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世相を斬る あいば達也

民主主義や資本主義及びグローバル経済や金融資本主義の異様さについて
定常で質実な国家像を考える

●完全に壊れかけている安倍政権 解散が確実に選択肢

2014年10月31日 | 日記
戦争責任と靖国問題 ―誰が何をいつ決断したのか
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●完全に壊れかけている安倍政権 解散が確実に選択肢

 もうGPIF等々の公的資金をどれだけ株式市場に注ぎ込み、株高イコール支持率アップ作戦も、アップアップになり、臨終は秒読みに入っている。こうなると、総辞職か解散しか選択肢は残されていないだろう。安倍晋三が、再び腹の具合が、と言うのは躊躇うだろうから、総辞職はないわけで、解散が一番彼の心情に見合っているだろう。

 自民党内でも、あそこまで感情むき出しの態度で、横柄な総理の姿は、統一地方選に多大の影響を及ぼすのは必定で、誰でもいいから、真っ当な穏健な保守の姿を地方の有権者にアピールしないと、驚くような選挙結果を見ることになるかもしれない恐怖で、安倍晋三を総理の座から引きずり下ろすモメントが働きだしている。既存の勢力全体に、安倍じゃヤバいことになるという強迫観念が広がりつつある。

 以下の朝日名指し批判は最悪なようだ。正直、順回転が逆回転してきた。永田町の常識、内閣改造は命取りと云う格言は生きているようだ。おそらく、霞が関、警察、検察、メディア等々が、政治家の弱味を、それなりに把握して、いつ、その玉を有効利用しような手ぐすねを引いていたわけだが、ここにきて“一斉射撃”に出てきた。野党も、傷つく可能性はあるが、政権の座についている方の痛手の方が、百倍のパンチになる。おそらく、二閣僚の辞任に次いで、次々と醜聞、政治資金疑惑が浮上し、防御戦を余儀なくされる。

  “人を責めることをやめられない首相”の体質は病的なのだから、防御戦は最も不得手な戦いであり、到底耐えられるとは思えない。以下の朝日の揶揄的な反論記事に、真っ当な答えを見出すのは至難な話だ。マスメディアすべてが報道した情報であり、ICレコーダにも残っているわけで、朝日を名指しする、情緒不安定、乃至は「朝日は潰すべき」と云う2ちゃん言説に乗っかる軽薄さが命取りになりそうだ。おまけのように、百田のツイートも出鱈目すぎて、国会喚問は当然の成り行きだろう。そこで、籾井以上の醜態を百田が晒すのは確実で、成り行きはかなり野次馬を喜ばせることになる。

 これ以上安倍首相に踏んばられると、自民党の屋台骨が揺らぐわけで、もう二度と野党に戻りたくない自民党議員たちは、必死の安倍おろしに奔走しそうだ。どれ程、菅官房長官があの手この手を使おうと、限界がある。その上、安倍自身、消費税10%への引き上げ判断を、自らの責任で行うとは言いつつも、どうして良いのか判らない苦痛も抱えている。投げ時かな?と思う瞬間の数も増えている可能性はあるだろう。ここ2週間くらいが桶狭間だが、沖縄知事選の敗北後の解散は避けたいに違いない。

 ≪ 「撃ち方やめ」報道、首相側近「私が言った」 説明修正
 朝日新聞や他の全国紙などが30日付朝刊で、安倍晋三首相が側近議員に「撃ち方やめになればいい」と発言したと報じたことについて、首相は30日午前の衆院予算委員会で、 朝日新聞だけを名指しして「捏造(ねつぞう)だ」と発言した。朝日新聞などは、29日に首相と側近議員の昼食会の様子を出席者に取材するなどして記事化し た。しかし、朝日新聞が取材した出席者は30日夕、「撃ち方やめ」は自分の発言だったと述べ、首相の発言だとしていたこれまでの説明を修正した。
 この出席者は29日の昼食会後、複数の報道機関の記者に対して首相の発言として説明していた。朝日新聞は30日付朝刊4面で「首相『撃ち方やめになれば』」の見出しで、首相が29日の側近議員である萩生田光一総裁特別補佐と山本一太前科学技術担当相との昼食会で、民主党の枝野幸男幹事長をめぐる政治資金問題が発覚したことを受け、「これで撃ち方やめになればいい」と発言したと伝えた。
 だが、首相は30日午前の衆院予算委で枝野氏の質問に対し、「きょうの朝日新聞ですかね、『撃ち方やめ』と私が言ったと報道が出た。これは捏造です。朝日新聞は安倍政権を倒すことを社是としていると、かつて主筆がしゃべったということです。私に確認すればすぐ分かることです。私が言ってもいない発言が出ているので、大変驚いたところです」と発言した。
 朝日新聞が取材した出席者は30日夕、複数の報道機関の取材に、「私が『これで、撃ち方やめですよね』と言ったら、総理たちも理解を示した」と、これまでの説明を修正した。
 また枝野氏は同日午後の記者会見で、「産経新聞、毎日新聞、日本経済新聞、共同通信、そして朝日新聞が報道している」と指摘。「一般的に考えて、これだけ各社そろって同じ報道をしているということは、捏造だと主張する側に証明する責任がある」と述べた。
 朝日新聞が菅義偉官房長官に30日午後の記者会見で政府の見解について聞いたところ、菅氏は「首相自身が自分の言っていないことを書かれたからそう言ったのじゃないかと思う。政府の立場で申し上げることは控えるべきだと思う」と語った。    
   ◇ ■記事の「捏造」ありません
 《朝日新聞東京本社報道局の話》 記事は意図的に話をつくった捏造ではなく、取材にもとづいて書いたものです。また、朝日新聞社に「安倍政権を倒す」という社是はなく、主筆が話したこともありません。 ≫(朝日新聞)

日本の奈落 (TRI REPORT CY2015)
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●【主論と裏読】原油価格の急降下は何を意味しているのか?

2014年10月30日 | 日記
今の日本がここから見える! 「米中韓」と日本の歴史
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●【主論と裏読】原油価格の急降下は何を意味しているのか?

 以下は、エコノミストのコラムを日経ビジネスが邦訳したものである。最近の原油価格の急降下の要因を、オーソドックスに論じた、ありきたりと云うか欧米金融関連メディアらしいコラムである。がしかし、このコラムのような分析を、世間体を気にするならば、口にした方が良いという類のものでもある(笑)。まずはじっくりと読んでいただこう。筆者のゴタクはその後で。

 ≪ 原油価格の急落は世界経済に朗報か、凶報か
 3カ月間にわたってじりじりと値を下げていた原油価格が10月14日、ほぼ4ドルの大幅な下落を記録した。1日の下落幅としては、この1年余りで最大となった。この結果、原油価格の国際的な指標であるブレント原油の価格は、ピークだった6月の1バレル=115ドルから85ドルにまで低下した。
 通常、原油価格の値下がりは世界の経済成長を押し上げる。原油価格が1バレル当たり10ドル下落すると、世界のGDP(国内総生産)は原油の輸出国から輸入国へおよそ0.5%シフトする。原油輸入国の消費者は、豊かな原油輸出国よりも早くお金を消費する可能性が高い。このため、原油価格の下落は消 費の底上げを通じて、世界経済を押し上げる傾向がある。
 しかしながら今回の原油価格の急落に関して言えば、事態はそれほど簡単明瞭ではない。経済的観点から見て重要な疑問は、原油価格の下落が需要の低 迷を反映しているのか、それとも供給の大幅な増加を反映しているのか、である。もし原油価格の急落が需要が冷え込んだ結果なら経済成長が減速していることを示す兆候であり、懸念すべきだ。
 また、価格低迷の原因が財務問題(過大な債務など)にあるのなら、原油価格が下落しても、経済成長を押し上げる効果はさほど期待できないかもしれ ない。消費者は原油価格の下落がもたらす恩恵を債務返済に回す可能性があるからだ。実際のところ、一部の国では事態を一層悪化させる恐れがある。原油価格の下落はデフレのリスクを高めるからだ。
 他方、供給の増加が原油価格下落の原因なら、朗報となり得る。原油価格の下落は、いずれ世界の経済大国の消費を押し上げると考えられるからである。

 ・経済成長が世界的に鈍化
 世界経済の足取りは間違いなく弱い。日本のGDPは第2四半期に失速してマイナス成長に陥った 。ドイツも同様であり、もしかすると景気後退に向かっている可能性がある(最近の鉱工業生産や輸出関連指標は恐ろしいほど悪い)。米国の経済成長はここにきて加速しているが、回復のペースは過去の標準的なケースに比べて脆弱だ。
 原油価格が急落する直前の10月7日、国際通貨基金(IMF)は2014年の世界の経済成長率予測を3.3%に引き下げた 。IMFが経済成長率予測を引き下げたのは、今年に入って3度目のこと。2015年には成長が改めて加速するとの予測は変えていないが、ごく小幅な成長を 見込んでいるだけだ。
 経済成長の鈍化はエネルギー需要の低下を意味する。石油輸入国の集まりである国際エネルギー機関(IEA)は今月14日に公表した月報で、今年の世界の原油需要の増加は日量わずか70万バレルにとどまるとの見通しを示した 。これは、わずか1カ月前の予測に比べて日量20万バレルも少ない。しばらく前から需要は低迷していたが、ドイツを中心とする最近の落ち込みがとりわけ市場を驚かせ、価格の急落を呼んだ。

 ・米ロが供給量を拡大
 原油価格が急落している原因は需要低迷だけにあるのではない。大規模な供給ショックも重なった。昨年4月以降、世界の原油生産はほぼ毎月、前年同 月の水準を日量100万~200万バレル上回る力強い増加を見せている。9月には生産量が激増、世界の原油生産量は2013年9月の水準を日量280万バレルも上回った。
 供給増加の大半は、石油輸出国の団体である石油輸出国機構(OPEC)加盟国以外の国、特に米国からもたらされた。ひとつにはシェールオイルの生産が増加したため、9月の米国の原油生産量は日量880万バレルに達した。これは1年前の水準を13%上回るもので、2011年の水準と比べても56%多い。サウジアラビアと比べても、さして遜色ない量だ。
 ロシアの原油生産もじり高傾向にあり、ウクライナ問題に関わる対ロ経済制裁の影響が、油田にはまだ及んでいないことを示している。9月の生産量は日量1060万バレルとなり、月間生産量で見てソ連崩壊以降の最高記録まであと一歩に迫った。

・リビアやイラクも増産に走る
 ただし、OPEC非加盟国の生産増加は、何も今に始まったことではない。最近の生産増に最も大きく寄与しているのは、OPEC加盟国だ。例えばリビアは、内戦の影響で4月には日量20万バレルにまで生産を落としていたが、9月末までに日量90万バレルに回復させた。内戦前の水準である日量150万 バレルに向けて着々と増産体制を整えつつある。同様に驚かされるのは、イラクも生産を拡大していることだ。
 ほぼ2年にわたり減少を続けていたOPECの生産量は9月に増加に転じ、OPEC非加盟国が生産を増やしていることの影響を増幅している。
 需要が低迷するなか、生産増加分の大半は豊かな国の原油備蓄の拡大という形で吸収されている。しかしながら、こうした状態は永久に続くわけではな い。世界の需要が上向き始めるか生産が削減されない限り、備蓄拡大のペースが鈍化するにつれ、価格は再び下落に転じる公算が大きい。
 需要の拡大も供給の削減も、実現するのは先のことになりそうだ。IEAで主席石油アナリストを務めるアントワン・ハルフ氏の指摘によれば、たとえ 原油価格が1バレル=80ドルにまで落ち込んでも、採算水準を割り込む生産はごくわずかだ。米国のシェールオイル生産者の大半は、破砕技術の改善などを通じて採算点を引き下げており、今や損益分岐点は70ドルを大幅に下回っている。したがって末端の生産者が撤退を余儀なくされるためには、価格がさらに下落する必要がある。

 ・石油需要が拡大するのはいつのことか
 新たな取引形態も原油価格に下落圧力を加えている。OPECの原油輸出国はかつて、世界に対する原油の販売割り当てを自分たちで非公式に決めていた。ナイジェリアとベネズエラは米国に、湾岸の中小の国々は日本にそれぞれ売却する、という具合だった。だが米国の原油輸入量は2010年の月間3億 900万バレルから同2億3600万バレルに減少した。欧州の需要は冷え込んでいる。そこですべてのOPEC加盟国がアジアでのシェア拡大を目指してしのぎを削っている。
 サウジアラビアは9月にアジア向け先物価格を引き下げた。さらに、他の石油輸出国が減産を望む中で若干の増産(10万7000バレル)に踏み切り、他のOPEC加盟国を震撼させた。OPEC加盟国は11月に再度会議を開く予定だ。しかし、クウェートの石油相は先頃、「OPEC加盟国が減産に踏み切る可能性は小さい」と述べた。
 いつになれば、そしてどの程度まで価格が下がれば世界の需要が増えるのか、見通しは極めて不透明だ。©2014 The Economist Newspaper Limited. 2014 All rights reserved. 英エコノミスト誌の記事は、日経ビジネスがライセンス契約に基づき翻訳したものです。英語の原文記事はwww.economist.comで読むことができます。 ≫(日経ビジネス)


 エコノミスト(The Economist Newspaper Limited.)が、英国経済情報誌である以上、経済を基礎にマーケット事情を分析するのは当然なのだが、筆者は今回の原油価格急落の事情を、経済原則だけで論じるには、かなりの無理があるとみている。何が平常時と違うのかは、多くの方がお気づきのように、地政学的、乃至は政治外交上の諸問題を加味せずに議論することは、無謀だとさえ思うのである。

*様々な分析があって然るべきだが、経済的要因だけで、原油価格の推移を分析するのは、現在の地政学的、乃至は政治外交上の諸問題、特にロシアのシリア、ウクライナを挟んでの欧米勢力との確執は加味すべきだと考えている。現況の原油価格の下落で得をしている勢力を考えるのは、今回は適切な分析、推理には適当ではない。今回の場合、原油価格の下落で、損をする勢力に目を向けるべきである。となると、原油又は天然ガス供給の国々がすべて、その対象になる。

 なかでも、メインプレヤーはサウジとロシアだ。ロシアは原油価格の下落で打撃をもろに受けている。EU向けのガス供給も、ウクライナ問題次第では販路から締め出される可能性もあるわけだから、Wパンチを見舞われている。サウジもパンチは受けるが、宿敵シリアのアサド政権打倒とバーターであれば、耐えうるパンチでもある。肉を切らせて骨を断つと考えれば、合理的だ。シリアのアサドを追いつめるには、アサドの守護神のようなロシアの国力を減じることに魅力を感じるに相違ない。

 アメリカも、大国の言うことを聞かないロシア・プーチンこそが、世界平和の元凶だと考えている。ソ連邦崩壊で、我が世の春を永遠に謳歌できると思っていたが、原油ガス価格の高騰がロシアの抬頭を導くとは思いもよらない事態を招いていると気づいたようである。その上、21世紀の世界的政治リーダとして、プーチンが最もカリスマ性を備えており、ロシアの大国度を相乗的に大きなものにした。中国に睨みを利かせるためにも、中露の団結は避けなければならない。これが欧米勢力共通の認識になりつつある。

 BRICSによる開発銀行設立の目的は、アメリカ中心の欧米が世界通貨基金(IMF)や世界銀行で支配的地位を維持し、新興国にほとんど発言権が与えられないといった横暴を打破すると同時に、ドル通貨基軸を揺さぶる目的を包含していることに、アメリカは異様に神経質になっている。つまり、ドル基軸がアメリカを舞台に金融マフィアがのさばれるわけで、ドルの基軸度が3割低下すれば、殆ど元、円、ユーロとの差別化が出来なくなり、金融マジックが通用しなくなるのは、アメリカの覇権国の地位からの即刻の退場を余儀なくされる。

 このような状況を作り上げたのは、歴史の必然というより、プーチンと云う政治家によってもたらされていると、西側陣営は魔女狩り風に思い込んでいる。本質的には、先進諸国経済の成長は鈍化するのが当然の帰結で、驚くに値せず、新興国が追いつくのはごく当たり前のことなのである。しかし、覇権を握っていたり、アメリカが唯一の大国であることで出来上がっている秩序を変えることで、地獄が待っているように思い込むほど、良い思いをしている既存の勢力が存在するという証明の定理が展開していることを我々は考慮しておく方が賢明なのだと思う。無論、上述以上な戦術と云うか、陰謀と云うか、多くの要因が隠されていたり、思惑も絡んでいるのだろう。

財界主権国家・ニッポン 買収政治の構図に迫る
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●権威のコバンザメ三流作家・曽野綾子が「誠実」の見本? 

2014年10月29日 | 日記
儲かる農業論 エネルギー兼業農家のすすめ (集英社新書)
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●権威のコバンザメ三流作家・曽野綾子が「誠実」の見本?
 

 腰が抜け、あいた口が塞がらないような事実を知った。以下「リテラ」のコラムなのだが、本当に曽野綾子が道徳の教科書に載るのだろうか。二宮尊徳の代わりか?これは、ほとんどブラックユーモアの世界だけど、このような恥も外聞もないのが、安倍晋三や下村博文、山谷えり子、高市早苗、有村治子を擁する現在の無知蒙昧なネトウヨ紛いの自民党政権があるのだろう。しかし、政権が元気な内に、物事のすべてを右側に寄せてしまおうとするあまり、こと如くが粗製乱造になっている。保守自体を許容する筆者としても、これでは、将来的に、だから保守はダメなのだ、と云う歴史上の笑い話ネタを提供しているように見える。

 第二次安倍改造内閣で閣僚となった政治家もかなりの酷さだ。既に、二人の辞任が出ているが、三人、四人、五人目まで辞任ルートに乗っている。ただここにきて、一気にメディアの一斉攻撃が始まったのだが、何が潮目で引金が引かれたのだろう?誰が、一斉攻撃のサインを出したのだろうか?陰謀論かどうか別にして、官邸に謀反者がいるか、霞が関の陰謀なのか、はたまた海の向こうの支配者からの指令なのか、いずれにしても、安倍官邸よりも、更に上をいくメディアコントロール指揮勢力の存在を窺わせる。

 こうなると、下火になりかけていた「解散総選挙」の可能性も出てきている。福島知事選は抱きつくことで難を逃れたが、沖縄では断然優勢な翁長をいずれ寝返らせる以外、辺野古新基地計画が、埋め立てボーリング調査段階で、再びたな晒しになる可能性もある。経済状況は悪くなるばかりで、景気条項から行けば、消費税10%の決定はかなり難しい。しかし、財務省は一歩も引かない態勢で臨んでいるのだから、どちらを選択しようと安倍晋三にとっては地獄が待つ。それなら、民意を問うことで、自身の苦境を乗り切る解散権行使も理には適っている。

 まあ、理に適ったことをするには、論理的思考が可能な場合に想定できるのだが、どうも安倍首相の答弁など聞いていると、歴然たる右も左だと言うし、待遇悪化を待遇改善だと言う。そのように答弁しても、何らの恥じらいもなければ、疑問さえ感じている様子もないので、あの人の、次なる行動を予測するのは、神でも仏でも無理だろう。しかし、話は変わるが、曽野綾子ってのは、完璧な勘違い女で、永遠の上から目線女に過ぎず、縁故縁故で生きてきただけの女。たぶん、ほとんど自分の発言に責任を持たずとも生きてきた、希少動物に違いない。彼女の著書(自称小説家だが、作品の題名さえ記憶にない)「人間にとって成熟とは何か」、「人間の基本」、「生きる姿勢」、「人生の原則」、「老いの才覚」等々、自らを真逆に見ることで書いたとしか思えない数々だ。とっておきの題名の本が「なぜ子供のままの大人が増えたのか」だが、オイ!綾子さん、アンタのことだよ!(笑)

PS: 官邸情報に最も近い読売新聞が“解散時期早ければ早い方がいい”のトピック。安倍官邸とツーカーの間柄。解散は秒読みか?次々と閣僚不祥事発覚を握りつぶすにも、解散は禊をも意味するだけに、大いにあり得るカードに見えてきた。

  自民党内で、年内を含めた早期の衆院解散・総選挙に踏み切るべきだとの声がくすぶり始めた。 女性2閣僚の「ダブル辞任」後でも、主要報道各社の世論調査で50%前後の高い内閣支持率を維持しており、消費税率引き上げの先送りを争点に、野党の選挙態勢が整う前に解散に打って出るという作戦だ。ただ、安倍首相が早期解散を決断するか懐疑的な見方も多い。
 「ダブル辞任の支持率下落も最小限に収まった。最も勝てる解散時期は今だ。早いほどいい」
 首相に近い中堅議員は28日、こう強調した。政府・与党内では 衆院解散時期について、「来春の統一地方選や集団的自衛権関連法制の国会審議などを経た来年夏以降が本線」(自民党幹部)と見られてきた。それでも、早期 解散論がくすぶるのは麻生政権下での苦い経験があるからだ。 ≫(読売新聞)


≪ 道徳教科化決定記念!安倍政権が指導書にのせた曽野綾子のトンデモ発言集
  先日の中教審の答申で、道徳の「特別教科」化が事実上決定した。現在「教科外活動」である道徳が格上げされて成績評価対象となり、検定教科書も導入 されるという。いよいよ安倍首相の宿願である愛国教育、いや、国民総ネトウヨ化教育が本格化するわけで、きっとその中身はツッコミどころ満載のものになるはずだ。

 いや、すでにその兆候は現れているといっていいだろう。今年4月から道徳教育の教科化をにらんで、文部科学省が『私たちの道徳』なるタイトルの教科書を小中学校に配布しているのだが、その中学生版に、あの曽野綾子が「誠実」のお手本として登場しているのだ。

 曽野といえば本業は小説家だが、クリスチャンとしてボランティア活動にも取り組んでおり、1995年から2005年までは日本財団会長として途上国支援に飛び回っていたことがしばしばクローズアップされる。だが一方で、彼女は極端な保守エリート主義、しかも大衆侮蔑思想の持ち主としても有名で、これまで差別的な発言を何度も口にしてきた。

 たとえば、そのひとつが、昨夏、「週刊現代」(13年8月31日号/講談社)に寄稿した「甘ったれた女性社員たちへ〜私の違和感 出産したらお辞めなさい」という一文だろう。 「最近、マタニティ・ハラスメントという言葉をよく耳にするようになりました。マタハラとかセクハラとか、汚い表現ですね。妊娠・出産した女性社員に対する嫌がらせやいじめを指す言葉ですが、この問題に対し、企業側は、反対意見を言えないよう言論を封じ込められているようです。(中略)彼女たちは会社に産休制度を要求なさる。しかし、あれは会社にしてみれば、本当に迷惑千万な制度だと思いますよ」

 この時代に出産したら会社を辞めろ!と説教をぶち、法律で保障されている制度を「迷惑千万」と切り捨てる。怒りを通り越していっそすがすがしくな るくらいの反動ぶりだが、しかし、安倍政権って「女性が輝く社会」と銘打って、働きながら子どもを育てることのできる社会の実現を支援しているんじゃなかったけ? それが道徳教育ではこんな人を教科書に載せているのである。有村治子や山谷えり子を閣僚に抜擢するような政権だからって、これはいくらなんでも……。

 しかも、曽野センセイはたんに保守的な「女性は家庭に入れ」論をぶっているだけではない。実はセンセイには一人息子がいるのだが、その育児経験について別の著書でこんな発言をしているのだ。

  「結婚して三年目に長男が生まれたんですが、小説を書くことと子育てというのは、両立がものすごく大変だった。ところが、両親が離婚して、母親が私の家にいたわけですね。だから、最初から計算したわけでもなかったんですが、子どもが生まれたら、母が面倒を見てくれる」(曽野綾子×三浦朱門『夫婦のルール』 講談社) これを受けて、夫の三浦朱門氏も悪びれることなく、曽野が全く育児をしていなかったことを証言する。 「私たちは二人とも忙しかったですからね。夫婦二人では、とてもこまめには面倒がみられなかった。息子は彼女の母親が育てたようなものですね」

 つまり、自分自身は息子の世話を実母に丸投げしておいて、働く女性たちには「出産したらお辞めなさい」と説教していたというわけだ。なんという巨 大なブーメラン。もしかしたら、安倍政権は自分には甘く他人にはとことん厳しくすることを新しい時代の「誠実」と位置づけたいのか。あるいは、これからの厳しい国際社会を生き抜くために「自分のことを棚上げする技術」を教えようとしているのだろうか。

 そんな曽野綾子だが、うってかわって優しい一面を見せることもある。『人間の基本』という著書で、曽野はこんなエピソードを明かす。 「以前、大手銀行に勤める知人が『本社の地下にプールを作って、女子行員とのふれあいの場を作るのが僕のプロジェクトなんです』と言うのを聞いて思わず笑ってしまったことがあります」(『人間の基本』新潮新書)

 当然、この後は苦笑しながら「女子行員はあなたの接待要員ではないのよ」とたしなめ、最近の銀行員の品位のなさを嘆くのだろうと予想していたら、さにあらず。曽野はこの水着の女性行員をはべらしたいと夢想する銀行員の台詞をこう評するのだ。 「彼が頭脳も家柄も抜群なのに絶対に偉ぶらない、都会的なセンスを持った方だからこそ通じる、上等のジョーク」

 完全なセクハラ擁護というか共犯でしょ、これ。しかも、こんなベタな言葉を都会的なセンスで上等なジョークと評するとは、この人が小説家として通 用しなくなった理由がわかる気がするが、とにかく、曽野は男性、とくに家柄のよいエリート男性にはやたら甘く、優しいのである。

 一方で、厳しいのが女性や弱者に対して、だ。どんな過酷な状況におかれている人に対しても、平気で上から目線の説教をする。04年に起こった新潟県中越地震では、地震にあって呆然としている人たちに対して、こう叱るのだ。 「私なら余震の間にどこかからお鍋を手に入れて来て、ガス洩(も)れの恐れのない遠くで、すぐに自分でご飯を炊く」 「お握りやパンの配給があるまで、どうして手を拱(こまね)いているのだろうか。年寄りは年寄りなりに、自分が今まで生きてきた体験上の知恵を働かせて、 なぜ自分たちで生きることに努力しないのだろうか。それでいて国家に不平を言う人もいる」(『産経新聞』04年10月29日)

  11年の東日本大震災の時も同様だった。「大震災の時、私はその場にいなかったのですからよくわかりませんが、その夜から避難所には、食べ物を作る方はいらしたのかしら。私だったら津波が引いたら、鍋とかお釜を拾い出し、ブロックで竃を築いて、燃料はそのへんに落ちている誰の物かわからない木片をどんどん焚いて暖を取りますし、高台に住む人にお コメを分けてもらってすぐ炊き出しを考えますね。(中略)ところが、震災直後には『誰の所有物かわからない鍋や、誰の家屋の一部だったか定かでない木片を無断で拾ったり燃やしたりしたら、窃盗になる』なんてことを言い出す人も少なくなかったそうです」(「週刊ポスト」14年3月21日号)

 津波の去った後で「そのへんに落ちている木片」を燃料にして飯を作る、なんてシーンを小説家が書いてきたら、「それは燃えません」と編集者は突き 返すと思うが、そもそも曽野は小説家とは到底思えないほど想像力に乏しく、他人の痛苦に鈍感なのだ。そして、自分がいかに恵まれているか、ということに対する自覚がまったくない。

 そうした“弱者への冷淡さ”は、06年に東京都世田谷区で発生した中学2年生の少年による自宅への放火事件に対する感想に如実に出ている。加害少年が両親の離婚後、当初引き取った母親と折り合いが悪くなったために、すでに再婚していた父親の家に暮らすようになっていたという背景を、こう言い捨ててのけているのだ。 「今の夫人も、さだめしうっとうしいことだったろう。(中略)しかしとにかく同居に賛成してくれたことだけでも、私はいい女性だったのではないか、と思う」(『昼寝するお化け 第八集 謝罪の時代』小学館)

 14歳という年齢は、社会的にも法的にも大人に庇護されるべき子どもである。この義母が少年を疎んでいたかどうかはわからないが、子どもには親に育てられる権利があるにも関わらず、曽野に言わせれば「うっとうしい」の一言。そもそも、「人権」という考え方自体がしゃらくさいらしい。 「この世で、人間が他者に要求してはいけないものが三つあります。『自分を尊敬しろ』と言うこと、『人権を要求すること』、『自分に謝れ』と他人に言うこと、この三つです。これら三つは要求した瞬間から、相手に侮蔑の念を抱かせるものです。(中略)人権を要求して得るものは、金か、制度だけです」(『人生の基本を忘れた日本人 この世の偽善』共著/PHP研究所)

  しかし、こうやって発言を読めば読むほど、こんな人物を「誠実」の手本として「道徳」の教科書に載せてしまっていいのか、と心配になる。でも、きっ といいのだろう。弱者を叩いて強者に媚びる、自分に甘く他人に厳しい、国家に頼らず自己責任を要求する、女性はよき母親か性の道具でしかなく、社会で活躍するなんて我慢ならない、自分のことを棚に上げて他人に上から説教する 

 ……考えてみれば、これ、全部、安倍政権を支持するネトウヨと共通する心性でないか。国民総ネトウヨ化を狙っている(?)安倍政権としては、曽野綾子はまさにうってつけの教材、モデルなのである。  子どもにそんな教育を受けさせたくない場合はどうするかって? 大丈夫。曽野は前掲『人間の基本』でひとつだけいいことを語っている。

  「文部科学省や学校の先生、親だからといって頭から信用してはいけない。本当は誰も全面的に信用などできなくても、裏を返せばそのすべてが教育材料になります」

 ぜひ、これから安倍政権で教科化した道徳教育を受ける子どもたちにこの言葉を教えてあげてほしい。そうすれば、教科書で曽野のことを読まされても“人の痛みもわからないような恥ずかしい歳の取り方はしたくないね”と思うようになってくれるはずだ。 ≫(リテラ > カルチャー > 作家 > 「産休は迷惑」の曽野綾子が教科書に :酒井まど)

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●駄目ダメ 経済政策失敗・閣僚辞任も支持率維持の怪

2014年10月28日 | 日記
メディア・コントロール―正義なき民主主義と国際社会 (集英社新書)
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●駄目ダメ 経済政策失敗・閣僚辞任も支持率維持の怪

 本日は時間がないので、きっこさんの「きっこのブログ」の“ 内閣支持率と報道の自由指数 ”と云う力作コラムを紹介しておく。筆者の気分としては、この当該コラムに、更にと追加したいものもあるのだが、本日は限界。じっくりと、きっこさんのコラムを読んでいただきた。

≪ 内閣支持率と報道の自由指数
  過去に例を見ないほどの高い支持率をキープしている安倍内閣も、4月の消費税増税を皮切りに、相次ぐ食料品や日用品の値上げラッシュ、製造業の伸び 悩み、過去最大の貿易赤字、株価の足踏みなどで「絵に描いた餅」である「アベノミクス」の化けの皮が剥がれ始めると、ジョジョに奇妙に内閣支持率が下降し てきた。このままじゃ12月にシナリオ通りに「消費税の再増税」を宣言できなくなっちゃう‥‥ってなワケで、安倍晋三首相は、9月に内閣改造を行なうこと にした。

  で、今回の内閣改造の目玉は、皆さんご存知の通り、「女性の活用」ってワケで、安倍首相は鳴り物入りで5人の女性閣僚を誕生させた。でも、これがト ンチンカンな人選で、これまでずっと原発事故による子どもの被曝を問題視して来た小渕優子を「経済産業大臣」に起用したり、これまでずっと「男女共同参 画」に反対し続けて来た有村治子を「男女共同参画」を含む「女性活躍担当大臣」に起用したり、国会議員の規則を破ってばかりいる松島みどりを「法務大臣」 に起用したりと、まったくの支離滅裂。

 他にも、「総務大臣」の高市早苗や「国家公安委員会委員長」の山谷えり子は、極右団体の代表やレイシスト団体の幹部らとツーショット写真を撮ってい たことが発覚し、山谷えり子に至っては献金まで受け取っていたことも発覚した。そして、政治資金の不正問題で小渕優子が、ウチワ問題で松島みどりが、就任 からわずか1ヶ月半で辞任へと追い込まれた。その上、小渕優子のアトガマの宮沢洋一は、就任から3日で「SMバー」の問題が浮上し、東電の株を所有してい たことまで発覚。一方、松島みどりのアトガマの上川陽子も、2009年の衆院選では選挙違反で事務所スタッフが逮捕されていたことが発覚しちゃった今日こ の頃、皆さん、いかがお過ごしですか?

 ‥‥そんなワケで、「女性の活用」という看板で内閣支持率を引き上げて、12月の「消費税の再増税」の宣言へと突入しようと考えていた安倍首相の目論み は、完全に裏目に出ちゃったワケだ。まあ、若い小渕優子を「経済産業大臣」に抜擢して、就任直後に福島第一原発を視察させ、「原発事故はコントロールでき ている」「汚染水は完全にブロックされている」と宣言させ、その流れで「安全が確認された原発は順次、再稼動して行く」とまで言わせたんだから、多くの国 民は、この時点で、「これじゃあ『女性の活用』じゃなくて『女性の利用』じゃねえかよ!」って思ったことだろう。

 で、ここまで不祥事が連発しても、何故だか安倍内閣の支持率は、それほどは下がらない。今回の小渕優子と松島みどりのダブル辞任を受けての各紙の世論調査の結果は、以下の通りだ。
【共同通信社】 内閣支持率 48.1%(6.8ポイント減) 不支持率 40.2%(11.2ポイント増)
【毎日新聞】 内閣支持率 47%(前回と同じ) 不支持率 36%(4ポイント増)
【朝日新聞】 内閣支持率 49%(3ポイント増) 不支持率 30%(3ポイント減)
【日本経済新聞】 内閣支持率 48%(5ポイント減) 不支持率 36%(5ポイント増)
【読売新聞】 内閣支持率 53%(9ポイント減) 不支持率 37%(7ポイント増)

 これを見れば分かるように、なんだかんだ言っても、5割前後の国民が安倍内閣を支持してるのだ。ま、こうした世論調査は、電話帳でランダムに選択した人に 電話をして調査してるので、自宅に固定電話があり、それを電話帳に登録している人で、さらには、昼間に自宅にいる人‥‥ってことになるから、大半は「専業 主婦」であり、極めて偏った結果になる。その上、読売新聞の場合は、「どちらとも言えない」と答えた人に対して「どちらかと言えば支持ですか?不支持です か?」という「重ね聞き」をして、ここで「どちらかと言えば支持」と答えた人も「支持」にカウントするという方式なので、必然的に支持率が高くなる。

 ‥‥そんなワケで、9月21日付の「ビジネス・ジャーナル」の 須田慎一郎氏の記事によると、内閣官房高官が「もう朝日新聞や毎日新聞は読む必要はありませんよ。新聞は、読売の一紙だけ読んでいれば十分」と発言したそ うだ。リンク先の記事を読めば分かるように、これは、朝日新聞の「慰安婦問題」を受けての発言だけど、もちろん、それだけじゃなくて、「安倍政権と読売に よる世論統制」について、深く掘り下げてある。

 「ここ最近の読売は、いうなれば『日本版人民日報』と化している。政府の公式見解を知りたければ読売を読めばいい、というのが各国情報関係者の一致した見方となっている」

 「情報のコントロールがこちらの思惑通りに進めば、メディア統制も可能になってくる。そしてメディア統制に成功すれば、世論形成もリードすることができるようになる」

 記事の中のこれらの証言も、先ほどの他紙を突出した読売新聞の内閣支持率を見れば合点が行くだろう。これはあたしの推測だけど、読売新聞の世論調査の内閣 支持率は、「どんなことがあっても絶対に50%を割り込むな」という暗黙のルールでもあるかのように感じられる。そうでなければ、これほど国民生活を苦し くさせて、これほど不祥事を連発している内閣の支持率が、53%もあるワケがない。

 ‥‥そんなワケで、安倍政権によるメディア統制は、読売新聞だけじゃない。そう、安倍首相が自分の息の掛かった人物を会長や経営委員に据えたNHKだ。8 月18日付の毎日新聞の「籾井会長下で安倍政権寄りに?NHK「ニュースウオッチ9」核心はどこだ」という記事には、次のように書かれている。

 「89対1。ニュースウオッチ9が、集団的自衛権行使容認を巡る報道で、与党・政府の動向に割いた時間と、容認反対派側の動向を報じた時間の比率だという。元NHKディレクターで「放送を語る会」の戸崎賢二さんの試算だ。」

 詳しく説明すると、安倍首相が「集団的自衛権の行使容認」についての会見を行なった5月15日から、強引に閣議決定してしまった7月1日まで、NHK 「ニュースウオッチ9」で「集団的自衛権」について取り上げた時間をすべて調べてみたところ、安倍首相の主張や政府与党の動向について割かれた時間が 「6840秒(114分)」だったのに対して、反対派の主張や反対デモなどについて割かれた時間は、わずか「77秒」だった‥‥というものだ。

 果たして、これが、「中立的な報道」と言えるだろうか?百歩ゆずって、読売新聞や産経新聞のような民間の報道媒体であれば、多少はそれぞれの社のカ ラーが出てしまうのも分かる。でも、NHKは公共放送なんだから、サスガにこれはアウトだろう‥‥ってなワケで、これは日本ではまったく報じられてないけ ど、10月17日付の英国タイムズ紙が、こんなニュースを報じた。

「Japan’s ‘BBC’ bans any reference to wartime ‘sex slaves’」 (日本のBBCは戦時中の「性奴隷」についての報道を禁止された)

 「BBC」ってのはイギリスの国営放送なので、「日本のBBC」ってのは「NHK」のことで、イギリス人に分かるような見出しにしたワケだ。記事を読んでみると、次のようなことが書かれている。

 「戦時中に南京で行なわれたレイプについての発言の禁止は、公共放送局であるNHKが公共性を放棄したことになる。英国タイムズ紙が入手したNHKの内部 文書によると、日本の公共放送局であるNHKは、戦時中に南京などで行なわれたレイプ、悪名高い従軍慰安婦という性奴隷について、国が関与したという内容 などを報じることが禁止された。この規則は、日本の保守的で国家主義者である安倍晋三首相の立場を反映したものと思われる」 http://www.thetimes.co.uk/tto/news/world/asia/article4239769.ece

 ‥‥そんなワケで、数日前に、世界の国々の「報道の自由指数」の2014年度のランキングが発表された。これは、文字通り、その国の報道媒体が「どれくら い権力に左右されずに自由に報道できているか」という指数を調査、比較したもので、今年2014年度は、次のような結果だった。 1位 フィンランド 2位 オランダ 3位 ノルウェー 4位 ルクセンブルグ 5位 アンドラ 6位 リヒテンシュタイン 7位 デンマーク 8位 アイスランド 9位 ニュージーランド 10位 スウェーデン 33位 イギリス 46位 アメリカ 59位 日本 http://rsf.org/index2014/en-index2014.php#

 「えっ?日本ってこんなに低いの?」って思った人も多いと思うけど、ここで、過去10年間の日本のランキングを見てみよう。

 【日本の報道の自由指数の世界ランキング】 2005年 37位 2006年 51位 2007年 37位 2008年 29位 2009年 17位 2010年 11位 2011年~2012年 22位 2013年 53位 2014年 59位

 これを見れば一目瞭然だけど、民主党政権下では「17位」「11位」「22位」だったものが、2012年12月に安倍政権が誕生したトタン、2013年は 「53位」に急落し、2014年には、さらに「59位」まで落ち込んだのだ。それどころか、過去にさかのぼると分かるけど、第1次安倍政権の2006年も 「51位」って、松田優作じゃなくても「なんじゃこりゃ~!」って感じだ。

 ‥‥そんなワケで、時の首相が自分の政権を維持するために、新聞社を丸め込んで「盛りに盛った内閣支持率」を公表させ続ける。公共放送の会長や経営委員に 自分の息の掛かった人物を送り込み、政権に有利な内容ばかりを報道させ続ける。こうしたメディア統制によって世論を形成すれば、放射能汚染水が海にダダ漏 れでも、南海トラフ大地震が迫っていても、お給料が上がらないのに物価ばかりが上がり続けても、テレビと新聞からしか情報を得ない多くの人たちは、今の日 本が希望に満ちた未来へと向かっていると錯覚してしまう。そして、憲法解釈をも閣議決定だけで変更してしまうような傍若無人な独裁者を看過してしまう今日 この頃なのだ。 ≫(2014.10.27日・きっこのブログ)
参考URL  http://kikko.cocolog-nifty.com/kikko/

NHKと政治権力――番組改変事件当事者の証言 (岩波現代文庫)
永田 浩三
岩波書店


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●安倍自民の争点隠し選挙 ついに抱きつき・寝返り戦術

2014年10月27日 | 日記
原発広告と地方紙――原発立地県の報道姿勢
クリエーター情報なし
亜紀書房


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●安倍自民の争点隠し選挙 ついに抱きつき・寝返り戦術

 結果が判り過ぎた選挙ほど、ツマラナイものはない。よくも45%もの有権者が投票所に足を運んだものである。ある意味で、日本人の律義さを見る思いだが、どこかバカバカしくもある。安倍自民は、野田佳彦と云う前代未聞の自爆解散をした愚かな英雄気取りの男のお陰で、漁夫の利を得ただけの偶発的政権なのだが、歴史とは面白いもので、こういう無能政権でも長期政権化させる様々なテクニックが政治の世界にもある事を、いま我々に教えてくれている。

 選挙の争点でもないことを、百年の計であったかのような顔で、シラッとして、“ギャオ!”という法案を次々と通過させてしまうのだから、民意を示す選挙などと云うものは、安倍政権を観察する限り形骸化していると断じても構わないようだ。こんな選挙制度、こんなデモクラシーなんかやめて、独裁政治でも、なんら変わりはないようにさえ思えてくる。到底勝てそうもないと思う選挙は、どうやって引き分けに持ち込むか、どうやって抱きつくか、どうやって当選者を寝返らせるか、こういう事ばかり考えている政治集団のようにも思えてくる。

 おそらく、歴史の神も気紛れが産んでしまった安倍自民党政権なのだが、滋賀県知事選の予想外の大敗北で、自分たちの実力の程を思い知ったのだろう。しかし、安倍晋三に、その自覚はないわけだから、菅官房長官以下が、あらゆる政治的、時には利益誘導、恫喝等々の政権運営テクニックを駆使して、延命を図っているのが、現在の安倍政権だと思っておいていいだろう。安倍官邸のマスメディアへの締めつけは日に日に強くなり、開戦前夜の趣さえ漂わせている。

 今回の福島県知事選も、地元県連が公認申請した自民党独自候補擁立の動きを制し、現知事後継者の内堀候補絶対有利から、民主党推薦候補に抱きつく、所謂「負けないだけの選挙」を選択したことになる。既に、国家を動かす原動力である、立法すべて、行政のほとんど、主だった司法を抑え込んだのだから、もう「勝つ」必要はないと云う安全運転に心掛けるだけで良いと腹を括っているようだ。彼らに「勝つ選挙」「攻めの姿勢」は無用なのである。この絶大な権力の外環を守れせるのが、マスメディア及び学者識者だが、この守備にも現時点で遺漏はないようだ。

 筆者などは、佐藤雄平知事が厭に出馬表明の時期を意図的に遅れせている点が気がかりだったが、結局、選挙の趨勢を見極めるための時間稼ぎをしていたわけで、ある意味で、佐藤雄平は自民党、又は霞が関との関係を重視した結果のように見えてくる。まあ、半分は引かれ者の小唄のような感情だが、当たらずと雖も遠からじなのだと思う。この次は沖縄県知事選だが、こちらは乱戦模様に持ち込んだ感がある。一つだけ、本土と異なる点はマスメディアを完全なコントロール下に置けない点だろう。

 投票行動の原動力の目玉を提供できない以上、第一段階は乱戦模様に持ち込むことだ。この乱戦でも、反辺野古新基地派が勝利が固いとなれば、今度は、その勝利者を仲井真同様に寝返らざるを得ない、基地以外の優遇策風味の締めつけに奔走するだろう。このような政権に為政者になられた主権者国民は、不在も同様なのだが、抵抗する術の多くは、既に取り上げられているので、対抗し得るツールは、極めて限定的になってきた。福島の新知事になる堀内氏にしても官僚出身なわけで、霞が関との親和性の中での行政能力なのだから、行政区である福島は残すが、県民に寄り添う行政をする期待は幻想だろう。

 官邸の主が、各地で火をつけ回る放火犯の様な言動を繰り返すのだが、黒子のようについて回る連中、菅官房長官を筆頭にかなりテクニシャンらしく、現時点では火消しに成功している。二人の閣僚の引責辞任も、支持率にさしたる影響を及ぼさなかったようで、腹を下すような支持率低下には至っていない。TPP交渉も難航しているような報道ばかりが目立つが、概ねまとまっているような気もする。そして、苦渋の選択であったがと、沖縄県知事選が終わった後で、会見を行うようで仕方がない。

 つまり、一つの政治勢力に「全権委任」するような選択は、主権者国民不在の政治を強化するだけだった、と云うことになる。「決められる政治」を望んだ結果、「決められてしまう政治」の罠に嵌ったわけだが、現時点の国民から、はらわたが煮えくり返るほどの怒りも生まれていないようだから、このままズルズルと自民党政権の、既得権重視国家運営が、10年、20年と続く、悪い予感がしている。南無阿弥陀仏とでも唱えておこう。


≪ 福島知事に内堀氏=原発事故後初、相乗りで制す
  任期満了に伴う福島県知事選は26日投開票され、無所属新人で前副知事の内堀雅雄氏(50)が、元岩手県宮古市長の熊坂義裕氏(62)ら新人5人を抑え初当選した。2011年3月の東日本大震災とそれに伴う東京電力福島第1原発事故後初となった今回の知事選では、自民、民主両党など主要政党が、県政継続を掲げた内堀氏に事実上相乗りした。震災の被害が大きかった岩手、宮城、福島3県では、震災を経ての初の知事交代となる。
 投票率は45.85%で、過去最低だった2010年の前回(42.42%)を3.43ポイント上回ったものの、前回に続く過去2番目の低さとなった。
  これまで民主党や連合福島などの支援を受けてきた佐藤雄平現知事が選挙直前に引退を表明し、内堀氏を後継に指名。自民党は、7月の滋賀県知事選に続く敗戦や、それによる11月の沖縄県知事選への影響を懸念し、一度は元日銀福島支店長を独自候補とした福島県連の決定を党本部が撤回させ、内堀氏支援に回った。 原発政策は、全候補者が福島第2を含む県内10基の廃炉で一致し、争点とならなかった。
 内堀氏は、自民、公明、民主、社民各党から支援を受け、手堅い組織戦を展開。原発事故による避難地域の再興、トップセールスによる風評被害払拭(ふっしょく)を掲げ、副知事として震災からの復興に取り組んできた経緯も訴えた。
 熊坂氏は、「原発被害対策の総見直し」など県政刷新や、医療・福祉都市に導いたとする3期12年の宮古市長経験をアピール。県外原発の再稼働反対も主張、県外については言及を避けた内堀氏との違いを際だたせようとしたが、及ばなかった。
 前双葉町長の井戸川克隆氏(68)ら4人も独自の政策を掲げ、県政転換を強調したが、浸透しなかった。 
 ◇福島県知事選当選者略歴  内堀 雅雄氏(うちぼり・まさお)東大経卒。86年自治省(現総務省)に入り、福島県生活環境部長などを経て06年12月副知事。50歳。長野県出身。当選1回。 ≫(時事通信)

日本はなぜ、「基地」と「原発」を止められないのか
クリエーター情報なし
集英社インターナショナル


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●マックが潰れかけ、ユニクロは元気 他国文化を受入れる意識

2014年10月26日 | 日記
ラーメン屋vs.マクドナルド―エコノミストが読み解く日米の深層 (新潮新書)
竹中 正治
新潮社


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●マックが潰れかけ、ユニクロは元気 他国文化を受入れる意識

 今日は頭がお疲れ気味なので、一昨日感じたことをひと言という感じのコラム。 知らかったが、マクドナルドが8月から全店禁煙になったのだそうだ。日本の文化を、ジャンクフードを携えて、一気にアメリカンにしたファストフードの象徴がマックだ。食い買い文化を銀座通りまで持ち込んだのが、マックだった。あの風景で、日本のいわゆる喫茶店文化は上場に衰退していった。しかし、街場では個人の一徹で、それなりに根強く生き残っているのが、なんとも日本文化的で生きた心地がする。あまり美味しくはないコーヒーであっても、淹れたオヤジの顔が見えた。武骨な手で作ってくれるナポリタンは昭和そのものだ。

 それはさておき、街場のサラリーマンにとって、100円マックと100円コーヒー、そして一服は、一日の闘いに向かい英気を養う場でもあった。つまり、どこかで、マグドナルドも、現地である日本文化とのマッチングに配慮していたと云うことだろう。経営指標として、喫煙者の割合の低下は、排除の論理でもマーケットは成立する読んだ上のことだろうが、果たして、その統計数値に表れない要素を加味する余裕は、日本人ではない現在の社長には考え及ばなかったと思われる。

 まったく異なる中国産鶏肉事件でマクドナルドは、危機に陥り、その回復のめどが立たない中での、今回の全面禁煙方針には、勇気ある理念の貫徹と云う評価と、日本人の文化を捻じ曲げてでも、マーケツトに君臨できると考える現代アメリカンな経営姿勢の一環を垣間見た思いだ。ジャンクフードを売っておきながら、喫煙は身体に悪いと云う相反な理念は、スローフード運動を逆手に、ロハス等と云うまがい物でマーケットを形成しようとした、アメリカ人の底の浅さを感じてしまう。

 しかし、逆らいたくても逆らいきる腹積もりのない安倍政権、否、財界人どもが、TPPで、このチョツとした街場の現象まで変えていこうとしていることからも、観察は可能だ。しかし、マックが日本人の支持を受け続けられるかは、かなり疑問だ。筆者の感覚では、日本撤退と云う方針さえ考えるのではないのか、と云う思いで見ている。面白いことだが、名古屋で発生した「コメダ珈琲」という喫茶店に勢いがある。此処は分煙だが、アバウトに分煙している店も多く、コーヒーの味も今一つだ。しかし、この店には「個のスペース」を提供する姿勢が明確だ。ルノワールのさっぱり系だと思えばいい。コメダのような店づくりは、日本文化との融合から生まれたと見ていいだろう。TPPが日本にどんな災いを持ってくるか、日本人の文化否定だけは間違いがない。

 霞が関官僚の日本人的群れを打破してもらう分には、文句はないが、街場の文化さえ、一夜にして変貌させるものであるのなら、日本文化で、徹底的に闘争を仕掛けるのも面白いかもしれない。アメリカ文化が正しく、日本文化が誤り等と云う図式はないわけで、彼らにそれを味わってもらうのも一興だ。こちら側にも余程の気構えはないと、物量作戦で負けてしまうのだから。以上のような事を考えていたら、ユニクロのアジア進出のコラムがあったので、ざっくり読んだが、マグドナルド等々アメリカンとはかなり違うアプローチを見ることが出来る。


≪ アジアで試行錯誤するユニクロ 国内の常識通じず
 ファーストリテイリングがアジアで事業を拡大している。2002年に中国でカジュアル衣料店「ユニクロ」の1号店を出して以来、試行錯誤を重ねてき た。小ぎれいな店で手ごろな価格の普段着を売る日本と同様のモデルを展開するが、消費動向など日本の常識が通用しないことも多い。現地取材で各地の幹部らの奮闘ぶりを追った。

■セ氏30度超でも冬物中心  
 シンガポールの中心地にあるショッピングセンター「ブギス+」。この施設の角地に入居する「ユニクロブギス+店」は、シンガポール初のユニクロの路面店と して12年開業した。売り場面積は計1800平方メートルほど。9月25日に訪れると、売り場の目立つところに「ウルトラライトダウン」(69.90シン ガポールドル、約5900円)やフリース(29.90シンガポールドル、約2500円)が並んでいた。
 セ氏30度を超える最高気温の日が 続くなか、冬物をメーンで売り出している様子に違和感を覚えた。大賀裕美子店長に理由を聞くと、「シンガポールは海外旅行を楽しむ人が多く、旅先で使おう と買っていく人が多い」と説明した。発熱保温肌着「ヒートテック」も売れ筋上位の常連という。
 前日に訪ねたマレーシアの首都クアラルンプールの店舗でも、フリースなどが置かれ、気温が高くても売れる。購入客はやはり海外に旅行に行く地元客や、海外から旅行に来た観光客だ。この店ではイスラムの女性客も多い。
 意外な売れ筋は、男性向けのデニムシャツのSサイズ。「イスラムの女性は身体のラインが出やすい女性向けより、男性向けのSサイズを選ぶことが多い」(同店)。東南アジアでは日本人にとっては思いもよらないニーズがある。
 ユニクロの東南アジア進出は2009年。シンガポールを皮切りに、現在はマレーシア、フィリピンなど5カ国で約80店舗を展開する。直近1年で東南アジア の店舗数は2倍に増え、将来1000店舗まで増やす構想を持つ。これまでは都市部への出店が中心だったが、今後は地方への出店を増やしていく。 「客観的に見て順調に伸びてきたと思う。ただ、もっと速いスピードで成長しなければならない」と語るのは、東南アジア事業を統括する、大笘直樹・グループ上席執行役員だ。
  ユニクロが世界各地で戦うライバルは「ザラ」を展開するインディテックス(スペイン)や、ヘネス・アンド・マウリッツ(H&M、スウェーデン)といった国 際的な衣料品店チェーン。東南アジアにおいては、ザラやH&Mと比べユニクロは「店舗数も規模も勝っている。我々はもっとリスクを取り、地方都市を攻めて いく」という。
 鍵を握るのが商品施策だ。東南アジアだけで売っている低価格商品の「Feel the SEA(サウス・イースト・アジア)」を拡充していく。2013年夏から販売を始め、現在はTシャツやポロシャツをそろえる。

■Tシャツは半額以下
 マレーシアで売っていたT シャツの価格は19.9リンギット(約650円)と通常の半額以下。10月には専属の商品企画担当者をシンガポールに置き、今後はワンピースなど種類を増 やしていく。アジアでは主要都市以外に行くと所得水準が十分に上がっておらず、これまでユニクロが展開していた価格では手が届かない人も多いからだ。
  価格の安さだけでなく品質やデザインの魅力も打ち出して「Feel the SEA」を、東南アジア発のグローバル商品に育てる考え。念頭に置くのは日本 で1998年にヒットし、ユニクロの成長を支えたフリースだ。当時のフリースのような起爆剤となりうる商品を出し「日本のユニクロではなく、アジアのユニ クロと思ってもらえる日を実現したい」(大笘氏)という。
 先行して事業展開してきた中国では、ユニクロの店舗数は現在300を超えた。中 国に台湾と香港を加えた「グレーターチャイナ」地域のファストリの売上高は、2014年8月期に前の期比67%増の2081億円、営業利益は同83%増の 248億円と急成長を遂げている。中国市場は日本に次ぐ稼ぎ頭に育った。ただ、最初から順調だったわけではない。

 ■赤字続きだった中国事業  
 「最初の仕事はオープンしたばかりのユニクロの店を閉めることでした」。中国事業を統括する潘寧・グループ上席執行役員は振り返る。05年に上海に赴任し た際、ユニクロは赤字続きだった。日本より安く売ったところ、安売り競争に巻き込まれブランドのイメージを落としていたのだ。
 潘氏は立て直しに奔走した。当時の年間予算の大半を使い、上海市の新しいショッピングセンターで大型店を開設。安売りを見直し、「中産階級向けの高品質ブランド」として訴えた。店員の教育や販促にも力を注いだ。
 ブランド力向上のための旗艦店が昨年秋に開業した「ユニクロ上海店」だ。同店はグループの他ブランドも含め、地下1階、地上5階で構成する。総売り場面積は約8000平方メートル。世界でも最大級のユニクロだ。多数のマネキンが設置されており、約30人の「ビジュアルマーチャンダイジング(VMD)」チームが着こなしの提案など、魅力ある売り場作りに工夫を凝らす。
 「商品の良さを伝えるため、特にVMDに力を入れている」。そう語るのは、約1年、店長を務め、現在は中国南部のマーケティングを担当する西村昌巳氏。日 本のユニクロでは、新聞の折り込みチラシを見て、特定の商品を買おうと来店する顧客が多い。ただ、中国では日本ほど新聞の宅配制度が整備されずチラシを活 用できない。「中国ではふらっとお店に来て『この商品はいいな』で終わってしまう来店客が多い。いかに買ってもらうかが課題」(西村氏)という。
 そのため1階の売り場は毎月全面的に刷新し、新鮮なイメージを絶えず打ち出す。あえて5階に話題性のある商品の特設売り場を設け、上層階への来店も誘う。

■競合他社との差大きく
 世界展開では「ザラ」や「H&M」といった競合との差はまだ大きい。両社の連結売上高は2兆円規模で、ファストリの14年8月期の連結売上高1兆3829億円を大きく上回る。
 10月7日には米ナイキの企業広告などを手掛けた実績を持つジョン・C・ジェイ氏を、グループの商品や店舗デザイン、販促など総合プロデュースする新ポストに起用すると発表。グローバル展開ではブランド力とマーケティング力の向上が不可欠との判断がある。
 柳井正会長兼社長は「2020年度に売上高5兆円」という高い目標を示し、「インディテックスとH&Mを追い抜く」と社内を鼓舞する。柳井会長が思い描く理想を形にできるまで、各地のスタッフたちがどこまで食らいついていけるか。今後数年が正念場になりそうだ。 ≫(日経新聞:企業報道部 川上尚志)

ユニクロ帝国の光と影 (文春文庫)
横田 増生
文藝春秋


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●マタハラだけか?育休はジョーク、サービス残業、首切り

2014年10月25日 | 日記
北の自然を生きた縄文人・北黄金貝塚 (シリーズ「遺跡を学ぶ」097)
クリエーター情報なし
新泉社


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●マタハラだけか?育休はジョーク、サービス残業、首切り

 見出しだけの問題ではない労基法違反は、日本の企業の常識でもある。安倍政権だけが現在の労基法に横やりを入れようとしているわけではない。連合と云う労働組合もどきも、その横やりに半ば与しようとしている。労働組合華やかなりし日々は、遥か遠い世界のおとぎ話のようだ。筆者は、かなりの大企業で労組対応の窓口業務をやらされた経験がある。製造業だったが、会社側も充分に労基法の遵守を気遣っていた。

 このような現象は、自由主義的民主主義を標榜する国家に生まれ変わるのだ、と云う気概が、労使ともに存在していたので、成り立つ構図だったのだと、今にして思う。バブル期の頂点では、企業は社員あってなんぼの世界でさえあった。その時、国民の総中流意識も頂点に達していたのだろう。俺たちは、もう労働者ではない、プチブルなのだと思い込む日常があったのである。そうなると、全員の管理職意識が強くなり、資本家は我々の敵と云う観念は薄らぎ、気がつくと、社長も仲間じゃないかと云う倒錯した感覚が蔓延したような気がする。

 特に創業者イコール経営者の時代が終わり、サラリーマン社長が増えるに従い、中流階級意識の労働側と経営者だとは思っていないで育った経営者の融和と云うか、糞味噌の区別のつかない労働慣行が、日本の労基法を含む、労働文化の変容を容易にした。それも、誰一人、明確な自覚なしに、その改革は行われたのである。以上は、筆者の経験上肌で知った日本の労働文化の変遷なのだ。しかし、バブル崩壊後、サラリーマン社長ら立場はバブル期同様に維持乃至は向上したが、総中流意志でプチブルに酔いしれていた労働階級は、その地位を低下させた。

 20年、30年と経つにつれ、政権の方向性は言葉のイメージ作戦では、勤労者の待遇改善を謳いながら、労働文化の中を上滑りながら日本人の記憶に留まった。しかし、その言葉が持つイメージを、実態に沿って活用できた民間企業は、ごく稀で、官公労・準官公労労働者の特権としてだけ定着した。このような事態は、霞が関官僚らが意図的に企てた戦略ではなく、おそらく、時流に乗っていくうちに、いつのまにか、そのようになったのだろうと思う。

 そうなると、何が起きるかと云うと、創業精神のある一部の大企業と官公労関連の職場でしか成立しないような労働モデルがシンボリックにマスメディア取り上げることで、真っ当な企業はそうなんだと思いこむ民間で働く労働者の意識に蔓延するのである。中流の地位から陥落したことは、合理的数値で十二分に証明されているが、彼らの多くは、プチブル階層から陥落させられた自覚を敢えて強く認識しない点が面白い。一時の総中流意識の効用は、想像外の力を発揮し、サラリーマン社長ら経営陣との開くばかりの差異は、自己責任と云う、まったくもって殊勝な心掛けに取った変わる。

 儒教精神と欧米近代文化を生半可に吹き込まれ醸成された、明治維新後の日本人の最悪の精神構造は、誰に命じられることなく、自己責任が存在することを、薄々自覚している。このような国民の大多数の意識構造は、期せずして、サラリーマン経営者になれた人々にも伝播し、自己責任で経営陣になった意識にも繋がる。そして、自己責任で、中流階級を陥落した人間を使い回す精神的バックボーンまで共有するのだ。最近、安倍政権がことあるごとに、意見交流の場と銘打つ「政労使会議」などは、典型的に、この労働者の自己責任意識にもとづく象徴的会議である。

 まあ、そんなこんなだから、日本の多くの大企業、中小企業などにとって、「マタニティ・ハラスメント」なんてのは、当然なほど当然に起きる現象であって、現場を知っている人間は、あの人たち「自己防衛能力」に欠けているのよ、と思い込む方が多い。残業時間が多い少ないも問題だが、労働協約があるが故に、残業時間は制限され、上司の資質一つで、サービス残業が蔓延するのである。勿論、文句を言いたくても、一人では力不足だが、労組が、サービス残業に目をつぶる傾向も顕著だ。育児休暇などと云う制度も、官公労に所属する職場の竜宮城のようなもので、現実の企業実態に反映している筈もない。

 経団連等々の日本企業の経営者と呼ばれる人々に、人間としての哲学が欠如していることは、多くの人々が知っているが、それは彼らが総中流社会での生き残りであり、突然変異した人々だからである。つまり、運よく生き残りに成功したプチブル人種と云うことだ。こういう輩は、時に残酷になれる。バブル期に雇って糞の役にも立たないお荷物中年社員の首切りが自由に出来るツールを欲しがる。労働者が団結することがなくなった総中流時代の精神構造は、生き残り、労組の組織率も低下の一途で、自分を守る方法は自分だけなのだが、その自分さえ、俺は運が悪かった、時には努力や能力が足りなかったと殊勝な気持ちになるのだから、働く人々の人生サイクルは、これからも益々悪化するのだろう。

 この悪魔のようなサイクルから抜け出す方法は、おそらく都市文化の中では実現不可能だろう。無論、才能や努力を惜しまず、且つ運命が味方すれば、都市文化の中でワクワクドキドキで生きられる人種もわずかには出てくるが、それは例外に過ぎない。おそらく、都市を捨て、20世紀の人生成功モデルを捨て、21世紀、22世紀的生き方を模索し、そして実行する人々は、年収が少なくても、豊かな時間と空間を得るのだろう。ただ、このユートピアには、それこそ保証は存在しない。それこそが自己責任な生き方になる。しかし、すべての行為が、すべて自己責任であるなんてのは、まったくもって納得できる生き方である。

内閣官房長官秘録 (イースト新書)
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●文科省の道徳教育 “弱者を叩き、強者にへりくだれ”

2014年10月23日 | 日記
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●文科省の道徳教育 “弱者を叩き、強者にへりくだれ”

 以下のニュースは、アメリカ国民を恐怖に陥れるかもしれない。エボラウィルスでも、あれだけ大騒ぎする国家だ、アメリカ各地で、イスラム原理主義者の捨て身の攻撃に晒される恐怖を味わうかもしれない。朝日新聞は以下のように報じている。

≪ カナダ国会内で発砲 商業施設付近でも テロの可能性
  22日午前10時(日本時間同日午後11時)ごろ、カナダの首都オタワの国会議事堂内で発砲事件があった。国会は開会中だったが、カナダ政府によるとハーパー首相は無事で、国会周辺から避難したという。また、直前には近くにある国立戦争記念碑でも発砲があり、AP通信によると護衛していた兵士1人が撃たれて負傷した。その後、銃を持った男が国会に向かって走る姿が目撃されていた。
 カナダの警察によると、オタワの中心部にある商業施設付近でも発砲があり、複数の容疑者が関与したテロ事件の可能性があるとして捜査をしているという。
 カナダのグローブ・アンド・メール紙によると、議事堂内にいた記者たちは、警察から床に伏せて避難するよう命じられた。同紙の国会担当記者はツイッターで「数十発の銃声が聞こえ、廊下は火薬の臭いが漂っている」と発信した。ロイター通信は近くにいた目撃者の話として、「黒い服を着た男が顔を布で覆い、銃を持って国会の方向に走っていくのを見た」と伝えている。
 発砲した容疑者が死亡したとの情報もあるが、確認されていない。警察は、住民に対してオタワ中心部に近づかないように求めるとともに、建物の窓から離れるよう呼びかけている。
 カナダ国会は8日、過激派組織「イスラム国」に対する空爆に参加することを賛成多数で承認した。また、カナダのメディアによると、17日には国内でテロの可能性が高まっているとして、警戒レベルを「低」から「中」に上げていた。カナダ政府は具体的な脅威があったわけではなく、「イスラム国」やアルカイダ関連の組織からの情報発信に基づき、テロが起きうると判断した、と説明していた。
 一方、20日にはモントリオール近郊で2人の兵士が車ではねられ、1人が死亡する事件が起きている。車を運転していた男(25)は警察に射殺され たが、過激なイスラム思想を抱いているとして警察が監視対象にしていたこともあり、テロ事件の可能性が高いとして捜査が続いている。 ≫(朝日新聞:ニューヨーク=中井大助)


 NY市場は、この事態を受けてか、高値で始まった市場は、小さなテロ頻発を受け、午前2時現在、マイナスに急降下している。マネーの力は、民主主義的資本主義におけるゲームとしては、自分たちに都合の良いルールを次々と創りだして、好き勝手出来るのだから、如何にも盤石に見える。しかし、どれ程の軍事力を持ち、政治力も資金も用意できたとして、貧者の怒りの鉄槌に対抗できる準備に充分はあり得ない。テロ勢力がイスラム国勢力だけのことかどうか判らないが、富める者が青天井に富み、貧者は、どこまでも貧乏になる仕組みだとすれば、対抗する手は限定されていくのは当然だ。

 その意味で、貧者、弱者の最大の武器、自爆的無差別殺戮行為なのも合理的には理解される。筆者が推奨するわけではないが、テロは彼ら貧者や魔女扱いされている人々の対抗手段に自爆的無差別殺戮行為(テロ)が含まれたからと云って、慌てる方が奇妙なのである。経済搾取、軍事力で痛めつけられている分、何かで、その被害の鬱憤を晴らそうと云う精神は、日本のネトウヨが玩具のような言説で好い気になっているのとはわけが違う。理不尽かもしれないが、魂は籠っていることになる。

 23日、明けた東京市場はイスラム国勢力等によるテロ?のショックはゼロで、単にNY市場の下げに連動した程度の下げ状況にある。まあ、グローバル世界に住んでいるのだ、欧米価値観に追随していれば損はないと云う思想も信条も持ちえない国家らしい、株価の動きだ。しかし、情報インフラの発達は、情報の囲い込みを意のままに行えなくなっているわけで、アメリカンな1%の富の独占、99%の貧者と云う統治構造が、経済論理上合理的であったとしても、論理の世界で99%の囲いに追い込まれるしかない人々の怒りや理不尽、不条理に対する、自暴自棄な運動が起きるリスクはかなり高いレベルに引き上げられている。

 今後、どのような経緯で、これら様々なな地域で、様々な歴史的背景を抱えた虐げられている人々が、情報インフラを通じて、勃発的、時には連動的に、欧米列強勢力が構築した支配システムが盤石だと知れば知るほど、彼らが選択できる手段は限定的なので、市場メカニズムと関係のない、市場に混乱を齎す要因(時限爆弾)を抱えながら、理論的数値に頼ってマーケット内を歩くのだから、非常に怖いマネーマーケットになるのだろう。

 わが国だけを見た場合、産業の海外拠点化は着々と進んでいるし、少子高齢化現象の本格的影響は10年後には、驚きの町の景色を我々に見せてくれるに違いない。地域の空洞化、都市集中と共同体の喪失。この集団就職時代からのつけ回しは、これから我々日本人が払っていかなければならない国家的借財なのである。ブルームバーグのコラムではない、市場の自然なメカニズムから派生しそうな成長分野は、医療と介護分野だけだろうと云う指摘は正しい。この国家の構造的問題を隠ぺいし、GPIF年金積立金を崩壊リスクを抱えた民間の株式債権市場に注ぎ込もうと云うのだから、出鱈目も度を越している。

 既存勢力への同調圧力に抗えない政治の力には、正直絶望に近いものがある。個々の政党がダメなのも事実だが、では21世紀、22世紀に向かって国の方向を変えるビジョンを提示できる状況があるかと聞かれれば、それもない。そんなものを、真顔で提示したところで、夢想家、時には馬鹿呼ばわりされるのが自明なのだから、そういう事も起きない。まあ、ずるずると崩落していくのだろう。ずるずるである事を、現時点では祈るばかりだ。安倍政権などの悪足掻きを見ていると、ずるずるではなく、瞬時に崩壊と云うシナリオまで見えてくる。

 日本人が、欧米価値観の誤謬、運命的限界に気づくかどうかが、すべての別れ道だろうが、現状を観察する限り、その萌芽すら見えない。欲目で探すとすれば、再生可能エネルギーへの一点集中を国力のすべてをかけて行い、そのパワーを源に、都市集中化の価値観を突き崩し、地域における「地産地消」の完結的経済循環共同体を作り上げてみる方向だろう。道徳教育を子供に押しつけ、自分らは流れに諾々と寄り添い、強い者への憧憬と追随だけで生きている癖に、道徳教育で何を教えるんだ。糞馬鹿野郎、お前ら何様?武士の行動美学(実際にそのように生きていたか別にして)、を物差しとした場合、今の政治家、官僚、物乞い経済人、論壇の識者、学者。どいつが行動美学的に許されるのだろう?

日本に巣喰う4つの“怪物
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KADOKAWA/角川学芸出版


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●安倍・菅義偉よ! 青筋立て反駁することが幼稚なのだよ

2014年10月22日 | 日記
沈黙の宗教――儒教 (ちくま学芸文庫)
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●安倍・菅義偉よ! 青筋立て反駁することが幼稚なのだよ

 いわゆる従軍慰安婦問題で安倍自民党の議員や総裁・官房長官は、寝た子を揺すぶって起こすという暴挙に出ている。この第二次大戦中の兵士への性処理の対策は、その当時、形を変えてはいたが、どの国でも実態的には存在したことは事実である。にもかかわらず、何故、日本だけが殊更に指弾されなければならないのか、理不尽に感じる人々も多いだろう。どちらが先か判らないが、安倍政権内部においても、この理不尽さは我慢ならない、と云う筋書きで強硬姿勢を貫き、朝日新聞の吉田政治証言では、あたかも慰安婦そのものが無かったかのような認識にまで至る国民が出る始末である。

 流石に、慰安婦がいなかったとは政府は強弁していないが、強制連行はなかったと云うことを声高に主張しすぎるため、馬鹿な国民の中には、そもそも慰安婦はいなかったみたいな話の認識に至っている。筆者も、当該いわゆる従軍慰安婦問題について、様々な角度から、想像を廻らし、検証できるものは文献等で確認してみたのだが、日本の慰安婦問題が、このように国際的問題にまで拡大してしまったのには、いくつもの要素の重複相乗的現象なのだと云う感想を持つに至っている。そこが悪い、ここが悪いと云う、魔女捜しの根性で、この問題を認識することは、永遠に負のサークルから抜け出せないことを意味している。

 そもそも、何ゆえに朝日新聞が「吉田証言の偽証性」を事もあろうか、慰安婦問題全否定を御旗にして国際社会と対抗しようとしている安倍政権時に、懺悔したのかと云う疑問から、遡って、この問題の全体像を把握する方が、真実に近いものになるような気がする。以下は、いわば、枝葉末節な官房長官の発言だが、歴史認識全体の中で、殊更、この従軍慰安婦問題の強制徴用が、慰安婦問題のすべてのように理解されることの方が重大な誤謬に至るのだと思う。本質的に、戦時における兵士の性処理はどうあるべきか、それこそが問題の核心なのである。今となっていは、具体的強制の有無を否定肯定して、国際社会を乗り切ろうと云うのは、相当に幼稚な思い込みだと言える。


 ≪ 菅官房長官、河野氏の発言「大きな問題だ」
  菅義偉(すがよしひで)官房長官は21日の参院内閣委員会で、河野洋平元官房長官が平成5年に慰安婦問題に関する談話を発表した記者会見で、強制連 行を認める発言をしたことについて「強制連行を示す資料がない中で、(認めたのは)大きな問題だ」と述べた。河野氏の発言によって強制連行があったかのような事実誤認が国際社会に広がったとの認識を示したものだ。
 当時、河野氏は会見で、強制連行に関して認識を問われ「そういう事実があったと。結構です」と述べた。河野談話を検証した有識者チームが今年6月にまとめた報告書では、河野氏が政府の共通認識を踏み外し、独断的に「強制連行」を認めたことが確認されている。
  菅氏は内閣委で、朝日新聞が強制連行をめぐる吉田清治氏の証言を報道してきたことにも言及し「吉田氏の証言であたかも強制連行があったような事実に反する 認識が韓国をはじめ国際社会に広まったことも事実だ」と述べた。そのうえで「政府としては客観的事実に基づいて、正しい歴史認識が形成され、日本の名誉や 信頼の回復を図るべく日本の基本的な立場、取り組みを海外で徹底して広報している」と説明した。 ≫(産経新聞)


 筆者も詳しいわけではない、何故、日本では「慰安婦」であり、世界では「売春婦」なのか?このニアンスは相当の違いが存在する。何故、いわゆる慰安婦に関し、殊更韓国が被害を世界中に訴えて回るのだろうか?被害者意識が強い国民なのか、こんなものを外交のツールにするほど貧弱な外交姿勢しかないのか?おそらく、日本人の場合、性被害があったとしても、その事実を糊塗して、現在のそこそこの生活を享受する方がベターだと考える可能性の方が多いだろう。儒教が国民の基礎にある、日本、韓国では、社会的に恋愛により、男女が結び合う社会習慣が成熟していなかった時代背景も考慮に入れるべきである。

 まだまだ、歴史認識は続く。韓国の感情に思いをはせると、その昔、日本などと云う未開発国は、我々の文化をパクリ、成り上がっていったのではないか?その癖、調子に乗って江戸時代以前から、朝鮮半島を侵攻しようと試みた日本だ。その癖、いつのまにか我々を置き去りにして栄華を極め、ついには第二次大戦中、我が国を占領した。そして、我が国は日本によってグチャグチャニされた。運よくアメリカが参戦することで、日本は無残に敗れた。全面降伏、日本の女たちは全員性奴隷にしてもおかしくなかったくらいだ。にもかかわらず、歴史の皮肉は、アメリカは全面降伏した日本を、我が韓国を尻目に、強く応援し、世界が仰天するほど経済発展させたのである。我が国を半分見捨ててだ。

 敗戦国が栄華を極め、戦勝国が貧乏のまま。こんな理不尽が通用するなんて、変じゃないか。何でもいいから、日本と云う国を責めることが可能なものなら、ほじくり返してでも、非難の材料にするべきだ。今でこそ、若干経済は持ち直し、どうにか先進国の端の方に座らせてもらえるが、G7、G8に呼ばれることはない。全面降伏の敗戦国日本はメンバーなのだから腹立たしい。欧米世界に正義などないようなものじゃないか、我々はまだ闘い、日本の地位を国際的に貶めていかなければならない。

 韓国人の多くが、上述のように考えているかどうか別にして、筆者のような忖度で、この従軍慰安婦問題を考えるとき、口汚く罵りあい、つまらぬ強弁に終始するよりも、譲るべき以上に譲ってでも、物事に終止符を打つ方がどれだけ合理的か、それを考慮すべきだと思う。韓国の論理の根底は弱者の論理であり、アメリカのような狡猾な強者の論理で、我が国に攻め込んでいるわけではないのだ。日本文化にあるかどうか知らないが、同情と云う高慢な美学を持ち出して、ほくそ笑んで、パククネの溜飲を下げさせてやってもよかろう。弱者の論理に、本気で反駁すること自体が、武士道に反する。殴りたいほど悔しいのであれば、心行くまでわが胸を打て、そのくらいの矜持は持とうではないか。

 菅や安倍の姿を見ていると、貧乏臭さい醜い日本人の標本みたいに見えてくるのは、なぜだろう?開発途上国や近隣諸国を回遊魚のように徘徊し、金を配り続ける様こそが醜さである。右翼とまで分類される強靭な魂を持つ国家主義者であるのなら、弱きを助け、強きを挫くのが右翼思想の神髄ではないか。韓国経済が好調、サムソンに蹂躙された等と馬鹿な言説にきりきりと身悶えするべからずだ。最近のネトウヨなんて奴らは、反政権者を挫き、政権側に与する只の金魚の糞である。また、アメリカの金魚の糞である閣僚たちが、靖国参拝で、わずかにアメリカに逆らう側面を見せる程度で、「挫く」を具現化したなどと、たいそうな口をきいて貰いたくないものだ。このままいくと、日本は名実ともに二等国、三等国になり果てる。

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●確信右翼女閣僚が居直り、不注意二名が退場 国益とは?

2014年10月21日 | 日記
世界を操る支配者の正体
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●確信右翼女閣僚が居直り、不注意二名が退場 国益とは?

 20日、安倍内閣の二人の閣僚が、トコロテン方式で相次いで辞任した。メディアでは安倍政権に痛手などと書いて愉しんでいるが、さしたることはないだろう。橋下徹が「世間が許さないという方向になっているので、安倍晋三首相も支持率を気にされ、交代することを考えたのだろう」とコメントしているが、果たして、“世間が”とは何を意味しているのだろうか。世間と云うより、マスメディアが騒いだので、と云うのが真実だろう。

 そもそも論で言うのであれば、公選法も政治資金規正法も、何処か建前上のデモクラシー制度を体裁づけているだけの、魂の入っていない法律による規制に過ぎないのだと思う。何時から、どうして「政治とカネ」と云う問題に、これほど神経質になったのか、そのこと自体の経緯と趣旨がわからない。清廉潔白であればあるほど、何もしない政治家が安全地帯にいることになり、すべからく官僚の指示通り動けばいいと云うことになる。このように、政治家に優等生、乃至は優等生もどきを求めると云うことは、破天荒で改革を断行できるような政治家が育たない温床なのだろう。

 これでは、政治家が既成観念を打破して、新たな世紀を乗り切る国家や社会を創造するためには、余りにも窮屈なのだと思う。ある程度、改革者と云う者は、個々の法律云々には関わりなく、理念に向かって突っ走る勢いや気概が必要なのではないだろうか。正直、自分の理念の為に、余りにもシキタリだらけ、役人の裁量権と云う監視の下で、政治行動を阻害されているようで仕方ない。今回の小渕や松島が、そのような理念で政治家になったとは思えないので、彼女らに、この疑念は当てはまらないが、この機会に、「政治とカネ」や選挙運動の形など、形骸化した組織的選挙運動が容認され、破天荒な行為が一切許されないような世界で、有能な政治家の出現を望むと云うのは虫がよすぎる気がする。

 よほどの有名人とか、土着性や利権集団や宗教団体に支持されて選挙に出ない限り、ほとんどの政治家は落選する。つまり、何らかの意味で既成観念の枠にはまった人間だけが政治をすることになる。彼らの多くが、口だけは達者になるが、既成観念に対して順応的だと意思表示し、既得権益との親和性があればあるほど、安定した政治人生を歩めるような制度設計自体が間違いなのだと思う。小沢一郎のように、土着的な強さを持つ政治家もいるが、努力をすれば、全員が小沢のように選挙に強くなれる政治家と云う押しつけも、現実的ではない。

 公選法や政治資金規正法や政党助成金が綺麗な選挙に貢献していると云うのだが、その結果、小ぶりな人間だけが政治をする。パワフルな奴らは、概ね枠からはみ出すので、公選法や政治資金規正法に引っかかり易くなる。これでは、官僚の思うが儘ではないか。知恵と専門性の組織力を持つ彼ら官僚に対抗し得る政治家など、一切生まれてこないのは自明でもある。ところが、日本の民主主義では、公選法や政治資金規正法、そして政党助成金によって、個々の政治家は投網の中で生きているわけで、いつ何時、投網から引き上げられるか判らないのだから、既成観念打破とか既得権益に対抗する政治家が生まれないように制度設計されている。これこそが、日本の沈滞を招く元凶かもしれない。

 この12月に施行される特定秘密保護法においても、一番狙われる可能性があるのは政治家だ。このような法律を嬉々として成立させた政治家は、正直馬鹿なのだと思う。それでなくても、強力な組織力を有している官僚らに、自己防衛と暴力装置を追加で与えるような行為であり、政治家の自殺行為に等しいのだと思う。まあ、自分は何もする気がないから、安全だと思っている政治家が大半だから、そういう心配を危惧することもなかったのかもしれない。立法府の政治家がこんな具合では、一生安泰で組織力のある行政官僚の意のままになるのは自明で、デモクラシーそのものが成立していない。

 グローバリズムにおける「普遍的価値」の陣営に位置することを標榜するのであれば、国家的な姿勢は欧米的価値観と親和的であるべきだろう。であるならば、ネオナチ的勢力や排外的な行動を辞さない勢力と肩を並べてみたり、その勢力と同等の行動に出てみたり、そのような面をもっと重視すべきだろう。形式的合法性を強調するあまり、本来の思想信条などへの配慮に欠けたデモクラシー等と云うものは、張子の虎に過ぎず、国の方向性など見定められるはずもない。永遠に同じことを繰り返すエンドレステープのようなもので、変わりようがないのである。本質的議論を避けて通る政治に、期待できるものは何もない。正直、国際的に靖国問題が喉の奥に小骨のように刺さっている最中に、火に油を注ぐ閣僚がいることが議論されるべきで、些末な笑い話の団扇が辞任に繋がるようでは、望むべき政治が不在だと云うことがよくわかる。

儲かる農業論 エネルギー兼業農家のすすめ (集英社新書)
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●日本人の生き残る多様性 グローバル経済とエネルギー戦略から

2014年10月20日 | 日記
自分の運命に楯を突け
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●日本人の生き残る多様性 グローバル経済とエネルギー戦略から

 以下のコラムはRussia Todayに掲載されたコラムを、「マスコミに載らない海外記事サイト」の管理者の方が邦訳してくれたものである。まずは、ロシアが好き嫌いに関係なく、かなり長い引用だが、読んでおいていただきたい。これから筆者がかい摘んで話す問題提起の予備知識になる部分だからであるからだ。最終的には、ロシアもEUもアジアも日本も、トンデモナイ貧乏籤を引いていると云う話のプロローグである。


≪ 不安定化工作-エネルギー戦争における、アメリカの武器
Mahdi Darius Nazemroaya 公開日時: 2014年10月8日 14:42
"RT"
 自由貿易協定で優位に立ち、そしてまた、ヨーロッパ諸国をアメリカの比較的より高価な天然ガスを買わせる様仕向けるため、アメリカは、EUをロシアと疎遠にさせるべく最善を尽くしている。

◇TTIPとウクライナ
 環大西洋貿易投資協定 (TTIP)は、アメリカとEUとの間で継続中交渉の主題、ユーロ-大西洋自由貿易協定だ。TTIP自由貿易協定をまとめる締め切りは、2015年だ。その目標は、環大西洋自由貿易圏(TAFTA)と呼ばれるものを作り出し、欧州連合をアメリカ合州国と一つの超国家的な貿易圏へと結合させることだ。
 極めて秘密裏に密室で行われているので、こうした貿易交渉は、ほとんど国民は気がつかないままだ。2001年、米州自由貿易地域 (FTAA)交渉の場合に起きたと同様、交渉反対の激しい大衆運動が勃発しかねないと連中が恐れているので、TTIPという名称自体、正体を隠すようにつけられており、政策・通商官僚が選んだものだ。9月26日、オタワでカナダとEUの間で署名された包括的経済貿易協定(CETA)と同様、言葉遣いの巧みな連中が、それが自由貿易協定である事実を隠そうと、抜け目なくTTIPという名前を選んだのだ。
 TTIP交渉を有利にするため、EUパートナーとロシア連邦間の貿易上のつながりを粉砕すべく、ワシントンは最善を尽くしている。アメリカの戦略 は、対ロシア経済制裁により、モスクワとのつながりを切断させ、ヨーロッパのパートナーを経済的に弱体化させ、ヨーロッパ諸国経済も直接損なうのだ。これによりワシントンは、弱体化したEUに、TTIP交渉で、アメリカに対し、最大の経済的譲歩をするよう強いる計算だ。
 地政学的に、これは、ユーロ-大西洋(つまり、ユーロ-アメリカ)統合、対ユーラシア(つまり、ユーロ-アジア)統合という話だ。ヨーロッパで、ロシアを隅に追いやって、EUにおけるロシアの影響力と、ロシアとEU間の貿易の絆が強化するあらゆるリスクの低減を狙っているのだ。TTIP交渉が激化したのは、ドイツの様な国が、ソ連後の地域のロシアと独立国家共同体(CIS)で構成されている、ユーラシアという代替案を考え始めかねないと懸念したがゆえに、アメリカが、EUを北アメリカと併合したがっている為なのだ。
 ウクライナの危機は、まさにEUとロシア双方を弱体化させるという、アメリカの二つの目的に役立っている。NATOを拡大し、ロシア包囲をするのみ ならず、EUとロシアの結びつきを損なうことも狙っているのだ。モスクワとEUの間に溝を作りだし、ロシアを恐ろしい怪物で、ヨーロッパの安全保障に対する脅威として描き出すために、ウクライナは、文字通り、アメリカによって食い物にされ、利用されている。

◇石油政治学:アメリカLNG 対 ガスプロム
 アメリカは、エネルギー資源、エネルギーが輸送されるパイプラインと戦略回廊の支配をかけた、エネルギー戦争も戦っているのだ。バルカン半島、カフカス、中央アジア、イラク、レヴァント、ペルシャ湾や、ウクライナへのアメリカの関与、肩入れ、関心は、全てこのエネルギー戦争の一環なのだ。
 シェール・ガスとガス水圧破砕も、この等式の一環だ。水圧破砕は、世界で四番目に巨大なシェール・ガス埋蔵量を持つアメリカを、天然ガス輸出国へと変えつつある。ワシントンは、2015年と2016年に、北アメリカからガス輸出を開始する計画だ。
 同時に、アメリカは、北アメリカ統合を活用して、カナダのエネルギー資源に対する影響力を強化しようとしている。カナダは最大の天然ガス生産者の一つで、証明済みの最大石油貯蔵量の所有者で、最大の原油生産者で、最大のシェール・ガス埋蔵量所有者で、そして、全体として、世界最大のエネルギー生産国の一つなのだ。
 アメリカのエネルギー輸出という文脈で、ワシントンは、天然ガス市場で、ロシアと競合し、更にはロシアを脇に追いやろうとしている。それが理由で、 EUとトルコに、ロシアの巨大エネルギー企業ガスプロムからのガス購入を辞め、代わりにアメリカからの輸入を始めるよう、アメリカはロビー活動をしている。エネルギー市場からロシアを追い出すという目標は、2003年、アメリカがイラクに侵略する前から、ワシントン界隈で大いに論じられていたアメリカ長期的戦略の一環だ。
 ところが、アメリカ・ガスは、水圧破砕して採取し、液化し、ずっと高い経費で輸送しなければならないので、ロシア・ガスより遥かに高価だ。アメリカの液化天然ガス(LNG)は、公平な状況で、本当の自由市場では、ロシア・ガスのヨーロッパ輸出と競合できる可能性はないのだ。
 ところが、いわゆる自由市場は、それほど自由ではない。政権が仕えている大企業やコングロマリットを有利にさせる政治操作が常に行われているのだ。
 EUエネルギー市場で公正に競争するかわりに、ブリュッセルに、ガスプロムや、ロシア・エネルギー部門とのエネルギーの繋がりを断ち切らせること で、競争相手としてのロシアを抹殺しようと、アメリカは熱心に取り組んできた。これこそまさに、一体なぜ、アメリカが、EU加盟諸国に、対ロシア経済制裁を課するように強い、こうして、ロシア・ガス購入に対し、法的制限と障壁を設けたかという理由なのだ。

◇エネルギー戦争とウクライナ
 ‘水圧破砕’帝国とシェール・ガス :エネルギー戦争の文脈の中で、バルト海の港シフィノウイシチェに、2015年6月末までに北アメリカから最初の天然ガスを受け取る計画で、ポーランドLNGターミナルが建設された。
 ガス貿易支配という狙いの上で、ポーランドもウクライナも、アメリカにとって重要な手札と見なされている。二ヶ国とも二番目と四番目のシェール・ガス埋蔵量を持っており、ロシアを除けば、それぞれの埋蔵量は、ヨーロッパで一番目と二番目に大きいものだ。アメリカは、両国にある未開発な膨大なシェール・ガス埋蔵量の支配を狙っているのだ。
 大手アメリカ石油会社シェブロン、コノコ・フィリップス、エクソンモービルと、イラクのクルディスタンで事業を行い、カダフィ後のリビア・ワハ石油会社の株主であるマラソン・オイルが全てポーランドのシェール・ガス探査開発に膨大な投資をしているのだ。
 2013年1月、ウクライナのヴィクトル・ヤヌコーヴィチ大統領政権は、イギリス-オランダのエネルギー巨大企業ロイヤル・オランダ・シェルと、東ウクライナの天然ガスを無税で探査し、掘削する協定に署名していた。2013年11月、もう一つの契約が、ヤヌコーヴィチ政権とシェブロンの間で、西ウク ライナのエネルギー埋蔵を探査し、開発する契約も締結された。わずか一年前、2012年、キエフは、クリミア沖のガス契約を、エクソンモービルとロイヤ ル・オランダ・シェルが率いるコンソーシアム、スキフスカ・ガス田開発に与えていた。
 スキフスカ・ガス田は、アメリカ石油・ガス会社が興味を持っている、クリミア沿岸沖で唯一のガス田というわけではない。スキフスカのすぐ隣には、 フォロスカ、プリケルチェンスカと、タヴリヤ・ガス田がある。プリケルチェンスカ・ガス田は、アメリカのオフショア会社、ヴァンコ・プリケルチェンスカ社が獲得したが、フォロスカは、チョルノモルナフトガスが管理しており、フォロスカとタヴリヤ・ガス田は、いずれも交渉継続の対象となっている。
 東ウクライナの反政府派に対するアメリカの敵意は、ある程度、アメリカのエネルギー企業がキエフから得た、シェール・ガス採掘権の擁護とつながっている。自称ドネツク人民共和国の第一副首相、アンドレイ・プルギンは、計算づくの民間インフラ破壊も含む、イラクで使われたのと同じアメリカ戦術が、東ウクライナでも行われているとさえ述べている。こうしたアメリカの作戦は、代理の“金目当てに働く兵士”、つまり傭兵や“プロの殺し屋”によって行われている。ドイツのビルド・アム・ゾンタグ紙の2014年5月の報道によれば、イラクでのひどい実績のせいで、ブラックウオーターと、Xeサービシズから名前を変えた悪名高いアメリカ民間警備会社アカデミが、ドネツクとルガンスクで解き放されたのだ。

◇エネルギー戦争とシリア
  地中海からの締め出し? ISILと戦うという呪文の下で、アメリカが、エネルギー・インフラを意図的に破壊しているシリア国内の状況も、同じ石油政治学というプリズムを通して見るとわかる。天然ガスシリア、レバノン、イスラエルと、ガザにひろがる、膨大な天然ガス埋蔵量があるレヴァント沿岸沖。ここでもアメリカはロシアを 追い出し、東地中海のガス埋蔵地を支配しようと動いている。
 2000年以来、ロシアの建設土木会社ストロイトランスガスは、シリア国内で積極的に活動し、ホムス地域に、二カ所のガス精製所を建設しレバノンとシリアを、ヨルダンとエジプトを結ぶアラブ・ガス・パイプラインのシリア部分を建設する契約を得た。別のロシア・エネルギー企業、ソユーズネフトガスは、2004年、ダマスカス政権から、イラクとの東部国境で事業を行う落札をしている。2007年、シリア・ガス会社(SGC)とストロイトランスガスは、ホムスのガス田で発見された天然ガス資源開発を共同で行うことに合意した。2013年12月25日、シリア危機の最中、ソユーズネフトガスは、ダマスカス政権と、重要な沖合での探査契約を締結した。
 しかも、シリア、イラクとイランの間で、世界最大の天然ガス田から、シリア沿岸までのガス・パイプラインを建設する交渉の最中に、たまたまシリア危機が勃発したというわけだ。2011年6月25日に、ダマスカスは、イラクとイランとの契約を締結していた。契約が、2009年にキャンセルされるまで、 ストロイトランスガスが、石油の豊富な都市キルクークと、シリアの港バニヤースの間をパイプラインで結ぶものと想定されていた。
 カタールとトルコは、天然ガス輸出者とエネルギー回廊としての両国の出番を無くすので、イラン-イラク-シリア・ガス・パイプライン協定に敵対的 だった。イラン-イラク-シリア・パイプラインは、アメリカLNGに対する低価格なライバルとして、ガスをEUに輸出するのにも利用できる可能性があるこ とも、ワシントンから否定的に見られることになった理由だ。
 シリアとイラクでの戦闘の結果、このプロジェクトを中断させ、政権を転覆すればそれは無効になる。

◇アメリカの交渉戦術としての不安定化?
 アメリカは、ブリュッセルとのTTIP交渉を有利に進めるべく、ヨーロッパで緊張をかき立てているが、ペンタゴンは中東に軍隊を再配置している。ペ ンタゴンが率いる地域での軍事力増強は、ISILと戦うこととはほど遠い。部分的には、アメリカのイランとの核交渉ともつながっている可能性がある。他の 狙いに加え、アメリカが率いる軍事力増強は、対テヘラン核交渉で、ワシントンが更に有利になることを狙ったものである可能性がある。
 不安定を生み出すことは、パッケージ化された手法の一環であるように見える。いずれにせよ、不安の創造は、アメリカの交渉や取引を支援する為に利用されているように思える。ウクライナでの緊張の場合、これは実に明瞭で、ワシントンは、この危機を、TTIP交渉を有利にする為に利用しており、LNGを EUに売り歩くべく、ロシア・ガスを締め出す為に、経済制裁を利用しているのだ。
 マフディ・ダリウス・ナゼムロアヤは、社会学者で、賞を獲得している著者で、地政学専門家である。 記事原文のurl:http://103.5.149.34/op-edge/192204-usa-ttip-syria-ukraine-gas/
≫(マスコミに載らない海外記事抜粋)


 以上、中々正鵠な指摘を含んだコラムだと思われる。筆者などは、21世紀以降(22世紀、23世紀を見据えて)のエネルギー問題のメインストリームは、再生可能エネルギー方向に向かうと理解しているから、今さら“石油関連利権”で世界支配を延命化させようとアメリカが考えているとは思わなかったが、想像以上に近視眼な世界戦略で、いまだに動いているのかと愕然としてしまう。仮に、いまだに石油関連エネルギーに執着、力の源泉としようと企てているのなら、アメリカは21世紀以内に覇権を放棄せざるを得ないと云う展望に至ったのかもしれない(笑)。

 実は、産業革命以降、常に動力を動かすエネルギー源の確保が、覇権を握る一つのツールとして君臨してきた。自然の恵み+人力、牛馬、水車風車などのパワーから、石炭が動力を動かすエネルギーの源になり、次に石油ガスが、次に原子力がエネルギーの源になってきたわけだ。このエネルギー源の確保、特に20世紀以降顕著になった石油ガスと云うエネルギーは、自らの国を富ませると同時に、他国にも影響力を行使すると云う権力構造の中で、第一の優先順位を持つに至った。

 この石油利権の多くは原産国よりも、石油を利用する先進諸国のコングロマリット化した企業が概ね独占する状態が続いた。その多くはEUとアメリカに集中していた。しかし、20世紀後半になり、ロシアの天然ガスが抬頭し、EUアメリカ石油独占権の座は危うくなりつつあった。石油ガス利権に関わることの少なかった日本はアジア地域の石油利権をめざし第二次大戦に突入したわけだが、あえなく敗れた。石油利権への関与が不可能になった日本は、この弱点を補う国策として、原子力エネルギーに傾倒していくことになる。いまだ、この原子力と核開発を結びつけ核保有国をたらんとしようと思い込んでいる勢力も現存するが、その目的は、エネルギーそのものには関係ない。

 アメリカでは水圧破砕採掘方法が経済合理性を得たことで、シェール・ガスにより、計算上、当面、石油の最大消費国から、石油ガス生産国としての地位まで確保した。このシェール・ガス革命は弱りかけていた覇権国家にとって、世界NO1の地位維持に欠かせないパワーとみなす、渡りに船の材料を手に入れた。実際問題は、シェール・ガスの採掘法が国土をアリの巣のようにしてしまわないか、水資源への汚染問題など、多くの悩み事を抱えたまま、オバマはシェール・ガス革命だと意気込んだ。

 もうこうなれば、プロパガンダ情報を垂れ流し、アナウンス効果により、シェール・ガスと云うものを「モンスター化」させることを、世界支配の新たな武器に置き換えたのである。このシェール・ガスの幻想的モンスター化とグローバル経済は極めてマッチングも良好なので、アメリカおよび世界金融勢力は、グローバル経済とエネルギー支配の両輪とする、世界支配のリストラクチャリングに及んでいる。この世界支配のリストラクチャリングにおいて、目の上のたん瘤だったのがロシアの安価な天然ガスだった。

 その辺の事情は、上記コラムが詳細に指摘しているので、ここでは省略する。しかし、よくよく考えてもらいたいのは、最低でも地球が太陽の寿命50億年の半分の寿命があるとした場合、いやいや、そんな大袈裟な話でなくても十分だが、石油ガスや石炭の埋蔵量が有限なのは絶対的事実だが、それが枯渇するのは300年から500年の猶予があるだろうと推測するのが妥当だろう。つまり、今後3~5世紀の間、石油ガス石炭利権が、世界支配の最強ツールと云う概念である。

 歴史の浅いアメリカなどから見れば、今後3~5世紀の間世界に君臨できるなら、それでOKと云う時間軸を持つことは容易に想像できる。しかし、50世紀、100世紀の歴史を持つ民族や国家は、たかだか数世紀の為に、国家の進むべき道を選択することはないだろう。数世紀で失われるエネルギー源を頼りに生きるよりも、太陽の寿命50億年の半分が地球の寿命だとしても、25億年残っている。そこまで判っていて、数百年の趨勢に血道を上げるのは、なんとも愚かな話である。このような単純な答えを、世界を支配しているアメリカが気づかないのは、正直、不可思議だ。

 いや、おそらく気づいてはいるのだろう。ただ、生きている人間の考えられるキャパシティーと云う現実的課題を投影させると、今後500年くらいが限界だろう。場合によれば、自分の政権の寿命分だけ考えればいいのかもしれない。そうなると、既得権益勢力にとっての、グローバル経済とエネルギー問題は、素晴らしいマッチングに見えるのだろう。これに対抗する勢力は、スローフードや再生可能エネルギーな世界を見つめていることになる。しかし、グローバル経済とエネルギーの立場に立つと、中央集権的メカニズム構造が維持されている前提で進むので、地域分散型で経済やエネルギーが一定の完結性を持つことは、好ましくないのである。

 ここまで、結論を導くまでには至らない考察をしてみたが、ここから先は、各自の生き様の問題なのだと思う。筆者は、ことさらに、1000年先の日本人のため等と一切考えないが、宇沢先生が言っていたように、人間は自然や土と、そして顔の見える共同体の中で生きていく方が、生き物的なのだろうな、と思っている。井上ひさしの小説『吉里吉里人』の世界は、非現実的幻想ではなく、極めて現実に存在する要素の組み合わせで出来ている。個人的には、幾分共同体の中だけで暮らす重苦しさは好まないが、個人の好みはこの際さて置くことにしよう(笑)。

吉里吉里人 (上巻) (新潮文庫)
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●最も国益を損ねているのはどちら 小渕、山谷、松島…安倍

2014年10月19日 | 日記
つくられる病: 過剰医療社会と「正常病」 (ちくま新書)
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●最も国益を損ねているのはどちら 小渕、山谷、松島…安倍

 筆者の心では、真っ先に国益を損ねているのは安倍晋三総理そのものなのだから、見出しの5閣僚の問題は、大袈裟に言えば”死一等を減ずる”好例だと言えるのだから、特に論評するほどのことでもない。しかし、マスメディアや世間が騒いでいるので、それ相当の筆者の理解も簡単に書いておくことにする。

 一番ひどい目に遭っているのは、小渕経産相だが、余りにも出鱈目な会計処理と云うか、稚拙無関心だったわけで、一連の自民党女性閣僚議員の中で、正直一番罪は軽いのだと思う。しかし何故か、一番酷いことをしたように叩かれ、いまや閣僚辞任、更迭の危機に瀕している。本当に世の中と云うのは不思議なものだ。以下の時事通信の報道では「政治とかね」がクローズアップしていないが、マスメディアや世論や野党の追及は「政治とかね」普遍的政治家追い落しのツールになっている。

≪ 女性閣僚でつまずき=首相の狙い、裏目に-安倍政権
 第2次安倍改造内閣が、過去最多タイを誇った女性閣僚でつまずいた。松島みどり法相が「うちわ」問題で刑事告発されたのに続き、小渕優子経済産業相が政治資金をめぐる不透明な処理の責任を取って辞任する意向を安倍晋三首相の周辺に伝えた。「女性の活躍」を目玉政策に据えたはずの臨時国会の焦点は「政治とカネ」の問題に移り、首相の狙いは裏目に出た格好だ。
「女性が狙い撃ちされている」。自民党幹部は18日、新閣僚を標的とした野党の追及に危機感をあらわにした。
  首相は9月の内閣改造で女性の起用にこだわり、過去最多だった第1次小泉内閣の5人に並んだ。特に小渕氏については、2012年12月の内閣発足時にも閣僚としての起用を検討していた経緯がある。自民党の「次世代の首相候補」を取り込み、自身の手で育成したいとの思いがにじむ。
 「女性の活躍」は、反対すれば女性軽視と取られかねず、異論を挟みにくいテーマだ。首相としては与野党対決法案の提出も見合わせ、「安全運転」で今国会を乗り切る算段だった。
 それだけに閣僚候補の身辺を事前に調べる「身体検査」には甘さがあったようだ。検査に関わった政府関係者は小渕氏の問題について、「政治資金までは無理だ。党の方で対応する話ではないか」とさじを投げた。
 首相は一昨年末の内閣発足以来、比較的安定した政権運営を続けてきたが、初めてとも言える試練に直面している。民主党の枝野幸男幹事長は18日、さいたま市内で記者団に「緩みが生じているのではないか」と述べ、小渕氏らの追及を強める考えを示した。 ≫(時事通信)

 「政治とかね」このフレーズで、どれ程稀有な政治家たちが危機に立たされ、政治力を失ったか枚挙に暇がない。各紙の論調を覗いて見ると、朝日“小渕経産相「総理と会う予定はない」 政治資金問題”、毎日“小渕経産相:辞任不可避 政治資金問題で”、読売“傷深くなる前に身を引いた方が…小渕氏に辞任論”、産経“繰り返される使途疑惑 閣僚の「政治とカネ」”、日経“小渕氏政治団体、「観劇会」費用の一部負担疑いも ”、東京“小渕氏、首相と進退協議へ 政治資金問題 外交日程見送り”等々となっている。流石に読売は小渕問題に抑制的報道姿勢だが、辞任論まで隠ぺいは無理だと考えたようだ。

 それにしても、政治家のカネ問題が何故こんなにも致命的な政治問題化に発展してしまうのか、よく理解できない。この世がカネ次第の世の中であることは、国民自体が一番知っているわけで、常に興味のあることはカネだと言っているのに、他人がカネで良い思いでもしようものなら、まあウルサイのである。正直、筆者などは金満政治家でも、善政を行うのであれば、構わないと思う方なので、感覚的に日本人のカネへの執着心と潔癖の心理には、ほとほと愛想が尽きる。国民が政治家のカネ問題に飛び跳ねて興味を示すのを知っているから、メディアも我先に扱うという図式があるのだろう。

 自分はカネに汚くていいが、人さまがカネに汚いのは許せない。まして、ズルして多く儲けたとか、ジャンボ宝くじに当たったとか、もう嫉妬の渦になるのである。何という醜さであろうか、このような人々に善政自体が不要なのではないかとさえ思うのだ。筋が通っていないのだ。いくら暮らしが厳しくても、“武士は食わねど高楊枝”の心意気は遠い昔の話なのだろう。それよりも、山谷えり子のネオナチ問題の方が本質的に大問題であり、叩くべきは山谷である。やはり、山谷えり子を叩くことは、右翼系勢力や神社庁などとの確執を恐れている各社幹部の所為だろうか。

 山谷のネオナチ問題を野党も追及する気はない。メディアも追及する気はない。海外メディアの話題は小渕などどうでもよくて、山谷や稲田や有村らの自民党女性議員閣僚の資質に目を向けている。つまり、外交問題なのである。自由と民主主義が国是であるなら、これこそが話題になり議論されるべきで、「政治とカネ」は国益に特段関わる問題ではない。同じ税金を掠め取られたというのであれば、桁の違う税金を掠め取っている霞が関官僚組織や経団連を憎むべきである。そのような怖い存在は憎めない、非難できないから、小渕だ。そりゃ武士として、否、人として醜すぎるではないか。

 ヘイトスピーチなどと云うものは、同じように考えていたとしても口にしないのが日本人の美でもある。行動美学の一部でさえあった。国際的に開かれた国を目指すと口にしていながら、国外の興味から目を背け、国内で弱い者虐めをしているのだから不思議だ。山谷えり子国家公安委員長の『在日特権を許さない市民の会(在特会)』の関係者らと一緒に写真を撮っていた問題などは、国際的問題であり、野党もメディアもグローバル時代だと言うのであれば、そういう矜持をみせるべきである。

 おそらく、安倍政権が小渕経産相並みに弱者になるのを見定めているのだろう。日本のメディアも野党も国民も、弱者に強く、強者に弱い。村上春樹は作家として理解不能な人だがエルサレムの地で『……ここで、非常に個人的なメッセージをお話しすることをお許しください。それは小説を書いているときにいつも心に留めていることなのです。紙に書いて壁に貼ろうとまで思ったことはないのですが、私の心の壁に刻まれているものなのです。それはこういうことです。 「高くて、固い壁があり、それにぶつかって壊れる卵があるとしたら、私は常に卵側に立つ」ということです。  そうなんです。その壁がいくら正しく、卵が正しくないとしても、私は卵サイドに立ちます。他の誰かが、何が正しく、正しくないかを決めることになるでしょう。おそらく時や歴史というものが。しかし、もしどのような理由であれ、壁側に立って作品を書く小説家がいたら、その作品にいかなる価値を見い出せるのでしょうか?……』この言葉は良いなと思う。

 安倍政権の強権が怖い。だから、いまは遠巻きに弱るのを待とうじゃないか、筆者には卑怯としか思えない生き様ばかりが目に映る。そして、強者のライオンが傷つき、重篤な状況になった時、一斉に襲いかかる。たしかに小賢しい戦術だが、間違いなく反撃されないと判った上でしか反対の意思表示をしない。それでは、自由も民主主義も守れないし、そういう理想的政治形態にさえ相応しい人々だとは思えない。いっけん「政治とカネ」で吊し上げられた政治家が悪いようだが、彼や彼女らは、単に弱者の分類に入る人々だったというだけだ。

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●他国の言論弾圧批判できない日本 首相がNHK番組改変関与

2014年10月18日 | 日記
日本人の4割が老後準備資金0円 老後難民にならない「逆算の資産準備」 (講談社+α新書)
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●他国の言論弾圧批判できない日本 首相がNHK番組改変関与

 朝日新聞の従軍慰安婦報道をめぐり、読売・産経・ネトウヨが狂気の沙汰で騒いでいた。福島原発吉田調書問題は、官邸筋が上述2社にリークすることで、マスコミ論争に火をつけた。国内政治は朝日の謝罪で、右傾化の流れに油を注ぎ、226事件前夜のような興奮の坩堝化していた。そうこうする内に、あろうことか、産経新聞前ソウル支局長が書いたとされる“朴槿恵大統領が旅客船沈没当日、行方不明に…誰と会っていた?”と云う噂を記事にまとめたと云うことで、ソウル中央地検から情報通信網法上の名誉毀損罪を適用、在宅起訴された。

 この件では、保守・リベラルに関係なく、韓国検察の言論封殺的対応だと非難の声が上がっている。マスメディアもこぞって、韓国の言論の自由への非難や疑念を呈している。それはそれで問題なのは確かだ。しかし、菅官房長官までが「民主国家としてあるまじき行為だ」と殊更に吹聴しているようだ。

 前述のように、稚拙な言動を行った朝日新聞や韓国検察の揚げ足を取って、非難轟々するのが最近の流行のようだが、そのような言動に出たからといって、事の本質が解決するとは思えない。非難し、他者を悪しざまに罵ったからといって、一時の感情の吹き上がりで、流行り病の熱病のような言動を繰り返しても、物事の本質に迫ることは出来ないだろう。安倍内閣の、数人の女性閣僚が、現在は一番旬な「おつまみ」なのだが、そのつまみで酒を飲んで旨いような世の中では、正直、物事の本質論議には永遠に、緒にも就けないのだろう。

 無論、どれもこれも、それなりの瑕疵を抱えているのは事実だから、叩かれる方は、右往左往したり、混乱のあまりアチャペタナ返答や対応に終始して、一層の深みに陥ることもあるのだろう。このような事象は、個別にじっくりと検証しないことには、本質的議論にいたる事は稀である。韓国検察の「言論弾圧起訴」については、反日感情へのポピュリズムであるのは事実だとして、なぜ反日感情ポピュリズムが生まれたのか、その背景にも一考をする余裕があっても良さそうだ。韓国検察を擁護するとか、そう云うレベルのでの非難合戦をしても、何にもならない。

 朝日新聞の誤報などに関しても、一方的に朝日新聞が謝罪する事柄なのかどうか、全面降伏してしまう問題なのか、多くの疑問を残したままの社長会見であり、第三者委員会の設置である。どう見ても、朝日新聞がその場凌ぎの“手打ち”方向に奔走している姿が見え見えだ。政治部主導のこの問題への意趣返しが、現在小渕優子が晒し者になっている朝日新聞社会部の反乱なのである。朝日新聞と云う新聞社は、日本の唯一のクオリティーペーパーなのだが、権力との闘いでは、常に社が二分する企業体であることは、致命的欠陥であり、到底言論の自由を守れる新聞社とは思えない。断わっておくが、他の新聞社が、朝日の地位にとって替わることも金輪際ない(笑)。

 何となく取りとめなく「言論の自由」流行り病について語っているが、民主主義の命綱だともいう言論の封殺は、忌々しき事態なのは確かだが、日本も世界も、言論の封殺は日常茶飯事であり、それこそ民主主義など、実際は成り立っている設え(しつらえ)があるだけで、実態は言論への過度か、中くらいか、軽度の言論コントロール関与が存在する。特別秘密保護法なんて出来ようが出来まいが、似たようなことを、既に数々犯しているのである。国策捜査とディア・ファッショによる人格破壊などは、既に多数目撃している我々である。

 特に凄いと思うのは、安倍晋三と云う人の言論封殺介入事件である。故中川昭一と同じ船に乗り、同じようなことをNHK番組改変問題で、政治圧力を加えたと云うのに、この二人のその後の運命は雲泥の差である。此処で、中川氏の悲運な人生について語ることは控えるが、もう一人の人物は、事もあろうか、我が国の内閣総理大臣の椅子に座り、ドヤ顔をしていると云うのだから、事実は小説よりも奇なりである。この慰安婦問題を取り上げたNHK番組改変問題での自分の貢献度を国会の委員会答弁において言及した自慢話は、彼の単純で不注意な体質をよく表している。NHKへ政治圧力を加えて、偏向報道をなんとか食いとめたという自慢話になるのだから、これは凄い。

 このNHK番組改変問題の経緯は省略するが、詳しくはWikipediaのサイトで確認願いたい。
URL: http://ja.wikipedia.org/wiki/NHK%E7%95%AA%E7%B5%84%E6%94%B9%E5%A4%89%E5%95%8F%E9%A1%8C
朝日新聞がこの事件において、ボタンの掛け違いをすることで、安倍晋三との確執を永遠のものとしてしまった。それはそれで、メディアの方針だから構わないのだが、ここでも、朝日新聞独特の2大勢力構図が現れ、政治家の公共放送への明確な圧力を糾弾しそこなったのだ。法律でも何でもない、朝日の内規である「許諾ある録音記録しか記事にできない」を持ち出して、政治圧力を駆使した時の官房副長官にとどめを刺さなかった優柔不断が致命的弱点をさらけ出した。今夜も取りとめがなく裾野が広がり過ぎて、現時点で疲労困憊のため、休ませていただく。賢明なる方には判る話、それだけで構わない(開き直り)(笑)最後に、リテラの「韓国だけじゃない!日本でも言論弾圧」も合わせてお読みいただきたい。


 ≪ 言論弾圧は韓国だけじゃない! 日本の検察も刑事罰で批判報道を封じ込め!
産経新聞・加藤達也ソウル前支局長がソウル中央地検から在宅起訴された問題で、日本のメディアが一斉に批判の声をあげている。一面に熊坂隆光社長名の声明を掲載した当事者の産経新聞はもちろん、朝日、読売、毎日も大きく紙面をさき、「言論、報道の自由に対する侵害」と韓国当局を強く非難した。
 政治家や識者も同様だ。橋下徹大阪市長が「とんでもない。名誉毀損で刑事罰に処すなんて民主主義の国とは思えない」とコメントしたのをはじめ、 「日本と違って韓国は言論の自由はないのか」「韓国の司法は日本と違って政権と癒着し、独立していない」「国家権力の言論弾圧以外の何ものでもない」と いった声が噴出している。
 たしかに、韓国、ソウル中央地検の今回の行為は徹底して批判されるべきだ。それがどういう報道であれ、外国の報道機関を国内法で処罰するのは国際社会の常識に反しているし、そもそも橋下氏がいうように、名誉毀損で言論機関、メディアを起訴すること自体が、民主主義国家としてありえない恥ずべき行為である。
 だが、ひとつだけ訂正しておきたいのは、今回の事件は右派メディアや嫌韓論者が叫ぶような、「韓国だから起きた」特殊な言論弾圧事件ではない、ということだ。
  実は日本においても、同様の「名誉毀損」を使った国家権力による言論弾圧は起きている。今から20年前、私自身がその当事者として、今回の産経新聞ソウル支局長と同じように、日本の検察から名誉毀損で起訴されているのだ。
 当時、私は「噂の真相」(2004年休刊)という雑誌の編集デスクをつとめていた。この「噂の真相」という月刊誌はタブーに踏み込むことを編集方 針としており、大物政治家、警察、財務省、宗教、利権、大物作家、大手芸能プロダクションなど、マスコミがふれることのできない不正やスキャンダルを 次々と記事にしていた。
 中でも徹底的に追及していたのが、日本唯一の公訴機関である検察庁だった。検察をめぐっては今でこそ、調書改ざん事件や国策捜査問題で、批判報道も珍しくなくなったが、今から20年以上前には「国策捜査」という言葉すらなく、検察を批判するメディアは皆無。そんな中にあって「噂の真相」は唯一、検察の捜査手法の問題点、政治家との癒着、検察幹部が企業から接待漬けにされている事実などを次々暴き続けていたのだ。
 その姿勢は政治家や大企業の摘発を担当し「日本最強の捜査機関」といわれていた東京地検特捜部に対しても同様で、「特捜のエース」とマスコミからヒーロー扱いされていた宗像紀夫が特捜部長に就任すると、その宗像部長と福島交通の小針暦二会長との関係や捜査情報漏洩疑惑などを連続追及した。
 すると、1994年、宗像部長率いる東京地検特捜部が突如、「噂の真相」への捜査を開始したのである。「噂の真相」は当時、作家と評論家、2名から名誉毀損で刑事告訴されていた。名誉毀損は通常、民事裁判で争われるものだが、刑事告訴も可能で、批判記事やゴシップを書かれた政治家や芸能人が週刊誌などを刑事で告訴することもある。だが、刑法の名誉毀損は戦前に定められた条項で「言論・報道の自由」を侵害するおそれがあるため、検察は告訴を受けても起訴まではしない、それが慣例だった。
 しかも、「噂の真相」の記事はうわさ話を書き立てただけの今回の産経のコラムとは違って、作家の元秘書や評論家のスタッフなど内部の人間による告発をもとに精緻な取材をしており、どう考えても刑事上の名誉毀損が成立するようなものではなかった。
 ところが、検察はこの事件でそれまでの慣例をくつがえし、「噂の真相」を本格捜査。1995年6月、編集長の岡留安則と記事を執筆した私を名誉棄 損容疑で起訴したのである。東京地検特捜部が商業メディアを起訴するのははじめてのこと。これだけでも異例だが、宗像特捜部長は捜査着手前、記事の事実関係すらまったく調べていない前年の8月の段階で、親しい司法担当記者に「『噂の真相』をやる」と宣言していた。「噂の真相」に対する捜査・起訴は明らかに、検察組織と自分のスキャンダルを書いたことへの報復、狙い撃ちだった
 その後、私たちは裁判で徹底的に検察と闘い、記事が真実であることをほぼ完全に証明したが、検察側はここでも、信じられない暴挙に出る。なんと 「噂の真相」の間違いを立証することを放棄し、記事が事実かどうかにかかわらず、私生活に踏み込んでいることだけで名誉毀損罪にあたると主張したのだ。そして、裁判所もこれを追認。「一部でも私生活の行状を書けば、記事全体が名誉毀損に該当する」という恐ろしい論理で、岡留編集長に懲役8カ月執行猶予2 年、私、神林に懲役5カ月執行猶予2年という判決が確定してしまった。
  ちなみに、このとき、特捜部で「噂の真相」をでっち上げ起訴した担当検事のひとりが、現在は検察を退職してニュース番組でコメンテーターもつとめる 若狭勝弁護士だ。今回の産経ソウル支局長起訴に際して、若狭弁護士は「(韓国の検察の)行き過ぎという感じがする」とコメントしていたが、この人は自分が 検事時代にやったことを覚えていないのだろうか。
 検察が自分たちに都合の悪い報道を圧殺したケースは「噂の真相」だけではない。たとえば、2002年に起きた三井環事件などはその典型だろう。この事件は、当時、大阪高検公安部長の職にあった三井環が検察の裏金について複数の新聞・テレビで内部告発しようとしたところ、その動きを察知した検察がテ レビの収録直前に、三井部長を逮捕してしまったのである。
 容疑は購入したマンションの移転登記の際、そこに住民票を移したとする「電磁的公正証書不実記載及び詐欺」と、自分を脅そうとしてきた暴力団組員 の前科調書をとったことに対する「公務員職権濫用」。法律関係者もこぞって「普通なら絶対に逮捕はありえない」と首をひねる微罪逮捕だった。
 ようするに、日本の検察も韓国当局と同様、自分たちの組織や権益を守るために、その公訴権を濫用して平気で言論・報道の自由を踏みにじる体質を もっているのだ。いや、検察だけではない。政治家や官僚も、自分たちの都合の悪い記事を書かれたとたん、メディアを刑事告訴するケースはある。「名誉毀損で刑事なんて民主主義の国とは思えない」といっていた橋下大阪市長も、「週刊朝日」で自分の出自に関する記事を書かれた際には、ツイッターで「民事、刑事 の法的手続きを取る」と宣言した(実際には告訴しなかったが)。
 そして、最大の問題は、韓国に対して非難の声を上げている日本の新聞、テレビが、自分の国で起きた権力による言論弾圧については一切批判しないことだ。それどころか、権力機関の手先になって告発報道たたきに参加するケースもある。
 たとえば、前述した三井事件では、朝日新聞や共同通信がその逮捕が裏金に関する内部告発の口封じだったことを指摘したが、読売と産経はこの問題にはほとんど触れず、三井元公安部長がいかに極悪人かを報道し続けた。
 一連の朝日の誤報問題でも、読売と産経は官邸の情報リークにのって吉田調書の些末な誤報をあげつらい、本質隠しに協力するなど、その権力御用体質をいかんなく発揮した。
 今回のソウル支局長起訴問題で、産経新聞の熊坂社長は「今後も産経新聞は決して屈することなく、『民主主義と自由のために闘う』」などという声明を出したが、そういう意味では、産経は「言論の自由」とはもっとも縁遠いメディアだったのである。
 実際、今秋の問題でも産経はすでに姑息なところを見せている。問題になった記事は「朴槿恵大統領が旅客船沈没当日、行方不明に…誰と会ってい た?」という男性関係を詮索するゴシップ記事なのに、社長声明では記事の内容を「朴槿惠大統領の動静をめぐる韓国国内の動きを日本の読者に伝えたもの」と 微妙にそれを糊塗する一方、今回の問題を韓国のインターネットに責任転嫁するような記事も掲載している。自分たちの記事は日本国内向けなのに、インター ネット媒体『News Pro』がそのコラムを無断で韓国語に全訳し、恣意的論評を加えて、国内に拡散させたせいだ、と。
 起訴がおかしいと考えているなら、堂々と「言論の自由」を訴えればいいのに、それができないというのは、この新聞社が根本的に「言論の自由」に価値をおいていないからなのだろうか。
 しかし、それでも、今回の問題で産経新聞を支援し、韓国政府と検察当局を徹底批判したい。それが仮に言論の自由をつぶそうとするメディアであろうと、その言論をも守るというのが、本当の意味で「言論の自由を守る」ということだから。 ≫(リテラ:韓国だけじゃない! 日本でも言論弾圧 【名誉毀損で有罪判決の元「噂の真相」編集者が産経新聞問題を語る】:神林広恵 元「噂の真相」編集者

編集長を出せ! 『噂の真相』クレーム対応の舞台裏 [ソフトバンク新書]
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●土俵ごと土砂崩れ 暴落第一波、こらえる“とく俵”の罠

2014年10月17日 | 日記
エンデの遺言―「根源からお金を問うこと」
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●土俵ごと土砂崩れ 暴落第一波、こらえる“とく俵”の罠 

 安倍のおっさんには参ってしまう(笑)。ASEAN首脳会議出席のためイタリアミラノまで出かけていって、恥を晒している。世界経済で何が起きているのか、まったく気づいていないようだ。気づいていたのなら、今さら馬脚が現れ、崩壊の秒読みに入っているというのに「アベノミ クスの三本の矢によって日本を覆っていた暗い、重い空気は一変した」などと、日本経済再生への手応えを演説などするはずがない。現在進行形の世界経済の異変(全然異変なわけではなく、隠し通せなくなった)の踊り場が始まったと云うのに、この演説は、あまりにも無知で無教養で知能の低さを露呈している。もしかすると、新聞の字が読めないのかもしれない(笑)。日経証券部の記者が以下のような解説記事を書いているが、「睨む底値局面」と云う言葉自体が、自らの恐怖を撥ね退け、自らを奮い立たせるための強弁だと言えるだろう。

≪ 値動き急変、スゴ腕投資家がにらむ底入れ局面
「きょうはもう手じまいます。午後はお休み」。
 16日、日経平均株価が一時400円安と荒れた東京株式市場。昼休みに連絡した数億円の金融資産を持つ30歳代の個人投資家は力なくそう話した。
  前日買い付けたばかりのソフトバンクが取引開始直後に2%安となり、400万円強を損切りした。取り戻そうと着目したのが、赤外線カメラを手がける日本アビオニクス。この日、東証2部で制限値幅の上限(ストップ高)まで上昇したのを機に利益確定売りを出し、約60万円の差益を得た。世界的な株安の一因となっているエボラ出血熱の感染対策で需要が増えるとの思惑に乗った。
  この投資家は、つい最近もIPO(新規株式公開)銘柄の売買で3000万円を稼いだスゴ腕投資家だ。それでも、16日の激しい値動きには「どこまで乗ればいいかわからない」と疲れた様子。深追いは禁物とばかりに、損切りを早めに済ませて静観することに決めたという。
  米株式市場が変調し、世界の株式市場の動揺が続いている。下値がつかめないなか、値動きが激しいので下手に動くとケガをしかねない。
 痛手を負っているとみられるのが比較的短期で売買する個人投資家だ。横浜市在住で数億円単位の金融資産を動かす別の30歳代の個人投資家も、この数日は 「空売り専門」と話す。対象は空運、鉄道など。「エボラ出血熱の感染拡大は深刻だ。どこまで広がるかわからない」と軟調な展開を見込む。空売りをかけた銘柄は「まだ下がりそうなので買い戻さない」ともいう。カブドットコム証券の荒木利夫執行役も「下値が固まるまで、買いづらいと考える個人投資家が多い」と 指摘する。
  株式相場はこのまま、ずるずると下げ続けるのか。底入れのタイミングについては見方が割れているようだ。SBI証券の藤本誠之シニアマーケットアナリストは「総じて個人は弱気だが、極端に弱気ともいい切れない」とみる。
 理由の1つは16日のマザーズ市場の動きだ。日経平均が大幅下落するなか、取引開始直後に急落したマザーズ指数は一時プラスに転じる場面があった。新興市 場ではエボラ出血熱に関連する小型株が急騰し、防護服やマスクなどを手掛ける小津産業や興研はストップ高水準まで上昇した。ごく局地的ではあるが、個人の売買で商いが盛り上がる場面もみられた。
  日経平均は4カ月半ぶりの安値を付け、直近高値の9月25日から10月16日までの下落幅は1635円(10%)に達した。市場関係者の間では、短期的には「底入れが近い」との見方が広がり始めている。
 楽天証券によると同社の店内では、急落したファーストリテイリングやみずほフィナンシャルグループなど主力株が軒並み買い越しだった。中長期の保有を前提にすれば、下がったところを拾いたいという個人が少しずつ動いているようだ。この日上場したリクルートホールディングス株も、買い注文が売り注文の2.5 倍に達した。松井証券の信用取引で買った株式の含み損益の度合いを示す信用評価損益率は15日時点でマイナス13%にとどまっている。ここでいったん株安に歯止めがかかれば、時機をうかがう個人投資家の痛手は広がらずに済みそうだ。
 楽天証券経済研究所の土信田雅之シニアマーケットアナリストは「日経平均株価のチャートで『三空』が出現したのは買いサイン」と話す。三空とは、その日の高値が前日の安値を下回る水準で取引され、ローソク足の間 に隙間(窓)が3回続けてできることを指す。売りの勢いが非常に強い半面、反動高へのサインでもある。今回は9日から16日までの4営業日で発生した変則形だが、土信田氏は「反発局面がそろそろ近づいている」とみる。
 世界の景気減速懸念やエボラ出血熱の感染拡大など、世界の金融市場は当面、不安定に揺れ動く可能性がある。ただ、こうした材料のほとんどは「海外要因」(SMBC日興証券)。したたかな個人マネーは急落相場の先をにらみ、少しずつ挽回の機会をうかがい始めたようだ。 ≫(日経新聞電子版:証券部 野口和弘)


 気の毒なくらい、道端に落ちている1円玉を拾い集めている姿が目に浮かぶ。今どきは、ホームレスでも、腰をかがめて拾うのは10円玉以上と言われているのに、苦しい記事を書いている。昨日のNY市場も、必死の買い支えで、大暴落は免れた。東京市場も似たような展開で、後場に買い支えのパワーが働いて、とく俵で堪えている状況だが、本来であれば、相場は落ちた時、落ちるだけ落とした方が健全な市場になる。この後家の踏ん張りのような展開は、単に、暴落の序章をかえって招きいれることになるような予感だ。

 EU市場がドイツを中心に悪化の一途を辿っているわけだが、アメリカンな「普遍的価値」の押し売りで自由を奪われたEUは、元気の源であったロシア市場を、アメリカン強制制裁のお陰で、失いつつあるわけだから、泣きっ面に蜂もいいところである。中国も不動産バブル崩壊は確実視されているので、どこまでシャドウ・バンキングの痛手を覆い隠せるのかにかかっているようでは、期待は出来ない。アメリカンは統計数値だけは絶好調風だが、市場は正直だ、アマゾンの年末商戦用臨時雇用7万人で一息ついているだけなのだから、雇用の改善とは程遠い。

 世論調査などによると、期待する政策は景気と雇用と社会保障だと答える連中が多いのだそうだが、景気雇用社会福祉がどのような仕組みで決定されているかのメカニズムも知らずに、好くなって欲しい。政治に願望だけを並べ立て、景気雇用社会福祉等々がどのような状況になると好転するのか、まったく考慮する知識も勘も働かない人々のようである。こんな有権者を抱えて、アメリカン・デモクラシーと金融資本主義で国家運営は、到底無理だろう。原理原則上無理なことを、出来ているように見せるのだから、滅茶苦茶以外のなにも産まない。このような国が、自由と民主主義、資本主義を貫くことは、限りなく無謀な挑戦だ。南無阿弥陀仏と念仏を唱えたくなる昨今である。

太古、日本の王は世界を治めた ロスチャイルド家が最後に狙うは《古代神代文字》
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●アベノミクス陥落確定! いよいよ始まる世界同時不況 

2014年10月16日 | 日記
金持ちが確実に世界を支配する方法――1%による1%のための勝利戦略
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●アベノミクス陥落確定! いよいよ始まる世界同時不況 

 2014年10月15日が世界恐慌の幕開けかもしれない。否、第一波かもしれないが、相当な経済事象になりつつある。筆者にとっては個人的に相場は好ましいわけだが、日本人の生活、否、世界中の生活者にとって、恐ろしい事態がヒタヒタと近づいている予感さえさせる暴落的事象である。円安連想高相場を形成していた東京株式市場は、NY市場以上の打撃を受けることになるのは避けられそうもない。

 15日夜の大阪夜間取引では日経平均が一時540円安をつけた。シカゴ市場の日経平均先物も530円安をつけている。日本時間16日午前一時現在は、揺り戻し期待で250ドル安程度の落ち着きをみせたが、まだ場も半ば、最終的にどのような状況になるか予断を許さない。105円台半ばをつけた為替相場も、幾分落ち着きを取り戻したとはいえ、106円台ギリギリで105円台も視野の動きだ。

≪ NY株、開始直後370ドル下げ 円は一時105円台前半
  【ニューヨーク=山下晃】15日の米国市場で、株安と円高・ドル安が急速に進んでいる。株式市場ではダウ工業株30種平均の前日比下げ幅が一時 370ドルに迫った。為替市場で円は対ドルで1ドル=105円台前半に上昇し、約1カ月ぶりの高値を付けた。朝方発表の9月の小売売上高をはじめとする米 経済指標が相次いで予想を下回り、米景気の先行きに不透明感が強まった。
 ダウ平均は取引時間中としては今年2月以来、約8カ月ぶりの水準 となる1万6000ドル割れの場面があった。欧州市場で主な株価指数が軒並み大幅安となっていることも、米株相場の重荷となっている。売り一巡後は下げ渋 り、ダウ平均は100ドル安の水準まで戻す場面があった。
 投資家の間では運用リスクを避ける動きが広がり、相対的に安全とされる米国債に 資金が流入した。米長期金利の指標である10年物国債の相場は上昇し、利回りは一時、約1年4カ月ぶりに節目となる2%を下回った。米経済指標の悪化に加 え、日米金利差の縮小が意識されたことも円買い・ドル売りを促した。 ≫(日経新聞電子版)


 このような状況は、昨日のコラムでも書いたように、グローバル経済下では、必ず起きうる現象なのだと思う。アメリカ一人勝ち相場などと云うものが成り立つことはあり得ない。なんら金融相場に関わりなく生きている人々にも、このマネーゲームの煽りは来る。それも、困ったことに、ゲームに参加している人々以上の打撃を受ける確率が高いのが、金融資本主義の重大なる誤謬部位である。既に、ノーベル経済学賞を独占していたアメリカ経済学者によってズタズタにされた資本主義は、リーマンショックで懲り懲りになったのかと思いきや、その傷を癒すために、結局は金融に頼らざるを得なかった事実が、すべてを物語るのだろう。

 さあこうなると、心配なのは安倍晋三の命運どころか、日本人の生活に、どの程度のダメージを与えるのだろうかと云う問題になる。まず、景気の指標のように思われていた東京株式市場の暴落で、アベノミクス幻想の報道が一変するだろう。各マスメディアは口を拭い、失敗のすべてを消費増税に振り向けようとするだろう。そして、経済音痴の国民も、そうだそうだと魔女狩りの感情論に乗っかるに違いない。マスメディアが、今まで、どれ程の嘘を垂れ流していたかの記憶をすっ飛ばして、今の魔女に悪口雑言を浴びせるだろう。

 この場合の魔女は、安倍政権なのか、日銀黒田なのか、財務省なのかである。官邸は財務省と日銀の財政健全化論の拙速を目立たせようとするだろうし、財務省日銀は、株式相場で誤魔化し切ろうと操作した官邸に矛先を向けようとするだろう。円安でも輸出が伸びないと云うのに、円高方向に為替が触れだしたのだから、好景気のシンボル製造業も4半期見通しを下方修正する動きが活発になる。このような状況で真っ先に起きるのは在庫調整であり、減産である。減産イコール非正規雇用の契約解除である。人手不足の解消だから良いじゃないかと思うだろうが、雇用の流動化は起きない。

 団塊ジュニア世代以降の世代の人々は、肌身で先進諸国の経済成長に懐疑的だし、まして自分の国の経済成長には、二乗の懐疑を既に持っている。彼ら世代の多くは、自分の国の経済事情が惨憺たるものになるであろう予感を身に着け成長してきている。偶然の勝ち組になることより、金に極力頼らずに人生を謳歌する選択があることを知っているようだ。とても身を粉にし働くことで、自分の生活を豊かにするよりも、豊かでなくとも愉快な生活が可能な方法を見出す選択肢に魅力を感じるのだから、雇用のミスマッチ解消の役には立たぬ。この悪循環は、次のフェーズで正社員の解雇に向かうだろう。

 特に、バブル期に雇用された45歳から52歳辺りの、年収1千万前後の人々が徹底的に解雇の憂き目にあうだろう。こうして、団塊世代以上の世代が抱えた資産や生活費を切り崩す役目を果たすので、国民の総資産も日ごと夜ごと目減りしていくのだろう。しかし、人間とは不思議なもので、衣食住さえ、どうにか賄えれば、金のかからない愉快を見出す天才だから、清貧を恐れることはない。問題は、年金生活でカツカツの人々や生活保護家庭などが、まだまだ値上げだけは続きそうな生活費のインフレに耐えられるかどうかは問題だろう。制度的には、まだ社会福祉給付は減額過程であり、3年程度は給付の減少も追い打ちとなる。

 まぁ、今の政治体制では、既得権益層の支配力が強力なため、10年スパンの耐乏生活時期は余儀なくされるだろう。収入源、過剰に便乗も見受けられる生活物資のインフレ。公共料金の値上げ、衣食住に関わらぬ産業の成長も、金の切れ目が成長の切れ目。最終的には便利でも、快適でも、指咥える市場が形成され、幻の商品とか、サービスが世界中に意味なくゴミ屋敷のごとく繰り広げられるのだろう。太陽電池のバッテリーが充電を知らせるアラームを鳴らすが、主はその横で横たわり飢餓に耐えている。こんな世界が到来する前に、人間は立ち向かうだろうか、自分たちの敵を見つけ出して。

 そうそう、心配ついでにもう一言加えておきたいのだが、もう不景気な話は聞きたくないかもしれない。やめることにするが、ここ半年につぎ込んだGPIFを含む、国民の財産は株式投資で幾らの損害を蒙ったのだろう?考えるのも悍ましいのでやめておく(笑)おお午前二時半、NY市場が大暴落になっている。ヤバいね、本当にヤバい。ダウが416ドル安です!16日の東京市場はどうなるのだろう?500円安では済まないだろう。1000円安も大いにあり得る状況を呈している。申し訳ないが、個人的にはいい夢が見られそうだ。八百長株価操作で200万かたヤラレタが取り戻せそうだ。

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