
 小沢氏は党所属議員にそう指示を出し、代表と選対委員長を兼ねた。他の党では選対本部には幹事長以下の幹部がメンバーに並ぶが、この党は小沢氏が1人で 決める体制だ。「選挙の神様」と呼ばれる小沢氏の鞄には、300小選挙区の詳細なデータが詰まっており、党本部の代表室は手狭のため、個人事務所で候補者 の面接を行なっている。
 民主党離党前、支持派議員に「選挙になれば圧勝する」と語っていた小沢氏だが、NHKの日曜討論では「100人くらいの候補を立てたいと考えている」と 控えめな数字をあげた。具体的にはどんな準備をしているのか。  
 小沢選対の唯一の補佐役、三宅雪子・選対副委員長が語る。
 「目玉候補や新人候補選びまで選挙のことは小沢代表が全部―人でやってます。現在27人の公認を決定し、10月はじめまでに比例代表議員の選挙区を決定、次に新人候補です。代表は当初、『200人擁立する』といっていました。それが100人になった。すぐに選挙となった場合にはあまり準備期間がないけ れど、それでも最低100人は立てるという意味ではないでしょうか。  
 『勝ちに行くんだ』といって、緻密に選挙区情勢を分析して勝てるところに勝てる候補を立てていく方針です。そのために、どこと組むかという情報収集もやっています。わが党は現在、女性議員の比率が最も高い。新人候補は自然に女性が多くなるかもしれません」  
 三宅氏の指摘で重要なのは、小沢氏がダブル党首選の間に、「200人擁立」構想から100人擁立へと大きな戦略の転換をしていることだ。

 なぜ「候補者100人」なのか
 小沢氏は「オリーブの木」構想という政党連合による選挙戦略を提唱し、生活やきづな、新党大地、減税日本、社民党など7会派で国民連合を立ち上げた。 「反増税」と「脱原発」が政策の柱で、臨時国会最終日の9月7日には民主党の脱原発派も加わってまとめた「脱原発基本法案」を国会に提出(継続審議)している。(筆者注:小沢の「オリーブの木構想」は小沢色が強過ぎるので、「国民連合」と云う緩やかな連合体制を思考していると読む)  
 生活の小沢側近議員は、「民主党からの大量離党」が小沢流オリーブの木の第一歩になると語る。 「代表選後に民主党は確実に割れる。脱原発派や増税慎重派の議員たちは野田執行部と一緒にやれない。離党組が30入程度か、50人かはわからないが、いくつか新党が出来る。(筆者注:この30~50人の離党新党予測を潰すのが、今後の野田執行部の仕事。民主党執行部、及び内閣改造で離反予定者の取り込みを画策するだろう。原口など直ぐに乗りそうだが如何か?)その結果、野田政権は衆参で少数政権に転落し、いよいよ自公と組むしかない。  
 一方の自民党の総裁候補たちも原発推進、消費増税の3党合意は守るという路線は同じで、民自公による連合勢力の形成に動いている。小沢代表はそれを好都合だとみている。国民に民自公連合か、第3極かという総選挙の対立軸をはっきり提示できるからだ。生活が擁立する候補者を当初の計画から減らしたのは、民主党の新たな離党勢力をオリーブの木に取り込んで選挙に打って出るためだ」  
 民主党からの離党者を増やすための仕掛けが支持基盤である連合内部への工作だ。連合では電機連合出身の古賀伸明・会長と電力総連出身の南雲弘行・事務局 長という執行部が民自公路線による原発推進に動いているのに対し、日教組を始めとする旧総評系労組は反原発で路線が対立している。連合会館には推進派の執行部と「さようなら原発1000万人アクション」の事務局が同居するという股裂き状態だ。  
 小沢氏は水面下で反原発派の労組にアプローチしているという。
 「若手議員たちは民主党を離れれば労組の支援がなくなると不安がっている。そこで反原発派労組に民主党以外の議員でも支援するように働きかけ、反原発派の若手が離党しやすい状況をつくってきた」(同前)
 このあたりは、見えないところで工作を重ねる、得意の”アヒルの水かき”戦術といえる。  
 そのうえで、小沢氏は、地域政党の連合体による住み分け選挙を志向している。 生活は東北を拠点に北関東や東京をエリアにし、北海道は新党大地、東海は減税日本など各ブロックごとに、地域政党が独自に選挙を戦って民自の議席をひっくり返していこうというものだ。  
  生活と国民連合を組む新党大地・真民主の鈴木宗男代表は小沢戦略の狙いをこう受け止めている。
 「総選挙では消費税増税を止めるために地域政党がタッグを組む。互いに対立候補は立てない。小沢さんの頭の中には、全国300選挙区の事情がビシッと入っていますよ。生活が100人立てるというのは非常に現実的な数字です。そして選挙後は間違いなく政界再編になる。ヨーロッパ諸国の多くは地域政党の連合政権です。日本も北海道から沖縄まで、それぞれの地域政党が特性をぶつけ合えばいい。道州制は私も文句はない。小沢さんもそうでしょう。TPP(環太平洋戦略的経済連携協定)は大阪のような都市はいいかもしれないが、第一次産業が多い北海道では難しい。地域ごとに持ち味を出し合い、全体としてのバランスをとった政治が日本に合っています。自民党は官僚、民主党は大企業の労組というバックがあって、民自が嫌だから国民は第3極に期待している。小沢さんや河村たかしさん、大村秀章さんとはそういう話をしています」

 小沢と橋下が協力する可能性
 同じ政界第3極でも対照的なのが橋下徹・大阪市長が率いる日本維新の会だ。小沢氏の地域政党連合路線に対し、橋下維新は国会議員には既成政党からの離党を条件に参加を募り、「全選挙区と比例代表に350人の候補を立てる」と、大阪の地域政党から全国政党への脱皮をはかって維新単独での国政進出を目指して いる。  
 橋下維新はここにきて自民党の安倍晋三・元首相に合流を打診するなど、一見、自民党への接近が目立つが、全選挙区に候補者を擁立するという戦略は民主、自民の2大政党を敵に回して戦うことを意味する。しかも、小沢オリーブやみんなの党など他の第3極政党も押しつぶして維新の覇権をめざそうという戦略である。   
 一方、小沢氏も「どの政党も、単独過半数を取って政権を担うまでの勢いはない。力を合わせて頑張ってほしいというのが国民の声だ。できる限り協力したい」と維新を評価しながら、総選挙では独自に候補者を擁立する路線をとった。   
 「小沢さんは維新との選挙協力は想定していない。独自に選挙を戦い、政界再編のあり方は選挙の結果次第で考えればいい」(前出の側近議員)  
 もっとも、そうした維新の覇権主義が逆に小沢オリーブ拡大につながると指摘するのは小沢氏に関する多くの著書があるノンフィクション作家・大下英治氏だ。「みんなの党の渡辺喜美代表や減税日本の河村氏は維新との共闘をめざしていたが、維新はみんなの党に条件として解党を迫っている。おそらく、最終的にはみんなの党は維新と決別する可能性があるし、河村氏も政策が違うから独立路線を取るのではないか。もしそうなれば、河村氏はオリーブにシフトする。みんなの党も反原発や反増税という基本政策が共通するオリーブの政党連合(筆者注:だから「国民連合」)に参加する可能性が出てきた」  
 そうなれば小沢オリーブと橋下維新は第3極の覇権をかけて正面から衝突することになる。(筆者注:橋下の「日本維新の会」は既に金属疲労を呈している。勢力圏は大阪中心に限定される方向なので、50議席取れるかどうかの政党になるだろう)  
 だが見落とせないのは、橋下氏が既得権に立ち向かう小沢氏の姿勢を一貫して高く評価してきたことだ。
 「統治機構を変えるという、強い思いを持った政治家なのは間違いない。自分の思いを突き進めようと思えば反対する人も山ほど出てくる。反対する人がいない政治家の方が役に立たない」  
 合流を打診した安倍氏を含め、橋下氏がそこまでの共感を示して個人名を挙げた政治家は他にはいない。目的のためにはどんな相手でも組めるという「現実政治家」である2人の接点が生まれるかどうかは、総選挙後に決まる。  
 自民党総裁選は政策の違いもない5人の候補が、「自民党は生まれ変わります」とロを揃え、民主党の代表選はマニフェスト造反の謝罪会議だ。いずれも。” 贖罪党首選”で、国のあり方は何も変わらない。これまで、新進党解党後の自白連立や自由党分裂後の民自合流など、小沢氏が政界の表舞台から姿を消し、隠密行動をとるときこそ、国を動かす大きな仕掛けを組んでいた。”過去の人”と思われている小沢氏の次なる一手は、果たしてこの国をどう動かすのか。 ≫ (週刊ポスト10/5号)

 以上だが、筆者が冒頭で語った「凪」は、野田が「解散!」と発言するまで続くだろう。勿論、その間は日本の政治はナッシング状態の継続で、日米中の関係において、さらに一層の“日本地位の劣化”が世界に行く渡る事になるだろう。この失地回復作業は、次期政権にとっても、大きな負の遺産の積み上げになりそうだ。野田が新聞人事を覆して、輿石幹事長に続投を要請した。小沢色排除の完結を望む勢力(今さらクダラヌ話だが)の考えに一旦は傾いた野田だが、最後は「離党・新党予備軍」への配慮に着地しようとしている。再び新聞人事だが、“輿石が日曜日に野田と再会談、受諾方向に”のようだが、結果はどうなのだろう。輿石が幹事長留任してだけで、「離党・新党予備軍」の勢いが治まると云う状況は考えられず、執行部の主たるポストや内閣改造によるポスト分配でもしない限り、取り込みは難しいのではないだろうか。現在でも民主党に居残る「離党・新党予備軍」の議員連中は、どのような屁理屈を連ねようと、次期衆議院選で勝ち抜く為の選挙事情が優先している人々なので、容易に転ぶかもしれない。まぁ、党人事と内閣改造は幾分愉しみである(笑)。


不惑の日中関係へ: 元外交官の考察と提言
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永久保存、「田原総一朗・田崎史郎の対談」 衆議院選、維新の勝利確定だそうだ

2012年09月21日 | 日記
習近平の正体
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小学館


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永久保存、「田原総一朗・田崎史郎の対談」 衆議院選、維新の勝利確定だそうだ

 橋下徹へのふたりの評価は、殆どが“オベンチャラ”である。理由は簡単、次期衆議院選で比較第一党になるかもしれない「日本維新の会」を率いる人気者なのだから、TV芸者の二人が冷徹な評論をしているようで、橋下の琴線に触れるような核心は語っていない。筆者などは、日毎夜毎「日本維新の会」の人気は下火になると推察する。色々と理由ははあるが、国政で崩壊する元凶は、国会を制するほどの人材が集まらない事である。

 開けてビックリの候補者の名前が並び、殆どの選挙区で“泡沫候補者”のレッテルの横に、デカデカと「日本維新の会」の文字が宙を舞うに違いない。橋下と松井の口車に乗った、憐れな地方議員や塾生は、資産を失い、下手をすると自己破産予備軍の大量生産“夏草や兵達が夢のあと”ならまだしも、“兵”(つわもの)にさえなれずに、“泡沫の破産びと数知れず”(詠み人しらず)と云うのが結末なのだろう。

 日刊ゲンダイなどでは、既にメッキが剥げ出した「支持率2%」なんて報じている(笑)。松野頼久以外は、次期衆議院選で落選確実の現職議員の駆け込み寺。維新からの出馬を表明している、塾生もまだいないようだ。選ぶどころか、候補者が名乗り出ないようでは、セレクトなんて笑い話に過ぎないだろう。定員300人の学校で、数人の受験生に筆記試験するが如しだ。アノ腹イタ安倍晋三までが逃げ出し、橋下はどうも…等と言われるし、石原も相当ケチョンケチョンに橋下批判をはじめた。

 橋下が最後に頼るのは小沢一郎なのだ。筆者は個人的に「国民連合」に維新の会を含めるのは如何か?と思うのだが、懐が深い小沢一郎だけに、“窮鳥懐に入れば猟師も殺さず”と云うスッキリしない現実もあるのかもしれない。まぁ、枝と葉っぱが見え過ぎて、情報過多に陥っている老評論家「田原・田崎の対談」をお愉しみください(笑)。それではこの辺で、オヤスミナサイ!

≪ 核心対談 田原総一朗×田崎史郎 橋下新党が勝つ可能性が高い
政策なんてどうでもいい
田原 橋下徹という人は、政治家としてとてもセンスがいいし、度胸もある。ただし、政策についての知識はない。これは橋下さん自身もよくわかっていて、いろんな人をブレーンにしているんですね。
 そのブレーンの顔ぶれを見たら共通項がある。たとえば経産省を飛び出した古賀茂明さん、やはり経産省(=旧通産省)OBの堺屋太一さん、前横浜市長の中田宏さんといった人たちが象徴的ですが、彼らは官僚が大嫌いなんです。だから、大阪維新の会の政策は当初、脱官僚の色合いが非常に強かったわけです。ただ、最近では橋下さんも、官僚をうまく使ったほうがいいんじゃないかと考えるようになった気がします。
 では、脱官僚色が薄まって、維新の会が何をやろうとしているかと言えば衆議院議員を半分にするとか、参議院をなくせとか、首相公選制の導入とか。僕は大阪都構想には全面的に賛成だけど、維新八策の多くは世論迎合で、疑問ありだと思っています。
田崎 そうですね。私も橋下さんはセンスや度胸があるし、何より「うまいな」という感じがします。ただし、維新の政策についてはよくわからない。維新八策を見ても、個々の政策をいつまでに実現するのかという目標年度がまったく書かれていない。10年後なのか20年後なのか。
 厳しい言い方をしますが、維新の会が今のような熱狂的人気を得られるのは次の総選挙まで、よく続いて来年の参議院選挙までだと、私は見ています。であればこそ、向こう4年間のうちに何を実現するのか。そこをはっきりしてもらわないと、有権者に判断材料を示したことにならないと思うんです。 田原 橋下さんは僕に「もともと政策には興味がなくて、政策は専門家がつくればいい。自分は体制をつくるんだ」と明言しました。
 彼が打ち出した大阪都構想、公務員制度改革、教育改革といった大きな柱はどれも賛成だし、いい改革だと思う。しかし、維新八策の中身は抽象的なんです。 田崎 それでも維新の会が支持を集めるのは、「維新の会」という存在そのものが、政治を変えてくれる「記号」になっているからでしょう。
田原 そうですよ。政策の中身はともかくね。
田崎 維新の会と 政策でいちばん近いのは、みんなの党です。みんなの党は今年初めから、古賀さんや元財務官僚の高橋洋一さんを維新の会に送り込んで、維新八策がみんなの党 の政策に近くなるように積み重ねていった。それなのに、最近ではみんなの党を抜けて維新の会に合流しようという議員が出たり、渡辺喜美代表と橋下さんの トップ会談が物別れに終わったりして、両党の関係は悪化しています。渡辺さんからすれば、橋下さんに突然、肘鉄を食らったような気分に違いありません。
 なぜそうなったか。ある自民党議員によると、結局、橋下さんは渡辺さんを信用していない、と。また橋下さんに近い中田宏さんと、みんなの党の江田憲司幹事長が不仲で、うまくいかなかったという説もある。
田原 みんなの党自体、渡辺さんと江田さんの仲が悪い。一本化していない。
田崎 いずれにしても、橋下さんたちは案外、政策に関する考え方の違いより、人間関係で判断しているのかもしれない。もっと言えば、自分たちにとって役に立つかどうかで、 非常に合理的な判断をしているんじゃないかと思います。
田原 それは明確でしょう。渡辺さんはやや強引に、みんなの党を中心にした維新の会との合流を考えていた。実際、み
んなの党にはすでに衆参合わせて16人の国会議員がいるのに、維新の会はゼロですから。
 ところが橋下さんにしてみれば、冗談じゃない、維新の会が中心だと。
田崎 渡辺さんは、維新の会は国政を知らないのだから、自分たちが面倒を見てやるという気持ちだったはずです。ところが、橋下さんは、それはたいした問題じゃない、こっちのほうがずっと勢いがあるという判断だったのでしょう。
田原 それに、そっち(みんなの党)は分裂寸前じゃないかという思いもある。
謝り方が実にうまい
田崎 今回のみんなの党との行き違いを見ても、橋下さんが、きちんと戦略戦術を立てて動いているとは考えにくい。今年前半には、みんなの党との連携を考える一方で、自民党 の安倍晋三元総理とのルートも探っていたわけですから。
田原 それと石原 慎太郎都知事ね。今年の初め、橋下さんは本気で石原さんと組もうとしていた。それで僕は橋下さんに聞いたわけです。「石原さんは核兵器を持つべしと言っているが、あなたはそれに賛成か反対か」と。そしたら「それは維新の会がどう判断するかで、個人では答えられない」と逃げられましたけどね。
 これは亀井静香さんが言っていたけれど、結局、石原さんは橋下さんに利用されて捨てられた。
田崎 そのとおりですね。だから、石原さんは大阪都構想で「都」という名称を使うことに反対しているし、最近は橋下さんにやや批判的になっている。
 ともかく橋下さんは、そうやって選択肢を広げていって残った人たちを吸収する。寄せ集めでもなんでも、とりあえず政党要件さえ満たせばいいという、これも極めて合理的な判断です。
田原 僕は現在の 橋下さんや維新の会の人気を見て、思ったよりも持続しているなという感想を持っています。というのは、橋下さんは当初あれほど強硬に反対していた大飯原発再稼働に賛成したでしょう。
 なぜ賛成に転じたか、古賀茂明さんに聞いたんです。そしたら、大阪の中小企業の声が効いたと。つまり大企業は自家発電装置があるけれど、東大阪市 あたりの町工場にそんなものはないから、もし停電になったら甚大な損害をこうむる。それを補償してくれるのかと迫られて方向転換を余儀なくされたというんです。あれで橋下人気は落ちると僕は思っていたけれども、意外なほど落ちなかった。なぜだろうと思って大阪で取材したら、大阪は東京ほど、原発問題への関心が高くないんです。だから、大飯原発再稼働で橋下さんは決定的なミソをつけたかと思ったら、そうじゃなかった。
田崎 僕はむしろ、橋下さんが再稼働容認に転じた場面を見て、これこそ彼が人気を集める要因の一つだと思ったんです。謝り方が実にうまい。
田原 あれはやはり弁護士的ですね。
田崎 「自分が負けた」とはっきり言うでしょう。政治家は責任を取らないし、誤りを認めない。それが世間一般の政治家に対するイメージだと思いますが、橋下さんは違う。例の不倫スキャンダルのときもそうでしたよね。潔くスパッと謝る。ああいう姿を見せられると、国民の多くは「橋下さんは率直で正直じゃないか」という印象を持つ。それは今の政治家にいちばん欠けている部分です。
 ただし、彼に政治家として確固とした考えがあるかどうかはわからない。むしろ、そういうものがあると思ったら、橋下徹という政治家を見誤るような気がするんです。
田原 個々の政策には興味がなくて、彼は日本の体制を変えたいと考えているんですから。橋下さんは堺屋さんにも「体制を変えるにはどうしたらいいんですか」と聞いている。 大阪都構想なんかではわかるんですが、どうしたら日本の体制を大きく変えられるか、まだ本人にもよくわかっていない。まさか、社会主義にしようと思っているんじゃないだろうし(笑)。
裏切りも度量のうち
田崎 実は僕は、少し前、橋下さんにツイッターで叩かれましてね。脱原発のエネルギー政策について、彼にはそもそも考えがないんじゃないかとテレビ番組で言ったら、「三流コメンテーター」「もう少し政治を勉強してもらいたい」なんて書かれた。今をときめく橋下さんに注目されて光栄ですが(笑)、そのとき、彼は自分の考えがないと言われるのが一番嫌なのかなと思いました。
田原 彼のうまいところは、論争するとき相手に自分を徹底的に批判させておいて「じゃあ、あなたならどうするんですか」と切り返すところ。これをやられると、学者さんのようなインテリはたいてい答えられない。
田崎 僕は彼の政治スタイルをケンカ民主主義だと思っているんです。たえず敵をつくりつつ、相手をたたきのめす颯爽とした感じが人気を支えている。敵をつくるのがうまいという点では、小泉純一郎元総理に近いかもしれない。
田原 小泉さんといえば、こんなことがありましたよ。彼が総裁選に出たとき、亀井さんが橋本龍太郎さんを支持しようとした。そのとき小泉さんは亀井さんに言ったんです。「あなたが支持してくれないと私は絶対に勝てない。支持してくれたら百パーセント、あんたの意見を聞く。私が総理になっても本当の総理は亀井さんだ」と。
 亀井さんは情にもろいところがあるから、小泉さんに乗って、いざ小泉さんが総理になったら見事に裏切られる。あのとき総理になった小泉さんに、僕は直接「あなたは総理になったけれど、人間的には問題がある」と言いました。すると小泉さんは「そのとおりです。だけど権力って、そういうもんですよ」って。橋下さんにも、そう言い切る度量があるのかどうか。
田崎 権力のもつ非情さですね。実際に橋下さんが権力についてみないとわかりませんけど、みんなの党との経緯をみても、十分にドライではある。
田原 ケンカ民主主義とおっしゃったけれど、民主党も自民党もケンカをしなさすぎなんです。だいたい訳がわからないでしょ。3党合意を結んだかと思えば、今度は問責決議なんて。民主党も似たようなもんで、馴れ合いでやっているから、ケンカ民主主義が受けるのかもしれない。
田崎 問題は、維新の会が橋下さん一人の人気でもっていることでしょう。 田原 だからこそ、橋下さんが新党「維新の会」の党首になるしかなかったんでしょうが、彼は現職の大阪市長です。自治体の首長として多忙なのに、新党のトップを本当に兼任できますか。こんなの前代未聞です。
田崎 難しいで しょうね。だからこそ僕は、橋下さんがどれだけ否定しても、いざとなれば自ら出馬するんじゃないかと見ています。
田原 次の総選挙に?
田崎 ええ。彼が どれだけ否定しても、そういう見方は消えない。
田原 彼が出馬すると言ったら、維新の会の人気はもうおしまいじゃないですか。大阪を放り出すのかと関西での人気はガタ落ちになるでしょう。
田崎 どうでしょうか。私は解散直後に彼が出馬宣言して、その勢いで総選挙に臨めば、維新の会は100議席ぐらいは獲るんじゃないかという気がします。
田原 でも、維新の会が強いのは近畿から西ですよ。その肝心のところで支持が落ちませんか。
田崎 かえって ワッと盛り上がりそうな感じがするんですよ。
 ある民主党議員によれば、橋下さんは公示日の出陣式のことしか考えていないんじゃないかというんです。大阪城ホールに候補者全員を集めて、さあ、大阪秋の陣だと気勢をあげて全国に一斉に散らせるというような演出です。
田原 そういうことをやらせたら、本当にうまい。テレビ討論も得意で、「朝まで生テレビ!」で2回、彼を呼びましたが、もう圧勝です。本来、僕は出演者をつなぐ役割なのに、あまりに圧勝だから、最後は僕が橋下さんに切り込んでいかざるを得なかった(笑)。 政治家というのは断言しないんです。必ず逃げ道を用意しておく。ところが、彼は断言する。あれは新鮮でした。
田崎 テレビ局が撮りたがるような場面をつくっていくでしょう。テレビの視聴率とも関連しますが、最近の国民感情として、モヤモヤしたものをスパッと裁いてほしいという気分が強まっていると思うんです。橋下さんは、そういう欲求に鮮やかに応えてくれる存在なんですね。
 つまり橋下人気は、今の国民感情とのシンクロナイズによって支えられていると言えます。
田原 とくにここにきて尖閣、竹島の問題で日本の若い層にナショナリズムが非常に高まっている。これまで自民党も民主党もアンチナショナリズムに徹してきたなかで、橋下さんのスパッとした裁きは、若い人の気持ちとフィットしているような気がする。
田崎 そこが恐くもあるのですが、橋下さんは自民党の安倍さんと組もうとしたわけでしょう。安倍さんは憲法改正派で、今年4月に持たれた安倍・橋下会談では、橋下さんが 「安倍総理、橋下総務大臣」を提案したという情報があります。
田原 大阪市長で 総務大臣は無理だろうから、やっぱり本人は出馬するつもりかな。ただ、安倍さんが自民党総裁になる前に橋下さんと組むのは、僕は絶対に反対でね。安倍さん本人にも言いましたけど、そんなことをしたら、誰も安倍さんについてこなくなる。
橋下さんは日本最後の希望
田崎 維新の会が 既成政党と組むかどうかについてですが、これは来年夏の参院選を視野に入れるかどうかで変わってくる。来年の参院選を考えたら、維新の会は、それまで野党でいたほうがいい。与党になるとどうしても監視の目が厳しくなりますから。だから、すぐに既成政党と組んで与党になるのではなく、参院選を経て、衆参で安定した勢力をつくってから本格的な勝負に出るんじゃないかなと。
田原 そうでしょうね。ところで、今度の選挙のテーマは何でしょう? 実はこれがよくわからない。
田崎 維新の会は 明らかにアンチ既成政党ですが、既成政党どうしの対立軸は何かというと、民自公とその他政党の間には消費税増税という争点がある。もうひとつの原発については、民自公はほぼ同じです。
田原 争点がありそうでない。ただ、3年前の総選挙で国民は民主党を勝たせて、その結果、おおいに失望させられた。今度また維新の会に期待しても、どうせ失望させられるだけだと冷めているかというと、そうじゃない。
田崎 そうなんです。田原さんも同じだと思いますが、かつての日本新党ブームから、何度期待しては裏切られてきたか。だから、政治の世界には「幸せの青い鳥」はいないんですよと言うのですが、なかなか聞き入れられない。
田原 こういう期待には国民は何度でも乗るんです。 田崎 なぜですかね。こちらの言い方が悪いのかもしれませんが。 田原 「青い鳥」 がいないというのは、国民に対して酷ですよ。国民は常に期待したいし、政治には「青い鳥」を求め続けるものだと僕は思います。それで、いま「青い鳥」は誰かって言うと、橋下さんが一番それに近い存在なんです。
田崎 そういう期待が橋下さんや維新の会を、政治を変えてくれるモンスターのような存在にしたんでしょうね。このモンスターに対する国民の期待は、既成政党がどれだけ策を弄そうと、一度選挙をやるまでは萎みそうにありません。
田原 なにしろ、いろんな雑誌の選挙予想を見ても、維新から出馬する名前もわからないX氏が軒並み当選確実なんだから(笑)。しかも、そんなモンスターのような存在になって、橋下さんが戸惑っているかといえば、全然そんなことはない。むしろ自信満々だと思いますね。「週刊現代」2012年9月22・29日号より≫(現代ビジネス:経済の死角より)



不惑の日中関係へ: 元外交官の考察と提言
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伊藤元重の経済成長の一見正論コラム この理屈ならTPP賛成はあり得ないが?

2012年09月20日 | 日記

 

BRICs経済図説 (ユーラシア・ブックレット)
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伊藤元重の経済成長の一見正論コラム この理屈ならTPP賛成はあり得ないが?

 典型的な御用経済学者だ。東大経卒業後、大学院博士課程中退。アメリカ・ロチェスター大学院博士課程修了、ヒューストン大学助教授、都立大助教授、東大助教授、ついに東大経済学部教授と云う学歴の持ち主。米国系御用学者の道をひた走った人物である。自民党系経済有識者として有名で、竹中平蔵とも通じている。政財界マスメディアとの人脈豊富で、TVコメンテータとして、財務省の代弁者(御用学者)のNO1と言われている。当然ながら、消費増税は当然の政策であり、TPP参加も考える余地なしと言い放つ。

 日本国債暴落の危機論争においても、僅かな貯蓄率の低下を金科玉条のデータとして振り回し、金融機関(国民の貯金)がいつまで日本国債を買えるか、保証の限りではなく、増税は待ったなしである、と出鱈目の限りを尽くしている東大教授だ。じり貧国内マーケットなど相手にせず、企業は海外市場に打って出るべきである。今回のコラムでは、その主たる海外市場はアジアだと断定している。

 そんな事、東大教授に言われなくても判っておるよ(笑)。それで中国だ、アジアだとのたまう。アメリカやカナダ、オーストリア、ペルー、チリ、ニュージーランド、カナダ、メキシコ…。アジアじゃねえ(笑)たいして経済成長もしていないし、経済規模が小さいものも含まれる。規模の論理に当て嵌まらんし、距離的優位性も見当たらんね(笑)。まさに御用学者の典型なのだろう。面白い事実だが、御用学者は原発御用学者含め、殆どが優しそうで強引そうではない面構えではない。その上、紳士的に振舞う所作を身につけ、声音までが猫なで声なのだ。恋人を愛撫するわけではないのだ。

 明確な自己主張、持論の展開こそが、学者に求められている。あの人がこう言っている、海外の学者の学説の披露、そんなものを大学の学者に要求などしていない。自説を論理的に展開せよ。それにだよ、経済だけを論じても、とらぬ狸の皮算用と云うもので、好き勝手に海外のマーケットに進出は出来ない。それこそ、政治の信頼や外交防衛という交渉の為のバックボーンやが存在してこそである。伊藤は、そのバックボーンはアメリカと霞が関だ、と頭から信じた上での、ミクロ・マクロなゼニ儲けの理屈を語っているだけである。ロシア、中国、インド、インドネシア抜きにアジアマーケットを語る事は、斬り合いのない「七人の侍」を観ているようなものである。「グラビティ・モデル」を引き合いに出すのなら、TPPのアメリカ・ペルー・カナダはグラビティ論紛いかね?今夜はこの辺で、オヤスミナサイ!

≪ 今後10年で10億人増!激増するアジアの  中間所得層こそ日本経済成長のカギ
 
 グラビティの力  
 経済危機で苦しんでいる欧州の学者から、次のように言われたことがある。 「日本国内では将来に対する悲観論が蔓延しているようだが、それはおかしい。アジアはこれから、世界で最も高い成長を実現するだろう。欧州がアジアの成長の恩恵を受けるためには、わざわざそこまで出て行く必要がある。日本は、そのアジアの中にある」  
 この欧州の学者の指摘は重要である。「距離」の重要性を指摘しているからだ。
 国際経済学の重要な考え方に「グラビティ・モデル(gravity model)」というものがある。オランダの経済学者のヤン・ティンバーゲンが50年ほど前に提起した考え方である。ティンバーゲンはその後、第1回のノーベル経済学賞を受賞している。
 グラビティの考え方は、物理学の引力の法則を借用したものだ。二つの物質の間に働く引力は、距離に反比例し、そして質量に比例する。つまり近いものほど引っぱり合う力が強くなり、そして重い物質ほど強く引き合う。これが物理学の引力の法則だ。
 二国間の貿易にも同様の関係が見られる。距離が近い国のあいだの貿易額のほうが、距離が遠い国のあいだの貿易額よりも大きくなる傾向が強い。そして、大きな国のあいだの貿易のほうが、小さな国のあいだの貿易よりも大きい。
 当たり前のことのように見えるが、ティンバーゲンはデータでこれが見事に当てはまることを明らかにした。それから50年、さまざまな経済学者によって、さまざまな国のデータを使ってグラビティ・モデルの検証が行われてきた。実によく当てはまるモデルであり、国際経済学では基本的な考え方として定着している。
 日本の貿易でも、こうしたことが当てはまるようだ。たとえば、日本と中国の貿易額は、日本と米国の貿易額よりも大きい。これは中国のほうが米国よりも、日本との距離が近いからだ。
 また、日本と韓国の貿易額は、日本と中国の貿易額よりも小さい。韓国は中国より日本に近いのだが、その経済規模は中国よりもはるかに小さい。この規模の差が、日本との貿易額の差として表れているのだ。
 成長するアジア
 日本の近くにあるアジアが急成長している。成長のスピードが速ければ、それだけ日本とアジアの貿易の額も拡大していくはずである。これがグラビティの考え方である。
 残念ながら20年前には、アジアには強いグラビティは働いていなかった。GDPの規模で見ると、当時、アジアで一番大きかった国は日本だ。2番目に大きな中国は、日本の8分の1程度しかなかった。他の国はもっと小さかった。
 日本とアジアの国々のあいだの貿易額が小さかったのは、当然かもしれない。グラビティが働かなかったのだ。
 それ以前の日本の主たる貿易相手国は欧米であった。遠くにある欧米に輸出できる商品には限界がある。自動車や家電製品は輸出できても、化粧品や日用品などを輸出することは難しい。結果的に日本の輸出比率、つまり輸出額をGDPで割った数値は非常に小さかった。この点はあとでもう一度述べる。
 しかしこの20年間、アジアは急速に成長を続けている。20年前には日本の8分の1の規模だった中国のGDPは、10年前には3分の1に、そして 今や日本を超える規模となった。シンガポールの1人当たりのGDPは、日本を超えてしまった。アジアの多くの国が高い成長を実現している。
 こうしたアジアの成長の恩恵を受けて、日本とアジアのあいだの貿易額は急速に拡大している。グラビティが働き始めたのだ。近隣の国の規模が大きくなるほど、日本の貿易額は拡大していく。これがグラビティ・モデルの指摘することである。
 日本とドイツを比較してみると面白い。どちらも同じような産業発展段階にある。日本の輸出依存度、すなわち輸出額をGDPで割った数値は14%前後だが、ドイツは38%以上ある(出典:IMF『International Financial Statistics Yearbook 2011』)。GDP見合いでの相対的規模で、ドイツの輸出は日本の2.5倍ということになる。輸入で見ても同じようなものだ。
 なぜこのような違いがあるのかは、グラビティ・モデルが説明してくれる。日本にはこれまで近くに大きな国がなかった。だからグラビティは働かなかった。その影響がまだ続いている。しかしドイツは、昔から大きな国に囲まれている。したがって輸出や輸入の割合が大きい。
 日本でも今後は強いグラビティが働いていくことが期待される。ただ、日本が貿易を拡大していくためには、それに応じた産業構造や経済構造の変化が、日本に起こらなくてはいけない。どのようなかたちで産業構造の変化が起きるのか。これを見極めることが、日本経済の変化の方向を考えるうえできわめて 重要になってくる。
 本連載ではこれから何回かにわたり、この点について考えていく予定だ。企業のグローバル展開の拡大、国内における製造業の主役の変化、経済連携協定締結の推進などが重要な鍵となる。
 アジアを内需に
 冒頭に触れた欧州の学者の発言を思い出してほしい。日本は成長するアジアのなかにあるので、恵まれているという話だ。
 日本の国内市場は少子高齢化によって縮小傾向が続く。日本の市場だけを想定すれば、日本の産業は縮小均衡を受け入れなければならない。しかし、目をアジア全域に向けてみれば、話は大きく違ってくる。今後もまだ拡大が続くからだ。
 日本人によって、日本国内で、日本人のためにビジネスが展開する──そう考えれば、将来の見通しは暗い。しかし、内需をアジア全域に広げて考えれば話は変わってくる。日本がアジア市場でビジネスを展開すればよい。アジアを日本の内需ととらえればよいのだ。
 アジアの市場拡大を考えるうえで重要なポイントとなるのが、中間所得層の拡大である。
 中国のGDPは、この10年間でおおよそ3倍になった。経済規模が3倍になったということである。しかし、このGDPの大きさで見ると、中国市場の成長スピードを見誤ることになる。
 この10年間で中国国内の中間所得層と富裕層の数(年収5000米ドル以上の人)はおおよそ7.8 倍に膨れ上がっている(出典:NIRA『アジアの「内需」を牽引する所得層』)。中国のGDPが拡大しているなかで、これまで低所得だった人たちが中間所得層や富裕層に転換している。そのため中間所得層以上の市場規模が、10年で7.8倍にも膨れ上がったのだ。
 これは中国だけの現象ではない。同じ推計を使うと、アジア全域で見たときの中間所得層と富裕層の合計は、2000年には2億3560万人であったものが、2010年には10億8400万人にまで拡大している。この10年間に、8億人以上の中間所得層と富裕層の人口が増えているのだ。
 この数は2020年には、19億1810万人まで増えると予想されている。これか10年で、さらに10億人近い中間所得層以上の人が市場に出てくる。日本の高度経済成長とは、比較にならないスケールでの需要拡大が期待できるのだ。
 日本自身が変われるか
 このアジアの内需を取り込むことができれば、日本経済の将来は明るいはずだ。重要なことは、アジアの成長をうまく日本経済の活力に取り込むために、日本自身が大きく変化しなくてはいけないということだ。
 残念ながら、今の日本は非常に内向きになっている。海外に積極的に展開しようとする意欲が、企業にも国民にも弱い。経済的な停滞が長く続いたことが、そうした内向き指向を強める結果になっている。こうした流れを変え、国を開いていくという方向にどう向かっていくかがカギとなる。
 産業構造も大きく変わらなくてはいけない。日本は「自動車の一本足打法型産業構造」と呼ばれることがある。経済産業省による「産業構造ビジョン2010」のなかで出てきた表現だ。今、こうした産業構造を大きく見直すべき時期に来ていることは明らかだ。次回は、この産業構造の変化の方向について、より詳しく分析する予定である。≫(ダイアモンドオンライン:経済時事:伊藤元重の日本経済)



金融資本主義を超えて―僕のハーバードMBA留学記 (文春文庫)
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“日中戦争”まさかと思うが杞憂と笑えない状況 “決める政治なNODA”の責任は重大

2012年09月19日 | 日記


野田君の愛読書でないことを祈る書籍

尖閣を獲りに来る中国海軍の実力: 自衛隊はいかに立ち向かうか (小学館101新書)
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“日中戦争”まさかと思うが杞憂と笑えない状況 “決める政治なNODA”の責任は重大

 石原慎太郎が“新党構想妄言で恥かいた、何か名誉回復を”と云う欲望とジャパンハンドラーズの思惑がピッタリ符合した結果、米国で“俺、尖閣買っちゃうよ”宣言をしたわけだが、米大統領選絡みもあり、親米保守主義者の石原と共和党戦争屋の波長が合った点、特に違和感はない。オバマ民主党政権にとっては、おそらく青天の霹靂な問題なのかもしれない。

 米民主党にしてみると、基本的には日本はナッシングなのだが、国民の資産には魅力を感じている。金は欲しい、金をむしり取るのがTPPであり、それで充分だ。軍事同盟関連は、歴史的に共和党中心のジャパンハンドラーズの勢力圏なので、特段権益に手を突っ込む程の魅力は感じていない。アーミテージ・ナイら戦争屋勢力と日本の官僚達の忖度に期待すれば事足りる。ところが、野田佳彦は、どのようなメッセージとして、石原の尖閣買い取りを受けとめたのか判らないが、国有化宣言を早々に決定していた。

 “決められる政治家でありたい”と云う願望が実現する材料が目の前にぶら下がってしまった。オタク政治家としては、ダボハゼの如く喰いつくのは当然の帰結なのだろう。今回の尖閣国有化で熱心に動いたのは官邸筋だ。外務省が強く関与した形跡は見られない。どちらかといえば、己らの人事に多忙で、適当にアドバイスしておこう程度のスタンスだったのだろう。民間人の丹羽大使を更迭してしまうのが主たる目的であり、対中外交はそれからだとタカを括っていた。

 ところが大使に就任したばかりの西宮伸一氏が急死してしまった事で、外務省チャイナスクールの面々の動きも停止状態になっている。それでなくても、民間人に中国大使のポストを奪われ臍を曲げていたわけだから、中国との関係性について、それほど熱心に関与する気はなかっただろう。野田政権が対露外交に一筋の光を見ているだけに、心根は複雑。それほど、熱心に外交分析はしなかった気がする。その流れの中で、無知蒙昧な決める政治オタク首相は前のめりになった。

 今回の尖閣国有化問題の火つけ役は石原と米国戦争屋だが、前のめりに国有化を決定したのは、誰あろう、間違いなく野田佳彦だ。APECウラジオストックにおける野田佳彦と胡錦濤の立ち話は、双方の表情からみてかなり殺気立っている雰囲気だったようだ。日本のマスメディアの報道は≪両首脳は日中関係について意見交換した。首相は7日に中国・雲南省で発生した地震への見舞いを述べた≫程度の扱いだ。野田は「中国の発展は、わが国や地域社会にはチャンスで、戦略的互恵関係を深化させていきたい。現下の日中関係については大局的観点から対応したいと申し上げた」と抽象的発言をした。

 しかし、人民日報は一面で、そのような儀礼的問題など無関心で、尖閣の国有化は中日関係に重大な支障を来す、と忠告、恫喝している。世の中慇懃無礼と儀礼で生きていけると信じている男の感じ方はどうでもいいが、胡錦濤は国有化はやめてくれ、と云うかヤメロ!と言っている。しかし、野田等云う政治家、報道陣が見ている環境では、強気を押しとおすのが生きる術だった成り上がり者、笑顔一つ作れなかったのだろう。

 ちなみに、人民日報は胡錦濤の発言として「最近、日中関係は厳しい局面に直面している。魚釣島問題で中国の立場は一貫しており、明確である。日本側がいかなる方式で『島を購入』してもすべて不法であり、無効である。中国側は断固反対である。中国政府は領土主権を維持する問題での立場は断固変わらない。日本側は十分事態の深刻さを認識すべきで、誤った決定をしてはならない。中国といっしょに日中関係の発展の大局を維持しなければならない」。つまり≪中国政府は領土主権を維持する問題での立場は断固変わらない≫ここが味噌で、尖閣棚上げ、日本の実効支配は黙認しようではないか、と言っている。

 なにも中国政府の怒りにビビれと言っているわけではないが、外交センスが皆無である事を露呈したのは事実だろう。胡錦濤であれ、中国共産党であれ、多くの内政問題を抱えており、経済成長の鈍化も喫緊の課題になっている。また、肥大化する人民解放軍を制御する力は年々衰えている。まして、中国は10月には指導者の交替時期であり、センシティブに扱うべき外交の相手国事情と云うものもある。官邸筋の話だと、習近平になってからでは国有化イコール中国海軍の関与もあり得る、と云う泥縄的決定であったようだ。

 その上、中国大使不在のような状況下で、中国外務省と「国有化に関する事前協議」は一切なされていない。なぜか石原と野田の密談後、11日に閣議。11日当日になって、杉山晋輔アジア大洋州局長を北京に派遣したのだから、胡錦濤に喧嘩を売ったようなものだろう(笑)。至ってノーテンキな藤村官房長官などは「島の所有権を地権者から国へ移転する。他国との間で何ら問題が起きるものではない。今日までも国が維持・管理しており、そんなに変わりのない状態だ」と述べ、胡錦濤の顔に泥を塗ったのは否めない。腹を括って、そのような手順を踏んだのなら、それはそれなりの評価だが、現況のような事態まで尖閣国有化の事実が深刻な日中関係になるとは思っていなかった点が問題だ。まさか、胡錦濤は親日だから大丈夫などと、思ったわけではだろう(笑)。TVなどは、中国政府の制御が効きはじめた、と楽観的状況を報じていたが、それは甘い解釈なのではないだろうか。朝日は以下のように伝えている。

≪ 反日デモ、100都市で 中国当局の制圧姿勢も効かず
  満州事変の契機となった柳条湖事件から81年となった18日、中国の多数の都市で反日デモがあった。中国当局は暴徒化への制圧姿勢を強めたが、柳条湖事件の現場に近い遼寧省瀋陽の日本総領事館では、デモ隊によって窓ガラス10枚以上が投石で割られた。
 中国当局は各地で、これまでを上回る治安部隊を配置し、制圧姿勢を鮮明にした。北京市公安当局は携帯メールで、警察の指示に従うよう求める一斉メールを送った。
 それでも、中国のネット上の情報や香港メディアによると、反日デモは100都市前後で起きた。北京、上海、瀋陽、広東省広州などでは数千人から1万人の規模に膨らんだ。各地で治安部隊とデモ隊との間でもみ合いなどが発生。北京の日本大使館でも18日、窓ガラス6枚が割れているのを館員が発見。近くで直径1センチ前後の金属球やガラス球、石などが見つかった。
 一方、米国のパネッタ国防長官と中国の梁光烈国防相が18日に北京で会談し、尖閣問題について意見交換。新華社通信などによると、パネッタ氏は日中双方に問題解決に向けた対話を求めた。梁氏は、尖閣諸島を日米安全保障条約の適用対象とすることについて「断固反対する」と述べた。
 また、18日に日本人2人が尖閣に上陸したことについて、中国外務省は「中国の主権に対する厳重な挑発」と非難する談話を発表。「中国側はさらなる措置を講じる権利を保留する」と、報復措置も辞さないとの姿勢を示した。
 中国外務省の洪磊・副報道局長は18日の定例会見で、福岡市の中国総領事館に発炎筒が投げ込まれた事件についても「強烈な不満」を表明した。(北京=林 望、大島隆)≫(朝日新聞デジタル)

 米国のパネッタ国防長官と中国の梁光烈国防相が18日に北京で会談。初めて人民解放軍の制服組トップが尖閣問題に言及した事は異例中の異例だ。筆者から見るとヤバイ状況なのだと思う。ネトウヨさんなら、“そうか、ヤレ~!ヤレ~!”で済むだろうが、ことは複雑だ。レオン・エドワード・パネッタ国防長官はブッシュ時代のゲーツとは異なり、民主党政権選出の国防長官だ。米軍再編や軍事費削減にも努力しているオバマ政権の国防長官である。共和党戦争屋勢力とは親和性のない考えを持っている。勿論、クリントン国務長官は中国大好きと来ているのだから、中国に対し「これ以上事態をエスカレートさせて地域の平和と安定を破壊することは、いかなる国の利益にもならない」と沈静化を求めたわけだが、日本にも同様の要求をしたに違いない。

 さてはて、どこが落とし処なのか、筆者には見当もつかない。野田としても「国有化」の看板を降ろす事は出来ないだろう。毅然とした態度で粛々と臨むのは勝手だが、この儘だと血を見る事態が誘発される可能性が高まってきている。中国も一歩も引かないどころか、反日教育の霊験あらたか、好戦的国民の感情を制御出来そうにない事実が問題だ。すべて野田君、君のやったことだ。チャンとケリをつけて欲しいものだ、辞任程度でお茶を濁されては困るんだよ、訪中したら如何か?中国国民が熱烈歓迎してくれるに違いないぞ!(笑)。中国海軍が出てきて、自衛隊出動なんて事態になったら、そのすべては、君、野田佳彦の責任だから、シカト自覚して欲しいものだ。海軍力だけなら自衛隊が勝てるなんてレポート信じてないだろうね(笑)。米戦争屋の仕掛けだ位、理解しているだろうな~?開戦しても筆者は構わんが、やる以上、自衛隊だけで勝てる戦争してくれよ(笑)米軍は傍観するだけだから、念のため。半分冗談、半分本気で今夜はこの辺で、オヤスミナサイ!


緊急時には、著者の考えも知っておきたい

騙されるな日本! 領土、国益、私ならこう守る (ベスト新書)
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「官僚の官僚による官僚のための政治」 その操り人形がコンプレックス野田首相

2012年09月18日 | 日記


中国・韓国が死んでも教えない近現代史 (徳間文庫)
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「官僚の官僚による官僚のための政治」 その操り人形がコンプレックス野田首相

 野田佳彦と云う男の精神分析をしても始まらないが、何らかのコンプレックスから生じたトラウマのようなものに取り憑かれている感じがする。あの相田みつお風な言葉の使い方、新興宗教信者のような目、謂うならば何者かに操られている人間と云う感じだ。おそらく、何者かが、特定の人物を指し示しているわけではないだろう。今夜の見出しになっている「官僚」に対してもコンプレックスがあるようだし、経団連のような大企業の幹部連中に対してもコンプレックスがある。当然、東大や京大教授などと云う肩書を見ただけで、竦み上がるとか、舞い上がる心理状態にあるのだろう。

 野田佳彦は「東大話法」に心底弱いと云うか、頭から信じてしまう傾向が顕著なのだろう。つまり、「権威」と呼ばれる類のすべてに弱さを有し、ついつい、その権威の前に出ると、同じレベルに“俺も到達している”と云う事を知らせるために、同調と云う波長に合わせてしまうのだろう。このような傾向を持つ人間の多くが「成り上がり者である」。野田自身、完璧な成り上がりだ。一見世襲や名家の出自でないことが「長所」(庶民の出身)なのだが、その長所が重大な欠点になっている。

 正直、野田と云う歴代首相の勘定にも入らないような男の心理分析など無用なのだが、取り敢えず内閣総理大臣なのだから、始末に負えない。このコンプレックスを抱えたまま、日本の行く末を決定するような重大政策をこともなげに、まったく議論もなく、アリバイだけを準備して、大増税を決定し、原発事故終息宣言をし、再稼働も易々と決定し、尖閣の国有化、「決められる政治!先送りは許されない!」と醜いナルシストと化している。

 彼の資質を判断する場合、間違わない為に、彼の言葉から修飾語を取り除いて分析する事が肝要だ。美辞麗句、修飾語を除くと、そこに残されたものはファシズム的強行決定だけなことはよく判る。おそらく、国賊的政策決定に、野田用語を修飾的に挿入することで、本論を和らげ、酷い仕打ちがさも快感であるように感じさせる言辞を弄する点は天才的と言っても良いだろう。仮に彼が政治家でなかったら、立派な結婚詐欺師になっていた事であろう。結婚詐欺師とは、絶対にモテナイ容貌である事が必須だ。

 小沢一郎の考えた英国二大政党の実現。構造的構築に、小沢は成功したのだが、残念ながら現時点では“仏作って魂入れず”である事は否定できない。それに気づいた小沢が、民主党離党と「国民連合」(オリーブの木構想)の実現に邁進しているのだが、マスメディア全勢力を敵に回し、何処まで闘えるものか、ため息の出る日々である。民主党と云う政党が自民党以上に親官僚で属米精神に満ちていると云う事実が判明しているのだから、日本の二大政党理念は当分オワズケである。

 最終的に、現在の永田町に巣食う政治家の多くは、既存の権益勢力に、何らかの形で保護されて政治家の生命を維持している傾向がある。党員そのものも、一定の団体による動員が多いわけで、個人が自発的に党員になっているケースはあるが、主流ではない。政治家は選挙で当選するかどうかが最重要課題なので、政治理念の実現や政策への関与度などは、選挙戦での宣伝として使える程度の主張に留まるわけである。結局は、日本の統治機構を司る霞が関官僚の独壇場となってしまうのは、統治システムそのものが生みだす自明的結果である。

 鳩山・小沢民主党政権の樹立が“泡沫の夢”となった事は重大な反省が求められるが、このまま自民民主等々の政治劣化を起こしている政党及びその政治家に国政を委ねる限り、官僚統治をブレークスルーする事は不可能である。既得権益を温存する事が日々の生活上優位と思う人々も多いのだが、事実は損をしているのに、既存の世界が壊れたら明日の命も不確かになるような恐怖心が付きまとうのだろう。気持は判らんでもない(笑)。しかし、官僚統治機構が崩壊しても、完璧に消え失せるわけではなく、機能は残る。権限が縮小していくだけなのだが、その辺を上手に説明している政治家が居ないのも事実だ。

 野田のコンプレックスに何処まで国民がつき合うのか判らないが、厚顔無恥な権威コンプレックス男に、ファシズム的政策を矢継ぎ早に行わせていくと、のっぴきならない事態を招くかもしれない。その事の方が、余程怖いのである。「日本維新の会」なるものが、それなりの旋風になっているが、維新八策等々を読んでみても、直近の政治課題である、尖閣問題・竹島問題・原発政策・消費増税に明確な回答は出していない。TPP推進、市場原理主義、中央集権解体、福祉切り捨ては明確だが、その政策の実現が直近の政治課題を解決する道筋を詳らかにしていない。ヤハリ弁護士コンサルタント業者同様の汗を掻かない人種の集団なのだろう。“名を残したい”一心で政治を行う輩が集う永田町と云う風情になっている。実に恐ろしき事だが、それが日本の実相の鏡と心当たる部分も多いので、多くを語る事は控えておこう。

 それにしても、「国民の生活が第一」の情報が不足気味だ。小沢支持者にしても気がかりな部分である。マスメディアのナッシング戦術や尖閣、オスプレイ問題が喧伝され、民主自民の党首選にスポットが当たり、本当に「生活」はどこに行ったのだろう?と云う不安さえ憶える。勿論、選挙は地道な日々の積み重ねであることは承知しているが、幾分心もとなさを感じないわけでもない。おそらくみんなの党の渡辺が、維新に未練たらたら、決断しないところに問題もありそうだ。原口、川内らが民主党を離党するかどうかも注目だが、鳩山は離党発言を撤回したという。まぁ暫く解散はなさそうなので、地道な運動も良いのだとは思うのだが、一抹の寂しさもある。今夜は少々ネガティブな気分だ。夏バテかもしれない。ではオヤスミナサイ!



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中国暴徒は制御不能寸前 隠れた本音“反日愛国騒乱”は“将を射んとする馬”疑惑

2012年09月17日 | 日記
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中国暴徒は制御不能寸前 隠れた本音“反日愛国騒乱”は“将を射んとする馬”疑惑

 日本政府の尖閣諸島国有化で“愛国”の言葉に煽られ噴き上がった一部の中国人の集団が、日本人や日本企業をターゲットに、破壊・放火・強奪・暴行などを加え出している。ネトウヨの中には、石原知事が領土問題の元凶を抉り出したと喝采している。しかし筆者から言わせると、石原が猛烈に引火しやす物体に接近、マッチを擦ったのがすべてである。余計なことをしてくれたものだ。寝た子を起こすバカが居るとは想像だにしない。まともな子育てをしていないから、伸晃のような大バカが育つのである。

 今回の尖閣問題が噴き上がったのも“日本の国有化”と云うフレーズが、中国共産党自身が行ってきた“反日教育”による“愛国反日”のスイッチが入ってしまった部分は大いにあるのだろう。奇しくも中国共産党主導部の“政権交代”と重なっており、アメリカ大統領選とも重なっている。今回の尖閣の火つけの経緯等々を観察する限り、ロムニー共和党陣営にとって好都合な結果が齎されている点も看過出来ない。アーミテージ・ナイ報告書や副大統領候補にポール・ライアンが選ばれるなど、リバタリアニズムからネオリベラリズムへと変貌している。コミュニタリアニズム(共同体主義)的傾向を示すEUやオバマ民主党とは対立軸を明確にしている。日本の隷米保守陣営にも好ましい事である。

 まぁ尖閣問題の経緯の解釈は、立ち位置次第でどちらにでも転ぶような問題である。ただその結果、日本も中国も共に利益を得られない結果になるであろうことは想像がつく。やられて堪るかと云った男性的根性は個人的には趣味だが、国益となると話は全然違う。雑誌「Foreign Policy」にアメリカ海軍大学準教授のホルムズ博士が書いたコラム「日中海戦・2012年:心配無用、おそらく勃発はしない。しかし、もし生じたらどちらが勝つだろうか?」に勇気づけられた日本人も多いようだ(笑)。博士の結論「2012年現在、中国海軍艦隊と海上自衛隊艦隊が海上決戦した場合、中国海軍にはとても勝ち目はない」である。 貼りつけるほど信頼性を感じないので、リンクだけは貼っておく。まぁ、日本の“元気な愛国”オリンピック並に元気なもので、時事の世論調査に現れている。

≪「話し合い」「対抗策を」二分=尖閣・竹島対応-時事世論調査
 時事通信が7~10日に実施した世論調査によると、尖閣諸島(沖縄県)、竹島(島根県)をめぐって関係が悪化する中国と韓国に日本政府が取るべき対応として、「対話を重視した解決に取り組むべきだ」と答えた人が47.7%だったのに対し、「経済措置や領海警備強化などの対抗策を打ち出すべきだ」との回答も45.8%に上り、意見が割れた。
 支持政党別に見ると、民主党支持層は「対話重視」(53.1%)が「対抗策」(46.9%)を上回った。逆に、自民党支持層は「対抗策」が52.4%と過半数を占め、「対話重視」は45.2%だった。 
 調査は全国の成人男女2000人を対象に、個別面接方式で実施し、有効回収率は64.9%。≫(時事通信)

 だいたいが、尖閣問題と竹島問題を峻別もせずに、調査するメディア自体が狂気の沙汰だ。それに答える方も答える方だが(笑)、平均的日本人の感情を聞いてみた、と云う事なら頷ける。そんなものだろう。あれだけ実効支配の何たるかもよく理解できていない国民、日米安保の危うさ等々の議論もまともになされていない敗戦国の国民には、生活感以上の思考経路が存在するとは思えない。マスメディアの世論操作に踊らされた情緒的判断力以上のものを求める事は無謀である。

 ただ此処まで騒乱的になってきた日中関係は、中国政府の鎮静化の方向づけに反して、火に油を注ぐ状況を呈している。中国共産党の政権交代期と時期が重なる問題もあるわけだが、あまりにも国内問題を隠蔽する為に行ってきた“反日教育”が、ネット社会のインフラの充実と相まって、暴走し始めたと云う重大な問題が起こっている。この“反日愛国”な行動が、暴行も略奪も放火も容認となると、中国にとって、長い目でみて国益的国策だったとは言えないのではなかろうか。朝日は“反日教育”のツケと云う記事を配信している。

≪ 偏向教育のツケは中国自身に
■坂尻信義(中国総局長)
 中国の人々は「古代から中国の領土」と教えられてきた「釣魚島(尖閣諸島の中国名)」を、胡錦濤(フーチンタオ)政権ではなく野田政権が「国有化」したことに衝撃を受け、激しく反発した。
 日本が実効支配しているという国際社会の常識を知らなかった中国人も、実は少なくなかった。
 15日、北京の日本大使館前に集まった中国の若者たちが掲げたスローガンは、目を覆いたくなるようなものばかりだった。例えば、「殺光小日本」。日本人 を蔑称で呼んだうえで、それを皆殺しにしろという意味だ。まともではない。
 中国は海洋監視船6隻を尖閣諸島周辺に派遣し、日本の領海に侵入させた。党機関紙・人民日報は「釣魚島の海域に到達し、権利を守り、法を執行した」と伝えた。中国中央テレビは監視船の乗組員が日本の領海にいた海上保安庁の巡視船に無線で「貴船は中国の主権を侵害している。活動をやめなければ、いかなる結果を招こうと、責任はそちらにある」と告げる映像を何度も流した。
 いずれも、中国側が日本側に「言ってやった」ことを読者や視聴者に説明するための報道だった。
 そうせざるを得ない事情が、中国側にはある。2年前の漁船衝突事故で、中国の官製メディアも商業主義に走る新興メディアも、海保の船艇に体当たりした漁船の船長が、あたかも被害者であり、英雄であるかのように報じた。
 それでいて、かつて尖閣諸島に日本人が暮らしていたことや、周辺海域に資源が豊富な可能性が浮上するまで中国が領有権を主張していなかったことは、中国 でほとんど知られていない。
 偏った教育や報道のツケが、いま中国側に回ってきている。民衆の怒りを制御できない当局は、デモ隊による暴力や略奪、焼き打ちを許した。そのうえ政府幹部が日本製品の不買運動に理解を示す発言をしたことで、ボイコットは広がる気配を見せている。
 中国の傅瑩外務次官は14日、省内で執務にあたっていたにもかかわらず、領海侵犯に抗議しようとした日本大使館の丹羽宇一郎大使からの面会の求めを断った。対話による解決を求めながら、官民一体でチキンゲームを仕掛けているかのようだ。
 中国メディアは15日、中国各地で火を噴いた反日デモについて、国営新華社通信が英字配信で発生を短く報じただけで、暴徒化したことには触れていない。 こうしたことを繰り返していれば、いずれ中国は自分で自分の首を絞める。 ≫(朝日新聞デジタル)

 読売や産経・日経の論調が反中なのは勝手だが、比較的中国との関係も重視する朝日新聞に此処まで言われてしまうようでは、今後の日中関係には大きな障壁がうず高く積まれた観がある。日中韓FTAなどは夢物語になりそうだ(笑)。朝日によると、「反日デモ」であるにも関わらず、深セン市では中国共産党委員会の建物に侵入しようとする行動まで加わり、「打倒共産党」の傾向さえ見せている。薄煕来前重慶市党委書記の失脚と合わせ考えると、共産党一党独裁、一国二制度、貧富格差、民族問題等々が、ネット社会の影響が加味され、第二の“文化大革命”を想像させる。“党や政府への不満の噴出”場合によると中国という国家が破裂するような事態にまで至らないとは言えないのだろう。

 まぁアメリカ共和党(戦争屋)にとっては、シメシメな状況であり、日本の日米安保マフィアにとってもシメシメな状況を呈している。自主独立愛国は筆者も望むところだが、米国隷属はお断りだ。現時点で戦えば、海自が勝なんて妄想に捉われる事無く、本気で外交防衛が行える政権が生まれる事を望んでいるが、好戦マニアな勢力とは意を異にするので悪しからず。外交重視、その背景としての防衛力と云う意味合いなので、勘違いしないように(笑)

 しかし、中国政府の国内への顔は問題なのだろう。ここまで、内外に対する二面政策を続けていけば、何処かで破綻する。彼らの制御力を持ってしても、ネットの情報発信力を抑える事は出来ない。その情報は、無知なものだけではなく、政府が海外に対し、どのような情報を発信しているのか、知識階級では共有する空間も出来あがっている。相当、胡錦濤政権は政治的誤謬をしてしまった感じでもある。柳条湖事件発生の9月18日まで暴れさせろと云う暴徒勢力の主張通りであれば、被害も軽微であろうが、中国の漁船の船団の尖閣周辺への出航が18日から始まるだけに、簡単に収拾するとは言えない深い問題もある。

 尖閣実効支配の国有化により、強化されたと認識する中国政府が、在留の日本人や日本企業を“人質外交”を展開、日本からの譲歩を引き出そうとしているのかもしれないが、現状の民主党政権を揺さぶっても無理である。日本は無政府状態のようなもので、聞くならオバマに聞くのが筋だ。さぁ中国進出企業はどのような対応になるのだろう。日本政府は無に等しいので、頼れるものは誰もいない(笑)。それではこの辺で、オヤスミナサイ!



世界 2012年 10月号 [雑誌]
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岩波書店


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格付け会社が世界経済に混乱をもたらしている 金融資本こそが人類の敵かもしれない

2012年09月14日 | 日記
金融が乗っ取る世界経済 - 21世紀の憂鬱 (中公新書)
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中央公論新社


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格付け会社が世界経済に混乱をもたらしている 金融資本こそが人類の敵かもしれない

  日本最高のエコノミスト植草一秀氏のコラムを読んでいただこう。小沢支持の人々にとっては馴染み深いエコノミストだが、毛嫌いで見て見ぬふりをしている人々にも彼のマクロ経済に関するコラムは読んで貰いたい。

 今回のコラムで明示されたアメリカの財政のバランスシートの数字を見て、凄いものだとあきれ果てた。1100兆円!の債務超過国家である。日本の債務はたしかに1000兆円だが、資産が約1100兆円。つまり、100兆円分資産超過である。勿論、対GDP国債残高を国債の格付けの主たるバロメーターにしている、世界金融マフィアの手先は、ニヤニヤ笑いながら鉛筆を舐め、金融市場解放を一定の特定国家に襲いかかっている。

 正直、この債務超過国家や張子の虎自転車操業国・韓国の国債より格付けがしたと云うのは荒唐無稽だろう(笑)。早い話が、何を基準に各国の国債格付けの基準を定めるかで、答えは自ずと変わってくる。対GDP基準で貶めるのであれば、空騒ぎで構わないから、GDPが550兆円以上の値を出せばよい。極論すれば国際収支が大バーゲンで大赤字でも、GDPを増やせば対GDP比200%の論拠は消える(笑)。最も国債の信頼度を計る基準は、その国の国債の利回りに着目するのが正しいのだろう。国債の利回りが低いほど信用度があり、高いほどリスクが多いと云う常識が通用しないのが、国際金融マフィアの論理である。

 ちなみに、フィッチ等と云う英国の格付け会社は日本・中国よりも韓国の国債の格付けを上位にランクさせている(笑)。キチガイ沙汰だね~。植草氏ではないが、こう云う政治不在の時期こそ、根本的な国益に関する課題を深耕し、基本的元凶等々を、自らの頭で抉ってみるのも良いものだ。尖閣、竹島、橋下維新ネタ、こう云う情報を“スピン情報”と言う。

*参考に、発表されたフィッチによる各国の国債格付け早見表。
AAA 米国、英国、ドイツ、フランス (ドイツだけだろう?)
AA+ ニュージーランド、香港
AA  韓国、ベルギー、クウェート (韓国?ヒェ~!)
AA- 中国、チリ、サウジアラビア (チリ?)
A+  日本、イスラエル、スロバキア (日本、スロバキア???)
A   スペイン、南アフリカ (スペインが1ランクだけ下かよ(笑))
A-  イタリア、タイ

≪ 「日本は財政危機にある」が大嘘である決定的証拠
  いま世のなかで何が進行しているのかを私たちは知っておく必要がある。 日本の主権者国民にとって、何よりも重要な政治の争点は、消費増税、原発再稼働、TPP、米軍基地・オスプレイである。 ところが、この最重要問題が深く掘り下げられることがない。
 8月10日以降、日本の情報空間を占拠してきたものは、 オリンピック 尖閣 竹島 いじめ シリア 民主・自民党首選 大阪維新 だけだ。情報空間を何で埋め尽くすのかを決めるのはマスメディア=マスゴミである。マスゴミは大きな力によって支配されており、このマスゴミが意図をもって、情報空間をコントロールしている。
 もっとも強い影響力を持つのはNHK=日本偏向協会であるが、このNHKが情報操作の先頭を切ってひた走っている。 9月12日夜の「ニュースウォッチ9」は大阪維新の広報番組と化していいた。ここに、いまのNHKの体質が象徴的に表れている。 マスメディアによる一連の情報操作が何を目的に実行されているのか。これを的確に把握し、日本の主権者全体に注意を喚起しなければならない。 「情報操作の警戒警報」発令中である。
 8月10日に国会は消費増税法を成立させた。しかし、日本の主権者である国民は消費増税を認めていない。 次の総選挙で主権者国民が最終判断を下す問題である。必ず、次の総選挙の最大の争点にしなければならない。
 しかし、財務省が政府債務1000兆円と喚(わめ)き散らしているために、多くの国民が、日本の財政は深刻な事態に直面していると勘違いしてしまっている。しかし、これは完全な事実誤認だ。 政府の公式統計である「国民経済計算年報」に、日本政府の財務状況を示すデータが掲載されている。いわゆる政府のバランスシートだ。 2010年12月末段階で、日本政府は1,037兆円の債務を保有している。たしかに、借金1000兆円はうそではない。
 しかし、財務状況は借金の大きさだけで決まらない。個人が1億円の借金を抱えたら大変だ。しかし、本当は借金の金額だけで大変さは決まらない。 資産を持っているかいないかが決定的に重要だ。預金ゼロで借金1億円なら大変だ。破産するしかないだろう。
 しかし、借金が1億円、預金も1億円だったら、何の問題もない。 2010年12月末の日本政府の資産残高は1,073兆円だった。つまり、借金よりも資産の方が多いのだ。この状況のどこが危機だと言うのか。 財務省は庶民に巨大増税を押し付けるために大うそを撒き散らしているのである。
 米国財務省が発表している米国政府のバランスシートを見ると、 2011年9月末時点で 資産  2兆7073億ドル 負債 17兆4927億ドル である。 1ドル=78円で円換算すると、 資産  211兆1694億円 負債 1364兆4306億円 になる。なんと1153兆円の債務超過である。 このアメリカの国債が最上級の格付けを得ていて、日本の国債が債務不履行になる恐れがあるという根拠は、実はどこにもない。
 日本財政が危機に直面していて、欧州のような危機に陥るリスクがあるというのは、真っ赤なウソである。 ウソを撒き散らして、国民から巨大なカネを巻き上げて、そのカネで天下りやわたりの利権をむさぼろうとしているのは、もはや「巨大犯罪」 の範疇に入る。
 政府にはカネが「ない、ない」と騒いでカネを巻き上げる「ないない詐欺」としか言いようがない。 いま、私たちの回りで進行している巨大な「情報操作」の目的は二つある。 ひとつは、消費増税を既成事実化することだ。そのための方法は、消費税問題を一切論議しないことだ。すでに決まった話だと偽装して、国民に問題を考えさせないのだ。
 もうひとつの目的は、次の選挙で、米国にモノを言う勢力を消し去ることだ。誰が米国にモノを言ってきたのか。それは明かだ。小沢一郎氏と 鳩山由紀夫氏である。そして、小沢氏、鳩山氏の行動は主権者国民の信託を受けたものだった。
 米国は米国にモノを言う存在を許せないのだ。日本の主権者の信託を受けた存在であるのに、これを亡きものとしようとしている。 これが、現在の情報操作の目的である。 言い換えれば、これは日本の主権者国民に対する宣戦布告、挑発行為である。 私たち主権者国民は米国の僕(しもべ)ではない。この兆発を受けて立ち、この支配者を矯正しなければならない。≫(植草一秀「知られざる真実」)



消費税増税 「乱」は終わらない
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野田佳彦、政権維持に追風? 霞が関シロアリとの蜜月が原動力なのだが…破綻の兆し

2012年09月13日 | 日記
「本当のこと」を伝えない日本の新聞 (双葉新書)
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野田佳彦、政権維持に追風? 霞が関シロアリとの蜜月が原動力なのだが…破綻の兆し

 まずは「日本維新の会」の話題から。朝日が以下のように報じているが、この政党が次期衆議院選で350人以上の候補者擁立だと“進軍ラッパ”を吹き鳴らしているのだが、どうにもペラペラの半紙一枚と云う感じが抜け切らない。各マスメディアの世論調査で、支持率は自民党に次ぐ第二勢力だと囃したてているが、到底真実とは思えない。

 それでも、政治の芸能化と云う“民主主義への愚弄”と云う現象をマスメディアが作り上げ、それを芸能ネタ風に報道すれば、現実には相当のプロパガンダ効果がある事は認めざるを得ない。ただ、筆者の観察から推量っても、どの政治勢力に有利な作用を及ぼすプロパガンダなのか?と云う点では、合点がいかない部分も多い。野田と谷垣が、橋下勢力の準備が整う前に、民自公大政翼賛で強行突破しようとした痕跡は明らかにある。いくら谷垣がアマちゃんだとしても、そこまでアホではないだろう。筆者の勘では、「日本維新の会」の人気が作られたものである事を、官邸が承知しているような気がする。

≪ 日本維新の会、結党を宣言 衆院選350人擁立目指す
  大阪維新の会(代表・橋下徹大阪市長)は12日、大阪市内で政治資金パーティーを開き、橋下氏が国政政党「日本維新の会」結党を正式に宣言した。次期衆院選に向けて350人程度の擁立を目指し、候補者の公募も週内に開始する。設立時期は、新党に参加する衆参国会議員7人の離党時期を踏まえ、今月下旬 以降になる見通し。
 パーティーで橋下氏は「我々大阪維新の会は国政政党をつくることに決めた」と、大阪市内に本部を置く日本維新の会結成を宣言。「これから日本の大戦(お おいくさ)が始まる。今日そのスタートを切る」と、次期衆院選に向けた候補者擁立などの準備を本格化するとした。
 橋下氏は、新党に参加するため11日に離党届を出した民主党の松野頼久元官房副長官(衆院熊本1区)、自民党の松浪健太衆院議員(比例近畿)ら衆参国会議員7人を紹介。次期衆院選での擁立を検討している前横浜市長の中田宏氏らのほか、維新の会との連携を模索する河村たかし名古屋市長や大村秀章愛知県知事も参加した。
 維新の会は年内の衆院解散・総選挙を念頭に、公募に向けた選定委員会を組織。約900人の維新政治塾の塾生や国会・地方議員、首長、官僚などの政治・行政経験者を対象にホームページで候補者としての募集を始める。
 維新は、松井一郎大阪府知事が本部長の「選挙対策本部」も近く立ち上げ、100人余りいる維新の会所属の地方議員を全国の比例11ブロックごとに派遣。 地域の活動拠点となる支部を設立する構えだ。友好団体だった愛媛、松山維新の会は12日、日本維新の会への合流を決定。維新はほかにも各地の政治団体と連携し、選挙態勢の拡充を進める方針。 ≫(朝日新聞デジタル)

 冷静に考えれば判ることだが、現在「日本維新の会」で見えている現役国会議員は7名である。その顔ぶれを見ても、選挙区から当選した議員は、松野頼久と水戸将文だけある。その他の5名の議員はすべて比例で選出されている体たらく。つまり、自分の甲斐性で当選してきた議員ではない事がポイントだ。所属政党の組織票乃至は風頼りなわけで、自立している国会議員ではないと云うこと。挙句に、目玉候補が東国原とW宏。今後、顔を出してくる候補者の“玉”は推して知るべしだ。

 おそらく、マスメディアは政治ネタがあまりにも乏しい状況なので、自分達の仕事を楽にしたいと云う思惑と、それに呼応して、自ら説明責任を果たしているポーズが上手な橋下は、格好の“玉”なのだろう。穿った見方をすれば、金融市場主義経済以外に生き残りの術を失った、ユダ金や世界金融資本勢力、及び産軍複合勢力の日本と云う“宝の山”を貪る“まき餌”と云う簡単図式なのかもしれない。

 あきらかに、小泉・竹中の隷米市場原理主義路線のブレーンとピッタリ重なるわけだから、穿った見方でさえないのかも しれない。おそらくB層ほど、この撒き餌に群がるわけで、自ら一層のピンキリ社会が到来するとも知らないのだから、お笑いである。ただ、そのB層らは、失うといってもたかが知れた資産しか有していないから、五十歩百歩である。迷惑なのは、それなりに考え、それなりにポジションを得ている連中までが、この芸能ネタ風政局話で、煽りを喰う事である。まさにナンマイダブツだ(笑)。

 しかし、シロアリと蜜月状況を作り上げた野田佳彦は、「日本維新の会」旋風など“どこ吹く風”あいかわらず、官僚主導で嘘八百を語っている。或る意味で、学習効果抜群の政治家とも言えるだろう。まぁ、鳩山、菅の惨事や小沢の大惨事をお手本に、消費増税法案をごり押しする事に成功。霞が関の中の霞が関に貸しを作った按配である。野田は「ここから先は、民主党の支持率アップの政策等々、矢継ぎ早に出せ!」と霞が関に注文をつけているようにもみある。

 ウラジオストックのAPECにおけるプーチン会談において「北方四島」の解決方向への道筋作りや、LPGパイプライン構想など、多少米国に不快感を与える外交戦略などを打ちだしている。プーチンの口から「日本は古くからの重要なパートナーだ」、「過去に起因する全ての問題を解決したい」言わしめた功績は、表向き評価せざるを得ないだろう。小泉以来滞っていた北方領土問題を含む平和条約締結交渉が再開される趣きは、野田外交の評価となる可能性はある。裏で米国と話がついている可能性もあるが、表向きロシア回帰を印象づける効果は出てきている。

 増税を決めた総理は、今度は経済成長に全力を挙げると言い放つし、景気対策の為の補正にも言及、絶好調である(笑)。13年度予算も我が手で、と云う言葉まで飛び出す始末、手に負えません(笑)。特例公債法案通過の目処も立っていないのに、平気の平左である。野田は緊急であれば財務省証券発行で、急場を凌ごうとしていたが、此処に来て当事者の財務省が「財務省証券なんて出さないよ」と言い出した。この辺は、チョイとキナ臭い。調子に乗るな野田よ!と云う財務省からの警鐘か、乃至は“野田政権潰し”に動きだしたか、観察の要ありである。財務省と日本維新の会との相性はどう考えても悪いのだが、何か仕掛けがあるのかもしれない。

 更に調子の出てきた野田佳彦はキャッチコピーだけでも、脱原発の方向性を出そうと躍起である。読売新聞は以下のように報じている。

≪ もんじゅ廃炉へ、30年代に原発ゼロ…政府原案
 政府が14日にもまとめる「革新的エネルギー・環境戦略」の原案がわかった。
 将来の原子力発電の比率について、民主党の提言を踏まえ、「2030年代に原発稼働ゼロ社会を目指す」ことを掲げるとともに、日本原子力研究開発機構の高速増殖原型炉「もんじゅ」(福井県敦賀市)の実用化を事実上、断念する方針を盛り込む方向だ。
 政府は12日、原案をもとに関係閣僚会議を開き、最終案の策定に向けた協議を行った。原子力協定を結ぶ米国に政府関係者を派遣し、米国の反応を見極めたうえで最終決定する。
 原案では、東京電力福島第一原子力発電所の事故を受けて、原発に依存しない社会の実現に向け、〈1〉(原発の)40年運転制限制を厳格に適用する 〈2〉原子力規制委員会の安全確認を得たもののみ再稼働する〈3〉原発の新設・増設は行わない――ことを基本原則とした。
 もんじゅについては、使用済み核燃料から出る廃棄物を減らすための研究炉とした後に、廃炉とする方向で調整している。≫(読売新聞)

 ダマシ絵である事は間違いないが、見た目は“脱原発”が先行する。但し書きで、すべてがオジャンなのだが、それを口角泡を飛ばして、TVメディアがニュースバラエティーで解説するとは思えない。これら一連の自信満々は小沢の「国民の生活が第一」や「国民連合」の話題を完璧に隠蔽する事で、易々と国民を騙す三段のようである。中国も建前論的“領土愛国”のガス抜きに終始しているし、特段の問題が生じる可能性はゼロに近づいている。竹島問題では、李大統領の言い訳三昧が目立ちはじめ、恥を上塗りしているようだ。つまり、野田には外交のすべてが追い風状態になっている。凍結されるかもしれない消費増税の成立が、それ程重要だったと云うことか?今ひとつ定かではない。

 前述したように、特例公債法案の棚上げ宙づりを財務省証券で乗り切ろうと云う皮算用が潰された時、野田佳彦が行き詰る可能性が出てきたが、それ以外は順風満帆である。しかし、特例公債法案の通過が、時の政権の命取りになってきただけに、予断は許さない。谷垣がコケタ時点で、勝利を確信しただろうが、好事魔多しである。中国次期最高指導者に就任予定の習近平国家副主席の公務復帰が10日も滞っている。これは異常な状況だ。単なる怪我なら、もう少し情報は開示されるだろうし、突然の病に倒れた可能性もあるし、失権の可能性も捨てがたい。5年に一度の共産党大会、本来であれば、日程が公表されている時期である。この問題も、ウォッチングは欠かせない。では今夜はこの辺で、オヤスミナサイ!



個人的好みの本。疲れた時に読んでいます(笑)

生きる悪知恵 正しくないけど役に立つ60のヒント (文春新書 868)
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文藝春秋


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