世相を斬る あいば達也

民主主義、資本主義とグローバル経済や金融資本主義の異様な違いについて

●“何だか怪しいヤツ”菅義偉 日本沈没に引導渡す弓削道鏡か

2015年10月31日 | 日記
言い残しておくこと
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●“何だか怪しいヤツ”菅義偉 日本沈没に引導渡す弓削道鏡か  

本日の見出しに、確たる根拠はない。まあ、筆者の気分次第で書きなぐった駄文だと思っていただいて、特に異論はない(笑)。ただ、菅義偉氏の経歴等々をウィキペディアで眺めていたら、「こりゃあヤバイ奴だな~」と思っただけだが、あまりピントのずれた第六感ではないと思う。今後の我が国の50%くらいは、この人物によるプライベートなパワーゲームの生贄、乃至は犠牲になるであろうことは、想像に難くない。菅と云う人は、虎の威を借りる、まさに狐のような男で、苦節何年の間、政治家になるべく、議員秘書になった頃、議員になってから自民党内を権力への臭覚鋭く、親分をコロコロ変えて生きてきた経歴、すべてが、今の菅氏の血となり肉となっている。日本会議において、政治家としては中枢を占めている。表立っては安倍晋三が親玉だが、黒幕は菅である可能性さえ窺われる。

菅義偉氏の経歴等々は引用しないが、Wikipediaで読まれることをお薦めしておく。印象的には、女性天皇、孝謙天皇と姦通し、寵愛されたことから、平安時代以降の都市伝説では、巨根の持ち主に違いないと言われた弓削道鏡を彷彿とさせるし、ロシア帝国を死に追いやった怪僧ラスプーチンも思い起こさせる。このような男を相手に、正攻法で攻め込もうとする翁長沖縄県知事なのだから、傍から見る限り、勝ち目がなさそうに見えてしまう。弓削道鏡とラスプーチンが降臨したような“二八蕎麦怪人”に敵うだろうかと。
まあ、松野維新、岡田民主も、この“二八蕎麦怪人”の繰り出すフェイントに翻弄され続け、枯れ尾花相手に奮闘と云う裸踊りをさせられている。敵乍ら、あっぱれな悪人である。

*参照URL
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E8%8F%85%E7%BE%A9%E5%81%89

ここは、沖縄県民は当然だが、日本国民も、沖縄を日本国だと思うのであれば、沖縄の叫びに、もう少し耳を傾けるのが情けと云うものだ。どうも最近の辺野古基地建設工事反対運動の沖縄の人々の動きの盛り上がりに不安を感じる。仮に、すでに挫折感や無力感を憶えてしまっているのではないのかと、少々不安になってくる。現在の“ラスプーチン道鏡”率いる、辺野古基地推進勢力は既得権全体だ。この日本国中の権力と闘う以上、オール沖縄の明確な世論、そして見える化された抵抗の姿、これなしには、本土全体への波及はあり得ない。沖縄の米軍基地常態化が日本全体に与えるリスクと云う理論構成もひつようになってきたようだ。一足飛びに、琉球独立が議論される前に。以下は、「琉球独立」に関する朝日の記事と、ラスプーチン道鏡の異例のグアム海外出張に関する記事である。


 ≪ 「琉球独立論」現実性は 白井聡さん・松島泰勝さん対談
 政治学者の白井聡(さとし)さんがホスト役を務める対談・対論イベント「第4回 関西スクエア 中之島クロストーク」(朝日新聞社主催)が15日、大阪市北区の中之島フェスティバルタワーであった。ゲストに「琉球独立論」を唱える龍谷大教授の松島泰勝さんを迎え、米軍普天間飛行場の沖縄県名護市辺野古への移転問題や“独立”の現実性などを語り合った。

 ■沖縄に「自己決定権」
 松島さんは、沖縄県の翁長雄志(たけし)知事が9月の国連演説で「沖縄の人々は自己決定権をないがしろにされている」と発言したことに触れ、「自己決定権は国際法上、重要な言葉。独立までを含めて我々は決定権を持っているのだと」「(米軍基地の辺野古移設やオスプレイ配備など)選挙や議会の決議といった民主主義的な方法でも無視される。ならば残された道は独立」と指摘した。
 白井さんは翁長知事による辺野古の埋め立て承認取り消しに触れ、「オール沖縄で『絶対、辺野古には造らせない』という確固たる姿勢を示しているのに、安倍政権は答えていない。独立論が高まるのは当然」とし、沖縄が日本政府ではなく米国との直接交渉に傾いていることに「戦術の高さがうかがえる」との見方を示した。
 松島さんによると、独立論や独立運動は、少なくとも明治政府が琉球王国を廃した「琉球処分」の1870年代から始まった。「琉球国王府の家臣たちは東京や中国・清に亡命し、琉球国復活、復興運動をした。沖縄戦後も独立派政党ができ、連続的に独立運動は続いてきた」
 白井さんは、松島さんの昨年の著書「琉球独立論」について「絵空事と言われてきた独立を現実的なプログラムとして可能だと提示されたことに驚きがあった」と紹介した。
 松島さんによると、本土復帰前、米軍基地に は最大6万4千人の「琉球人」が働いていたが、今は9千人。基地関連収入は県民総所得の5%であるうえ、これまでに返還された土地を活用したところ数十倍の経済効果があったという。「経済的に基地依存体質というのは過去の話。産業界でも『早く返せ』という人が増えている」
 松島さんは人口2万人の独立国パラオやグアムの日本総領事館で働き、昨年のスコットランドの独立を問う住民投票などを調査した。「独立論は日本では『ええっ』と思われるかもしれないが、世界では受け入れられている」
 白井さんは基地と原発を、必要もしくは必要と思われているが近くに置きたくない「迷惑施設」に見立て、「迷惑施設が置かれた地域住民は自分が差別 された状況だと認めたくないため、逆にプライドに転化することがある」と分析。その例として原発立地自治体の「原子力 明るい未来のエネルギー」という、 原発との共存を前向きにうたう看板を挙げた。
 「しかし、沖縄に基地との共存というスローガンを見たことがない。共存させられているが、嫌なものは嫌という精神の構造。そんな沖縄が独立すると、本土の日本人は自らのあり方を深く省みざるをえなくなる」

■「非武装中立国に」持論展開
 会場の約120人からは多くの質問があった。「独立したとして日本、中国、米国との関係を含めてどういう国になるのか」との問いに、松島さんは「非武装中立の国がいい。バルト海のオーランド諸島(フィンランド領)には周辺大国が造る基地の影響で戦争が絶え間なかったが、非武装中立になることで周辺国との関係が平和になった。理想論ではない」と答えた。
 基地の県外移設論について、松島さんは「日米安保体制を認めるけど犠牲は琉球にというこれまでの議論は非常に都合のいいもの。独立後は米軍基地を なくす」。白井さんは「戦後米国には二面性があった。ポップカルチャーなどを日本は大量輸入して楽しく消費してきたが、暴力としての米国は基地という形で 沖縄に押しつけたため、日本本土から見えにくくなった。琉球独立は対米従属の日本の体制にくさびを打ち込む」と話した。
 松島さんは質問アンケートの中にあった「日本が沖縄を失う」との表現に触れ、「それはあくまで日本国民の見方。我々が自分たちの人間性を回復する、自分たちで決められる政治空間をつくるという考えに支援、賛同していただけたらありがたい」と述べた。(構成・河野通高)  
    ◇  
まつしま・やすかつ 1963年、沖縄県石垣市生まれ。グアムの日本総領事館専門調査員などを経て、龍谷大経済学部教授。専門は島嶼(とうしょ)経済。9月に「琉球独立宣言」(講談社文庫)が出版された。  
    ◇  
しらい・さとし 1977年、東京生まれ。京都精華大専任講師。著書「永続敗戦論」を原作にした「マンガでわかる永続敗戦論」(朝日新聞出版)が7月に、「『戦後』の墓碑銘」(金曜日)が10月に出版された。  ≫(朝日新聞デジタル)


 ≪「琉球独立」絵空事ではない 松島泰勝・龍谷大教授寄稿
2014年に沖縄県知事、名護市長、衆議院議員の選挙を通じて、辺野古新基地建設に反対する「オール沖縄」の民意が示された。しかし昨年12月10日に翁長雄志が知事に就任して以来、今年4月17日まで安倍晋三首相は知事との会談を拒否し、琉球の民意を無視した。戦後70年も日本の安全保障のために多大な犠牲を負わせてきた琉球の代表者に、会おうとしなかったのである。
日本政府は「丁寧に説明し納得して頂く」と言っているが、それが嘘(うそ)であることは明らかである。 琉球人は基地の押し付けを「沖縄差別」であると考えている。このまま差別が続くならば、独立しかないと主張する人が増えてきた。ネットの世界で飛び 交っている、琉球独立運動への偏見に満ちた言葉によっては、琉球で今起きていることは理解できない。今ほど静かに島の人の声に耳を傾けて、真摯(しんし) に対話することが求められている時はない。

 ■台湾の空港、電光板に「琉球」
 今年8月に台湾に行ってきた。桃園国際空港の運行スケジュールの電光板を見ると、「琉球(沖縄)」と表示されており、嬉(うれ)しくなった。琉球国という国があったことを思い起こさせようとしているかのようである。1972年に、中華民国(台湾)政府は琉球が沖縄県になるとき日本政府に強く抗議した。
 日本政府は「沖縄は日本固有の領土」と認識している。しかし琉球の現在の「県」という政治的地位は必ずしも確定したものではない。琉球が日本の一部になった のは1879年であり、たかだか140年ほど前でしかない。しかもその時日本政府は軍事力を使って無理やり日本の一部にした。琉球国はアメリカ、フランス、オランダと修好条約を結び、清国と朝貢(ちょうこう)冊封(さくほう)関係を有した独立国家であった。三つの修好条約原本は日本政府に奪われ、今も外務省管理の外交史料館にある。

 ■独立への「実現可能な道筋」
 私は先月「琉球独立宣言―実現可能な五つの方法」(講談社文庫)を上梓(じょうし)し、琉球の現状と歴史を踏まえて独立のための実現可能な道筋を示した。オスプレイ配備や辺野古新基地建設を強制し、宮古・八重山諸島への自衛隊基地設置を進め、集団的自衛権法制化によって日米同盟体制を強化しようとする日本から一刻もはやく離れないと、琉球人の尊厳は踏みにじられ、「沖縄戦」のように琉球は再び戦場になるだろう。
 琉球独立宣言は、日本政府に対する琉球人の怒りのあらわれであるが、けっして机上の空論ではない。国際法、政治経済学、国際関係学、 歴史学等さまざまな研究成果と、現場でのフィールドワークに基づいた主張である。2013年には独立を具体的に研究し、世界の独立運動に学びながら実践活 動をする琉球民族独立総合研究学会が設立された。本書の中で示した「琉球独立宣言」はアメリカの独立宣言を参考にして考えた。日本の「同盟国」であるアメリカはイギリスから独立したのである。
 今、琉球では歴史上これまでになく独立を求める声が広がっている。琉球は日本から本当に独立できるのだろうか。何のために独立するのだろう。私たちにとって独立とは世界のどこかのことであり、自分とは関係がないと思っている人が日本人の大半ではないか。
 日本ではこれまで大衆的な独立運動が発生したことがない。戦後の日本の「独立」もアメリカによって準備されたものであった。そのような日本の中で 琉球では本気で独立を目指す運動が活気づいているのである。どこから独立するのか? この日本からである。琉球の独立は日本や日本人とって他人事でも、絵 空事でもなく、自分自身の問題である。(寄稿)    
  ◇  
まつしま・やすかつ 1963年、沖縄県石垣市生まれ。グアムの日本国総領事館専門調査員などを経て現職。専門は島嶼(とうしょ)経済。著書に「琉球独立論 琉球民族のマニフェスト」(バジリコ)など。  ≫(朝日新聞デジタル)


 ≪ 菅長官、負担軽減アピール=沖縄なお不信感
【グアム時事】菅義偉官房長官は、米軍普天間飛行場(沖縄県宜野湾市)移設先の名護市辺野古での埋め立て本体工事着工と合わせて米領グアムを訪れた。
 在沖縄米海兵隊のグアム移転は、沖縄の基地負担軽減策の柱。移設計画進展の実績をてこに、海兵隊の移転を急ぐよう米側に促すことで、負担軽減をアピールする狙いがあるが、沖縄の軟化にはつながりそうにない。
 「(米海兵隊の)移転事業にしっかり取り組んでいただけるとの確認ができた。非常に有意義だった」。菅長官は30日、今回の訪問の成果を記者団にこう強調した。
 日米両政府は、沖縄に駐留する海兵隊約1万9000人のうち、約9000人をグアムを中心とする国外に移転することで合意。ただ、民主党政権時代には、普天間移設の停滞を理由に米議会がグアム移転費を凍結した経緯もあり、二つの事業は密接不可分と言える。
 昨年9月の内閣改造で、菅長官は自ら志願して沖縄基地負担軽減担当を兼務。グアム訪問の時期を慎重に探ってきた。内閣の危機管理を担う官房長官の海外出張は極めて異例で、本体工事着工は「最高のタイミング」(政府高官)とみている。
 実際、移設作業の遅れを懸念していた米側は、菅長官を歓待した。地元選出のボルダーロ下院議員は本体工事着工を「大変素晴らしいニュースだ」と評価。米太平洋海兵隊のトゥーラン司令官も「力強い」とたたえた。
 菅長官は今回のグアム訪問で、基地負担軽減に率先して取り組む姿勢を国内に印象付ける思惑もあった。しかし、政府が本体工事を強行したことで、沖縄県と の溝は修復困難なまでに広がった。翁長雄志知事は30日、菅長官のグアム入りについて東京都内で記者団に、「目くらまし戦法ではないか。(負担軽減と言われても)にわかには信じられない」と不信感をあらわにした。   ≫(時事通信)

実現可能な五つの方法 琉球独立宣言 (講談社文庫)
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コメント (4)

●都市文明の発達が招く『物欲なき世界』 モノ文化からの解脱

2015年10月30日 | 日記
中身化する社会 (星海社新書)
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●都市文明の発達が招く『物欲なき世界』 モノ文化からの解脱

尻に火が点いても、熱いとも感じない民主党。カチカチ山の狸の方が、まだマシとは驚嘆に値する。民主党と云う政党は、小沢一郎、鳩山由紀夫が抜けた後は、ヘドロ集団だね。維新のヤクザ集団よりまだ悪いかもしれない。今夜は、そんな馬鹿げた世界を離れて、文明論的なお話をチョイと。

ほう!筆者とはアプローチが違うが、同じような近未来を見ている人がいる事実に安堵している。移民国家のアメリカならではの部分も多々あるが、30年、50年先には、消費があっての資本主義に、大異変が起きることだけは確かだろう。ただ、それが充分に見えていないのが、今現在なのだと思う。以下の編集者の菅付雅信さんによる著書『物欲なき世界』インタビューでも、古き文化を駆逐して、成長乃至は変化してゆくアメリカ文化を軸に論は展開する。筆者の場合は、物欲がなくなる世界の変化の形を、縄文から江戸時代まで日本人的共同体に向かう、つまり温故知新なわけで、幾分過去に戻ろうと云う方向性が見えてくる。

おそらく、このままの物質文化や価値観が使いものにならないことは、あらゆる面で証明済みのような話なのだが、次なる世界が芽生えはあっても、さして強い動きではないので、未だ国民全体の潮流には至っていない。早く気づけば気づくほど、様々な選択肢が残されているのだが、明治維新から現在に至った日本と云う国の姿が、成功例であったと思いたい気持ちが強い故のジレンマを抱えている。この辺は、考え方、受けとめ方は様々なので、どうすべきと主張する気はない。ただ、金融に左右されるような資本主義システムは、半ば崩壊している。

この根源的課題を充分に認識することもなく、政治を行っていると云うことは、高速道路を逆走したり、歩道を道と間違えて走っているのと、あまり変わらない。有能なはずの官僚連中にしても、創造的なイマジネーション能力は鍛えていないので、現実のシステムに拘泥せざるを得なくなる。未だに、アメリカの価値観が普遍だなどと口から飛び出すようでは、殆ど何も判っていないのだろう。まあ、安倍に限らず、既存の枠組みで一代をなした者たちは、民主党の議員であっても、既存を大切だと思うし、大きく変えるにしても、何も見えていないのだから、一歩先に向けて足を出せないのが、今の日本と云う括りになるのだろう。『物欲なき世界』は著者の経験をベースに、情報を点て結んであるので、一部の点の知識が抜けると理解しがたい部分もありそうだが、一度手に取る価値はある。


 ≪「モノを買わない」先進都市から読み解く、「資本主義の先」の世界の行方
編集者・菅付雅信さんが語る『物欲なき世界』 欲しいモノが特別ない世界。シェアという考えが浸透しつつある世界――。はたして、これは消費の飽和なのか、一時的な物欲の減退なのか。欲しいモノがない世界では、どんなことを豊かで、幸せだと感じるようになるのだろうか?
編集者の菅付雅信さんによる著書『物欲なき世界』が11月4日に発売される。インタビューを通じて、ファッション、ライフスタイル、経済、思想、カルチャー……本書で編まれた横断的なトピックについて聞いた(文・佐藤慶一/写真・神谷美寛)。

 ■モノではなく「コトやコミュニティを売る」
――ソーシャルメディアの普及によって誰もが丸裸にされてしまう実情を描いた『中身化する社会』(星海社新書)から2年越しの著書となります。前著とのつながりを教えてください。

菅付:今回の『物欲なき世界』は『中身化する社会』の続編に当たります。前著を書くなかで「物欲なき世界はどうなっていくのか」というテーマが見えてきました。

そもそも前著を書いたきっかけは、ファッションニュースサイト「モードプレス」の岩田奈那編集長から、トレンドではなく「ファッションがこれからどうなるのか」について考察する連載をしないかと依頼を受けたことです。

そのとき、現代はファッションが必要とされない社会になりつつあると思い、それをテーマに書こうと漠然と考えていました。数日後、たまたまニュー ヨークに行く予定があったんですが、世界でいちばんオシャレな街だったはずなのに、ニューヨーカーたちが本当にカジュアルになっていることに気付きました。

一般人だけでなくファッション業界の人までもが服装にお金をかけなくなりつつあることに強いインパクトを受け、ファッションにお金やエネルギーをか けるのは時代遅れになったのではないかという仮説を立てました。同時にその背景には、ソーシャルメディアの爆発的な普及が関係していると考えました。 当時(4年前)、新しいモノ好きなニューヨーカーたちは移動中やカフェで過ごす時間にとにかくタブレットやスマホを見ていました。多くの人がツイッ ターやフェイスブックなどのソーシャルメディアを通じてファッション以外にも自分の考えや個性、スタイルを発信できてしまう。そうであれば、もうファッションにエネルギーを使う必要がなくなると思いました。

このきっかけをもとに調査や取材を進め、2013年2月に『中身化する社会』を刊行しました。ただ、その時点でまだ捉えてきていないテーマがあると感じました。先進国・先進都市でお金を使わないのはファッションだけではないと考えるようになったんです。

――お金を払わない対象が、消費全体になってきているのではないかと。

菅付:そうなんです。調べていくと、洋服だけではなく、先進国・先進都市において全体的に消費が落ち込んでいる。もちろんお金は使っているけれど、何に使っているかといえば住居費です。いまやニューヨークやサンフランシスコの市長選を左右するくらいの大問題にまでなっているのですが、たとえばマンハッタンで生活している人の平均住居費は生活費の半分近くを占めています。とんでもない比重です。

洋服や家電、車の購入が減っている一方で、住居費はどんどん上がっている。そのほかに消費が伸びているのは食です。モノを買わない代わりに、自分が口にする食事や人との食事にお金を使うようになっています。

こういった、モノを買わない先進国・先進都市の生活は何のサインを発しているのかを考えるようになりました。モノを買わなくなると、購買を前提にしていた消費社会や資本主義全体が立ち行かなくなってきます。そこに興味を持ち、本書を書こうと思いました。

――そこでモードプレスで「ライフスタイル・フォー・セール」という連載を開始したわけですね?

菅付:ええ。今度は「消費」をテーマに書かせてもらえることになりました。ファッションや流通業界において、モノを売るよりもライフスタイル提案やサービス販売へのシフトが顕著になってきている。その傾向――これは消費の最終段階だと思っていますが――を捉えようと思いました。

モードプレスはファッション業界とのコネクションが強く、ビームスの設楽洋社長や三越伊勢丹の大西洋社長らにインタビューする機会をいただきまし た。このような業界トップの方々がモノではなく「コトやコミュニティを売る」と公言しはじめていたので、いいタイミングで取材することができました。

「コミュニティを売る」というと聞こえはいいですが、もちろん商品を買ってほしいというのが本音だとは思います。しかし、先進都市の人たちはモノを 買わずに、モノやスペースをシェアすることで、コミュニティにアクセスしたり所属したりすることが当たり前になりつつあります。

■収支計画書ありきのライフスタイル戦略は弱い
――日本でも「ライフスタイル」という言葉をよく聞くようになった一方で、どこか食傷気味になっている気がします。

菅付:ライフスタイルという言葉は漠然としながらも使いやすいから市民権を得たように思います。さまざまな場面で見聞きするようになりましたが、ほかに適切な表現がない――生き方というと少し重くなるし――から多用されるのかもしれません。

雑誌にしても、ここ何年かでライフスタイル誌が一気に増え、ファッション誌がライフスタイル誌化する動きもありました。服が売れなくなってきたの で、アウトドアを提案したり、スポーツや食を取り込んだり、カフェネタを混ぜたりして、ライフスタイル提案型のメディアになろうとしているのがよく分かります。

元々ファッション性が高かったマガジンハウスの『ポパイ』が近年、「カレーと本」や「ポートランド」の特集を打ち出してライフスタイル化しています。これも分かりやすい兆候のひとつですよね。

――ファッション誌がニッチなジャンルのひとつになってしまった、ということですよね。

菅付:端的にファッション誌が趣味雑誌になってしまったんです。もともとファッションは趣味でしたが、90年代中ば~2000年代後半くらいにかけて、オシャレをしないとマズいという強迫観念が特に都市部の独身女性にあったわけです。

「あなた、まだ先シーズンの服を着ているの?」なんて言われないためにみんながファッション誌をチェックしていました。この当時は趣味雑誌ではなく生活必需品という位置付けでしたが、また趣味雑誌に戻りつつある状態です。 ただ消費や物欲が減る一方で、モノを買うときに吟味するようになっています。まったく買わないのではなく、ネット検索やソーシャルメディアの普及に より、購入前に比較検討して、いろんな価値基準のなかで時間をかけて吟味する。このことは大量生産・消費より健全だと思っています。

――雑誌以外に、ファッションや流通業界におけるライフスタイル戦略をどう見ていますか?

菅付:ライフスタイル化は業界の生き残りをかけた、サバイバルのための戦略だと思います。なぜなら、服が本当に売れなくなっているから。三越伊勢丹のような衣服比重の高い百貨店でさえピークと比べて売上が3割減っている。ほかの百貨店や衣料品店についても推して知るべしです。

ただ、日本のライフスタイルビジネスのほとんどは、収支計画書ありきのライフスタイル戦略をとっているので弱い気がします。つまり、洋服が落ちた分を雑貨や飲食で補おうという狙いが透けて見えるから、穴埋めとしてのライフスタイル化になってしまっているんです。

そうではなく、物欲がない社会において、ストーリーや価値観、文脈を考えて、会話やコミュニケーションにつなげていくことが大切だと思います。

たとえば、湘南の「SUNSHINE+CLOUD」というお店は洋服も雑貨も飲食も花屋もやっている。それが湘南のリラックスした価値観のお客さんたちにとって自然で、オーガニックな広がりを見せています。収支計画書のためにライフスタイル化しているのではないから無理がないんです。

――今回の本では「欲しいモノは特別ない」という実感を「物欲レス」という言葉で表現しています。どういう課題意識を持っていたんでしょうか?

菅付:物欲レスは先進国・先進都市で顕著になってきている現象です。この本では物欲レスの社会が続いた先にある世界を提示したいと思いました。資本主義はあと数十年ほどは続くけれど、いつどこから終わるかわからない。でも、どこかで終わり、新しい仕組みにひっくり返ります。

ぼくは経済の専門家ではないですが、消費欲の急減を突き詰めて考えていくと、資本主義の制度疲労を起こしているのではないかと思うようになりまし た。トマ・ピケティが『21世紀の資本』で書いたように、世界では貧富の格差が拡大し、二極化が進行しているのは紛れもない事実です。

そこで中産階級がやせ細ると、彼らの旺盛な購買力を前提に成り立っていた資本主義――もっと言えば中産階級資本主義とか中産階級消費主義――がいま危機に瀕している。二極化して中産階級が減っているならば、現行の制度が限界に近づいているのは間違いないでしょう。

このような状況に対して、たとえば、フランスの経済学者、ジャック・アタリや日本の経済学者、水野和夫さんは、次の制度に移行した集団・場所・人・都市・国家が次の時代のアドバンテージを取ると主張しています。

資本主義が制度疲労を起こしているわけだから、その延長線上での消費刺激策を講じてもカンフル剤として一瞬効果があるだけで長期的にはうまくいかない。

物欲がなくなり資本主義が立ち行かなくなる中で、日本や東京は新しい考え方や制度を真っ先に提案・実践していくことが、世界に対して次のアドバン テージになると考えています。だから未来の制度を考え、生み出し、身に付けるようなポジションに移行したほうがいい、というのがぼくの考えです。

 ■都市でのオーガニック生活には矛盾が生じる
――そこでポートランドのような先進事例を見る必要があるというわけですね。

菅付:ポートランドも資本主義のルールのなかにありますが、オーガニックかつローカルを大事にする考え方に特化することで勝負しています。その特徴は一言で言えば、前著のキーワードとなった「コンフォート(本質的だからこそ心地が良い)」という言葉に集約されます。

自分たちのこだわりのもち、オーガニックで質のいいモノを全米、そして世界中に売っていく。そのものすごいこだわりがブランドになっているんです。 そんなポートランドにも悪い面が出てきつつあります。住みたい都市として若者の移住が増えていますが、実はそれほど仕事がなくて大変みたいです。ただ、人が移住してこない日本の都市部よりはいいと思います。移住者がいないということは外の人にとって魅力がないとも言えますからね。

――ポートランドのあり方はどんな部分が参考にできるでしょうか?

菅付:オーガニックで信頼できるモノをつくっていることです。「いかに安くするか」「いかに大量生産するか」というのは少し前までは有効な価値観でしたが、モノにあふれた世界において感度のいい消費者たちは自分たちにとって質のいいモノを求めています。

質がいいことは必ずしもラグジュアリーであるとは限りません。ポートランドでは、自分が身につけたり、口にしたり、手元に置くモノは、なるべくいい素材を使って、華美でなく、長く使えるモノを選ぶようになっているんです。

ポートランドの人たちは、そういったこだわりに特化することで世界におけるブランディングを高めています。ローカルにこだわりながらも、グローバルな市場で勝てそうな価値観を徹底し、消費者と向き合う。そんな姿を東京も見習うべきだと思います。

――東京のような都会でも、オーガニックな価値観を軸にしたお店や取り組みは増えているように思います。

菅付:たとえば本のなかで、ユニクロに新卒入社したバイ・ビンさん(1987年生まれ)が紆余曲折の末、学芸大学駅近くにオープンしたオーガニックのグローサリー・ストアについて取り上げています。彼は「理想のある中途半端をやるしかない」という言葉を残してくれました。

要するに、都市でオーガニックに生きるにはどうしても矛盾が生じてしまう。そこを理解しながら実践することがとても大切なんです。

徹底的にオーガニックな生活をしようと思ったら、田舎に移住したほうがいいけれど、なかなかそうはできない。なぜなら日本人の大多数は都市人口に入るので、都市のなかで中途半端にオーガニックな生活を追求するしかないんです。

 ■なぜシェア志向が広がったのか
 ――都市部の話でいえば、シェアリングエコノミーにも触れられています。たとえば、UberやAirbnbはどちらも法律的にグレーなところを突いていますが、これは新しい制度へシフトする前兆と捉えることもできそうです。

菅付:シェアリングエコノミーに関するサービスはどれも新しい提案ですよね。ぼくは新しいビジネスは半分パイレーツビジネス、既存の枠組みのグレーゾーンを攻めているものだと思っています。この9月にニューヨークに行ったときにもAirbnbを利用しましたし、ロサンゼルスに行ったときにはUberを使いました。

――このようなシェアリングエコノミーの背景にあるものはなんでしょうか?

菅付:シェア志向の背景にはいい理由と悪い理由があります。ネガティブな理由は、お金がないことです。特に先進都市では住居費が跳ね上がり、ロンドンの家賃がひと部屋あたり平均40万円、ニューヨークは平均48万円です。これでは一人で借りられないですから、シェアが当たり前になり、一人あたりの住居空間は減ってきています。

だから残された選択肢は、シェアするか遠方から通うかのどちらか。経済的な理由から、シェアやコミュニティ化が進んでいるのです。気が合う人と集まり、いろんなモノを仲良くシェアしていかないと大都市では暮らしていけないという冷徹な事実がありますから。

――シェアが広がった背景にあるプラスの理由はなんですか?

菅付:ポジティブな理由は、収入や肩書きよりも価値観を共有するコミュニティへの所属にプライオリティを置く人が増えていることです。アメリカで見たなかでおもしろいのは、大都市にはフードコープ(生協)があること。より市民運動的であるのが日本の生協と違うところです。

たとえば、ニューヨークにパークスロープ・フードコープという有名な生協のスーパーがあります。ここは特に食材の選別が厳密で、ベスト・オブ・ ニューヨークが集まっている。オーガニックなモノに絞り、自分たちで仕入れた食材でも第三者チームによる抜き打ち検査をしているくらいです。絶対にいいモノでないと置けない、販売できない仕組みをつくっています。

さらに、ニューヨークにしてはかなり安価なので大人気なんです。ただ、ここで買い物をするには会員にならないといけません。そのためには会員資格の審査があり、過去の経歴を検索されたうえで評価されます。

そして、身分にかかわらず、月に3.5時間以上の労働が義務付けられている。つまり、消費者が働くことで安価なオーガニック食材が提供できているんです。

ほかのモデルでは、ポートランドにあるピープルズ・フードコープ。これはもっと市民運動的で、容器はムダだから、ほとんどの食材が量り売りになって います。自分で袋を取り、食材を測ってラベルを貼り、レジまで持っていく――。自分の家から容器を持ってくるとそれだけ安くなります。

資本主義の次には、こういうエコロジカルで相互扶助的な価値観が豊かであり、幸せだと思うようになっていくのかもしれません。

やっぱり、20世紀の延長線上にある幸福論は消費と強く結びついているため、だんだん有効ではなくなっています。だから、ぼくはこの本で新しい制度のなかでの豊かさ、次の幸せを考えることにしたんです。

■編集手法を用いて、いまの時代精神を編み上げたい
――資本主義からのシフトは新しい問題も引き連れてくるのではないでしょうか? 菅付:たとえば、9時~17時で労働することから解放されると、時間が余るようになります。だから、暇な時間をどうするのかという課題が生まれてくるでしょう。加えて、価値観の対立が激しく起きるようになります。

年収2,000万円だけれど、夜はファミレス、時々バーやキャバクラで散財する人に対して、年収500万円だけれど時間がたくさんあり、毎週友だちみんなで食材を持ち寄ってご飯をつくり、賑わいながら食べる。このどちらが幸せなのか。いいのか悪いのかを含めて新しい価値観を考えていくことが重要なの です。

ただ、日本とアメリカで大きく違うことがひとつあります。それは若者文化の基本にカウンターカルチャー(対抗文化)があるかどうかです。つまり、アメリカでは上の世代に代わる新しい文化をつくる。新しいことを提案して前の文化をつぶすという意識が色濃く残っています。

オーガニックやサードウェーブコーヒーも根本的にはカウンターカルチャーがあるわけです。どちらも前の制度を乗り越えようという気概がある動きです が、日本ではカウンターカルチャーとしてではなく新しいトレンドとして消費されている。このままでは物欲レスの先の世界でアドバンテージを握ることはできないでしょう。

――お話を聞くなかで、専門家ではなく分野を横断した人や情報にアクセスできる編集者だからこそ書けた1冊なのかなと思いました。

菅付:まさにその通りで、これまでに書いた『はじめての編集』でも『中身化する社会』でも、編集者のスキルやノウハウを援用して書いています。自分はあくまでも編集者であり、経済学者やジャーナリストではありません。

この本では、ファッション、経済、思想……大量の資料を集め、人に話を聞いた情報をもとに、点と点を丁寧につなぎ合わせて、物欲レスの先にある社会や世界を浮かび上がらせました。

もし経済学者が消費をテーマに書くならば、流通やファッションについてはそこまで触れず、ファッションジャーナリストであれば、思想系のことにページを割かないと思います。

この『物欲なき世界』で試みたのは、これまでに培った編集手法を用いて、いまの時代精神を編み上げるということだけです。過去や現在の事象を紹介す るだけにとどまらず、自分が書けるなかでできるだけ長く耐えうるかたちで「これからの世界はたぶんこうなるだろう」ということを書けたと思っています。 
                                            (了)

【菅付雅信(すがつけ まさのぶ)】
1964年生宮崎県生まれ。角川書店『月刊カドカワ』編集部、ロッキグンオン『カット』編集部、UPU『エスクァイア日本版』編集部を経て、『コンポジッ ト』『インビテーション』『エココロ』の編集長を務めた後、有限会社菅付事務所を設立。出版からウェブ、広告、展覧会までを編集する。書籍では朝日出版社 「アイデアインク」シリーズ(朝日出版社綾女欣伸氏との共編)、電通「電通デザイントーク」シリーズ(発売:朝日新聞出版)、平凡社のアートブック「ヴァ ガボンズ・スタンダート」を編集。著書に『東京の編集』『はじめての編集』『中身化する社会』等。2014年1月にアートブック出版社「ユナイテッドヴァ ガボンズ」を設立。下北沢B&Bにて「編集スパルタ塾」を開講中。多摩美術大学で「コミュニケーションデザイン論」の教鞭をとる。2015年6月 に有限会社から株式会社化し、社名をグーテンベルクオーケストラとする。 http://www.gutenbergorchestra.com
 
≫(現代ビジネス:メディアと教養――デジタル・エディターズ・ノート(文・佐藤慶一)

物欲なき世界
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●菅義偉なる男、闇金の黒幕以上に悪質 完璧なまでのサド

2015年10月29日 | 日記
日本人が70年間一度も考えなかったこと (大澤真幸THINKING「O」)
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●菅義偉なる男、闇金の黒幕以上に悪質 完璧なまでのサド

先ずは笑い話から。中国外交にイチャモンつける勢いで乗り込んだ、アベノ中央アジア歴訪だった。幾ら銭をばら撒く約束してきたのか判らないが、中国の勢いには敵うわけもないし、人脈の方もパラパラ状態。とても中国の一帯一路のスケールに及ばない。メルケルやオランドやキャメロンの訪日なんて聞いたこともない。安倍のお陰で、日本と云う国のイメージは、まさにアメリカの金魚の糞に決定づけられた。プーチンの訪日も、この調子だと実現は難しそうだ。まあ、シリア、イラク、アフガン、やウクライナでオバマの政策が馬脚をあらわし、信用が地に起きる出来事でも起きないと、実現しない可能性が高まった。

日・モンゴル経済連携協定(EPA)の関係の促進と、モンゴルが国交がある北朝鮮情報を教えて貰う目的があったと思われる。「価値観を共有するかけがえのないパートナー」と安倍は価値観を共有するモンゴルと持ち上げていたが、中露に挟まれて生きている国だけに、その影響に楔を打つなどと云ったレベルまで到達するはずもない。証拠と言ってはなんだが、ハイハイハイ仰る通りですね、と言った矢先に、5年ぶりにエルベグドルジ大統領の中国公式訪問が正式決定した。中国に立派な独立国としてつき合って貰う為に、安倍の楔外交は役立ったわけである(笑)。まあ、常識人なら赤っ恥を掻くことになるが、アベチャンはそんなことも判らないので、痛くも痒くもなさそうだ。

≪ モンゴル大統領、11月訪中 安倍外交に冷や水
【北京共同】中国が11月にモンゴルのエルベグドルジ大統領の中国公式訪問を受け入れ、習近平国家主席と首脳会談を行う方向で本格調整していることが27日、複数の中国・モンゴル外交筋の話で分かった。同大統領の中国公式訪問は約5年ぶり。
 安倍晋三首相が22日にモンゴルを訪問し「価値観を共有するかけがえのないパートナー」(菅義偉官房長官)と連携強化をアピールしたばかり。中国への対抗意識を基調にしている安倍外交は、冷や水を浴びせられることになりそうだ。
 モンゴルは中国主導のアジアインフラ投資銀行(AIIB)に参加している。 ≫(東京新聞)


次が沖縄県に対して代執行までした姿勢は、対米ネオコンのご機嫌取りには十二分な処置だが、21世紀になって「沖縄処分」をもう一度したようなもので、辺野古基地建設は、1割造ってとん挫する可能性が高くなった。自治会長を買収する官房長官、彼は安倍がこけたら、命を奪われでもするほど必死で、泥を一身に被っているが、どんな思惑があるのだろう。筆者には、とんと見当もつかない。余程のアホか、生まれつきの悪巧みオタクなのか、否、弱いものをイジメる趣味があるのだろう。その意味では、趣味も兼ねて業務が推進出来るわけだから、休まずに働いても苦痛はない。大変に厄介な男なのだろう。


 ≪ <辺野古>翁長知事に是正勧告文書 29日埋め立て工事着手
◇沖縄防衛局届け出書
 工期は2020年10月31日まで
 沖縄防衛局は28日、米軍普天間飛行場(沖縄県宜野湾市)の名護市辺野古への移設計画で、埋め立て本体工事に必要な着手届け出書を県に提出した。29日 に本体工事に着手する。一方、石井啓一国土交通相は28日、翁長雄志(おなが・たけし)知事に埋め立て承認取り消し処分を是正するよう勧告する文書を郵送 した。政府は遅れていた移設作業を再開する一方で、埋め立て承認の代執行をにらんだ手続きを進める構えだ。
 沖縄防衛局の着手届け出書によると、埋め立て本体工事の工期は29日~2020年10月31日。本体工事のうち、名護市辺野古の米軍キャンプ・シュワブ内の陸上部分での仮設道路や仮設ヤードの工事などを先行させ、その後、埋め立て工事に入るとみられる。
 菅義偉官房長官は28日の記者会見で「政府としては、関係法令に基づいて自然環境や住民の生活環境に最大限配慮しながら、辺野古移設を進めたい」と述べ、移設推進に重ねて意欲を示した。
 一方、是正勧告は、文書が県に到着した翌日から5日以内に回答するよう求めている。休日を除くため、回答期限は11月6日になるとみられる。県が勧告に 応じない場合、政府は高等裁判所に提訴し、勝訴すれば、公有水面埋め立て法を所管する国交相が埋め立て承認を代執行する方針だ。
 政府が代執行を求める訴訟を急ぐのは、県側が工事差し止め訴訟を起こせば、司法判断が出るまでにかなりの時間がかかるためだ。
 防衛省幹部は「代執行を巡る訴訟で法律上、早く決着させ、それを知事に突きつけて協議を進めた方がいい」と解説する。政府は代執行が認められる可能性が 高いとみている。政府関係者によると、菅氏は防衛省に対し、「沖縄の危険性除去のため、できることは早くやるように」と指示したという。
 1995年に沖縄県知事を被告とした代執行の訴訟は8カ月で最高裁判決が確定した経緯がある。政府には来年夏の参院選前に司法判断を得て、埋め立て承認の問題を解決する思惑もありそうだ。
 翁長氏は28日、「国が代執行の手続きを行う司法の判断を問うのであれば、判決がなされるまでは作業は開始すべきでない」とコメントを出し、埋め立て工事の着手は認められないとの見解を示した。
 民主党の枝野幸男幹事長も記者会見で「沖縄の歴史、心情を踏まえるならば、強権的に進めることは終戦直後の銃剣とブルドーザーを想起させる」と政府を批判した。 ≫(毎日新聞:村尾哲、佐藤敬一)

実質的には、沖縄県にとって異様に厳しい状況が生まれている。沖縄県民が、ここで挫けてしまうと、官僚と官邸の思う壺である。おそらく、法廷闘争においても、有利と判断できる空気感がない。裁判官にとって、世間の空気感は非常に重要なファクターだから、オール沖縄であるのなら、翁長知事を支援するあらゆる勢力の蜂起が求められる。翁長知事は「沖縄独立は望んでいない」と明言していたが、前言取り消しの上、行動を起こさなければ、辺野古の海はコンクリートに変り、日本の防衛に役立たずの米海兵隊と中国刺激の自衛隊のジェット機とヘリの訓練空港になるだろう。政府が怖がり、国民の注目を浴びるようなパフォーマンスに打って出るべき時期が、まさに今である。

菅と云う奴は、ほとほとトンデモナイ男だ。上記の沖縄県への行政執行是正勧告と云う暴挙を平気で実行し、自治会長を買収した。これだけで十二分に、弱者の敵だが、極めつけで何をするかと思えば、大阪知事選、市長選で対峙する松井と平気で面会すると云う闇金のオヤジのような行動に出た。維新の会を分裂させ、おおさか維新を作る画策のフォローアップをした上に、自民党と云う党の方針と真逆な闇取引にまで手を伸ばしている。この本質的種明かしは、筆者は読み切れないが、公な行動として、既に今までであれば、流石にマスメディアに叩かれる行動だが、批判的論調は見られない。

官房長官が、この世に怖いものなし。この世に気遣うものなし。このようなファシズム体質な権力亡者は、常に弱者に牙を剥き、強者にはへりくだる。まったく、国家にとっても、国民にとっても、一利もない男なのだ。不快感とか、疑心暗鬼とか評している自民党だが、そう云うレベルではなく、官邸の「不正義」そのものじゃないか。それにしても、偽物維新の党とまで言われた、維新の党の分裂騒動の法的根拠はどうなっているのだろう?ここに関しては、メディアも十分な解説がなされていない。聞く限り、暴力団の分裂抗争以上にグチャグチャしている。総務省が明確な判断を渋っているのか、こうなることに加担したのか、もう少し事実解明には時間が掛かりそうだ。

 ≪ 菅長官と松井知事が会談=大阪ダブル直前、自民は不快感
 自民党と地域政党「大阪維新の会」が対決する大阪府知事、大阪市長ダブル選(11月22日投開票)の告示を目前に控え、菅義偉官房長官と松井一郎府知事(大阪維新幹事長)が28日、首相官邸で会談した。防災対策などの陳情目的で訪れた松井氏だが、官邸との良好な関係もアピールした格好。選挙直前に菅氏が面会に応じたことに、自民党内からは不満の声も漏れている。
 「偽物の維新の党を清算し、けじめをつけ、新たに国政政党をやります」。松井氏は会談で橋下徹大阪市長らとの新党「おおさか維新の会」結成を話題に持ち出した。維新の分裂騒動が気になっていたのか菅氏は「新党には20人程度は集まるのでは」と語ったという。
  5日告示の知事選には松井氏が再選を目指して出馬するのに対し、自民党が党所属府議の栗原貴子氏を推薦候補として擁立。8日告示の市長選も自民推薦と大阪 維新公認の両新人が激突する。松井氏は会談後、記者団に「パフォーマンスでアピールする必要もなく、大阪の皆さんも分かっていただいていると思う」と官邸との近さを誇示した。
 一方、自民党の谷垣禎一幹事長は28日、党府連会長の中山泰秀衆院議員と党本部で会い、選挙情勢を分析した。谷垣氏は27日の党会合で、安倍晋三首相から「(維新と)きちんと戦わなければ、大阪の自民党勢力は立ち直れない」と指示を受けたと明かし、結束を呼び掛けた。
  だが、同党内では官邸サイドが維新側に配慮するとの疑念は消えていない。党幹部は菅、松井両氏の接触について「良くない。府連がよく思うはずがない」と不快感を表明。「(党内が)疑心暗鬼になるのが怖い。本当に陳情だけなのか」(大阪選出議員)と、動揺が広がることへの懸念が出ている。 ≫(時事通信)

安倍晋三と岸信介の「日米安保」 「戦争」に取りつかれた宿命の一族
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●中国は千客万来 “米軍艦出動!”騒いでいるのは日本だけ 

2015年10月28日 | 日記
雇用身分社会 (岩波新書)
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●中国は千客万来 “米軍艦出動!”騒いでいるのは日本だけ 

米軍艦が南シナ海・南沙諸島で「航行の自由」作戦を実行したことで、わが国のメディアは躁状態に陥っている。特に「日本会議」御用達新聞や「経団連」御用達新聞の報道が過熱している。いかにもイージス艦が横須賀基地から高らかに出航、中国が実効支配している南沙諸島の岩礁強化コンクリ島12カイリ領海内を航行したのだから、平和ボケ国家の国民には、多少は刺激的なのかもしれない。また、軍事オタクたちにとっても、垂涎な出来事に映るのだろう。平和主義者の人々にとっては、戦々恐々の出来事かもしれない。

しかし、世界の戦場、アフガン、イラク、シリア、ウクライナ、リビア等々では日常茶飯な殺戮が起きている国々の人々から見れば、イージス艦が強がり航行をしたくらいで、キャ~キャ~ピ~ピ~騒ぐことの方が、異様に映るに違いない。中露のメディアにしろ、韓国、台湾、EU諸国のメディアも対岸の火事どころか、「それがどうした?」と云うような按配のスタンスで、面倒だが「国際」の紙面のベタ記事くらいにしておこうか程度の話である。軍事オタクな記者を養成しているような産経新聞や夕刊フジが口角泡を飛ばして語るのは肯けるが、日経と云う経済紙が軍事オタク化しているのが酷く可笑しい。以下は日経の主だった今回の米軍「航行の自由」哨戒行動に関する煽り記事である。

 ≪ 米駆逐艦、中国・人工島12カイリ内に 中国の反発必至
【ワシントン=吉野直也】米海軍のイージス駆逐艦が現地時間の27日午前、中国が「領海」と主張する南シナ海の人工島12カイリ(約22キロ)以内の海域で哨戒活動に入った。米国防総省当局者が26日深夜(日本時間27日午前)、日本経済新聞の取材に応じ、明らかにした。
 人工島の造成など南シナ海での活動を活発にする中国をけん制するとともに、同海域の安全保障で米国の役割を同盟国や友好国に示すのが狙いだ。中国の反発は必至で、米中の緊張が高まる可能性がある。   哨戒活動は「航行の自由」と名付けた作戦にもとづいて行われる。同当局者は米駆逐艦は横須賀基地配備の「ラッセン」で、派遣先は南沙(英語名スプラトリー)諸島で、スービ(中国名・渚碧)礁、ミスチーフ(同・美済)礁と言明した。哨戒活動の目的に関しては「国際法に基づく日常業務だ。米国は航行の自由のために世界で活動している。海洋権益を過度に主張する国には対抗する」と説明した。
 スービ、ミスチーフとも中国による埋め立て工事前は 満潮時に水没する暗礁で、国際法上、領海とは認められない。駆逐艦にはP8など米対潜哨戒機が同行している公算が大きい。米軍はさらにフィリピンやベトナムに近い南沙諸島の岩礁周辺への軍艦派遣も検討中。「特定の国を標的にしているわけではない」という米政府の建前と辻つまを合わせ、対話による問題解決の 余地も残す。
 米軍は今年5月以降、中国が造成する人工島12カイリ内に米艦船や航空機を送る考えを明らかにしていたが、ホワイトハウスが「待った」をかけていた。9月下旬のオバマ米大統領と中国の習近平国家主席との会談でも、習主席は人工島造成の中止要請を拒否した。
 オバマ氏はその直後、米艦船派遣を了承し、米側は関係国にその方針を伝達した。米国の同盟国や友好国には南シナ海での中国への対応に不満や不信が高まっていた。  ≫(日経新聞電子版)


 ≪ オバマ氏、ついに怒る 夕食会で一変した対中戦略 (風見鶏
世界の指導者は2つのタイプに分かれる。どんな相手とも「話せば分かる」と信じる人と、その逆だ。前者の典型は、オバマ米大統領である。
 彼に接したことがある政府高官らは「オバマ氏は軍を動かすのをいやがる」と語る。なぜなら、たいていの問題は、話せば何とかなると思っているからだ。
 そんな彼がついに怒りを爆発させ、対話に見切りをつけたという。9月24日、ワシントンにやってきた習近平中国国家主席との夕食でのことだ。
 ごく少人数なら本音で話し、接点を見つけられるかもしれない。オバマ氏はそう考え、翌日の晩さん会とは別に、側近だけによる私的な会食を用意した。
 いちばん取り上げたかったことの一つが、中国が南シナ海の岩礁を埋め立て、軍事施設をつくっている問題だ。ところが、ふたを開けてみると、やり取りはさんたんたるものだった。
 複数の米政府筋によると、オバマ氏はかなりの時間を割き、軍事施設の建設をやめるよう求めた。だが、習氏はまったく取りあわず、箸にも棒にもかからないやり取りに終わった。
 その夕食会の直後、憤ったオバマ氏は側近に命じ、ただちにハリー・ハリス米太平洋軍司令官に連絡させ、こう通告したという。「南シナ海での作戦を承認する」
 この作戦とは、中国がつくった「人工島」の12カイリ(約22キロメートル)内に、米軍を派遣するというものだ。国際法では、各国の沿岸から12カイリを領海と定めている。そこに米軍の艦船などを送り込み、「人工島」を中国の領土と認めない姿勢をみせるというわけだ。
 この計画は、すでに6月ごろに米軍首脳が立案し、実行しようとしたが、オバマ氏が承認を渋っていた。習氏との直談判に望みを託していたからだ。
 「習氏との会談が決裂したことで、オバマ氏は中国に融和的な姿勢をみせても協力を得られないと悟った。米国の対中政策にとり、大きな転換点になるだろう。中国は墓穴を掘った」
 世界的に著名な米戦略家であり、中国に関する近著もあるエドワード・ルトワック氏はこう分析する。  では、このできごとは日本にどんな影響をもたらすのか。
 「力による現状変更を黙認したら、アジアは不安定になってしまう」。複数の外交筋によると、日本や一部の東南アジア諸国は米側にこう訴え、「人工島」付近に米軍を派遣する作戦の実行を促してきた。その意味で、オバマ氏の決断は日本にも朗報といえる。
 その一方で、近づく米軍を中国軍が阻もうとすれば、米中が意図しなくても紛争になる危険がある。そのとき、日本はどうするのか。安全保障関連法が成立したいま、これまで以上に真剣かつ、慎重に検討しなければならない。
 もっとも、「話せば分かる」の対中路線を、オバマ氏が完全にかなぐり捨てるというわけではないだろう。核開発問題をめぐるイランとの合意、敵対してきたキューバとの国交回復。この路線でつかんだ実績も少なくないからだ。
 彼の任期はあと1年あまりしかない。「南シナ海で中国と対立しながらも、温暖化対策やアフガニスタン復興では協力し、成果を上げる余地を残すべきだ」。ホワイトハウス内からはこんな声も聞かれる。  テーブルの上でケンカをしながら、下では握手も交わす。大国はよく、こんな行動に出る。舞台裏の米中の駆け引きにも目をこらし、中国への圧力と対話をどう加減するか。安倍政権の判断力が試される。 ≫(日経新聞電子版:編集委員 秋田浩之)


≪ 米中激突なら……、米研究所が衝撃予測  編集委員 秋田浩之
アジアの安定や日本の防衛は、米軍に大きく頼っている。いざというとき、在日米軍が大打撃を受け、機能がマヒしてしまったら、大変だ。そんな危険を警告する報告書が最近、有力な米シンクタンクから出された。
 この報告書を発表したのは、米国防総省と結びつきが深い有力シンクタンク、米ランド研究所。中国軍の増強により、アジアにおける米軍の活動がどのような影響を受けるか、公開情報をもとに予測した。

■脅威高まる在日米軍基地
 題名は「米中軍事得点表~部隊、地理、進化する勢力バランス、1996―2017」(The U.S.-China Military Scorecard. Forces, Geography, and the Evolving Balance of Power, 1996―2017)。  この報告書の特徴は、中国軍による(1)台湾への進攻(2)南シナ海の南沙諸島への進攻――の2つのシナリオを想定し、米軍が介入した場合にどうなるか、詳しく分析していることだ。
 しかも、おおざっぱな比較ではなく、航空優勢や航空基地への攻撃力、水上戦能力といった10種類の戦力に分け、1996年、2003年、2010年、2017年の時系列で比べている。
 その結論は、日本にとっても不安を抱かざるを得ない内容だ。報告書はまず、米中の軍事力の差はなお大きいとしながらも、中国軍は、米軍の介入を阻む能力を急速に強めていると指摘する。 日本にとってとりわけ深刻なのは、中国軍の攻撃力が増し、在日米軍基地や、空母を中心とする米艦隊への脅威が大きく高まっているという点だろう。た とえば1996年時点では、中台紛争に米軍が介入したとしても、中国軍は在日米軍基地を攻撃できるミサイルをもっていなかった。
 ところが、2010年までに、ミサイル攻撃により、米空軍の主力拠点である嘉手納基地(沖縄県)を4~10日間、閉鎖に追い込める能力を手に入れた。2017年には、16~43日間の閉鎖を強いることができるようになるという。
 報告書はさらに、米空母が中国の潜水艦に探知され、攻撃される危険が急速に高まっているとも警告する。中国軍は、潜水艦艦隊をスリム化する一方で、偵察衛星などを使い、水平線をこえた「目標物」を見つける能力を強めているからだ。

■空母も標的に
 そこで気がかりなのが、こうした現状を踏まえた提言だ。
 紛争の初期段階では、中国から離れた海域に空母を展開することも検討すべきだ――。 報告書はこう明記し、紛争が始まったばかりで米軍が優勢を確保できていない段階では、空母を日本周辺から太平洋の南に下げるべきだ、と提案している。中国軍の増強により、もはや、空母を自由自在に東シナ海に展開できない、と認めたにひとしい。
 日本の防衛は戦後、米軍が圧倒的な強さを保ち、アジアの警察役をはたしてくれるという前提で成り立ってきた。なかでも「動く基地」である空母の存在は、米軍の強さの象徴ともいえた。
 こうした前提が崩れているとすれば、日本への影響も大きい。
  「米軍は日本防衛への決意を示すため、空母を横須賀に配備してきた。だが、空母はもはや、中国軍の格好の標的になりかねない。これからは潜水艦など、目に見えづらい部隊を在日米軍の主力にすべきだ」。米軍戦略にかかわる元米政府高官からは、すでにこんな意見が出はじめている。
 在日米軍基地が危険になっているという認識は、すでに日米両政府も抱いている。複数の日米両政府筋によると、その対策として、(1)米軍と自衛隊の基地共同使用を広げ、互いの部隊の配置を分散させる(2)戦闘機の格納庫などの強度を高める(3)ミサイル防衛の連携を深める――などの案が検討されている。
 先の国会では、安全保障関連法が成立し、米軍などへの自衛隊の支援を拡充できることになった。日本はこの運用も含め、米側とじっくり、戦略をすり合わせるときにきている。

秋田浩之(あきた・ひろゆき) 1987年日本経済新聞社入社。政治部、北京、ワシントン支局などを経て編集局編集委員。著書に「暗流 米中日外交三国志」。  ≫(日経新聞電子版)


まあ読めば読むほど、日経が先の国会で強行採決された、所謂「戦争法案」を更に深化強化しなければならないと主張している。おそらく、この調子だと、南沙諸島周辺のパトロールも自衛隊と共同でと云うニアンスに傾いていきそうな勢いだ。日本の財界がアベノミクスなどと云う絵に描いた餅政策よりも、実需を伴うアクシデントを欲していると云うことになる。第二次世界大戦のような大事にはしたくないが、朝鮮動乱くらいの規模なら、特需があるよね。ストレートに言えないとなれば、中国の脅威論を展開するのも常套手段だ。この辺をチェックする意味では、毎日が丁寧に、今回の米軍「航行の自由」と名付けた哨戒作戦に対する近隣諸国の鈍い反応にスポットを当てた記事を書いている。


 ≪ 米艦南沙派遣:板挟みに悩む韓国 欧州は関心薄く
米軍艦が南シナ海・南沙諸島で「航行の自由」作戦を実行したことへの周辺国・地域の反応は割れている。
 ◇韓国
 【ソウル大貫智子】韓国外務省報道官は27日、米軍による「航行の自由」作戦実施について「事実関係を確認中」と述べるにとどめた。メディアや識者からは踏み込んだ立場表明をすべきだとの指摘が出ているが、韓国政府は北朝鮮問題などでの協力が必要として中国を刺激したくないのが本音で、「十分に立場は表明している」と反論している。
 報道官は、事実と確認できた場合には米軍の行動を支持するかとの日本人記者の質問に「仮定の質問には答えられない」と述べた。
 韓国政府は、朴槿恵(パク・クネ)大統領の今月中旬の訪米で、米韓同盟の重要性を再確認し、韓国が中国に偏りすぎているという「中国傾斜論」が払拭(ふっしょく)されたとアピールしている。
 しかし、オバマ米大統領は米韓首脳会談後の共同記者会見で、南シナ海問題を念頭に、中国に対して韓国も積極的に対応するよう求めた。
 オバマ氏の発言について、米韓関係に詳しい峨山(アサン)政策研究院の崔剛(チェ・ガン)副院長は「中国傾斜論は今も残っている。航行の自由による恩恵を受ける国として韓国も何らかの寄与、少なくとも立場表明はすべきだというのが米国の立場だ。これからもさまざまなレベルで要求してくるだろう」と話す。
 一方、青瓦台(大統領府)関係者は「わが国の輸出の30%、石油輸入の90%が南シナ海を通っており、この地域での紛争は望ましくない」と指摘。 そのうえで「国際的に確立された規範にのっとり、平和的な紛争解決をしなければならないという立場をこれまでも明らかにしている。我々が(これ以上)踏み 込んだ立場を表明することは適切ではない」と反論し、新たに対応する必要はないとの考えを強調した。  崔氏は「韓国は、中国とも米国とも良い関係を維持しなければならない。朴政権の間はずっとジレンマが続くだろう」と見る。

 ◇欧州  
【ロンドン矢野純一、ベルリン中西啓介】ドイツやフランスなど欧州諸国は27日夕までに、目立った反応を見せていない。独仏両国については、メルケル独首相が29日、オランド仏大統領が11月2日から、それぞれ訪中を予定していることが背景にあるとみられる。
 中国の習近平国家主席を迎えたばかりの英国も、事情は変わらない。キャメロン英首相と習主席の21日の首脳会談は経済関係強化に焦点があてられ た。会談後、首相官邸は「南シナ海問題も含めた地域の安全保障について議論した」と説明したが、具体的内容には立ち入らなかった。
 英王立防衛安全保障研究所のエドワード・シュワーク・アジア研究担当研究員は「航行の自由は英国にとっても重要だが、英国への直接の脅威はほとんどない」と話した。
 ドイツが議長国をつとめた6月の主要7カ国首脳会議(G7サミット)の首脳宣言では、南シナ海での中国の行動を念頭に、威嚇や武力の行使など、大規模な埋め立てを含む一方的な行為に強く反対していた。

 ◇台湾  
【台北・鈴木玲子】南沙諸島最大の太平島と東沙諸島を実効支配する台湾では、国防部(国防省)幹部が27日、記者会見で「米国の巡航は通常活動。(台湾)軍は南シナ海の海空域での活動を掌握できている」などと述べるにとどめ、米国と中国の双方に配慮を示した。
 台湾にとって米国は安全保障を含め事実上最大の後ろ盾。一方で馬政権は2008年の発足後、対中融和路線で中台関係改善を進めてきただけに、中国への刺激も避けたいところで、慎重に情勢を見極めている模様だ。 ≫(毎日新聞)


AIIBを核とした中国の「一帯一路」戦略が本当に実現するかどうか、半信半疑ではあるが、周辺各国は自国経済に実需を齎してくれるのであれば、アメリカのマネーだけ経済よりも、実体を伴う、人モノにも影響する中国主導の経済活動に参加したいのは当然だ。習近平は訪米でオバマを怒らせて、意図的に米軍の南沙省島周辺の哨戒活動をさせる悪意があったようにも受け取れる。今まさに、オバマが怒って米軍が動き、誰が付いてくるのかと後ろを見ても、遠くに日本の自衛隊の影がある程度だ。

韓国にしてみても、経済上中国依存が顕著なわけで、米中どちらにもつきかねるジレンマを抱える。台湾も複雑だ。中国共産党は26日から「第18期中央委員会第5回総会」(5中総会)を開会しており、その後、オランド仏大統領、メルケル独首相の訪中もある。オマケだが、モンゴル大統領も訪中だそうだ。英国、ドイツ、フランス、ロシア、イラン、韓国、台湾等々が米中の距離感外交を貫き、日豪比がアメリカにベッタリ。どっちが選択肢を残した外交なのか、常識的に判断できるものだ。それが出来ないところに、日本と云う国の成熟できない悩みがあるのだろう。まあ、今夜はこの辺で。

優しいサヨクの復活 (PHP新書)
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●壊れてきたよニッポン無茶苦茶 再起不能にならなきゃ良いが

2015年10月27日 | 日記
生きて帰ってきた男――ある日本兵の戦争と戦後 (岩波新書)
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●壊れてきたよニッポン無茶苦茶 再起不能にならなきゃ良いが

菅官房長官が白昼堂々と、辺野古地区の3人の区長(集落自治会長の地位?)を相手に買収劇を繰り広げたらしい。公正公平がモットーのマスメディアは、何事でもないようにベタ記事扱いで報じている。朝日は流石に反応していたので、参考掲載する。しかし、今や、安倍官邸の御法度破りに慣らされたのか、異例というより異様と思える行為を平然と見逃すほど、日本のマスメディアはフグの毒ならぬ、権力と金と利権にドップリ浸かった姿を象徴している。正直、国内政治は、明確な反自民公明と云う野党連合が動きださない限り、コラムに取り上げてもほとんど意味をなさない。それほど、腐れ切っている。書きだしたらキリがないほど酷いのだ。それもこれも、アメリカ頼りの官僚らのなせる業、もう一歩切り込めばCIAのなせる業。中南米諸国で暗躍するエージェント達と何ら変わらないね。

名護市の区長ってのは何者か、中々判らなかった。東京で考えると、渋谷区長、世田谷区長などのイメージがあるが、所謂地方自治が円滑に稼働するために設けられた「行政区」まあ何々町と云う感じなのだが、町内会長よりは公的立場であるが、市の手足行政機関と云う性格を有している。一番理解出来るとすれば自治会長と云う立場かもしれない。自治組織の一つだが、自主的判断や行政を市から独立して行うことは、原則考えていない法的立場と思われる。しかし、此処に目をつけたのが菅官房長官と云うか、裏の仕掛け人なのだろう。この人たちを踊らせることで、名護市の意志は「基地反対一色ではない」と云う分断工作に乗り出したと見るべきだ。

この行政区長は、一応選挙が行われるので、公的性格も有するこの自治区に目をつけるとは、敵も中々なものである。曖昧なこと、書いていないこと、それは法理や常識とかに囚われず、政治闘争の中では、御法度はないと云う民主主義の欠点や条文の空白を丹念に探って、抜け道や政治利用できる道を探り続けているプロ集団が存在しているようだ。しかし、ネトウヨらの過去からの発言などを見聞きしていると、この行政区の区長発言を、公正公平の御旗のようにして喧伝していたフシがある。

この自治区は、市からの事業委託料や軍用地料の分配金などで年間約2億円近い予算を有している。2013年に名護市辺野古地区の行政区長選挙が行われ、偉く小さな規模だが、現職大城康昌氏と新人の嘉陽宗克氏が407票対407票の同数となり、くじ引きで新人の嘉陽宗克氏が新行政区長となったらしい。ちなみにこの行政区長選は46年ぶりに行われたそうである。完全に基地容認だった大城康昌氏が退き、市長が基地反対である以上、県外移設も視野に宙ぶらりんで意思表示しない方が得じゃないのか?的な嘉陽宗克氏を上手いこと動員したのだろうと思われる。損得勘定重視も自治会長の手腕と言えるので、彼自身の官邸ノコノコを咎めるわけにもいかん。しかし、此処に目をつけて、揺さぶりを掛けるなど、あまりにも姑息すぎて、怒る気にもなれない。


≪ 政権、辺野古3地区に直接振興費支出 県・市の頭越しに
 安倍政権は26日、米軍普天間飛行場(沖縄県宜野湾市)の移設先とする同県名護市辺野古周辺の3地区の代表者を首相官邸に招き、今年度中に振興費を直接支出することを伝えた。移設計画に反対する沖縄県と名護市の頭越しに地元と直接交渉し、移設に向けた「同意」を浮き立たせる狙いがある。
 この日、官邸では菅義偉官房長官ら政権幹部と、名護市辺野古、豊原(とよはら)、久志(くし)の「久辺(くべ)3区」の代表者による懇談会が開かれた。地元からは辺野古の嘉陽宗克(かようむねかつ)、豊原の宮城行雄、久志の宮里武継(たけつぐ)各区長が出席。菅氏は各区長に「3区の補助事業の実施にできるだけ協力する。具体化を図っていきたい」と伝えた。
 会合では、防衛省の井上一徳沖縄防衛局長が補助事業の大枠を説明した。3区の要望した防災備蓄倉庫の整備や芝刈り機の購入などを対象に、今年度中に国から直接補助する枠組みを検討中だと表明。また来年度についても、必要な予算確保に努めることを伝えた。政府関係者によると、予算規模は今年度分で3区合わせて計3千万円前後を検討している。
 適用する法律について、政権内では「防衛施設周辺の生活環境の整備等に関する法律」が定める「基地周辺対策費」の活用が検討されている。ただ、同法の適用は自治体に対する支出が一般的であり、この日も法的な枠組みについては明らかにされなかった。
 沖縄県の翁長雄志(たけし)知事は前知事による辺野古の埋め立て承認を取り消しており、名護市の稲嶺進市長も「知事を全面的に支持する」と辺野古移設に反対する姿勢は鮮明だ。そうした中で、国が地方自治体を通さず、地元と直接交渉して公金を支出する。
 会合終了後、記者団から公金支出のあり方を問われると、井上局長は「地元の要望に応える形で、というのは私の記憶する限りはない」と語り、異例な手法であることを暗に認めた。
 一方、地元の3区長は期待をにじませた。会合で、辺野古の嘉陽区長は「(3区からの)要望事項の一つ一つを、区民の目に見える形で進めていただければ」と注文した。
 名護市では、久辺3区のある東海岸側は市街地の広がる西海岸側と比べてインフラ整備が遅れ、「東西格差」に対する不満が渦巻く。このため、十分な地域振興策を条件として辺野古への移設計画を受け入れる考え方が出ている。
 ただ、自治体の頭越しに懐柔を図るやり方には反発も強い。稲嶺市長は26日、名護市内で官邸で開かれた懇談会への感想を問われ、「国が集落に対して直接補助金を出すというやり方は、普通ではない。地方自治への介入だ」と批判した。(鈴木拓也、上地一姫、吉田拓史)
 《武田真一郎・成蹊大法科大学院教授(行政法)の話》
 お手盛りで額を決めて交付するのであれば、補助金等適正化法の趣旨に反する疑いがある。また、自治体ではない各集落が国からの交付金を適正に管理、使用できるのかも疑問だ。お金で地域を分断するようなやり方が、沖縄県民全体の理解を得られるとは思えず、むしろ逆効果ではないか。 ≫(朝日新聞デジタル)


次の御法度破りは、面倒くさい、判決なんか「主文だけで充分。判決理由なんて不要だ」と云う東京高裁高野伸裁判長のひと言で「閉廷、皆さん出ていってください」の言葉と、法廷内暴力事件対応の訟廷係だと云う屈強な男たちに、抵抗し、判決理由が聞きたいと粘る被告人らをごぼう抜きで退廷させたそうだ。高裁の外には警察の護送車、指揮車が待機し、裁判所の中は私服刑事が溢れかえっていたと田中龍作氏がブログで報じている。この判決で、国が経産省前の脱原発テントの代表に対してテントの撤去と損害賠償請求を求めていた一審判決、テントの撤去と損害賠償3,200万円の支払いと云う判決が棄却された。次は最高裁上告だが、結果は推して知るべし、無力感も漂う。
http://tanakaryusaku.jp/


ネット上で日曜日のNHK政治討論番組に関して怒りが沸騰しているが当然だ。昨日のNHKの日曜討論は、小野寺五典(自民),細野豪志(民主),石田祝稔(公明),井坂信彦(維新),小池晃(共産),片山虎之助(大阪維新の会),吉川元(社民),和田政宗(次世代の党)の8議員が呼ばれた。なぜ片山虎之助が呼ばれたのか、まだ公党でもない結成予定政党がお化けのように出てきているのは、NHKの恣意があると断じても良いし大阪府知事選、市長選絡みのこの時期に、いかにも「大阪維新の会」は公認されると云う前提で公党扱いした点は不偏不党とは真逆な行為だろう。それも安倍のお友達籾井会長の顔色を見ての差配だろうから、手に負えない。何をやっても、何を言っても怖くない時勢になりつつある。官邸よりでさえあればだが……。

まあ、おおさか維新が官邸とツーカーなわけだから、目を瞑るとしても、「次世代」を出すなら「生活」を出すのは絶対的配慮だが、そういう配慮も面倒くさくなっているようだ。もう正体がばれた枯れ尾花、やりたいようにやっちまえの心境だろう。それもこれも、自民公明にとって、共産党の「国民連合政府」提案が余程堪えている趣を見せていた。そりゃあ宮城県議会選で共産党大躍進の噂が流れていたので、特に公明とが焦りを見せていたようだ。共産党が伸びると、公明党の集票マシンの歯車が幾つか欠損するのが判っているからだが、政権与党としてみっともない。

 公明党に“みっともない”という観念はないだろうが。河北新報、しんぶん赤旗と続けて掲載しておく。もう少し時間はかかるが、「国民連合政府」の流れは、永田町を震撼させる秘めたパワーがあるのかもしれない。筆者の自民党支持の友人二人と話をしていたが、この二人、流石に安倍たちの自民党は、あまりにも拙いよ。だからって、民主党はもっと駄目だろう。今さら生活ってのも癪だしね。結局、共産党に、一定の力を与えて、自民党の暴走を牽制して、もう少し民主主義の礼儀を守る政治をして貰わんと、恥ずかしすぎるだろう、そんなことを言い出していた。現実に、その流れは、僅かづつだが流れ出している。

*コメントで気づかされたのだが、共産党提案の「国民連合政府」構想は、かなりの好感度で有権者に受け入れられているフシがある。以前から、与党自民党にお灸をすえる習慣もあったので、「国民連合政府」が全面的に支持され出したとは言い切れないが、この「国民連合政府」のお陰で、民主や維新の影響力は大きく削がれている。公明党も削がれている。危機感を肌身で知ったのが公明党で、民主などは、此処ここに至るも、ノー天気な屁理屈ばかりこねている。この宮城県議会選挙の結果を見る限り、民主党は次期参議院選前に、解党的な決断を迫られるのは必須の状況に追い込まれた。

 ≪ <宮城県議選>反安保 共産が躍進
 「宮城秋の陣」でも共産旋風が吹き荒れた。25日投開票の宮城県議選は8月の仙台市議選に続き、安全保障関連法の廃止を前面に出した共産党が2011年の前回を大幅に上回る議席を得て躍進した。自民党は守勢を強いられ、落選の憂き目に遭う現職も出た。
 わずか31票差に泣いた4年前の涙を、当選に輝く満面の笑みに変えた。
 4人が定数3を争った若林選挙区は、福島一恵さん(54)が共産として選挙区初の議席を獲得した。福島さんは「安倍暴走政治を止めたいという民意の表れだ」と勝利を宣言し、事務所で喜びを爆発させた。
  仙台市議5期を経て、東日本大震災後の前回県議選(2011年)に臨んだが惜敗した。復興の力になりたいと落選をばねに沿岸部を奔走し、地道に支持を広げ た。福島さんは「村井県政は中央ばかりを見ており、地元に冷たい。被災者そっちのけの県政を変える」と決意をみなぎらせた。  宮城野選挙区(定数4)では、共産新人の大内真理さん(37)が党悲願の初議席をつかんだ。テレビが当確の速報を伝えると、事務所には抱き合う支持者らの歓声が響き渡った。
 6歳になる長男の母親として子育て真っ最中。安保法に不安を募らせる県民の声に耳を傾けながら、脱原発を訴えるデモに毎週参加するなどし、市民運動家としてマイクを握り続けた。
 大内さんはガッツポーズを何度も決め、「子どもたちが未来に希望を持てる県政をつくる」と誓った。  大崎選挙区(4)も新人内藤隆司さん(57)が初当選を飾った。県議選は3度目の挑戦。安保法反対、環太平洋連携協定(TPP)反対などの訴えに元宮城県鹿島台町長、元県農協中央会長らが共鳴するなど、支援の渦は急速に拡大した。
 内藤さんは「党派を超えて力が結集した。安倍政権への怒りが当選へと押し上げてくれた」と追い風の手応えをかみしめた。
 共産が大躍進に沸く中、自民の候補者は軒並み苦戦を強いられた。石巻・牡鹿(5)では、党県連総務会長の現職池田憲彦さん(62)が落選。石巻市の事務所で「精いっぱい戦ったが駄目だった。申し訳ない」と支持者に頭を下げた。
 政権与党や村井嘉浩知事とのパイプを強調し、「復興予算を持ってこられるのは自分しかいない」と訴えたが、浸透しなかった。池田さんは「私の力不足」と語り、肩を落とした。
          ◇         ◇         ◇  
宮城県議選は25日、投票が行われ、即日開票の結果、無投票当選の11人を含む新県議59人が決まった。自民は27人で、前回(2011年)から1減らし たものの、最大勢力を維持する。村井嘉浩知事の県政与党を掲げる公明と合わせて過半数を確保した。共産は議席を倍増させた。
 自民以外の政党別内訳は民主が5人。維新1人、公明4人、共産8人、社民1人が決まった。無所属は13人。
 投票率は40.03%で、過去最低だった前回の41.69%を下回った。 ≫(河北新報)


≪「国民連合政府」は脅威? NHK「討論」 公明が共産党攻撃繰り返す
 日本共産党の志位和夫委員長の「国民連合政府」の提案への世論の関心の高まりによほど脅威を感じたのか。25日のNHK「日曜討論」で公明党の石田祝稔(のりとし)政調会長が異常な共産党攻撃を繰り返しました。
 番組の終わり近く、「国民連合政府」の提案での「野党連携の可能性」を司会者から聞かれた日本共産党の小池晃政策委員長は「いま、意見の違いは脇 において、安倍政権を倒すために野党は力を合わせるべきだと思っています。そのために選挙の協力もしようではないかと訴えたい。それが国民の今の声に応える野党の責任です」と語りました。
 すると、番組終了間際、石田氏が「ちょっと一言、私も」と声を上げ、「50年も60年も自衛隊は違憲だとか、日米安保廃棄と言っていたのを、それを脇において選挙で一緒にやりましょうというのはおかしい」とまくしたてました。
 小池氏は直ちに、「これだけ立憲主義、憲法を守らない(安倍)政権を倒すためには、緊急課題で団結するのが政党の責任だ」と反論しました。
 小池氏の発言中も石田氏が「いやいやそれはおかしい」と声を上げ続けたため、小池氏は「(自民党と野合する)公明党にそんなことを言われる筋合いはない。意見の違いは脇に置いて選挙協力もしようと訴えたい。それが国民の声に応える責任だ」と強調しました。
 意見の違いを脇に置いた野党協力を攻撃する前に、「平和の党」を看板にしながら自民党とともに戦争法を推進する自らの無責任さには思い至らない石田氏の滑稽さが浮き彫りになった場面でした。  ≫(しんぶん赤旗)

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●胡散臭い物見遊山 安倍中央アジア訪問、ユーラシアが笑ってる 

2015年10月26日 | 日記
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●胡散臭い物見遊山 安倍中央アジア訪問、ユーラシアが笑ってる 

安倍の中央アジア歴訪の旅の意味とは、意味なんて、そんなものあるわけはないが、国費を使い、重要案件の国会議論もスルーしようというのだから、それ相当の屁理屈くらいは付け足しているのだろう。正確を期すために、官邸のHPで確認すると、

『安倍総理のモンゴル及び中央アジア5か国訪問について』との表題で

『安倍総理は、10月22日から10月28日の日程でモンゴル及び中央アジア5か国を訪問をいたします。モンゴルへの訪問は、安倍総理としては2年半ぶりの訪問になります。総理在任中に2度のモンゴル訪問を行った総理は過去におらずに、安倍総理が史上初めてであります。モンゴルは、我が国と価値観を共有する地域のかけがえのないパートナーであり、政府としては、頻繁な首脳交流を通じて戦略的パートナーシップの強化を図っていきたいと思います。日本の総理による中央アジア訪問は、2006年以来9年ぶり、5か国全ての訪問は、日本の総理大臣として初めてであります。中央アジアは、天然資源を豊富に産出し、ユーラシアの中心に位置する重要な地域であり、今回の訪問で、日本が一貫して国造りを支えてきた中央アジア諸国との間で、連携の強化を図ってまいりたいと思います。』
とのことである。

安倍の中央アジア歴訪について、お抱えテレビ局アベチャンネル2世と揶揄されるFNN(フジテレビ系)による政治部の解説によると、以下のようになる。

 ≪ 安倍首相中央アジア歴訪 狙いについて政治部記者の解説です。
 今回、安倍首相が訪問している中央アジアは中国の北西に位置し、天然資源に恵まれた国が多くあります。
 最初に訪れたトルクメニスタンは、天然ガスの埋蔵量が世界第4位。2つ目の訪問国タジキスタンは、金や銀、豊富な水資源があります。そして、ウズベキスタンは、石油や天然ガス、ウランなどに恵まれ、経済成長を図るための構造改革も進めています。
 26日には、金などの鉱業が盛んなキルギスを訪問する予定です。 最後の訪問国カザフスタンは、レアメタル・レアアースなどの資源が豊富にあります。トルクメニスタンなど3カ国は、日本の首相として初めての訪問となる中央アジア。 訪問の狙いについて、同行しているフジテレビ政治部・森下知哉記者が解説します。

 今回の中央アジア訪問で、安倍総理は、技術協力やインフラ整備など、日本の得意分野をてこに、存在感を高める一方で、各国に展開される中国マネーをけん制する思惑もある。
 外遊先の中央アジアは、トップが強大な権限を持つ、独裁色の強い国々が多く、首脳同士の関係強化は、そのまま日本企業の進出を拡大させる足がかりとなる。 豊富な天然資源を誇りながら、設備や技術、人材に不安を抱える国々にとって、日本のきめ細かい支援は不可欠で、国際市場の拡大を目指す日本にとっても、大きなチャンスとなる。
 一方で、中国マネーが浸透するこれらの国々で、日本が存在感を示す狙いもある。 これまで地理的に近い中国の企業進出が目立ってきた中で、「トップセールス」と称して、安倍首相が直接訪問すれば、豊富な資金をバックに、外交を展開する中国にくさびを打つことにもなる。 安倍首相としては、こうした外交成果に加えて、9月に成立した安保関連法への理解など、国際的な支持の拡大も図りたい考え。
 ≫(FNN)

しかし、モンゴルを除く、トルクメニスタン、タジキスタン、ウズベキスタン、キルギスが中央アジアにあり、中国やロシアの影響を強く受けている地域で、米国隷属国家として名高い日本の、しかも最も米国への隷属度を極めた安倍首相が、これらの国に関与する中国に対抗するだけの見返りを持参できるかどうか、かなり疑問だ。習近平政権の「一帯一路」の出発地域であり、終着点の英国では、曲がりなりにも大歓迎だったことを思えば、英国及通過経路にあるEUの各国も、AIIB構想を核とする「一帯一路」に大きな期待を寄せているだけに、今回の安倍訪問にどの程度の価値があるか、首を捻らざるを得ない。

外遊と云うスケジュールを受入れてくれる国を模索したら、この辺しか受け入れ先がなかったようにも見えるので、臨時国会を開けない状況を用意するために、為にする外遊であった印象は拭えない。実体経済における成長率が7%を切るのではないかと危惧され、中国の凋落と喧伝されているが、マイナス成長を見せている我が国やEU諸国。アメリカは2~3%台の成長率があるように見せかけられているが、金融関連や無理やりの著作権収入などがけん引しており、人モノ金を伴った成長力は1%前後だろうと言われている。おそらく、戦争しないで、軍事産業が閑古鳥状態になれば、実質成長力は0.7%あるかないかと云うのが通り相場だ。

それから行けば、やはり、6.5%であったとしても、人モノ金が動く中国経済の成長力は、落ち目だと言っても、高成長経済と言えるのだ。グローバル経済の恩恵を最も享受した形の中国経済だからこそ、グローバル経済の部分的パクリ、AIIB構想を核とする「一帯一路」には、それなりの魅力と説得力があるわけだ。どこの誰が、トルクメニスタン、タジキスタン、ウズベキスタン、キルギス諸国に、共有の利益を求めて投資するだろうか。ASEANに投資するのとはわけが違う。月に行って、コーヒースタンドを出すような気分になるだろ

筆者は、これもアメリカの願望か、その願望を忖度した害務省のスタンドプレーなのだろうと解釈している。TPP然りだが、何処まで安倍政権と云うのはアメリカの尻を舐めれば気が済むのか、不思議でならない。今回のTPP合意の内容を見てみると、農産品で負け、自動車で負け、著作権で大負けしているわけで、甘利が一人孤独に自画自賛しているが、「国売り」に精を出した以上でもなく以下でもない。国家主義なんて言葉すら出てこない程情けない交渉だったと云うのが実情だ。なぜこんな馬鹿な出来事が起きるのだろうか。結論だけ言えば、幻の中国脅威論に怖気づいた結果なのだろうと推測できる。

安倍は会見で「かつてない規模の人口8億人、世界経済の4割近くを占める広大な経済圏。その中心に日本が参加する。TPPはまさに『国家百年の計』だ」と嘯いたわけだが、一時の損得勘定だけでも、農業畜産関連の財政手当てが膨らみ、取らぬ狸勘定は不確定だと云うのだから、話にもならん。東洋経済の見出しには自国よりアメリカ重視とまで書かれていた。日本の経済団体も、一部の企業を除けば、個別企業としてメリットがあるのかと言えば、どうも手離しで喜んでいる節はない。つまり、経済界の期待にも応えたものではなかったようだ。現に、日本の代表団は暇を持余していた。 まさに交渉を放棄して、守るべきところを守らず、攻めるべきところは攻めない、安保法制のアメリカ呪縛の連鎖的現象を見せていた。

初めから、白旗掲げて交渉の席についているのだから、甘利が、米フロマン代表の使いパシリが目立ったのは当然だ。ニュージーランドやチリは最後まで、大国の横暴に抵抗していた。まさに国益を死守する気概があった。内容の精査はこれからだが、印象としては、10年で3兆円のメリットどころか、財政的支出もカウントするとマイナスになる可能性すらありそうだ。まあ、実際上のハードルは、各国の議会の賢明なる判断に委ねられるが、オバマとアベと云う二人の能無しが、アメリカの一部勢力の太鼓や笛を聞いて踊っただけかもしれない。そして、その流れで、中国の『国家百年の計』に茶々を入れに行ったわけだが、中国メディアなど、安倍のこのような行動に言及さえしていない。よほど馬鹿にされているのだろう(笑)。最後に、ロシア・スプートニクが、安倍の中央アジア訪問を婉曲に時期尚早と戒めている。満州国の亡霊でも夢見ていたら、これは大笑いだが…。

 ≪ ロシア人専門家、日本が中央アジアで露中と競争するのは時期尚早
 安倍首相はモンゴル、中央アジア歴訪を開始した。このなかで安倍氏はトルクメニスタン、タジキスタン、ウズベキスタン、キルギス、カザフスタンも訪れる。日本の複数の専門家らは、安倍首相の歴訪の目的はこの地域で拡大する中国の影響を抑止することと指摘している。
 有名なロシア人東洋学者で元駐日ロシア大使のアレクサンドル・パノフ氏は、この地域で中国と争うというのは日本には時期尚早との見方を示し、次のように語っている。

 「日本の政治が常に何らかの大きな戦略的目的を持っていると信じたいものだ。今回の安倍首相の中央アジア諸国歴訪はずいぶん前から準備されてきた。だが、その主たる目的はおそらく経済的なものだろう。なぜなら中央アジアに対し、日本の外交はシリアスな政治的立場を持ったことはかつてなく、この地域についての知識もそこで起きているプロセスについての知識も持ち合わせていなかった。ところが地域の重要性を考慮し、特に中東情勢が複雑な今、この訪問の中で地域情勢の評価について指導者らからの情報を得ようとするのだろう。特にテロの危険性が念頭に置かれていると思う。

 もうひとつ、日本が中央アジアに関心を持つファクターは中国がシルクロード・プロジェクトを積極的に推し進めていることに関連している。このプロジェクトの地上部分は今まさに安倍氏が訪問しようとしている諸国の領域を通過している。安倍氏はこの地域で中国人がどれだけ立場を強化できたか、露中の協力がどこまで現実性があるのか、この目で確認しようとしている。この協力については、露中はユーラシア経済共同体とシルクロードの統合プロセスの枠内で合意に達した。こうした計画の実現化で中央アジア地域の前には非常によい展望が開けてくる。このため日本も列車に乗り遅れないようにせねばならない。」

「スプートニク」:これより以前、日本は米国に強いられて中央アジアに金銭的支援を行い、事実上これで彼らの米国への忠誠心を買い集めた。今回もこの実践に立ち戻ることになるのだろうか?

パノフ氏:「15年前、日本は『自由と繁栄の弧』というキーワードを推し進めていた。これは中央アジアを含めたものだ。コメンテーターのなかには、この政策は米国にとって都合のよい政治勢力を支援することに向けられたものだろうとの見方を表していた。だが、いくら米国が日本の目の前にこうした野心的課題を掲げたところで日本人には経験も人材もロジスティックスな支援もない。この地域の政治情勢に効果的に影響を及ぼす可能性も有していない。」

 「スプートニク」:日本は中央アジアへ復帰した場合、そこで中国、ロシア、上海協力機構のライバルとして振舞うのか、それともこれらの国の協力のための可能性が見つかるだろうか?

 パノフ氏:「今の段階では日本はこの地域で自国の側から競争について語れるほど、そんなに強い立場を有していない。将来、日本が中央アジアの経済プロセスに参加すれば、これはただただ歓迎されるだろう。だが、日本がここでリーダーシップをとることはないのは明白だ。仮に日本が今この地域で起きている経済統合プロセスに加わりたいと思うのであれば、私はそのための可能性はあると思う。この地域では中国の万里の長城で自分を囲い込む国はない。だがすべては中央アジアの活性化に対して日本指導部がいかなる戦略課題をたてるかにかかってくる。これに関しては答えより疑問のほうが多い。今回の安倍氏の歴訪はどうやらテ スト訪問のようだ。訪問がどう行われるかではなく、このあと何が続くのかを見守らねばならない。」
 ≫(SUPUTNIK:アンドレイ・イワノフ)

驕り昂ぶる米国の良識人の滑稽本

アメリカの世紀は終わらない
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●反中という日本病、反日という中国病 “反目”棚上げの知恵

2015年10月25日 | 日記
人間・始皇帝 (岩波新書)
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●反中という日本病、反日という中国病 “反目”棚上げの知恵

20年ほど前になるが、西新宿に近い代々木に住んでいた。都営地下鉄の駅も近く、都庁も近く、かなりの立地マンションだった。新宿東口にも徒歩10分程度、場外馬券場も隣接。新宿伊勢丹から歌舞伎町までが、徒歩圏内だったので、痛くご満悦だった。しかし、筆者のご満悦は長くは続かなかった。マンションの自治が上手く機能しなくなったのだ。何故かと言えば、その利便性は、格好の投資物件と化したわけだ。つまり、不動産投資価値が上がると同時に、住環境と云う意味では、低下の一途を辿ることになる。

全居室の1割程度が中国系の企業や個人が所有したようだったが、1割の所有権者に対して、居住者数がベラボーに増加し、感覚的だが4割の中国人居住と云う状況になった。それだけなら、我が居室にまで闖入はしてこないから大丈夫かと思っていたが、予測は外れた。彼らの話声と云うもの、言語の特長かもしれないが、やたらとデカイ。窓越しにバンバン聞こえてくる。ゴミ置場の収拾がつかない程度なら、手の施しようもあるが、エレベーター内、廊下、階段などに、一緒くたのゴミが放置される。民族独特の料理を含む臭いもバルコニーを通して、爽やかな明治神宮渡りの空気などと云う問題ではなくなった。

まあそんなこんなで、堪らず、かなり交通の便など不利だったが、都心から30分程度の町に、逃げ出したわけである。まあ、住んでいる分には問題ないが、交通はかなり不便で、車利用が大幅に増え、運動不足は目に余り、医者からジムに通えと命令が下された(笑)。それは余談だが、その代々木のマンションに長々と住んでいた友人に久々会ったが、遂に彼も力尽き、そのマンションを手放すことにしたようだ。小学校からのつき合いなので、ざっくばらんに話せるのだが、そのマンションの所有権は、5割方外国人のものとなり、居住者数に至っては8割が中国人中心のマンションになったのだそうだ。

それは大損害だな、と話すと、彼は、いやそうでもない、と言う。色々事情を聞いて行くと、築40年を超えているのに、未だに値上がりしているのだそうだ。特に最近の地上げ紛いの不動産屋の攻勢は凄まじいと云う。中国マネーだ。つまり、彼は、お釣りが出るほどの価格で、築40年超えのマンションを売却したと云うことだ。たしかに、乗ってきた車がカローラからBMWに変っていた(笑)。まあ、こんな私事を話すのも、人民日報の以下の記事を目にした所為なのだが、同じ人種であり、文化的共通性も多い民族でありながら、今の日本の感覚からいけば、最も遠い国の感さえある。

たしかに中国人と共通の社会で暮らすとなると、かなりの苦痛を伴うと考えておいて良いだろう。ただ、彼らの国が、様々な皇帝の歴史を繰り返し、永遠の室町時代のような時間を経た上に、英日などの支配を経て、たまたまだが独立できた。かなり、第二次世界大戦による漁夫の利を得た最大の国家だろう。そして、共産党一党独裁と資本主義の混合国家を営んでいるわけだが、この試みが成功するのか、崩壊するのか一面的考察で結論は出せないだろう。ただ、中国の長い歴史の中で、現在に至るも、大衆は事実上、国家と強く関わらない生き様を見せているようだ。

早い話が、我々が目にする中国には、三つか四つの顔があるのだろう。共産党の顔、貪欲な資本主義の守銭奴の顔、意味不明に不満や差別に鬱屈した大衆。世界NO1と叫びたい共産党指導層、愛国など関係なく、金儲けに徹する層、多民族においては中国と云う国を認めようともしない漢民族以外の大衆の個人主義(生きることにおいてだが)。食べていくだけで、日が暮れる生活が永遠と続く大衆。このような国や国民に対して、公共的マナーがなさ過ぎると批判の的にしても、あまり意味はない。もしかすると、待ち続けても、西側諸国のような振舞いを望むのは無理な地域かもしれない。まあ、欺瞞だらけで公共的マナーもどきより、どちらが質が悪いか微妙な判断だ。

しかし、日本で、中国社会の群れを離れて、中華街を形成するわけでもなく暮らしている中国人も大勢いる。彼らの多くは、幸運にも訪日後早い時期に、日本社会の公共ルールを伝授してくれる人々と出会った人たちだ。拒絶ではなく、包摂に触れた人たちなのだと思う。どうしても、隣接する国や人々の間には、利害関係が生まれやすいわけで、諍いも多くなるのは当然なのだ。ただ、遠い地域に住んでいる連中の口車に乗って、隣近所と喧嘩しようと云う発想は、馬鹿を見ることになるだろう。厄介な親戚なんて、どんな家庭にもあるわけだが、遠い知らない国の人々よりは関係性は多岐にわたる。

その意味でも、良いことは褒め、学ぶべきところは学ぶ、反論すべきことは反論する。逆に、認められている人間からの意見は、意外に受け入れられることが多い。おそらく、すべての始まりは、単なる人間関係でも似ているが、相手を認めることだ。認めてから、物事は動きだす。まあ、そんな感慨を持って、読んでみると、一味違う中国も見えてくる。トヨタの哲学を「独自の哲学」と褒めている部分、欧米価値観は日本独自の価値観じゃないのでは、と遠回しにチクリと刺されているのかもしれないが、穿ち過ぎかもしれない(笑)。


 ≪ トヨタが販売量世界一になったのは独自の哲学のため
 トヨタ自動車がまとめた最新のデータによると、同社と中国合弁会社の今年9月の中国での販売台数は約9万1100台に上、前年同月比26.1%増加した。1~9月は約71万300台で、前年同期比11.5%増加した。環球網が伝えた。

 中国自動車市場の新常態(ニューノーマル)の下、トヨタの販売量が高い水準を維持し、中国での販売台数100万台の達成が実現可能な目標になってきた。トヨタの好調な売り上げについて、メディアや世論はさまざまな解釈を試み、業界関係者は、「販売台数の伸びは技術面での成長に根源があり、トヨタの『小型車は量を追求し、大型車は利益を追求する』戦略と関係がある」との見方を示す。

 製品のグレードからトヨタの販売台数増加の誘因を説明するだけでなく、トヨタの最近の中国市場におけるいくつかの出来事から説明することもできる。その出来事とは製品の営業販売とは関係ないものだが、それがかえってトヨタの身体の奥深くからにじみ出る「ゆっくり」の哲学を明らかにする。この「ゆっくり」の哲学は、トヨタが販売台数世界一の座に安定して座り続ける根本的な原因でもある。

 1つ目の出来事は、遼寧省にある遼寧トヨタ金杯技師学院の25周年記念式典だ。同学院は中国の自動車合弁産業とともに成長してきたもので、トヨタが中国市場に進出した時に新車の普及拡大と技術者の育成という2つの道のうち、後者を選んだことを示す。

 25年の歳月の中で、トヨタは資源とパワーを間断なく投入して同学院の発展を支援してきた。これまで9期にわたる支援を行い、累計支援額は1億元(約18 億7千万円)を超えた。同学院のプロジェクトはトヨタが中国で持続的に展開する社会公益活動の中で最も歴史が古いものでもある。

 ますます競争が激しくなる自動車市場において、ライバルたちが製品の布陣をむやみやたらと拡大し、スローガンを大声で叫び、自動車産業のチャンピオンの玉座に座ったと喧伝する中、トヨタは常に「クルマづくりより人づくり」の理念を踏まえてきた。トヨタの目には、中国市場での真の国産化実現には、進んだ技術と製品を導入する必要があるだけでなく、人材の現地化を実現することがより重要なこととして映っていた。

 トヨタの「クルマづくりより人づくり」の戦略は大きな成果を収めた。これまでに中国人技術者260人以上がトヨタの自動車研究開発センターに入社し、ハイブリッド技術国産化の研究開発に参加してきた。

 2つ目の出来事はトヨタが新車4台を引っ提げて2015年の中国国際福祉博覧会に出展したことだ。トヨタは博覧会に参加した唯一の完成車メーカーで、出展したカローラ、ヤリス(ヴィッツ)、アルファードの新モデル、ハイエースのそれぞれの福祉車両には、身体が不自由な人の乗り降りに便利なように回転するデザインや車外に伸びるデザインが採用され、博覧会で大きな注目を集めた。

 世界の福祉車両市場をみると、障害者に対して日本人が最もきめ細かく配慮し、トヨタは日本で福祉車両を最も多く製造するメーカーでもある。

 トヨタが福祉車両を重視するのはなぜか。福祉車両は中国市場におけるトヨタにどれほどの営業利益をもたらすのだろうか。まずうなづけることは、福祉車両は中国にそれほど大きな市場があるわけではないということだ。この博覧会に出展したメーカーの顔ぶれをみると、自動車メーカーの多くが福祉車両市場を重視していないことがわかり、言い換えれば福祉車両市場には巨大な潜在力があるということだ。

 統計によると、中国には高齢者2億人と障害者8500万人がいるが、中国市場の法則と現状を踏まえ、多くの自動車メーカーは福祉車両市場を重視していない。もともと福祉車両技術に秀でるトヨタからみて、この市場の潜在力は十分に魅力的であり、そこで中国での福祉車両をめぐる取組を継続的に進めているのだ。

 中国での「クルマづくりより人づくり」戦略と同じく、中国市場での福祉車両の拡大には、トヨタ独自の「ゆっくり」の哲学が反映されている。この哲学は市場に左右されないリズムであり、自信の現れであり、1990年代に各メーカーが排気量の大きい車種を追求する中、トヨタがハイブリッドカー・プリウスの研究開発に力を入れ、最終的にハイブリッド市場で売上ナンバーワンになったことと似ている。強いライバルに相対して、トヨタは身体の奥深くから「ゆっくり」したリズムを奏で続ける。こうした「ゆっくり」の哲学により、トヨタは世界市場で覇者の地位をつかむことができたのだ。(編集KS)
≫(「人民網日本語版」2015年10月16日)

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●日本経済とは 安倍蕩尽効果、企業痛風糖尿病、国民栄養失調

2015年10月24日 | 日記
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●日本経済とは 安倍蕩尽効果、企業痛風糖尿病、国民栄養失調

しばらく前になるが、官邸の犬・長谷川幸洋が、安保法制(戦争法案)の通過で、内閣支持率が下がらずに、逆に上がったのは、現実論が理想論に勝利した証拠であるなんて、とても識者としては考えられない論を現代ビジネスで披露していた。こういう輩が、官邸の知能指数の高い論陣であるとするなら、やはり安倍官邸の知性や教養はゼロに近いことが窺える。中国や北朝鮮の行動が「脅威」に見えているのではなく、脅威に作り上げている官邸のメディアコントロールが成功裡に終わっていると云うなら、首を縦にしてやるが、「脅威」がどのような現実的脅威なのか、戦渦の一つも見えない、双方の強がり競争のプロパガンダ状況なのだから、中国・北朝鮮の脅威を煽った報道が浸透しているいる証左と云うのが、精々の解釈だ。

このように、メディアコントロールされたマスメディアの世論調査の結果を引っ張り出して、牛肉と馬鈴薯論を国木田独歩宜しく繰り広げても意味はない。コラムニストであるなら、世論調査と云う幻想の泥船に乗っかって、我田引水論をさも妥当なものであるような言説に仕立て上げる等、ネトウヨ的手法そのものだ。2チャンネルの書き込みにも、この手が多いので、長谷川と云う人物、安倍官邸と波長が合のだろう。百田より、常識用語の使い方が上手な程度で、体質はまったく変わらない。おそらく、国民の多くが、中国やアメリカで何が起きているのか、実態が判っていないだけだ。

憲法を守ること(立憲主義)が疎かになることが、多くの場合、個人の尊厳を平気で破棄し、全体主義に陥り、戦争などの火ぶたを簡単に開けてしまうわけで、民主主義の基本である立憲主義を無きものにした政府が、現実の一方的情報を根拠にしているが、「現実」に即応させただけだ。長谷川は、立憲主義よりも、「現実」が尊いと主張している。憲法を理想に過ぎない扱いにした点で、すでに全体主義者と評しても、なんら言い過ぎではないだろう。挙句に金融資本主義、市場原理主義者でもある。まあ、アメリカを体現している男と考えておけば良いのだろう。

この男に、多くに時間を費やすわけには行かないので、本題に入ることにする。日本の経済はこれからどうなって行くのかと云う問題だ。ここ最近、株価は堅調なようだが、上がっている要因が眉唾のような出来事を材料にしているのだから、確信なき相場になっている。それはそうだろう、上がるべきであった物価も上がらず、まさかのマイナス成長を二期続けそうな按配だ。早い話が、インフレターゲットどころか、デフレターゲットが設定されていたのでは、と云う状況だ(笑)。国民にとって、デフレならデフレでも構わない面があるのだが、ここが奇妙にねじれている。

本来であれば「万事窮す。済みませんでした、今まで言ってきた経済成長神話は世界一の嘘八百でした。死んでお詫びしたいところですが、武士ではないので、ただの長州出身の国会議員になりますので、お見逃しください」そのくらいの日本経済の悪化なのだが、あろうことか、「一億総活躍社会へ」「経済で結果を出す」という冗談工房並みのポスターを製作したそうだ。ポスターのデザイン担当が佐野研二郎?そこまで冗談はしていない模様。しかし、何処まで国民を愚弄しているのだろう。

皮肉とでもいうか、お天道様の罰でも当たったのか、日々の生活必需品だけは、デフレ傾向なのに、インフレ傾向を示しているのだ。罰を当てるなら、官邸や日銀や霞が関や経団連構成企業に当たれば良いものを、どこで勘違いしたのか、庶民の生活に向かって罰を当てている。罰を与えるのは安倍晋三だよ、お天道様間違わないよう願いますよ!殆どの庶民の実質賃金は6%前後下落を続けている。牛丼が値下げ競争に突入したことは朗報だろうが、円安による加工品の値上げや容量減は過激に進んでいる。生鮮食品も値上がり基調だ。

にも拘らず、デフレに振れている日本経済とは、何者なのだろうか?庶民の懐は痛めつけられ、年金や社会保障の削減が叫ばれ、「漂流老人」「下層老人」と云う言葉が真実味を持って、今年の流行語大賞にノミネートされそうな勢いだ。このような言葉が生まれるには、それなりの土壌が実存しているからであり、高額資産を抱えている金持ちだと思われている人々にも、一旦大病を患えば、豊かなはずだった老後は下層に落ちてしまう。当然のことだが、自衛本能が働くような社会状況が想起されるのだから、消費意欲など湧いたら狂気だ。

輸出企業優先で、輸出が質量ともに伸びるのならいざ知らず、数量ベースでは見るも無残な状況だ。マイナンバーの導入で、プログラムの導入分だけ企業の設備投資は増えるかもしれないが、見せかけの設備投資であり、生産的意味合いはない。雇用を産まない、生産性向上の意味合いも薄く、行政のご都合主義の犠牲的出費に過ぎないわけだ。ビックデータがどうこうと云うが、人を騙して、モノを売りつけるデータにしようと云うだけではないか。なる程、長谷川幸洋がアベノミクス賛歌を封印しているのは、都合が悪くなりすぎ、詭弁でも取り繕えないレベルに達している、そう云うことだろう(笑)。

アベノミクスの失敗は、株高演出で国民の目を誤魔化している内に、規制緩和や構造改革を一気呵成に断行しておけば、気の字で浮かれた景気も、実質的なものになったのに等と、知ったような正論紛いを語っている経済学者もいるが、そう云う些末な問題ではない。財政再建と景気回復は対立関係にあるわけで、両立させるなんて、原理原則が間違っている。まして、景気回復の要因が、アメリカや中国など途上国の経済成長頼りだとか、爆買い頼り、訪日観光客の増加など、他力本願なわけで、自力で行える為政などない。敢えて、あるとするならば、「財政再建、増税の前にやるべきことがある!」その言葉を、再度噛みしめることである。その原点なく、スタートは切れない。既得権の優遇のすべての見直しから始めないことには、国民的なうねりは生じない。

文句たらたらで筆者のコラム程度は充分だが、敢えて処方箋を考えるとすれば、消費税を昔の5%に戻します。今後15年間年金給付を減額しません。公的な優良な介護付き老人ホームを、三倍増、ニーズに応えます。家族介護が無理な老老介護などは絶対に起こさず、ゆりかごから墓場まで、社会主義のように面倒見ますからね。そのくらいのアナウンスをしない限り、財布のひもが緩むことはない。マクロ経済など糞喰らえだ。目先の国民のニーズに応えよ。 日々の生活に潤いがあるなら、共産党中心の政権でも気にならない(笑)。自民も民主も社会主義的手法は随所に取り入れているのだから、名前が些か気になる程度だ。

どうせ、アメリカの3K仕事引き受けるんだから、命と引き換えに夢くらい提供したらいかがなものか?かなり、無茶苦茶だがね、安倍官邸と闘うなら、このくらいの無茶苦茶でも不足なくらいである。おそらく、ドル高円安は加速する。余程の性根の座った国民救済経済政策を採らないと、どんな政権も持たない時代が来るのだろう。結局、筆者も我田引水だが、グローバル経済に乗り遅れまいとして、いま咥えている肉を橋の上から落とす犬の如しだ。

失われた20年と嘆くが、これからの20年も失われる。なにも、故に国民が不幸になるわけではない。西欧の成長はすべて善と云う価値観を転換してこそ、幸せの青い鳥を見出せると云うことだ。何もせず、不要なものを捨て去り、人間は無駄をなくし、自然と寄り添い生きてゆく、この精神に戻ればGDP600兆円なんて馬鹿を叫ばず、GDP300兆で充分だと叫ぶような、暴論こそ、暴論ではないのだ。レイシストでも構わん。ただ、レイシストも明治時代回帰のレイシストはいかん。縄文まですっ飛べばいいのだ。Back to the Futureの逆張りで行くのが正常な判断と云うもの。

結局、ないものねだりの強欲な夢を捨てきらないために、常に飢餓を憶え、明日の不安にさいなまれる。まさに、金融資本主義のマーケット事情に同化している。今や、市場原理主義的21世紀資本主義は、重度の痛風のように、風が吹くから痛いどころか、痛みを思い出しただけで痛みを感じるレベルにまで達している。一種のうつ病患者だ。マーケット相場が上がれば、いつ下がるのだろうと杞憂し、下がりだせば、何処まで下がるのかと云う杞憂に苛まれる。安心も安定もない。景気を好くしようとして、嘘の上に嘘を重ね、いつか、本当の事を言っている錯覚に陥る。真犯人が50年、俺は無罪だと言い続けるに同じ心境になるのだろう。

以下の日経とロイターのマーケット心理の分析が相反的なように、金融関連に身を置く連中にも、判らない世界が出現している。それこそが、市場原理金融資本主義の本質だろう。無いものをあることに仮定して動く、マネーの流動性だけが生きていて、モノやヒトが寝たきり老人になっているのが世界経済だ。もう、こういう欺瞞だらけの経済から脱出して、宇沢弘文の経済世界で、人間らしい生き方でも模索する政治に回帰して貰いたい。戦後復興は40年前に終わっていた。定常経済と云う概念も考えるに値する時代なのだと思うのだが、まだまだ、成長が善、この意識下から、脱している人は少ないようだ。


 ≪ 株大幅高も戻らぬ熱、「日銀プレー」は不発か?
証券部 田中深一郎
  23日の日経平均株価は前日比389円(2.1%)高の1万8825円と急反発した。前日の日本時間夜に欧州中央銀行(ECB)のドラギ総裁が理事会後の 記者会見で「12月の理事会で緩和度合いを精査する」と発言し、次回の理事会での追加緩和を決める可能性を示唆。「ECBが12月に追加緩和に動くなら、日銀も動かざるを得ないだろう」と来週30日に開催する日銀の金融政策決定会合への期待が膨らんだからだ。ただ日経平均がこれほど上昇したわりには売買代金はあまり増えておらず、市場に活気が戻ったとはいえない状況だ。海外ヘッジファンド勢による恒例の「日銀プレー」が盛り上がっていないのが、市場が本格的なリスクオンに転じきれない大きな理由だろう。 「ドラギ発言で日銀が30日に追加緩和に動く可能性がさらに高まりましたよね」。みずほ証券の倉持靖彦氏はこう話す。
 30日の日銀の政策会合は年2回の経済・物価情勢の展望(展望リポート)を公表するタイミング。日銀はここで経済・物価見通しを下方修正せざるを得ないという読みから、主要証券各社のエコノミストの半数以上がここで黒田東彦日銀総裁が追加緩和を決断するだろうと予想している。
 ただここまで市場に先に 追加緩和の可能性を織り込んだら、実際に緩和を実施しても昨年10月のような市場への「サプライズ」は呼び起こせない。このため「市場の期待に働きかける緩和効果を最大限引き出すために黒田総裁は緩和カードを温存するのではないか」と裏読みする「逆張り」の見方も一定数存在していた。
 そんなタイミングで飛び出した前日のドラギECB総裁の「緩和予告」。これで日銀はやはり30日には動かざるを得ないという予想が再び勢いを増した。松井証券の窪田朋一郎氏は「日銀が緩和を打ち出すとの見方が特に海外で強まっているようだ」と指摘する。
 では実際に日銀の金融政策に対する読みで株や為替を大きく売買するマクロ系の海外ヘッジファンド勢はどう動いているのか。
 「日銀プレーですか? 正直きょうはほとんど盛り上がっていないですね」。23日午後、日本株シェアが高いある大手証券のトレーディングフロアで、デリバティブ(金融派生商品)取引を統括するトレーダーはこう話した。
  その理由は、マクロ系ヘッジファンドが「日銀プレー」を仕掛ける際に多用する日経平均のコールオプション(買う権利)がほとんど動かなかったことだ。例えば、この日は権利行使価格1万9750円のコール(12月物)で約2500枚の大口クロス取引が成立したが、取引価格から判断すると、これはコールの買いではなくて、ファンド勢からの大口の売り注文を証券会社が買い受けた取引だったようだ。
 「ヘッジファンドの今年の運用成績は大手を含めて かなり悪化している中で決算期末の12月が近づき、そろそろ顧客の解約も増えてくるタイミング。たとえ日銀の追加緩和を予想していたとしてもとても日銀プレーに動くような余裕はないのでしょう」。先のデリバティブトレーダーは日銀プレーにカジを切れないファンドたちの現状をこう解説する。
  そんなヘッジファンド勢の元気のなさを映してか、一時は前日比479円高まであった日経平均は取引終了にかけて伸び悩んだ。東証1部の売買代金も約2兆 5600億円とこのところ細っていた商いも完全に復調したとはいえない水準だ。「一時日経平均が400円超上昇したわりには売買も多いとはいえず、個別でも買われる銘柄も焦点がぼけている」(東海東京調査センターの隅谷俊夫氏)。個人投資家も元気を取り戻したとは言えず、国内の個人が中心の新興市場は東証マザーズ指数が前日比0.36%高と上昇は限られた。
 ヘッジファンドと個人投資家という株式市場の二大プレーヤーが本格的に稼働していない状況では、あと約1100円に迫った日経平均2万円の壁を再び突破するのはなかなか難しいのかもしれない。  ≫(日経新聞電子版)


≪ 高揚感なき株高・円安、「ドラギマジック」持続力に警戒も
[東京 23日 ロイター] - 欧州中央銀行(ECB) のドラギ総裁が12月の追加緩和を示唆し、株高・円安が進んだ。しかし市場では冷めた声も多い。ECB以外の中央銀行が緩和方向に動けば、為替面での効果は相殺される。金融緩和で景気や物価が、劇的に改善するとの期待も乏しい。流動性相場の加速で株高が進んだとしても、実体経済とのかい離は逆に広がりそう 。
<通貨安競争なら円安に限界>
追加緩和を実施したわけではない。具体策を明示したわけでもない。検討するとの発言だけで、この株高・円安(対ドル)だ。まさに「ドラギマジック」と言えよう。「金融緩和が示唆されたことで、流動性相場の継続が意識され、ヘッジファンドなどの海外勢だけでなく、国内勢も買いに動いた」(国内証券の株式担当トレーダー)という。 一部の市場関係者は、金融政策の「先物取引」と表現。伝統的にギリギリまで「本音」を明かさない中銀スタイルから飛躍した対応で市場を驚かせた格好だ。
  「ドラギマジック」を受けて市場が注目するのは、日米の中銀がこれでどう動くかだ。 米国は、これまでドル高に苦しんできたが、ドラギ発言でユーロ安・ドル高が進行。ドルは対ユーロで約2カ月ぶりの高値を付けた。佳境を迎えている第3・四半期の米企業決算発表では、ドル高の悪影響がグローバル企業に出ていることが明らかになった。 マイクロソフト(MSFT.O)は減収、コカ・コーラ(KO.N)は売上高が市場予想に届かなかった。「利上げが先送りされる可能性は高まった」(三菱東京UFJ銀行・シニアマーケットエコノミスト、鈴木敏之氏)との受け止めも多い。
 一方、見方が分かれているのは日銀の動きだ。今回すでに株高・円安が進行したことで「必要性は後退した」(マネックス証券シニア・ストラテジストの山本雅文氏)との声もあるが、新興国経済への懸念を示したECBとの「整合性」を取るため、追加緩和に動くとの予想も根強い。 ドラギ総裁が懸念を示したのは、原油安によるインフレ期待の低下だ。しかし、通貨安でデフレを防ごうとすれば、他国には通貨高となって跳ね返る。各国がみな緩和方向に動けば、通貨のペアである為替相場への影響は相殺される。円安の持続性には疑問もある。

<期待低い景気刺激効果>
円安が進まなければ、日本企業の業績期待も高まりにくい。23日の日経平均.N225は一時400円を超える上昇となったが、業種別では証券株や不動産株が上位に並んだ。輸送用機器や電気機器なども買われたが、上昇率は日経平均並み。足元の株高は過剰流動性(期待)を背景にした金融相場であることを示している。
 「金融相場で株は上がるかもしれない。しかし、これまでの結果をみても、金融緩和で景気や物価が良くなるとは期待しにくい」と、JPモルガン・アセット・マネジメントのグローバル・マーケット・ストラテジスト、重見吉徳氏は冷めた見方を示す。
  ECBは今年3月から現在の量的緩和策(QE)を開始したが、9月のユーロ圏消費者物価指数(CPI)改定値は前年比0.1%低下。エネルギー価格の下落が背景とはいえ、伸び率は3月以降で初のマイナスに陥った。 銀行貸出などは増えているが、ドラギ総裁自身が認めているように新興国経済の減速をカバーできるほどの力強さはない。
 日本も2013年の黒田東彦氏の日銀総裁就任以降、「バズーカ砲」を2度放ってきたが、2年を経過しても物価は目標の2%に達しない。7─9月期は2四半期連続のマイナス成長がささやかれる。 コモディティ市場では、株や為替の喧騒を横目に金や原油は小動き。過剰流動性(期待)のプラス要因を、ドル高のマイナス要因が相殺している。「金融緩和で需要が回復すると期待した買いはみられな い」(ばんせい投信投資顧問・商品運用部ファンドマネージャーの山岡浩孝氏)という。

<株価と経済のかい離を警戒>
長期投資家も慎重。しんきんアセットマネジメント投信・運用部長の藤原直樹氏は、市場の高まる金融緩和期待に対し「はしごを外されるリスクもある」と警戒する。 実際、ECBが追加緩和に動くとしても、手段はそう残されていない。
 現在、月額600億ユーロの 国債買い入れを続けているが、経済規模に比例した買い入れを行っており、ドイツ国債が約4分の1を占める。ドイツは記録的な財政黒字状態であり、国債発行 を増加させる必要性は低く、4年債以下は購入上限であるマイナス0.2%を下回る。
 QEの期間を延ばせば延ばすほど買い入れは厳しくなる。 選択肢が限られているのは、日銀も同じ。15年の日銀買い入れ額は、償還分を含めると年間110兆円程度。15年度国債発行計画における発行額(短国除く)126.4兆円の9割弱を買い入れる計算になる。
 「もし、追加緩和をやれば最後の緩和になる。カードは最後まで取っておくのではないか」(外資系投信ストラテジスト)との見方もある。 「マジック」の余韻が残り、12月までは追加緩和期待で盛り上がりそうだ。しかし、株価と実体経済のかい離が広がれば、波乱相場の要因となる。市場に出回る緩和マネーが増えれば増えるほど、この夏経験した「揺れ」より大きくなるかもしれない。
 ≫(ロイター:伊賀大記 編集:田巻一彦)

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●中英(EU)AIIB関係と日米TPP安保 その位置づけは?

2015年10月23日 | 日記
日本人の哲学5 大学の哲学/雑知の哲学
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●中英(EU)AIIB関係と日米TPP安保 その位置づけは?

日本の公共放送だと云う「アベチャンネル」ことNHKは、昨夜のニュース9でも、再三再四、安倍晋三と云う男の顔を大写ししていた。眼が腐ると云うか、臨時国会も開かずに海外に出ていって、国民の金をばら撒きに行くような男の面を有り難くみる奴がいること自体、本当に奇妙だ。しかし、年がら年中、一定の人間の顔を見せつけられると、ブサイクだと思っていた俳優にも親近感と云うものが生まれる。おそらく、心理学の観点からも、そのことは証明されているに違いない。

もしかすると、籾井と云う恥さらしの厚顔無恥おっさんの評価表に、安倍晋三様のお顔が、何度露出させることに成功したか、或いは何十分間露出させたか、そう云うことで、◎や×マークを赤鉛筆ナメナメ書き込んでいるのかもしれない。今現在進行形で中英関係が新たなフェーズに突入し、UEがアメリカ離れを音もなく行っている重大な局面を、殆ど他人事のように触れているだけだ。マンション偽装も重大な問題だが、国の行く末を論じるレベルとは異なる筈である。三井不動産や旭化成が魔女にされて、テレビは、朝から晩まで、杭杭杭、もう勘弁してくれと言いたいのは、三井不動産や旭化成だけでなく、筆者も同じだ(笑)。

TPPについて解説を加えていたが、日本企業が妥結国に対して攻め込んでゆく、メリットを9割語り、付け足しで、攻め込まれる日本の産業もあるよ、で、次のニュースと云う按配なのだから、もう完全にアベチャンネルだ。シリアにおける、ロシアの正攻法の解決、実践主義と中国の実需主義、ウクライナ和平に向かわざるを得ない、ポロシェンコ。アメリカの民主主義を輸出する価値観外交は砂上の楼閣、論理の上滑りで、世界に平和をもたらす可能性は限りなくゼロだと、アメリカ自らが実践し、サンプルの山を築いている。

たしかに、中東、アフリカ、EUは大西洋を挟んでいるのだから、一気呵成なリスクはない。中露も簡単にICBMを撃つようなことはない。もう一方で、南シナ海も、太平洋を挟んでいるので、同じく、対岸の火事の位置にある。喉に刺さった小骨のような、近隣国キューバと友好をたしかめたので、大海原を挟んだ地域で、価値観外交だと称して、覇権国だとプレゼンスしておけば良いんじゃないの。こんな感じで、アチコチ弄りまわされては、触られている方は堪ったもんじゃない。このスケベ親父!と叫びたくもなる(笑)。今夜は、人民網の記事と、一目置く中国通、遠藤誉氏の解説コラムを掲載しておく。遠藤氏は、中国通であるが、習近平には比較的冷徹な評価をしている人物で、観察眼は公平だ。他の中国通や中国人系のコラムニストの話は、概ね出鱈目であることをつけ加えておこう。


 ≪ 習近平主席はなぜ英国単独訪問なのか
中国の習近平国家主席の公式訪英は就任以来4回目の「ピンポイント」外交だ。人民日報が伝えた。

■なぜ英国に対して「ピンポイント」訪問を行うのか?
 中英関係の急速な発展にその答えがある。
 過去10年間に英国は様々な対中協力の「西側初」を創造している。英国は西側の大国の中で率先してアジアインフラ投資銀行への参加を表明し、先進国で初めて人民元建て国債を発行し、アジア地域以外で初めて人民元決済センターを設立し、人民元の国際通貨基金(IMF)特別引出権通貨バスケット参加を支持した。英紙フィナンシャル・タイムズは「英国は米国の反対を顧みず、率先してアジアインフラ投資銀行への参加を申請し、西側諸国の参加に道を開いた」と指摘した。これは中英関係にとって最大の刺激だ。

 ■なぜ英国に対して「ピンポイント」訪問を行うのか?
 中英関係発展の素晴らしい展望にその答えがある。
 習主席は訪英前のロイター通信のインタビューで「英国の指導者や各界の友人と共に両国関係発展の大計を話し合い、今後の中英関係のロードマップをまとめ、両国の各分野の実務協力に新たな原動力を注ぎ、中英包括的・戦略的パートナーシップの『黄金時代』を共に切り開くことに期待している」と表明した。
 英メディアは習主席の訪英は英国が自国の大国関係を根本的に修正することを示していると指摘。ある英議員は2年前の中英関係に関する本で「現在理論はすでに現実になっている。英国の指導者は東洋へ向かっており、習主席の訪問はこの過程を加速する助けとなる。英中は連携してより素晴らしい未来を創造する」と指摘した。

 ■なぜ英国に対して「ピンポイント」訪問を行うのか?
 中国・欧州関係に対する中英関係の影響にその答えがある。
 今年は中国と欧州の外交関係樹立40年であり、中国・欧州関係は前のものを受け継いで後のものを導き、成熟して安定し、勢いよく発展する新たな時期に入りつつある。2014年に習主席はドイツやフランスを訪問し、対欧州外交における中国の立場と主張を深く系統立てて詳しく説明し、平和・成長・改革・文明の四大パートナーシップを構築するとの戦略的方向性を示し、欧州人の対中認識を深め、欧州各国の中国に対する心理的距離を近づけた。
 英バース大学人文学部のウルフ教授によると、中英関係の良好な発展はEUの枠組で中国・欧州全体の関係の発展をリードする独特な役割を果たすことができる。英国はEUの重要な加盟国であり、欧州における役割と地位が独特であると同時に、中国との関係も友好であり、「意思疎通と懸け橋としての役割は明らかになる」。
 現在、中国と欧州は戦略の連結を着実に推進している。中国は改革を全面的に深化し、第13次五カ年計画を近く打ち出す。欧州も構造改革を実施している。 双方の改革過程に多くの利益の一致点と協力の成長源が潜んでいる。欧州人は習主席の訪英からさらに多くの詳細を得て、中国と欧州の四大パートナーシップに ついて一層正確な理解を得る。(編集NA) ≫(「人民網日本語版」2015年10月21日)


 ≪ 習近平主席訪英の思惑――「一帯一路」の終点
遠藤 誉(東京福祉大学国際交流センター長)

 習近平国家主席が10月19日からイギリスを公式訪問する。中国の主たる狙いはTPPに対するAIIBと一帯一路の強化や人民元国際化ではあるものの、それ以外にイギリスを一帯一路の終点と位置づける思惑がある。

 ■CCTV、キャメロン首相の単独取材を繰り返し報道
 中国の中央テレビ局CCTVは、イギリスのキャメロン首相を単独取材して、繰り返し報道している。

 キャメロン首相はつぎのように語っている。
●今回の習近平国家主席の訪英は、英中関係が最も良い時期に当たっている。私はこれを英中関係の「黄金時代」と呼んでいる。
●イギリスは世界各国に市場を開放しているが、中国が投資する先としては、EUのどの国よりもイギリスが最も適している。
●中国の経済は転換点に来ているが、しかし今後も成長を続けるであろうことを私は信じている。イギリスの対中貿易は過去10年の4倍になった。
●ロンドンでは、世界に先駆けて2014年10月から人民元建ての債券を発行するようになったが、イギリスは金融街として全世界を牽引していくことだろう。
●AIIB(アジアインフラ投資銀行)加盟にEUで最初に手を挙げたのはイギリスで、その後に他のEU諸国が続いた。
●これは決してアメリカとの衝突を意味しない。イギリスがAIIBに加盟したことは正しい選択であり、今後は経済貿易のみならず、文化や人的交流に関してももっと力を入れたい。現在イギリスにいる中国人留学生はすでに13万5千人を越えている。
●中国の対英インフラ投資は、より多くのイギリス人の雇用を生んでおり、英中双方がメリットを互いに享受している。これからはチャンスの時代。より多くのチャンスが待っている。

 CCTVはさらに、習近平国家主席の訪英中に、150件ほどの大型プロジェクトをイギリスと約束しているなどと報道した。

■習近平の思惑――イギリスを「一帯一路」の終点に
 習近平がAIIBに関して「イギリスを落せる」と計算したのは、チベット仏教のダライ・ラマ14世に関わる裏事情があったことは今年3月2日の本コラム「ウィリアム王子訪中――中国の思惑は?」で触れた。一種の「脅迫」にも似た形でイギリスが加盟したあと、日米などを除くG7の切り崩しに成功している。
 中国にとってAIIBと一帯一路(陸と海の新シルクロード)構想は、グローバル経済の中における中国の砦(とりで)のようなものだ。 AIIBは人民元の国際化を狙ってはいるが、一帯一路構想により、アメリカがアジア回帰して対中包囲網を形成することと、世界に「民主」を輸出するアメリカの価値観外交による対中包囲網形成を阻止することにある。
 10月7日付の本コラム「TPPに「実需」戦略で対抗する中国」に書いたように、習近平政権としてはアジアの「実需」に重点を置きながら、一方では一帯一路の終点を「西の果て」のイギリスに置いて、アメリカと区切っているのである。
 同コラムに書いたように、中国は「普遍的価値観」などを共有(強要?)するファクターのある経済連合体には加盟しない。二国間の自由貿易協定(FTA)に近い形ならば、喜んで提携する。 イギリスはたしかに「人権の尊重」を求めて中国を批難した過去があるし、特にチャールズ皇太子はダライ・ラマ14世と会うことを批難する中国を、心の中では嫌っているにちがいない。そのために、今般の習近平訪英では、自宅に招きはするものの、エリザベス女王がバッキンガム宮殿で主宰する晩餐会には出ないという。「せめてもの抵抗」を示しているのだろう。
 そのチャールズ皇太子とて、「王室として法王に共鳴している」という要素はあっても、アメリカのように「民主主義を輸出して、普遍的価値観で中国 を包囲する」といったようなことは要求しない。現にキャメロン首相はCCTVのために、あれだけ中国をほめちぎっているし、エリザベス女王も、「やむを得ず」であるかもしれないが、最高級の国賓待遇を習近平国家主席に与えている。王室と異なる動きを政権がすることもあれば、王室の一部が抵抗しても女王の名義が冠に着いていれば国家間として動ける。
 キャメロン首相がCCTVの取材で「アメリカと衝突を起こしはしない」とわざわざ言ったのも、ある意味の米英間の「微妙な亀裂」が懸念されているからだろう。中国にとって、束になって「普遍的価値観」という価値観外交で中国を取り囲もうとするアメリカよりも、イギリスの方がずっとありがたいのである。

■だからこそイギリスを一帯一路の終点として、フォーカスを絞ったのだ。
 こうすれば、中国は西へ向けた地球儀の半分以上は制覇できる。
 今年9月9日にはイギリスの海運業界の「ロンドン海事サービス協会」は中国の関係企業と協定を結んだ。同協会の責任者は「海のシルクロードは、海運の国であったイギリスにとっては非常に重要な構想だ」と「一帯一路」を高く評価している。 今年4月22日には北京で「華龍一号」(中国が開発した原子力発電第三代ブランド)がイギリスにおいて着工される運びとなった祝賀会が開催されたが、そのときに中国側は「海のシルクロードの始点は福建で、終点はイギリスだ」と述べている。
 インドネシアの高速鉄道を手に入れただけでなく、中国は原発を始めてEUに輸出する国となり、AIIBと一帯一路により「実需」で地球儀の半分を固めていくことになる。
 日本には「中国を普遍的価値観を共有するTPPに誘い込む」といった夢を語る人もいるが、中国は経済連携では壮大な戦略を描いても、決して普遍的価値観を論じるような世界には入らない。
 日本に対して歴史カードを高く掲げ、歴史認識問題を国際社会の共通認識にしようとしている「思想闘争」も、実はこの訪英と無関係ではない。日米関 係が緊密である日本をターゲットにしてアメリカを困らせTPP構想を切り崩すのと同じように、普遍的価値観を要求してこないイギリスに対して、AIIBや 一帯一路で広大な経済連携体を構成して、TPPに対抗しようとしているのである。
 金融センターには透明性や民主がなければならないが、しかしイギリスの金融街シティを仲介しながら人民元の国際化を図るという戦略がいま進みつつある。
 これはキャメロン首相がCCTVの取材に答えているように、互利互恵の関係により発展する可能性を否定できない。

[執筆者] 遠藤 誉 1941年中国生まれ。中国革命戦を経験し1953年に日本帰国。東京福祉大学国際交流センター長、筑波大学名誉教授、理学博士。中国社会科学院社会科学 研究所客員研究員・教授などを歴任。『チャイナ・セブン <紅い皇帝>習近平』『チャイナ・ナイン 中国を動かす9人の男たち』『ネット大国中国 言論を めぐる攻防』など著書多数
※当記事はYahoo!ニュース個人からの転載です。
 ≫(Newsweek日本語版)

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●日米中韓の人々のアジア情勢等に関する考え方の違い 後篇

2015年10月22日 | 日記
日本の大問題 「10年後」を考える ─「本と新聞の大学」講義録 (集英社新書)
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●日米中韓の人々のアジア情勢等に関する考え方の違い 後篇

昨日の言論NPO等による日米中韓の国民意識調査の後篇を掲載します。
あくまで、参考と云う範囲で読むべきものだが、特にひどく偏ったレポートではないだろう。筆者の感覚で評価するなら「言論NPO」は、親アメリカ西側勢力圏にあり、且つ、経済界との繋がりが強いNPOである点は、公平ではあるが留意しておく必要があるだろう。


*言論NPO日米中韓世論調査の後篇

 ≪日米中韓4カ国共同世論調査 日中韓米の共同世論調査で浮かび上がった北東アジアの将来に対する民意と平和への課題              言論NPO代表理事  工藤泰志

 ■アジア地域の米軍の存在に「現状維持」を求める声が日米韓で過半数
 こうした不安定な北東アジアの環境下で、アジア地域の米軍の存在に関しては、「現状維持」を求める見方が、日本と韓国と米国の国民の間に多く、米国は64%、韓国は60.6%、日本は53%、と半数を越えており、それぞれが、最も多い回答となっている。
 中国人は逆に58.2%が、米軍を減少させるべきと考えており、最も多い回答となったが、中国人の中にも現状維持を求める層が、28.7%と3割近く存在することは、留意する必要がある。

 


■アジアの紛争での米軍投入には米国民は消極的である

 次の私たちの関心は、アジアの紛争において米軍の派遣を正当化、できる事態をどのように四ヶ国の国民は認識しているのか、である。
 中国国民の7割程度はいずれの紛争でも米軍の投入に反対であるが、米国民にも、アジアの紛争への米軍派遣を反対する声が多く存在していることが、 今回の調査では明らかになっている。特に米国民の反対は、尖閣諸島における日本と中国の衝突、中国と台湾の衝突のケースでより大きなものとなっており、そ れ以外でも米軍の派遣に賛否が拮抗している。 
 

 例えば、朝鮮有事で北朝鮮が韓国を攻撃した場合は、韓国民の91.4%が米軍の派遣を賛成しており、日本人も56.8%(反対は13.2%)が賛成 しているが、米国民は賛成が47%、反対が49%と賛否で意見が割れている。これに対して中国人は74.8%が米軍の派遣に反対している(賛成は 11.6%)。
 北朝鮮が日本を攻撃した場合は、日本人の70.6%が米軍の派遣を賛成しているが(反対は9.2%)、米国民は賛成が48%、反対が47%と、こ こでも意見が二つに分かれている。韓国民もこの場合は賛成35.2%、反対35%、わからないが29.8%と意見が定まっていない。中国人の反対は 56.3%だが、賛成も28.6%と3割近く存在している。 

 

 
 これに対して米国民や中国民の反対が目立つのは、尖閣諸島での日中衝突と、台湾での衝突である。尖閣諸島での米軍の派遣に賛成が多いのは、日本人の 55.7%(反対は16.2%)のみで、米国民は64%(賛成は33%)、中国人は70.3%(賛成は18.4%)が反対している。韓国も反対が 38.7%で、賛成の27%よりも多い。
 また、台湾の衝突でも、米国民は68%、中国人は81.6%が反対しており、日本と韓国でも賛成は3割程度で、意見が割れている。


  


■朝鮮半島の平和統一後の米軍駐留では日韓と、中米で意見が分かれる
 これに関連して、朝鮮半島の平和統一後のおける在韓米軍の駐留に関しても、4か国間の国民間で意見が分かれている。統一後も駐留軍が必要と考える 国民が多いのは、韓国と日本で、韓国人は57.3%が「必要」と考え(必要ないは31%)で、日本人は44.6%が「必要」だと考えている(同 28.4%)。これに対して、中国では65.7%が「必要ではない」と考え(必要は19.9%)で、米国では「同盟関係を維持し駐留軍を置く」は32%だ が、「同盟関係は維持するが、駐留軍は置かないが」が44%、さらに「同盟関係を終了し、駐留軍は引き上げる」が18%と、合わせて62%が駐留軍の引き 上げを、求めている。


 

■この地域の2国間関係の重要性でも、韓国民に目立つ中国傾斜
  こうした北東アジアの変化が大きい環境下で、それぞれの国民がどの2国間関係を重要だと考えているかでも、国民間の意識に差が表れている。
 日本人にとっては、米国との2国間関係が最も重要である。「重要」と、「どちらかといえば重要」と回答する国民は合わせて92.2%と最も多く、中国が82.3%で続いている、韓国は73.7%である。
 米国人にとって重要な2国間関係は、日本と中国が88%で共に並んでいる。韓国は83%である。 




 韓国も米国との関係を「重要」だと考える国民が98%で最も多いが、中国との関係が「重要」と考える人も96.6%とほぼ並んでいる。日本との関係が「重要」だと考える人は84.1%と少し差が開いている。
 中国人にとって重要な二国関係は米国が79%で最も多いが、韓国を重要と考える人も70.2%となっている。これに対して、日本を重要と考える中国人は47.3%に過ぎず、重要ではない、の46.6%と二分している。


 

■中国の国民では韓国が信頼できるが、半数を越えている
 さらに、調査では日本と中国と米国の3国民に、日本と中国、韓国、米国の4か国の中で信頼できる国はどこかを聞いている。
 日本人が「とても信頼できる」、あるいは「どちらかと言えば信頼できる」と思う国は、この4か国では合わせて米国が69.8%と最も多く、韓国は15.6%、中国はわずか9%である。
 米国人にとって同じく信頼できる、国は、日本が79%と最も多く、韓国は65%、中国は46%となっている。
 これに対して中国人が、信頼できると思う国は、この4か国では韓国が56.3%と最も多く、米国は33.9%と韓国よりも少ない。逆に信頼できない(全く、とどちらかと言えば、の合算)は61.3%で半数を越えた。
 日本を「信頼できる」(同)と答えた中国人は8.9%に過ぎず、逆に信頼できないは(合算で)86.4%となった。 



 




 ■日韓関係の改善では日本人が民間交流、韓国人は経済関係の強化が有効と考えている
 次に、この4か国がそれぞれの国との関係を向上させるために、何が有効かを聞いている。
 米国と中国の関係向上では、米国人が最も有効と考える対策は、政治・安全保障関係の強化が31%、経済関係の強化が29%で並んでいる。逆に中国人は45.2%が、経済関係の強化こそ最も有効と考えている。


 【米中の関係向上のために有効な方法】


 

 日本と中国との関係向上では、日本人は経済、政治安全保障、文化的、人的交流などに意見が分かれ何が有効かを決めきれていないのに対して、中国人は政治、安全保障関係の強化が有効だと判断する人が33.2%と最も多く、経済関係強化が20.7%で続いている。


 【日中の関係向上のために有効な方法】



 
 韓国と中国の関係向上では、韓国人は70.1%で7割が経済関係の強化が最も有効と判断しており、中国人は経済関係の強化が有効と考える人が31.7%で、文化的、人的交流の促進が27.8%で続いている。


 【中韓の関係向上のために有効な方法】


 

 日本と韓国の関係改善では、日本人が有効だと考えるのは、文化的、人的交流の促進の民間レベルの交流の30.7%が最も多く、政治、安全保障関係の 強化が26.3%で続いている。経済関係の強化は15.8%しかなかった。これに対して、韓国人は、33.8%が経済関係の強化が有効と考え、政治、安全 保障関係の強化の28.8%、文化的、人的交流の促進が26%で続いている。


【日韓の関係向上のために有効な方法】



 
■日本の常任理事国入りには、中韓の国民は反対
 最後に、日本が国連の安全保障理事会の常任理事国に入る、ことの賛否を4か国の国民に聞いた。支持しているのは、日本の米国の二つの国民で、日本 は70.6%、米国人は73%が支持している。これに対して、中国と韓国の国民は厳しい態度を崩しておらず、韓国人の66.3%、中国人の86.1%が支 持していない。

 


<日米中韓4カ国共同世論調査で何が明らかになったのか>

 今回の4か国の世論調査で浮き彫りになったのは、この地域の安全保障や共有の価値観から同じ側に立つとみられていた、米国と韓国、そして日本との 関係にほころびが見られ、韓国の国民に中に中国との関係を重要視する見方、つまり中国傾斜の傾向がはっきりと見られ始めたことだ。4か国の国民の多くはこ の地域での中国の影響は今後も増大すると見ているが、韓国国民には、そう見る傾向が大きく、それが中国傾斜の背景になっている。
 この地域には、様々な紛争の可能性があるが、米軍のこの地域での増大を日米韓でも国民の多くが期待していないこと、さらに紛争の際に米軍の派遣に 賛成かでも、当事国以外は意見が分かれており、また、紛争や朝鮮半島の平和統一後の在韓米軍の駐留に関しても、米国民の多くが消極的に考えていることも、 今回明らかになった。これらは今後の北東アジアの安全保障を考えるときに大きな論点となるだろう。
 中国の台頭の中で、この地域の変化や紛争の可能性で見方が分かれ、懸念が大きいのは、この地域に二国間関係の対立や、米国と中国の安全保障上の対 峙が存在すること、その反面、この地域にこうした課題を話し合える、また危機を未然に防ぐガバナンスの仕組みが存在しないこと、もその大きな背景になって いる。また、アジアにおける米国の存在がそう今後も大きなものにならないと4か国の国民が思うのは、米国のアジア・リバランスの意味や進展を、多くの国民 が理解できていないことも大きい。
 今回の調査は、この地域における平和構築の課題やその必要性を浮き彫りにした、という点で大きな意味を持つ。こうした北東アジアの不安定さにどう 向かい合い、この地域に安定的な平和を構築するのか。そのためには、民意の動向を把握しながら、平和の構築を多くの国民が自らの課題として考える、そうし た対話の舞台は必要になっている。今回の私たちの共同調査はそのための第一歩になった、ことだけは間違いない。

<本件調査に関するお問い合わせは下記までお願いいたします>
〒103-0027 東京都中央区日本橋1-20-7
認定NPO法人 言論NPO TEL:03-3548-0511 FAX:03-3548-0512
メール:info@genron-npo.net 以上。
 ≫(言論NPOサイトより)

資本主義の預言者たちニュー・ノーマルの時代へ (角川新書)
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●日米中韓の人々のアジア情勢等に関する考え方の違い 前篇

2015年10月21日 | 日記
日本人が70年間一度も考えなかったこと (大澤真幸THINKING「O」)
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●日米中韓の人々のアジア情勢等に関する考え方の違い 前篇

以下の共同通信の記事を読み、チョイと興味があったので、じっくり読んでみた。あくまで、参考と云う範囲で読むべきものだが、特にひどく偏ったレポートではないだろう。筆者の感覚で評価するなら「言論NPO」は、親アメリカ西側勢力圏にあり、且つ、経済界との繋がりが強いNPOである点は、公平であるが留意しておく必要があるだろう。

≪ 米、尖閣軍事介入に6割反対
日本の民間非営利団体「言論NPO」と米中韓のシンクタンクが20日、北東アジア地域の安全保障などをめぐり4カ国で行った世論調査の結果を発表した。日本と中国で沖縄県・尖閣諸島をめぐる軍事衝突が起きた場合、日本で55・7%が米軍派遣に「賛成」と答えたのに対し、米国では64%が派遣を正当だとすることに「反対」と回答し、意見が分かれた。
 10年後のアジアでの中国の影響力が「増大する」との回答は中韓が8割以上、日本は6割、米国は5割に上り、地域の将来は中国を軸に変化するとの認識で一致。10年後の米国の影響力は「変わらない」との回答は4カ国とも半数程度。 ≫(ロイター・共同)

「言論NPO」について(Wikipedia抜粋)
法人として不偏不党を基本としており、特定の政党や宗教団体に偏向しないよう言論活動の自己評価を行い、その結果を公表している。加えて、大学評価・学位授与機構教授の田中弥生ら監事が外部評価を行っている。
運営
非営利団体であるため、その収入のほとんどを寄附金で賄っている。2011年度の収支計算書によれば、会員拠出金収入が23%、フォーラム収入が1.8%、寄付金収入が67.5%であり、収入の7割近くを寄付金が占めている。主な寄付法人としては、アサヒグループホールディングス株式会社、株式会社NTTデータ、オリックス株式会社、キッコーマン株式会社、株式会社損害保険ジャパン、日本空港ビルデング株式会社、松井証券株式会社などがある。以上


言論NPOの考え方を知る意味で、以下の朝日のインタビュー記事も参考になる。正直な感想で言うなら、右翼からも左翼からも、嫌がられるシンクタンクと云うことか(笑)。親米で経済界びいきは酷く気になるが、このスケールで調査した結果には、一定の敬意を払っても、罰は当たらないだろう。


 ≪ 言論NPO・工藤泰志代表に聞く 戦後70年シンポ シンポジウム
「戦後70年―日独がめざす平和と民主主義の新しい展望」(朝日新聞社後援)が今月4日、都内であった。主催団体の一つ、言論NPOの工藤泰志代表に、この企画の意義や討論を通じて浮かび上がった課題などを聞いた。
     ◇
 日本とドイツでは環境が違うので、戦後史を単純に比較できないという指摘は承知している。しかし、シンポジウムを通して強烈に理解したのは、ドイツ国民は戦後、一人ひとりが真剣に過去に向かい合ったということ。ナチスが犯した罪を国民の罪ととらえ、向かい合う中で民主主義を確立させた。そして、ドイツ国民の誇りを取り戻すまでに約60年もの時間がかかったことを知らされた。
 翻って、日本の社会でそこまで過去に向かい合っただろうか。近隣国との和解という以前に、日本として戦争にどう向かい合い、どういう民主主義国家をつくろうとしたのか。そこが、北東アジアの平和構築をめぐり、いまだに近隣国の信頼を得ていない大きな原因になっていると感じた。
 そうした取り組みは、政府だけがやることではない。政府間では「勢力均衡」が大きなテーマだが、日米同盟の強化による勢力均衡だけで平和的秩序ができるわけではない。独仏の和解の背景には数多くの民間の交流があり、未来に向かう基盤を作った。
 言論NPOは民間レベルで韓国、中国と対話をやっており、中国との対話は10年続いている。最初は歴史問題をお互いに批判することがあったが、本気で言い合うことによって課題を共有し、課題を解決する対話に変わっていった。
 安倍首相の戦後70年談話は、一つの転機になると思う。過去の事実から目を背けてはならない。ただ、言葉で発せられたものを具体化する行動が重要だ。民間でできることはかなりある。民間の交流や対話がまた、政府間の動きの環境を作り上げる。戦後70年の今年、一人ひとりがこの一歩を踏み出すべきだ。 ≫(朝日新聞デジタル)

   ーーーーーーーーーーーーーーここからレポートーーーーーーーーーーーーーーーー

 ≪日米中韓4カ国共同世論調査
日中韓米の共同世論調査で浮かび上がった北東アジアの将来に対する民意と平和への課題              言論NPO代表理事  工藤泰志

 北東アジアの変化は中国の台頭を軸に進み、その中で米国はアジア回帰を進めようとしている。この地域で始まっている変化をどのように考えていけばい いのか、不安定なこの北東アジアに平和的な秩序を今後、どのように形成していけばいいのか。それが、今回私たちが行った、日本、中国、韓国、米国の4か国共同世論調査の背景にある問題意識である。
 北東アジアの変化の行方や平和の現状に関して、4か国の国民がどう考えているか、それを明らかにしたいと考えたのは、こうした民意にこそ今、私たちがこれから考えなくてはならない、北東アジアの未来や平和に向けての課題や解決に向けた手掛かりが存在する、と思うからだ。

 ■言論外交と北東アジアの平和に向けた課題解決
 日本と中国は尖閣諸島を巡る対立で政府間の交渉が途絶え、首脳間の対話再開には2年半を有することとなり、日韓の首脳会談も来月初めの開催に向け て、ようやく準備が整い始めたばかりである。言論NPOは、そうした環境下で中国や韓国との対話を進め、尖閣周辺での緊張が高まる中で、一昨年、中国との間で民間レベルだが、「不戦の誓い」を合意し、それを世界に公表し、北東アジアの平和秩序の形成に向けて、作業を開始している。
 ここで、私たちが提唱したのは、課題解決の意思を持つ世論を喚起し、多くの市民の支持を得て、国境を越える課題解決に取り組む新しい民間外交のあ り方、「言論外交」である。私たちが外交において、世論の役割を重要視するのは、こうした民意の存在やその水準が、政府間の外交に大きな影響をもたらしているためである。特に北東アジアでは国民間のナショナリズムの存在が、政府間レベルの課題解決の障害になり、この地域に政府対話の空白を生み出してきた。
 民意に基づき、多くの市民の支持を得て課題の解決に取り組むことは、民主政治の市民参加のアプローチで有り、この地域の平和構築に向けた政府間の 外交の環境づくり、基礎工事だと、私は考えている。そうした強い問題意識から、言論NPOは米国のシカゴグローバル評議会や、長い間、言論NPOの隣国と の対話のパートナーでもあった韓国のEAI、さらに中国の零点研究コンサルティンググループに呼びかけ、今回の共同の世論調査に向けた作業が始まることとなった。
 今回、この事業に参加した4つのシンクタンクは自国や世界で広範な世論調査を実施し、民意の把握を軸に政策提案を行う、世界でも有数のシンクタン クである。私たちは、この3つの有力なシンクタンクと共同で、この北東アジア地域内の現状や将来に対する、客観的で公正な世論の調査を行い、さらにこうした冷静な調査結果を元に、この地域の将来に向けた多国間の対話を行う、ことにも合意したのである。

 ■共同の世論調査では何が明らかになったのか
 この4団体で合意したのは、北東アジアの将来や安全保障に関する9つの設問による世論調査実施であり、この4団体が毎年それぞれの国で実施する世 論調査に、この9設問を入れ込む形で今年10月までに4か国のシンクタンクがそれぞれ調査を実施し、この4ヶ国で7000人を越える人がこの回答に協力している。
 今回公表するのはその9設問の調査結果であるが、言論NPOが中国との間で別途共同の世論調査を9月に実施したこともあり、さらに米国の設問に合 わせる形で新たに4問を日中の国民に聞いている。このため、4か国の調査とは別に、この北東アジアの将来の課題を広範に問うために、この日米中の3か国の4問の結果も合わせてここで紹介する。
 今回の調査では、4か国の国民に、アジア各国の今後10年間の影響力や課題解決力の評価を行ったほか、地域紛争の可能性、2国間関係の重要性、お互いの国に対する信頼の度合い、さらに朝鮮半島の未来などを聞いている。

■調査で明らかになった4か国の民意は、おおよそ以下にまとめることができる。
 まず、今後一〇年間にわたり中国はその影響力を増大させる、と4か国の国民は見ているが、米国のアジアへのリバランスはまだ国民レベルでは十分な理解を得ておらず、米国のこの10年間の影響力は現状維持程度だと見る人がこの4カ国に多い、ことである。
 しかし、こうした中国の影響力と各国の課題解決力、リーダーシップに対する評価は連動しておらず、日本と米国と、中国、そして韓国の国民にかなり 大きな意識の差が見られた。この中で浮かび上がったのは、韓国国民の中国傾斜と、中国の国民にロシアや韓国に対する評価が相対的に高まっていることである。この傾向はこの地域の2国間関係の重要性や、信頼に対する国民の評価でも同様であり、米国から見れば同盟国間の協力連携に懸念を抱きかねない状況になっている。
 この地域の紛争の可能性に関しては、米中の国民が、中国の軍事増強や米国のこの地域での行動に懸念を強めていることが目立つ反面、尖閣諸島、台湾などの紛争の可能性に関して、関係国同士の間で、認識の差が出ている。
 米軍の存在に関しては日米韓の国民に、現状維持を求める声が多いが、紛争への米軍の介入に関しては、米国民の中にかなり消極的な見方が強く、特に 朝鮮半島の平和統一後の米軍駐留に関して、それを必要とするかで米中、日韓の国民間に意識の差がある、ことも浮き彫りになっている。
 この北東アジアでは、中国の発展に伴うアジアの変化について、国民間の認識差が広がっており、政府レベルの同盟国間の協力の問題や紛争の危険性に関して、国民が懸念を強めている、ことも明らかになっている。
 この北東アジアでは、中国の発展に伴うアジアの変化について、国民間の認識差が広がっており、政府レベルの同盟国間の協力の問題や紛争の危険性に関して、国民が懸念を強めている、ことも明らかになっている。
 では、これらを個別に見ていくことにする。  

 ■アジアの変化はこの10年間、中国の影響力増加を軸に展開する
 北東アジアの変化が、中国の影響力の増加を軸に進むことは、当の中国だけではなく、日本、米国、韓国の国民も認めている。特に韓国の国民の中に、中国の影響力の拡大を意識する傾向が高い。
 アジアにおける中国の影響力がこの10年でさらに増加すると見る国民は、当の中国で82.5%、さらに韓国も80%と8割を越え、日本は60.3%、米国でも52%と半数を越えている。
 これに対してアジアへの回帰を進める米国の影響力がアジアで増加する、と見ているのは、米国民でも31%に過ぎず、52%は現状と変わらない、と 答えている。日本、韓国、中国の国民も、米国の影響力が、アジアで今後「増加する」と見ているのは3割に満たず、逆に「現状と変わらない」が半数程度で、 最も多い回答となっている。
 
 

 私たちは、この米国のアジア・リバランスの評価を、日米中の3ヶ国の国民に別の質問で聞いているが、米国でもそれを支持する人と支持しない人はそれぞれ 49%と42%と分かれており、日本でも「分からない」が41.9%と、最も多い回答となっており、充分理解されたものとはなっていない。
 このような状況の中で中国国民は、自国の影響力の拡大に八割以上の人が自信を強めており、中国人の4割を超える人が米国、韓国の影響力は今後10年も現状と変わらない、と見ている。ただ、日本に対しては評価が厳しく、42.7%が「影響力が減少する」と見ており、この回答が最も多い。




 世界の中で責任有る行動が取れる国への評価では、日米と、中韓に温度差が大きい
 ただ、国の影響力の予測と、こうした国が世界の課題に関して責任ある行動を取るのか、への期待は連動しておらず、見方も分かれている。
 今回の調査では、日本、米国、中国、韓国、ロシア、EU,インドの中で、どの国が世界の課題に責任ある行動をとる、と期待できるかを、四ヶ国の国民に聞いているが、日本と米国の国民は米国、EUと日本にそれぞれ半数を越える、強い期待(日本人は自国に78.85、米国に77.3%、EUに 55.3%、米国人は自国に81%、EUに65%、日本に58%)を持っているのに対し、中国と韓国にはそれほど、強い期待を持っていない(米国人は中国に34%、韓国に36%、日本人は中国に14.9%、韓国に25.4%)。


 
 これに対して、中国人は、世界の課題に対して責任ある行動をとる国として、自国の90.1%を除けば、ロシアに七割を越える人が期待を持っているのに対して、米国に対する期待は45.1%に過ぎず、半数に届いていない。韓国人は米国(87.4%)、EU(71.7%)と並ぶように中国(70.6%) にも高い期待がある。
 中国人と韓国人で、日本に責任ある行動を取る国としての期待している人は、韓国人が48.1%、中国人はわずか14%しかない。

 


 さらに私たちは、日本と中国、米国の3国民に、日本、米国、中国、韓国、ロシア、EU、インドの中で、国際的にリーダーシップをとることが望ましい、と思う国を聞いている。
 この回答も先の質問と同様に、日米と、中国の国民間に大きな認識差がある。日本では、自国のほかは米国とEUがリーダシップを取ることが、望ましいと考える人が多く、米国を選んだのは79.7%、日本は69.9%、EUは53.4%、である。 中国、韓国、ロシアを期待する人はそれぞれ1割程度だった。
  米国人が、リーダーシップを取ることが望ましいと期待する国は、自国の92%を別にすれば、EUの80%、日本の73%が最も多い。中国を期待する米国人は51%、韓国は62%、ロシアは43%である。
 これに対して、中国人が期待する国は、自国の中国の85.7%を除けば、ロシアの72.8%が最も多く、米国の64.1%が続いている。韓国を期待する人は53.4%、日本は42.4%だった。



  

 

■米中の国民が、中国の軍事増強や米国のこの地域での行動に懸念を強めている

 次に私たちは、この地域の紛争の原因を4ヶ国の国民がどう認識しているのか、を聞いている。
 全ての設問で共通して言えるのは、日本人の地域紛争に関する認識が相対的に希薄だということである。しかし、それを差し引いても、この4か国の国民間には紛争の原因の可能性をめぐり、注目できるいくつかの傾向が存在する。
 第一は、「中国の軍事的な増強」や、「米国のアジア太平洋における展開」が、今後のアジアの紛争の原因となる可能性がある、という認識が米国と中国の国民に強いことである。
 例えば、「中国の軍事力の増強」が、紛争の可能性の原因だとなる可能性がある、あるいは可能性が高い、と考える米国人は79%と8割近くとなって おり、中国人も58.9%と6割近くはその可能性を認めている。逆に、「米国のアジア太平洋における軍事展開」が紛争の原因になる可能性を中国人は 65.2%、米国人も63%、と6割以上が認識している。


 
 ただ、現実に北東アジアで存在する、二国間の対立に関しては、関係当事国間の国民の意識に非対称性が存在する。例えば、「中国と台湾の関係」に関しては米国の66%が紛争の可能性をある、または紛争の可能性が高い、と考えているが、中国人でその可能性を意識しているのは45.6%に留まった。また、「日本と中国間の紛争」も、中国人の71.4%が、その可能性がある、あるいは、高いと考えているが、日本人でその可能性を指摘しているのは38.9%に過ぎず、39.5%は逆にその可能性はない、と意見が分かれている。「日本と韓国間の紛争」も、韓国人の54%が紛争の可能性を意識しているが、日本人でその可能性を意識しているのは、22.6%に過ぎない。



 
 第三は、4か国の過半数の国民が共通して、紛争の可能性があると認識している課題も北東アジアに存在している、ことである。「エネルギー資源の競争」 (日本人59.1%、米国人75%、韓国人85.3%、中国人82.5%)、「アジアでの新たな核保有国の出現」(日本人50.1%、米国71%、韓国 71.8%、中国65.3%)、「朝鮮半島の状況」(日本人59%、米国78%、韓国65.5%、中国63.3%)である。新たな核保有国の出現と、朝鮮半島の状況を危惧する傾向は特に米国民と韓国民に強い。



 


≫前篇(言論NPOサイトより)

*筆者注:後篇では、アジア地域における米軍の存在意義等々のレポートをお伝えする。


ジオエコノミクスの世紀 Gゼロ後の日本が生き残る道
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●民主は自民を乗せた馬? 将を射んとする者はまず馬を射よ

2015年10月20日 | 日記
「存在の現れ」の政治―水俣病という思想
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●民主は自民を乗せた馬? 将を射んとする者はまず馬を射よ

この政党、わが国の民主党だが、数年前に痩せても枯れても政権政党だったなんて、信じられようか。無論、信じられないが、不都合な史実なのである。来夏の民主党参議院の有力候補がどれだけいるのか、既に勘定は出来ているだろう。おそらく、改選数の半分の当選がやっとの状況と聞いている。つまり、国民から見放された政党というイメージが強い。党内の保守系議員は、受け入れて貰えるなら自民党か大阪維新に行けばいいだろう。官公労主体の連合が、御用組合化しているのも、周知の事実。公務員党とでも名を変えて、国民の敵性政党になるのも奇抜で良いではないか。

よくよく考えてみると、反戦争を掲げ、立憲主義を尊重しようという大きなうねりは、必ずしも現在の民主党が体現しているわけではない。最悪の場合、来夏の参議院選が三つ巴になることも覚悟した方が良いだろう。無論、野党側の票が割れるわけだから、自民・公明に酷く有利な選挙戦になる。しかし、長期的な論理的に考えた場合、自民党のような法律を守らず捻じ曲げる私利私欲政党を潰すには、並大抵の業では通用しない。民主党や維新の会との連携が上手くいかず、自民公明を大勝させても、それはそれで良い。中々これ以上、反国民的為政をなすことは新たにないのだから、80点悪い政権が90点悪くなるだけで、1%のための政治をするのは確かなのだから、驚くに値しない。

それよりも、現在の民主党が野党第4党くらいに落ち込んでしまう方が、戦いは明確になる。ほんの少し前に“みんなの党”や“橋下維新”が自民党補完政党と見られていたが、今となっては、民主党も、実は自民党政権に対して補完政党である疑いが濃いわけで、無くなることが、国民に選択の明確化を提供できるのだと言える。考えてみれば判るが、TPPと消費税とマイナンバー制度(共通番号制度)を叫んだ一番乗りは菅直人だ。そして、それを実現化させたのが、野田佳彦と安倍晋三だ。つまり、安倍晋三は民主党のレールの上を、安保法制を割り込みさせて突っ走った暴走機関車に過ぎない。アメリカ宗主様と崇めすぎたの、民主党が言い出しっぺだとも言える。今さらだが、鳩山由紀夫がもう少し小沢一郎を使う器量があったなら…であるが、死んだ子の歳を数えるのも…だ。

21世紀の今日において、世界的な傾向だが、富の偏在化も著しく、1%対99%の闘いは、中立穏健と云う中間層を喪失させ、右か左か、右翼か左翼かと云う、東西冷戦時以上のイデオロギー闘争が、世界中で起きている。教養を駆逐する感情の劣化こそが、強さなのだと云う奇妙な空気が地球上を覆う時代に突入したと云うことだろう。こういうカオス時代に中庸ってのは、驚くほど、力が発揮できず、左右の間に埋もれてしまうのだろう。であるならば、極めて自民党的、極めて既存の枠組みの権益に守られている、現民主党の体質そのものが、もう時代の要請に応えられない集合体になっている、そう云うことだ。

であるならば、「共産・生活・社民+国民連合体」だけで連帯関係をぶち上げる方法も残されていると考える。一回の選挙で雌雄を決する積りになるから、幾分焦り気味になる。しかし、TPPによる日本の社会システムの破壊や、1%の強者の論理が国民生活に刃を向けるのは、実はこれからだから、その現象を止めるために戦うわけだが、一気に名乗り出る必要もない。現時点だと、国民の8割が阿鼻叫喚と云うわけではない。衣食住に事欠く実感が6割近くなった時、それを改革するぞと云う政党が存在する意義は大きい。21世紀は、共生にと云うイメージにはほど遠い底打ちを見た上で、社会は反発する。その力学に勝負を賭けるのも選択肢として大いにある。筆者は、そのように考えている。自民を潰す前に、馬を射よ。それが民主党じゃないのか?こういう考えも成り立つ。

共産党志位委員長の重大な決意表明に漸くマスメディアが動いた。筆者は、執念深く、一連の日本共産党の動きをウォッチし、コラムに書いてきたが、珍しくジャーナリスト精神に目覚めたのか、ネタ不足で取り上げたのか不明だが、政局を作る新聞社として、一矢報いたい心根もあるのだろう。どの新聞社よりも早く、日本共産党の動きを大きく報じた意味は大きい。ビデオニュースドットコムで、神保や宮台が糞メディアを腐していたが、秘かにウォッチしているマスメディアの連中が動いたのだろう。その意味でも、ビデオニュースドットコムの功績は大きいのだと思う。以下、参考までだが、朝日の一連の記事を掲載しておく。

≪ 暫定政権で安保法廃止目指す 共産・志位氏インタビュー
 共産党の志位和夫委員長は19日、朝日新聞のインタビューに応じ、安全保障関連法廃止に向けて提唱する「国民連合政府」を実現するため、次期首相指名で民主党代表を推す可能性に言及した。これまでは選挙結果に関係なく、自党の党首を指名する独自路線を原則としてきたが、安保法廃止に向けて野党の結集を最重視する考えを示した。 志位氏は、提唱する国民連合政府について、安保法廃止と集団的自衛権の行使容認を決めた昨年7月の閣議決定撤回の二つに目標を絞った「暫定政権」だと説明した。民主党など他の野党との連立政権を念頭に、首相指名についても、「一般論」としつつ「第1党が首班を担うことが一般的だ」と指摘。民主党代表が首相になることも容認する考えを示した。
 共産党は野党共闘の一環として、1998年の国会での首相指名投票で民主党代表だった菅直人氏を推した。だが今回の発言は焦点を絞って政権への参加を前提にしたもので、従来の姿勢から一歩踏み出した。
 連立政権への関与についても「閣外協力もありうる。そのときの状況を見てベストの選択肢を採る」との姿勢を示した。政策については、すでに暫定政権下では「日米安全保障条約の廃棄」「自衛隊の解消」などについて党の方針を「凍結」する考えを示したことに加え、消費増税など各党間で意見が異なる課題についても「欲張りすぎない」と言及。安保法廃止など2大目標以外は、柔軟に対応する考えを強調した。
 そのうえで「(暫定政権の)目的を達成したら、その先の針路は国民に問うて決めることが基本だ」とし、安保法廃止と立憲主義の回復後はただちに衆院選を行い、改めて国民に信を問うべきだと述べた。  一方、2005年と07年に「たしかな野党」のスローガンを掲げるなど、他党との選挙協力を避けてきた点について「政党である以上、政府(政権)をめざす必要があるとの意見もあった」と述べ、「非常事態」として方針転換するとした。
 安倍政権に対抗するため、本格的な野党間の選挙協力が不可欠と改めて強調。「(来夏の)参院選が衆院選より先にあった場合、参院選が非常に大事になってくる」と指摘した。野党共闘で参院選に勝利し、参院で野党が与党の議席を上回る「衆参ねじれ」の状態に持ち込み、政権を衆院解散に追い込んでいきたいとの考えを示した。

■連携の先行きは不透明
 志位氏は、日米安保条約廃棄の「凍結」といった柔軟路線を次々と打ち出す理由について、「安倍政権への批判が野党支持に結びつかないのは、野党の結束が見えないから」と説明した。安保法に対する批判的な世論が根強いことを強調し、「強力な受け皿が見えたら国民の状況はがらっと変わる。野党の決意次第だ」とも語った。
 積極的な発信を続けるのは、共産党が近年の国政選挙で政権批判の受け皿として党勢が回復傾向にあることも大きい。2013年参院選では改選3議席から8議席、14年衆院選は8議席から21議席に躍進した。
 今回、全選挙区に候補者を擁立してきた基本戦略を変える点については、民主党などから「供託金没収を避けるための大義名分だ」との声も上がる。だが、志位氏は「これまでの躍進で衆参ともに全選挙区で擁立できる党の力量はある」と反論。反安保法の世論こそ、共産も含めた野党を結び付ける唯一のテーマであり、政権交代の展望が開けると訴える。
 しかし、志位氏の「一点共闘」構想が実現する見通しは立っていない。民主党の岡田克也代表は18日、仙台市内で記者団に「共産との協力は大事だが、政権を共にすることが前提だとハードルが高い」と否定的な考えを改めて示した。
 民主内では、保守系議員を中心に共産との選挙協力そのものに反対する声が根強く、民主の支持母体の連合も共産党との連携には否定的だ。民共が共闘すれば、自民から反共キャンペーンなどの攻撃にさらされると懸念するからだ。
 志位氏は「誤解されている面もあるが、アレルギーを取り除くために努力する。互いにそれを乗り越えて未来のために結集すべきだ」と呼びかけるが、先行きは不透明だ。 ≫(朝日新聞デジタル:星野典久、村松真次)


≪ 共産・志位氏「第1党が首班担うのが一般的」
共産党の志位和夫委員長は19日、朝日新聞のインタビューに応じた。詳しいやり取りは次の通り。

 ――「国民連合政府」を呼びかけた狙いはなんですか。

 安全保障関連法、戦争法をそのままにできない。戦後60年余り続いた集団的自衛権は行使できないという政府解釈を一内閣の専断でひっくり返し、立憲主義も破壊された。戦争法は廃止し、集団的自衛権の行使容認の閣議決定も撤回する。野党がバラバラでは安倍政権が続くことになるので、大義のために野党間の基本政策の違いを横に置いて勢力を結集すべきだ。国民の声に応えるためには、共産党も変わる必要がある。

 ――いつから構想を練っていたのですか。

 夏の盛りの頃から色々と考えてきた。きっかけはやっぱり国民の声だ。国会前の抗議行動で若者のみなさん、学者のみなさん、ママの会など諸団体が集まり、戦後かつてない新しい国民運動となっている。それは「野党は一致結束して欲しい」という声であり、痛いほどずっと感じていた。

 ――8月には岩手県知事選での野党共闘の動きがありました。

 岩手のこともあるが、安保法案の国会審議が始まった5月以降、衆院審議の段階で2回、参院審議の段階で4回、計6回の党首会談をやっている。それを通じて互いの信頼関係ができるし、(安保法が成立直前の)9月18日の野党党首会談では一致して内閣不信任案 の提出も決めた。わたしはその席上、「もし仮に不信任案が可決されたらここにいる5党とそれに賛同した勢力で連立政権を作ることになりますね」と発言したが、理論的にはそういうところまで野党共闘が大きく進んだ。国民の皆さんの運動が後押ししてくれたから野党共闘が前進した。

 ――どうやって国民連合政府構想を実現するつもりですか。

 まず、参院選で野党間の選挙協力が大事になる。特に32ある1人区は全部野党が勝利する構えで本格的な協力ができればと願っている。(具体的な)やり方はこれからの話し合いだが、一番力の出る、国民に野党の本気が伝わる協力をやりたい。衆院選でも選挙協力して自公政権を退陣させ、安保法廃止と立憲主義の回復に限った暫定的な特命政権をつくる。連合政府だから、第1党が首班を担うのが一般的ではないか。それを達成したら、その先の針路は総選挙で国民に問うて決めていくのが基本だ。

 ――その一歩として、党綱領にある日米安保条約の廃棄や自衛隊の解消の目標を「凍結」すると打ち出しました。しかし、自衛隊について違憲から合憲に政策変更した社会党のように批判される心配はありませんか。

 当面は自衛隊を活用する党方針は2000年に決めている。国民合意で一歩一歩やっていくと以前から決めていた。安保は1998年に暫定政権の場合は凍結すると決め、党内的な議論はもう尽くされている。相違点は横に置き、一致点で協力するのが大原則だ。

 ――相違点は本当に横に置けますか。例えば民主党が容認する沖縄県の普天間飛行場の移設問題は、工事が着々と進んでおり、国民連合政府でも対応が問われます。

 沖縄問題は県民があれだけ明確な「新基地建設ノー」の審判を何度も下している。民意を無視して強権的なやり方で工事を続けることはやるべきではないという線で、これはすぐ問われる。この点は話し合って前向きな一致を得たい。

 ――国民連合政府による政権運営期間はどれぐらいを想定していますか。

 これはやってみないとわからない。ただ、わたしは安保法を廃止する、立憲主義、民主主義を本格的に取り戻すとなった場合、これ自体が大仕事になると思う。だから、彼ら(安倍政権)のように強行採決なんて絶対にやるべきではない。少なくともでたらめな憲法解釈を正すためには一定の作業は必要だ。

 ――これまで国政選挙の基本路線としてきた全選挙区での擁立を見送るのは、大差で敗れた選挙区での供託金没収を回避する財政的な狙いもあるのではないですか。

 09年衆院選で小選挙区を絞ったのは財政的な問題もあったが、今の党の力からすれば衆参全区で擁立できる状況にある。今回は安倍政権を打ち倒すためだ。

 ――野党連携に共産も加わることへのアレルギーが民主にあり、逆に票が減るとの懸念も出ています。

 私たちも誤解されている面があると思うので、取り除くために努力する。しかし、アレルギーも乗り越えて未来のために結束すべきだ。安保法制しかり、安倍政権がやっていることを個々でみれば、世論は反対だ。安倍政権に対して道理も筋もある強力な受け皿が見えたら、国民の状況はガラッと変わる。野党の決意次第だ。

 ――不破哲三元議長とは何か話しましたか。

 この方針は中央委員会総会で決めた。その前には当然、幹部会、常任幹部会もやっている。不破さんも常任幹部会の一員であり、不破さんを含めて、この問題を良く議論して決めたということだ。

 〈国民連合政府〉 共産党が提唱する野党結集による連立政権構想で、安全保障関連法の廃止と立憲主義の回復を掲げる。この二大テーマで合意できる野党が衆参の国政選挙で協力し、実現すれば解散する「暫定政権」との位置付けだ。共産は実現のため、これまで他党との協力の障害となっていた「日米安全保障条約の廃棄」や、「自衛隊の解消」などの共産の基本政策を一時凍結する考えを示した。これまでに民主、生活、社民の各党に参加を呼びかけ、維新の党にも賛同を求める考えだ。
 ≫(朝日新聞デジタル)

安倍流改憲にNOを!
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●共産党が赤なら民主は何色? 黒い安倍自民を潰す絶好機だろうに

2015年10月19日 | 日記
増補 靖国史観: 日本思想を読みなおす (ちくま学芸文庫)
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●共産党が赤なら民主は何色? 黒い自民を潰す絶好機だろうに

民主党の馬鹿どもが、いまだにグタグタと屁理屈をこねている。まさに、学級会レベル。いや、最近の若い人たちを眺めていると、中学生でも、ことの重要性次第では、死に物狂いで、成否を判断するのではないだろうか。筆者は、正直、よくも志位和夫が此処まで明言したと吃驚している。かなり危険な賭けである。彼の立場も賭した闘いなのではないだろうか。志位の「一点突破連立政権」と云う構想の本質は、わが身を捨ててでも、「国民投票」という舞台をしつらえているのに等しい。ここがポイントだ。

「安倍政権にイエスかノーか」その一点だけの「国民投票」的性格を持つ国政選挙をしようじゃないか、そう云うことなのだ。この“YESorNO”選挙で、来夏の参議院選挙、そして次期衆議院選挙を闘い、兎に角、理屈抜きに「立憲主義を守らない」そう云う政権が、日本国においては成り立たないことを証明する選挙にしようと云っているわけだ。謂わば、現日本国憲法を堅持するのが、日本国民の総意だから、二度と安倍自民党のような政党の出現を認めないと国民が意思表示する最大の機会提供と説くべきだ。

ビデオニュースドットコムは日本共産党志位委員長の単独インタビューを含め、マスメディアではあり得ない情報開示に努めてきている。おそらく、外国特派員協会主催の志位委員長会見も、神保氏の手腕が生きたものと推察する。ただし、彼は共産党支持ではないだろう。あくまで、真のジャーナリスト精神による、当然の報道をしただけなのだ。ただ、日本共産党自身も変わりかけている。小林節氏や野中広務、古賀誠など保守本流との接点もある日本共産党と云う政党が広く国民の政党である為に、何をなすべきか考えた末の結論だったに違いない。

アメリカと電通と官僚の混成部隊のような安倍自民党を、このまま生きながらえさせることは、結果的に国家主義に走るか、自他ともに認める「属国」になるかの瀬戸際にある。民主党の岡田や枝野らが腰が引けている事情は判らないでもない。しかし、あれだけ反対した「安保法制」を破棄する目的だけの為に連立を組むわけだ。志位は、共産党が閣内にいるのが問題であるなら、公明党のような下品な要求はせず、閣外でも問題ないよ、と言っている。さしずめ気持ちとしては“大異を残し、大道につく”そこまで決断しないと、民主主義もヘッタくれもない国家が誕生定着してしまう。そのように、志位和夫の決断を素直に受け止めて良いのだと思う。

たしかに、共産党の旗振りに参加するような形になるので、民主党がリーダーになった「国民連合政府」(仮称)ではなくなる。その点が、民主党として忸怩たる部分があるのだろうが、泥沼の分裂騒動でテンヤワンヤの維新の会との連携などを何時までも模索していたピントはずれ政党なのだから、文句は言えまい。それにだよ、余りにも酷すぎる菅直人と野田佳彦を晒したのだから、現行の民主党では、国民の支持が安倍自民を追い落とすレベルまで行くことは金輪際ない。最終的には、民主党は飲まざるを得ないのだと思う。グダグダしていると、共産、社民、生活+国民連合体のような選挙態勢もあり得るわけで、民主党の当選者ゼロも視野に入る。

日本人の共産党アレルギーと云うものは、暴力革命政党、スターリンと同じ、不可侵条約裏切り、シベリア抑留、“アイツはアカだ”、民主集注‥等、日本人の心情と合致しないレッテルも多いので、毛嫌いと云う風潮はないわけではない。しかし、ほんの少し前まで、あそこは創価学会と小声で噂した時代もあったわけで、一歩一歩の実践が、その風潮を和らげるに違いない。まあ、今の公明党になると、再び地に落ちたとも言えるが、一時は公明党も真っ当だった。今回は、まして、安保法制を破棄させるまでの「緊急一時政権」、安倍たちの言葉を借りれば、「1億総立ち上がり」な行動と捉えておけば良い。この「国民連合政府」(仮称)の実現は、まさにノーベル平和賞の実践となる。

もう一つつけ加えておけば、共産党アレルギー敏感肌な世代は50代前後で終わっているだろう。特に、宮本顕治氏を記憶している人々にとっては、手ごわい教条主義政党と云う印象が残っているのも事実だろうが、歳月は流れている。40代以下の世代であれば、共産党アレルギーは殆どないし、暴力革命政党だったなどと云う歴史も関係ない。ネトウヨが駆使する「サヨク」「アカ」と云う言葉は、この共産党アレルギーから派生的に生まれた言葉なのだろう。「SEALDs(シールズ)」など若者を中心とする動きは、安倍自民党にとって非常に脅威なのに違いない。民主党は、その辺の空気も読めないのかな?一時、応援したのがバカバカしくなる昨今だ。
*注:宮本顕治を確認していたら初めて知ったが、宮本百合子と夫婦だったんだね。


≪ 安保抗議「終わっていない」 殺害予告にもひるまず再起
安保関連法制の成立から19日で1カ月。国会前を離れ、それぞれの暮らしに戻った若者たちは、今後も日常生活のなかで、街で、法制反対の声を上げていく。
 「終わってるなら、始めましょう!」。学生団体「SEALDs(シールズ)」のメンバーで国際基督教大4年の小林叶(かなう)さん(21)がス テージの上で叫ぶと、東京・渋谷のハチ公前広場を埋めた人たちから大きな歓声がわいた。「法制が成立しても、抗議が終わったわけではない」という思いを込めた。
 関連法の成立後、夏休み明けの大学に戻ると、多くの友人が安保法制自体を知らないことに気付かされ、失望もした。短期留学したドイツでは、移民問題について排外的な主張をするデモ隊を何倍もの市民が囲んで抗議する様子を見た。痛感した。「日本はまだ政治が日常に根付いていない」
 それでも、18日のハチ公前で、変化の芽も実感できた。スピーチでは「日常が危機に追い込まれている」と訴え、奨学金返済に追われる学生や、生活苦にあえぐ若者についても語った。いつもは政治の話をしない友人が何人も見に来てくれ、「よかったじゃん」と声をかけてくれた。
 都立高3年の福田龍紀さん(18)もこの1カ月、「T―ns(ティーンズ) SOWL(ソウル)」のメンバーとして連日国会に通った日々から、勉 強中心の生活に戻った。学校では友達の対応に変化があったという。「受験生なのに何やってんの」と冷笑していた友人が、応援してくれる。ツイッターでは、政治の話をしたこともない友達が「ユーチューブで4時間国会中継見た」と書いていた。休み時間には、18歳以上が投票権を初めて持つ来年の参院選が話題に上るようになった。
 社会に色んな形でかかわろうと、今月には豪雨被害を受けた茨城県常総市のボランティアにも行った。がれきを運びながら、地元の人と話す。収穫直後のお米や思い出の写真が流された話に、奪われた「日常」の重みを感じた。11月には法制を巡る高校生向けの勉強会やデモを予定している。
 「あの時の熱を冷まさず、気持ちを持ち続けるために来たかった」と京都から駆けつけた大学生もいた。同志社大2年の齋藤凜さん(19)。「SEALDs KANSAI」のメンバーとして街頭に立っていたが、大学では、安保の話をする友達はあまりいない。「街頭の空気とは違う」と思い知った。その思いをステージ上でマイクを握り、ぶつけた。「私たちは、憲法の理念を諦めることはできない」
 国会審議中、いつも運動の中心にいた「SEALDs」の奥田愛基さん(23)は、この日、ほとんど姿を見せなかった。成立直後に本人と家族を「殺 害する」との脅迫文が届き、大学で警察の警備がついたこともあった。「僕が行くと警備の人たちもいなきゃいけない」と、不参加も考えた。
 だが、近くから見守ることに。最後には短く壇上に上り、「民主主義って何だ!」とコール。「やれることをやっていきましょう」と声を上げると、拍手が鳴り響いた。
 今は図書館に通う日々。大学院進学のためだけではない。「勉強しないと、自分の言葉がどんどんスッカラカンになっていくから」だ。今後については「それぞれが自分たちの日常の中で何ができるか。主体的に動いていくしかない」と語る。25日には、安保法制に反対する憲法学者らとシンポジウムを共催する。来年の参院選に向けて何ができるか、その後はどうするのか。思いを巡らせている。 
 ≫(朝日新聞デジタル:市川美亜子、後藤遼太)


≪ 野党連携に向けた共産党の本気度
  共産党はどうやら本気のようだ。
 共産党の志位和夫委員長は10月15日の外国特派員協会の会見で、安全保障関連法を廃止するための野党による連立政権が結成された場合、共産党は自衛隊や日米安保の廃止といった、長年にわたり主張してきた、党のアイデンティティと言っても過言ではない主要政策を、いずれも凍結し、現状を容認する方 針を明らかにした。
 共産党は先の国会で成立した安保法制を廃止するために、野党連携による「国民連合政府」の樹立を他党に呼びかけている。志位委員長はこの日の会見 で、国民連合政府が成立し、万が一、その政権下で日本が有事に巻き込まれた場合、「日米安保条約の枠組みで対応する」、「急迫不正の時には自衛隊を活用する」と述べ、これまでは党が違憲であり廃止すべきであると訴えてきた自衛隊や在日米軍を活用すると明言した。
 共産党は党の綱領で日米安保条約や自衛隊の廃止を明記している。しかし、志位の発言は安保法制を廃止するという目的のためには、共産党は一時的に基本政策を凍結することで、野党の結集を優先する姿勢を見せたことになる。
 こうした共産党からの呼びかけに対して最大野党の民主党の岡田代表は、共産党との選挙協力は否定しないものの、「政権をともにするのはハードルが高い」と語り、共産党を含む連立政権構想には今のところ否定的な姿勢を崩していない。
 また、この日の会見で志位委員長は、共産党は必ずしも閣内協力に拘らないとの姿勢まで見せている。共産党から閣僚を出すことが連立政権の障害になるのであれば、閣外協力にとどめることも辞さないというスタンスだ。
 共産党が提唱する「国民連合政府」は先の国会で成立した安保法制を廃止することの一点で野党が合意・連携し、選挙に臨む。衆参の2度の選挙で勝利 して政権が成立した場合、即座に安保法制を廃止し、その後、直ちに解散総選挙を打つとしている。しかし、民主党の岡田代表は「政権をともにするということは、安保法制反対の一点だけというわけにはいかない」と語り、連立政権を組む以上は、その他の基本政策でも合意が必要との考えを示している。
 今回、共産党が政策面での最大のハードルになると見られていた基本政策の封印を明言したことで、民主党を含む他の野党が共産党の提案を拒絶するためには、少なくとも基本政策以外の合理的な理由が必要になった。
 志位委員長はまた、来年7月の参院選で32ある一人区で、野党が統一候補を出す方向で合意する見通しを述べている。前回の参院選では32の一人区 のうち26選挙区で自民党が勝利している。現在、参議院の議席配分で自公は野党を28議席上回っているが、単純に計算すれば自民党が勝利した26の1人区 のうち野党が14を上回る議席を奪回できれば、参院の勢力が与野党で逆転することになる。
 基本政策を封印した共産党の本気度と、他党が共産党との連携に腰が引ける理由について、ジャーナリストの神保哲生と社会学者の宮台真司が議論した。
 ≫(ビデオニュースドットコム:ニュース・コメンタリー)
http://www.videonews.com/commentary/151017-01/


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●共産党の提案にライバル心、剥きだし 万年野党目指す民主党

2015年10月17日 | 日記
切りとれ、あの祈る手を---〈本〉と〈革命〉をめぐる五つの夜話
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●共産党の提案にライバル心、剥きだし 万年野党目指す民主党

安倍内閣不信任提出で5党野党の連携が一瞬見えたが、岡田・枝野ラインで、あっさり解消してしまうのだろうか。まあ、そう云う場合は、そう云う民主党だから、国民が見放したと言えなくもない。中庸の精神に長けていると言えばそれまでだが、そこには決断と云う言葉が見当たらない。決断能力に欠けていたから、鳩山・小沢ラインの民主党政権を霞が関の陰謀から守ることが出来なかったのだろう。

今回の日本共産党志位委員長の決断は、当を得ているのだが、民主党ではノリがかなり悪い。選挙に勝てば、政権が二歩も三歩も近づくのだが、その勇気がない。政権を奪取できるチャンスをみすみす逃すのは、この政党の特徴かもしれない。消費税8%を選挙前にぶち上げた菅直人政権。解散などする必要もないところで、安倍自民党政権誕生の立役者になった野田佳彦。おそらく、民主党には、決断と云う言葉自体がない国の国家のようである。以下の共産党志位委員長の会見には、明確な決断がある。

田中龍作氏のブログによれば、野党の兄貴分は、俺たちなのだから…と云う気持ちが強く、決断なき妥協に終始する。このような発想では、政権党になることは永遠にないだろう。あれだけの演説が出来る枝野幹事長には迷いがあるように思われるが、党内における力関係では、前原の党内支配力はかなりのものなのだろう。親米でありたいがために、企業群と仲の良い関係を継続したいと云う思惑からか、何とも煮え切らない。安倍内閣の支持率が下がって、勝てると本気で思わない限り、立ち上がらない腹積もりのようだ。志位委員長の会見冒頭の声明にしても、仕込みではない記者の質問にも、うろチョロしない器量は整っているようだ。何を怖れているのか判らないが、安倍自民党の政策の手直し程度で、お茶を濁すようでは、期待するのは野暮だろう。


 ≪ 【詳報】"違いは違いとして横に置く"というのが一番現実的
   〜「国民連合政府」構想で共産党・志位和夫委員長が会見
 15日、日本共産党の志位和夫委員長が、日本外国特派員協会で「国民連合政府」構想について会見を開いた。記者たちからは、「天皇制」「自衛隊」「日米安 保条約」といったテーマにおいて、日本共産党の民主党など野党との間にある考え方の根本的な違いをどう克服するのか、といった質問が出た。

 ■冒頭発言:「国民連合政府」という名称は仮称、みんなで決めればいい
今日はご招待いただきまして、真にありがとうございます。日本共産党の志位和夫でございます。

 9月19日未明に安倍政権によって、安保法・戦争法の強行がされました。日本共産党は同日の午後、第4回常任活動会を開催し、戦争法廃止の「国民連合政 府」の提案を決定いたしました。提案の全文はみなさんのお手元に配布させていただいております。私たちの提案は次の三つの柱からなっております。

 第一は、戦争法・安保法制廃止。安倍政権打倒の戦いを更に発展させようという戦いの呼びかけです。第二は、戦争法廃止で一致する政党団体・個人が共同して 「国民連合政府」を作ろうという政府の提唱であります。第三は、戦争法廃止の「国民連合政府」で一致する野党が国政選挙で選挙協力を行おうという呼びかけであります。

 すでに提案は、大きな反響を呼んでおります。私たちはこの提案を持って、各界、各分野の方々との懇談を続けておりますが、これまでにない広範な方々から、賛同と激励の声が寄せられていることは大変嬉しいことであります。

 最近のJNNの世論調査では、共産党が呼びかけた選挙協力について37%の方が「期待する」と答えております。「野党は協力を」という声が1つの流れとなりつつあります。これを文字通りの国民的な流れにしていくことが、この提案を実現する最大のカギだと考えております。

 私たちはそのためにあらゆる努力を続けたいと決意しております。この提案を持っての、野党各党との話し合いも始まりました。私は民主党、社民党、生活の党 との最初の党首会談を行いましたが、全体として良いスタートを切れたと考えています。維新の党とも党首会談が行われることになると思います。様々な困難も ありますが、互いの信頼関係を大切にして、粘り強く話し合いを続け、合意できるよう誠実に協力したいと考えております。

 さて、メディアの報道では、私たちが選挙協力を呼びかけたことに注目が集まっています。しかし、私たちの提案の一番の要は、「国民連合政府」という政府を提唱したことにあります。もちろん、「国民連合政府」という名称は仮称でありまして、みんなで決めればいいと考えております。

■目標は"立憲主義の回復"
なぜ、「国民連合政府」か。一言で言えば、本気で日本の政治を立て直そうとすれば、今どうしてもこうした政府を実現する必要がある。これが私たちの考えであります。私は3つの点を強調したいと思います。

 第一に、本気で戦争法・安保法制を廃止し、日本の政治に立憲主義と民主主義を取り戻そうとすれば、それを実行する政府が必要になります。すでに国会論戦で 明らかになったように、戦争法は憲法9条を蹂躙し、海外で戦争する国へ日本を作り変える違憲立法です。それを進めたやり方も、60年余に渡る政府の憲法解 釈を、いち内閣が覆すという立憲主義を乱暴に破壊するものでした。

 戦争法は内容でもやり方でも、二重に憲法を破壊するものであって、この法律ばかりは与党の数の暴力で強行採決をさせられたからといって、それを許したまま にしておくことは決して出来ません。私たちは戦争法廃止の新たな戦いを国民と共に大きく発展させていきたいと強く決意しております。

 戦争法を廃止するためには、何が必要か。廃止を求める勢力が衆議院と参議院で多数を獲得し、廃止法案を可決されることが元より不可欠です。同時にそれだけ では足りません。それだけでは集団的自衛権行使を容認した昨年の7月1日の閣議決定が残ります。これが残る限り、自衛隊の海外派兵の大きな火種が残ったま まです。

 デタラメな憲法解釈が続き、立憲主義がないがしろにされた異常事態が続くことになります。ですからこの閣議決定を撤回することがどうしても必要です。そして戦争法廃止、閣議決定の撤回という二つの仕事を本気でやろうとすれば、安倍政権のもとでは不可能です。 それを実行する新しい政府を作ることがどうしても必要になります。

 第二に、本気で安倍政権を打倒しようとすれば、それに代わって、どういう政権を作るのか。安倍政権を打倒した後の政権構想を野党が責任を持って示すこと が、どうしても必要になります。野党間に国政の基本問題での政策的一致が存在する場合には、本格的なや党連立政権を作ることが、現実的な課題となるでしょ う。

 しかし、現実にはそうした条件は存在しません。だからといって、野党間で基本政策が一致するまで待つわけにはいきません。それでは安倍政権がいつまでも続 くことになります。それではどうするか。私たちの提案は、野党間で政策的な相違点がある元でも、それを横に置いて、立憲主義の回復。この一点で、この国民 的大義で一致する全ての政党団体・個人が共同して、連立政府を作ろうというものです。

 「小異を捨てて大同につく」という言葉があります。私たちの提案は、「大異を横に置いて、大同につく」というものであります。この政府は、この一点での合 意を基礎にした政府ですから、暫定的なものとなります。すなわちこの政府は、その任務を達成した時点で、解散総選挙を行い、その先の日本の進路について は、国民の審判を踏まえて選択すべきだと考えます。

 そのことを私たちは提案の中に率直に明記していきます。今、国民の中で安倍政権の退陣、安倍政権の打倒という声が大きく広がりつつあります。それで安倍政 権を打倒した後に、どのような政権を作るのか。それはそれぞれの野党に問われている問題です。それをまた多くの国民にも問われている問題だと思います。

 打倒した後も、自民党内の政権のたらい回しで、安倍政権の亜流政権に交代するだけでは何の意味もありません。私たちは、「国民連合政府」という政権構想が、現時点で安倍政権に代わる唯一の現実的で合理的な政権構想だと確信するものです。

 第三に、本気で野党の選挙協力を成功させ、自民党、公明党を打ち負かし、安倍政権を退陣に追い込もうとすれば、野党側が明確な国民的大義を掲げることが、 どうしても必要となります。昨年12月の総選挙で、私たちは沖縄1区から4区までの全てで選挙協力を行い、全てで自民党候補を打ち破って、勝利を勝ち取り ました。

 なぜ勝利が出来たか。その最大の要因は、辺野古新基地反対というオール沖縄の声。県民的な大義を掲げて戦い抜いたことにありました。野党が選挙協力を行っ たとしても、自公に打ち勝つのが容易でないことは明らかです。勝利するためには、国民的大義をはっきりと示すことが、どうしても必要です。

 私たちは戦争法廃止、立憲主義回復、「国民連合政府」という国民的大義を明確に示し、その元で野党が結束して戦ってこそ、勝利を掴むことは可能であると考 えます。野党が共同して政権を担うというところまで、互いに腹を固めてこそ、そしてその本気度が国民に伝わってこそ、激しい選挙戦を勝ち抜くことが出来 る。これが私たちの考えです。

 要は、野党が本気になって、日本の政治を変える志を持つかどうか。私たち野党に問われている問題の核心はここにあると考えます。本気で立憲主義を取り戻そ うとすれば、本気で安倍政権を打倒しようとすれば、本気で選挙協力を成功させようとすれば、「国民連合政府」の旗を掲げることが、どうしても必要なのでは ないでしょうか。

 これが私たちの提案であります。あるメディアからの取材で、政策的に違う部分がある政党が、暫定的な政権であれ、政権を共にすることはムリがあるという批判にどう答えるかという質問がありました。

 こうした質問に対して私はまず、立憲主義の回復という課題は、あれこれの政策問題とは次元の違う、この国の根幹、土台を建て直す大問題だということを強調したいと思います。どんなに国会で多数を持つ政権であっても、憲法の枠組みは守らなくてはならない。これが立憲主義の要請です。

 ところが現状は、この根幹・土台が崩されているんのです。それをそのままにしておけば、日本は無法国家になってしまいます。独裁政治になってしまいます。 すなわち、日本の政治は、あれこれの政策を論じる土台そのものが損なわれかねないという非常事態にあります。立憲主義を取り戻すという課題は、政権を作る上で、これ以上の憲政上の大義はないといって良いほどの大きな国民的大義を持つ課題であることを、私は強調したいと思います。

 それでは、その他の国政上の課題をどうするか。私たちは、立憲主義の回復という国民的大義で大同団結が図られるならば、その他の国政上の問題においても、相違点は横に置き、一致点で合意形成を図るという原則で対応していくことは可能になると考えております。

 例えば、日米安保条約についてどうするか。私たちは廃棄という方針ですが、「国民連合政府」の対応としては、凍結するということになります。凍結とはどういうことか。戦争法廃止を前提として、第一に現行の条約と法律の枠内で対応する。第二に、現状からの改訳はやらない。第三に政権として廃棄を目指す措置はとらない。こういうことをやります。野党間の政策上の相違点においては、こういう精神で対応していきたいと考えております。

 もちろん一致点では、前向きな仕事にも取り組んでいきます。重要なことは、野党5党には、安倍内閣の不信任案を共同で提出したことに示されるように。安倍政権の退陣・打倒という点においては、政治的一致が常に存在するということです。

 そういう政治的基礎に置けば、安倍政権の民意を無視した様々な暴走に対しても、これを許さず、変換を図るという立場に立って、様々な協力の一致点が見いだされるのではないでしょうか。

 一例ですが、労働法制の問題では、この政権の元で、前向きな回復が実行出来るのではないかと考えております。こういう立場で、政策的な調整を行えば、国民 に責任を持った政策運営を行うことが十分に可能だと私は考えております。最後に、「国民連合政府」が掲げる「立憲主義を取り戻す」という課題が、国民のみなさん一人一人にとって、どういう意味を持つのかについて、話したいと思います。

 今、安倍政権が行っている政治の特徴を一言で言うならば、国家の暴走によって、個人の尊厳を踏みにじる政治と特徴付けることが出来るのではないでしょうか。それは戦争法でも沖縄問題でも、原発問題でも、労働問題でも、税と社会保障の問題でも、あらゆる問題で言えることです。

 それはまた、この政権が突然持ちだした、「1億総活躍社会」なるスローガン。官房長官の「たくさん産んで国家に貢献」という言葉にも表れております。国家のために働け。国家のために子供を産め。GDP600兆円を達成せよ。国家と個人の関係が、まさに逆立ちしているのではないでしょうか。

 国家のために国民があるのではありません。国民の幸せのためにこそ、国家があるのではないでしょうか。それは実は、日本国憲法第13条が、国家に命じていることでもあります。 この条項では冒頭に、「すべて国民は個人として尊重される」とあります。私は個人の尊重、個人の尊厳こそ、近代民主主義の原点の中の原点に他ならないと考えております。 「国民連合政府」が目標とする立憲主義の回復とは、全ての国民一人一人の個人の尊厳を守り、大切にする社会を作ることに他なりません。この間、戦争法案に反対して立ち上がった多くの国民は、まさに一人一人の意思で、個人の尊厳を賭けて立ち上がりました。 これらの人々が広く手を結んで作る「国民連合政府」は、文字通り全ての国民の個人の尊厳を守り、大切にする社会への歴史的一歩を踏み出す政府になると、私は確信を持って言いたいと思います。ご静聴ありがとうございました。

■日本に本当の民主主義を取り戻す第一歩にもなる

―――安保法反対運動においては、学生や年配の方々が大きな役割を果たしたということだが、本当の民主主義というものをどう実現したいと考えているか。(フランスの記者)

 この間ですね、国民の中で、安保法・戦争法に反対する、戦後かつて無い新しい国民運動が起こっていることに、私たちは大変励まされております。その中でとりわけ、若いみなさん、女性の方々が素晴らしい役割を果たしていることは、日本の未来にとって大きな希望だと思います。

 もちろん、年配の方の大奮闘もあると思います。学生のみなさんと話しておりますと、みなさんおっしゃるのは、これまで自分の父親、あるいはおじいさん・おばあさんの世代が、孫に自分たちに伝えてくれた憲法の平和主義・民主主義・立憲主義。これをしっかり自分たちで受け継ぎたいと言います。

 主権国家ということがご質問にありましたけど、この安保法・戦争法というのは、元々、新ガイドラインの具体化として進められているものです。この根源は、米国からの要請に応えて、それに迎合して日本を作り変える。日本の主権を事実上放棄する動きであると考えております。

 ですから、戦争法を廃止する戦いは、日本の主権を取り戻す戦いでもあります。民主主義とは何かというご質問がありました。国会前の抗議行動では、若いみなさんが「民主主義ってなんだ?」というコールをしております。彼らはこの問題を深く考えています。安倍首相は、選挙で一旦多数を得たら、最後はなんでも多数決で決めていい。国民の声がどうであろうが、選挙一旦多数を得たらなんでもやっていい。これが民主主義だと言ってはばからない。

 しかし、民主主義というのはそういうものではないと思います。たとえ選挙で多数を得たとしても、自分の政治に対する異論や批判には真摯に向き合う。誠実に語り合う。そういう不断のプロセスが民主主義じゃないでしょうか。

 今、若い方々が、今の安倍政権のやり方は、単に憲法の平和主義・立憲主義を壊すと共に、そういう民主主義の真っ当なあり方を壊すものだと批判している。私は非常に深い批判だと思っております。ですから私たちは、「国民連合政府」を作ることは、日本に本当の民主主義を取り戻す第一歩にもなると考えています。

 ■有事が起きた場合、自衛隊、在日米軍への出動要請は?
―――民主党の岡田さんは、選挙協力については否定はしなかったけれども、政権を共にすることについては、色々ハードルが高いということを、さんにも言われたと記者会見でも言っていた。そこで民主党の岡田さんが言われたような、共産党と政権を共にすることについての懸念ですね。何か懸念を持っておられるようだと。その懸念とは、共産党側から見ると、何だとお考えになっているか。そして、その懸念を払拭するために、共産党としてはどのようなことをされる用意があるか。

・また、共産党が、日米安保や自衛隊を憲法の枠内と考えるかどうかっていう問題が出て来るので、仮に共産党が政権に入って、その間に有事が起きた場合、自衛隊、それから在日米軍への出動要請はされるという理解でいいのか?

・もう1点。体質的な問題で、共産党がよく言われている民主集中制の問題について、共産党は今後連立を組むといううえで、どのように対応されていくのか?(神保哲生氏)


 岡田代表との会談で、岡田さんの方から、民主党内で、政権を共産党と共にすることについてはハードルが高いと。難しいという議論があるというお話はありました。私の方からは、なぜ連立政権が必要なのかと。これは、安保法・戦争法の廃止、立憲主義を取り戻すということを、本気でやろうとすれば、どうしても必要になるというお話をいたしました。

 その上で、共産党との政権を組む上でのどういう懸念があるのかと。そこまで話し合ったわけではないんです。これは今後の話し合いの中で、率直にそういう点についても、話し合っていきたいと思います。

 一般に言えば、天皇制、自衛隊、日米安保条約をどうするのかという懸念もあるかもしれません。それは1つ1つ、私たちの考えを丁寧にお伝えすれば、政権協力の証明にならないということが理解いただけると思っております。

 いわゆる共産党アレルギーということがよく言われます。私たちもアレルギーをなくしていくための努力をします。しかしこれは、過去の色々な問題を乗り越えて、アレルギーを乗り越えて、未来に向かって団結しようと。そういう立場で話し合っていきたいと思います。

 次に、「国民連合政府」が安全保障の問題にどういう風に対応するかというご質問でした。私たちは、日米安保条約の問題については、政権としては凍結という対応を取るべきだと考えております。戦争法は廃止した上で、残ってくる法律がたくさんあります。例えば自衛隊法は残ってきます。急迫不正の主権侵害を取った場合に、この政権が自衛隊を活用するのは当然のことです。

 それからわが党の民主集中制についてご質問がありました。民主集中制というのは、私たちは特別のものではないと考えております。それは自由に民主的な討論を尽くし、決まったことはみんなで実行するという当たり前のことだと思っています。ですから、この原則というのは、近代政党として当然のことではないかと、私たちは考えております。

 そして何よりもこの問題というのは、それぞれの党の運営の在り方、党の内部事情に関する問題です。その種のことはお互いに、連立政権をする際に、障害にしてはならないし、また障害にならない問題だと思います。私たちも他の野党の内部的な意思決定の問題について、口を挟むということは一切ございません。党の在り方は相互に尊重しあって、結束することが大事ではないでしょうか。


―――「国民連合政府」の話のところで、自衛隊の出動を要請することは、共産として構わないと。ただ、日米安保は凍結するという表現をされたんですが、 要するにそれは、有事の際の、在日米軍への出動要請を行うことに、共産党は反対するという理解でよろしいでしょうか?(神保哲生氏)

 先ほど私は、日米安保条約を凍結するというのは、戦争法の廃止は前提にした上で、現行の法律と条約の枠組みで政府としては対応すると申しました。ですから自衛隊の運用は、現行の自衛隊法。戦争法が可決される前の自衛隊法ですね。これで運用することになります。

 日米安保条約に関わる問題ですが、これも現行の条項の枠内で対応することになります。ですから現行の日米安保条約には、第5条で日本が武力攻撃を受けた際には、共同の対処ということが述べられております。

 この条約で対応することに政府としてはなります。一言述べれば、党としては日米安保条約を廃棄して、日米の友好条約に置き換えるという大方針を変更するわけではありません。 この大目標を私たちは一貫して追求します。しかし、「国民連合政府」にそれを求めることはしません。凍結というのはそういう意味です。

 ■ユネスコへの拠出金を減らすのは"強権的なやり方"
―――今日のテーマとはやや異なることになりますけども。今、日本の中でも、中国がユネスコに対して、南京大虐殺の記憶遺産申請の件が話題になっています。日本政府の対応としては、今後、ユネスコへの拠出金の停止、あるいは削減、ユネスコの改革を求めようとしていますが、このスタンスをどのように評価していま すか?もし、そのようなことになれば、日本にどのような影響があるのか。
 そして、南京大虐殺について、あらためて日本共産党としては虐殺であるかどうか。死亡者数について、どのように見るか。教えて下さい。(香港メディアの記者)

 私は日本政府が自分たちの意見を入れられなかったからといって、ユネスコへの拠出金を減らす、あるいは無くす。そういう方策を取ることは、国際社会の理解を得ることは出来ないと考えております。ユネスコという大事な国連の機関に対して、自らの意見が通らないから拠出金を減らすというのは、いわば強権的なやり方であって、取るべきではないと思います。

 南京虐殺については、私たちは虐殺の規模、数。これは様々な推計がされております。ですから、党として何人という風に認識を持っているわけではありませんが、虐殺という事実があったことは、動かしがたい歴史的事実です。

 これは当時の日本軍関係者の様々な証言を見ても明らかです。それを否定することは許されないと考えております。

■自民党を全て打ち負かして勝利を勝ち取る
―――日米安保については、条約そのものを破棄すべきだという日本共産党の考え方と、岡田氏の考え方とは異なっていると思う。そこをどう乗り越えるのか。 また、何事もなければ、次の衆院選は2018年だが、それまでにどのようにして政権交代を実現していくのか。(ドイツの記者)

 日米安保条約については、日本共産党と民主党の立場は異なっています。どのように説得するかというご質問でした。私はこれは、違いは違いとして、互いに尊重し、先ほど言ったように、横に置くというのが一番現実的なやり方だと思っています。この違いをなくして一致させようとしたら、いつまで経っても合流できません。民主党とは、日米安保条約については、立場は異なっていますが、民主党を含む野党5党が、安保法・戦争法に一致して成立を阻止するために、共同して戦ったという事実があります。

 そして5党が一致して、安倍内閣の不信任案を提出したという事実があります。安倍内閣不信任案の提出を決めた9月18日の野党党首会談では、今後どういう事態になろうとも、憲法の平和主義、立憲主義、民主主義を守るために協力しようということを確認しました。

 私はこの野党の党首会談の席上で、もしも、この安倍内閣不信任案が可決されたら、野党5党、そしてそれに賛成した人達で「連立政権を構成することになりますね」と言いました。不信任案を提出するというのは、論理的にはそういうことになります。そういう野党共闘の積み重ねの上に、今回の提案を作りました。ですから、日米安保条約そのものについての見解は異なっても、この提案についての合意は可能だと思っています。

 それからスケジュールの問題です。私たちの提案では、速やかな解散総選挙を安倍政権に求め、それに追い込んで行くということを述べています。これに安倍政権が応じない場合には、来年7月の参議院選挙が非常に重要になります。

 この参議院選挙に向けて、私たちの提案の方向で、政治的な合意、政権合意、選挙協力の合意。この3つの合意をぜひ達成して、そのもとに選挙を戦っていきたいと考えております。

 特に32ある一人区の戦いが非常に重要になってきます。私たちとしては、この32の一人区の全てで、野党が相互に選挙協力を行い、自民党を全て打ち負かして勝利を勝ち取る。そのぐらいの構えで臨みたいと考えております。

 そういう勝利を勝ち取ることが出来れば、自公は参議院で過半数を大きく割ることになるでしょう。解散総選挙に、次のステップで追い込んで行くことになります。そういう流れを作っていければいいと願っております。

―――その32ある一人区の全てで、野党が選挙協力を行えれば、打ち負かすことが出来るとおっしゃっていました。1人に集中させる場合、過去のデータ 等々を見ますと、共産党の人が、32の選挙区で1人も出ないという可能性があるかもしれないのですが。結果的に、32で共産党の候補者が1人もいないとい う状態になってでも、選挙協力をして自公と戦うと。そういう覚悟があるのかどうか。そこを確認したいと思っております。(日刊ゲンダイ)

 私たちが選挙協力と言っているのは、正に協力であって、総合的なものです。すなわち、ある選挙区では私たちが立てないで、他の候補者を推す。ある選挙区では、他の野党が立たないで、私たちを推してくれる。あるいは、無所属の候補者を共同で推すということもあり得るでしょう。いずれにせよ、選挙協力ですか ら、これは総合的なことです。そういう相互の協力を本気になって追求してこそ、一番力が出ると思います。
 ≫(BLOGOS編集部:【国民連合政府実現の呼びかけについて】日本共産党 志位和夫委員長 記者会見、ニコニコ生放送より)


≪ 政権交代を求める市民団体と5野党が初会合
結束を欠くために自公にやられっ放しの野党5党と安保法制反対運動をリードしてきた市民運動団体が、きょう夕方、国会内で意見交換した。
 出席したのは野党が民主党、共産党、維新の党、社民党、生活の党と山本となかまたち。
 市民団体は「安全保障関連法に反対する学者の会」「安保関連法に反対するママの会」「SEALDs」「総がかり実行委」「立憲デモクラシーの会」「日弁連」。
 意見交換会を呼びかけたのは民主党だった。野党再編で共産党に主導権を奪われている焦りととれなくもない。
 冒頭、枝野幸男幹事長が毒にも薬にもならない挨拶をすると、メディアは退出を命じられた。

出席者によると意見交換会のもようは次のようだった―

市民団体の論点はよく整理されていた。
1、安保法制の廃止。
2、集団的自衛権の行使を認めた閣議決定の撤回。
  閣議決定の撤回まで求めるということは政権交代を目指しているということだ。
3、野党共闘を期待する。参院選の1人区で勝ってもらいたい。
  ママの会からは、共産党が提案する国民連合政府を評価する意見が出た。


野党を代表して呼びかけ人の枝野幸男・民主党幹事長が次のように答えた―
1、野党共闘を進めて行くには忍耐力が要る。若干の紆余曲折があることを御理解いただきたい。政治は時間の関数。2か月後にできることもある。
2、安保の後も安倍政権の支持率はそれほど下がっていない。こうした客観的な現実を見なければならない。

意見交換会後、SEALDsの諏訪原健氏に感想を聞いた。
・彼は「引き続き僕らは見ている。(政党間の)利害関係を乗り越えてほしい」と、慎重な中にも期待を込めた。
・ママの会は「(共産党との共闘に腰の重い)細野さん、前原さん、長島さんに会いに行く」と話す。積極的だ。
・意見交換会の席上、玉城デニー議員(生活の党の山本太郎となかまたち)が、オール沖縄で勝ち続けているプロセスを説明した。
沖縄は共産党まで含めた野党が一つになった結果、衆院の4選挙区では全て野党が議席を得ている。

・民主党の福山哲郎副幹事長に「オール沖縄方式」の感想を求めたが、かわされた。民主党の煮え切らなさの表れだった。
~終わり~
 ≫(田中龍作ジャーナル)

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●日本経済は根本的に悪くなる 安倍麻生黒田が加速させただけ

2015年10月16日 | 日記
キリスト教は邪教です! 現代語訳『アンチクリスト』 (講談社+α新書)
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●日本経済は根本的に悪くなる 安倍麻生黒田が加速させただけ

今夜も多忙で、腰を据えてコラムを書く時間がない。世界全体の経済成長が限界点に達している事はそこそこの教養があれば理解していることだ。先進諸国経済は、金融資本主義で目先を誤魔化す以外に手立てはなくなっているのも周知のこと。当然、日本も先進諸国に含まれるのだから、根本的に成長は望めないのは当然。執拗に言うが、衣食住が生きていけるレベルに達した社会の経済成長と云うものは、仕掛けの上手下手で、若干差は出るが、あくまで一過性な成長であり、その成長を促進するために、財政的な手当てを増加させるので、実質的には損になることの方が多い。何といっても、支出は確実であり、収入は不確実なのだから。

本来であれば、発展途上の国々の経済成長を手助けして、世界全体の実体経済の購買力(需要と収入)を増やすことで、後進国の国々に、発展途上経済のステージに引き上げる、そう云うった気の長い戦略を描かない限り、物を欲しがる人々を増やすことは出来ない。しかし、先進国家にしても、目先の利益を追求するあまり、抜け駆け企業が続出する。そして、そのような行為をコントロールする能力をアメリカはじめ多くの先進諸国が失っている。こう云うコントロールの効かない、グローバルに下剋上が華やかなわけだから、上述の壮大で迂遠な地球規模の実体マーケット醸成の形成など、生みだしたくても、道理は無理に敗北する。抜け駆けハイエナ的企業群の高笑いに終わる。

つまり、世界も日本も悪循環経済のスパイラルに入っているわけであって、アベノミクスが、その悪循環をより重篤な経済に持ち込んだと云う責任は大いにある。安倍や黒田の所為で一層悪化したのは事実だとして、病人でない経済を病人経済にしたと云うのは言い過ぎで、そもそも日本経済も世界経済も病人経済になっていたと云うことだ。本質的に、いまの民主主義や資本主義を、普遍的価値の看板のように背負っている限り、実感できる経済の成長はあり得ないだろう。自国の経済力や将来展望も含めた正しい経済政策を為政しようと思ったら、その政権は永遠に政権の座に就くことはない。

国民は「嘘でもいいから、景気のイイことを言えよ」こういう心境なのだろう。と云うことは、本当は、好景気が本当に来るとは思っていないと云う証左だ。おそらく誰がやっても似たり寄ったりの事しかできない、だったら自民党で良いし、安倍でも良いかと云うことになる。結局、国民の価値観が変わらない限り、自民党や経団連は長続きさせる。無論、霞が関もマスメディアも長生きする。生憎と、速攻で底が抜けるほど、日本経済が脆弱ではないので、その症状を自覚するまでには、相当な時間的スパンが残されているので、ひどく厄介だ。

そして、それらが生きながらえているあいだ、国民の富を収奪する。それが嫌なら、先ずは国民が価値観を変えないと、もう生き残る手立てはないなと気づくまで、この”茹で蛙スパイラル”は続く。最も正直な政治家がいるとして、デフレでも、国民が生きていける土台を作り直すと言えるかどうかだが、現状では、無いとは知りつつ、あって欲しいと国民が声に出している限り、”茹で蛙スパイラル”は続く。筆者の個人的生活感だが、もう欲しいものは殆どない。消費物資はケチクサく僅かな量購入し続けるが、耐久消費財は壊れた時のみ考えるに過ぎない。どちらかと言えば断捨離傾向なのだから、物を持つことの煩わしさから解放されるのは、世を捨てた雰囲気があり、いい気分になれる(笑)。


≪ さらば、アベノミクス!
日本「デフレ」に逆戻り! ~株価、収入、物価が一斉に低下。

またあの「悪夢」が繰り返される アベノミクスが、なんとか信用されていたのは、わずかでも物価が上がっていたから。その「頼みの綱」の物価も、下がり始め、株価も一時、1万7000円割れ。もう、その効果を誰も信じられない。 *注:10月15日現在1万8000円台

■何かがおかしい 1万6930円。
9月29日の日経平均株価の終値である。この日、日経平均はわずか一日で714円もの下げを記録。8ヵ月半ぶりに1万7000円を割り込み、市場には悲鳴が充満した。 その後、多少は持ち直しているものの、株価は乱高下が続き、極めて不安定な状態にある。

8月までは2万円台を堅調に推移していた日経平均が、わずか1ヵ月半ほどのあいだに3000円も下落する。株式市場は、明らかにこれまでの力強さを失っている。 市場関係者は皆、口には出さないものの、この2年間続いた株価の上昇基調に異変が生じているという空気を感じ取っている。

誰もが信じたくない現実。

アベノミクスによる景気上昇は終わりをつげ、いまや「反転」し始めたのではないか—実はそれを示す「証拠」が、株価暴落の数日前、ある発表によって明らかになっていた。

それは「消費者物価指数」の数値だ。9月25日、総務省は、生鮮食品を除いた物価を表す消費者物価指数の8月の数値を発表した。この指数が、前年同月の数字を下回ったのである。 アベノミクスが始まった'13年の4月以来、この指数は、一度も下落することなく、前年同月比で上昇を続けてきた。

「少なくとも物価は下がっていな い」「緩やかながらも上昇を保っている」。この事実こそが、アベノミクスの成果を証明し、説得力を持たせていたといっていい。だが、ついに物価は下落。その「砦」が陥落した。

「そもそもアベノミクスは、金融緩和や財政政策によって緩やかな物価上昇を起こすことを目標に掲げてきた。『デフレ脱却』は、経済政策面での総理の最大の目標であり、政権の支持率を保つ上でのアキレス腱です」(官邸スタッフ) 安倍総理は焦りに焦った。

同日、総理は急遽、黒田東彦日本銀行総裁を官邸に呼び出し、経済の状況について話した。6月以来の会談だった。 だが、世界からの視線は現実的で冷徹だ。「日本が景気回復し、インフレを起こす」というシナリオは、すっかり疑念を持たれてしまっている。

米ジョージ・メイソン大学教授のタイラー・コーエン氏は、英エコノミスト誌のアンケートで'11年、「過去10年間で最も影響力のある経済学者」の一人に選ばれた人物。そのコーエン氏は、9月26日、物価の下落について、ブログで、 〈日本の国民は'13年以降、アベノミクスが効果を持つと考え、実際、物価は上がった。だが、いまや彼らはそれを信じなくなり、物価が再び滑り落ちていると見ている〉 という厳しい見方を示した。

 ■牛丼の「値下げラッシュ」
もはや日本経済は、デフレに逆戻りする寸前、いや、その一歩を踏み出した状態にある。 たしかに、生活を振り返っても、景気がよくなった、生活が楽になったという実感はない。

いったい、なぜこうした事態になってしまったのか。 アベノミクスは、金融緩和によって投資や消費を増やし→賃金を上げて→需要を増やし→物価を上げるというシナリオを描いていた。

「ですが、多くの国民は、賃金が上がらなかった。それどころか、アベノミクスが生み出した円安によって、日用品や食料品などの輸入品の物価が値上がりし、家計はマイナスの影響を受けています」(クレディ・スイス証券・白川浩道氏) 実際、物価の影響を考慮した「実質賃金」は、アベノミクスが始まった'13年4月から今年4月まで24ヵ月連続で下落し続けた。'13年4月の実質賃金(ボーナス除く)を100とすると、今年7月は約94となる。この2年あまりのあいだに、実質賃金は6%も下がった。

賃金が上がらなければ、個人消費が振るうはずがない。4-6月期のGDPの「個人消費」は、0・7%のマイナスとなった。これでは、需要が伸びず、デフレに逆戻りして当然だ。 「デフレ産業」の代名詞である牛丼業界では、まさにこの状況を象徴する事態が起きている。

9月25日、牛丼チェーン「すき家」を運営する、すき家本部の興津龍太郎社長は、期間限定で、牛丼並盛を350円(税込み)から290円に値下げすることを発表した。 すき家は今年4月、人件費の上昇や、円安による牛肉価格の上昇を受け、291円から350円の値上げに踏み切った。 だが、その結果、4~8月の客数は、前年同期比で10・8%のマイナス、既存店の売上高は、同0・9%減となっている。

「値上げで客足が遠のき、7月には前年比90%まで持ち直しましたが、やはり一度、値下げキャンペーンを行って、お客様にお店に足を運んでいただきたいという考えです」(すき家本部広報室) ライバルの吉野家、松屋も値下げに動いた。消費者にとってはうれしいが、値下げ競争が激化し、安いモノしか売れなくなると、賃金も上がらず、結果、ますますモノの値段が下がる。

あの「デフレスパイラル」の再来だ。 事ここに至ったのは、安倍総理が、「アクセルとブレーキを同時に踏む政策」を行ってきたことも大きな敗因である。

第一は、消費増税だ。
「消費増税によって、十分に需要が回復する前に景気を冷やしてしまいました。本当は、いまからでも消費税を5%に戻し、'17年4月の増税も延期したほうがいい」(経済評論家・山崎元氏) 整合性の乏しい政策は、ほかにもある。山崎氏が続ける。

「安倍総理は、賃金の上昇を目指す一方、企業のROE(自己資本利益率)の向上を呼び掛けた。すると企業は、無理をしてでも利益を出さなければいけないから、賃上げに積極的になれない。矛盾した政策です」

■「劇薬」を使いすぎた
安倍総理は9月11日、経済財政諮問会議で、携帯電話料金の引き下げを求めたりしている。自分で「デフレ脱却」と「インフレ目標」を決めておきながら、まったく逆の要求を経済界にしているのだ。この発言で、ソフトバンクなど日経平均を支える通信会社の株が大幅に下がった。

さらに、アベノミクスは第三の矢として「成長戦略」を掲げていたが、これが不徹底だったことも致命的だった。 「効果があったのは、農業分野での規制緩和で新規事業の参入者が増えたこと、再生医療分野の審査基準が緩和されたことなど、一部にとどまりました。

本当は、金融緩和で円安、株高を演出しているあいだに、規制緩和や構造改革をもっと進めておくべきでした」(信州大学・真壁昭夫教授) こうしたなか、円安という「数字のマジック」で隠されてきた日本企業の実態があらわになり、業績を下方修正する企業が出始めている。

「今期の企業業績は平均で10~15%程度の増益が見込まれていましたが、10%以下になる可能性も出てきました。こうしたなか、11月16日に発表される7-9月期の実質GDP成長率は、年率1・2%減だった4-6月期 に続いて、マイナス成長となりそうです。2四半期連続のマイナス成長となれば、定義上『景気後退』といっていい状況です」(日本総研副理事長・湯元健治氏)

百戦錬磨の外国人投資家たちは、こうした政策の甘さを見抜き、日本株から手を引き始めた。 8月、外国人による、現物と先物の売り越しの合計は、2兆5350億円にも達した。リーマンショックのときですら、これだけの売り越しはなかった。

「追い打ちをかけたのは、総理が9月24日に発表したアベノミクスの『セカンドステージ』の新三本の矢、つまり『強い経済』『子育て支援』『安心につながる社会保障』への失望です。まったく新味がなく、とくに海外の投資家の落胆は大きい。 GDP目標600兆円を掲げましたが、これは、当初から目標としている『名目成長率3%』を2020年まで続けることを言い換えたにすぎない。

しかも、ファーストステージについての総括や説明は何もないのですから、不信を買って当然です」(マーケットアナリスト・豊島逸夫氏) 日経平均をドル換算すると、9月30日現在、約145ドルで、これはアベノミクス開始直後の'13年5月の数値と、ほとんど変わらない。

海外から見れば、アベノミクスの効果は、もはや「なかったこと」になりつつあるといって過言ではない。実際、米経済紙ウォール・ストリート・ジャーナルは、9月29日、こう書いている。

〈安倍総理は日本経済を楽天的にとらえているが、(マイナス成長となった)'15年の第2四半期GDPを見ると、新たな政策への効果が問われている〉 株価は下がる、収入は上がらない、物価は下がる、海外からの評価は散々。

アベノミクスの全てを否定された政府は、なんとか株価を保とうと、なりふりかまわず追加緩和を行うだろう。だが、その効果も限定的だ。前出の豊島氏が言う。 「10月には、日銀が国債やETF(上場投資信託)を購入し、市場に 資金を供給する、追加緩和が行われると思います。ただ、この『劇薬』のような政策は、やるたび効果が徐々に減る。そもそも、すでに日銀が大量の国債を買ってしまったために、10年物国債は取引不成立の日もある。日銀は買うものを見つけるのも大変です」

■また、あの悪夢が…
こうした日本経済にさらなる打撃を与えるのは、海外の不確定要因による株価暴落のリスクだ。 最大の懸念は、アメリカの利上げ。ジャネット・イエレンFRB(米連邦準備制度理事会)議長は、年内利上げの姿勢を崩していない。

これまで、世界の中央銀行が緩和してきたマネーによって、日本の株は値上がりを続けてきた。 「アメリカの金利が上がるということは、その利益を目指し、世界の資金が集まるということ。日本からも資金が流出し、株価が下がる可能性がある」(前出・山崎氏)

すでにこの数ヵ月の株価下落の影響で、140兆円を運用するGPIF(年金積立金管理運用独立行政法人)は、7~9月で9・4兆円もの損失を出した。さらなる下落があれば、年金の原資があっという間に溶けるという事態もありうる。

安倍総理は、日本経済の信頼を取り戻すため、9月29日、米ニューヨークにある経済専門紙「ブルームバーグ」本社のホールで、数百人のアナリスト、経済誌記者などに向けて英語でスピーチをした。

「日本経済全体を見回せば、デフレマインドはすでに払拭されています。これに安心することなく、経済を力強い成長軌道に戻すためにあらゆる行動を取る決意です」 だが、場は白けきっていた。安倍総理が力強く語れば語るほど、その言葉は空回りし、空疎に響くばかりだった。

安倍総理はこれまで、このスピーチ同様、ひたすら「アベノミクスはうまくいっている」と強弁してきた。挙げ句、「セカンドステージ」などと言い、結局、世界の信頼を失いつつある。 これ以上、嘘と誤魔化しを続ければ、日本はまた、「失われた20年」に逆戻りすることになる。  ≫(現代ビジネス:企業・経済―経済の死角―「週刊現代」より)

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