世相を斬る あいば達也

民主主義や資本主義及びグローバル経済や金融資本主義の異様さについて
定常で質実な国家像を考える

福島県警、公害罪法の告発状受理 県警は政府におもねる検察との違いを見せられるか?

2013年10月31日 | 日記

 

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●福島県警、公害罪法の告発状受理 県警は政府におもねる検察との違いを見せられるか?

 福島県警は、放射能汚染水を垂れ流す東京電力、及び同社幹部を公害犯罪処罰法違反容疑で市民が告発した告発状を受理した。拙コラム(10月7日付)、≪ 検察の逆襲!”もう反省はなし、殊勝な態度もヤメ、捏造不法違法なんでもやる” ≫
http://blog.goo.ne.jp/aibatatuya/e/08fc57b4c6294ccff32abe52ede22452
において語ったように、検察は政府や霞が関と一体であり、原発を推進しようと云う安倍自民政権に気兼ねせざるを得ず、到底、彼らが標榜する「法の正義」とはかけ離れた存在であることを書いた。現場検証も、証人尋問もせず、原発訴訟を一顧だもせずに、不起訴にする不埒な検察の振舞いを非難したのだが、僅かな希望の芽が生まれたようである。

 おそらく、福島県警であれば、福島出身、在住の警察官も多いことだろうから、東京地検特捜部長山上秀明のような公安筋の法解釈論者とは異なる観点から捜査に着手する可能性はある。あの原発訴訟に対する、呆気なく無味簡素で、人間性の欠片もないような捜査手段は、県民が直視するだけに、一定の範囲で捜査が行われるものと期待できる。勿論、県警の捜査には、警察庁の考えも影響はするだろうが、検察庁の政治性とは相当の開きがある。そうしないと、福島県警自体が、福島における、それ以外の犯罪捜査において、県民の協力を仰ぐ状況を不利にする。そう云う意味で、僅かであるが、福島県警の奮起に期待したい。

 今回の告訴に関しては、福島独自であり、起訴手続きのテクニックで、東京地検特捜の山上秀明が横槍を入れることは不可能だ。そもそも、福島地検は原発訴訟に多少前向きであった筈だが、政治的配慮で東京地検に邪魔された感情的シコリもあるので、県警の一定範囲の捜査を邪魔するような手段に出ることは難しい。県警は検察と異なり、日々県民と接する立場にあるわけで、検察のように、ケンモホロロに世論や県民感情を蔑にはし難いだろう。まぁ福島医大のような例もあるので、過大な期待は無理にしても、何らかのアピールはあるのではないかと推量する。以下に、この件に関する週刊金曜日の記事を引用しておく。

≪ 特捜チーム編成で、本腰捜査となるか――福島県警、告発状を正式受理

 福島第一原発から高濃度の放射能汚染水を垂れ流し続ける東京電力と同社幹部らを公害犯罪処罰法(公害罪法)違反容疑で市民が訴えていた告発状を、福島県警察本部が一〇月一一日、正式に受理した。

 同日に受理されたのは、福島第一原発事故の刑事責任を問い続ける「福島原発告訴団」の武藤類子団長ら三人が、九月三日に刑事告発していたものだ。 汚染水対策の責任は東京電力に課せられているが、東電は汚染水管理のために必要な注意義務を怠り、汚染水タンクから高濃度の放射能汚染水を漏洩させる一 方、地下水や海洋にまで汚染を拡大させていた。

 告発人の一人で、同告訴団の佐藤和良副団長は、告発受理を受けて東京の司法記者クラブで開かれた会見で、怒りをあらわにしながらこう述べた。 「国と東電は、太平洋を放射能の最終処分場だと考えているのではないか」

 【強制捜査も視野】

 今回の「告発受理」で着目すべき点は、公害罪法を所管する同県警の生活安全部を中心に、関係部署を横断した「特別捜査チーム」が編成され、事件の捜査に当たることだろう。中でも、特捜チームに「刑事部」が加わっているのがポイントだ。

 特殊事件捜査を担当する「特殊班」を抱える刑事部も捜査に当たるということは、東電幹部らに対する業務上過失致死傷罪容疑の刑事告訴を受理していながら九月九日に不起訴処分とした東京・福島の両地検が最後まで着手することのなかった「現場検証」や「強制捜査」までも、県警本部が視野に入れていることを意味する。県警本部の“やる気”のほどがうかがえる。

 県警本部が告発を受理し、特捜チームまで編成する背景には、検察の「不起訴処分」に対する世間の評判がすこぶる悪いという現実がある。新聞各紙の「社説」でさえ、次のような論調だ。
「誰一人として、未曽有の大事故を招いた責任を問われない。被災地・福島の悲痛な告発は黙殺された。不条理極まりない結論だ」(『琉球新報』九月一一日社説)

「家宅捜索など強制捜査をしなかったのも疑問だ。任意では限界がある。捜査を尽くしたとは言い難い」(『北海道新聞』九月一二日社説)  そもそも、放射能汚染水垂れ流し事件の捜査にしても、今回の告発を待たずに検察主導でやることもできたはずなのである。
 しかし検察は、汚染水垂れ流しを放置し、不問に付していた。

 【検察審査会での審査に“追い風”】

 かつて環境基本法の第一三条では、放射性物質による大気汚染や水質汚濁、土壌汚染については原子力基本法体系によって規制することとし、環境基本法の範囲外であると定めていた。

 ところが、原子炉等規制法をはじめとする原子力基本法体系には、原子炉等の運転上の過失によって公共の危険を惹起したことを罰する規定が何もない。
 環境法体系に属する公害罪法が、放射性物質による環境汚染には適用されないとなると、他の有毒物による汚染は処罰される一方で、放射性物質による環境汚染だけが刑事的に不処罰という、きわめてバランスを欠いた話になる。

 そこで、福島原発事故後の環境汚染に対処するため、昨年六月の「原子力規制委員会設置法」成立とともに、環境基本法の一三条は削除された。

 つまり、東電の放射能汚染水垂れ流し問題に公害罪法が適用される素地は、十二分なまでに整っていることになる。でなければ、県警本部が今回の告発を受理することもありえなかった。

 同告訴団では一〇月一六日に、検察当局の不起訴処分を不服として、東京検察審査会に審査申し立てをする予定。その直前に刑事告発が受理され、県警が捜査に着手したことは、検察審査会での審査においても相当な“追い風”となりそうだ。
 ≫(週刊金曜日ニュース:明石昇二郎・ルポライター、10月18日号)


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日英豪アメポチは傍受価値なし 盗聴された側、無価値組、共に馬鹿にされている

2013年10月30日 | 日記
組織と手口を明らかにする! 世界の諜報機関 (別冊宝島 2064)
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●日英豪アメポチは傍受価値なし 盗聴された側、無価値組、共に馬鹿にされている

 海の向こうでは、EU首脳らとオバマ大統領が、アメリカ国家安全保障局NSAの盗聴スパイ行為で、鍔迫り合いを行っている。オバマは就任以来蚊帳の外に置かれていて、盗聴の事実を知らないと報道されているが、そんな馬鹿なことがあるものか、すべてを聞き及んでいたと考えるのが妥当だ。仮に、知らなかったとすれば、余程無能なトルーマン以上のバカ殿と云うことだ。この米国の、NATOなど同盟国首脳の個人的携帯の話まで盗み聞きしていたのだから、言い訳御無用の話である。

 そんな世界情勢であるにも関わらず、安倍自民党政権は、その盗み聞いた情報を欲しがって、秘密保護法を必死で閣議決定するのだから、呆れるにもほどがある。その秘密保護法の運用も、民主主義国家とは思えぬ秘密だらけで、ピンからキリまでが秘密で、永遠に秘密を隠蔽することも可能だと云うのだから、アメリカよりも更に酷い。おそらく、そこまでしたら、外交軍事情報を恵んでやっても構わんぞ、と言われたのだろうが、真の軍事秘密を日本政府に、“そのまんま”で渡してくれるわけがない。常識で考えても判りそうな話だ。

 アメリカでは、国立公文書館(国立公文書記録管理局:NARA)が連邦政府下の独立機関として存在し、特別なものを除き30年後には、大統領の布告や行政命令等々の公文書が一般に開示され、一定の時代を経過したのち、その事実関係を歴史的に検証する手段を定めている。但し、911以降はテロと云う枕詞を駆使して、公文書の一般開示を逃れようと、米政府は色々工作しているようだが、アメリカの似非デモクラシーであっても、市民運動が大統領選などに直結しているため、思い通りに公文書を隠すことは難しいようだ。仮に、日本が糞のような情報を後生大事に“秘密だよ”とお蔵に隠し、隠蔽破棄したとしても、本当に重要なものであれば、いつの日かは、この国立公文書館からダダ漏れになる場合もある。

 もしかすると、ポチに投げ入れられた、実しやかな情報が“疑似餌”と云う笑い話も、沢山出るに違いないのだろう。まぁ30年後に、“やっぱり、テロ情報は嘘だった”、“中国海軍が尖閣に向かっている”等々、踊らされていた事実を知ったとして、あとの祭りでもある。その情報欲しさの目茶苦茶な法律が、官僚の手によって、如何様にも解釈され、政治家を貶めるツールに使われるなどとは、思いも及ばないのであろう。自民党が永遠に政権政党だと云う、あまりにも愚かな大局感だ。

 ドイツ誌によると、日英豪や東アジアの同盟国は、傍受拠点に含まれていなかったようだが、歓ぶには及ばない。その国の外交官や軍人共は、進んで情報提供を、我先にと行う人間の集団、わざわざ聞き耳を立てるまでもない。黒いものでも、アメリカが白だと言えば、歓び勇んで“シロ!”と犬の名前でも呼ぶように答えるのだから。時事通信は、その辺を以下のように伝えている。極秘扱い文書の日付以降が、傍受の対象だとすると、2010年8月13日付は極めて意味深い時期である。この情報だけで、明確なことは言えないが、2010年6月に鳩山由紀夫が退陣、同月に菅直人が首相に就き、米国と霞が関に恭順の意を表したのは、記憶に新しい。その2カ月後の日付の傍受対象リストだ。それ以前の傍受対象リストを書き変えたのだろう。

≪ 日本は盗聴対象外か=米傍受拠点に含まれず-独誌
 【ベルリン時事】米情報機関が世界各国の指導者の通信を盗聴していたとされる問題で、ドイツ誌シュピーゲルは28日、傍受拠点の一覧が記載された同機関の機密文書を電子版のビデオニュースの中で公開した。日本の都市は含まれておらず、傍受対象でなかった可能性がある。
 同誌が入手した極秘扱いの文書は2010年8月13日付で、国家安全保障局(NSA)と中央情報局(CIA)の下、米国の在外公館で傍受を担う「特別収集部」の所在地80カ所以上が載っている。
 アジアは北京や上海、香港、バンコクなど20カ所が記されているが、日本の都市は含まれていない。また、韓国も入っておらず、東アジアの同盟国は外した可能性がある。パキスタンとアフガニスタンには計6カ所設置されている。
 中東はカイロやダマスカス、バグダッドなど24カ所と多く、米当局が動向を注視していた様子がうかがえる。旧ソ連はモスクワやウクライナの首都キエフなど。このほか、中南米やアフリカの都市も含まれている。
 ベルリンやパリ、マドリード、ローマなど欧州主要都市が含まれる一方、米国と深い関係にある英国やオーストラリアは一覧になかった。 ≫(時事通信)

 ロイターによると、EUの怒りは本物らしく、米国の盗聴疑惑に対し、≪個人情報保護法の強化に向けた欧州議会との交渉を進めるよう後押しする可能性がある。欧州議会の委員会は今週、加盟各国の個人情報保護法を厳格化する法案を賛成多数で可決している。米国は規制強化が実現した場合、欧州で米国企業が事業を展開する際のコストが増加するとして懸念を示している。ヤフーやグーグルなどの企業は提案に反対している。≫ 特にグーグルはNSAと一体的活動を展開しているだけに、海外のグーグルに対する風向きは強くなるだろう。

 WSJやCNNは、政府高官の話として、オバマ大統領は世界の首脳が盗聴されている事実を知らなかったと語ったようだが、そのような重大な事実を把握していない大統領の指導力は如何なものか、と云う疑念が生まれる。戦闘の火蓋を切られるまで、蚊帳の外だったなどと云う事態まで想定できるではないのか。盗聴の事実を把握していても、把握していなくても、どちらにしても、結果はオバマ大統領に悪い状況で降りかかる。任期が3年も残っているのに、世界一の軍事大国の指揮官が、このザマでは、いつ何が起きても不思議ではないのかもしれない。カーニー米大統領報道官は28日、「内部の議論の詳細には立ち入らない」、「情報をどのように集め、活用するかについて、追加的な制約が必要になっている」と、苦し紛れな返答をしている。

 最後にオマケのような話だが、昨日のコラムの延長線上の話題をひとつ。小泉と社民党吉田党首の会談が行われたが、小泉は予想通り、「それぞれの党が脱原発に向けて努力すべきだ。自分も主張を続けていく」と往なし、市場原理主義にそぐわないリベラル党との連携を冷たくあしらった。自民党内で脱原発主張を続けられると、野党は与党への大きな対立軸の一つを失うわけで、結果的には与党自民党を利することになる。そう云う点を考えると、野党の結集軸として、最も有力だった脱原発と云う軸を、取り払ってしまう役目を果たすことになる。

 逆に言うならば、アベノミクス等云うマヤカシの化けの皮が早晩剥がれることを予期した布石とも考えられる。最近の地方首長選などでも、有権者が政党色を嫌う傾向が顕著であり、自民党の天下が、必ずしも安泰ではない、と目端の利く小泉が考え出した裏技かもしれない。小沢一郎にとっては、ツールをひとつ奪われた感じなのだが、どのような巻き返しが可能か、今後の小沢の動きも注目だ。

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どうにも判らない小泉純一郎の「脱原発発言」  綺麗事か、政局か、ビックビジネスか

2013年10月29日 | 日記

 

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どうにも判らない小泉純一郎の「脱原発発言」  綺麗事か、政局か、ビックビジネスか

 社民党の新党首・吉田忠智が小泉純一郎の「脱原発」を巡る発言に素直な反応を見せている。以下は産経の記事だが、他社の扱いは極小なもので、どうでも良い風な按配だが、色々と憶測を呼ぶ、小泉元首相の「脱原発発言」である。語っていることは、まさに正論で、幾ばくのケチをつける個所もない。しかし、素直に受け取れないのが、普通の感性の持ち主の偽らざる気持ちなのだろう。

≪ 社民党首、「脱原発」で小泉元首相と会談へ 「方向性は一緒だ」
 社民党は28日、吉田忠智党首が自民党の小泉純一郎元首相と29日に東京都内で会談すると発表した。「脱原発」をめぐり意見交換する見通しだ。社民党側が小泉氏に会談を要請していた。小泉氏は「脱原発」を主張し、政府・自民党にエネルギー政策の転換を求めている。
 吉田氏は23日の記者会見で「(小泉氏と)方向性や考え方は一緒だ。脱原発に向けて、どう取り組んでいくかを話し合いたい」と話していた。
 小泉氏はみんなの党の渡辺喜美代表らとも9月下旬に会談している。脱原発を掲げる野党幹部と相次いで会談することは、さらに臆測を広げそうだ。 ≫ (産経新聞)

 小泉純一郎は、米国従属日本は確立され、市場原理主義格差社会を定着させた張本人である。安倍晋三が、自分でも良く理解していない市場原理主義な経済政策に邁進するのも、小泉元首相を範としているのはたしかだ。その意味では庶民にとって仇敵であり、リベラル政策を掲げる政党も、到底歩を同じくする事などあり得ない人物である。しかし、あまりの正論を聞くにつけ、その本心が奈辺にありやと永田町では、その距離感に頭を悩ます状況を見せている。今後とも、原発を続ける限り、高レベル放射性廃棄物は増え続け、現存する量だけでも最終処分方法がないわけだから、処分方法を一層困難なものにさせるのもたしかだ。

 小泉元首相の「脱原発発言」は、言っていることはまことに正しく、文句のつけようがない。しかし、言っている人物には、頭の先からつま先まで、文句をつけることが可能な政治家だ。筆者は拙コラム「今後の小沢一郎」の中で、今後の政治課題として、原発及びエネルギー政策、TPP、憲法解釈、憲法改正、財政問題と税体系、文化的生活を保証する権利、日米同盟の見直し、若い人々の雇用機会の問題、中露韓との外交防衛、ASEAN等アジア諸国との外交防衛等々を列挙した。上記課題の中で、政党としての色分けよりも、議員の個人的信条に置いて、色分けしやすいのが「脱原発」かもしれない。国民が興味を示す、判りやすいワン・イッシューでもある。

 政治勘が鋭い点で、いまだ衰えはないであろう小泉元首相が、敢えてフィンランドの「オンカロ廃棄物貯蔵施設」やドイツの脱原発の現状を視察し、その体験で、考えが変わったと云うのも奇妙な話で、原発関連業者同道で行われた視察旅行は、その旅程が計画された時点から、何らかの目的が組み込まれていたと考える方が妥当だ。このような考えに立つと、小泉元首相の「脱原発発言」には、“風が吹けば桶屋が儲かる”と云う、普通の考えでは結論に至らない、何らかの目的を定めている可能性も疑わざるを得ない。

 「 原発及びエネルギー政策、TPP、憲法解釈、憲法改正、財政問題と税体系、文化的生活を保証する権利、日米同盟の見直し、若い人々の雇用機会の問題、中露韓との外交防衛、ASEAN等アジア諸国との外交防衛 」など、何ひとつ疎かに出来ない課題なのだが、これらの政治課題を一本の線に纏まることは、ほぼ不可能と言って良いだろう。正直、「脱原発」以外は、一長一短があり、その選択にもまだら模様が生まれるのは必至だ。その点で、「脱原発」と云うワン・イッシューは政治家の意志を糾合しやすい。小沢一郎が、昨年末に突如“未来の党”等と云う訳のわからない政党を立ち上げた趣旨も、「オリーブの木」で糾合しやすい点を狙ったのだろう。

 しかし、小沢一郎は、その切り札の使い方を、マイナスの状況下で持ちだした為に、大失敗に終わった。しかし、ワン・イッシューの着目点は正しかったと云う仮説は成り立つ。巷間言われることだが、小沢のアイディアが、今度は小泉によって“パクられた”と見ることも可能だ。こういう見方をすると、今回の小泉元首相の「脱原発発言」は、次なる政局絡みの言動にも見える。今さら、小泉元首相がリベラル色を打ち出すなど冗談としか思えないのだが、あの人なら、平気でそう云うことを言い出せる人である。ただし、小沢一郎の政治勘から糾合の旗としようとした「脱原発」は、奪われる危機でもある。つまり、小沢が考えていた、野党糾合の旗が二本立つことになる。その点では、政局荒らしだと言えるだろう。

 もう一つの見方のほうが、市場原理主義者の小泉元首相に相応しいかもしれない。シナリオでもあるのかと疑いたくなるような形で、高レベル放射性廃棄物の「地層処分」に関する会議がニュースに流れ出した。時事通信は以下のように伝えている。

≪ 「地層処分」ゼロから再検証=使用済み核燃料処理-経産省部会
 経済産業省総合資源エネルギー調査会の地層処分技術作業部会(委員長・杤山修原子力安全研究協 会研究所長)の初会合が28日、同省内で開かれた。原発の使用済み核燃料から出る高レベル放射性廃棄物を地中深く埋設する「地層処分」の安全性を再検証 し、年度内をめどに結果をまとめる。
 杤山委員長は会合後、記者団に「できるかどうかをゼロに戻って判断したい」と強調、議論の結果次第では地層処分を取りやめる可能性もあるとの認識を示した。 ≫(時事通信)

注記:地層処分(ウィキペディア参照)とは? 放射性物質の生物生息環境からの隔離 原子力発電、核兵器開 発などの工程で生じた高レベル放射性廃棄物はその生物に与える脅威から、生物相からの隔離が必要となる。生物相からより離れた実用的な手段として地層処分 が20世紀後半から考慮されている。地層処分においてはいかに人類を含む生物生活環境からこれら廃棄物を遠ざけるかが考慮され、何段階にもおよぶ防御(バ リア)を施した埋設処分が検討されている。高レベル放射性廃棄物はガラスによって固化し(ガラス固化体)、 30年から50年の中間貯蔵を経た後に、オーバーパックと呼ばれる金属などの容器に封入され地下深部に埋設される。地層処分の安全性を確保するため、人工 バリアと天然バリアと呼ばれる多重バリアシステムの概念が用いられている。 処分施設の計画や建設が進行中である。(2011年時点で高レベル放射性廃棄物の為の地層処分施設に完成したものはない。)

 この「高レベル放射性廃棄物」の「地層処分」は、原発廃炉ビジネスの中で、最もビジネス化されやすい部分であり、時と場合には、一大産業となり得るものだけに、市場原理から行くと、美味しいビジネスのネタなのである。原子力の利用が、今や危険と隣り合わせで、リスク社会の罪悪人になりかけているわけで、その利用を止めることは「正義」であり、その正義を確かならしめる為には、この「高レベル放射性廃棄物の地層処分」は最終兵器であり、金の生る木になる産業でもある。数万年から10万年単位で継続するビジネスなど、いまだ嘗てないわけで、この利権は世界的にも莫大だろう。

 奇禍と云う表現が当て嵌まるかどうか判らないが、福島原発周辺は、放射能汚染に関して、永遠のイタチごっこをする地になり果てているのは、残念だが認めざるを得ない。除染で解決する問題ではないことは十二分に承知していても、そのポーズを取り続けているしかないわけだが、いつの日か、「高レベル放射性廃棄物の地層処分」に最適な候補地はあるのか?と云う提議がなされ、それを議論する中で、悪魔の囁きが、世界最大のビジネスチャンスに生まれ変わる。小泉純一郎なら、その片棒を担ぐくらい、屁とも思わないだろう。

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“勝者”が気がつくと、“敗者”になっている法則 正義の玉手箱は実存するのか?

2013年10月28日 | 日記

 

「辺境」からはじまる―東京/東北論―
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●“勝者”が気がつくと、“敗者”になっている法則 正義の玉手箱は実存するのか?

 ひとつのコラムが、糞づまりの思索にヒントを与えてくれることがある。今日紹介する以下のコラムも、そのような示唆に富むものである。コラムは、消費税増税で、生活費をいかに少なくするか工夫する庶民にとって、いくばくかの光明を投げかけている。“やらずぼったくり”を平気で行う血も涙もない霞が関財務省への、庶民からの復讐の一つの方法を示している。無論、消費税を8~10%支払う取引に比べれば、若干リスクはあるだろうが、マルチ商法のような詐欺行為が横行しているわけでもなく、ただ、自己責任の範囲が多少拡がる程度に考えれば、賢い倹約方法だろう。

 おそらく、このような取引の流れは、TPPに加盟した時とか、戦略特区などを導入した際には、政府や役人が考え及びもつかなかった、自由取引が幅を利かせる可能性は大いにある。まして、ネット世代が高齢世代の消費よりも旺盛であれば、ITインフラの仕掛け次第で、大化けしてしまうのだろう。孫正義は、その辺も手当てした感じである(笑)。ところで、安倍晋三率いる自民党と云う20世紀の亡霊にしがみつく古臭い政党は、霞が関の役人の掌の上で良い気持ちになっているようだ。反自民の人々にとっては、苦々しい日々が続いているわけだが、案外、勝者が、あっという間に、考えもしなかったに敗者に向かう道を突っ走っているとしたら、これは考えただけでも愉快な話ではないだろうか。

 そんな手品のような胡散臭い話は聞く気も起きない人は、この場を即刻去るべきである(笑)。このことは、TPPの加盟で日本国内で起きる大きな市場変化は、意外に既得権益勢力にとっては両刃の剣で、運転操作を一歩間違えると、一瞬にして奈落に落ちることを意味しているし、霞が関官僚組織が崩壊する端緒になる危険を大いに有している。TPP導入と農地集約を目指す思惑も、意外にな形で決着、大規模農家だけが農地を手放す破目になりかねないと云う問題に突き当たる。理由は簡単だ。小規模農家の稲作など、一種高齢者の生甲斐であって、生活費を得る為の行為ではない(所得の1~5%)ことである。小規模農家ほど、農地を手放す根拠はないわけで、馬鹿げた皮算用をする事になるだろう。

 原発推進派が勢いを取り戻し、反原発組の勢いが消沈気味なのは事実だ。しかし、電力会社の金による既得権益勢力への支配力も、センセーショナルな事故一つでひっくり返るし、フクイチで何が起きるか、いまだ進行中の放射能漏れ状態なのだから、予断は許さない。また、消費者に電力量の値上げ一点張りのツケ回しは、或る限界点に達した時、庶民は徹底した節電生活をするだろうから、最終的には経営自体が成り立たなくなる。このように、勝ち誇った顔をしている連中が、吠え面を掻く日が来ることを夢見るのも、憂鬱な日々の清涼剤になる。引かれ者の小唄とは若干異なる、多少の論理に基づいての一言である(笑)。まだまだ、逆説はありそうだが、今日はこの辺で…。


≪「個人の逆襲」が始まる 税率8%を機に、脱・消費税取引が拡大

 【 税は国の形を変える。中世のオランダには「窓税」「間口税」があり、その結果、現在も細長い家が多い。来年4月の消費増税を機に、消費税がかからない「個人間取引」の優位性が高まる。企業主体の取引という現在の商慣習を、大きく変えるかもしれない。 】

 来年4月から8%への増税が決まった消費税。2015年には10%へとさらなる増税が検討されている。社会保障費の増加に歯止めがかからない以上、増税がこれで終わらない公算は大きい。
 税は国の形を変える。中世のオランダには「窓税」という税があり、その後「間口税」となった。その結果、オランダでは現在も細長い家が多い。
 消費増税は日本の形をどのように変えるのだろうか。実は消費税には、免れる方法がある。もちろん脱税などではない。
 消費税は、2年前の課税売上高が1000万を超える事業者に対して発生する。個人取引なら基本的に免税となる。すなわち、個人間取引を利用すればよいのだ。
 ただでさえ、インターネットの普及により、個人売買市場は拡大を続けている。環境省による2012年度のリユース市場規模(自動車とバイクを除く)は、約1兆2000億円。2009年度に比べ約2割も増加した。

ネットと増税の相乗効果
 ネットというインフラが整い、消費者がそれに慣れ親しんだ。そこに消費増税で8%の“価格メリット”が生まれる。この2つの相乗効果で、個人間取引が増えることは確実だ。  「(消費税分の)8~10%も割安となれば、個人間取引市場に買い手がなだれ込んでくる」と、インターネットオークションの取引情報を取り扱うオークファンの武永修一社長は指摘する。
 年間約7000億円の流通総額を持つ国内最大のオークションサイト「ヤフオク!」を運営するヤフーは10月から、個人の出品者について一部のカテゴリーを除き従来10.5円だった出品システム利用料を無料化した。
 有料会員プログラム「Yahoo!プレミアム」に加入していなければ5000円以上の入札ができなかった買い手に対する制限も、一部商品カテゴリーを除いて撤廃している。出品、入札の両方のハードルを大幅に下げたことで、ヤフオク!の流通総額が今後拡大するのは確実だ。
 全世界で2億人以上の利用者を抱えるLINE(東京都渋谷区)も今秋、「LINE MALL」を開始する。スマートフォンに特化したEC(電子商取引)モールだ。企業だけでなく個人もスマホで気軽に販売できる環境が整う。
 とはいえ、「高額品などは個人間売買にならないだろう」と思われる方は多いだろう。だが、それは単なる思い込みかもしれない。かつてヤフオク!で見知らぬ個人から衣服を買うなどということが想像もできなかったように、高額品を躊躇なく買える未来が迫りつつある。

不動産も個人間売買に
 例えば、不動産だ。まずは「Zillow」という米国のサイトを見ていただきたい。どの物件でも良い。例えば「Los Angeles」と入力して、個別の物件情報を見ていくと、きっと驚かれるはずだ。
 物件の詳細な場所、売却価格、時系列での価格推移、築年、間取りは当たり前。周辺の家の地価までが掲載されており、相場まで瞬時に分かる。「既に欧米では不動産の個人間取引が主流になっている」と不動産コンサルタントの長嶋修氏は指摘する。
 もっとも、日本ではこうした情報は現在、基本的に不動産会社しか入手できない。だがここにきて、複数のネット企業が、同様のマーケットプレイスの開設を検討している事実がある。
 中古物件は、個人間売買が多いため、建物の消費税は基本的に課税されない(土地には、そもそも消費税が発生しない)。ただし、意外とかさむのが、不動産業者に支払う仲介手数料だ。
 手数料は、最大で成約価格の3%プラス6万円に消費税を加えた額と決められている。この手数料は、売り手と買い手の双方に、それぞれかかる。
 すなわち、2000万円の物件なら、66万円と消費税3万3000円で、69万3000円。取引全体では138万6000円。8%増税後は、これが142万5600円となる。大きな金額の取引の中で埋もれがちだが、冷静に考えると、決して小さい額とは言えない。消費増税が進み、家計不安が高まれば、仲介業者を通さない取引の割合は増えていくだろう。
 個人間売買で最も不安なトラブルを未然に防止する策もある。
 品質面の不安を補うため、「住宅診断(ホームインスペクション)」と呼ぶサービスを活用する方法だ。専門家が建物の現状を点検し、プロの目でアドバイスしてくれる。その料金は5万~10万円だ。
 ただし、不動産に関わる契約は複雑で、素人の手に負えないことが多い。そのため、「契約書類作成などは、宅地建物取引主任者資格を持つ業者に依頼すべきだ」と不動産コンサルタントの長嶋修氏は述べる。改めて買い手を探す手間などがないため、費用は10万~30万円程度に安くしてもらえることが多い という。

活況を呈する中古車個人売買
 もう1つの高額品、クルマの個人売買も活発化してきた。「3年後には常時10万件を流通させたい」と意気込むのは、クルマの個人間売買サイト「CARTOGO」を運営する、トロイカの大橋賢治社長だ。
 同サイトに出品されている商品を見ると、10万~100万円近いものまで様々。それぞれにつき、売り手と買い手のやり取りが公開されている。「SOLD OUT」という表示も目につき、着実に成約実績が増えている。
 来年4月以降、中古車を企業から購入すると、10万円のクルマでは8000円、100万円なら8万円の消費税が発生する。個人から購入すれば、その分が浮くというわけだ。
 メリットはそれだけにとどまらない。ご存知の方も多いだろうが、実はほとんどの中古車の場合、販売店の店頭に並ぶクルマのフロントガラスに表示されている価格では買えない。各種手続きや納車費用などの諸費用が別途、十数万円分発生するためだ。個人売買は基本的に総額表示なので、消費税よりもお得になる。
 心配なのはトラブルだ。品質保証やキズはもちろん、名義書換なども個人の責任でやらねばならない。
 ノーベル経済学賞をとった経済学者、ジョージ・アカロフ氏が、米国で「レモン」と呼ぶ欠陥品問題を論文にまとめたのは有名だ。良質な商品と欠陥商品が混在し、購入するまでその内容が分からない市場では、欠陥品ばかりが出回るようになるという理論だ。
 日本では車検制度があるため、最低限の品質は保たれている面はある。トロイカの大橋社長は「800件程度が成約したが、トラブルは報告されていない。個人の顔が見える取引なので、めったなことはできないという、責任感が芽生えるようだ」と述べる。
 ネットというインフラの普及に消費税という家計に対する大きなインパクトが加わった。これまでの企業主体の取引という経済のルールは大きく変わろうとしている。
 消費増税をキッカケとした「個人の逆襲」という未来。それは、すぐそこに迫っている。 ≫(日経ビジネス:ライフサプリ:総点検消費税・広岡延隆)


里山資本主義 日本経済は「安心の原理」で動く (角川oneテーマ21)
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秘密保護法は“内調マタ―”日米同盟強化はダミーの疑い 暗躍公安の思惑は?

2013年10月27日 | 日記

 

公安警察の手口 (ちくま新書)
鈴木 邦男
筑摩書房


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●秘密保護法は“内調マタ―”日米同盟強化はダミーの疑い 暗躍公安の思惑は?

 安全保障などに関する国家機密を漏らした国家公務員らへの罰則強化を盛り込んだ特定秘密保護法案を決定、国家安全保障会議(日本版NSC)創設関連法案とセットで、今国会での成立を目指すと云う話題が“旬”なのだが、どうも取材の自由だとか、国民の知る権利だとか、そういう抽象的話題に引き摺られる傾向があるのだが、ポイントは、もう少し国民の生活に近い部分を狙った法案ではないか、と筆者は考えている。例えば、反原発運動に携わる国民や、米軍基地の監視や、沖縄辺野古海兵隊基地新設問題などに対応する“治安マタ―”ではないかと疑っている。その証拠と云うわけではないが、法案担当が内閣情報調査室だと云うことだ。

 おおかた、この法案の趣旨は日米軍事同盟の一体的強化のためには、重要な日米の軍事機密等々の保護が喫緊の課題であり、アベノミクスの経済成長戦略が最優先される筈だったことを思うと、嫌に“泥縄的”に急いでいる。日本版NSC設置とセットで出された為に、より日米の軍事秘密に関する法案かと思いがちだが、防衛、外交、特定有害活動、テロリズム防止の4大目的の内、前の二つを罰する法律は既に各省庁に存在し、特に改めて今回慌ただしく提出しなければならない法律ではない。

 おそらく、この法律作成の意図は後半の目的である「特定有害活動、テロリズム防止」が主目的と考えた方が、急ぎ提出する理由として納得出来る。なぜ急ぐのかと云うと、この「特定有害活動、テロリズム防止」を取り締る法律を欲しがっていたのは「公安警察」である。一時に比べ、警察における公安部の地位は見る影もない状態になっていたが、この法案が、昔の治安維持法的に駆使可能な法文になっている点からも窺える。どんなに暴走を防ぐような文言を入れようとも、霞が関文学に彩られ、“その他”ひとつで条文など、どうにでも解釈は可能である。

 安倍晋三が反中韓論者のタカ派だから、安倍が支持したという考えは間違いかもしれない。安倍が首相になったことを“奇禍”として、この法律は官僚(法案担当が内閣情報調査室)の手によって閣議決定されている。つまり、昔でいえば内務省マタ―なのである。反原発運動に携わる国民や、米軍基地の監視や、沖縄辺野古海兵隊基地新設問題などに対応する必要に迫られていると云うことなのだろう。どうも、政府自身が霞が関に騙されている部分もあり、安倍首相をはじめ、政治家は日米同盟強化から派生的に必要となった法律、と誤解していると云うか、騙されているのである。公明党も騙されているだろう。マスメディアは幾分知っている社もあるようだが、面倒なので騙された儘、見過ごそうとしている。

 特に筆者は、原発事故の収束を、”政府が陣頭指揮を”、と言い出したあたりから、この法案は優先順位を喫緊の法案の地位に押し上げたものと推量している。IAEAが共同調査で、福島原発周辺除染状況調査を行い、かなりヤバイ事実の幾つかを把握したのだろうが……、
●原子力規制委員会が積極的に関与して評価すべき
●年間の追加被曝線量が1ミリシーベルトという政府目標は,除染だけで短期間で達成は不可能。利益とリスクを住民に詳しく説明すべき
●環境回復と復興などとの関係を住民に伝えるべき
●個人が携帯する線量計の積極活用
●安全な食品生産と環境回復手段の最適化
●住宅周辺などの森林の環境回復の最適化の継続
●淡水や海洋環境のモニタリングの継続
●汚染物管理施設の安全性の実証と独立した評価をすべき
と原発推進団体だが国際機関の公平性に配慮しながら、最適化などと云う表現をして、経済効率にも配慮しろと言っている。特に、今日のコラムで、IAEAの怪しさを追求する気はないが、おそらく世界全体が“福島の原発事故の現状はどのくらい酷いのか”把握しようと行われたであろうことは、容易に想像できる。

 実は、小沢一郎が必死で主張するように、“福島原発事故の処理は甚大な費用を要するが、国家が全力を挙げて、国家予算を痛めつけてもやらざるを得ない重大な問題だ”と云うように、真面目に、誠実にこの問題に立ち向かえば、原発再稼働などキチガイ沙汰であることは、どんな馬鹿でも身に沁みて理解できるわけである。筆者が最も怖れているのが、原発事故収束作業に携わる現業員の問題である。勿論、彼らの被ばく線量など健康被害の問題もあるが、原発事故に携わる現場作業員の延べ人数の問題が、最も隠れた重大な問題なのである。医学的に現在だけでも放射能による晩発性障害の心配はあるが、実際の作業員人数が、絶対的に不足する事態は、既に想定されているに違いない。その時、原発推進勢力は、どのような手段に出るか、と云う底知れぬ危機を感じると云うことだ。

 その危機を乗り切る方法として、原発作業員の秘密情報守秘義務は、今後徹底されるだろう。原発作業員への教唆による情報収集も「テロ防止」の名目が冠されるだろう。作業の実態が隠蔽され、汚染水の事実も隠蔽されるだろう。また、福島沖の海水放射能数値調査も、「原発テロ・プルトニウム盗難等防止」などの名目で、違法行為になる可能性まで考えられる。このことは、既に月刊誌「世界」の一節としてコラムで紹介したが、異なる見地から”ロイター”がいやに力を入れて、福島原発作業員が既に蝕まれている現状を特別レポートしている。このレポートを読んでも判ることだが、高濃度放射能に汚染されているフクイチの作業員の確保は、早晩危機的状況を迎えるのは、歴然たる事実である。 ロイターのレポートを読むうちに、“こりゃいずれ、フクイチの情報のすべてを国家秘密にする可能性はある、と筆者は感じた。

≪ 特別リポート:福島作業員を蝕む「違法雇用と過酷労働」

  [いわき市(福島県)25日 ロイター] - 高濃度の放射線にさらされている東京電力(9501.T: 株価, ニュース, レポート)福島第1原子力発電所の廃炉・除染現場で、作業員を蝕むもうひとつの「汚染」が進行している。不透明な雇用契約や給料の中抜きが横行し、時には暴力団も介在する劣悪な労働環境の存在だ。 東電や大手建設会社を頂点とする雇用ピラミッドの底辺で、下請け作業員に対する不当な取り扱いは後を絶たず、除染や廃炉作業への悪影響も懸念されている。

 「原発ジプシー」。

 福島第1原発をはじめとする国内の原発が操業を開始した1970年代から、原発で働く末端労働者は、こんな呼び名がつくほど不当で不安定な雇用状態に置かれてきた。電力会社の正社員ではなく、保全業務の受託会社に一時的に雇用される彼らの多くは日雇い労働者で、原発を転々としながら、生計を立てる。賃金の未払いや労働災害のトラブルも多く、原発労働者に対する待遇改善の必要性はこれまでも声高に叫ばれてきた。

 しかし、福島第1の廃炉および除染現場では、こうした数十年に及ぶ原発労働者への不当行為が改善されるどころか、より大規模に繰り返されている可能性があることが、80人余りの作業員、雇用主、行政・企業関係者にロイターが行った取材で浮かび上がってきた。 福島第1では、800程度の企業が廃炉作業などに従事し、除染作業にはさらに何百もの企業が加わるという、過去に例のない大掛かりな事故処理が続いている。現場の下請け作業員は慢性的に不足しており、あっせん業者が生活困窮者をかき集めて人員を補充、さらに給与をピンハネするケースも少なくない。下請け企業の多くは原発作業に携わった経験がなく、一部は反社会的勢力にも絡んでいるのが実態だ。

<不透明な雇用記録>

 2012年の夏、同原発で現場作業員の放射線モニター担当として雇われた林哲哉(41)も、そうした末端労働者の一人だった。同原発に職を求めた動機には、日々の暮らしを支えるためだけでなく、自分が持つ建設や溶接の技術を復興に役立てたいという気持ちもあったという。

 しかし、福島での雇用形態は予想以上に複雑だった。林によると、雇用契約は東電の6次下請けにあたるRH工業との間でサインしたはずだったが、現場で作業する手続きには同社も含め、6つの企業が関与していた。

 さらに、当初に伝えられた仕事内容は現場から離れた放射線のモニター業務だったが、下請け会社の一つ、プラント工事会社のエイブルからは、実は放射線量が高い現場作業であることを告げられた。エイブルは、同原発で200人程度の作業員を管理する東電の元請け会社東京エネシス (1945.T: 株価, ニュース, レポート)の下請けだ。

  「一週間経てば、(被ばくした)放射線量は半減する」、「被ばくしたとしても線量が積み上がることはない」。現場の上司からは、こんなデタラメも耳にした。

 2週間の作業を終えた後、林は自分の被ばく放射線量の記録帳をみて、雇い主がRH工業ではなく、鈴志工業とテイクワンという上位の下請け企業になっていることに気がついた。林の主張については、両社のほか、東電、東京エネシス、エイブル、RH工業のいずれもロイターの取材にコメントはしていない。

 林はこの雇用契約には違法性があったとして、仕事を辞めたあと、労組の派遣ユニオンとの連名で福島労働局に是正を求める申告書を提出した。その中で、雇用主や雇用内容が契約と異なっているほか、複数の企業による賃金の中間搾取、社員経歴書への虚偽記載の強要、放射線管理手帳への虚偽記載などの問題点を上げている。同労働局からの返答は来ていないという。

 同年の9月、林は同原発で、あらためて鹿島(1812.T: 株価, ニュース, レポート)の下請け会社テックに雇われ、別の仕事に就いた。しかし、新しい仕事では、テックから支払われた1万6000円の日当のうち、ほぼ3分の1は仕事を仲介した長野県の元暴力団員を名乗る人物が受け取っていた。

 「毎日あそこ(福島第1原発) では3000人の作業員が仕事をしている。作業員がいなくなれば、(原発処理はできずに放射能が拡散し)日本人がみんな死んでしまうことにもなるだろう」。廃炉や除染にかかわる仕事の重要性は十分に認識している、と林は語る。しかし、現実の労働実態は、許容できるものではなかった。「だまされて、はめられた思いだ」。林はいま、福島での体験を厳しい口調でこう振り返る。

 暴力団との関係に見切りをつけ、福島原発近くの除染現場で働き始めた五島亮(23)も、林と同じ長野の人物を通じてテックによる除染作業に加わった。五島は14歳から関西系暴力団の地方支部に出入りし、ゆすりや借金の取り立てを続けていたが、20歳で同組織との縁を切った。しかし、その見返りとして、毎月20万円を数カ月間取り立てられ、借金した130万円を返済するため、除染作業に職を求めたという。

  だが、実際に手にすることができた給与は、雇用時に約束されていた額の半分程度だった。仲介者による中抜きだったと五島は言う。これについてテック側はロイターに対し、横領したのは別の従業員で、その従業員を解雇したとし、五島には未払い分の給与を支払ったと説明している。五島は昨年 12月に同社での仕事を辞めた。

 テックの元請けである鹿島の広報担当者は、2人のケースについて、直接契約を交わしていないためコメントする立場にないとし、「我が社では契約先の企業に費用を払い、彼らから危険手当を払うよう指示している」と話している。

<慢性的な人手不足と緩い法規制>

こうした労働トラブルが続発する背景には、福島第1原発の廃炉や除染作業で現場労働者が不足し、なりふり構わない人員調達が行われているという実態がある。

 作業現場では、雇用の発注者である東電の下に鹿島や大林組(1802.T: 株価, ニュース, レポート)といった元請け、さらに7層を越す下請けが連なり、複雑な業務委託ピラミッドが出来上がっている。その末端には会社登記すらない零細企業も存在する。

  同原発では現在、約8300人を超す作業員が登録されているが、東電では廃炉事業を急ぐため、2015年までに少なくとも1万2000人を動員する計画を立てている。汚染水対策として緊急性が高まっている凍土遮水壁の建設要員を含めると、その数はさらに膨れ上がる見通しだ。

 「これだけの人員を導入して、果たして東電が彼らの安全を守れるのか、考える必要があるだろう」と日本原子力研究開発機構安全センターの中山真一副センター長は東電の現場管理能力に疑問を投げかける。

 緊急度が増している除染や廃棄物処理を推進する法的措置として、2011年8月30日に議員立法による「放射性物質汚染対処特措法」が公布され、昨年1月1日から施行されている。しかし、厚生労働省によると、この法律は、除染作業などを行う業者の登録や審査を義務付けておらず、誰でも一 夜にして下請け業者になることが可能だ。

 多くの零細企業は、原発を扱った経験がないにもかかわらず契約獲得を狙って群がるように応札し、さらに小規模な業者に作業員をかき集めるよう依頼している、と複数の業者や作業員は証言する。

 今年上半期に福島労働局が除染作業を行っている388業者を立ち入り調査したところ、68%にあたる264事業者で法令違反が見つかり、是正勧告した。違反率は昨年4月から12月まで行った前回調査の44.6%から大きく増加した。違反の内容は割増賃金の不払い、労働条件の不明示から作業の安全管理ミスまで多岐に及んでいた。

 こうしたトラブルが深刻化して労働争議になった企業の一つが、電興警備保障だ。原発事故以前は建設現場の警備に携わっていた会社だが、福島第1原発に近い同県田村市での除染作業をめぐり、国から出ていた危険手当を支払っていなかったとして作業員25人から支払いを要求された。

 今年5月に開かれた団体交渉では、同社による作業員の待遇にも批判が相次いだ。作業現場での夕食は、ひどい時は米飯1膳にピーマン半分かイワシ1尾。12月に従業員らを乗せた車が凍結した道路で横転した際には、監督者が従業員に作業服を脱いで離れた場所にある病院に分散して行くよう命じた。同社は労災保険に加入しておらず、事故報告を避けたかったのだ、と作業員側はみる。 同審判で、電興警備保障の幹部は従業員側に謝罪し、「解決金」として請求額とほぼ同じ総額1600万円の支払いに応じた。「後から考えれば、素人(の企業)が関与すべきことではなかった」。同社幹部は、ロイターの取材に対し、除染事業に手を出したことをこう悔やんだ。

 しかし、この争議のように多くの従業員が団結して雇用主を訴えるケースはほとんどない。報復を恐れて沈黙してしまう被害者が多いからだ。あっせん業者が借金返済を肩代わりし、その見返りに作業員を働かせる例もある。雇われた作業員は、あっせん業者に給料を中間搾取されながら、苦情を訴えることもできず、肩代わりされた借金を返済するまで働き続けなければならない。

  「訴訟を怖がっているのは、(問題作業員としての)ブラックリストに載ってしまうという心配があるからだ」。かつて日雇い労働者として働き、現在は福島の労働者を保護する団体を運営している中村光男は、作業員たちの多くが原発で仕事する以外に職を手に出来る状況にはない、と指摘する。

 作業員と企業をつなぐあっせん業務が、暴力団の資金源になる危険性もある。福島第1の除染作業をめぐり、今年3月、山形地方裁判所は住吉会系暴力団の元幹部に対し、労働者派遣法違反(無許可派遣)の罪で執行猶予つきの有罪判決を言い渡した。

 判決によると、同幹部は昨年11月から今年1月までの間に95回にわたって6人の作業員を無許可で福島県の除染現場に送り込んだ。暴力団に対する取り締まりが厳しくなり、露天商などでの稼ぎが難しくなったのが動機だった。「除染作業は日当が高く、もうかると思った」。報道によると、同幹 部は取り調べのなかで、こう話したという。

 派遣された作業員たちの仕事は、大手建設会社の大林組が担当した除染業務の下請けだった。ロイターの取材に対し、同社の広報担当者は、下請け業者の1社が暴力団関係者から派遣された作業員を受け入れていたとは気づいていなかったと釈明。「下請け業者との契約では、反社会的勢力に加担しな いよう条項を設けている」とし、警察や下請け企業と協力して、この問題についての認識を高めるよう努めていると話している。

 <避けられない下請け依存、届かない監視の目>

末端作業員への搾取がなくならない福島第1原発の実態について、雇用ピラミッドの頂点に立つ東電はどう考えているのか。

  同原発の廃炉や地域の除染に必要な時間と作業量があまりにも大きく、自社だけでは人員も専門技術も不十分で、下請けに任せるしかない、というのが同社の現状だ。 同社は下請け作業や雇用の実態まで十分に監視できていないと認める一方、下請け業者は、作業員の酷使や組織的犯罪への関わりを防ぐ措置を実施していると強調する。

 あっせん業者による給料の横取りを防ぐために、雇い主と管理企業が異なるような雇用形態は禁止されているが、東電が昨年行った調査では、福島第1の作業員の約半数がそうした状況に置かれていた。同社は元請け会社に労働規制の順守を求める一方、作業員の疑問に答えるため、弁護士が対応する窓口も設立した。さらに、厚生労働省による労働規制の説明会を下請け業者向けに開いたほか、6月には、新しい作業員に対し、不法な雇用慣行を避けるための研修を受けるよう義務付けている。

 待遇改善が進まない背景には、東電自体が金融機関と合意した総合特別事業計画の下で厳しいコストカットを要求されているという現実がある。同社はすでに2011年の震災後に社員の賃金を20%削減した。業務委託のコストも厳しく絞りこまれており、結果的に下請け労働者の賃金が人手不足に もかかわらず、低く抑え込まれているという現実を生んでいる。ロイターがインタビューした福島第1の現場作業員の日当は平均で1万円前後で、一般の建設労働者の平均賃金よりはるかに低い。

  賃金や雇用契約の改善のみならず、現場での作業の安全性が確保されなければ、廃炉や除染事業そのものが立ち行かなくなる懸念もある。今年10月、作業員が淡水化装置の配管の接続部を外した際に、作業員計6名が高濃度の汚染水を浴びる事故が起きた。8月には作業員12名が、原子炉からがれきを取り除いていた際に被ばくした。

 こうした事故の続発を受け、原子力規制委員会の田中俊一委員長は、不注意な過ちを防ぐには適切な監督が重要だ、と指摘。現時点で東電は下請け業者に作業を任せ過ぎている可能性があると述べている。

 福島労働局によると、通常の業務委託は2次か3次の下請けぐらいまでだが、福島原発の廃炉や除染事業については、膨大な作業量を早急に 処理すべきという社会的な要請が強く、下請け企業を大幅に増やして対応せざるを得ない。雇用者が下請け企業や作業員をしっかりと選別できないという現状の解決が最優先課題という。

  「下請け構造が悪いとはいえない。労働者が全然足りない状況にあるということが大きな問題だ」と同局の担当者は指摘する。「廃炉や除染事業にヤクザの関与を望む人は誰一人いないはずだ」。*文中敬称略 ≫(ロイター:Antoni Slodkowski、斉藤真理;編集 北松克朗、石黒里絵、田頭淳子)

日本の公安警察 (講談社現代新書)
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“日米集団的自衛権”で嘆く日本のリベラル “日米同盟2プラス2”で官々諤々の韓国

2013年10月26日 | 日記

あいば推奨の準ノンフィクション小説

原発ホワイトアウト
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● “日米集団的自衛権”で嘆く日本のリベラル “日米同盟2プラス2”で官々諤々の韓国 

*本日は多忙のため、右翼支持者が泣いて歓びそうな日経編集委員の鈴置高史氏の韓国ウォッチャーコラムを紹介する。日経新聞では、サムソンにしてやられたと嘆き節を奏でているわりには意外なコラムの音色である。筆者にとって、必ずしも好ましい隣国ではないのだが、ここまで書くかね?というコラムなので、大変面白く読んだ。無論、内容すべてを是とするものではないが、韓国という国の、半島ゆえの、好ましからざる怨嗟の歴史を思うと、気持は複雑だ。在特会や噴き上がり右翼国民は、こぞって拍手を送るような話だ。しかし、「日米同盟強化・2プラス2」の図式をあまりにも短絡的に評価した上で語られたコラムである。「日米同盟強化・2プラス2」が韓国が苛立つほど、日本を優先したものではないことを教えてあげたい(笑)。米韓FTAを見返りなしで結んでしまったツケを、いま払わされていると云うことだ。


≪ 日米同盟強化で逆切れした韓国  「だったら、中国と同盟を結ぼう」
 米国が日本との軍事同盟を強化した。すると、中国の意向も受け反対していた韓国が「面子を潰された」と逆切れ。一部の韓国紙は「米国が日本を大事にするのなら、中国と同盟を結ぼう」と書き始めた。

■日本の新聞以上に騒いだ韓国紙
 韓国が大騒ぎになったのは10月3日。日本の集団的自衛権の行使に対し米国が賛成したうえ、多角的で厚みのある日米同盟の強化を打ち出したからだ。それを鮮明にしたのが日米安全保障協議委員会(2+2)の共同声明だ(注1)。 (注1) この声明はこちらで読める。
 朝鮮日報はそれを4日付1面トップで「米国、日本の集団的自衛権の行使歓迎……緊密に協力」と報じた。さらに4日、5日と連日、社説で扱ったうえ、日米同盟強化に関し背景や影響など様々の角度からの特集を組んだ。
 中央日報も5日付1面トップの「日米蜜月、試される韓国外交」(注2)で解説したうえ、7日付の社説でも論じた。 (注2)この記事はこちらで読める。
 日本の新聞の4日付は読売、毎日と産経が1面トップ。ただ、日経は1面4段、朝日が1面3段だった。それと比べると、韓国メディアの異様に大きな扱いが目に付く。韓国人は何をそんなに驚きあわてているのだろうか――。

■朴槿恵の二股外交が破綻
 中央日報の7日付社説「韓国、経済に続き外交でもサンドイッチ状態」(注3)が本音をのぞかせている。要旨は以下だ。 (注3)この記事はこちらで読める。
・米国が日本の軍事力強化をテコに中国牽制に乗り出した。
・韓国は経済で日中に挟まれてサンドイッチ状態になったのに続き、外交でも米日と中国の間に挟まれた。
・韓国はすでにミサイル防衛(MD)問題で、米中間でジレンマに陥っている。
・韓国の外交・安保の立地点が急速に狭くなっている。しかし、政府は適切な対応策が打ち出せていない。
 簡単に言えば、米中を両天秤にかけ、双方から利を引き出すという朴槿恵政権の二股外交が早くも破綻した――ということだ。少し常識がある人なら、米中が対立の度を深めている中、二股外交などうまくいくはずがない、と考える。
 ところが韓国メディアは「米中双方と良好な関係を築いたうえ、両大国の力を背景に日本と北朝鮮に言うことをきかせる」画期的な朴槿恵外交を称賛してきた。けっこう多くの知識人がそれを信じ込み、日本にやって来ては誇ってもいたのだ。

■日本の自衛権で米国に裏切られた
 しかし、日米が対中軍事同盟、つまり対中包囲網の強化で合意した以上、米国と同盟を結んでいる韓国の立ち位置――米国側に残るのか、中国側に行くのか――が問題となるのは確実だ。
 すでに米国は自分が主導するMDに参加しろと韓国に踏み絵を突きつけている(「ついに米国も韓国に踏み絵を突きつけた」参照)。
 一方、中国は「中国包囲網に参加したらただじゃおかないぞ」と脅し続けてきた(「“体育館の裏”で軍事協定を提案した韓国」参照)。今回の動きは、朴槿恵外交を根本から覆す、韓国にとってこそ「大事件」だったのだ。
 もう1つ、韓国人にとってショックだったのは「集団的自衛権の問題で、米国が韓国よりも日本を尊重した」ことだ。米国に裏切られたとの思いだけではない。
 「日米軍事同盟強化を阻止するなら、仮想敵のあなたよりも同盟国の私が米国を説得した方が効果的です」と中国に説いてきたであろう韓国は、中国からもさらに軽んじられることになる。
 集団的自衛権に関わる韓国の議論にも、随所に独特の思い込みが見られる。ただ、誤解が元とはいえ韓国人がショックを受けたことは事実であり、それが米韓関係に尾を引くのは間違いない。

■韓国メディアが描く独特の世界像
 韓国メディアが報じてきた「世界像」は以下のようなものだった。
・オバマ大統領は極右の安倍晋三首相が大嫌いだ。一方、朴槿恵大統領に対しては極めて親しい感情を抱いている。米国にとって、韓米同盟が米日同盟よりも重要になった。 ・安倍晋三首相は右傾化を進めており、集団的自衛権の行使容認もその一環だ。
・韓国が中国をも背景に、日本の集団的自衛権の行使容認に反対している以上、米国が許すはずがない。朴槿恵外交の勝利だ。
 この問題が浮上してから、記者を含む何人もの韓国の識者に以下のように聞いてみた。
・集団的自衛権の行使容認は、非公式な形とはいえそもそも米国が日本に要求したものだ。だから誰が反対しようが、米国がいずれ“認める”に決まっているではないか。
・米国がこれまで賛意を表しないのは、日本国内で合意ができあがるのを待っているからであって、韓国の反対が主因ではない。
・米国は中国と戦争するつもりはないにしろ、いや、それだからこそ中国包囲網をしっかりと作る。それに必要な日米同盟の強化を、大統領の個人的関係ごときであきらめるはずがない。
・そもそも二股外交を展開する韓国を、米国が信頼するわけがない(「『独裁者の娘』を迎える米国の険しい目」参照)。

■米国の前では「反日」を隠れ蓑に「従中」
 「集団的自衛権の勧進元は米国だ」という指摘に対し、多くの韓国人が「細かな事実はさほど重要ではない」と答えた。
 韓国のメディアや政府は「日本の右傾化」を米国に訴えることで米日韓3国軍事体制を拒絶できると考えた。もちろん、中国の顔色をうかがってのことだ。
 ただ、安倍首相は前に首相を務めた時と比べ相当に柔軟で、韓国紙の期待ほど「右傾化」してくれない。そこで安倍首相が「731」の機体番号の自衛隊機に乗ったのは軍国主義復活の狼煙だ――といった、相当に無理筋の批判を展開するしかなかった。
 そんな時に集団的自衛権の問題が日本で浮上した。韓国メディアは「再侵略を狙うアベ」の格好の証拠として飛びついたのだ。「事実は重要ではない」とは、そうした事情が背景にある。
 「我が国の米国への説得は成果をあげている」とメディアが報道し続けたのも、韓国社会特有のバイアスからだった。
 大国に翻弄されてきた、との思いが強い韓国人にしてみれば「周辺大国すべてを操っている我が国」といったストーリーは極めて新鮮で、心躍る。もちろん、人気を異常に気にする朴槿恵政権もそんな記事は大歓迎である。

■韓国外交の勝利は「胡蝶の夢」
 ちなみに韓国には、国民の情緒――喜怒哀楽を煽れてこそ有力メディア、との発想がある。正確な事実の伝達は、先進国ほど重視されない。
 もっとも、米中両大国の力を背景に、日本を叩いて外交的に快進撃を続ける我が国――といった共同幻想を厳しく批判する韓国人もわずかながらいる。
 外交政策企画室長やシンガポール大使などを歴任した元・大物外交官で「親中反日政策は韓米同盟の空洞化につながる」と警告する李長春(イ・チャンチュン)氏だ。
 同氏は保守系サイトの趙甲済ドット・コムに「NATOも顔色を失う米日同盟の躍進」(10月11日付)を寄稿し、こう訴えた。
・韓国は対中依存症によりおかしくなった精神状態で「胡蝶の夢」をまどろんでいる。この幻(まぼろし)から覚めねばならない。 ・過去を持ち出し現実から目をそむけ、敵と味方を取り違えている韓国の「親中反日」こそは、在韓米軍撤収を議論の場に引き出しかねない。
・韓米同盟と米日同盟のうち、どちらが米国にとって重要か自問自答しつつ、誤った判断を避けねばならぬ。

■「朴槿恵の面子を潰したオバマ」
 こうした冷静な議論は新聞やテレビなど既存のメディアではほとんど見られない。「反日」を楽しんでいる韓国人から、“おもちゃ”を取り上げるわけにはいかないからだ(「なぜ、韓国は東京五輪を邪魔したいのか」参照)。
 それに李長春氏のように、はっきりと「親米路線」を強調するのも世間受けしない。韓国人は中国が覇権を握る可能性が増していると信じているからだ。
 むしろ既存のメディアでは、米中二股外交を展開しておきながら「自分より日本を大事にするのか!」と米国に逆切れする空気も濃くなっている。
 最大手紙、朝鮮日報の有名な外交記者である李河遠(イ・ハウォン)政治部次長は10月14日付で「朴大統領の『誤認」とオバマ大統領の『欠礼』」を書いた。要旨は以下だ。
・今年5月の韓米首脳会談で朴槿恵大統領とオバマ大統領は非常に親しげであり、その写真も公開されている。
・朴槿恵大統領は日本が誤った歴史認識を改めないのなら、米日の協力関係を見直すようオバマ大統領に求めてきた。
・しかし米国はこれに否定的であることが分かってきた。「オバマ大統領は日本ではなく韓国に付く」という朴槿恵政権の判断は今や、多くの専門家が錯覚に近いと見る。
・朴槿恵大統領がヘーゲル国防長官に(歴史認識など)日本の責任を訴えてからわずか3日後に、同長官は集団的自衛権(の行使容認への)支持を発表した。
・朴槿恵大統領が「面子をつぶされた」と感じるのは当然だ。オバマ大統領は同盟国の大統領を困惑させたことに関し、厳しい批判を受けねばならない。

■自分の言うことを聞かないと怒る韓国
 「欠礼」と罵倒されたオバマ大統領がこの記事を読んだら、相当に困惑するに違いない。朴槿恵大統領がヘーゲル長官に訴えた「日本の責任論」は、外交慣例を破って韓国政府が勝手に発表したものだ(「ついに米国も韓国に踏み絵を突きつけた」参照)。  そもそも、韓国が「欠礼」してこれを発表しなければ「朴槿恵大統領が面子をつぶされる」こともなかったのだ。
 また「日本が誤った歴史認識を改めないなら米国は日本との協力関係を見直すべきだ」と主張しているのは韓国に過ぎない。米国がそれに同意したこともないのだ。
 なぜ、韓国の言ったとおりにしないと、米国の大統領が罵倒されねばならないのだろうか。「親しげな写真」を撮ったから、というなら首脳会談の場にカメラマンも呼び込めない――。
 米国批判を超え、中国との同盟を訴える記事も登場した。韓国日報のパク・イルクン北京特派員が10月7日に書いた「独島(竹島)と集団的自衛権」だ。核心部分は以下である。

■米国に捨てられたら中国に付こう
・米国では韓国より日本がもっと重要だという“不都合な真実”が米日の「2+2」で改めて確認された。
・米日軍事同盟が次第に強化され、その中で日本が大きくなる場合、米国はもう1度、朝鮮半島を日本に任せて管理しようと考えうるとの憂慮も一部にはある。第2の「桂―タフト」密約である。
・同盟は平等と相互尊重にある。日本にもっと大きな役割を期待する米国の価値と、反省しない日本を認めることができない我々の価値は同じものであり得ない。
・少なくとも日本の再武装に対しては、米国ではなく同じ被害者の中国と我々の価値がより近い。
・どんなに努力しても米日同盟をちゃんとしたものにできない米韓同盟なら、再考すべき時だ。中国をテコに活用し我々の国益を極大化すべきだというのが答えだ。
 この記事だけではない。「米国に捨てられたのだから、中国へ寄っても米国には怒られない」という意見があちこちで散見されるようになった。これまではこっそり「離米従中」路線を走ってきたが、これからは堂々と……というノリである。
 同じ韓国日報の10月5日付社説「米日の安保癒着に一言も言えない韓国政府」の結論は以下だ。
・今回を契機に政府は対中関係の座標も正確に設定する必要がある。中国は我々の戦略的協力同伴者に格上げされている。経済的にも米国を凌駕する最大の交易国だ。米国の安保戦略と韓中関係が衝突しないよう接点を探す知恵を発揮するのが急がれる。

■大見出しで「米中等距離外交」
 10月上旬にインドネシアとブルネイで開かれたアジア太平洋経済協力会議(APEC)と東南アジア諸国連合(ASEAN)プラス3、東アジア首脳会議(EAS)の各首脳会合。
 中央日報の「まとめ記事」の見出しは「朴大統領、米・中間で『等距離』外交」だった(注4)。以下はその一節だ。 (注4)この記事はこちらで読める。
・ケリー米国務長官と李克強・中国首相はASEAN首脳会議で舌戦を繰り広げた。その間で、韓国がどちらか一方に近づく姿勢を見せるのは難しい状況だ。
 もはや、米国との同盟国の新聞とは思えない書きっぷりだ。この新聞の勇み足だろうか。いや、そうではなさそうだ。
 10月7日に中国の習近平国家主席と会談した際、朴槿恵大統領は「更上一層楼」という漢詩を引用した。青瓦台(韓国大統領府)は「さらなる関係改善を求める意志を表明したもの」と韓国メディアに説明している。

■韓国に匙を投げた?米国
 堂々と二股外交に乗り出した韓国――二股どころか中国の言いなりになる韓国に対し、米国も苦い顔を隠さない(「米国も見透かす韓国の『卑日一人芝居』」参照)。
 マイケル・グリーン米戦略国際問題研究所(CSIS)先任副所長兼ジョージタウン大学教授は中央日報に「韓日関係、進展のシナリオがない」(10月14日付)を寄稿した(注5)。 (注5)この記事はこちらで読める。
 「韓国を刺激しないよう、せっかく米国が安倍政権を説得して日本を抑え込んだのに、韓国が反日強硬策を続けたのですべてがぶち壊しになった」という趣旨である。見出しも「韓国にはもう、匙を投げた」ととった方が素直だ。
 グリーン教授は「親日派」との批判を恐れてであろう、日韓関係に関し韓国紙に寄稿する時は、日本の肩を持つような記述を極力、避けてきた。
 しかしこの記事は、韓国への不満をぶちまける珍しいものとなった。ことに注目すべきは、韓国の米国に対する「軽侮」について言及したことだ。以下である。
・米政府が東京に球を投げていた先週、(米国と)韓国との関係が軋んだ。朴槿恵大統領が接見した席で、対日関係改善を求めたヘーゲル米国防長官に打ち明けた(日本への)不満を、青瓦台が10月1日に詳しく公開したことが最初の一撃だった。

■北京に向け「対中包囲網は拒否しました」
 米国にしてみれば、韓国をもよりしっかりと守る「米日韓3国軍事協力体制」の強化を提案したら、大統領からきっぱりと拒否されたうえ、自分に断りもなく「米国の提案は断りましたからね」と拡声器を使って大声で発表されてしまった――ということになる。
 拡声機が向けられた先はもちろん、米国の脅威の源泉たる北京だ。中国は米日韓3国軍事協力を中国包囲網として警戒し、韓国に対しては加わらないよう指示している。
 「相談なしの発表」は朝鮮日報の李河遠次長が「オバマの韓国に対する欠礼」と主張する経緯の一部だ。しかし、米国からすれば「朴槿恵の米国に対する裏切り」に他ならない。
 10月上旬、米国は必死で韓国に「日―米―韓」同盟の重要性を訴えていた。空母「ジョージ・ワシントン」を釜山港に送ったうえ、韓国の記者を載せて黄海にまで進出した。
 黄海は北朝鮮が韓国にしばしばテロを仕掛ける現場であり、中国が内海化を狙う海でもある。この海への空母の進入はもちろん「米国は全力で韓国を守る」との意志表明だ。
 さらに米国は韓国メディア各社のシニア記者を日本に招待し、横田、横須賀、普天間の米軍基地を見せた。日米同盟がいかに韓国の安全保障に寄与しているか、理解してもらおうと思ったのだ。

■米国が韓国の甘えをいつまで許すか
 だが、それらは逆効果となるかもしれない。二股外交を続ける韓国にとって、そうした米国の“低姿勢”は「二股」の余地が残るように映るためだ。
 従来、北東アジア情勢を読むポイントは韓国の対中接近だった。今後は、その韓国に対し米国がどう出るかが重要になった。中国との対決準備を急ぐ米国が、韓国の甘えをこれ以上、許すゆとりがなくなるからだ。
 米韓関係が悪化すれば、その影響は一部で改善が叫ばれる日韓関係の比ではない。下手すれば、日本が大陸に直接に向き合う最前線になるのだ。 ≫(日経ビジネス・オンライン:アジア・国際:早読み 深読み 朝鮮半島・日経新聞編集委員・鈴置高史)

PS:
以前、紹介した『原発ホワイトアウト』を読み終えたが、非常に面白い。政府と霞が関、警察と検察、権益どっぷりの経団連とマスメディア等々、日本の権力保持の構図が見事に描かれている。一読に値するので、あらためて紹介しておく。

原発ホワイトアウト
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 “コップの嵐”に過ぎぬ野党再編 時代を先取りした政治を小沢一郎には望みたい

2013年10月25日 | 日記

 

小室直樹の世界―社会科学の復興をめざして
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● “コップの嵐”に過ぎぬ野党再編 時代を先取りした政治を小沢一郎には望みたい

 小沢一郎が、筆者の要求など聞くわけもないが、「生活の党」のHPに『小沢一郎代表インタビュー 政治の現状と抱負を語る』と題して、次の紹介文を添えて公開した。 ≪小沢一郎代表は9月24日、ニコニコ動画小沢チャンネルのインタビューに応え、『アベノミクスの危うさ』『政治家の資質』『生活の党の未来』『福島原発事故対応』についてなど、政治の現状と抱負を語りました。≫

 上記のインタビューは、特に目新しい部分もないので引用は割愛するが、興味のある方は「生活の党」のHP(http://www.seikatsu1.jp/news/web/20131010interview.html)で読むことが出来る。 この小沢のインタビューを通しても判ることだが、小沢一郎は本当に原理原則から抜け出せないと云うか、議会制民主主義と二大政党論、小選挙区制と政権交代可能な政治体制の実現に向け徹底しているのは判るのだが、日本人が民主主義に馴染まない民族ではないのか、と云う疑問を持った筆者にしてみると、何処か心もとなさを感じてしまう。まぁ筆者が、見切りをつけるのが早過ぎるのかもしれないので、ここで持論を展開するつもりはない。しかし、“そもそも論”から眺めると、“もしかすると無駄骨になるかも?”と云う杞憂を持つ。小沢一郎の政治理念については、後述するとして、細野豪志前民主党幹事長がフライングのようなナマ臭い行動を起こしたようである。朝日、産経は以下のように伝えている。

≪ 民主・細野氏が派閥結成へ 野党再編狙い、党内には波紋
 【二階堂友紀】民主党の細野豪志前幹事長は24日、国会内で自ら主宰の勉強会を開き、新たな議員グループを年内に立ち上げる方針を決めた。事実上の「細野派」結成の動きだ。自らが核となり、党内の中堅・若手で野党再編を主導する狙いがある。ただ、これまで「師弟関係」にあった前原誠司元代表との関係にはひびが入った。
 「今まで一緒にやってきた仲間をサポートしたい」。細野氏は24日、派閥立ち上げへの決意を語った。勉強会には、階猛前役員室長や榛葉賀津也参院国対委員長ら7人が出席した。
 細野氏の勉強会は昨年9月の民主党代表選直後、細野氏擁立を目指した中堅・若手十数人で発足した。今回派閥化に動いたのは、停滞する野党再編の動きを加速させる思惑からだ。
 細野氏は民主党を核とした野党再編が持論で、日本維新の会の松野頼久・国会議員団幹事長やみんなの党の江田憲司前幹事長との連携を視野に入れている。民主党内では野田政権を支えた前原氏ら「6人衆」に注目が集まっているが、細野氏は周辺に「6人衆だけではダメだ。党内に緊張感が必要だ」と話す。
 細野氏はもともと前原氏のグループに所属していた。ところが細野派結成にあたっては、他のグループと掛け持ちできないよう、前原氏のグループなどと同じ木曜の昼に定例会を開くことにした。
 こうした動きに前原氏は「なぜ、この時期にこんなことをする必要があるのか」と側近に漏らした。細野氏の勉強会には前原グループの小川淳也、泉健太の両衆院議員が参加していたが、両氏は新グループへの参加を断念。泉氏はこの日の勉強会で「もう関わることは出来ない」と決別を宣言した。 ≫(朝日新聞)


≪ 細野氏「派閥」結成へ 代表選と再編両にらみ、透ける野心
 民主党の細野豪志前幹事長は24日、自身のグループ「基本政策研究会」の会合を開き、12月にも政治団体として新グループを立ち上げることを決めた。異例の政治資金パーティーの開催も検討しており、事実上の「細野派」結成といえる。次期代表選に向けた足場固めと同時に、野党再編を主導する狙いがあ りそうだ。(楠城泰介)
 「一緒にやってきて落選した仲間が今、大変な状況だ。サポートに本腰を入れなければならない」
 細野氏は会合に出席した議員約10人を前に、派閥化の意図をこう説明した。総務省に政治団体を届け出をした上で政治資金パーティーを開き、昨年12月の衆院選で落選した細野グループの元議員らに資金援助することを検討している。
 ただ、派閥結成が落選者への資金調達のためだけとみる向きは少ない。細野グループはこれまで水曜昼に会合を開いてきたが、この日から木曜昼に変更。“師弟関係”だった前原誠司前国家戦略担当相のグループ「凌雲会」と同じ日時に会合をぶつけたからだ。
 困ったのは細野、前原両グループを掛け持ちしている議員たちだった。
 「すみませんが、今後の会合には関われない。前途を祈っています」  ある議員は会合で細野氏との別れの挨拶を切り出した。少なくとも2人が細野グループを離脱し、1人が前原グループを離れた。前原氏と議員の“争奪戦”が激化するのは間違いない。
 前原氏も内心穏やかではないようで、24日、記者団に「細野さんの考えだからいいんじゃないですか」とそっけなく語った。  党執行部も気が気でない。大畠章宏幹事長は24日の記者会見で「実態が分からない。よく話を聞いてみたい」と容認するかどうか言葉を濁した。代表選をにらんだ動きならば「海江田(万里代表)降ろし」に直結しかねないからだ。
  細野氏は野党再編を模索する日本維新の会の松野頼久国会議員団幹事長、みんなの党の江田憲司前幹事長と連携を深めており、「選挙前になったら大同団結みたいなのはあってもいい」と周囲に漏らす。次期代表選で勝利し、野党再編を仕掛ける-。細野氏からはそんな野心が透けてみえる。 ≫(産経新聞)

 この細野の動きが“野党再編睨み”と言えなくもないが、“雑魚の蠢き”にしか見えないのは、筆者だけだろうか。「民主、維新、みんな」の一部との連携のようにも見えるが、ダイナミックな動きに繋がる旗幟も鮮明ではない。3党の一部が研究会を創設し、存在感を示してみる。マスメディアがどれ程取り上げてくれるか、世論を動かせる風が吹くのか、第二の橋下徹旋風を起こせないかとアドバルーンを上げてみた、と見ておく方が妥当だろう。

 小沢一郎も、ことある毎に「野党のトップは民主党なのだから、野党連携の音頭取りは、民主党が動くべきだ」と言っている。民主党内の勢力図もハッキリしていないが、この流れだと6人衆の勢力、連合系勢力、その他穏健勢力の3分割になる。しかし、選挙資金のことも念頭に入れると、おいそれと分党することも困難だろうから、忘れ去られるアドバルーンかもしれない。民主党だけでなく、維新の中もバラバラだし、みんなの党もバラバラなのだから、旗幟を鮮明にしたくても、新党結成まで至るとは思えない。

 仮の話だが、細野と松野だけであれば、小沢が提唱する“オリーブの木構想”に馴染むのだが、江田憲司が入っている点で、小沢の側が細野らの動きに呼応する可能性は極めて低い。ただ、官僚からの脱却だけを“旗印”にすることで、呉越同舟も考えられるが、今ひとつピンとこない。ただ、この細野アドバルーンで、小沢が“野党の受け皿”を本気で設けようと考えているのであれば、小沢一郎は、数多くある主張の中から、一点突破主義に徹し、“野党の受け皿”の為に、多くの理念や主張を封印する必要に迫られるだろう。

 ここで前述の小沢一郎の政治理念や政策の問題に触れておこう。小沢一郎の政治家としての目的である、“議会制民主主義を植え付けたい、定着させたい”の課題で再編に異議を唱える勢力はないだろうから、それは、どの勢力と連携しても適えられる。しかし、小沢一郎が理想としている2大政党制については、英国、米国、フランス、ドイツなど西欧諸国を成功事例として見定めているようだが、これからの時代では、この二項対立的な政治理念の収斂は、絶対的生命を保証されたものではない事実に目を向けた方が良い。

 西欧諸国の中でも、ドイツが良い例で、その二項対立図式は既に壊れている。ドイツキリスト教民主同盟 (CDU)、ドイツ社会民主党 (SPD)、バイエルン・キリスト教社会同盟 (CSU)、同盟90/緑の党、左翼党 (Die Linke) に別れており、政権はこれらの政党の組み合わせで、その都度成り立っている。ドイツの各政党成立の経緯は省くとして、ドイツの政党の姿が、21世紀的世界のカオスに対応している体制になるような気がしている。2大政党ですんなり色分けできるほど、グローバル世界は単純ではなくなったと、筆者には思える。

 小沢がインタビューで、≪ 国民の生活が第一と、国民の生活を真ん中に据えて政治を行う政権が欲しいという状況に、私はきっと、国民の皆さんがなると思います。そういう声を、その時、ぜひ大きくしていただいて、政治家の方も、自分の目先の利益ばっかりを言ってはいられなくなります。必ず、「自公に代わる受け皿を、作ろうや」と、なると思います。』≫ と述べているが、そのような時期が来ることは確かなのは判る。しかし、その『自分の目先の利益ばっかりを言ってはいられない』問題と、現在我が国が選択を迫られている、多くの政治課題は、其々が相当重い意味合いがあるので、『国民の生活が第一』を旗印にするわけにも行かない。

 いま、その政治課題すべてを語るつもりはないが、筆者の政治目線としては、「アメリカと対等な同盟関係が築けるか」、「アジア・ロシアとの外交関係をどうするのか」、「国民の生活を適性化する経済思考は内需なのか、外需なのか」、「官僚統治機構と地方分権」、大きく分けるとその辺になる。上述のカテゴリー中で、財政問題、消費税、社会保障、少子高齢化問題、外交防衛、TPP加盟問題、機密情報の取り扱い等々が含まれる。個別の諸課題を羅列して、政党の分類を試みると、維新やみんなの党は連携不可能になる。民主党の一部、社民党、生活の党、無所属及び共産党となる。現状では非常に心もとない政党の勢力図だが、「国民の生活を中心に置く政党」としての受け皿としては、理に適っている。筆者自身、上述のような連携すら相当困難だと思うわけである。場合によれば、「官僚統治機構と地方分権」の一本槍で当面糾合できる野党勢力を受け皿とする手もあるだろう。まだまだ本気度が見えない状況なので、筆者自身の考えも揺れるだろうし、異なる視点が見えてくる場合もあるだろう。故に、敢えて断言しようとは思っていない。米国のNSAへの逆風がさらに高まりを見せている。そんな中、安倍内閣は日本版NSAを作ろうと必死こいているのが不思議だ(笑)。

≪ 米盗聴疑惑:独首相の携帯番号記載…スノーデン容疑者資料
 【ブリュッセル斎藤義彦】ドイツのメルケル首相の私有携帯電話が米国家安全保障局(NSA)により盗聴された疑いを巡り首相は24日、ブリュッセルで欧州連合首脳会議を前に「友人同士で盗聴を行うのは許されない」と述べた。首相はデータ保護など新たな米欧 関係を作る必要性を強調したが、首脳会議で協議するかどうかは明言しなかった。
 首相はオバマ米大統領への抗議後初めて発言、盗聴が「許されない」と大統領に伝えたと明らかにした。
 首相は「私だけでなく、すべての市民がパートナーとの信頼関係を必要としている。信頼が同盟の前提」と強調。欧米に「新しい関係作りが必要」と述べ、データ保護や透明性を高める欧米間の協定などを「考慮すべきだ」と話した。
 ドイツのウェスターウェレ外相は24日、駐ベルリンの米大使を呼び事情を聴いた。また独紙ウェルトなど によると、元米中央情報局(CIA)職員、スノーデン容疑者が独誌に提供した情報には首相が2009年10月から今年7月まで使っていた私有携帯電話番号 があった。提供情報と首相の通話やメッセンジャー通信記録を独政府の専門家が照合。米国へ抗議を決めたという。 ≫(毎日新聞)

「辺境」からはじまる―東京/東北論―
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 “同病あい憐れむ”宗主国と属国 米国の秘密は期間限定、日本の秘密は永遠

2013年10月24日 | 日記

 

地域再生――逆境から生まれる新たな試み (岩波ブックレット)
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● “同病あい憐れむ”宗主国と属国 米国の秘密は期間限定、日本の秘密は永遠

 限界集落とは≪過疎化などで人口の50%以上が65歳以上の高齢者になって冠婚葬祭など社会的共同生活の維持が困難になっている集落を指す、日本における概念。「限界集落」にはもはや就学児童など未成年者の世代が存在せず、独居老人やその予備軍のみが残っている集落が多く病身者も少なくないという。≫(ウィキペディア)となっている。新潟中越地震から9年を迎えたわけだが、旧山古志村(現長岡市)では人口が半減し、過疎と高齢化が山古志地域を襲っているという。火山噴火や土石流災害で伊豆大島(東京都大島町)も過疎化は、限界集落の怖れを感じないではいられない。

 「限界集落」はいつの日か消滅する村や町と言われているが、実際には意外にしぶとく生き残る。山下祐介氏の著書『限界集落の真実 ─過疎の村は消えるか?』でも疑問を呈しているが、意外にも定義上「限界集落」と呼ばれた地域は元気に存在している。勿論、財政上の不都合で生活は必ずしも快適とは言わないが、このような地域では日本独特の「共同体自治意識」が強く、自助・共助の精神でしぶとく生き残っている。また、最近では、土着的に棲んでいた人々の中に、都会目線から脱却した若者世代の参入するケースも増えてきた。そこには、微笑ましくなるような「ジジババと孫」と云う奇妙な共同体が成立している。

 世界も日本も、金融資本によるグローバル経済における“マネー”の強欲に追い立てられ、強迫観念の下、人間とは思えない“せせこましさ”と安直合理性が幅を利かせている。しかし、人間には英知がある。まして、日本民族には縄文の人間としての血が流れている。その血は「共同体自治意識」を包含する。その意味で、今だからこそ、日本社会は東京発の文化から離れ、「限界集落」の生き方に学び、地方からの社会論を強く意識する必要があるのではないのか。“アベノミクス”などと云う新興宗教紛いの呪いが崩壊するのに、それ程時間はかからない。日本社会全体が「限界集落」現象を見てからでも遅くはないだろうが、現に教本があるのだから、学ぶべきだろう。案外、若者世代の方が、この辺の理解は早いようだ。

 目線を変えてみると、臨時国会が開かれている。特定秘密保護法等々のファシズム国家の姿が見え始めている安倍政権だが、岡田克也や前原誠司が予算委員会で焦点の定まらない散漫な質問を繰り出し、野党なのか“ゆ党”なのか、判別のつかない態度に終始している。前首相で、自爆解散を自慢げに語る野田佳彦と云う男に至っては、敵の大将の破竹の進撃を“ご同慶の至り”と揉み手をする始末。間違っても、この民主党では、野党の受け皿になどになるとは、想像もつかない。まぁ小沢は、見民主党が早晩二つか三つに分裂するのだろう、と読んでいるのかもしれないが、目くそ鼻くそ、に思える。

 アメリカの最近の調査によると、債務上限問題で右往左往する議会なら、議員全員が交代しても、議会の機能は低下しないと云う層が圧倒的多数を占めている。景気のことを尋ねたところ、政府が発表する各種統計値に関係なく、70%以上の人々が、景気は悪いと答えている。そして、来年の同様な経済状況が続くだろうと予測している。日本では、自公民政権と霞が関、マスメディアがこぞって大本営発表を、証拠まで突きつけられて、嘘を糾弾されても、“そんなことはない、当初申し上げた通りだ”と強弁を連続させている。NHKを中心とする、日本のマスメディアの劣化は目を覆わんばかりだが、宗主国アメリカでも、同様の事態が進行しているようだ。それも、嘘はデカイほど効き目があると云う具合に。日米双方、嘘を嘘で塗り固め、嘘の強弁をしていないと、形骸化どころか、影形なくこの世から煙のように消え行くような按配だ。以下に面白いコラムが紹介されていたので引用する。


≪ 主要ジャーナリスト達が9/11のでっち上げを暴露
 何人かのアメリカの主要ジャーナリストが、アメリカ政府は、9/11や、いわゆる対テロ戦争について噓をついていると語っている。不幸なことに、マスコミの所有者や編集者達は、ジャーナリスト達が見いだした事を報道させないのだ。
 最近、アメリカで最も著名な調査報道記者セイモア・ハーシュが、2011年5月2日にオサマ・ビン・ラディンを殺害したという、アメリカ政府の主張は“デマ宣伝だ。そこには一言の真実もない。”というニュースを報じた。

 ハーシュは更に、彼が長らく勤務しているニューヨーク・タイムズや、他の大手マスコミを厳しく批判した。 “我々はあらゆることで噓をついている。噓をつくことが主要な売り物になっている。”アメリカの全ての大手マスコミは、アメリカ人に噓をついているかど で、閉鎖すべきだと彼は語った。

 他の著名ジャーナリスト達も、オサマ・ビン・ラディンや、9/11についてのアメリカ政府説明はデマ宣伝であることに同意している。シカゴ市報道 局、シカゴ・デイリー・ニューズやロイターや他の通信社で働いてきており、賞も得ているジャーナリストであるシャーウッド・ロスは、最近のラジオ・インタ ビューで、私にこう語った。:

 “イスラム教徒が、9/11の背後にいたというのはとうてい本当の事とは思われません。ちっと考えても見てください。ブッシュ大統領一家は、テロリ スト攻撃をしたとされている人物オサマ・ビン・ラディンの一家と仕事をしていたのです。ビン・ラディン家は実際ブッシュの石油会社の役員会メンバーだった のです。世界で何十億もの資産がある家族が、アメリカ攻撃をした一家が、アメリカ大統領と仕事をする可能性が一体どこにあるでしょう。なによりまず、恩義 に思えます。9/11が、アラブ人の陰謀や、イスラム教徒の陰謀だったとは思いません。アメリカ合州国政府を転覆して、警察国家となるものを据えつけ、中東からエネルギー資源を巻き上げるという、アメリカ合州国の帝国主義的野望を推進するためのアメリカ人の陰謀だと私は思います。”

 ロスは、アメリカ人ジャーナリスト達には、もはや最も法外な公式の噓やでっち上げすらも暴露する自由がないことを説明してくれた。

 “真剣に追求する大手マスコミ報道は見られません。あれが仕組まれた狂言だったという手掛かりの一つは、ペンシルバニアの小規模な週刊誌のあるカメ ラマンが、(9/11に)飛行機が墜落したとされる現場に行った時のことだと思います。彼はこう言ったのです。‘私は飛行機など見ていない。地上の穴は見た。遺体など全くなかった。手荷物など見なかった。’そう、この男はこれをでっちあげたのかも知れません。しかし私はそう思いません。彼はきちんと仕事を していたのだと思います。そして、ペンタゴンです。飛行機が衝突したといわれています。しかし、ここでも、残骸がないのです。ペンタゴンの記者室に詰めて いた記者達が外の芝生に出てみても、飛行機など何もなかったのです。ですから、何度も繰り返して、マスコミがほとんど報道しない噓を作り上げているので す。”

 私は、そのような意見を、マイアミ・ヘラルドや、シカゴ・デイリー・ニューズや通信社向けの記事で書くことが許されるのか、ロスに尋ねた。彼はこう答えた。

 “全くありえません。私がロイターに良く書いていた頃、職場の問題を報じる私のコラムは、十年間、ニューヨーク・タイムズから、L・A・タイムズに 至るまでの新聞に採用されていました。しかしもし‘飛行機が衝突したわけではないのに、一体なぜワールド・トレード・センター第7ビルは崩壊したのだろう’かについて書いても誰も取り上げません。ですから、現在私のコラムは、ブロガーがインターネットで引用し、中東の通信社が使っています。Press TVから電話をもらいますし、私のインタビューはそこで読めます。けれども、そうした私の発言の引用は、AP通信では読めません。”

 もう一人の主要アメリカ人ジャーナリスト、ポール・クレイグ・ロバーツも、9/11について真実を語っている為、アメリカの大手マスコミから締め出 されている。ロバーツ博士は財務次官補をつとめ、経済学への貢献で、フランスのレジョン・ド・ヌール勲章や他の賞を受けており、ウオール・ストリート・ ジャーナル、ビジネス・ウイークや、他の著名雑誌の常連コラムニストだった。しかし、9/11、ワールド・トレード・センターの高層ビル三棟の制御解体に ついて語って以来、ポール・クレイグ・ロバーツは、大手マスコミの報道禁止リストに載せられている。

 最近のラジオ番組インタビューで、ロバーツ博士は一体なぜアメリカの大手マスコミが、セイモア・ハーシュの言う様に、あらゆることについて噓をつくのかを説明している。

 “(アメリカにとって)これまで起きた最悪な事の一つは、クリントン大統領による5社へのアメリカ・マスコミ集中の承認です。あれがマスコミの独立 を破壊しました。クリントンが、アメリカのあらゆる伝統に全く反し、反トラスト法に反しているを、集中を許して以来、 … しかし、アメリカ合州国では、今、法律はもはや何の意味もありません。あの5社のコングロマリットがメディアを集中した瞬間に、マスコミの独立は消滅しました。マスコミは、もはやジャーナリストによって経営されてはおらず、巨大宣伝企業の幹部によって経営されているのです。こうしたメディア・コングロマ リットの価値は、連邦による放送免許にあります。そこで、連中は政府をあえて怒らせる様なことはできません。連中の免許が更新されなくなる可能性があり、 企業の何十億ドルもの価値がそっくり消えてしまう可能性があるからです。つまり、いわゆる大手マスコミというのは、もはやマスコミではないのです。何も報道してくれはしません。プロパガンダ省 - 政治宣伝省なのです。ジェラルド・セレンテは、連中を「売女マスコミ(‘presstitutes=press+prostitute’)と呼んでいます。”

 ポール・クレイグ・ロバーツは、現在、大手マスコミではなく、政治経済研究所という名の独立のサイトで、オサマ・ビン・ラディン殺害でっち上げを暴露し、9/11の偽装工作を分析している。9/11攻撃12周年に発表した最新の記事でロバーツ博士は書いている。

 “アメリカの世界覇権を唱導するネオコン連中は、征服戦争の開始を可能にするような‘新たな真珠湾’が必要だと主張していました。 … 政府の9/11の説明を支持する証拠は存在しません… 偽装作戦のこの12周年にあたって、公式説明が噓であることを疑う余地なく証明する膨大な証拠を、私がご報告する必要はありません。皆様ご自身でお読みいただけます。情報はオンラインで得られます。(9/11の真実を求める)建築家や技術者達の言い分を読むことができます。科学者達の報告書を読むことがで きます。WTCタワーの中にいた緊急救援隊員達の話を聞くことができます。ペンタゴンに衝突したとされる飛行機の操縦は、彼らの技能では無理で、経験の浅 いパイロットによるものではないのはまず確実だと主張するパイロット達の意見が読めます。デイヴィッド・グリフィンの多数の著作を読むことができます。リ チャード・ゲージと9/11の真実を求める建築家と技術者達が制作した映画を見ることができます。9/11トロント報告書、9/11に関する国際公聴会を 読むことができます。”

 だが、わざわざ大手マスコミを読むにはあたらない。セイモア・ハーシュやシャーウッド・ロスやポール・クレイグ・ロバーツや、益々多くの一般アメリ カ人達が理解している通り、大手マスコミの現在の標語はこうだ。“我々はあらゆることに噓をつく。噓をつくことが主要な売り物になっている。” 世界史上最大の“超大国”にとっての厄介事、9/11が、偽装イベントだったという、動かぬ証拠がでるような出来事の調査を、政府が要求することはない。 記事原文のurl:www.veteranstoday.com/2013/10/21/mainstream-journalists-expose-911-hoax/ ----------(ココまでがVeterans Today引用)

 9/11、オサマ・ビン・ラディン、そして、対テロ戦争。すべて世界覇権を唱導するネオコン連中によるでっち上げだろう。そこに進んで巻き込まれる不思議な属国。  宗主国の、この退役軍人団体ウェブ・サイトでは、宗主国の主張と全く違う記事が読める。属国の退役軍人団体ウェブ・サイトに、こういう立派なものが、あるだろうか?

 チェルノブイリ原発事故が起きた当時、ソ連では、ペレストロイカ(建て直し)とグラスノスチ(情報公開)の動きが進んでいた。ソ連は崩壊したが、現在、ロシアは健在だ。

 東電福島原発事故が起きた後、属国では、TPP(永久売国条約)と、集団自衛権(宗主国侵略戦争の手先部隊化)、秘密保護法案(言論抑圧)の動きが進んでいる。軍事・経済属国から、現在、治安維持法を整備した、宗主国の意のままに肉弾動員可能の完全植民地化作戦推進中。

 余りに対照的な国家の歴史。
 東電福島原発事故、原発再稼働、もんじゅ、2+2、高江ヘリパッド、TPP売国協定、秘密保護法案。肝心なものはみな隠蔽され、推進されている。

 大本営広報部が決して批判しようとしない秘密保護法、そもそも、2007年に締結された、GSOMIA=General Security of Military Information Agreement、軍事情報包括保護協定がその源。軍事情報包括保護協定とは、 

 ――宗主国が軍事秘密の漏洩防止のために、北大西洋条約機構(NATO)加盟の欧州各国や韓国、イスラエルなどの六十数カ国と結んでいる協定。情報の種類別にア クセスできる人を限定したり、書類、写真、録音、電算情報などの形態ごとに保管方法をルール化したりする。装備品の技術情報のほか、訓練情報、作戦情報な どのあらゆる軍事情報が対象になるもの。―― 

 この趣旨にあわせて制定される秘密保護法案=現代版治安維持法、NSC とあいまって、宗主国の帝国主義侵略を実現するためのでっち上げ対テロ戦争やら、気に入らない国々への違法な先制攻撃作戦の一環に、日本丸ごと、しっかり組み込まれるにすぎない。国内治安体制は、ポール・クレーグ・ロバーツ氏が再三書いておられる強圧的警察国家をそのまま模倣する。

 威嚇し情報を求める行動を抑止する為の1000万円、10年以下の罰則も、治安維持法でそうであったように、終身刑やら死刑も盛り込まれるだろう。

 しかし、宗主国ですら、機密情報は特定の年月経過後、公開される。西山記者によって暴露された密約、宗主国アメリカ側では公開されている。ところが、この属国の秘密保護法案では、いい加減な行政府の長が決めた秘密が、永遠に秘密になる。歯止め皆無。1%による1%の為の法。

 秘密保護法成立後、盗聴法案や、国家安全保証会議設置法案が続くだろう。狙いは、すべて宗主国の違法な侵略戦争の手足として、日本軍を存分に活動させる為。公務員どころではなく、政府に不都合な動きをする国民全員が対象にされる地引き網法案だ。

 創設者が治安維持法によって捕らえられ、1944年に獄死したのに、弾圧をした政権の末裔と共に自分達の首を絞める現代版を推進する不思議な集団。 拝んでいるだけなら捕まらないかも知れないが、彼等のみならず、我々も地獄に引きずり込まれるだろう。自殺行為が宗教なのだろうか。

 国会前反原発抗議行動に何度か行ったが、シングル・イッシューになじめなかった。反原発を訴えるもの以外の旗やチラシや発言は固く禁じられていたと 記憶している。原発反対運動は重要だろうが、何が秘密かわからない秘密保護法、実質治安維持法が成立すれば、原発反対運動すら金縛りになるだろう。  秘密保護法や、TPP・日米FTA反対運動を優先すべきではと素人は思う。

 ――日本政府は、原発から、TPPや、日米安全保障にいたるまで、ありとあらゆることについて噓をついている。不幸なことに、マスコミの所有者や編集者達は、ジャーナリスト達が見いだした事を報道させないのだ。――

 ――属国の大手マスコミの現在の標語もこうだ。“我々はあらゆることに噓をつく。噓をつくことが主要な売り物になっている。”――  ≫(マスコミに載らない海外記事のブログより転載 :Veterans Today 2013年10月21日、月曜日 Kevin Barrett)

限界集落の真実: 過疎の村は消えるか? (ちくま新書)
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今後の小沢一郎(3) 20世紀の世界から脱却、縄文の魂に戻る政治哲学を

2013年10月23日 | 日記

 

官僚制
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●今後の小沢一郎(3) 20世紀の世界から脱却、縄文の魂に戻る政治哲学を

 昨日のコラムは見出しを間違い、思わぬところで恥を書いた。“今後の小沢一郎”と見出しを書くべきところ、“小沢一郎の今後”と書いてしまった。後者の場合、幾分引退した後のことを書いている印象を含む。前後しただけと開き直るのも良くないと思い、先ずは訂正させていただく。

 何らかのアクシデントがない限り、3年近くは自民党政権の、好き勝手し放題の呪われた時間が過ぎることになる。それで国民は大丈夫なのかと問われれば、正直、まだ大丈夫だと答えることになる。なぜ大丈夫なのかと云うと、国民の側に、まだ痛みに耐えるだけの蓄えがマクロ的には存在するからだ。それが財務省など、霞が関官僚の感覚である。国民全体を並べての話だが、国民は生活が苦しいなどと口にしているが、マクロ的に観察する限り、1500~2000兆円の現預金を懐に抱え込んでいるのは事実だ。

 この国民の現預金を含む包括的な“生活収支”は、充分にプラスと云うのが、財務省の考えである。支出が収入を上回っても、手持ちの現預金の切り崩しで、国民のマクロ的生活資金は循環すると考えている。勿論、個別の人々の中には、現預金を持たない層もいるので、その人々は個別に苦境に立たされるが、総体的見方としては、財務省的図々しい胸算用は可能なのである。これだけ肥大化した消費社会を謳歌したのだから、遣り繰り上手な我が国民は、ほど好く現預金の切り崩しが起きないように、生活を見直すであろうし、それが不可能な場合には、嫌々だが現預金に手をつけるだろう。

 当然、蓄えがゼロの家庭は路頭に迷うに違いないが、国民全体から見れば、大した数ではない。それが、現在の財務省の考えだ。移民制度でも導入しない限り、消費者層は先細りと云うわけだから、内需に頼る経済構造は立ち行かないのは自明だ。生活費防衛に、買い控えが出ても、消費税であれば否応なく、最低限の国民の消費は計算出来るので、それを基礎として内需を考える方が賢明だ。

 その代わり、稼ぎ頭が必要なので、大企業を儲けさせる仕組みを作っておき、イザと云う場合には、政策面(法律改正)や行政裁量により、歳入の調整は行える。所得税を上げることは、政権存続の立場から、ガチンコ勝負になってしまい、“政治vs行政”のバトルに及ぶので、財務省の考えに同調する政治勢力であれば、敢えていがみ合う必要は皆無だ。故に消費税が一番、双方に不都合が生じない税となる。勿論、国民には痛みだが、弱者ぶっているに過ぎないのだから、痛みを多少与えても、死ぬ心配はない、と霞が関側は考えている。

 まぁこんな風に、財務省を中心とする官僚らが考えている可能性は非常に高い。霞が関は、自分らの離れに用意されている“すき焼き”の材料を差し出す気持などさらさらないのが現実だ。その為に、青春を擲って勉学に励み立身出世のエリートの道を選んだのである。今さら、キリギリスのように飽食と贅沢を謳歌した国民に、情けをかける謂われは何処にも存在しない。今や、ウッカリしたら、世界金融のマネーに国家が乗っ取られるようなグローバル経済と金融資本主義が世界の主流である。このシステムが行き詰まりを見せているのも事実だが、世界の既存勢力の殆どが、現在のシステムの存続が望ましいと思っている以上、日本だけで、この流れに逆らうなどもっての外である。まして、アメリカ様の望みでもあるわけだから、日本だけが逆張りするようなことは、厳に慎まなければならない。

 安倍自民党が、国家や地方の資産やインフラを民間に転売するような発言が増えているのは、口うるさい連中の口を封じるためには、公共性の強い資産やインフラを、市場原理主義のグローバルマネーに手渡してしまうことだ。麻生の水道システムの民営化などは、この流れの中で、当然のような発言なのである。橋下の公立学校の民営化構想なども、麻生の発言と同種のものである。連合が偉そうなことが言えなくなった背景には、小うるさいことばかり要求する官公労であれば、官公労の現業部分を民営化してしまえば、傘下の組合員が存在しなくなるので、八方丸くおさまると云う発想だ。

 霞が関官僚の抵抗も、公共と言われる類がすべて民営化された時には、彼らの権益享受者の数も劇的に減少し、それこそ絵にかいたような、一握りのエリート集団が残されるのだろう。実はこのような現象は、既にアメリカでは起きつつある。債務上限問題で、オバマと議会が茶番を繰り返しているのも、この流れの中にあるのだろう。中国資金に、基幹産業の企業や米国の土地が買い占められているわけだし、公共財も民間の手に渡り、その企業の株式が他国資金に買われれば、アメリカと云う国は、最終的には手足を売り払ったダルマ状態になると云うことだ。覇権国家でさえ、この有様なのだから、我が国が国際金融の前に、民営化と云う美名のもとに差し出されたら、ダルマになるのはアメリカより先かもしれない。

 まだアメリカには軍事力や外交力があるので、強権発動で民営化した部分を買い戻すような行動も可能だが、我が国の場合、TPPに加盟することで、国内の強権発動能力を持たず、空洞化した国の見た目を取り繕うだけになるやもしれない。スッカラカンになった国家では、何の魅力もなくなるので、いずれハイエナのような国際金融勢力も、食い尽せば、いなくなると云う考えもないわけではない(笑)。50年も待てば、取られるものがなくなるかもしれない。

 さて、その辺はさておき、世界が上述したような“マネー”のパワーゲームに、米国政府さえ傅く流れが、金融に支配されたグローバル経済の実体である。EUはこの点を怖れて、ユーロ圏と云う囲い込みで逃げ切ろうとしている。中国も、金の保有を着々と増やし、ドルの信認が壊れる日のための準備に余念がない。国家や国民に富がそれ程なければ、“マネー”という怪物も涎を流さないと云うことだ。実は筆者は、小沢一郎に、このような点に関する観察眼を持って貰いたいと思っている。無論、小沢一郎が、そんな考えに至るとは思ってもいないが、その位の“政治哲学”を持たない限り、矮小化された政治の課題に翻弄され、虻蜂取らずになるようで仕方がない。

 たしかに、政治課題は驚くほど沢山ある。原発及びエネルギー政策、TPP、憲法解釈、憲法改正、財政問題と税体系、文化的生活を保証する権利、日米同盟の見直し、若い人々の雇用機会の問題、中露韓との外交防衛、ASEAN等アジア諸国との外交防衛等々なのだが、このように個別具体的法案や政策を擦り合わせて、野党共闘を組みと云う考えがあるようだが、あまりにも多岐にわたり、是々非々が繰り返され、四分五裂になるのは目に見えている。このような具体的政策等の擦り合わせで、「オリーブの木」のようなものは出来ないだろう。もっと包括的に俯瞰した哲学的な見識で、21世紀の日本の国家像を語る方がベターだと思う。

 小沢一郎自身が「3年後が、僕の最後の戦場」的な発言をしていたが、それで良いのだと思う。小沢一郎は最低でも“政権交代”と云う夢を見させたわけだから、それだけでも凄い政治家だと断言できる。既存勢力のオールキャストを相手に、一人闘っているのだから、それだけでも小沢一郎の価値が推し量れる。小沢一郎の感性と“政治哲学”との相性が良いとは思わないのだが、そのような見識を抜きにして、政治家人生の最後を、2大政党の議会制民主主義の構築に捧げるのも悪くはないが、失礼を承知で言えば、もう一つ殻を破き、達観した“政治哲学”を語って貰いたい。

 その方向性が、出来る事なら、本来の資本主義ではなくなった“金融資本主義”からの決別と、日本独自の内向きだが、日本らしい縄文的DNAのエッセンスを含む、100年後の日本像を国民に示して貰いたい。筆者の場合、内向き経済の方が、金融資本主義の経済に翻弄されるよりも、国家の資産や国民の現預金には優しい経済国家を成立させられると考えているが、そこまでを望むつもりはない。ただ、アメリカに追随して、アメリカ社会同様に、“マネー”の奴隷になるのは、御免蒙りたい。マネーの貪欲さは、マネーをマネジメントしている人間たちにも制御出来ない怪物であり、世界は何処かの時点で、“マネー”から脱却しないことには、人間でさえなくなる。(今後の小沢一郎4に続く)

生きるための経済学―“選択の自由”からの脱却 (NHKブックス)
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小沢一郎の今後(2) “マネー”に対抗し得る“政治哲学の創造”をじっくり練る

2013年10月22日 | 日記

 

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●小沢一郎の今後(2) “マネー”に対抗し得る“政治哲学の創造”をじっくり練る

 小沢一郎は、前原誠司口先民主党代表時代の「堀江ガセメール事件」でボロ雑巾のようになった民主党を立て直すべく代表選に立候補した時、代表選演説で映画『山猫』の中に出てくるサリーナ公爵の言葉を借りて≪ 最後に、私はいま、青年時代に見た映画『山猫』のクライマックスの台詞を思い出しております。イタリア統一革命に身を投じた甥を支援している名門の公爵に、ある人が「あなたのような方がなぜ革命軍を支援するのですか」とたずねました。バート・ランカスターの演じる老貴族は静かに答えます。「変わらずに生き残るためには、自ら変わらなければならない。英語で言うと We must change to remain the same. ということなんだそうです。」確かに、人類の歴史上、長期にわたって生き残った国は、例外なく自己改革の努力を続けました。そうなのだと思います。よりよい明日のために、かけがえのない子供たちのために、私自身を、そして民主党を改革しなければならないのです。≫と立候補の際語っている。

 筆者も遅ればせながら7年ほど前に『山猫』を観た。筆者自身はヨコシマナ心の持ち主なので、クライディア・カルディナーレの野性味あふれた目の強さにひたすら惹かれたが、あまりに長過ぎる長編映画に閉口した(笑)。記憶には“変わらずに生き残るためには、自ら変わらなければならない。”と云う言葉があったとは思わなかったが、劇場映画としては、あまりに長いので英語版では、驚くほど短縮されたものになっている。アチコチ調べてみると、オリジナルは≪全てが以前のままであるためには、少々の変化は受け入れねばならぬ。≫と少々無味簡素なセリフになっているのだが、あくまで英語版では、小沢の引用の通りなので、間違いでもないし、オリジナルよりも含蓄のあるセリフに代わっているとも言えるだろう。

 2010年の菅との代表選の折にも、小沢は何度か、この言い回しを引用していた。“いつどこで”までは記憶に残っていない。まぁそれは別にして、『日本改造計画』時の世の中と、09年時の世の中と、2013年の世の中は、あきらかに激変しているのだから、“変わらずに生き残るためには、自ら変わらなければならない。”は小沢一郎にとって、自への苦言のように、座右の銘とは別な抽斗に入れて常備しているのだろう。“小沢一郎はぶれない”と云う評価も、日本に議会制民主主義を定着させたいと云う、政治家の執着を感じるのだが、当初は、それなりに権威的に振舞っていた事実もあるだろう。必ずしも、弱者の味方とか、官僚組織を敵に回すとか、大きな政府を維持し、福祉に手厚い政策を実行しようとしていたわけではない。この辺は、あきらかに“変わらずに生き残るためには、自ら変わらなければならない。”を実践している。

 拙コラムを引用すると『日本改造計画』では、≪新自由主義的な経済改革、自由貿易の推進、地方分権の推進、規制緩和・撤廃、軍事も含めた国連中心主義国際貢献と其れに基づく日米同盟、政権交代のある二大政党制を可能とする政治改革(小選挙区制導入)、などが提唱されている。最後に、このような日本を作り上げるには、国民の自立を前提とする民主主義の確立であり、「改革には常に痛みが伴う」(小泉純一郎がパクる)と断じている。≫と云う事であり、グローバル経済と自由主義から、日本だけが逃げ切れるとは思っていない面が強調されている。

 これは筆者の稚拙な想像なのだが、『日本改造計画』が日本の21世紀に向かう政治の羅針盤(方向性示唆)であったとして、当時と現在は隔世の感があるわけで、『続・日本改造計画』の出版の必要性は、筆者は口が酸っぱくなるほど望んでいるのだが、小沢一郎の耳に届かないのか、世界情勢を含む日本の政治課題が、あまりの目まぐるしい変化している今日この頃だけに、今日変えて、明日また変わるような、朝令暮改的言説を語らなければならないジレンマで、加筆変更が繰り返され、出版に至らないのか、その辺のことは詳細には判らない。たしか、大元の原稿は執筆済みと耳に入っているのだが。

 ただ、上述のように稚拙な想像として考えた場合、『日本改造計画』で語られた主張が、その後の政権に一部だけ“つまみ食い”され、パクられたことで“ウンザリ感”が小沢を襲っているような気がしてならない。その後の政権が、小沢の『日本改造計画』で語ったような方向に、系統立って“つまみ食い”され、“パクられる”のならいざ知らず、個々の政権が単なる“いいとこ取り”で政策を実行されたのでは、すべてが政策として実行されたとしても、意味を持たないだろう。逆に、意味を持たないどころか、副作用だけが目立つ結果になっている。『日本改造計画』で主張したような事を、小泉や安倍が、しゃかりきに実行しているとなると、自民党や官僚組織の国民不在政治のバイブルになっている皮肉な現象まで見られる。

 新自由主義的な経済政策が、格差の拡大に寄与する事実を知った小沢は、『小沢主義(オザワイズム) 志を持て、日本人』において、新自由主義経済の重大な欠点を補う方法論を考え、09年マニュフェストにおいては、官僚組織に中間搾取されない、国民への直接給付策を導入した。一種のバラマキには違いないが、高校無償化政策などは、安倍ファシズム政権においても、アンタッチャブル政策として、世間に定着した。もしかすると、TPPの強引な導入により、死者も出そうな農林酪農漁業者への、直接給付は真似られるかもしれない。勿論、 小沢にしてみれば本末転倒なパクリだが、強く非難するのも難しそうだ。

 小沢が『日本改造計画』時に考えていた新自由主義に基づく、グーバル経済とは、所謂、旧来の民主主義や資本主義が機能する前提に立っていた。おそらく小沢の頭の中では、国民主権が、既に英国でも、米国でも、欧州諸国でも、民主主義国家では、一定の範囲で定着していると云う錯覚があったような気がする。隣の芝生は綺麗にみえるものである。『日本改造計画』には、主権者国民の権利や、最低限の文化的生活は確立されたような部分が、各国にあったのである。つまりは、再配分機能が、最低限の範囲では、有効に作用するものと錯覚する程度に定着していた。

 この世界を一変させたのが、“マネー”と云う怪物の存在である。それまでは資本家と労働者と云う、搾取の構図が、人間の営みを通して捉えることが可能だったので、実物の経済サイクルが生きていたので、急激な変化は起きない構造になっていた。ところが、強欲な“マネー”は先進国の生活文化は衣食住の殆どを満足させるに至っていたので、成長は自ずと縮小するジレンマに襲われていた。実体的企業の資本家も、そこで働く労働者も、実はそれでも充分満足できる生活を享受していたのだ。その内、発展途上国や後進国が追いついてくれば、市場規模も拡大するわけで、その分先進諸国も成長できると考えていた。ところが、この無機質な、人間性を持ちえない“マネー”と云う代物は、そのような“まどろっこしい”利益の還元に耐えられる人間らしさは兼ね備えていないものだ。

 つまり、無機質とも取れる“金融資本主義”にアメリカを中心とする金融勢力・ウォール街が、国家財政を凌駕するような勢力に、国家と国民の生き血をすって肥大化し、今やアメリカ連邦政府さえ配下におくような事態は、修正した『小沢主義(オザワイズム) 志を持て、日本人』の修正を持ってしても、傷口を塞ぐことは出来なかった。今の金融資本主義と云う実体を、小沢一郎は、あらためて検証する必要があるのだろう。真っ当な自由貿易で、汗水流し、より良いものを作れば、正当な配当が得られるような、人間性豊かな資本主義ではなくなったことを、認めるスタンスが必要なのだと思う。

 現在のような政治の流れの中で、反原発、反TPP、消費増税反対、雇用の安定化などを旗印にしても、野党の一本化は図れないだろう。逆に、いつまでも並行線を辿る野党の烏合の群れが、夫々に小さな声で、与党に文句を言う破目になるだろう。“山高ければ谷深し”“沈み込んで再浮上する”。それこそ、金融資本主義や、マネーが国家や国民を支配する構図、TPPにせよ、エネルギー問題にせよ、財政問題にせよ、残念ながら一般市民社会は、どん底の、その底を実感しない限り、騙されたと気づかないものだし、気づいてもなお、騙されてなんかいない、と強弁するが如くである。

 結婚詐欺に遭った人々、マルチ商法に騙された人々、そう云う人々は、それでも、相手の顔が変わったり、扱う商品が変わることで、同じような罠に嵌るものである。小沢一郎が、野党結集の音頭取りをすることは、小沢が言っているように、マスメディアや既得権益勢力から総攻撃を受けるのは目に見えているので、今度こそ本当の意味で“黒子”に徹した“まとめ役”を演じて貰いたい。ただ、現実を見る限り、一政策への対応でも四分五裂している野党勢力なのだから、ここに四つ、五つの政策を引き込んでしまえば、まとめようはなくなるだろう。現状の安倍政権の周りには、すべての既得権益勢力が屯している情勢なのだから、政治哲学者になったつもりで、“マネー”という魔物に対峙できる“政治思想”を今一度創造して貰いたいものである。ドイツの脱原発への決定プロセスは、その創造をサジェストしている。 (*今後の小沢一郎(3)に続く)

リスク化する日本社会――ウルリッヒ・ベックとの対話
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今後の小沢一郎(1) 『日本改造計画』は、日本の政治家に示した政治の羅針盤

2013年10月21日 | 日記

 

日本改造計画
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●今後の小沢一郎(1) 『日本改造計画』は、日本の政治家に示した政治の羅針盤

 ビデオニュース・ドットコムの“神保哲生・宮台真司”による、小沢一郎インタビュー及び“神保・宮台”の事後分析コメンタリーは、合計で2時間半に及ぶもので、時間がないことには、聞くこと自体相当大変だった。宮台の政局リソースには、民主党オリジナルに関与した新党さきがけ系譜の人材、高野孟や菅直人、福山哲郎などのソースの多くにバイアスが混在しているため、話を鵜呑みにするわけには行かない。しかし、神保・宮台二人とも、それなりの見識は有しているので、気がつかなかった角度で小沢一郎を考えるチャンスを提供してくれた。

 小沢支持者の中には、ビデオニュース・ドットコムの初期からの視聴者が数多くいたようだが、2010年の民主党代表選における“菅vs小沢”による、民主党代表選に関して、高野―宮台らが番組内で“菅支持”を打ち出したため、あの代表選が民主党を無力な政権に貶めた要因のすべてと思い込む人々からは、「あの時の、菅支持がすべてを台無しにした。お前たちは、その責任をどう取るつもりだ」等々のクレームが、今でも恨めしさを含め、ビデオニュース・ドットコムに寄せられているようだ。この辺は、馬鹿馬鹿しい、噴き上がり支持者の“坊主憎けりゃ、袈裟まで憎い”なのだが、小沢支持者の民度が窺えるというより、日本人の民度自体を窺わせる事実である。

 此の民度の低さは、ビデオニュース・ドットコムや小沢一郎だけが被害者なわけではなく、今をときめくアベノミクスで売り出し中の安倍晋三の支持者においても然りである。第一次安倍内閣で靖国訪問を行えなかった事実を、ことある毎に安倍は「痛恨の極み」と繰り返し語っている。この言葉に心情的に嘘はないだろうが、米国から強烈な「行くな!」と云う楔を刺されている以上、どれほど一部の支持者の関心を引く為とは雖も、年内には必ず行くなど、噴き上がり右翼的支持者へのリップサービスをせざるを得ないわけである。行こうが行くまいが、そんなに日本にとって、どうでも良いことだが、噴き上がる支持者には、こう云うことで興奮してしまう人々が、結構多くいると云うのが、日本社会の現実だ。

 極めて一面的思考経路しか持ち合わせず、暇と時間を埋め合わせる為の、為にする支持と云う、ティーパーティー的輩は、五月の蠅的存在である。そこに、大多数のマスメディア情報鵜呑み族が加わって、有権者の半数以上を占めるのだから、論理的乃至は理論的思考や議論が、感情のフックに掛かってしまい、相手に対する人格論にまで至る、日本人の民度は民主主義において最も必要とされる、共同体の熟議とか、コンセンサス形成過程を阻害するので、デモクラシーの原理が成立しない。故に、山本七平「空気」の研究と云う著書が生まれるわけである。

 小沢一郎が辣腕、剛腕の評価(非難中傷?)を得た源泉も、この日本人のディベートによって、感情のフックが起動し、人格的対立に直結してしまう日本人の論理的思考不能な民族性に、常に苦しめられた政治史が、彼の後ろには、累々と足跡を残している。しかし、筆者はビデオニュース・ドットコムにおける、小沢一郎、神保哲生、宮台真司の三人の話から、“あぁそう言われれば、そう云うことにもなるな”と気づいた点がある。それは、宮台が「小沢さんのアイディアは、小泉がパクリ……」と云う部分からの類推から気づいた事である。この筆者の気づきが、小沢支持者には嬉しくない面もあるだろうが、他人の考えを聞く態勢で聞いて頂こう(笑)。

 1993年に刊行された小沢一郎の著書『日本改造計画』は、英語・中国語にも翻訳され、日本の最も注目すべき政治リーダーの戦後日本のイメージを間近に世界中が理解する機会を与えた。日本の政治家が自分の政策や国家ビジョンを書物にする、日本初の書物であり、その後多くの政治家が、小沢の本を真似て(パクリ)、政治家出版ブームが起きた。しかし、他の政治家のビジョン本は販売数で、『日本改造計画』の足元にも及ばず、愚作であったことは言うまでもない。その辺のエピソードはさておき、『日本改造計画』の内容を見てみよう。

 『日本改造計画』は小沢が自民党を離党して、新生党を立ち上げ、細川連立内閣が成立するという政治の激動期に書かれたものだから、当時でも70万部以上が売れ、おそらく現時点で100万部以上のミリオンセラー政治本になっている。この『日本改造計画』は、新自由主義的な経済改革、自由貿易の推進、地方分権の推進、規制緩和・撤廃、軍事も含めた国連中心主義国際貢献と其れに基づく日米同盟、政権交代のある二大政党制を可能とする政治改革(小選挙区制導入)、などが提唱されている。最後に、このような日本を作り上げるには、国民の自立を前提とする民主主義の確立であり、「改革には常に痛みが伴う」(小泉純一郎がパクる)と断じている。或る意味で、小沢が温室培養の地位にあった自民党を飛び出した目的でもあり、21世紀に向かって日本は“斯くあるべし”と云う壮大なロマンを含んでいた。

 当時のやり手官僚やジャーナリストの意見なども取り入れ、日本の統治システムの問題点や改革すべきことを考慮に入れながら、21世紀の日本の理想的日本の姿を思い描いていた。読者としては、21世紀の日本の姿を思い描いていたレベルで読めるのだが、小沢一郎は、そのビジョンを現実の永田町で、生身を晒しながら、その実現に奔走しようとしたのである。『日本改造計画』は21世紀の日本政治を先取りしたものなので、そこに書かれたいることは、一定の範囲で予測可能なものであったし、且つ、その処方箋も限られていたので、その後政権を握った小泉政権に始まり、鳩山、菅、野田、安倍政権により、盗み食いのように、パクられ続けられることになる。

 或る意味で、このような“パクリ現象”は必然的に起きた傾向もあるが、1993年当時における政治家として、その予見能力は卓越していた事実を否定する事にはならない。その後、“パクリ現象”に悩まされた所為かどうか判らないが、2006年に『小沢主義(オザワイズム) 志を持て、日本人』を出版している。この中で注目すべきは、日本は官僚社会主義の統治システムを基盤にしたまま、自由経済・市場開放を行おうとしているために、「格差社会」を生みだすリスクを抱えたと考え、「小さな政府」から「大きな政府」の中間に位置する「中規模の政府」的イメージを持ったようである。この辺は、当時の社民党と云う政党のことも考慮に入れたいたかもしれない。

 「今後の小沢一郎(2)」を連続で書けるかどうか判らないが、続き、と云うことで本日の「今後の小沢一郎(1)」とする。『日本改造計画』執筆から20年が経過し、当然日本を取巻く環境は激変しているわけだし、アメリカの覇権機能に確実に翳りが見られることや、世界的に起きている、各国政府の財政危機や未曾有の大震災・原発事故の収束主導体など、『小沢主義(オザワイズム) 志を持て、日本人』の手直しでは追いつかない喫緊の課題が、日本列島を連続的に襲ってくる台風同様に押し寄せている。出来得れば、このコラムを読んでいる方々も、『日本改造計画』、『小沢主義(オザワイズム) 志を持て、日本人』等々を購読の上、その著書を叩き台に、其々が自分の「日本の進むべき道」をイメージしてみることは、非常に大切なことだと思う。

小沢主義 志を持て、日本人 (集英社文庫)
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対岸の火事と思うなかれ、安倍晋三 “米・以・サウジ同盟”からサウジ脱落か?

2013年10月20日 | 日記

 

サウジアラビア―変わりゆく石油王国 (岩波新書 新赤版 (964))
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●対岸の火事と思うなかれ、安倍晋三 “米・以・サウジ同盟”からサウジ脱落か? 

 意味深く、且つ示唆的に富んだニュースが流された。サウジが非常任理事国就任を辞退と云うニュースなのだが、遠い中東の石油の出る砂漠国の話など、日本と関係はないだろうと思うのは、短絡的過ぎる。それこそ、対岸の火事と見物を決め込んで、「玉谷~、鍵谷~」と叫んでいる阿呆になりかねない。サウジアラビアは、外交防衛的には、日本同様アメリカ依存の強い国で、中東の金満国家であり、サウード家がすべてを支配する王権国家である。常に、アメリカン・デモクラシーとか、人権とかで口うるさい米国でありながら、なぜかこの国の政府が人権を無視したり、民主主義に反する王制を敷いていても、米国はなんの痛痒もなく、サウジと軍事外交で足並みを揃え、イスラエルを守っている。詳しくは踏み込まないが、イスラム教国家でありながら、イスラムの敵、ユダヤ教のイスラエルを米国と共に守護する勢力に加担している。この辺は一言で語れない複雑さがある。


≪ 国連:サウジ非常任理事国辞退に「前例ない」驚き広がる

 【ニューヨーク草野和彦】アラブの盟主を自任するサウジアラビアが18日、初めて選出された国連安全保 障理事会非常任理事国のポストを突然辞退し、国連内に驚きが広がった。「把握している限り前例がない」(国連事務総長報道官)という異例の事態。サウジは 安保理の「二重基準」などを理由とするが、シリア内戦への対応やイランの核問題を巡って関係が冷却化しつつある米国と、安保理内で協力することに抵抗を感じた可能性もある。

 米国はサウジに軍基地の提供を受ける一方、サウジも安全保障を米国に依存するなど、両国は互いを必要としてきた。  サウジ外務省が18日に出した声明では、シリア内戦を終結させられない「安保理の無力ぶり」を非難。反体制派を支持し武器や資金を提供してきたサウジは、これまでアサド政権を擁護するロシアや中国を批判する立場にあった。一方で、米国がアサド政権に対する軍事攻撃の方針を撤回したことに強い不満を持っていたとされる。

 また、イスラム教スンニ派の盟主であるサウジは、シーア派国家のイランと対立。米国とサウジが接近する要因だったが、ロウハニ新体制となったイランと米国が対話を始めたことに不信感を強めていた。

 サウジが安保理メンバーに選ばれたのは今回が初めてで、任期は来年1月から2年間。モアリミ国連大使は17日の選出後に「これから2年間、他の安保理メンバーと共に働くことが楽しみだ」と笑顔で語っていた。その直後の「辞退声明」で、国連加盟国はサウジの 真意を測りかねている。潘基文(バン・キムン)事務総長は18日、サウジから辞退通知は届いていないことを明らかにした。

 サウジが正式に辞退せず安保理を欠席した場合、14カ国での会合が招集されることが想定される。過去には、旧ソ連が1950年に半年間、国連の中国代表権問題をめぐって安保理を欠席した。

 非常任理事国は5地域別に割り当てられており、サウジはアジア太平洋グループの承認を受け、国連総会で選出された。サウジが正式辞退した場合は、このグループから新たな候補を選び、総会で改めて選出することになるとみられる。 ≫(毎日新聞)

 オバマにしてみると、“シェールガス”も出てきた事だし、民主主義体制ではなく、人権問題でも問題のある、王制国家サウジアラビアは、アメリカのWスタンダードのサンプルのような同盟関係であり、喉に刺さった小骨のような部分があったのは事実だろう。シリア空爆の振りあげた拳の置き場で右往左往していたところ、ロシア・プーチン大統領の仲介で、恥をかかずに難を逃れていた。無論、財政支出の上限問題で、再びウロチョロする破目になったが、これも、自公の特定秘密保護法案同様、揉めているフリを政治家にさせていただけで、行政官僚が良しなに落とし処を初めから決めていた出来レースであることは、誰が見ても判ることである。

 アメリカの身勝手な行動は、サウジにしてみれば看過できない気持は良く判る。イラン核開発疑惑で、“米・イスラエル・サウジ”はタッグを組んで動いていたわけで、サウジへの相談もなく、米国がイランと直接会話をする方向になったのだから、不愉快で堪らないと同時に、大きな不安を抱えることになる。これも、よく理解できる。イスラム国家がひしめく中東地域で、イスラム教王権のサウジが、ユダヤ教とタッグを組んでいたわけだから、それなりのリスクを取った上の同盟関係なのである。その頼りのアメリカが、原油の確保がそれ程の重要事項でなくなったからと云って、サウジとの同盟関係に齟齬を来すような敵国イランと直接会話では、裏切られたも同然の状況に追い込まれた気分だろう。

 毎日の記事では、≪安保理の「二重基準」などを理由に≫サウジは非常任理事国を辞退したと云うことになっているが、非難すべき「二重基準」はアメリカの得意技を非難しているのだ。ただ、面と向かって米国を非難するだけの勇気も根性も実力もないので、米国の替わりに安保理をまな板に乗せて、前代未聞の辞退劇を演じたのだろう。おそらくイスラエルには、オバマ政権はそれなりの仁義は切っているだろうが、日本や韓国同様の属国的同盟関係なのだから、不必要になった時は、信義などと云う観念なしに、平気で冷酷な仕打ちをするものなのだ。サウジの心もとない米国との同盟関係の齟齬を、“対岸の火事”として受けとめるようでは、あまりのノーテンキと言われても怒るわけにはいかない。

 サウジやカタールは、米国・イスラエルと共謀、中東のロシア・中国シンパを阻止する同盟関係にありながら、アルカイダを支援したり、ムスリム同胞団を支援したり、彼らとてWスタンダードな蝙蝠のような生き方もしているので、米国のWスタンダードを声高に謗る権利もないだろう。案外、中東問題はアメリカが、原油産出国を気配りをし、外交を展開する世界戦略がチェンジするキッカケになるのかもしれない。ただ、そのような事実が、ペルシャ湾を中心とする諍いの渦中に、集団的自衛権行使の、初出動のような形で、我が国を震撼させる事態も大いにあり得ることを、覚悟しておくべきだ。まぁ、言葉だけで勇ましさを演じていた安倍政権が、国民に直接的被害者が出るような戦場に自衛隊員を派遣したとなれば、政権はあっという間に沈没してしまうだろう。

「中東アラブ25ヵ国」のすべて (PHP文庫)
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安倍の“積極的平和主義”は米軍追随で理解容易 小沢の“自立と共生”は難しい

2013年10月19日 | 日記

 

パンとペン 社会主義者・堺利彦と「売文社」の闘い (講談社文庫)
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●安倍の“積極的平和主義”は米軍追随で理解容易 小沢の“自立と共生”は難しい

 安倍首相の臨時国会における「所信表明演説」は、NHK他のマスメディアが国民を“勘違い情報”に導き、プロパガンダ報道が着実に定着したものを拾いだして羅列、演説文に作り上げていた。全体に流れている精神は、プロパガンダ報道で定着に成功し、国民の多くが“都合のいい勘違い”をしている事項を掻き集めて、所信に替えて語っていた。全体としては、マスメディアが既に報道し、誤誘導の効果が出ているものを主体に構成しているので、印象的には間違いだらけの所信には思えないのが味噌である。

 ただ、旗色が必ずしも明確になっていない項目は、オマケで語っているだけで、時にはスル―した重要項目も存在する。安倍晋三が世界を俯瞰的に駆けずり回ったそうだが、金をバラ撒くシーンは数限りなく目撃したが、世界の首脳たちからアベノミクスが羨望の目で見られた事実は存在しないし、注目なんて浴びていないし、存在感そのものがナッシングされているシーンの方が目立つくらいだ。幾つか具体的数字等も語ったが、都合のいい数字の拾い読みであり、その数字の中身には言及していない。正社員数が減り、派遣等々不安定な有効求人倍率が増えたなどは、典型的レトリックだ。

 怖ろしいことは、三本の矢への評価を≪この道を、迷わずに、進むしかありません。≫と強調している。“もう、今さら後には引けない”と云う玉砕に近い心情で、国家を導こうとしているようである。更に、≪日本は、「もう一度、力強く成長できる」。そして、「世界の中心で、再び活躍することができる」。そうした未来への「希望」が、確実に芽生えています。≫、と強調し、世界の潮流になりつつある、資本主義の行き詰まりを無視して、20世紀と同じ目標が、21世紀にも通用すると云う、時代錯誤な認識が露呈している。

 東日本大震災の復興や福島原発問題は、オマケでツケ加えた後、更にアベノミクスの推進を≪成長戦略の実行≫で、日本経済が≪新しい成長の幕開け≫にしていくと云うのだが、20世紀的経済概念で、アメリカ経済を模範とした言い草を聞いていると、こりゃ酷いことになりそうだと、チョッと考えれば判る話を、恥じらいもなく、朗々と語るのだから、安倍晋三は只者ではない(笑)。今さら、経済で世界一とか云う言葉を口にすること自体憚られる時代において、考えたら、そうなると云うのだから凄い。そして、≪この道を、迷わずに、進むしかありません。≫となるのだから、小沢一郎でなくとも、怖い話だ。

 時代錯誤の成長戦略の披露に長々演説の主体を置き、旗色が未だ鮮明ではない「社会保障改革と財政再建」は、実行不可能な夢を官僚の文章を借りて語ったに過ぎない。此処でも、聞き捨てならない馬鹿を言っている。≪明治人たちの「意志の力」に学び、前に進んでいくしかない。明治の日本人にできて、今の私たちにできないはずはありません。要は、その「意志」があるか、ないか。 「強い日本」。それをつくるのは、ほかの誰でもありません。私たち自身です。  皆さん、共に、進んでいこうではありませんか。≫と、如何にも明治維新の“脱亜入欧”が正しかった認識に立っている。アメリカ式の走狗度合いを深めようとしているだけの馬鹿である。

 憲法改正や集団的自衛権にも深く言及しないように努めたようである。≪国際協調主義に基づき、積極的に世界の平和と安定に貢献する国にならねばなりません。「積極的平和主義」こそが、わが国が背負うべき21世紀の看板であると信じます。≫、この語った意味を充分理解できる人はいるのだろうか?アメリカの覇権的軍事行動が世界の平和に資する行動なのかどうか、日米韓政府以外は認めてはいないだろう。今、米軍の行動への疑念の方が優勢な世界情勢の中で、国連主導ではなく、米国主導の軍隊と行動を共にするのが、「積極的平和主義」だとなると、平和が訪れるどころか、否応なしに日本国内でも、今後テロの脅威は、社会的不安を惹起するだろう。

*安倍のこの所信表明に対し、小沢一郎も疑問を投げかけている。朝日は以下のように伝えている。

≪「軍備を拡大するのが強い国なのか」生活・小沢代表
■小沢一郎・生活の党代表
 臨時国会が召集され安倍晋三首相の所信表明演説があったが、この国をどういう国にしたいのか、ほとんど示されなかった。日本を強い国にしたいと言ったが、彼が一体どういう意味を込めているのか、さっぱり分からない。憲法9条を改正し、軍備を拡大するのが強い国なのか。日本の将来を考えた時、非常に不安なもろさを感じる。
 私はいつも「自立と共生」と言う。自立と、憲法改正してでも強い国家にすることは違う。自立とは、基地問題であれTPPであれ同盟国としてアメリカとしっかり自分の意見を戦わせ、対等の立場でより良い合意を求めることだ。ちょっと異質なものを感じて、心配でならない。私どもは個別の問題を主張しながら、日本のかじ取りがおかしな方向にいかないよう存在感を持って働いていく。 ≫(朝日新聞:沖縄市内での講演で)

 安倍晋三の場合、自分が何処に向かって走っているのか、おそらく殆ど自覚していないだろう。どのような結果を導くか、すべてが都合よく行った結果しか見ていないのだろう。小沢一郎は「このまま行ったら、日本は悲劇だよ」と云う言葉はまさに正鵠だ。しかし、安倍の演説が判りにくいのは歴然たる事実だとして、小沢一郎が民主主義の“必需背景”として、個人の「自立」を強調するのだが、この国民夫々の自立と云うものが、現実社会では、不可能と思えるくらい難しい。この事を、小沢一郎に堂々と議論する人間がいないのは寂しいことだ。その補完的意味合いで、“共生”という言葉がつけ加えられているのだが、この“共生”も、都会生活者にはピンとこない言葉でもある。筆者は、個人の感性として、小沢一郎が政治家として好きなのだが、今後も、このコラムを通じて、この小沢一郎の「自立と共生」の言葉を考えて行こうと思う。

官僚制
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●小選挙区、2大政党政治の問題点 米国の民主・共和党の茶番をみながら

2013年10月18日 | 日記
幻影(イメジ)の時代―マスコミが製造する事実 (現代社会科学叢書)
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●小選挙区、2大政党政治の問題点 米国の民主・共和党の茶番をみながら

 今日は特に“見出し”のような話を長々するほど時間がない。ただ、最近筆者は、小沢一郎などが理想としていた、小選挙区選挙制度と2大政党体制による、いつでも政権交代のあり得る緊張感あるデモクラシー政治体制と云う面に、「そうなのだろうか?」というHATENAマークをつけるシーンが多くなった。なにも、現在の目茶苦茶な政治を平気で行っている安倍政権のようなものが、小選挙区選挙制度と2大政党と云う概念から生まれた事だけを見ているわけではない。

 どうも英国の2大政党デモクラシーの基礎には、欧州の歴史に色濃く残っている貴族制度が今なお、国民の中に脈々と受け継がれている部分が存在しているような気がしている。小沢一郎も英国の議会制民主主義を学んで、日本の政治に持ち込もうとした気持は良く判る。英国も日本も、ロイヤルファミリーの存在する国なのだが、貴族社会の系譜が未だに実存する英国と、米国によってズタズタにされた日本の貴族の系譜は、経済的バックボーンが国家の基礎とはなっていないし、心の片隅に身分社会性が消えうせている。此処が大きく英国と異なる。

 米国も2大政党制なのだが、21世紀に入って、この2大政党制の切磋琢磨する政治体制と云う理想は崩れているようだ。ここ1カ月の民主・共和党の、デフォルト騒ぎを餌に行っていた政治屋のパフォーマンスを見ていると自明な感じがする。大雑把な捉え方だが、このような現象こそが、21世紀世界の混沌を明示しているのだろう。このような混沌(カオス)は誰が望んだわけでもないのだが、行政官僚体制、外交防衛、新自由主義経済が同時並行で展開される時、否応なく惹起される世界的現象なのだと考えられる。

 新自由主義を基礎とするグローバル経済が富の偏在をもたらし、財政は富の再配分を阻み、いつの日か、一般生活者の生活レベルは、否応なく低下していくだろうし、それに急ブレーキをかけ停止させ、ハンドルを操作して、方向転換する為のエネルギーを国民が持っているかどうか、甚だ怪しいのが現実だ。このような世界、日本を取巻く激甚的環境変化を基礎にして、小沢一郎が考えている理想の政治が、いまだにタイムリーなものなのか、それとも変わらなければならないのか、筆者なりに考えてみることにする。無論、政界全体を見つめる目や、日本の現状を観察する視点が異なる人々には、到底受け入れられない観察になるだろうが、それこそが、個人の信条言論自由であるので、夫々が個々に考えれば良いことだ。最後に安倍政権の政策を揶揄する記事があったので、参考程度に掲載しておく。


≪ 倍返しでは済まぬ消費増税の対価 どうなる中小企業の不良債務37兆円

 アベノミクスの成果は上々とみて、安倍晋三首相は来年4月から消費税率を8%に引き上げる。日経新聞は14日の朝刊1面特集記事で、「景気回復、裾野広がる 円安が設備投資に点火」とはやし立てた。

  しかし、巷の様子はかなり違う。知り合いの大手税理士事務所には、中小企業経営者から悲痛な相談が殺到している。「円安に伴う原材料高すら価格転嫁できな いのに、消費増税分をどうやって販売価格に転嫁できるのか」「来年4月からの販売契約を結んだが、消費税率アップ分は認めてもらえなかった」などだ。

 中小企業は全企業数のうち99・7%を占め、企業従業員の66%を雇用している。大企業はいわば富士山の頂上部分で、中小企業はその中腹から下の分厚い裾野を形成している。

 今局面でアベノミクスの日が差して輝いているのは頂上だけで、中腹から裾野は依然として暗い。消費増税の嵐の直撃を受けるのは中腹以下の企業層で、大企業はちゃんと分厚い雲の上にいられる。

  グラフは企業規模別の経常利益の前年比増減率である。資本金10億円以上を「大企業」、1億円以上10億円未満を「中堅企業」、1000万円以上1億円未満を「中小企業」と分類した。一目瞭然、アベノミクスがスタートした今年1月以降、大企業は急速に収益を回復しているのに対し、中堅企業は4月以降に失 速、中小企業はアベノミクスの恩恵を受けることなく沈みっぱなしだ。*グラフ省略

 アベノミクスがどうして大企業と中小企業の格差拡大を生んだのか。  

  そもそもアベノミクスの成果とは、円安と、円安がもたらす株高である。円安は輸入原材料のコスト・アップを招いているが、大企業は価格交渉力が強くて、仕 入れコストの上昇を最小限に抑え込む一方で、抑え切れない部分は販売価格に転嫁する。ところが、中小企業は仕入れ価格の値上がりを飲み込まされるうえに、 販売価格を上げられない。

 しかも、大企業は輸出比率が高いので、円安に伴う収益増を満喫できる。中小企業の大半は内需中心なので、円安による原材料高の直撃を受ける。

 この格差は消費増税によってさらに拡大し、中小企業の疲弊が進む。政府・与党も、3党合意で昨夏、消費増税法案を通した野田佳彦前政権の民主党も、増税が 中小企業に及ぼす災厄に背を向けた。増税推進の政治家たちは、消費増税で社会保障のバラマキ財源ができて、有権者の支持を得られると計算したが、デフレを 悪化させ、経済を支える中小企業とその従業員の苦境を無視したのである。大企業偏重の増税翼賛メディアも同罪だ。

 リーマン・ショック後の「中小企業金融円滑化法」で棚上げされてきた中小企業約40万社の不良債務(銀行にとっての不良債権)は総額で約37兆円にも上ると推計される。年8兆円の消費税増収の対価は、倍返しでは済まないだろう。 
≫(産経新聞特別記者・田村秀男)

「嫌中」時代の中国論―異質な隣人といかに向きあうか (柏艪舎ネプチューンノンフィクションシリーズ)
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柏艪舎


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役人の糞(フン)新聞が、米国の糞(自民党)に、糞の糞な記事を、国民の必需品と主張

2013年10月17日 | 日記
経済学の船出 ―創発の海へ
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●役人の糞(フン)新聞が、米国の糞(自民党)に、糞の糞な記事を、国民の必需品と主張

 本日は多忙のため、馬鹿馬鹿しい笑い話な記事が目についたので、以下に紹介しておく。昨日の拙コラム≪「NHK」を窮地に追い込む方法はないのだろうか? 世論操作の肝を握る公共放送 ≫の延長線上の意地悪な引用だが、『新聞は、人々が社会生活を営む上で必要な情報、知識を全国どこでも、誰にでも安価に提供しており、民主社会の必需品である。』とは“これ如何に?”である。笑わせるのも大概にしておけと云うものだろう。

 そもそも、月額3925円~4383円も購読料として取りながら、政府や霞が関、親米学者・有識者の“金魚の糞記事”を垂れ流しているだけなのが5大全国紙といわれる、日本新聞協会の面々なのである。各省庁記者クラブが廃止されたら、どうやって全国を股にかけて、読者を納得させる手立ても知らない癖に、イイ気なものである。恥を知っているのであれば、腹を切れと言いたくなる輩の集団だ。まぁNHKに比べれば、強制執行までしてしまう、ファシズムのような視聴料徴収よりはマシで、僅かに救いはある。

 しかし、日本の全国紙の規模は、世界的にも異様な販売部数を標榜している。 2013年の最新データによると、約だが、読売:990万部、朝日:760万部、毎日:340万部、日経:289万部、産経:160万部となっている。東京の販売部数だけを見てみると、東京新聞がまもなく産経新聞を抜く勢いである。ちなみに世界規模で見ても、発売部数で日本のマスメディアは、異常な販売数を見せつけている。世界の新聞社ベスト15の中(内容ではなく販売数に限る)に、日本の新聞社が7社も入っているし、ベスト5はすべて日本の新聞社だ。

 無論、販売部数の多寡が、質を表わす筈もなく、逆に特色のない金太郎飴記事の垂れ流しゆえに、紙面を構成することが出来るのである。このような大規模なマスメディアの存在自体が日本独特であり、記者である人間が、見聞き調べ知る範囲を逸脱しているわけで、このような規模を維持するには、記者クラブを中心とする大本営発表方式に取材でない限り、紙面の構成手段がないと云う証明でもある。その上にだ、これら新聞社はテレビキー局をも支配しているわけで、“メディア・リテラシー”もヘッタくれもあったものではない。こんな奴らに「民主社会の必需品」等と言われたくないものである。

 少々調べていく間に怒りがこみ上げ、罵りコラムになったが、以上のようなものが日本の新聞社の実態だ。腹が立って、言い忘れたが(笑)、世界で6番目に顔を出しているのがドイツのビルト紙で350万部、米国のWSJが200万部、しんぶん赤旗が180万部、NYTで100万部、ワシントン・ポストに至っては63万部なのだが、それなりの明確なポリシーが表現されている。(*この項の数字は世界新聞協会2008年版による)


≪ 軽減税率求め特別決議…鹿児島で新聞大会
 鹿児島市で16日に開かれた第66回新聞大会(日本新聞協会主催)は、新聞への軽減税率適用を求める特別決議の採択に続き、新聞5社の社長によるパネルディスカッションが行われた。
 テーマは「消費税8%を乗り越える新聞経営――協調と競争」。人口減などで新聞購読者が減る中、「印刷、輸送部門などで各社が連携を深めるとともに、子どもや若者らに新聞を知ってもらう努力が重要」との意見が相次いだ。
 進行役を務めた日本新聞協会の白石興二郎会長(読売新聞グループ本社社長・編集主幹)は「新しい読者を開拓する活動を愚直に進めることが不可欠。新聞協会全体として取り組めるものもあるし、個々の社がそれぞれの地域で実行することも必要だ」と総括した。
 このほか、今年度の新聞協会賞の授賞式や、京都大火山活動研究センター長の井口正人教授による講演が行われた。  

◆新聞への軽減税率を求める特別決議(全文)
 新聞は、人々が社会生活を営む上で必要な情報、知識を全国どこでも、誰にでも安価に提供しており、民主社会の必需品である。消費税率の8%への引き上げが決まったが、新聞については軽減税率を適用し、現行の税率を維持すべきである。
 それが日本の民主主義、文化、地域社会の維持・発展に大きく貢献するとわれわれは確信する。
 読者、国民の理解を得られるよう、新聞人は、今後も公共的、文化的使命を果たし、知る権利の担い手として役割を果たしていくことを宣言する。 ≫(読売新聞)

権力と支配 (講談社学術文庫)
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