世相を斬る あいば達也

民主主義や資本主義及びグローバル経済や金融資本主義の異様さについて
定常で質実な国家像を考える

日本維新の会は自民補完勢力どころではない 国家をグローバル資本に捧げる政党だ!

2013年03月31日 | 日記
脱資本主義宣言: グローバル経済が蝕む暮らし
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●日本維新の会は自民補完勢力どころではない 国家をグローバル資本に捧げる政党だ!

 そもそも、政界に影も形もなかった橋下徹と云う男が、大阪府知事になった程度までは、横山ノックが府知事になったくらいの大阪だから、さもありなん、と思っていたが、急遽、府知事から、大阪市長に転身と云う離れ業をした辺りから、この男は国政に向かって脚光を浴び始めた。先の衆議院選直前には、既存権益を謳歌して生きてきたファッション右翼の石原慎太郎と組む事で、大衆の耳目を集め、国政の舞台で前衛劇を演じる様は奇異であった。しかし、閉塞と退屈と鬱屈に満たされた国民は、彼らに一定の支持を与えてしまった。

 その日本維新の会は30日に党大会を開き、党の新しい綱領や規約を採択した。以下が「日本維新の会」の綱領の要旨である。よく読むと判るのだが、重要なことは、彼らが大阪都構想からスタートした、統治機構の急進的改革を目指すと云う動きは、官僚行政が持つ裁量権の幅を縮小させて、政府の過剰な関与を見直し、自助、共助、公助の範囲と役割を明確にする等と言っているが、何ということはない、市場原理の渦の中に、国家と国民を放り込み、その行方は国民の自己責任だと言っているだけである。

≪ 維新綱領の要旨  日本維新の会が30日決定した綱領の要旨は次の通り。
 日本維新の会は、都市と地域、個人が自立できる社会システムを確立し、世界で常に重要な役割を担い続ける日本を実現する。  わが国の歴史と文化に誇りを抱き、良き伝統を保守しながらも、多様な価値観を認め合う開かれた社会を構築する。地域や個人の創意工夫、自由な競争で経済と社会を活性化し、賢くて強い日本を構築する。
 日本が世界で名誉ある地位を占めることを実現する。 価値を共有する諸国と連帯し、世界の平和に貢献し、文明の発展と世界の繁栄に寄与する。  国家再生のため、決定でき責任を負う民主主義と統治機構を構築するため体制維新を実行する。  基本的考え方
 (1)日本を孤立と軽蔑の対象におとしめ、絶対平和という非現実的な共同幻想を押し付けた元凶である占領憲法を大幅に改正し、国家、民族を真の自立に導き、国家を蘇生させる  
 (2)自立する個人、地域、国家を実現する  
 (3)官の統治による行政の常識を覆し、自治・分権による国家運営に転換する  
 (4)勤労世代を元気にし、世代間の協力、信頼の関係を再構築する  
 (5)国民全員に開かれた社会を実現し、教育、就労の機会平等を保障する  
 (6)政府の過剰な関与を見直し、自助、共助、公助の範囲と役割を明確にする  
 (7)公助がもたらす既得権を排除し、政府は真の弱者支援に徹する  
 (8)既得権益と闘う成長戦略により、産業構造の転換と労働市場の流動化を図る≫(時事通信)

 中央集権から地方主権への統治支配の改革など、一部で小沢一郎の政治理念と重なる部分はあるが、橋下らの「中央集権から地方主権への統治支配の改革」は羊の仮面であり、仮面を剥がした後には「市場原理主義集団」が自由気ままに動き回れる市場を提供しようと云う目的に過ぎない。石原の方の考えは判らないが、橋下のミッションは、国際金融勢力に市場原理で動く日本市場の提供である事は、ほぼ間違いがない。そのように考えないと、マスメディアが橋下徹に意図的にスポットが当たる報道に終始する筈がないのだ。

 日本維新の会の基本的考え方の「(8)既得権益と闘う成長戦略により、産業構造の転換と労働市場の流動化を図る」などは、基本的考えと云うよりは、個別の政策に言及しているような稚拙さで、付け足した印象だ。つまり、竹中平蔵の考えに呼応して、勤労者を家畜かロボット乃至は資本主義の部品にでもしようと云う試みなのである。「労働市場の流動化」が新たな産業を育たせる原動力だ、と怪しげな新興宗教の教祖が言うわけだが、「中央集権から地方主権への統治支配の改革」と云う仮面同様のロジックである。

 「労働市場の流動化」とは、アベノミクス御用達の「産業競争力会議」のメンバーである竹中・三木谷・榊原・岡ら、市場原理主義学者や経営者による「陰謀会議」のようなところで、判例で確定している労働者の最期の砦(企業の解雇権の濫用を禁止する判例)を僅かな金銭で葬ろうと試みられている。その「労働市場の流動化」を日本維新の会は、わざわざ「基本的考え方」に入れたのだから、安倍自民以上に、「労働市場の流動化」が重要政策だと白状している。

 早い話が、グローバル経済化による基本的メカニズム、賃金のコストダウンを目指しているわけである。年収800万~1000万クラスの中間層の勤労者を300万程度の収入の職に追いだそうと云うことに他ならない。その解雇の際、1000万円程度の解雇補償金を支給する事で、社員の解雇を合法化させる法律を立法しようと云うのだ。移るべき次なる産業との賃金ギャップは年収で500万はあるだろうから、解雇された勤労者は、たった2年で、中間層から貧困層に落ちていくことを保証するようなグローバル市場原理の理念である。

 結局、大阪都構想、道州制、統治機構改革(霞が関改革)も市場原理主義を強化する道筋であり、単なる羊の仮面に過ぎないようだ。つまりは、「日本維新の会」の目的は、国際金融資本勢力や市場原理主義の淘汰の原理で、強者・弱者と云う「極」を明確化させようと云う政党に過ぎない事実を晒している。その点では、みんなの党も似たりよったりなのだろう。この二つの不鮮明な体質を持つ二大野党は、米国依存症の自民党の補完勢力と云うよりも、自民の米国依存症を米国隷属症に引っ張り込む勢力(政党)だと考える方が妥当だ。

橋下徹と石原慎太郎 日本維新の会の陰謀 (別冊宝島 1928 ノンフィクション)
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北朝鮮を“オオカミ少年”と決めつけて良いのか 彼らが攻撃しやすい国はどこか

2013年03月30日 | 日記
困った隣人 韓国の急所(祥伝社新書313)
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●北朝鮮を“オオカミ少年”と決めつけて良いのか 彼らが攻撃しやすい国はどこか

 北朝鮮の遠吠えも、今では聞き慣れた感があり、その国家の存在自体が“オオカミ少年”のように我々の目に映るのだが、いつなんどき豹変するか、実は誰にも判らないのではないのだろうか。以下のように朝日新聞は北朝鮮の動向を報じている。

≪ 金正恩氏、米軍基地へ「射撃待機状態」指示
【ソウル=貝瀬秋彦】北朝鮮の金正恩(キムジョンウン)第1書記は29日未明、戦略ロケット部隊 の作戦会議を緊急招集し、米軍基地をいつでも攻撃できるよう「射撃待機状態」に入るよう指示した。朝鮮中央通信が伝えた。米韓合同軍事演習に核兵器を搭載できるステルス機、B2爆撃機が参加したことを踏まえた措置だとしている。
 北朝鮮は26日に「野戦砲兵軍集団を1号戦闘勤務態勢に入らせる」と宣言し、27日から南北の軍事当局間の通信を遮断するなど、米韓への圧迫を強めている。今回も、さらに緊張を高めることで、米韓の譲歩を引き出す「瀬戸際戦略」の一環とみられる。
 同通信によると、正恩氏は「情勢をみると、米帝と総決算する時が到来したと判断される」と指摘。米国が無謀な発砲をすれば、米国本土と太平洋、韓国にある米軍基地を攻撃しなければならないとし、戦略ロケット部隊の攻撃計画を最終批准した。  米軍は韓国で実施中の合同軍事演習に、核兵器を搭載可能なB52戦略爆撃機やB2を相次いで投入。これらの演習の内容をあえて公表して抑止力を誇示し、北朝鮮を強く牽制(けんせい)している。 ≫(朝日新聞デジタル)

 北朝鮮の今回の行動が“瀬戸際外交”の踏襲に過ぎない、と云う見方が主流を占めているようだが、果たして、そんなにタカを括っていて良いのだろうか。金正日の死によって俄かづくりされた若造トップの金正恩が、“戦争を知らない子どもの子供”なだけに、シミュレーションゲームの乗りで、笛吹けど踊らぬ隣国に対し、“殺してしまえホトトギス”の感情を爆発させない保証は、どこにもないだろう。

 おそらく日本人の殆どが、北朝鮮が直接攻撃を加えるなら、先ずは韓国・ソウルだろう位の認識しか持ち合わせていないのだと思う。筆者も、そうだろうなと思う。しかし、韓国は北朝鮮民族にとって同胞である。陸続きで一戦交える事となれば、朝鮮半島が大混乱を起こし、韓国も北朝鮮も刺し違えのような惨状になることは想像に難くない。それこそ、民族の死滅に繋がる。だからと云って、大陸間弾道弾匹敵のロケット打ち上げに成功したからと云って、米国本土に攻撃を仕掛ける程の能力が北朝鮮にあるとは思えない。

 このような消去法で、先制攻撃を仕掛ける相手としては、日本程度が一番良いのではないか、と彼らが思う可能性は否定できない。確率は非常に低いだろうが、先制攻撃を仕掛け、その後の条件外交に期待が持てる戦術には、日本と云う選択はあり得る。ミサイル投下が日本であれば、他の隣国や米国は冷静な立場で、問題の解決に動ける。つまり、韓国や米国に直接仕掛ければ、速攻で破滅させられるが、相手が日本であれば、ズルズルと瀬戸際外交の一環、延長線上の外交交渉が残される、と考えても不思議ではない。

 まさかと思うような事から、大事は始まるものである。己の財布が豊かになることしか考えられなくなった民族に活を入れて貰うのも悪くはないが、東日本大震災や福島原発事故の災難から、ほとんど何も学ばない国家なのだから、小さな爆弾が一つ落ちたくらいでは、被害を受けた人々を除き、ショック療法にも、ならないかもしれない。安倍晋三の日ごろの口ぶりから行けば、断固報復攻撃と言いたいところだが、米国に強く牽制され、似非タカ派ぶりを発揮するのかもしれない。チョイと見てみたい誘惑にかられるが、そんな不吉な誘惑は封印することにしよう。

 それにしても、確率が低いとはいえ、上記のような危機があり得るからと言って、危険は芽が出た時点で摘み取るべき、と行かないのが外交防衛なのだろう。座して、危機を招くと云うわけではないが、かといって、北朝鮮のような国を相手に、これと云った的確な対応手段はないわけで、結局、朝鮮総連ビル落札のように、迂回懐柔戦術のような裏外交を行うのだろうか。この辺は、もう少し事実関係がはっきりしないと、文字にするわけにはいかないが、推移は見守っておきたい。

虚言と虚飾の国・韓国 (WAC BUNKO)
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あらためて小沢一郎「生活の党」について思うこと 理念に矛盾はないのだが…

2013年03月29日 | 日記
遺伝子の不都合な真実: すべての能力は遺伝である (ちくま新書)
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●あらためて小沢一郎「生活の党」について思うこと 理念に矛盾はないのだが…

 時の流れとか、時の勢いとかを観察する限り、小沢一郎が率いる「生活の党」の存在感が“風前のともし火”に近いものとなっている感は否めない。潜在的支持はありそうなのだが、その支持が顕在化してない。思い起こすに、理不尽な事件があれこれとあったとしても、政権交代間近の国策捜査時や菅直人との代表選激戦時においても、決して小沢一郎の評価に激しい翳りは見られなかった。しかし、現状における小沢一郎の政治的影響力は、逆風だらけの当時よりも、あきらかに落ちている。マスメディアが意図的に小沢ネタをスル―している影響もあるだろうが、原因をマスメディア元凶説に集約するのは得策ではないように思う。メディア悪玉説と云う逆魔女狩りな思考は、小沢や生活の党の勢い回復の為の、突破口を曖昧にするだけだ。

 政権与党であった民主党内における権力闘争や自分の裁判関係に、多くのエネルギーを費やした事情を考慮に入れても、理不尽な強制起訴で“無罪”を勝ち取った時点から皮肉なことに、小沢一郎を取巻く環境が変わってしまった。筆者の感想に過ぎないのだが、判官びいきの熱が醒めてしまった後遺症のようなものが、小沢の周りでオーラの靄となって漂っているような感じなのだ。当然、そのような雰囲気は小沢自身が一番感じていただろう。故に、民主党離党後「国民の生活が第一」では、存在感ある野党とはなり得ないと判断、日本未来の党との合流を決断し、自らは党職につかない選択をした。

 小沢一郎が先頭に立ち、矢面に立たない急場しのぎの「未来の党」の選挙活動は困難を極め、短期間における内部分裂と支離滅裂な選挙手法で、投票日前に腰は砕けていた。直後の第46回衆議院議員総選挙において、日本未来の党は61議席から9議席と大幅に議席を減らし、小沢一郎の日本政治における影響力に翳り、とマスメディアは欣喜雀躍の態と相成った。現在のマスメディアの露出度から推し量る限り、現状、小沢の影響力が大きく後退した事実は認めざるを得ないだろう。

 夕刊フジによると、小沢一郎の別荘が沖縄県宜野座村に建築中らしく、この4月には完成するという。真偽のほどは不明だが、仮にその別荘が小沢一郎のものである場合、名護市辺野古からの距離も近いことから、辺野古埋め立てにおける沖縄の反対運動との連携も視野に入っているのかもしれない。また、鳩山由紀夫も、東アジア共同体研究所の拠点を沖縄におくことから、その連携も考えられない事はない。小池百合子が沖縄米軍基地問題は、沖縄のメディアとの闘いだと評したが、沖縄がどこかの時点で、日本政治の変革の起爆剤となるのかもしれない。

 報道では≪…小沢氏は現在、「国民生活を立て直す」「原発ゼロで経済成長を実現する」などの政策を掲げる生活の党を率いて、今年夏の参院選での勝利を目指して日々活動 している。ただ、国会議員生活も43年を超えて、その後の「自分の生活」も考えているのか。…≫、と引退が間近のニアンスを含んだ書き方をしているが、小沢一郎は沖縄問題で多くを語ってないが、将来的に沖縄問題の解決、その成り行きによっては「琉球独立」と云う大事にまで至る可能性もあるだけに、本土とは異なる戦いの場を想定しているかもしれない。

 まぁ、そのような近未来な話をする前に、現在の小沢一郎の影響力の回復と「生活の党」の勢力維持に何が必要なのか、考えてみなければならない。現在小沢一郎は、何時も通りの地方行脚に精を出している。3月も間もなく終わるので、4カ月後には参議院選が控えている。人の噂も75日ではないが、先の衆議院選では、民主党の体たらくの印象だけは立派に背負わされてしまった運の悪さも手伝い、大惨敗を喫したわけだが、今度はそこまで環境が悪いとは思えない。また、奇をてらうような戦術に走る気配もなく、昔通りの小沢の姿が甦りつつあり、一定の支持者回帰は計算出来るだろう。

 勿論、劇的に変化をもたらすことは望むべき状況ではなく、ベストで現状の維持と考えるべきだろう。ただ、安倍相場が、株式など市場経済の好調に支えられ、景気の「気」で経済を牽引しているように見せかける演出が、どこまで続くかと云う問題がポイントにある。輸出製造業への追い風である円安も、今後も円安に向かう傾向より、円高に戻る傾向の方が過激な動きを示していることから、85~95円/ドルのレンジで推移する可能性が高まっている。株式相場も、予想通り12500辺りを抜け出せずもがいている。どちらかといえば、外国勢の売り越しが目立ちだしたので、下降トレンドに入る可能性の方が高そうだ。

 幾ら経済界が安倍政権の景気の「気」の持続の為に、定昇やボーナス満額回答などを出したからと云って、海外の投機筋につられた株高が好調を維持する保証はない。海外投機資金は、日本国内の小細工に関係なく、自らの利益の為に動くわけで、国内の機関投資家が腰を据えて株式市場に参入してこない限り、息切れする可能性の方が高いだろう。筆者は、安倍政権の景気の「気」の持続を、今後4カ月間継続する事は難しいだろうと見ている。その時期が4月から5月に到来する可能性はあり、そこが安倍政権の勢いの潮目になるだろうと見ている。

 市場原理主義とマネタリズムが牽引する経済政策など、本来あり得ない妄想である。実物経済における市場の飽和が生まれ、金融空間の市場経済でしか利益の出なくなった先進諸国の資本主義では、経済政策をやればやるほど、悪い方向に向かう事は、既に証明済みなのである。目先で国民を騙すと云う小手先経済政策は、経済を悪化させると同時に、国家財政の命まで縮めようとしている。しかし、21世紀の先進諸国の経済の行き詰まりとか、BRICsから追われる日本とか、深く経済のことなど考えない人々には、株高で自分の懐まで温かくなるような錯覚に陥る。その株価が歴然と落ちてゆけば、アベノミクスは失敗なのだ、と短絡的に思い込む事も予想される。

 このような状況の中、理想的な事を言えば、そろそろ「続・日本改造計画」を出版すべきではないかと考えている。筆者の想像だが、小沢一郎が書き直したいと考えている部分は、GDP重視の経済成長を、今後も日本が追求すべきかどうか。経済に関し、異なる価値観を提示し、今後の日本人の生活の絵図を描き切れずに困惑しているのではなかろうかと想像している。政治家としては、「成長」と云う言葉を弄して政治活動をしたいわけだが、筆者などは、自立と共生の中では、特別GDP偏重の経済成長が国民を豊かにするわけではない、と云う哲学的言及をしても良いのだと思っている。

 たとえば、1人当たりのGDPひとつとっても、為替を80円レベルで見た場合、アメリカが48,000ドルだが、日本も47,000ドルなのである。正直、非常に豊かなのである。ドイツや英国でも40,000ドルに達していないのだ。問題は経済成長で国民の生活を豊かにする古臭い経済学からおさらばして、護送船団方式の中央集権を排し、地域ごとの特性を生かし、国家の経済構造を変革していかなければ、徐々に疲弊の道を辿り、最終的には国民の資産である3000兆円の富が底をつく。そう云う理論構成で、GDP成長神話からの脱却も試みて貰いたいものである。

 上記は、筆者の考えを押しつけているのだが(笑)、量より質の経済観念に日本人を立ち向かわせる政治家は、極めて21世紀的政治家と、筆者などは考えるし、理解する国民も多いような気がする。しかし、それを知らしめるためには、確固たる書物が必要である。それが「続・日本改造計画」であるべきだ。現状の政治状況を考えると、一気呵成に小沢一郎が復権できる状況とは思えないのだから、長期戦を覚悟すべきだ。「日本改造計画」執筆時とは、今の世界も日本も、隔世の感がある。是非、「続・日本改造計画」で、小沢一郎が考える「自立と共生」の姿や、富の価値感まで語る渾身の本が出版される事を望んでいる。

 直近の政局には大きく影響しないだろうが、それで良いのだ。怪しげなヌエのような勢力とと選挙協力などしても、また民主党の二の舞になる。「続・日本改造計画」を上梓して、現在の支持層である世代だけでなく、若者層に影響を与える哲学を語るべきだろう。筆者の感覚から察するに、小沢の若者への観念には、成熟国家で生まれ育った人々への思いやりが幾分欠けているような心配はある。この辺は、20代の精鋭の社会学者も出てきているのだから、彼らの考えを、教えを乞うように聞く耳を持って貰いたい。

逆システム学―市場と生命のしくみを解き明かす (岩波新書)
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西武HDにおける、米国流VS日本流の闘い 参入障壁撤廃後の日本の姿を暗示

2013年03月27日 | 日記
細菌と人類―終わりなき攻防の歴史 (中公文庫)
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●西武HDにおける、米国流VS日本流の闘い 参入障壁撤廃後の日本の姿を暗示

 今夜はサッカー日本代表がアウェーで、最弱チーム・ヨルダンに完敗。本田、長友が抜けた穴を埋めきれなかったわけだが、最低でも引き分けにはなると思っていただけに、気力の萎えるような試合だった。そんな気分を引きずっているわけではないが、自力の発想を離れ、各メディアのトピックスなど、色々と読んでみた。多くは、先の衆議院選の違憲と無効に占められていたが、産経と朝日に、比喩的で面白い記事が二つほどあったので、横着して貼りつけておく。

 しかし、この二つの記事は、まったく関連性はないのだが、筆者には、とても大局的な示唆を感じる記事になっている。勿論、世間の人が、筆者と同じ感性を持っているとは限らないので、勝手に感じて、自己満足に陥っているだけではないか、と云う非難も外れてはいないだろう。敢えて、慎んで、その非難に甘んじよう(笑)。

 一つ目は産経新聞の、西武ホールディングスが再上場に向けて、筆頭株主である米国投資会社サーベラスとの、経営方針に関する鍔迫り合いだ。無知蒙昧なまでに、安倍自民の政策を喧伝する新聞社としては、TPP参加後のなれの果て日本の姿を彷彿とさせる記事を報じた点は、違和感と共に意外性を感じた。もしかすると、単に右翼思考でアメリカ対日本と云う感覚で書いてしまったのかもしれない。TPP等で、一定のセーフティーネットとなる保護主義的システムを放棄した時、このような「米国流VS日本流」のいがみ合いは、日常茶飯事になることまで、想定しないで書いてしまった感がある。

 鉄道会社としての公共性と収益性の対立と云う図式で、西武HD経営陣とサーベラスの対決を見ているようだが、サーベラスは上場後の株式売却によるキャピタルゲインを勘定に入れているわけで、謂わばハゲタカ・ファンドなだけである。西武線沿線の住民の利便性とか、安定株主になり経営に関与したいと云う意味合いは持っていないのである。つまり、市場原理主義の姿とは、株式を、安く買って高く売りつける企業の草刈り場になることを意味している。経団連の銭ゲバ共が、こぞって市場原理主義を望んでいるようだが、自分達は勝者の側に残れると云う、錯誤の中にいる点が、酷く滑稽に思える。

≪ 譲れぬ「公共性重視」 米国流VS日本流、主張は平行線
 敵対的TOBに発展した西武ホールディングス(HD)と米投資会社サーベラスの対立の焦点は、不採算路線などリストラ対象事業をめぐり、収益性と公共性のどちらを重視するのか、という点だ。株主や利用者など「全てのステークホルダー(利害関係者)のために」という思いは双方で共通。ただ米国流の「企 業価値の向上」と、日本流の「公共性優先」という主張は並行線をたどったままだ。
 TOBに際し、サーベラスは新任取締役候補として五味広文・元金融庁長官ら3人を提案した。対して西武HDは助言機関として古森重隆・富士フイルムホールディングス会長ら4人による有識者会議を設置。サーベラスが同会議に協議の場を設けるよう要請するなど応酬が続いている。
 サーベラスは西武HDのコーポレートガバナンス(企業統治)や内部統制が「心もとない」(代理人)と強調するが、西武HDの業績は堅調で指摘は具体性に欠ける。五味氏は、西武HDの前身の旧西武鉄道が上場廃止になった際の金融庁長官。監督側にいた元官僚が経営陣に入ることに「倫理上の問題がある」(金融筋)との指摘もある。
 一方、西武鉄道に実際に不採算路線があるのも事実で、「バス輸送に切り替えるなどのリストラは検討の余地がある」(証券アナリスト)との見方もある。
 4月23日を期限とするTOBの成立はほぼ確実とされており、その後の協議で再上場の時期やリストラ策などの落としどころを探る展開になるとみられる。
 西武HDは発行済み株式の13%を個人株主が占め、鉄道やホテルの利用者、埼玉西武ライオンズのファンなど一般の利害関係者を多く抱える。真の理解を得るためにも、双方にはより客観的な情報発信と説明責任が求められている。≫(産経新聞)

 二つ目の朝日の記事は、筆者の個人的感性で目にとまった、としか言いようがないのだが、たるみ切った日本人も、時に自分は食べられる心配がないと安心しきった“イワシ”に見立てると、さしずめ“マグロ軍団”はTPPで参入してくる黒船(ハゲタカ・ファンド)の風情だ(笑)。企業にも、公共性にも、消費者への愛情もない合理主義一辺倒のファンドが跋扈するTPPなど市場原理主義に門戸を開くことも、ゆるみ切った統治システムには有効だ、と諭している水族館での“イワシ再生”の試みである。TPPの不利益が徐々に見え始め、企業側は米倉爺の口車にウカウカ乗って良いのだろうか、と焦りまで感じているようだ。官僚と示し合わせ、都合いい部分だけつまみ食いの精神ようだが、アメリカの取引は、そんな甘いものではない。米国基準に耐えられない企業は、悉く淘汰のされるのだから、生意気にTPP賛成等と言わず、TPPに反対だと、今からでも遅くないから叫べば良いのである。少々長文だが引用しておく。何かを感じて頂ければ幸いである。

≪ 水族館イワシに迫る危機 「緊張感を」マグロ軍団投入へ
【半田尚子】最近、名古屋港水族館(名古屋市港区)のマイワシがたるんでいるらしい。渦状になってえさを食べる「マイワシのトルネード」が売りの黒潮水槽なのに、群れから離れ、はぐれてしまう。穏やかな環境に慣れたマイワシに活を入れるため、28日に天敵のクロマグロ15匹を投入する。
 日本近海を流れる黒潮をイメージした水槽は、高さ5メートル、幅14メートル。体長20センチほどのマイワシから、1メートル以上になるサメやマンボウまで、自然界で共存している魚が泳ぐ。
 黒潮が流れる海は沖合で、マイワシが隠れられる岩陰などがない。そのため群れをつくって大きな魚から身を守る。水槽でも群れで泳いでいたが、最近、隅の方を1匹で泳ぐマイワシがいることがわかった。
 なぜ緊張感のないマイワシが現れたのか。担当の小串輝さん(46)は「『どうせ自分たちは食べられない』と気づき、油断しているのではないか」と話す。
 自然環境に近づけた展示をめざすものの、マイワシが次々食べられてしまっては困る。そのため、捕食する大きな魚には多めにえさを与え、マイワシを追う必要がない満腹状態にしてきた。それが、一部を「増長」させた可能性がある。
 体長が3倍もあり、本来ならマイワシをえさにするカツオと、アジの切り身を奪い合う怖い者知らずもいるという。緊張感を取り戻すのに効果が期待されているのが、高速で泳ぎ回る大きなクロマグロだ。
 いまの水槽にも1メートル以上のものがいるが、2匹なので存在感は薄い。そこで、三重県南伊勢町の養殖場で育った体長60~70センチの15匹を援軍として水槽に入れることにした。
 小串さんは「怖いマグロの存在で、『食べられるかも』という緊張感を持って群れを作ってほしい」と話す。

■シュモクザメ失敗、マンボウは善戦
 これまでマイワシに活を入れるために黒潮水槽に投入された魚は3種類。成果はおもわしくない。
 両目がハンマーのような形に左右に飛び出したアカシュモクザメ(体長120センチ)は鹿児島県から来たが、水槽の低い水温が合わず死んだ。サワラ(体長50センチ)も、尾をぷりぷり振って泳ぐ姿がサメの注意をひき、かじられて死んだものがいた。  存在感で群を抜くマンボウ(体長90センチ)は、それなりに善戦している。現在5匹。大きな体でのんびり泳いでいるだけのようだが、マイワシはマンボウを避けて泳ぐ。
 名古屋港水族館は、クロマグロに続き、黒潮流域に生息する バショウカジキの投入も検討している。
     ◇
■黒潮水槽内の勢力 マイワシ(体長20センチ) 3万5000匹
シイラ(体長80センチ) 8匹
カツオ(体長60センチ) 7匹
ゴマサバ(体長60センチ) 6匹
マンボウ(体長90センチ) 5匹
イトヒキアジ(体長30センチ) 3匹
クロマグロ(体長150センチ) 2匹 クロヘリメジロ(体長180センチ) 1匹
スマ(体長60センチ) 1匹
(2013年3月21日現在) ≫(朝日新聞デジタル)


円安恐慌 (日経プレミアシリーズ)
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判決後、真犯人が名乗り出る恐怖に慄く法廷 5人目の逮捕者が真犯人なのだろうか

2013年03月26日 | 日記
紛争屋の外交論―ニッポンの出口戦略 (NHK出版新書 344)
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NHK出版


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●判決後、真犯人が名乗り出る恐怖に慄く法廷 5人目の逮捕者が真犯人なのだろうか

 韓国の主要放送局と金融機関のコンピューターサーバーが一斉にダウンした事件で、韓国当局は当初、中国のIPアドレス経由で攻撃があったと発表したが、実は勘違いで、不正プログラムは米国と欧州の計4 カ国のIPアドレスから送られており、個別の操作がなされていたと発表した。つまり、中国経由は思い込みだったと云うことだ。 IPアドレス程度で、ウッカリ犯人名指しのような事を言うものではない(笑)。

 ところで、我が日本では、あろうことか遠隔操作ウィルスによる「なりすまし事件」の捜査で4人が逮捕され、その内の2人は起訴され、尚且つ有罪判決まで受けたのである。警察・検察の赤っ恥は捜査手法は言語道断であり、日本の刑事司法が、根底から腐っている事を物語っているわけだ。問題は、この「なりすまし事件」での赤っ恥、汚名挽回とばかり、今度は状況証拠において、犯人としての幾つかの要因を満たす片山祐輔容疑者を劇画風にアレンジまでして、マスメディア総動員で逮捕劇を演じた。余程証拠において自信がなかった証左であり、世間の空気で、容疑者の印象を”悪 ”に染めておきたかったのだろう。

 如何にも、冤罪事件を生みだしたのが片山祐輔容疑者であるが如き演出をしたわけだが、先の4人の冤罪逮捕や起訴は、あくまでも警察検察の体質が生んだ冤罪であり、仮に片山祐輔容疑者が真犯人であったからと云って、4人の誤認逮捕の汚名が拭われるものではない。誤認逮捕・誤認起訴・誤認判決のすべては、警察・検察・裁判所の誤認であり、他の誰かの所為ではない。こう云う点を、法治国家では、めくらましに惑わされず事実確認しておくことが、まず大切である。

 当初、パソコンを遠隔操作し、ネット掲示板に殺害予告を書き込んだとして、2月10日に威力業務妨害容疑で警視庁などの合同捜査本部に逮捕されたのだが、ほとんど証拠らしい証拠がなく、またまた誤認逮捕かと疑われていたが、初めの威力業務妨害容疑による逮捕は、身柄拘束の為の別件逮捕だったようだ。 事実、初めの逮捕は身柄拘束が目的だったようで、処分保留で釈放となったが、即日、大阪で誤認逮捕した男性のパソコンを遠隔操作し、なりすまし、「大量殺人する」と大阪市のホームページに書き込み、爆発物を仕掛けたとするメールを日本航空に送信して航空機を引き返させたとして、偽計業務妨害とハイジャック防止法違反の容疑で再逮捕した。

 たしかに、状況証拠の中には片山氏が真犯人である方向を示している事実が存在するのは明らかだ。しかし、ゆえに、容疑者が真犯人だと云う証明にはならない。状況としては、≪……江ノ島にはバイクでツーリングに行っただけですし、雲取山にはただ登山しただけです。・私がネコに首輪をつけたなど、コウトウムケイな話です。・また、私はアイシスのようなウイルスに分類されるプログラムを作る能力はありません。・アイシスに使われているプログラミング言語、C#での開発経験もありません。・私の PCを見てもらえば、そのようなものを作ったコンセキが無いことは分かるはずです。・サイバンカンの方にはどうか分かってほしいです。……≫と云う事だから、雲取山に登ったと云う事実と江の島に行った事実は、状況証拠である。

 雲取山と江の島、この双方に数年以内に近づいた人間が、この世に何人いるかと云う事だが、かなり少ないだろう。その上、IT関連企業で働いており、前科もある。ズブの素人であれば、それを持って、容疑者は限りなく黒いと思い込んでも罪とは言えない。しかし、デュー・プロセス・ローを必要とする法治国家においては、彼が犯行を犯したと云う確証が欲しいわけである。

 検察は勾留している片山容疑者に対する取り調べではなく、状況証拠、勤務先のパソコンの痕跡やFBIからの情報提供で遠隔操作ウイルスが見つかったと言い、インターネット上のドロップボックスのサーバーからの情報を物証扱いしようとしている。それに、雲取山と江の島に行ったと云う状況を加味して、真犯人に間違いないと、確実な物証ゼロで、起訴に踏み切ったようである。容疑者のPCの痕跡やFBIから情報も、実は片山氏を特定できる証拠ではなく、状況証拠の範疇に含まれるものである。

 検察当局は、容疑者が取り調べに対する「録音・録画」を要求しているのを拒否しているので、容疑者の言い分を覆すような取り調べまでも放棄しているようだ。しかし、起訴してしまった以上、検察はひくに引けず、立ちどまり引き返す勇気はないだろう。こうなると、検察の望みは、裁判所がズブの素人的印象で、「こいつでしょう、犯人は」と思い込んでくれることに賭けるようである。自白なし、物証なし、状況証拠ありの裁判がどのようなものになるのか、そのこと自体注目だが、判決が有罪だった場合、後日真犯人から、「お笑い判決」なんてメールがマスメディアに送りつけられない事を祈る日々が続くのだろう。

 その可能性は、実は大いにある。仮に、片山氏の行動を知るべき立場、乃至は間接的に情報を知り得る立場の人間が、片山氏を真犯人に仕立てる仕掛けは簡単に出来ることで、その点は、検察も、裁判で判決を出す判事も心のどこかで考えざるを得ないだろうと推測する。あれだけ愉快犯的な犯罪に手を染めた犯人としては、現時点で名乗りを上げるのは得策でないと考える。誤認逮捕・起訴で、誤認判決を一度出しているわけだから、今度も誤認判決が出てから、からかってやろうと思うのが自然だ。片山氏が真犯人でなかった時は、判決後に、一つの山が来るものと思われる。

 筆者としては、IT犯罪の複雑さや、ログやデータにおける証拠と云うものには、指紋やDNAのような、確たる固有の物証を提示する事は相当に難しく、この事件は一つの日本の刑事司法の試金石になるだろうと考えている。デジタル処理されるわけだから、固有の情報として特定する事は困難である。アノニマスやウィキリークスのように声明文を出すとか、自白が得られるとか、多くの状況証拠の脇を固める方法しか、正当に犯人を裁くことは困難なようである。仮に裁判員裁判になるとしたら、IT知識も要求されるだろうし、判事はそれ以上の知識の習得が求められるわけだが、裁判員も裁判官も、心象で事を運ぶかどうかも見守りたい。そして、真犯人が他に居るのであれば、必ずどこかの時点で名乗り出て貰いたいものである。


テレビも新聞も隠す『真実の情報』 知ってはいけない!? 医食住の怖~い話 知らないあなたは
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速報! 選挙無効判決がついに出た 昨年の12月自民大勝の衆議院選無効

2013年03月25日 | 日記
日本司法の逆説―最高裁事務総局の「裁判しない裁判官」たち
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●速報! 選挙無効判決がついに出た 昨年の12月自民大勝の衆議院選無効

 朝日は号外で以下のように、広島高裁の無効判決を報じている。筆者の記憶では、札幌高裁において、違憲だが選挙を無効とすると、選挙区割りする権限者である立法府に議員が不存在になるので、事実上、無効判決は出せない、と云う判決論旨があった。しかし、今回の裁判の如く、各選挙区ごとに訴訟を起こした場合、衆議院全体の議員が居なくなるわけではなく、合憲状態の議員が生き残るため、立法府に議員が不存在とはなり得ない。詳細は後日に回すが、余りにも立法行政が、司法の判断を蔑にしている事への怒りなのか、国民へのパフォーマンスなのかは、最高裁判決を待つことになるのだろう。また、司法が苦し紛れに強弁してきた「事情判決」の援用は、法の理念に背くもので、到底論理性がないことを、つけ加えておこう。

≪ 昨年の衆院選は無効 一票の格差訴訟で初判断 広島高裁
 【山本孝興】「一票の格差」が最大で2・43倍となった昨年12月の衆院選をめぐり、弁護士グループが「法の下の平等を定めた憲法に違反する」として選 挙の無効(やり直し)を求めた訴訟で、広島高裁(筏津〈いかだつ〉順子裁判長)は25日、広島1、2区について「違憲で無効」とする判決を言い渡した。弁 護士らが1962年に始めた一票の格差訴訟で、無効判決が出たのは全国で初めて。
 広島1区の当選者は岸田文雄氏(自民)、2区は平口洋氏(同)。ただ、被告の広島県選挙管理委員会は上告するとみられ、最高裁で無効判決が確定しない限 り失職はしない。高裁は選挙時の区割り規定そのものを違憲と判断したが、無効訴訟は選挙区ごとに起こす形式となっており、対象となった広島1、2区のみを 無効とした。
 一連の訴訟では、二つの弁護士グループが全国14の高裁・支部すべてで、計31選挙区を対象に提訴。6日の東京高裁を始め、5高裁・支部も違憲とした が、弊害が大きい場合はあえて無効としなくてもよい「事情判決」の考えを採り、違法の宣言だけをした。名古屋、福岡の両高裁は「違憲状態」と判断した。
 最高裁は2011年3月、一票の格差が最大2・30倍だった09年8月の衆院選を「違憲状態」と判断。地方に議席を手厚く配分する「1人別枠方式」が、 格差を生む主な要因だとして速やかな廃止を求めた。
 だが国会では昨年11月の衆院解散当日に、小選挙区の定数を「0増5減」する小幅の見直しが成立したにとどまり、選挙は「違憲状態」とされた元の区割り のまま実施。最大格差は最大2・43倍に広がった。
 選管側は「最高裁の判決からの1年9カ月では、区割りを抜本的に見直す期間としては不十分だった」と請求棄却を求めていた。
 無効訴訟は公職選挙法により、高裁が一審と定められている。従来、必ずしも重視されてこなかった「提訴から100日以内に判決を出すように努める」とい う規定を今回は各高裁が意識し、判決は27日までに出そろう。その後、最高裁が年内にも判断を統一する判決を言い渡し、確定する見通しだ。 ≫(朝日新聞デジタル)

世界の99%を貧困にする経済
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「米国・霞が関・経団連・自民・マスコミ」は、菅民主が生まれた時から政策を練り上げていた

2013年03月25日 | 日記
世界を不幸にしたグローバリズムの正体
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●「米国・霞が関・経団連・自民・マスコミ」は、菅民主が生まれた時から政策を練り上げていた

 ルールメーカーとして20世紀を制覇した覇権国家アメリカが、その地位を死守しようという悪あがきにつき合わざるを得ない国家が幾つかあり、その一つが我が国なのだと云う事実は、先の大戦の敗戦の意義をいやが上にも思い知らされる。だからと言って、常任理事国イコール核保有国と云う戦勝国のルールの中でしか存在しえない国家の行く末はどのようなものなのか考えると、思考そのものが停止する。しかし、それではB層国民を馬鹿にしていた筆者の立場も放棄することになるので、もうチョイ、頑張ることにしてみよう。

 北朝鮮が自棄のやんぱちで近隣諸国を脅しまくっているのが羨ましくさえ思えてくるのが不思議だ(笑)。最近、安倍晋三が「北朝鮮はこのままでは滅亡への道を進んでいく」と云う発言に対し、「狂信者の正体を再び現した」、「日本は我が革命武力の標的だ。戦争の火花が散れば、日本も無事でいられない」、「滅亡する運命なのは、定見もなく米国に盲従する日本の方だ」と反発したようだ。面白いほど的確に痛いところをついた論評を北朝鮮に語られたか、と複雑な心持ちになっている。

 此処に来て、非常に目立つのが、安倍自民の隷米政策への連続パンチである。政権交代から僅か3ヶ月で、これ程の準備が出来たのは驚異的だ。少なくとも、1、2年前から準備怠りなく、いま万端整ったとしか思えない手際のよさである。たしかに、民主党から小沢一郎の排除に成功すれば、残された連中が烏合の衆で、万年野党な点は、誰も否定しないだろう。つまり、2010年9月14日の民主党代表選で菅直人が、何故か代表選に勝利した日から、「米国・霞が関・経団連・自民党」の政権交代後のスケジュールが着々と隠密裏に進められていた、と考えるのが妥当なようである。

 勿論、多くのブロガーや一部メディアが疑念を強く持つ「検審事務局は、9月14日審査会議で小沢氏の起訴議決を決定した旨、議決要旨を添えて東京高等裁判所掲示板で発表した」と云う事実や党員サポーター投票の集荷集計における不正疑惑などの経緯。そして、それ以前の東京地検特捜部の国策捜査で、小沢一郎を内閣総理大臣に絶対させてはならないと云う、「米国・霞が関・経団連・自民党」及びマスメディアの必死の謀略が行われたことは、状況を冷静に見つめる限り、その通りであったと結論づけて問題ないだろう。

 今日のコラムの主題から離れるので、この必死の謀略について、これ以上の言及はしないが、いずれにせよ、「米国・霞が関・経団連・自民党」及びマスメディアの必死の謀略は予定通り完遂され、今日に至っている。菅直人が本格的に民主党代表として政権を動かした出した時から、米国や霞が関の、自民党への政権交代後を見据えた謀略(よく言えば戦略)が姿を現した。それが、TPPであり、消費増税であり、ACTA、オスプレイ配備である。勿論、ここに書き切れない程の日本包囲に必要な法案があるようだ。

 その結果、安倍政権は、どこのポケットから出してくるのか判らない程矢つぎ早に、次々と難関となるはずの政策や法案を、抵抗勢力の存在など無きが如くに振舞う事となっている。TPP然り、辺野古埋め立て然り、マイナンバー制度然り等々。この調子なら、消費増税の景気条項も無視に近い事として無視され、13年度からの3%増税は確実な模様だ。有権者が、この危険な政権に気づかずに参議院選でも、自民圧勝な投票行動を行えば、憲法改正までまっしぐらな、似非帝国主義国家が誕生するに違いない。TPPへの参加を、6~7割の国民が是とする世論調査も出揃い、我が国の隷米強化は盤石なものになろうとしている。政権交代時の民主党に対し、あれだけ見え見えの妨害工作を既得権勢力が行っても、殆どの国民が他人事のように振舞う我が国の状況を観察して、既得権勢力は、日本の国民はどんなに不利なことを押しつけられても気づかない、或いは見ないふりして付和雷同する国民であることに、勇気を貰ったことだろう。

 「米国・霞が関・経団連・自民党」及びマスメディアの唯一の誤算は、石破を総理にする予定だったのに、安倍が案に相違して総理に就いてしまった事で、民主党を完全に分割する目論みが中途半端に終わってしまった点だろう。安倍が総理になってしまった事で、既得権益勢力は安倍の心情的タカ派論を封じる戦略をオバマに委ねざるを得なかったと推測する事が出来る。そう云う意味では、米国や経団連は安倍の長期政権には危うさがあると読んでいるだろう。そう云う意味では、安倍もまた、トラップを掛けられるターゲットになっているのだろう。ゆえに、皮肉にも憲法改正まで一足飛びに飛躍する懸念は杞憂である可能性は高い。まぁその辺は対岸の火事として見守っておこう(笑)。

 日本におけるTPP推進論者の主張を聞いていると、「中国包囲網」と云うキーワードを金科玉条に挙げている。WTOの行き詰まりと中国の覇権への野心を、日米韓が協力して阻止しなければならない、と云う論法に行き着く。WTOの行き詰まりと中国の覇権への野心と云う側面から論を進めれば、なるほどの思える論説になる。このような側面からのアプローチだけを見聞きすれば、TPP推進に傾斜しても、何の不思議もない。傍若無人に振舞う現在の中国の大衆の一部や尖閣を巡る鞘当て等を眺めて、苦々しく思っている日本人の大衆心理にフィットするのが「中国包囲網」と云う言葉である。

 しかし、米国においていまだに一目置かれる重鎮の立場を維持しているキッシンジャーの語録を思い出す時、「中国包囲網」と云う言説が、実は日本の思い込みである可能性を否定できないと云う強い危惧があるのである。そんなことを考えていると、「晴天のとら日和」さんのブログに「キッシンジャーの語録」が記されていた。読めば読むほど、筋の通ったキッシンジャーの炯眼である。(勿論、非常に不愉快な思考であるが真実を示している)以下に貼りつけておくので、一読しておいて貰いたい。「中国包囲網」と云う日本の側の思い込みが如何に危険か、多少は考える人も出てくるだろう、と期待して。

≪ キッシンジャー語録
■「日本は経済大国になってしまった。もっと早く潰しておくべきだった」
■「東アジアはアメリカと中国の両覇権国で支配する地域だ」
■「日本には絶対に核武装させてはいけない」
■「台湾や韓国や日本ごときの為に、アメリカが中国と戦争するなんて馬鹿げ  ている」
■「中国の経済発展と軍事大国化は、アメリカの利益になる」
■「日本の自主防衛を封じ込めると同時に、日本を中国、韓国、北朝鮮、ロシアから分断して孤立化させる事が大切だ。 そうすれば日本はアメリカに依存せざるを得なくなり、アメリカにとって都合の良い経済政策と外交防衛政策を取らざるを得なくなる」≫(晴天のとら日和より)


暮らしの質を測る―経済成長率を超える幸福度指標の提案
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永田町は「豚」から「下痢」に、日銀は白猫から黒猫に権力が移行した。さてその結末は?

2013年03月22日 | 日記
日本の転機: 米中の狭間でどう生き残るか (ちくま新書)
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●永田町は「豚」から「下痢」に、日銀は白猫から黒猫に権力が移行した。さてその結末は?

 嫌に今度の日銀総裁は力んでいる。幾分高揚のし過ぎではないのか、と不安にさえなってくる。まるで、安倍晋三の躁状態が乗り移ったようだ。不動産投資信託(Jリート)等のリスクのある投信まで買うと云うのだから、並々ならぬ決意を感じるのだが、どこかが変である。アベノミクスと云う代物も、経済学者にも賛否両論があるが、経済学の問題ではなく、投機的力学とか、覇権的力学と云う側面から、現在の躁的思惑景気を受けとめる必要があるような気がして仕方がない。読売は以下のように、黒田新総裁の記者会見を報じている。

≪ 2%目標「前倒しでも何でもやる」黒田日銀総裁
日本銀行の黒田総裁は21日夕、日銀本店内で就任後初めての記者会見を行った。
黒田総裁は、政府と日銀の共同声明で掲げた2%の物価上昇率(インフレ)目標達成に向け、2014年以降に、毎月13兆円程度の金融資産を買い続ける「無期限緩和」について、「前倒しでも何でもやる」と強調した。
黒田総裁は「デフレから脱却し、(インフレ)目標を早期に実現することが、日銀として果たすべき使命だ」と決意を述べた。  目標達成の時期について、「2年程度を念頭に一日も早く実現する」と述べた。
具体策として、来年から予定している資産の無期限買い入れを年内に実施することなどが有力な選択肢となる見通しだ。  黒田総裁は、世の中に出回るお金の量を増やすことを目的とする「量的緩和は必要」と指摘し、「量的、質的両面で大胆な金融緩和を進める」と述べた。日銀が金融機関から買い入れる長期国債について、現在、1~3年に限っている満期までの期間をより長期のものに対象を広げることに加え、不動産投資信 託(Jリート)など、よりリスクの高い資産の買い入れを増やす考えを示したものだ。≫(読売新聞)

 物価の番人である日銀が、時の政府の要望を、此処まで丸呑みする姿を、少なくとも筆者の体験では初めてだ。金融緩和に原則抑制的な日銀と云う組織で、総裁副総裁だけのリフレ強行が上手く実行出来るかも注目点だ。米国オバマは、安倍を脅してまでTPP交渉参加を命じたわけだが、金融資本にシフトした資本主義のファンダメンタルの改善に寄与する幅は僅かである。(無論、日本は益よりも、害を多く受けるだろう)歴史的に俯瞰するなら、焼け石に水な行為なのだ。現実、そのTPPにしても、いつ、どのような形で発効するのか不透明であり、世界的ジャブジャブになったマネーの、当面の行き場を模索しているのが現状と考えられる。

 そこに都合よく、日本に安倍下痢政権が生まれ、米国市場原理主義者である浜田宏一や竹中平蔵(まだ生きていたのだな)、高橋洋一。そして、今回の黒田日銀総裁、岩田副総裁の参画により、我が国は「バブルよ、もう一度」の世界に突入する事になったのだが、この時系列な事実だけでも、どことなく奇妙だ。情けない話だが、こんな有り余ったマネーを持て余している、世界の金融勢力にとって都合の好いシナリオを、自民党や日本の学者や官僚達で創出出来るとは思えない。

 やはり覇権国が世界経済の混乱を最小限にとどめる為に、米国のシェールガス革命とか、ダウの上昇だけでは、貪欲な食欲を見せ、常時空腹を感じている金融資本勢力の食欲を、充分に満たすには馬力が足りない。現在の米国が、既にミニバブル状態であり、もう一か所でバブルを起こして貰わないと、米国自身の財政が持たない。その、もう一か所をEUに想定するのは無理だし、中国・ロシアでは、笛を吹いても踊るとは思えない。韓国は既に自国の出先領地のようなものだし、バブルを起こさせても規模が小さすぎる。

 残るは日本しかないのだ。覇権国の地位の維持の為にも、金融勢力の食欲を満たす為にも、日本がバブルで踊ってくれることは、一挙両得なアメリカである。資本主義の崩壊だとか、衰退だとか色々言われているが、金融資本による市場原理主義で、民主主義(アメリカン・デモクラシー)と資本主義を延命させなければならないと、覇権国が考えるのは理に適っている。ただ、その格好の材料に、ボンクラ安倍が総理になった事は米国のシナリオの実行を、た易いものにしたに違いない。

 その結果が、吉と出るか凶と出るか、正確な予測は本来無理なのだろう。ただ、筆者のように、欧米日など先進諸国の経済成長は殆ど期待出来ないのが理であり、その道理を無理に引っ張る行為(バブル現象)は常に弾ける運命にある。この流れに入った以上、日米は互いのバブルを援けあい、出来るだけ弾けるのを遅らせようと努力することになるのだろう。ただ、金融資本は恩を仇で返す体質を持っているので、彼らは市場原理に従い、いつでも投機市場から撤退する事が可能だ。しかし、国家は撤退と云うわけには行かないので、彼らのように消えてひと休み出来ない存在なのだ。

 これこそが、資本が国家を凌駕すると云う概念に結びつくのだろう。彼ら資本の食欲を満たす為に、尽くして、尽くして逃げられる。まるで資本とは“ヒモ”のような存在で、老いて疲れ果て、使い物にならなくなった政府や国家を置き去りに、次の若い娼婦が現れるのを待つのである。まさに、貨幣が資本主義を立派な大人に成長させたのだが、産みの親とも言える貨幣(マネー)に破壊されようとしている。どこかイソップ物語に出てきそうな現実なのだ。

リフレはヤバい (ディスカヴァー携書)
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東京電力という一流企業がまさか、陰謀屋の巣窟とは、お釈迦様でも気がつくめぇ

2013年03月21日 | 日記
歴史が後ずさりするとき――熱い戦争とメディア
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●東京電力という一流企業がまさか、陰謀屋の巣窟とは、お釈迦様でも気がつくめぇ

 あの原発事故以降の東京電力や電力会社の、時の政府をも馬鹿にする慇懃無礼な態度には、ほとほと呆れていたが、いまだ反省の気持ちも、福島県民を流浪の民にした責任など、微塵も感じていないようである。当時の役員達は、悉く天下って、のうのうと余生を送っている。こんな理不尽がまかり通ることは、独占企業が云々の問題以前の問題なのだろう。

 あまりコラムには書かないが、どう考えても、真摯な態度で事故収束や放射能の拡散防止に努めているとは言い難い事実が散見する。今回の使用済み核燃料プールの冷却が停止した問題も、原子炉ほどの緊急な冷却は必要ないと考えた、と云うのだから凄い。たしかに、技術的な考えとしては筋が通っているのかもしれないが、4号機や共用プールに収納されている使用済み核燃料の量は、後回しにするには、あまりにも大量過ぎる。結果的に、仮設配電盤で2年近くを費やしたわけで、今月末新規の配電盤に切り替える矢先だった、と言っているが鵜呑みには出来そうもない。バックアップ電源もなく、一つの配電盤のショートが、他の配電盤にまで影響を及ぼす回路にしてあること自体異常である。

 当時国会事故調委員だった田中三彦氏が、原発事故の原因が津波によるものだけではなく、地震の揺れによって一定範囲の機器(非常用復水器・IC)やその他配管が破断したのではないか、と云う疑問を持ち、1号機の4階を検証したいと云う申し入れに対し、ありとあらゆる妨害を東電は行っている。現場は既に真っ暗で足場も悪く、奈落の底に落ちる危険が満載だ、と委員らに脅しをかけ、その検証を阻んだ。しかし、その後、現場には明りがあり、充分検証可能だったことが判明している。また、その後川内博史前衆議院議員が福島第一原発1号機原子炉建屋4階の検分が可能と云う事で、東電社員同行でビデオ撮影をしたらしいのだが、その撮影の画像は真っ暗で、まったく何ひとつ写っていないのだそうだ。

 ビデオの専門家に聞いてみたところ、真っ黒で何ひとつ写っていないと云うのは考えにくい。何らかの影は写る筈だし、デジタル的に真っ黒にしたとしか思えないと云う推察だった。この点に関し、川口氏は田中三彦氏のアドバイスで、その撮影ポイントを、自ら撮影する予定だったが、またしても、画像などを覗きこみながら歩けるような状況ではないと脅され、東電社員に撮影を託したのだそうである。あきらかに1号機の4階にある「非常用復水器・IC」の状況を誰にも見せるわけにはいかない不都合な事実があるのだろう。それしか、東電の脅しの意味を解するすべはない。

 そういえば、当時の吉田所長が1号機の非常用復水器(IC)停止を把握していなかった問題で、如何にも所長の把握ミスのような扱いだったが、4階にあった非常用復水器が津波で水を被り、破断したと云うのは常識では考えられないのである。だから、復水器は生きていると吉田所長が思い込んだのは理に適っていた。ただ、実は地震で壊れていたと云うことだろう。つまり、原発事故を未然に防ぐ話が、津波の被害一点張りで推移し矮小化されているわけだが、実は地震の揺れに対する防御も必要と云うレベルになり、地震大国の日本では、打つ手がないのである。

 放射の汚染といえば、内部被ばくの影響があるとかないとか議論されているが、外部被ばくや内部被ばくの影響は最短でも4,5年後から顕著になるわけで、本番はこれからである。水による汚染も酷いもので、高濃度汚染水を収納するタンクが敷地一杯になり、もう行き場がなくなりかけているようだ。最後は、「えぃ!ままよ!」と海の放出する選択肢しか残されないのだろう。そんな悲惨な東京電力の実態の波及的問題も浮上しているようだ。朝日が何の気なしに報じた狛江市の給食停止問題の記事を参考に読んで貰おう。

≪ 中学校給食、突然中止に 東京・狛江市、契約更新できず
 【平山亜理】東京都狛江市のすべての市立中学校の給食が4月から中止されることが15日、分かった。市教育委員会と契約していた民間業者が2013年度の契約を更新しないためだ。市教委によると、4月までに代わりの業者が見つからず、中止 せざるを得ないと判断した。文部科学省によると、きわめて珍しいケースだという。
 給食が中止されるのは、市立の四つの中学校。生徒と教職員計約1500人の7割が食べている。同市の小学校は自校で調理しているが、中学校は、市教委の栄養士が献立を考え、民間会社の「三鷹給食センター」(三鷹市)が調理し、各校に届けている。
 同センターの松山賢司社長が、市に契約を更新しないと伝えたのは、2月27日。市の担当者は「あまりに急なことで、対応できない。せめて、半年前には言って欲しかった」などと頭を抱える。学校給食は調理から2時間以内に配食するよう、学校給食法による基準で決まっている。市内や周辺では条件に合う業者がなく、新たに別業者を探すことが難しいという。
 市は、独自の給食センターの建設を計画中で、15年9月にセンター方式の 中学校給食を始める予定だ。それまでの2年半は、民間業者に委託しなければならない。
 市教委は3月6日付で各校を通じて保護者に給食中止を伝えた。中学2年生の次女をもつ会社員の男性は「娘は給食を楽しみにしていた。相談もなく、急に一方的に、やりませんと言われても困る」と話す。市教委は、牛乳だけを提供することや、弁当をあっせんすることなどの代案を検討中だ。
 狛江市立第三中学校の平岡盛仁校長は「弁当を作れない家庭もあるので、弁当をあっせんするなど、子どもがお昼のことを心配しないで勉強できるようにしたい」と話す。
 松山社長は、朝日新聞の取材に「お答えすることはないので、お引き取り下さい」と話した。社員の一人は、「社員は、みな一生懸命やってきた。出来れば、 給食を復活させたい」と涙ぐんだ。
 文科省学校健康教育課によると、給食の民間委託は増えているが、民間会社が契約を続けられない事情がある時には、数カ月前に知らせ、自治体が余裕をもって別の業者を見つけられるようにすべきだとしている。≫(朝日新聞デジタル)

 問題は、あまりにも唐突な給食センターの更新拒否である。少なくとも、その業者はその後も給食センターの業務を継続しているのだから不思議だ。民間業者が特定されているので、未確認情報と断った上で、疑惑を書くのだが、狛江市と云う所は、非常に特異な町で、共産党市長が4期16年間知事の座を守った革新性の強い町である。2012年、ついに民自公の反共産連合が一矢報いて、高橋都彦市長が誕生したのだが、いまだにリベラル色の強い町で、放射能汚染に対する市民の感覚もリベラルであり、市民の市政には厳しい目が向けられており、高橋市長は新年度の市政運営方針に、市内全域の道路等の空間線量を独自で測定する方針を打ち出し、その際中座していた小中学校の給食食材等の放射能検査を復活させる事も表明した。

 このような経緯から、給食センター業者の唐突な更新拒否には相当の因果関係があるのではなかろうかと云う疑念が生まれているのである。給食に使われた食材が規定の範囲内におさまっていたものなのかどうか、疑念が生まれていると云う。真実を追求する為には、その業者が他地域において行っている給食の食材を検証してみる方法や、どのような食品業者から食材の納入を受けていたか、まめに調べていけば、なぜ、高橋市長の給食への放射能検査再開の発表後、唐突に契約の更新を拒否したのか、真実に近づくのであろう。きっとこれから、このような問題は、マスメディアの報道の扱い一つだが、連鎖的に起きるのかもしれない。

文明の接近 〔「イスラームvs西洋」の虚構〕
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日中韓FTA、RCEP交渉を急げ 貿易協定とは思えぬTPPの異質性に気づくはず

2013年03月20日 | 日記
チャイナ・ギャップ 噛み合わない日中の歯車
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●日中韓FTA、RCEP交渉を急げ 貿易協定とは思えぬTPPの異質性に気づくはず

 日本政府はオバマの命令により、TPPへの交渉参加を諾々と表明した。アベノミクスなるものが、当面成功しているように相場を動かすことを米国が保証したのかもしれない。安倍自民への追い風を演出してやると言いながら、TPPへの強制加盟に引き摺りこむ算段なのだが、あろうことか、この成功演出で、既に米国系ファンドが3000億円程度、大儲けしていると云う事実を見聞きすると、米国資本主義がどれ程強欲なものか、推して知るべしである。共同通信が面白い記事を配信している。

≪26日からソウルで日中韓交渉 FTA構築を急ぐ
 中国商務省の沈丹陽報道官は19日の記者会見で、日本と韓国、中国による自由貿易協定(FTA)の第1回交渉会合を今月26~28日にソウルで開くと明らかにした。  沈報道官は「できるだけ早くFTAを構築することは3カ国の共通の利益にかない、地域の平和と発展にも有益だ」と述べ、早期締結を目指す考えを示した。
 日本の環太平洋連携協定(TPP)交渉への参加表明で、中国はアジア太平洋地域の自由貿易圏構築が米国主導で進み、中国が排除されることを警戒している。
 沈報道官は沖縄県・尖閣諸島や島根県・竹島をめぐる日中と日韓関係の緊張を念頭に、交渉が順調に進むためには3カ国の関係の安定が重要であることを強調。「日本や韓国とともに努力し、早く積極的な成果を挙げたい」と述べた。≫(共同)

 自民党自体が、RCEP(東アジア地域包括的経済連携)の方が日本にとって有利だ、と衆議院選前に野田民主相手に明言したはずだ。この変節が、安倍訪米でなんなく覆ったのだから、オバマの脅しが効いたのだろう。しかし、オバマが、このTPPに関して、全権限を持っているわけではない。むしろ、官僚と議会が具体的協定内容を吟味決定する権利を有している。つまり、オバマが安倍に約束したこと自体が越権と云うか、口先介入である可能性もある。年内の合意を目指しているようだが、まだまだ交渉参加各国との鬩ぎ合いは続いているようで、難産が感じられる。

 TPPより先に、中韓FTA協定が先行するかもしれない。それに引き摺られるかたちで、日本も加わり、日中韓FTA協定に発展する事も考えられる。それとRCEP(東アジア地域包括的経済連携)の協議が再開されれば、TPPがすべてはないことが日本の国民に理解できるだろう。日本の嘘こきマスメディアは、如何にも自由貿易協定がTPP唯一のような報じ方に徹しているが、さにあらずだ。 RCEPは日本、中国、韓国と東南アジア諸国連合(ASEAN)、オーストラリア、ニュージーランド、インドの16カ国の正真正銘のアジアの成長を相互に取り込む自由貿易協定の枠組みなのである。

 どうして、北米、南米大陸全体とアジアが同一の地域と云う概念が生まれたのか、無理やりこじつけた地域としか言いようがない。EUで塊りを作られ、行き場を失ったアメリカと云う巨人の横車である。まさに、米国の都合である。それも、オバマの応援団である多国籍企業群にとっての利益だと理解して間違いないだろう。それに、チョッとだけ、軍事的意味合いを付加し、中国や北朝鮮の威嚇を殊更に語ったようなものである。

 多少、資料が古いので数字に誤りがあるかもしれないが、日中韓FTAだけでも15億人の市場とGDP計14兆ドルが見込まれる。TPPは7億人市場でGDP計20兆ドル。現状の数字はそれなりだが、衰退の巨人を抱えるだけで、成長性ゼロなのである。その米国主導で、親分づらした上に、紛争解決は米国支配下の世界銀行傘下の紛争裁判所で裁かれるわけで、日本の裁判所同様、不公正・不公平の巣窟に投げ込まれるようなものだ。こんな協定に、飛んで火にいる虫の如く飛び込むのは、安倍晋三くらいだろう。ただ日本の愚民の数も多く、7割がTPP賛成だと云う、馬鹿じゃあるまいに?(笑)

 それに比べたら、RCEP(東アジア地域包括的経済連携)のスケールはデカイし(24億人市場・GDP計20兆ドル)、将来性を誰もが疑わないのだから、正常な神経の持ち主なら、こちらを選ぶ。野田の馬鹿ものでさえ、RCEPとTPPを同時並行させるつもりだった。RCEPは従来のFTAなどより、貿易の自由化度が高い経済連携の枠組みを目指すことではTPPと同じだ。しかし、目指す自由化度の高さが常識的で、先進国、後進国の特性なども加味している。勿論、米国配下の裁判組織も存在しない。日中韓FTAかRCEPで、関税撤廃対象から除外する重要品目を確保する事で、TPPの強行姿勢には、に整合性の問題があると主張するのは有効だ。

 どの協定にしても、その国独自の多様性を無視して、何でもかんでも米国流の自由貿易の概念を押しつけるTPPは、中国包囲網と云う覇権問題を内包しており、アングロサクソンのアジア支配であり、意地悪に見れば、一部アジアの取り込み協定と見ることも可能だ。TPP推進派は、自由貿易を目指すならTPPしかないと言っているが、RCEPの方が規模的にも、今後の将来性においても、TPPよりも優れている。問題は、アングロ系のオーストラリアやニュージーランドなどが重複しているので、参加国の多様性を認めるRCEPとTPPとの整合性も問われることになる。現在のマスメディアの報道だけを見ていると、TPP唯一の印象だが、日中韓FTA、RCEPもあるわけで、TPPが“唯一神”なわけではなく、日中韓FTA、RCEP、TPPの“多神”の存在を考慮すべきである。

増補改訂版 なぜ欧米人は平気でルールを変えるのか ルールメーキング論入門 (ディスカヴァー携書)
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時代を敏感に受けとめる若者 躁状態で身の丈を忘れ、やみ雲に上昇志向する大人たち

2013年03月19日 | 日記
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●時代を敏感に受けとめる若者 躁状態で身の丈を忘れ、やみ雲に上昇志向する大人たち

 筆者は2、3時間くらいの余裕が出来た時によく利用するKという珈琲ショップがある。この店の特長は、店内を図書館とか喫煙所として割り切り、顧客にサービスを提供しよういうコンセプトに徹している。コーヒー一杯で、学生達が何時間粘ろうが我関せずである。他の顧客から分離したテーブルの配置と各種新聞や週刊誌が備えられているのも高得点だ。ちなみに、漫画の類は置いていない。特にコーヒーが美味しいわけでもないが、誰も文句は言わないようだ。価格以上の空間を、その店が提供しているからだろう。

 筆者を除くと、この店で長居をするのは殆どが若者だ。彼らが、iPhoneやスマホだけをやっているかと云うとそう云う訳でもない。資料を拡げ、モバイルノートPCを開き、黙々と何かをしている。結構常連も多いので、会釈する程度のつき合いだが、たまに話すこともある。彼らの話を小耳に挟む事もある。概ねが大学生のようだが、彼らは興奮して話をする姿を見せない。社会の大仰な事件にも、押し並べて驚愕する事もなく、坦々と受けとめる。少々醒めた感じだが、極めて礼儀正しく、他人を不愉快にさせない術を心得ている。仲間とつるんでいても、それ程粘着な関係性を見せない。

 この店とは別だが、時折仕事の関係で学生のバイトを雇う。彼等とも話をするが、激こうするタイプは見当たらない。激こうするタイプは家で引き込持っているのかもしれない。それでは、彼らが社会や他人に無関心で、無気力とか虚無な考えに陥っているのかと云うと、そういうものでもない。筆者は彼らと接して感じたことを、1.15日付の拙コラム「肌感覚で時代に感応する若者たち 過ぎた日の懐古と観念であらがう 大人たち」 で語った。今日、似たような話が朝日に載っていたので、先ずは参考に添付する。

≪ さとり世代、浸透中 車乗らない、恋愛は淡泊… 若者気質、ネットが造語
 「さとり世代」という言葉が広まっている。インターネットから生まれた表現で、今の若者を象徴しているという。バブル世代とも、ゆとり世代とも違うという「さとり世代」。どんな人たちのこと?
 「さとり世代」が最初に登場したのは2010年1月。ネット掲示板「2ちゃんねる」で、元日経新聞記者の故・山岡拓さんの著作「欲しがらない若者たち」を語るスレッドだった。
 同書には、今の若者の消費動向について「車に乗らない。ブランド服も欲しくない。スポーツしない。酒は飲まない。旅行しない。恋愛には淡泊」とある。
 これを受け、1人が「さとり世代」と書き込むと、「いい言葉!」「面白いフレーズ」などの書き込みが殺到。その後、掲示板の創設者で元管理人の西村博之さん(36)がツイッターで「『さとり世代』。結果のわかっていることに手を出さない。草食系。過程より結果を重視。浪費をしない」とつぶやき、ネットで拡散した。
 ■閉塞感が影響?  結果をさとり、高望みしない世代――。何歳くらいを指すのだろうか。
 博報堂若者生活研究室アナリストの原田曜平さん(35)は「ゆとり教育を受けた世代と年齢的にほぼ重なるだろう」と話す。  ゆとり世代は、主に02~10年度の学習指導要領で学校教育を受けた人たち。1980年代半ば以降に生まれ、現在の年齢は10代から20代半ばだ。
 物心ついたときにはバブルが崩壊し、景気は後退。一方で、ネットが普及し、自ら足を運ばなくても欲しい情報が手に入る環境を享受してきた。原田さんは「『ゆとり世代』はダメな若者を指す言葉になったが、『さとり世代』は、ゆとり教育を受けつつ、さらに勉強をし、現実的な将来を見通す賢い集団でもある。だからこそ、結果をさとらざるを得なかった」。
 社会学者の古市憲寿さん(28)は「自分を一歩ひいて見ざるを得なかった世代」とみる。社会の閉塞(へいそく)感で、夢や目標を持つことの見返りが不透明になったことが一因という。「お金がないと合理的になるのは当然のこと」と指摘する。
  ■企業には危機感
 若者は、長く消費ブームの先頭に立ってきたが、最近は20代の購買欲が落ちているとの指摘もある。  
 例えば、旅行。日本交通公社によると、20代の海外旅行者数は00年の417万人に対し、12年は294万人。JTBワールドバケーションズの太田真規男さん(51)は「この世代を押さえないと、新婚旅行、家族旅行へと続く市場を獲得できない」と危機感を示す。
 例えば、クルマ。日本自動車工業会が08年、18~24歳を対象に実施した乗用車市場動向調査によると、免許保有率は01年から65%程度でほぼ横ばいだが、実際に運転する人の割合(男性のみ)は99年の74・5%から、07年は62・5%に減少。購入したい車の価格は男女ともに「120万円以下」が増加した。担当者は「この傾向はますます強まっている」と話す。
 日産自動車マーケティング本部の塚原隆彰さん(36)は「車を持つことがステータスだった時代は終わった。恋愛、グルメなどのキーワードと合わせて、車への関心を高める工夫が必要です」。
 ただ、20代の人口は減り続けているし、若者の所得も下落傾向だ。「さとったから買わない」でなく、使うお金がないだけかもしれない。
 ■「覇気感じない」  でも、労働現場からは、こんな声も漏れる。
 東京都内でアパレル販売の会社を営む小林栄治さん(30)は、19~26歳のスタッフに頭を抱える。「仕事はそつなくこなすが、上を目指そうという気概がない」  彼らに「店長になってほしい。給与も上がる」と声をかけると、「大変なだけじゃないですか」と断られることが多いという。  (古田真梨子)
 
◆夢は寛容な大人
 「さとり世代って言われれば、僕もそうかも」  東京都内の大学に通う男子学生(26)は言う。都内で生まれ育ち、北は北海道まで行ったことはあるが、南は三重県どまり。パスポートは持っていない。
 「異国の料理は都内で食べられる。海外の様子はネットでわかる」。車の免許は必要性を感じられず、教習所に通ってはみたものの、「中退」した。「将来は自分のレベルに応じた暮らしぶりでいい。すごいことをやろうなんて思わない」
 千葉県の女子学生(20)も海外旅行に興味がない。「手続きが面倒くさい」という。化粧品か下着のメーカーへの就職を希望するが、年収にはこだわらない。「ほどよく力が抜けた大人になりたいんです」
 淡泊な恋愛観も、さとり世代の特徴とされる。横浜市の男子学生(20)は長身のイケメンだが、彼女はいない。親しい女性はいるが、「ただの友だち」。親類の40代男性から「それで満足? 俺たちの時代では考えられない」と驚かれたが、「普通だよ。みんなと仲良くできればいい」。将来の夢は、「寛容でおおらかな大人になること」。≫(朝日新聞デジタル)

*筆者の感想は、現代の若者は、強欲ではなくなったと云うことだ。無気力とか、草食とか、あきらめとか、その辺の類とは違うと云う点は、朝日の記事の言わんとしている部分もある。「さとり」と云うのは大袈裟かもしれないが、社会との関わりに達観した部分があるのは事実だ。身分相応の生き方をしようと、彼ら世代の多くが感じていれば、それが彼ら世代の生き方のメジャーになるのである。勿論、猛勉強でエリート集団に入ろうとする若者もいるだろうが、彼らは少数派に過ぎない。

 ただ、このような世代が生まれたのは「ゆとり教育世代」と云う概念で捉まえようとするのは些か無理がある。幾つかの社会的条件が出揃うことで起きる現象なのだと思う。一つは経済的ハングリーさが求められる条件が、殆どないのである。親世代だけでなく、祖父母世代も、彼らに経済的重荷を背負わせる必要のない世界を既に築き、孫子には生活の苦労をさせない家庭教育が行き届いた。彼ら自身は、自己実現等とは程遠い世界に生きてきたので、自己実現の世界が、暗中模索のカオスの世界であるかどうか知る由もない。一種、あこがれがあるだけに、推奨する傾向さえある。

 このような家庭環境や社会環境があり、他人と接するツールが行き届き、多くの情報に触れる機会も増えた21世紀は、濃密な人間関係が構築されるより、淡白な人間関係を浅く広くと云うものに変えていっても、何の不思議もない。 多くの情報が、彼らに知識への渇望と云うチャンスを奪った可能性もあるだろう。しかし、苦労して、知り得た情報が、単に傷つけられる現実に行きあたるのであれば、敢えて傷つく必要もないだろう。濃密な人間関係が人を育てると云う言説も、謂わば、実証不可能な幻想であり、他の世代に説教できるほど、確証を持って語れる人は少ないだろう。その上、彼らの育った世界には、成長しなければどうにもならない、切迫したニーズが存在しない。また、理論的考えても、過度の競争原理は、他人や他国の利益を横取りするようなもので、そこまで争って入手しなければならない必然性が、そこにはない。

 彼らが、マクロ経済において、日本や他の先進諸国の資本主義が限界に来ている、と悟っているかどうかまでは判らないが、肌感覚で知り得るものかもしれない。そして、ニューヨークやロンドンの若者用に、幾分しらけた目で、世間を第三者的に見ている部分もある。過度の物欲にも興味を示さず、人間関係の濃密さも求めず、時には性欲さえも、自己完結の方が好ましいと思うようになることも、時代性から読み解くことは可能なのだろう。スポーツもやってはみるが、苦痛を伴ってまでするべき魅力も感じず同好会のレベルを善しとしているようだ。

 その意味では、極めて時代の読みが正確な世代なのかもしれない。どのような世界が来ようとも、その時代に合わせて、身の丈を伸ばしたり縮めたり、大変器用にして、傷つかない生き方の知恵かもしれない。世代的な感情から言えば、色々と苦言の一つも言いたくなるのだが、彼らの時代の、彼らの決定であり、中年世代がとやかく言うべきことではないのだろう。見方によると、彼らは封建時代の商人や農民のように、その都度の不条理な政治にもめげず、強かに生き抜いた、封建庶民であるのかもしれない。少なくとも、他との比較において右往左往するのでもなく、自分なりに生き、他と争わず、逆にその時代の環境に大きく左右される事もないのかもしれない。

追伸:18日、東京株式市場は、日経平均が340円の大幅安となった。アベノミクス以来最大の下げ幅のはずで、本来であれば、マスメディアのトピックスに載るべき事態なのだが、全国紙サイトのトピックスで取り上げたところがない。流石に日経なら載っているだろうと思ったが、日経もスル―である。どのような感覚でトピックスを選択するのか、理解に苦しむ。キプロス支援で欧州問題が意識されたと云う理由のようだが、日経の下げは、それだけの理由とは思えない。なにやら、先週末の安倍晋三のTPP交渉参加表明が、アベノミクス支援相場の「潮目」と云う見方も充分出来るだろう。昨日紹介した白川前総裁の講演要旨も、ロイターなどでは、かなり反響を持って受けためられているようで、そう云う影響もあるだろう。3月末は、利益確定の売りと、配当目的の鬩ぎ合いも含まれるだけに、一荒れ来そうな雲行きで、結構愉しめそうだ。

テレビも新聞も隠す『真実の情報』 知ってはいけない!? 医食住の怖~い話 知らないあなたは
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白川前日銀総裁の“最期ッ屁” 白川の遺言は石原の**よりも遥かに価値あり!

2013年03月18日 | 日記
昨日までの世界(上)―文明の源流と人類の未来
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●白川前日銀総裁の“最期ッ屁” 白川の遺言は石原の**よりも遥かに価値あり!

 今夜は、日本経済の問題点を、日銀総裁として見つめてきた前総裁白川方明氏が、経済界のお歴々に向かって、遠慮会釈なく日本経済の問題の解決を、日銀や政府の政策だけで解決するものではなく、民間企業の責任にも重大だと云うことを述べている、相当長い講演内容を全文紹介する。最低限の経済知識があれば、そのほとんどが理解可能なので、是非日本の経済やアベノミクスの是非を論じる参考にして貰えるだろう。

 しかし、人間と云うものは面白い。辞めると腹を決めた後の、その人物の言葉は真実を語る。引退した会長とか、名誉教授とか、概して利益損得抜きの話をしたがる。老作家などにもその傾向はある。生臭い人間からは得られない味が出ると云う点で共通しているようだ。筆者などは、先進欧米諸国や日本などは、本来、そのような立場にいてもおかしくないのだが、現実は、どうも違うようである(笑)

 同氏は、円安のみの単なる物価上昇を国民は望んでいないと指摘、短絡的インフレ・リフレ論を牽制した。景気が改善し需給がひっ迫することによって物価は上昇するものであり、その逆はありえない。拙速な金融緩和による物価上昇は実質所得の低下に繋がる。過去何回かの円安局面においても、日本の潜在成長率は上がらなかった。正しい経済成長を望むなら、伝統的大企業の新陳代謝の促進が重要だ。GDPに強く関心を寄せるよりも、GDIと云う概念にも目を向けるべきである。また、一つの問題を解決しようとして、新たな火種を生みだす弊害は、マクロ経済の特長でもある等々と、経団連諸氏には、気分の悪くなる話に終始している。同氏には考えられない“小気味よさ”である。


≪     日本経済の競争力と成長力の強化に向けて
     ── 日本経済団体連合会常任幹事会における講演 ──
                                       日本銀行総裁 白川 方明

 1. はじめに

本日は、日本経済団体連合会常任幹事会でお話しする機会を頂き、誠に光 栄に存じます。話を始める前に、本連合会の会員企業の皆様には常日頃より 経済・金融の現状や政策運営に関し、様々な情報やご意見を頂いていること に対し、心よりお礼を申し上げます。
本日は、私にとって、日本銀行総裁としての最後の講演となりますが、テーマは、迷うことなく、「日本経済の競争力と成長力の強化に向けて」とする ことに決めました。と言うのも、競争力と成長力の強化こそが現在の日本経 済にとって最も重要な課題だと考えるからです。このテーマは日本銀行にと っても極めて重要です。
ご承知のように、日本銀行は先月の金融政策決定会合において、金融政策の目的である物価安定について、その具体的な数値目 標を2%とすることを決定しました1。
この「物価安定の目標」は、日本経済 の競争力と成長力の強化に向けた幅広い主体の取り組みが進展するという認 識に立った上で、導入したものです(図表1)。それだけに、そうした取り組 みが現実に進展するかどうかは、金融政策運営上、極めて重要です。
以下で は、マクロ経済的な視点、企業行動の視点、そして、経済政策の視点を意識 しながら、このテーマについて考えていることをお話ししたいと思います。

2. 経済政策の目的

現在、わが国の経済運営を巡って活発な議論が行われていますが、最初に、 経済政策の目的は一体何であるのか、我々は日本経済についてどのような状 態を実現したいのか、ということについて考えてみたいと思います。
経済政策の目的は、最終的には国民一人ひとりの生活水準の向上を図ることにある ことは言うまでもありません。国民の生活の豊かさを測る単一の尺度は存在 しませんが、近似的に言うと、国民一人当たりの消費水準、あるいはこれと 密接な関係がある実質GDPの水準を持続可能なかたちで高めることがマク ロ経済政策の重要な目標です(図表2)。
そう申し上げた上で、日本経済の置 かれた状況に則して経済政策のあり方を考える際には、もう少しきめ細かな議論が必要です。
第1に、急速な高齢化による労働人口減尐の影響を考慮する必要がありま す。日本の実質GDPは、今もリーマン・ショック前の水準を下回っていま すが、人口一人当たりの実質GDPをみると、欧州諸国と比べ、落ち込み幅は相対的に小さくなっています(図表3)。さらに、生産年齢人口一人当たり の実質GDPをみると、日本はリーマン・ショック前の水準を上回っており、 米国よりもパフォーマンスは良好です。「人口の減少」は日本経済を語る時の常套句であるにもかかわらず、景気論議においてはこの重要な事実は意外に忘れられがちです。
もちろん、四半期とか1年という期間ではどの数字でみても大勢に違いはありませんが、日本経済の中長期的な経済政策のあり方を 考える時には、「一人当たり」という視点も重要です。
第2に、経済のグローバル化の進行という事実を踏まえる必要があります。 具体的に申し上げると、実質GDP(国内総生産)だけでなく、実質GNI (国民総所得)もみていく必要があるということです。実質GNIは実質G DPに以下の2つの調整を加えた所得概念です。ひとつは、わが国の居住者 が海外で稼ぐ所得です。2012 年の数字でみると、海外で稼ぐ所得は、14.3 兆円と、名目GDPの3.0%であり、近年は対外証券投資に伴う収益に加え、 対外直接投資に伴う収益も増加しています(図表4)。
もうひとつの調整は、 対外的な交易条件の変化に伴う実質的な購買力の変化です。近年は新興国経 の高い成長を背景に資源価格が上昇していることなどから、日本の交易条件は悪化方向にあり、交易利得、すなわち、交易条件の変化に伴う実質購買力は減少傾向にあります(図表5)。交易条件は資源価格だけでなく、日本企業の輸出品の非価格競争力を通じた価格支配力によっても変化します。為替 レートの変化、例えば、円安は輸出増加を通じて実質GDPを増やすとともに、交易利得には逆方向に作用する場合があります。
実質GNIへの影響は、こうしたふたつの調整を加味したネットの効果に依存します(図表6)。2000年を基準とすると、実質の海外所得の水準は、2012 年に約2.5 倍にまで増加し、2012 年の実質GDPを2000 年対比で1.9%押し上げました。
一方、交易利得は、5.8%押し下げ方向に作用しました。 第3に、名目GDPと実質GDPをどのように位置付けるべきかということも議論されます。この点、経済が持続的に成長する時には、両方とも増加 するため、中長期的に目指す政策の方向は異なりません。
ここで申し上げたいことは、両者の因果関係です。まず実質GDPが増加することによって需給ギャップが逼迫し、これに伴う物価上昇の結果として、名目GDPは増加するというのが基本的な因果関係です(図表7)。もちろん、石油ショックの時のように、物価が先に変動するというケースもありますが、この場合は景気が悪化し、我々が望んでいる姿とは違います。我々が経済政策で実現しよ うとしているのは、実質GDPを高め、その結果として名目GDPが高まるという状況です。
この点に関し、興味深いのは日本銀行が個人を対象に四半期毎に実施している「生活意識に関するアンケート調査」です。この調査結果をみると、性別・年齢別・職業別のいずれでみても、過去から一貫して、物価の上昇について8割程度の方が「どちらかと言えば困ったことだ」と答えています(図 表8)。
この調査結果の背後には、物価が上昇しても賃金は増加しないかもしれないという不安があります。多くの国民は単に物価が上がることを望んで いる訳ではありません。給料が増加し、雇用も確保され、収益も増加すると いう状態、つまり、経済がバランスよく改善し、その結果として物価の上昇が実現する状態、これが国民が「デフレ脱却」という言葉で望んでいる姿の実相です。
第4は、成長の果実をどう分配していくかという問題です。経済が成長する上で市場メカニズムの果たす役割は大きいものがありますが、そうしたメカニズムを基本的には受け入れる社会としての価値観がその前提となります。 この点では所得分配の状況も重要な要素のひとつです。米国では、リーマン・ ショック前の景気拡大期、すなわち2002 年から2007 年にかけて、所得上位 1%の家計の実質所得が86%、家計の平均所得も20%伸びたのに対し、中位所得、すなわち、所得の高低で並べて丁度中間に位置する家計の所得の伸びは平均所得の伸びの半分である10%にとどまっています(図表9)。
所得分配の状況は所得を稼ぐことのない高齢者の割合にも依存するため、単一の指 標で捉えることは困難ですし、また、わが国はここまで極端ではないでしょ うが、中間所得層を中心に、バランスのとれた経済成長を実現していくべき との問題意識は、世界的に高まっています。

3.競争力と成長力強化の必要性

以上の経済政策の目的に関する議論を踏まえた上で、次に、わが国の競争力と成長力強化の必要性に話を移します2。 一国の経済成長率の動向はやや長い目でみると、資本ストックや労働力、技術革新といった実体的要因、ないし供給サイドの要因に規定されます。このことをいわゆる成長会計の枠組みで説明すると、成長率は就業者数の伸びと就業者一人ひとりが生み出す付加価値、すなわち付加価値生産性の伸びに分解できます(図表10)。現在の男女別、年齢別の労働参加率を前提に、先行きの就業者数の伸びを機械的に計算しますと、年平均で2010 年代はー0.6%、2020 年代は-0.8%と減少していきます。
一方、付加価値生産性の伸び率ですが、比較的良好な時期である2000 年から2008 年の伸び率は、年平均で+1.4%でした。この数字を、先程の就業者数の伸びの数字にそのまま加えたとしても、2010 年代の成長率は平均で+0.8%、2020 年代は+0.6%にとどまります。この先20 年間、何とかプラス成長を維持できる程度にしかなりません。
労働力人口の減は、日本経済にとって実に強い「逆風」であり、我々は、この「逆風」の意味をもっと深刻に受け止める必要があります。もちろん、付加価値生産性の伸びをさらに高められると、問題の程度は緩和します。しかし、日本は過去10 年間のG7諸国の平均を若干上回る伸び率は実現しており、これを一挙に1%以上も高めることができると考えることは現実的ではありません(図表11)。
いずれにせよ、日本の成長力を将来に亘って引き上げていくためには、就業者数と付加価値生産性の両方に働きかけていく必要があり、相当に思い切った努力が必要です。その際、幅広い主体の取り組みが不可欠ですが、何と言っても主役は民間企業です。
現在、企業は家計と並んで貯蓄超過部門であり、そうした状態が1998 年以降続いています(図表12)。もっとも、企業が大幅な貯蓄超過の状態にあるというのは、今や日本だけの現象ではなく、2000年代に入って、主要先進国に共通してみられる現象です。因みに、企業の貯蓄超過幅の対GDP比をみると、英国は6.1%、日本は4.6%、米国は4.1%となっています。
こうした貯蓄超過の最大の要因は、新興国における投資機会が拡大する中で、国内における魅力的な投資機会が不足していることですが、最近は金利低下などによる企業年金の積立不足とこれに伴う追加拠出に備えた資金確保といった要因も指摘されています。 手元に豊富な資金があるにもかかわらず、国内投資に積極的になれないという状況は本席におられる経営者の皆様が日々実感されていることだと思います(図表13)。
因みに、東証1部・2部上場企業のうち、有利子負債以上の現預金を手元に抱えている企業、すなわち、実質無借金企業の割合は、最近時では43%にも上っており、手元現預金は増加の一途を辿っています。
もちろん、企業が手元流動性を潤沢に保有すること自体は、バブル崩壊後の金融危機、あるいはリーマン破綻後のドル資金不足やCP市場の機能低下といった経験を踏まえると、ある程度までは合理的な行動です。
しかし、現在の手元流動性の水準はそうした予備的需要を遥かに上回っているように思えます。余剰資金の使い道は、国内外の実物投資や金融投資、賃金支払いという従業員への還元、配当や自社株の買入れといった株主への還元の3つの選択肢しかありません。
いずれにせよ、このルートのいずれかを通じて、増加した流動性に何らかの変化をもたらさない限り、経済への好影響は生まれません。
その意味で、企業経営を取り巻く環境を変え、インセンティブを変えていくことが非常に重要です。物価安定のもとでの持続的成長の実現のためには、金融政策が重要であると同時に、競争力と成長力の強化に向けた取り組みが求められる所以です。

4.今後の取り組みの基本的な方向性

そこで、次に、競争力と成長力の強化に向けた基本的な方向性を述べてみたいと思います。 増大する海外需要の取り込み 第1の方向性は、増大する海外需要を海外進出というかたちで取り込んでいくことです。
こうした取り組みは、新興国を中心に海外経済がわが国に比べ格段に高い成長を遂げている以上、「空洞化」としてネガティブに捉えることは、適当ではありません。
国際分業体制のもと、海外において加工・組立の量産拠点を拡張する一方、国内からの中間品輸出を増やしたり、より収益力の高い研究開発分野を強化していくことは、わが国の実質GDPの底上げに繋がります。また、企業部門に蓄積した余剰資金が、より高いリターンを生む国への投資に向かい、これが利子や配当というかたちで国内に還元されれば、実質GDPの伸びには直接貢献しませんが、実質GNIを伸ばすことはできます。
経済のグローバル化が進展する中、国内生産と輸出の組み合わせだけでなく、対外直接投資や現地生産との組み合わせにも、国全体としてバランスよく取り組んでいくことは不可欠です。 実際、日本企業の海外投資は、アジアを中心に増加してきています。また、 海外進出の動きは、製造業大企業だけでなく、非製造業や中堅・中小企業に まで広がっています(図表14)。
しかし、それでも、日本の対外直接投資の残高は、他の先進国に比べ低い水準にとどまっています(図表15)。証券投 資と直接投資を合わせた対外投資の収益率という点でも、日本は、収益率の高い直接投資のウェイトが小さいこともあって、米国などに今一歩及ばない 状況となっています(図表16)。
この点、新興国、中でもアジアには、交通輸送やエネルギー供給、通信手段といった基幹インフラに対する巨額の潜在的需要が存在しており、アジア開発銀行の調査によれば、その規模は2010 年から2020 年にかけて約8兆ドルにも達すると推計されています(図表17)。都市の高度化や環境・省エネ対策はもちろん、人手不足や賃金上昇に対応したファクトリー・オートメーション化などを含め、日本が長年培ってきた世界最高峰の技術とノウハウを活かせるビジネス・チャンスが溢れています。
中間所得層の拡大とともに消費需要が爆発的に増加する中、これまでもっぱら国内市場をターゲットにしていた小売やヘルスケア、教育などの分野でも、広大なアジア市場を相手により大きなビジネス戦略を立てることが可能となってきています。
高齢化への対応
第2の方向性は、急速に進む高齢化への対応です。平均寿命が長いということは、健康という人間の幸福にとって最も重要な条件が高い水準で満たされているということですが、高齢化の進行に合わせて経済や社会の仕組みを見直していかなければ、現在の高い生活水準を維持すること自体が難しくなります。時折誤解されますが、高齢化という人口動態の変化自体が問題を引き起こしているのではありません。真の問題は、そうした変化にわが国の経済や社会の仕組みが十分に追いついていないことです。
高齢化の進行は、経済に様々な変化をもたらします。まず、労働力の減少という経済の供給サイドのルートを通じて、成長率の下押し要因となります。 これを跳ね返すためには労働参加率、特に、高齢者と女性の労働参加率を引き上げることが不可欠です3。
この点、60 歳から69 歳までの労働参加率はここ数年で着実に上昇してきました(図表18)。女性の労働参加率も上昇していますが、まだ他の先進国と比べて低い水準にとどまっています(図表19)。 高齢化の進行は、需要面でも大きな変化をもたらします。
その典型例は医療・介護分野です。実際、米国では、2000 年以降の10 年間で、65 歳以上の高齢者人口が13%増加し、医療・介護関連の支出は82%も増加しました。一方、日本の場合、同じ期間に高齢者人口が29%も増加したにもかかわらず、医療・介護関連の支出の伸びは17%にとどまっています(図表20)。
この点、日本では、各種の規制や現場の人手不足などから、需要に見合うサービスが十分提供できていないとの指摘が多く聞かれます。
財政負担とのバランスを踏まえる必要はありますが、適切な制度設計や規制改革が図られれば、医療・介護サービスや医療機器・設備への潜在需要が開花する可能性が高いと思います。同時に、医療・介護分野は、日本企業の海外進出が進む中、国内雇用の有力な受け皿のひとつとなると考えられます(図表21)4。
高齢化は住宅市場における需要拡大ももたらします。子育て世代においては、広い住宅に対する潜在需要が強いと考えられますが、都市部を中心に、現状、そうしたニーズは十分に満たされていません。
一方で、高齢者は、現役時代に購入した広い住宅に居住しています。実際、日本では、新築住宅と合わせた全流通量に占める中古住宅の割合は12%に過ぎず、米国の79%、英国の86%に比べて遥かに低い水準となっています(図表22)。今後、住宅市場の整備が進められていけば、ライフ・ステージの変化に応じた潜在的な需要が掘り起こされ、それに伴い家電や生活用品、リフォームといった周辺市場も活発に動き出すはずです。
金融面でも変化が期待されます。日本の場合、個人の金融資産は現預金に集中していると指摘されますが、これには個人の資産全体のうち、住宅という価格変動が大きく流動性の低い実物資産の占める割合が高いことを反映している面もあります(図表23)。
個人の資産が現預金以外の金融資産に向かえば、長期的なリスクマネーの供給が増加するというメリットも期待できます。
資源の円滑な移動促進
第3の方向性は、資源の円滑な移動を促進することです。今述べた医療や住宅分野では、需給ギャップというよりも、潜在的な需要と現実の供給がうまく対応していないという点で、需給のミスマッチがより本質的な問題となっています。ここ数年、高齢者向けのパック旅行や健康ビジネスの売上げが急増していますが、これは、企業が人材や資金をそうした事業に振り向け、新たな売れ筊商品の開発に努めたことで、潜在していた需要の掘り起こしに成功したからです。 変化は必ず新しいニーズを生み出し、新しい商品やサービスの誕生を促します。
需要構造の変化に合わせ、企業内、企業間、産業間、地域間で、労働や資本といった資源を移動させ、最適な配分を実現していくことが不可欠です。一言で言うと、経済成長を実現するためには新陳代謝も重要であるということです。
因みに、株式時価総額上位300 社の設立時期をみると、日本の場合、米国よりも伝統的企業が多いことがわかります(図表24)。これは、企業自身が自己変革に取り組み、度重なる環境変化をうまく乗り越えてきたことの証左とも言えますし、新しい企業がダイナミックに誕生していないとも言えます。
ただし、変化も確実に生じています。例えば、リーマン・ショック以降の株価の動向をみると、最近は相対的に小規模な企業が健闘しています(図表25)。ここ数年、大きく落ち込んでいた新規株式公開件数も、徐々に回復傾向にあり、その動きは地方にも拡大しています。
このような新しい芽にも大いに期待したいと思います。

5.規制・制度改革、コーポレート・ガバナンス改革、社会の価値観

以上、競争力と成長力強化の基本的方向性について述べてきましたが、本来、個々の企業の合理的な行動の結果、そうした方向に経済は向かう筈です。 現実にそうなっていないのは、そこに経済的、制度的ないし社会的理由があ るからです。そのように考えると、そうした障害を取り除く環境の整備が必 要となります。

規制・制度改革
第1に必要なことは、変化を目指す企業の取り組みを可能にする政府による環境整備です。特に、企業のチャレンジ可能な領域を広げるための思い切った規制改革や、成長力の高い事業や産業への人材移動をより円滑にする、労働市場の制度整備が不可欠です。同時に、環境変化への対応を過度な社会的ストレスを伴わずに進めていくため、転職サポートやセーフティー・ネットの充実も求められます。

コーポレート・ガバナンス改革
第2に必要なことは、株主や投資家によるコーポレート・ガバナンスが適切に機能することです5。この点でドイツの事例は参考になります。ドイツは2000 年代初頭まで構造改革の遅れが指摘され、事実、2000 年代前半は低成長を余儀なくされていましたが、そうした中で、柔軟な雇用調整を可能とする制度整備や投資家に対する情報開示の強化など、企業活動を巡る様々な改革に取り組みました。ドイツとの比較で言えば、日本の場合、特に事業再生や企業買収といった企業法分野の改革が遅れており、これがダイナミックな企業再編を妨げ、産業全体の国際競争力の低下をもたらす可能性が指摘されています。また、こうした状況が、法的整理への脅威や他者からの買収圧力の欠如に繋がり、企業内に過剰な現預金が蓄積される一因になっているとも言われています。

社会の価値観
第3に必要なことは、安定と変化のいずれを優先するのかという社会の選択の問題です。わが国ではこれまで、どちらかと言えば安定重視の価値観が支配的でした。既存の国内市場の中で、消費者ニーズに合わせて、自社の商品を段階的に「改良」していく手法も、安定重視の経営スタイルといえます。
しかし、人口が減尐する中で、国内市場に焦点を当てた「改良」だけでは、経済は縮小均衡に陥る惧れがあります。雇用確保の要請に応えながら、同時に熾烈な価格競争を続けていけば、長期的に企業の収益環境はますます厳しくなっていきます。やや大胆に言えば、企業は、過去からの連続である「改良」か、非連続的な「イノベーション」かの選択を迫られています。経済に対するショックが一時的なケースでは、「改良」によって当座の苦境を凌ぎ、長い目でみた安定を優先する意味はあります。しかし、グローバル化や高齢化のような永続的なショックに対し、従来同様の「改良」だけで立ち向かっていては、大きな変化への対応が遅れる可能性があります。
改革は、国民の納得や合意なしに進めることはできません。イノベーションを実現していくためには、企業のチャレンジ精神と、それに必要な経営資源の移動や再配分が不可欠です。その過程では摩擦的現象も起きます。一概に答えの出る話ではありませんが、環境変化が永続的なものであるとすれば、そうした変化を受け入れ、新しいことへのチャレンジを応援する価値観を社会全体で共有することも、成長力強化に向けた改革を実現する上で非常に重要なポイントです。

6.物価との関係

ここまで競争力と成長力強化に向けた取り組みについてご説明してきました。次に、やや脇道に逸れますが、成長と物価の関係についてお話ししたいと思います。
消費者物価の前年比上昇率は、現在はゼロ%近傍となっていますが、2014年度には0.9%に高まっていくというのが日本銀行の現在の見通しです。これは海外経済の緩やかな回復を前提に、わが国経済も潜在成長率を上回る成長を続け、需給ギャップが解消していくとの見通しに基づくものです。しかし、需給ギャップはピークに比べかなり縮小しており、また需給ギャップに対する物価上昇率の感応度を前提とすると、この先、需給ギャップの解消だけで直ちに2%の物価目標が達成できる訳ではありません。物価上昇率が2%となる経済とは、どのようなイメージの経済で、そこに至る過程では、どのようなメカニズムが作動するのでしょうか。論理的には幾つかのケースが考えられます。
第1は、円安や国際商品市況の上昇により、輸入物価が先行的に上昇するケースです。第2は、賃金が上昇するケースです。中長期的には、賃金と物価は密接に関連しています。第3は、予想物価上昇率が高まるケースです。 第4は、企業や家計の成長期待が高まるケースです。
我々はどのケースを望んでいるのでしょうか。輸入物価が先行的に上昇するケースでは、家計の実質所得は圧迫されます。望ましいのは、賃金の上昇、予想物価上昇率の高まり、企業や家計の成長期待の高まりが同時進行的に進んでいくという姿だと思います。ここでのポイントは、賃金と物価の関係です。
わが国の物価上昇率が海外に比べて低いひとつの大きな理由は、日本の雇用慣行にも求められます。すなわち、1990 年代後半以降、日本の社会は、雇用確保を優先し、主として賃金の引き下げによってコスト削減を図ってきましたが、物価は、その反射効果として下落しました(図表26)。
因みに、景気回復期における企業収益や賃金、物価のパターンをみると、高度成長期には、3者が同じ方向に動きました(図表27)。現在は、労働分配率は景気後退期には高まり、回復期には低下するかたちで、企業収益がバッファーとなっており、回復期において、賃金も物価もあまり変化していません。
この根本的な原因は、企業の収益力が低下していることであり、さらに遡れば潜在成長率が低下していることです。この点、中長期的な予想物価上昇率と潜在成長率の関係を見ますと、わが国の場合、明確なプラスの相関関係が観察されます(図表28)。
今後、企業や家計の成長期待が回復していけば、賃金や物価にも持続的な好影響が及んでいきます。こうしたことを通じて、長年に亘って定着した「デフレ期待」が払拭されていくと考えられます。

7.改革に必要な意識

ところで、競争力と成長力強化に向けた取り組みの必要性にしても、また、 それがデフレ克服と物価安定のもとでの持続的成長という課題の達成に不可 欠であることも、一般論としては認識されていると思います。それにもかか わらず、そうした取り組みがなかなか進まないのは何故でしょうか。
この点 で鍵を握るのは、改革の必要性に対する切迫した意識だと思います。現在日本経済が直面している急速な高齢化やそれに伴う問題は決して一時的なものではありません。その影響は慢性症状のようなかたちで着実に日本経済に及んでいます。
財政悪化はそうした問題の典型例です。財政の持続可能性を維 持するためには、成長力を高めるとともに、歳出・歳入構造を見直していく 必要があります。成長率が高まらない限り、物価上昇率だけが多少高まった としても、財政バランスはほとんど改善しません。
しかし、わが国では、こ のような慢性症状はあっても、急性症状は発生していません。その大きな理由は、長年続いた経常黒字を反映し、巨額の対外純資産を有していることです。
このため、世界的な経済ショックが起きた場合でも、安全資産を求める海外からの資金流入により、長期金利は安定し、為替相場も円高が進行するなど、危機によって円が急激に売られるという事態は経験していません。
この点に関連して、最近の金融市場の動きにも一言触れたいと思います。
過去数年間のグローバル金融市場の動きを表すキーワードは、リスク・オン、 リスク・オフでした。先行きに対する不確実性が非常に大きい時にはリスクを外す、つまりリスク・オフとなり、不確実性が小さくなったと判断する時にはリスクをとる、つまりリスク・オンとなります(図表29)。
昨年夏までの円高の基本的な背景は、欧州債務問題が深刻化するもとでの投資家の安全資産選好でした。実際、円の名目実効為替レートが最近において最も円高の水準となったのも、スペインやイタリアの国債金利が最も上昇したのも、いずれも昨年7月下旬のことでした。その後、欧州で欧州債務問題に対する様々な「安全弁」が整備されたことや、米国において「財政の崖」が回避されたことを背景に、グローバル投資家のリスク回避姿勢は大きく後退しています。
わが国における最近の円安や株高も、大きく捉えると、こうしたグローバル投資家のリスク回避姿勢の変化の中で生じています。逆に言うと、投資家のリスク回避姿勢が変化すれば市場の状況も変化します。このことは、10 年近くにわたって、ユーロ加盟国の国債金利がほぼ同じ状況が続いたという事実を思い起こすことで容易に理解頂けると思います。最終的に市場の状況を決めるのはファンダメンタルズです。わが国でも過去15 年近くの間にも何度かの円安局面があり、その局面では輸出や生産は増加しましたが、残念ながら、潜在成長率の引き上げに成功した訳ではありませんでした(図表30、31)。重要なことは、現在の好環境を活かして、競争力と成長力強化に向けてしっかりと取り組むことです。

8. 日本銀行の金融政策運営

最後に、日本銀行による最近の金融政策運営についてお話しします。冒頭で述べたように、日本銀行は先月の金融政策決定会合において、今後、日本経済の競争力と成長力の強化に向けた幅広い主体の取り組みの進展に伴い、持続可能な物価の安定と整合的な物価上昇率が高まっていくという認識に立った上で、「物価安定の目標」を消費者物価の前年比上昇率で2%とすることを決定し、発表しました。日本銀行の金融政策の運営理念は、日本銀行法に規定されているとおり、「物価の安定を図ることを通じて国民経済の健全な発展に資する」ことです。
言い換えると、日本銀行は経済が持続的にバランス良く成長するようなかたちでの物価安定を目指しており、こうした金融政策の運営理念のもと、物価目標をできるだけ早期に実現するよう、強力な金融緩和を推進することとしています。本年中も、「資産買入等の基金」を通じて、国債を中心に新たに36 兆円程度の金融資産を買い入れます。
さらに、来年以降も、期限を定めず、長期国債2兆円を含め、毎月13 兆円程度の資産の買入れを続けていくことを決めています。これは、「物価安定の目標」の実現を目指し、手綱を緩めることなく、強力な金融緩和を推進していくことを約束するものです。 デフレからの早期脱却と物価安定のもとでの持続的成長の実現のため、適切な金融緩和政策と並んで、以下の理由から、政府の取り組みも重要です。
第1の理由は、政府の競争力、成長力強化の取り組みが進展すれば、緩和的な金融環境がより広範に活用されることになり、金融緩和の効果はさらに大きくなるからです。
現状では、日本銀行の供給する通貨、流動性は著しく増加していますが、それに見合うかたちで物価が反応している訳ではありません(図表32)6。民間金融機関も貸出というより、国債保有を増加させている状況です(図表33)。この点、政府は大胆な規制・制度改革を始めとする思い切った政策を総動員し、経済構造の変革を図ることを明らかにしています。日本銀行としては、そうした取り組みが強力に進められることを期待しています。
この間、日本銀行自身も、企業や金融機関の前向きな活動を金融面から後押しするため、「貸出支援基金」を設けています7。先程の「資産買入等の基金」と合わせ、この2年間で新たに60 兆円超の資金供給を行う予定であり、その残高は、名目GDPの約3割に相当する130 兆円を上回る見込みです(図表34)。
中央銀行の金融緩和は、言わば明日の需要を今日に前倒しすることによって現在の景気を刺激する効果を持ちますが、その明日になると、明後日の需要をさらに前倒ししない限り、効果が減衰します。
いずれにせよ、前倒しする需要の大きさ自体は、先行きの潜在成長力に規定されます。それだけに、潜在成長率自体を引き上げる努力が不可欠です。
こうした日本銀行の金融面での取り組みと、政府による成長力強化に向けた取り組みがプラスの好循環、相乗作用をもたらすことになれば、その政策効果は大きくなると考えています。
第2の理由は、強力な金融緩和を推進していくためには、財政運営に対する信認確保が欠かせないことです。
日本銀行は、強力な金融緩和の一環として多額の国債買入れを行っていますが、財政が厳しい状況にあるだけに、国債の買入れが内外の市場で、「財政ファイナンス」と受け取られると、それが原因となって長期金利が上昇するおそれがあります。
特に、成長力強化の取り組みが進展せず、日本銀行の国債保有だけが増加する場合、そうしたリスクは高まります。そうなれば、金融緩和効果が低下するだけでなく、多額の国債を保有する金融機関の経営を通じて実体経済に悪影響を与えます8。
その意味で、政府にも日本銀行にも規律、ディシプリンが求められます。日本銀行の規律を規定するのは、物価の安定と金融システムの安定を通じて持続的な成長に貢献するという中央銀行に課せられた目的です。政府に求められるのは財政規律です。
この点、政府は「財政運営に対する信認を確保する観点から、持続可能な財政構造を確立するための取り組みを着実に推進する」方針を明確にしています。
一旦信認が低下し経済が混乱してしまうと、その時点では、中央銀行の採り得る政策の余地は限られてきます。エコノミストはそのような状態をフィスカル・ドミナンスという言葉で表現していますが、そうした事態を未然に防ぐためには、財政改革に取り組み、中長期的な財政規律を維持することが重要です。

 9. おわりに

現在、わが国の経済運営を巡って活発な議論が行われていますが、私としては、「デフレ克服」というしばしば用いられる言葉で我々が本当に実現したいことは何であるのか、そのために我々は何をなすべきかという問題を真剣に議論する必要があると思います。
現在は、そのための格好のチャンスだと思っています。その上で、行動が必要です。
日本銀行は、デフレからの早期脱却と物価安定のもとでの持続的成長の実現に向けて全力を挙げていきます。中央銀行の仕事は経済の持続的な成長を支える安定的な経済・金融環境をしっかりと整えることです9。その際、先行きの経済・物価見通しと持続的成長を脅かすリスク要因を丹念に点検していくことは言うまでもありません。やや長い目でみた場合の政策の効果やコストを説明していくことも独立した中央銀行には当然求められることです。それがアカウンタビリティーの意味することだと思います。
2000 年代半ばの世界的な信用バブルの経験が示すように、ひとつの問題への対応に全力を挙げている時に、新たな問題や予想外の危機の種が蒔かれていたという例には事欠きません。改めて、歴史に学ぶ謙虚さや中長期的な視野に立った安定の重要性を意識させられます。
日本銀行としては様々なご意見に耳を傾けた上で、デフレからの早期脱却と物価安定のもとでの持続的な経済成長の実現のために、自らの責任と判断において適切な政策運営に努めて参りますので、ご協力をお願いします。
本日はご清聴ありがとうございました。 以上 ≫(日本銀行HP:2月28日・日本経済団体連合会常任幹事会における講演『日本経済の競争力と成長力の強化に向けて』全文―PDF資料を開けば講演内容のグラフ等も示される)

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震災原発事故から二年 我々は何を学んだのか?変われない国を米国が変えてくれるそうだ

2013年03月17日 | 日記
デフレ救国論 ~本当は怖ろしいアベノミクスの正体~ (徳間ポケット)
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●震災原発事故から二年 我々は何を学んだのか?変われない国を米国が変えてくれるそうだ

 見出しの続きを言うなら、”そこまで面倒みて貰えるとはなんとも有難くて涙の出る話”だ。震災の復旧らしいことは進んでいるようだが、復興の方は相変わらずの縦割り行政に阻まれ、各省庁の縄張り合戦や平時の行政指導が作業の障害になっているようだ。原発事故や放射能の問題も、マスメディアが伝えることは稀になり、国民自体が放射能の恐怖から逃れる方向に逃げ込んでしまったように見える。福島第一原発では、今日も水でひたすら冷やす作業が行われ、溢れ出た汚染水を保管する貯蔵タンクで、敷地はパンク寸前になっている。

 本日は多忙の為、古賀茂明氏のコラムを紹介する。筆者としては、政治的立場には幾分の違和感を持つ同氏だが、日本維新の会と違い、常に筋を通している点は高く評価する。今夜の同氏のコラムが指摘するように、すべての出来事がなかったかのように、4年前の自民党時代に戻って行く現実がある。筆者からみると、民主党政権時の3年半に起こった出来事のすべてを、日本の歴史から葬り去る作業がなされているようにさえ思える。

 たしかに、忘れてしまいたい気分になる出来事ばかりが起きた。まるで、民主党政権が呪われているかの如き修羅である。官僚主導から政治主導、中央集権から地域主権、対等の日米関係の再構築。国民は一度それを望んだ筈なのだが、単なる思いつきだったのかもしれないと云う流れが、いま現実にある。アベノミクスと云う旧態依然の経済活性化手法の当面のマジックに国民は酔いしれている。これは何なのだろう?日本人の忘れやすさなのか、見たいものだけ見ようと云う国民性なのか、米国や霞が関に逆らう鳩山や小沢があっさり潰された姿を傍観して怖れをなしたのか。それとも、日本人独特のいい加減さなのか。どれもが当てはまるようでもあり、外れているようでもある。いずれ、ジックリ考えてみようと思う。

≪ 官々愕々 あれから2年。全てが元の木阿弥
 あの3月11日から2年。地震と津波と原発事故。自然災害の人知を超えた恐ろしさと原発安全神話に騙されていた人間の愚かさ。その惨状を目の当たりにして、被災者ばかりではなく、多くの国民が心の底から、今までの考え方を見直さなければと思った。
 しかし、大きな変化は、必ず既得権を持つ人々の強い抵抗を生む。そして、時の経過は人々の思いを薄れさせ、旧に復すことの方が心地よいという感情を抱かせる。
 今、民主党から自民党に政権が移ったことで、その流れが加速している。古い自民党時代の政治に逆戻りしているのに、人々は、自民党が日本の政治を民主党の失政から新たな成功の道筋に導いてくれるという錯覚に陥っているかのようだ。
 民主党政権誕生と東日本大震災。いずれも日本が変わるきっかけになるはずだった。
 ところが、現実は、「元の木阿弥」。
 自民党から民主党への政権交代の時、期待されたのは、官僚主導から政治主導へ。そしてコンクリートから人へ。公共事業頼みの景気対策はなくし、財務省を頂点とする官僚支配も終わるはずだった。
 そして震災による津波で、「万里の長城」と讃えられた田老地区の防潮堤が呑み込まれ、堤防に頼る防災は止めようと思った。福島第一原発から水素爆発の煙が立ち上るのを見て、もう原発は要らないと思った。この事故を起こした原子力ムラ―経産省、原子力・安全保安院、原子力安全委員会、電力会社と族議 員に鉄槌を下すべきだ、と思った。
 しかし、今起きていることは全く逆だ。
 東北の被災地の海岸には、「もっと高く」と巨大な防潮堤がどんどん建設されて行く。海岸沿いなのに町から海が見えない。住民の疑問の声は一切聞き入れられない。そして、全国で景気対策として無駄な道路建設が始まる。やってはいけないと言っていたバラマキの景気対策の完全復活。
 公取委員長と日銀総裁のポスト争いは財務省が連勝で両方確保。表舞台での財務省の完全復活だ。経産省は、原発事故の責任で鉄槌を下されるどころか、補正予算で当初予算を超える額を獲得して笑いが止まらない。国交省も農水省も嬉しい悲鳴をあげている。無駄なものでも止める者はいない。全てを官僚が 仕切る官僚主導の完全復活。
 原発はゼロを目指すどころか、安倍政権は早くも再稼働に舵を切り、脱原発政策は放り投げて原発推進へまっしぐらだ。原子力ムラからの独立を目指して作られた原子力規制委員会と原子力規制庁。その規制庁は経産省と文科省からの出向者で固められ、幹部が日本原電に情報漏洩して、原子力ムラとのずぶずぶの癒着を曝け出したと思ったら、当の幹部官僚は、あっという間に文科省への凱旋帰還が認められて、名実ともに独立機関でないことがはっきりした。
 核燃料サイクルも継続の方向だ。世界最高水準の安全基準をと言っていたのに、わずか数ヵ月で出した基準骨子はスカスカのザル規制。パブリックコメントを受け付けたというが、その要件は何と「2000字以内」。小学生の読書感想文並みだ。専門的に詳細な意見を出されたら反論できないからだろう。このまま見切り発車の構えだ。
 電力システム改革も、発送電分離は、言葉だけが躍るが、内容は中途半端でしかもかなりの先送り。そのうち雲散霧消という狙いだろう。原子力ムラの完全復活だ。
 変われない日本。官僚のせいなのか、政治家のせいなのか。いや、変わることを恐れる私達国民自身の責任なのではないか。≫ (現代ビジネス:政治を考える:古賀茂明『週刊現代』2013年3月23日号より)

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詭弁チャンピオンとなった安倍晋三 TPPで日本は「必ずルールづくりをリードできる」

2013年03月16日 | 日記
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●詭弁チャンピオンとなった安倍晋三 TPPで日本は「必ずルールづくりをリードできる」

 詭弁のチャンピオンと云うのは、多少遠慮した表現であり、本当は「嘘つきの王者」ということだ。野田のシロアリ退治や原発収束状態、決断する政治消費増税の嘘も酷かった。しかし、いずれも国内問題、国民の意志次第で幾らで覆せるので、只の嘘つきで済む。しかし、オバマの脅迫に跪き、民族主義者である様な振舞いで永田町を生きてきた安倍晋三が、脅迫に負けTPP交渉参加を表明した記者会見の内容は、あまりにも嘘に満ち溢れている。交渉参加して、ルール作りをすると云う、それが出来ない日本だから、多くの人間が反対しているのだ。あまりに酷い詭弁の連鎖に、反吐が出そうだった。朝日は以下のように報じている。

≪ 首相、TPP交渉参加を表明 「ルールづくりをリード」
 安倍晋三首相は15日夕、首相官邸で記者会見を開き、環太平洋経済連携協定(TPP)の交渉に参加することを正式に表明した。首相は「TPPはアジア太平洋の繁栄を約束する枠組みだ。一日も早く交渉に参加しなければならない」と強調。「日本は世界第3位の経済大国。必ずルールづくりをリードできる」とも語り、交渉に自信を見せた。早ければ7月に参加することになる。
 日本銀行の正副総裁人事が承認されて金融政策の司令塔も決まったこの日、安倍政権は大きな山を越えた。今夏の参院選に向け、経済政策を加速させる。
 TPP交渉参加を決めた理由について、首相は「日本だけが内向きになったら成長の可能性もない。我が国経済では全体としてプラスの効果が見込まれる」と説明。「普遍的価値を共有する国々と経済的な相互依存関係を深めていくことは、我が国の安全保障にもアジア太平洋地域の安定にも大きく寄与する」と安全保障面の利点も指摘した。その上で「今がラストチャンス。この機会を逃すと世界のルールづくりから取り残される」と訴えた。
 交渉にはすでに11カ国が参加している。首相は「すでに合意されたルールがあれば、遅れて参加した日本がひっくり返すのは難しい」と認めた上で、「今まで関税はほとんど議論されていない。これから決めることもたくさんある」と主張。一方、日本の要求が受け入れられなかった場合に交渉から離脱する可能性を問われると、「今ここで離脱するかどうか言うのは国益に反するので適切ではない」と語るにとどめた。
 自民党を支持する農業団体を中心に反発もあるが、首相は「今後の交渉で我が国のセンシティブ品目への特別な配慮など、悪影響を最小限にとどめるのは当然だ」と強調。「攻めの農業政策により農林水産業の競争力を高め、輸出拡大を進めることで成長産業にしていく」と、不安解消に努める考えを示した。さらに 「国民皆保険制度を基礎とした社会保障制度も断固として守る」とも約束した。
 記者会見に先立ち、首相は日本経済再生本部でTPP交渉に臨む関係閣僚会議の設置を決定。TPP担当として甘利明経済再生相に兼務させることにした。
 交渉参加に必要な米国の承認を得られるのは米議会の「90日ルール」を満たす6月下旬以降になる。直近の交渉会合は9月の予定だが、参加国は7月にも開くことを検討。その場合、日本は7月の交渉会合から参加する見通しだ。≫ (朝日新聞デジタル)

 嘘と詭弁と強弁に彩られた演説や記者会見での安倍の発言に四の五の言うのもアホらしいが、それでも一言言いたくなるのが人情だ。「TPPはアジア太平洋の繁栄を約束する枠組みだ」*最大のアジア中国が入っていない問題をネグるな。「必ずルールづくりをリードできる」*ルール作りが出来るから覇権国家と云うのだ。いつから日本は覇権力を持つ国になったのだ。「内向きになったら成長の可能性もない」*外向きになったら成長するのか?米国は外向き全開で成長不可になって金融に走ったのだろう?「普遍的価値を共有する国々」*日本と米国・豪州に普遍的価値の共有なんてあるのか?民主主義と資本主義を普遍的価値と言いたいのだろうが、今や、その普遍的価値の終焉が取り沙汰されているじゃないか。(*以下は筆者)

 ほかにも言いたいことはゴマンとあるが止めておこう。マスメディア各紙の社説もこぞって安倍のTPP交渉参加を歓迎、交渉へのエールとアドバイスを送っている。朝日はTPPが中国との主導権争いの色彩ありと言っている。つまり、中国封じ込めと云うアメリカの戦略と云うことだ。TPPによって、まだまだ残る中国に改革を促しとあるが、これは中国共産党体制の崩壊も意味するわけで、その崩壊がプラスかマイナスか、いまだ充分に議論されているとは思えない。また朝日は≪安倍氏は「受け身でなく、ルールをつくる国でありたい」と強調する。「聖域ありき」では受け身でしかない。足元を見られて他の分野で不利益を招きかねない。TPPを着実に進めるとともに、国内産業の足腰を強くする規制・制度改革を連動させて、日本経済を再生させなければならない。≫と農業分野への強い配慮が足枷だと言っている。言い換えれば、農業関係者は改革の「反対勢力」だとレッテルを貼っている。

 如何にも壮大な夢を語る風味で、自民党に公約破りを堂々とやれと言っている。先の衆議院選で、TPP交渉参加を主たる争点にしなかったのは、オマエらマスメディアだろうが!しかし、自民党は農業団体の支持獲得の為に、聖域なきTPPには断固反対で農業票を得たのだ。その農業層がいつの間にか「抵抗勢力」と云う言葉に置き換え、世論誘導を始めるようだ。農産品とその保護的関税はたしかに頭の痛い問題だが、「抵抗勢力」と云うレッテル一つで切り捨てる問題ではない。自民は公約で約束したわけだし、その票で多くの当選者を出したのだから、その事実抜きに、農業層を「抵抗勢力」するのはフェアーではない。

 農業以外にも諸分野において、ウンザリするほど包括的に問題はあるが、今日は敢えて農業に執着する。安倍は世界に打って出られるような攻めの農業に変えて行く、と言った。しかし、その元気のいい言葉の裏には“三ちゃん農業”では無理だから、法人化、企業化を前提に競争力高めようとしている。つまり、小規模農家の集約化。農業従事者を集約した土地での生産に携わらせサラリーマン化し、最終的にが、幾つかの集約された農地を更に集合し、大農法可能な耕作地を出現させようと考えている。当然、ある段階で農地の転売が画策される。そして、最終段階では、先ずは日本の商社など大企業が経営を行い、公開されたその企業に海外資本が参加する流れが出来るのだろう。このような手法で、医療も金融も保険も回りくどい方法で、ジワジワとすべての市場がノーガードの競争に晒されるのだろう。愚民がそれに気づくには、20~50年はかかるだろうから、おそらく気づかない。所謂“ゆで蛙”になると云うことだ。

帝国以後 〔アメリカ・システムの崩壊〕
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TPP、オバマが突きつけた安倍政権への“踏み絵” 契約書読まずにサインしろ!

2013年03月15日 | 日記
これから世界はどうなるか: 米国衰退と日本 (ちくま新書)
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●TPP、オバマが突きつけた安倍政権への“踏み絵” 契約書読まずにサインしろ!

 TPPというもの、キャッチセールスにそっくりだ。何を買うのか、何を売るのか、皆目見当もつかない契約書に、黙々とサインしなければならない事情はどこにあるのだろう。自民党が茶番劇を演じ、議員は死に物狂いで国内農業を守ろうとしたと云うアリバイ工作までしてでも、TPPに加入しないと「世界の孤児」になる、とでも思ったのだろうか。農産物輸入自由化問題を“噛ませ犬”にしたのか、“見せ金”にしたのか判らないが、TPPを矮小化した話に持って行こうとしている。

 新たに協定に交渉参加する国は、(1)合意済みの部分をそのまま受け入れ、議論を蒸し返さない。(2)交渉の進展を遅らせない。(3)包括的で高いレベルの貿易自由化を約束する。以上の条件が後続組に課せられている。この条件には一定の合理性はあるだろう。後から交渉に加わった国の都合で、折角、議論の末に纏まった課題を、蒸し返されるのは困るだろう。問題は、どのような範囲の協定なのかだが、そこのところが明確に判っていない。謂わば“めくら判”を押すようなものなのだ。

 自民党はコメ、麦、乳製品など農業5品目を挙げ、「関税撤廃から除外または再協議の対象とし、段階的な関税撤廃も認めない」とか「コアな主張が受け入れられない場合、交渉からの脱退も辞さない」と新たな交渉参加国に課せられている前提条件無視の内容をもって、安倍が週内にも表明する交渉参加を容認した。まったく効果のない容認条件だ。石破は先の衆議院選における「聖域なき関税撤廃での交渉参加を否定」と云う公約に反して交渉は行わない等と言っているが、怪しいものだ。なぜ怪しいかと云うと、あらたな交渉参加国となり、それまでに合意された部分が表に出るのは、今夏の参議院選後であり、どうにでも言い逃れをする腹積もりだ。農産物の除外交渉も、おそらく上手くいかないだろう。

 政権上は野党である、維新とみんなが賛成なのだから、全然問題なし。外務・経産・財務など官僚の後押しがあり、経団連がやいのやいのと急きたて、マスメディアも概ね論調は是認方向なのだから、安倍自民にとって、国内的にそれ程の心配はない。色々と不都合な事実が出てくるのは、秋口。既に参議院選は終わり、あとの祭りだ。安倍は米国との関係改善、内閣に信認を得る為、「集団的自衛権、防衛費増強、辺野古埋め立て、憲法改正」等を引っ提げ、力強い支持を得ようと思っていたが、リアリスト・オバマは経済だ、重要なのは多国籍企業に市場を提供しなければ、資本主義の危機だ等と言われてしまい、TPP交渉参加を飲まざるを得なくなったのが実情だろう。

 気分はタカ派、本音はヘタレな安倍晋三の心臓が縮み上がるほど、オバマの口調は妥協の余地を残さない言葉だったのだろう。米国にしてみれば、中国は今後も良い客であるし、北朝鮮問題での協力も期待しているわけだから、本気でいがみ合えるわけがない。にも拘らず、野田にしても、安倍にしても、日本が中国を敵視する方が米国が歓ぶと勘違いしていたようだ。防衛費増強、辺野古埋め立て等は当然の行為で、特に褒めるほどのことではない。集団的自衛権は中途半端な気分でやらない方が良いと思っているし、憲法改正など、何を寝惚けたことを言っている位の印象なのだろう。

 これでは、あまりにも内閣総理大臣として恥ずかしい。タカ派の僕ちゃんの気分はどうなるの?と云う、安倍の不満解消の為に、「主権回復の日」なんて顔立て式典を用意して貰ったのだろう。僕ちゃんの顔が立つなら、沖縄の屈辱の日も仕方ない、目をつぶろうと云うことなのだ。この式典が、さらに沖縄県民の怒に火をつけ、収拾のつかない状況になることもあるというのに、個人のタカ派を堅持するパフォーマンスに付きあわされる国民も気の毒である。

 米国オバマが、唐突に「小国同士の戦略的提 携によってマーケットにおけるプレゼンスを上げること」を目的に、2006年5月28日にシンガポール、ブルネイ、チリ、ニュージーランドの4か国で発効した経済連携協定を、まさに後から入り込み、謂わば横取りするようにTPPを我がものにしようとした企てである。当時、APECにおいてはFTAAPの実現に向けた具体的な手段の基礎とし て、ASEAN+3、ASEAN+6、TPPが挙げられていた。この中で、米国が直接関与出来るのはTPPのみだった。そこで、米系多国籍企業の強い要望を受けたオバマ政権は、ASEAN+3、ASEAN+6の話が具体的になる前に、明確な楔をAPECにおいけるFTAAP構想に打ち込もうとした結果である。

 このTPPと云うFTAAPに米国・日本が加わることは、善意に解釈すれば我が物顔の中国を覇権行使の意味で、充分牽制する事が可能になると云う戦略なのだろう。このTPPにまつわる様々な経緯を見ていくと、米国の確固たる戦略と偶発的出来事が折り重なり、進捗しているようだ。ただ、尖閣問題は偶発的日中のいがみ合いと考えるよりは、何らかの戦略の一部として、その仕掛けに日本側が動いた形跡がみられる。冷静に見れば、石原慎太郎が米国に赴き、尖閣と云う寝た子を起こす必然性がなかったのだから、仕向けられた罠に嬉々として嵌ったと考えるのが妥当だ。

 それにしても、このように横車を押してでも、中国の覇権性を抑え込まなければならない米国の覇権性は弱体化しているのだろう。もっと広い意味で考えれば、米国型資本主義が限界点に達している事を物語っている。そして、その巨人の終焉につきあわされる日本市場が、どこまで食い荒らされるのか。それほど魅力的とも思えない日本のマーケットが、米国にとって美味しい食べ物に見えると云うことは、日本人が自分の宝を持ち腐れていた事実をも示すわけである。どうも間違いなく日本はTPPの枠に嵌められてしまうようだが、どのようなプロセスで、日本社会が更に悪しき米国社会のようになるのか観察することになりそうだ。

間違いだらけのTPP 日本は食い物にされる (朝日新書)
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