![]() |
黒田軍団かく闘えり―社会部長日誌 |
クリエーター情報なし | |
講談社 |
![]() |
会えて、よかった |
クリエーター情報なし | |
三五館 |
ランキング参加しております
●致命傷か「私が総理ですから」 泣きっ面に蜂、株価暴落?
生きていると、権力者に対して“いい気味だ!”と思わずガッツポーズをとることがある。今夜のところは、小さくガッツだが、30日の東証日経平均が500円ほど暴落すれば、かなりのジェスチャー入りのガッツになる。今週で2000円程度落ちれば、まさに、諸手を挙げ、声まで出してガッツだぜ!になるのだが、底値を拾う連中もいるだろうから、下げ渋る可能性も僅かにある。官製相場がオジャンになるのか、国家上げて買いに出るのか、これは結構な見世物である!筆者は昨年、売りで200万ほど損金を出したので現在は、キャピタルゲイン系は休暇中(笑)。安倍様のお陰で、ブルーチップ株の配当はかなりの増配。ありがとうよ、アベチャン(笑)。しかし、アンタは間違っているし、厚顔無恥だし、日本の憲政史上最悪の総理大臣なのは、決定的だね。
テレビ朝日の野郎、安倍官邸に媚を売っている。古賀茂明を切るのも当然だし、安倍と寿司食うのも当然の新聞社に成り下がった。安倍内閣の支持率が43%だって?右翼団体の会合で聞いてきたんじゃないのか?(笑)。全保障関連法案について、賛成が27%もいるんだね。俺達じゃなく、自衛隊が行くんだからと思っているのだろう。最近思うのだが、仮に戦争になったら、自衛官10人に国会議員一人の割合海外派兵するってのはどうだろう?もう少し、真剣に軍事に関して物事を考えるのではないのだろうか。それから、その法案に賛成した議員は全員、老いも若きも第一線に派兵しよう。足腰が立たなくても、通信業務や衛生兵、炊事業務は出来る。戦場の飯炊き議員も一緒くたに派遣しようではないか!
TPPに関しての調査結果も面白い。朝日が官邸に擦り寄って作文したのか、回答した連中がTPPがどういうものなのか、まったく判らずに答えているとしか思えない。支持するが40%で、支持しない37%を3%も上回っているのだから驚きだ。たしかに、酷い目に遭う人と好い目をする国民が現れ、格差は猛烈に開くことになるだろう。下流老人になってから、一生年収200万人生になってから、“こんなはずじゃなかった”と言ってももう遅い。TPPはかなり危ない処まで来ているが、もしかすると、日米だけの通商協定になったら、腹を抱えて笑ってしまうのだが、まだ、他の国はつき合うのだろうか?
それに引きかえ、福島民報や朝日の沖縄地域の調査結果では、安倍内閣の支持率は28%。NHKは支持率48%。FNNも46%。テレ朝が43%。読売は53%。毎日45%。これって官邸から、記者クラブに対して「45%~55%」の間で各社独自に調整すべきこと」と云う申し合わせがあったんじゃないのかな?多分、真実は33%サンザンなんじゃないの(笑)。まあ、筆者の御託はこのくらいにして、お口直しに、魚住昭氏のコラムを最後に引用しておく。権力と対峙した席に着くのがマスコミの務めだと云うのに、本当に情けない国になったものだ。
≪ 腹を括った憲法学者たちの〝叛乱〟
〜権力者は今、ネス湖でネッシーを探している〜
■「記者はおのれを権力と対置させなければならない」
戦後の日本を代表するジャーナリストは?と訊かれたら、私は即座に3人の名を挙げる。
読売社会部出身でノンフィクション作家になった本田靖春さん。大阪読売社会部の「黒田軍団」を率いた黒田清さん。朝日の天声人語で洛陽の紙価を高めた深代惇郎さんである。
そのうちの一人である本田さんは生前こう語っていた。
「記者はおのれを権力と対置させなければならない。これは鉄則である。権力の側に身をすり寄せていけば、そうでなくとも弱い立場の人びとは、なおのこと隅っこに追いやられる」
いい言葉だなあ。最近とみにそう思う。70年間平和だった日本が戦争に向け舵を切る。その転換点に遭遇した一記者として何ができるか。途方に暮れたらこの言葉を呟いてみる。すると、迷いが吹っ切れる。
たとえ無力であっても、自分が今いる場から異議申し立てをしなければならぬ。後で「あの時、こう言えばよかった」と悔やむことだけはしたくない。 同じ自問自答を繰り返す人が学問の世界にも大勢いるようだ。彼らは学者生命を賭けて政府に物申そうと腹を括ったらしい。4日のインターネット審議中継で憲法審査会の質疑を見て、そう感じた。
■腹を括った憲法学者たち
審査会には憲法学界の重鎮3人が参考人に呼ばれていた。民主党の委員から「先生方が裁判官なら新安保法制をどう判断するか」と訊かれると3人そろって「憲法違反」と明言した。
自民党推薦の長谷部恭男・早大教授は「個別的自衛権のみ許されるという憲法9条の論理で、なぜ、集団的自衛権が許されるのか。従来の政府見解の基本的な論理の枠内では説明がつかない。法的安定性を大きく揺るがすことになる」と言った。
民主党推薦の小林節・慶大名誉教授は「憲法は海外で軍事活動する法的資格を与えていない。集団的自衛権は仲間の国を助けに海外へ戦争に行くこと。露骨な戦争参加法案だ」と断言した。
維新の党推薦の笹田栄司・早大教授は「従来の安保法制は内閣法制局と自民党政権が(合憲性を)ガラス細工のようにぎりぎりで保ってきたが、それを踏み越えてしまった」と指摘した。
与党推薦の参考人まで法案を真っ向から否定するのは異常事態だ。私は過去にそんな例を知らない。菅官房長官は「まったく違憲でないという著名な憲法学者もたくさんいる」と反論したが、嘘である。
「日本の憲法学者は何百人もいるが(違憲でないと言うのは)2~3人しかいない」(小林名誉教授) 憲法は国家権力を縛るための最高法規だ。内閣はその束縛から逃れられない。平たく言えば首相は憲法の僕にすぎない。
これは根本原理で憲法学者なら絶対に譲れない一線だ。解釈改憲を認めるような人はまともな憲法学者とみなされない。
自民党は長谷部教授の前に佐藤幸治・京大名誉教授に参考人招致を打診したが断られている。仮に佐藤名誉教授が出席していても結果は同じだったろう。
ご本人が6日、講演で〈憲法の個別的事柄に修正すべきことがあるのは否定しないが、根幹を変えてしまう発想は英米独にはない。日本ではいつまでぐだぐだ(根幹を揺るがすようなことを)言うのか、腹立たしくなる〉と怒りを露わにした。
学界の重鎮たちだけではない。若手の憲法学者として注目を浴びる木村草太・首都大東京准教授も今年3月の報道ステーション(テレビ朝日)で「集団的自衛権行使の根拠を憲法から探すのは、ネス湖でネッシーを探すより無理がある」と語っている。
むろん憲法学界には改憲派も護憲派もいて、さまざまな考え方の学者がいる。それでも今回はほぼ全員が安倍政権のやり口に猛反発している。あまりの無理無体に呆れた学者たちが〝叛乱〟を起こしたのである。
■今は権力者が新聞を作っている
私は審査会翌日(5日)の各紙の報道に注目した。毎日と東京は1面トップで〈「安保法制は憲法違反」 参考人全員が批判〉などと詳しく報じた。
朝日も1面の左肩で〈安保法制 3学者全員「違憲」〉と伝えた。政府を支持する産経ですら2面を大きく割いて〈安保法案 全参考人「違憲」 〝人選ミス〟与党墓穴〉の見出しで3学者の発言要旨を報じた。
ところが、読売は4面の片隅3段の扱いで〈与党推薦学者が「憲法違反」〉と長谷部教授の発言要旨と自民党の反応などを短く伝えただけだった。他の参考人二人が何と言ったのか読者にはまったくわからない。
そのうえ読売は6日の社説で政府が〈「我が国の存立が脅かされ、国民の権利が根底から覆される明白な危険」という、極めて厳しい要件をつけている〉から〈合理的な範囲内の憲法解釈の変更だ〉と主張した。
渡邉恒雄主筆の論法そのものである。私は15年前に彼の評伝を書いたから、彼の発想がわかる。彼は力がすべてを決するという論理の信奉者だ。こんな言葉を彼から聞いた。
「世の中を自分の思う方向に持っていこうと思っても力がなきゃできないんだ。俺には幸か不幸か1000万部ある。1000万部の力で総理を動かせる」
この考え方には権力の危うさや独善性に対する自覚がない。彼の思想は、首相が憲法の僕にすぎないという憲法学の理念と相容れない。「おのれを権力と対置させ」るというジャーナリズムの「鉄則」とも無縁である。
あえて言うなら、党首討論で「法案の説明はまったく正しい。私が総理ですから」と言ってのける首相と体質がよく似ている。
似た者同士が手を携えて日本の未来を決めるのだろうか。大阪読売の黒田さんは'00年に亡くなる前、私にこう語った。
「今の読売は権力にすり寄ってるなんてもんじゃない。権力者が新聞を作ってるんだ。そんなのジャーナリズムじゃない。これじゃ日本が戦争に突き進んだ時にちゃんとした批判もできない。読売をそんな新聞にしてしまったことが残念でならない」
現実は黒田さんが懸念した通りになってしまった。私はそれが悔しくてならぬ。
*参考:朝日・毎日・読売・産経・東京の新聞各紙5日付朝刊、読売新聞6日付朝刊、毎日新聞7日付朝刊掲載の各記事、『我、拗ね者として生涯を閉ず』(本田靖春著・講談社文庫) ≫(現代ビジネス:魚住昭の誌上デモ「わき道をゆく」連載第131回『週刊現代』2015年6月27日号より)
![]() |
黒田清 記者魂は死なず (河出文庫) |
クリエーター情報なし | |
河出書房新社 |
![]() |
我、拗ね者として生涯を閉ず |
クリエーター情報なし | |
講談社 |