世相を斬る あいば達也

民主主義や資本主義及びグローバル経済や金融資本主義の異様さについて
定常で質実な国家像を考える

●アベクロの詐欺政策は修復不可 国民年金生活者を直撃

2015年05月31日 | 日記
チョムスキーが語る戦争のからくり: ヒロシマからドローン兵器の時代まで
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●アベクロの詐欺政策は修復不可 国民年金生活者を直撃

昨日の拙コラムの見出しの一部が土曜日の夜にも垣間見えた。薄々、なんだかヤバそうな雰囲気だと思っているのは、筆者だけではないだろう。「日本列島・噴火地震の巣窟……」マグニチュード8.5と云うのは巨大地震で、たまたま、震源が590キロの深海で起きたために、被害が殆ど出なかったのだろうが、このような深発地震でマグニチュード8.5は非常に大きく、経験値でもないようだ。まあ、怖れてもどうにもならないので、さて置くほかはない。

しかし、安倍や黒田に経済を滅茶苦茶にされることに関しては、本当は、どうにかはなるのだろうが、アベクロ共に、依怙地で頑固なだけに、悪くなればなるほど、調子が好いと言いそうだ。本日は、「きっこのブログ」が大変面白かったので、その紹介で、失礼する。見える値上げ、隠れた値上げが津々浦々に届き、取るものだけは増えると云う状況、改善の兆しはほぼ皆無と言って良いのだろう。おそらく、国民年金頼りの人々から、じわじわと人生崩壊が始まりそうだ。正直、選択肢があるのなら、筆者は自然現象で滅ばされる方が納得できる。アベクロ経済政策で蛇の生殺しは勘弁だ。


 ≪ アベノミクスとどんどん短くなるトイレットペーパー
  スーパーや量販店で売られてる12個入りのトイレットペーパーは、ほとんどの種類にシングルとダブルがあって、値段が同じで好きなほうを選べるようになってる。で、あたしの場合、若いころには「値段が同じならダブルのほうが高級そう」という理由から、あまり深く考えずにダブルのほうを選んで買ってた。
  だけど、何年か前のブログにも書いたけど、ある時、あたしは「シングルのほうがお得だ」ということに気づいたのだ。シングルの1ロールが「60m」 なら、ダブルは「30m×2」なので、実際の長さは変わらない。だけど、あたしのトイレットペーパーの使い方に問題があったのだ。
  みんながみんな同じような使い方をしてるとは思わないけど、少なくともあたしの場合は、「必要最小限+アルファ」のトイレットペーパーを引き出して使ってる。ペーパーホルダーからペーパーを10cm幅くらいに折り畳みながら引き出して来て、「これで拭けるな」と思ったとこから、あと1折り、余計に引き出す。
  これは、自分の「必要最小限」の目安に誤差が生じてた場合に、拭いた瞬間、ペーパーの真ん中に穴が開いて指が汚れちゃうのがイヤだからだ。そのための「保険」のようなもの、それが、この「あと1折り」なんだけど、これは、ペーパーがダブルでもシングルでも「あと1折り」なので、ダブルでは2倍の長さになってしまう。
  そして、「小」の場合は基本的に拭くのは1回だけど、「大」の場合は2回とか3回とか拭くから、この「あと1折り」も2倍、3倍になる。10cm幅だとしたら、シングルの「あと1折り」は行って帰っての20cmだけど、ダブルの「あと1折り」は2倍の40cmだ。それで3回拭けば、シングルは 60cmでダブルは120cm、これが毎日のことなんだから、その差はどんどん広がって行く。
  実際、あたしが「シングルのほうがお得だ」と気づいたのは、東京でひとり暮らしをしてた時、いつもはダブルを使ってたのに、間違えてシングルを買ってきちゃったからだ。ひとり暮らしだから、基本的におトイレを使うのはあたしだけなので、だいたい何日くらいで1個のペーパーがなくなるのかっていうザックリした感覚があった。だけど、シングルを使ってみたら、ヤタラと長持ちしたのだ。
  それで、あたしは、自分のペーパーの使い方を客観的に観察してみたり、自分なりにいろいろと考えてみて、この、指を汚さないための保険的な「あと1折り」の差に気づいたのだ。それなら、ダブルの場合は「あと1折り」じゃなくて「あと半折り」にすればいいじゃないか、という指摘もあるだろうけど、あたしはペーパーホルダーから右手で引き出して左手に巻きつけるようにペーパーを取って行くので、左手の親指以外の4本指の上と下を行って帰っての「1、2」 が1セットなのだ。左手の上だけの「1」でペーパーを切っちゃうと、切れ目の位置がいつもと逆になり、すぐに右手に持ちかえて拭く、という一連の流れがギクシャクしちゃう今日この頃、皆さん、いかがお過ごしですか?

‥‥そんなワケで、この事実に気づいたあたしは、それ以来、ずっとシングルのトイレットペーパーを買い続けて来たワケだけど、ここ数年は、母さんと一緒に暮らしてるので、トイレットペーパーの使用量も約2倍になった。だから、おトイレのツッパリ棚の上に乗せてある12個入りのトイレットペーパーの減り方は、ひとり暮らしの時よりは遥かに早くなったけど、それでも、視点を変えて考えてみれば、ダブルからシングルに変更したことによる「節約ぶん」も約2倍になったということになる。これはこれで素晴らしいことだ。
  それなのに、嗚呼それなのに、それなのに‥‥って、久しぶりに五七五の俳句調で嘆いちゃうけど、1年ちょい前ぐらいのこと、去年の1月から3月に掛けてだったかな?ナニゲにそれまでよりもトイレットペーパーの減り方が早くなったのだ。ものすごくザックリした感覚なんだけど、それまでは12個入りの ペーパーを買って来ると、母さんとあたしの2人で使って、1カ月以上は持ってた。それが、12個入りが1カ月持たなくなったのだ。
  それまでは、多くても1カ月に1回、買いに行けば良かった。それが、去年の1月には、月の頭に買って来た12個入りが、月末の25日くらいには最後の1個になっちゃって、また買いに行かなきゃならなくなった。つまり、月に2回も買うことになったのだ。
 あたしが買ってるトイレットペーパーは、量販スーパーに並んでる中で一番安いもので、いつもは260円くらいのものだ。これが、毎週、決まった曜日になると、別のコーナーに山積みになって、168円とか188円とかのセールになるので、あたしは、この時に買うようにしてる。

‥‥そんなワケで、いつもと同じトイレットペーパーを買って来て使ってるのに、急に減り方が早くなった。それも、1カ月だけなら「その月はたまたまおトイレを多く使ったんだろう」ってことで終わる話だけど、こんなことが3カ月も続いたのだ。1月の月末に買って来た12個は、2月の中旬すぎになくなり、2月の中旬に買って来た12個は、3月の第1週くらいまでしか持たなかった。
  そこで、遅ればせながら登場したのが、頭脳は子どもでもベッドでは大人、Fカップのセクシーダイナマイト、迷探偵キッコナンだ。あたしに呼び出されたキッコナンは、すぐにおトイレに行き、ツッパリ棚の上の12個入りの袋をよく観察してから、ドヤ顔でこう言った。

「このトイレットペーパー、60mじゃなくて55mよ!」
「ええっ!」

 驚いて袋を見ると、たしかに「55m×12ロール」と明記されてた。見慣れたデザインの袋だったので、あたしは3カ月間もぜんぜん気づかなかった。ようするに、このトイレットペーパーは、それまでずっと1ロールが60mだったのに、あたしの知らないうちに55mに変更されてて、それが「減りの早さ」につながってたのだ。
  こうした「安さが売り」の日用品は、値上げをしたら売り上げが一気に落ちる。そのため、値段は据え置きのまま内容量を減らすという「実質値上げ」に踏み切るケースが多い。1ロールにつき5m短くなったワケだけど、それが12個なんだから短くなったのは合計で60m、つまり、1ロールぶんが丸ごと消えたことになる。それまでの60mだったとしたら、12個入りが11個入りに減ったことになる。
  だけど、個数を減らしたら「実質値上げ」がバレバレだから、1ロールから5mずつ、合計で1ロールぶんを短くするというコソクな手段を取ったということだ。もちろん、あたしは製紙会社を責めてるワケじゃない。こんなことまでしないと利益が出なくなった製紙会社だって、あたしたち消費者と同じ「アベノミクスの被害者」なのだ。

‥‥そんなワケで、スーパーにお買い物に行くと、それほど値上がりしてる商品は見当たらない。いつも買ってる食料品を見ても、大半が以前と同じ値段だ。だけど、実際には、そのほとんどが「値段を据え置きにしたまま内容量を減らす」という「実質値上げ」に踏み切っている。
  大手メーカーの90円の板チョコは、値段はそのままだけど内容量が55gから50gへと「約10%減」になった。あたしの大好物の海苔の佃煮の瓶詰なんて、185gだったのが145gへと「約20%減」だ。生活必需品の食用油も、以前は1500mlだったボトルが1350mlへと「10%減」になった。
  他にも、スライスチーズは8枚入り(144g)が7枚入り(126g)になったし、170mlだったドレッシングは150mlになったし、袋入りのウインナーやハムなんかも軒並み内容量が減った。一例を挙げると、「シャウエッセン」は138gから127gになったけど、大手メーカーのすべてが多くの 人気商品の内容量を減らしたので、それこそ「スーパーに並んでるものは大半が実質値上げされている」と思ったほうが早い。
  レトルト食品や冷凍食品やチルド食品も、軒並み内容利用が減らされてる。たとえば、今まで203gだったピザ「石窯工房マルゲリータ」は185gに減らされたけど、多くの消費者は気づかずに買って、気づかずに食べてるだろう。消費者が気にするのは「内容量」よりも「値段」なのだ。いつものスーパーでいつも買ってたお気に入りのピザが、いつもの「265円」から「295円」に値上げされていたら消費者はすぐに気づくけど、値段が「265円」のままで内容量が「18g」減らされてても、消費者の多くは気づかない。
 だけど、そんな中で、よほどノンキな人じゃない限り、商品を手にした多くの消費者が「あれ?」って思うのが、各メーカーの「カレー」や「シチュー」の固形のルーだ。カレーのルーって、普通は大きい箱と小さい箱があって、たいていの人は大きい箱のほうを買うと思うんだけど、あれって以前は「200g」だったんだよね。だから、手に持てば、それなりの重さがあった。
  だけど、ここ1年半で、大手メーカーのほとんどのカレールーは、「200g」が「160g」になり、「160g」が「140g」になった。つまり、 2段階に「実質値上げ」されたのだ。だけど、箱は昔のままだから、商品によっては手に持つと中身がカラカラと動くものまである。商品によっては、ルーの入ってる内容器の外形を変えずに、ルーの量だけを減らすという小技を使ってるけど、それでも商品を手に持つと、あまりの軽さに「あれ?」って思っちゃう。
  ま、いちいち挙げてたら何万文字になるか分からないほど、ありとあらゆる食品や日用品の「実質値上げ」が続いてるワケだけど、これは皆さんご存知の通り、安倍政権の経済政策の失敗によるものだ。本来なら、まず景気が良くなり、労働者の賃金が上がり、消費が拡大し、その結果として株価が上がるワケだけど、やることなすことアベコベの安倍政権は、とにかくカネをジャンジャン刷って世の中にバラ撒いて、国民から預かってる年金基金をジャンジャン株に突っ込んで、まずは株価を上げる‥‥っていう本末転倒な大バカ経済政策を進めちゃったもんだから、それによって円安が進行して食料品や日用品の値上げラッシュに 歯止めが掛からなくなっちゃった。
 だけど、各メーカーだって生き残らなくちゃならないから、右へ倣えで「値段を据え置きにしたまま内容量を減らす」という「実質値上げ」に踏み切ったワケだ。もちろん、各メーカーはちゃんとプレスリリースを流してから「実質値上げ」をしてるワケだから、法的には何の問題もないけど、プレスリリースなんて見たことがない一般の消費者にしてみれば、まるで詐欺みたいなやり方だと思う。

‥‥そんなワケで、我が家で愛用してる12個入りのシングルのトイレットペーパーは、去年の1月に1ロールが60mから55mに減らされて「実質値上げ」 されたワケだけど、それでも我が家では、できる範囲で節約して、なんとか1カ月を12個で持たせるようにがんばって来た。それなのに、2カ月ほど前から、3週間くらいで12個がなくなっちゃうようになったのだ。それであたしは「もしや?」と思って袋を見てみたら、ナナナナナント!ナナナナナント!ナナナナ ナント!‥‥って3連発で叫んじゃうけど、「50m×12ロール」と書いてあったのだ!おいおいおいおいおーーーーい!!いくら何でも、ふ・ざ・け・ん・ なーーーー!!このまま安倍政権の大バカ経済政策が続いたら、そのうちトイレットペーパーは1ロール10mくらいにされちゃって、1カ月に100ロールくらいないと安心しておトイレにも行けないメチャクチャな世の中にされそうな気がした今日この頃なのだ!
 ≫(きっこのブログ2015年5月26日より)


きっこさんの、独特の言い回しにかかると、“尾籠(びろう)”な話も、スイスイと読めてしまう(笑)。生活実態は、きっこさんが紹介するような食品雑貨類の円安によるボディーブローなのだろう。すべて合計したら、4人家族で、かなりの出費増になる。単に、貯蓄にまわす金が残らないのなら、死活問題ではないが、カツカツで生きてきた高齢な国民年金受給者には、生き死にを決定づけるような、経済実験だ。相当に罪深い。

罪深い奴をもう一人というか、馬鹿げたニュースがあったので、追記のかたちで、紹介する。時事通信がアメリカの犬なのは先刻承知だが、ウクライナのアメリカ犬が、いまだに無法地帯のようなことをやっている。この記事で、紹介しているサアカシュヴィリ(サーカシビリ)と云う男は、完璧なアメリカ・スパイだが、ジョージア(グルジア)から現在指名手配中で、アメリカに庇護を求めて、ウクライナに逃げ込んでいただけの犯罪者だ。

5月の中旬に、アメリカ上院議員のジョン・マケインが作ると言い出した、“ウクライナ改革を遂行する”新設国際顧問団メンバーに紛れ込ませて貰ったばかりだ。マケインとの仲が非常に良いところを見ると、マイケインの飼い犬だったのがバレバレだ。サアカシュヴィリ(サーカシビリ)は、2004年から2013年まで権力の座にいた時、500万ドル以上の横領や賄賂や、2007年のデモ時の抗議行動参加者達に対する残虐な弾圧を含む無数の告訴に直面している。現ジョージア検察庁は、サアカシュヴィリ(サーカシビリ)を起訴する手続きを開始し、最重要国際指名手配者リストに載せた。しかし、ポロシェンコ、キエフ政権は、ウクライナとジョージア間に存在する容疑者引き渡し条約にもかかわらず元大統領の引き渡しを拒んでいると云うのが、真実だ。

≪ ジョージア前大統領が外国の知事に=ウクライナ、異例の人事
 【モスクワ時事】ジョージア(旧グルジア)のサーカシビリ前大統領が、ウクライナ南部のオデッサ州知事に就任する見通しとなった。ウクライナの複数の政権高官が29日、明らかにした。国家元首経験者が、外国の地方首長に転身するのは異例。サーカシビリ氏は反ロシア派の急先鋒(せんぽう)として知られ、ウクライナのポロシェンコ大統領と近い。
 ウクライナの州知事は大統領が任命する。ジョージアとウクライナはそれぞれ2008年、14年にロシアの軍事介入を受け、いずれも旧ソ連の独立国家共同体(CIS)から脱退を決めた。03年にサーカシビリ氏が主導したバラ革命は、ウクライナに波及。同国の親欧米派による04年のオレンジ革命、13年からの欧州連合(EU)加盟要求デモにつながった。ポロシェンコ大統領は最近、サーカシビリ氏を顧問に起用して いた。 ≫(時事通信)

自発的隷従論 (ちくま学芸文庫)
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筑摩書房


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●日本列島・噴火と地震の巣窟 政府・弱者無視と好戦隷米の巣窟

2015年05月30日 | 日記
火山入門―日本誕生から破局噴火まで (NHK出版新書 461)
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NHK出版

 

緊急警告 次に来る噴火・大地震 (青春新書プレイブックス)
木村政昭
青春出版社


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●日本列島、噴火と地震の巣窟 政府、弱者無視と好戦隷米の巣窟

今夜は、ザックリと安倍政権が牛耳る日本と云う国の様々を眺める。あまりにも、多くの瑕疵だらけになってしまったお国だが、どこに、どのような元凶があるのか。おそらく、元凶の群生地帯と評価するのが、一番手っ取り早そうだ。俺たちは、こんな国に暮らし、こんな奴らに支配されているのかと思うとウンザリだ。日本に生まれ、育ったという理由だけで、こんな生きることへの咎めを受けるとは、なんの因果か知らないが、まったくもって理不尽の限りである(笑)。

日本政府や外務、防衛の官僚どもが、アメリカのケツ舐めに懸命なゆえに、謂われなき抵抗をせざるを得ない沖縄県の翁長知事は大車輪の活躍を始めた。まずは、安倍首相が、民主党の辻元清美議員が特別挑発しているわけでもない質問に「早く質問しろよ」(筆者が思うに、安倍は丸暗記の記憶が薄れそうになって焦っていたのだろう)と、前代未聞、首相自らが、意味もなく、脈絡もなく、突如野次を飛ばしたのだから、こりゃ世界が吃驚するのは当然だ。東京、毎日、朝日新聞が、思いのほか官邸によるアンダーコントロールが不十分なことに苛立っている(笑)。しかし、翁長知事は、こういう男が牛耳る日本の政治にソッポを向き、ハワイを皮切りに、アメリカ懐柔戦略に出ている。

≪ シャーツ米上院議員「全力で協力したい」 辺野古阻止要請に
【ホノルル=島袋良太】ハワイ訪問中の翁長雄志知事は28日(日本時間29日)、同州選出で上院歳出委員会の国防小委員会に所属するブライアン・シャーツ 上院議員(民主)と会談した。知事が名護市辺野古の新基地建設阻止に協力を求めたのに対し、シャーツ氏は「沖縄の人たちが懸念を抱いていることは重要だ」 と指摘した。その上で「日米両政府が決定を覆すかは分からないが、できることは全力を尽くしたい」と述べ、協力する姿勢を示した。
 シャーツ氏は新基地建設計画について「安全保障は地元の支援なしに間違いを犯せば、普通はうまくいかない」と述べ、地元の意志を無視した移設計画には賛同しない意志を示した。
 翁長知事はこれに先立ち、現地ハワイメディア向けに講演し、新基地建設に反対する県の考えを説明した。地元紙やラジオ、テレビなど6社が会見に訪れた。 ≫(琉球新報電子版)

先ほど、30日午前1時過ぎに、震度4の地震があった。この間も、震度5の地震があった。箱根山の噴火警戒レベル2でビクついていたところ、遠く口永良部島で大規模噴火が起きた。火山のマグマは、それぞれ独立したもので、火山のマグマの連携はないのだそうだが、口永良部島の噴火を例にとれば、マグマ溜まりは独立しているだろうが、各火山固有の噴火と云うには、不可思議な連続性もみられる。プレート全体の異変による、マグマだまりの総体的上昇が懸念される。週刊実話のセンセーショナルな昨年12月の記事なので、信頼度は?だが、この記事に、口永良部島噴火を加えれば、信ぴょう性も出てくる。ちなみに、口永良部島噴火はレベル5とされた。煽る気はさらさらないが、事実だけを並べても、普通の状況ではないだろう。

≪ 鹿児島・川内原発は大丈夫か 阿蘇山噴火で火山連鎖爆発5秒前
いよいよ九州の火山が活発に活動を始めた。福岡管区気象台によれば、11月25日、熊本県・阿蘇山の中岳第一火口で噴火が確認され、27日には一時噴煙が火口から上空約1500メートルにまで到達。噴火警戒レベルはそれまでと同様、火口周辺1キロ圏内への立ち入りを規制する“レベル2”のままだが(12月 1日時点)、阿蘇山で起きている重大な異変を指摘する専門家もいるのだ。
 「我々は火山の活動経歴をこの目で見ていないため、カルデラを持つ火山 の破滅的噴火を予測するのは難しい。しかし、地震に大地震と超巨大地震があるように、火山の噴火にも大噴火と超巨大噴火がある。そして近年、この超巨大噴火の再来の可能性を口にする火山学者も現れ始めた。私が気がかりなのは、阿蘇、霧島、雲仙普賢岳、浅間山、三原山などの火山は本格的な噴火をした後、通常火口底が300メートルほど沈むのに、上空のヘリからの映像などを見ると、火口底が目視できる点。これはつまり、日本列島の地下に潜り込む太平洋プレートにマグマがギュッと押し上げられた状態が続いているということ。そのため、我々が経験したことがないような噴火の準備が着々と進んでいる可能性があるのです」
 こう語るのは、約2カ月前に発生した御嶽山の噴火を予測していた、琉球大理学部名誉教授・木村政昭氏だ。
 気象台は26日 夜から27日朝にかけ、中岳第一火口に上昇したマグマの熱で噴煙や雲が赤く染まる「火映現象」を高感度カメラで観測した。マグマだまりは今年の初めから 徐々に膨張しており、そのスピードは、鹿児島県霧島山の新燃岳が3年前に噴火した際のスピードとほぼ一致するという。
 「降灰の範囲も広がっており、27日は40キロ以上離れた熊本市内でも確認されました。火口付近では地下のマグマが上昇することでできる岩石『スコリア』が噴き上げ、気象台はマグマ噴火と見ています。阿蘇山は1945年~'93年まで数年間隔でマグマ噴火を繰り返している。しかも'79年の噴火では大量の噴石が観光客を直撃し、3人が死亡、11人が重軽傷を負いました。今後、同じ噴火規模にならないとは言い切れません」(サイエンスライター)
 しかし、ここまでは想定内のこと。前出の木村氏が憂慮するのは、未曾有の巨大噴火だ。
  日本でカルデラ大噴火が起こる確率は今後100年で1%--。先頃、地球科学者でマグマが専門の神戸大大学院・巽好幸教授が、そんな予測を発表した。 “100年で1%”と言われてもピンとこないが、「阪神淡路大震災が起きる前日の時点で、30年以内に同地震が起きる確率」(巽教授)と説明されれば、その確率の高さがわかる。
 「カルデラ大噴火は通常の噴火と異なり、放出される火山灰や噴石、熔岩などの噴出物が東京ドーム約10万杯分とされ、破壊力は凄まじい。日本では7300年前、薩摩半島から約50キロメートルに位置する鬼喜カルデラの噴火が最後で起こっていない。巽教授の発表は、“今すぐ起こるかもしれないし、数百年から千年先かもしれない”というものですが、大噴火自体は100年に4~6回起きます。ここ100年を見てみると、1913 年の桜島大噴火、1929年の駒ヶ岳大噴火以後起きておらず不気味な沈黙を守っていますが、必ず噴火するとされているのです」(前出・サイエンスライ ター)
 また、気がかりなのは中岳の巨大噴火にとどまらない。霧島山周辺では、昨年12月頃から火山性地震が発生。今年8月には火山性微動が観測され噴火寸前の状態といわれ、新燃岳も山体膨張し再噴火するとの声もある。
 「御嶽山の噴火は火山の活動期の幕開け」とする防災ジャーナリストの渡辺実氏がこう言う。
  「11月22日に長野県北部で起きた震度6弱の直下型地震が発生し、日本地下の活動がついに中央構造線(日本列島を東西に横断する巨大断層)にまで来たと思いました。我々は間違いなく、富士山大噴火や三陸地震、南海トラフ巨大地震、関東地震があった貞観の時代(859~877年)と同じ環境に置かれてい る。原発は平和の時代の産物ですが、川内原発に限らず、これから続く天地動乱の時代に再稼働させていいわけがありません」
 鹿児島湾北部の姶良カルデラや阿蘇山のカルデラが大爆発を起こせば、火砕流は同県内の川内原発まで到達し、電源喪失などの事態が起こる可能性はすでに指摘されている。
  「火山灰は重いため、降灰だけでも電線が切れ事故につながりかねない。川内原発で“過酷事故”が起これば、19分でメルトダウンが始まり、90分後には放射能の放出が始まる。その状況で住民の避難など不可能で、あっという間に“死の灰”を被ることになります」(地元記者)
 火山噴火予知連副会長の石原和弘氏は、某新聞のインタビューに答えてこう語っている。
 「小さな噴火が本当に大噴火になるかどうかは直前までわからない。人間を避難させることはできるかもしれないが、原発は避難できない。短期間で使用済み核燃料を運び出せますか?」
 巨大噴火や連続噴火のXデーが訪れた場合、政府や電気事業者も、この後に及んで「想定外だった」とは言わないだろうが、危険と隣り合わせであることを知りながら、日本は最悪の状況に向かっているのかもしれない。 ≫(週刊実話2014年12月18日特別号)

健康で文化的な最低限度の生活をはぎ取る安倍政権は異様だ。生活保護の受給を恥と受けとめ、申請しない国民の善良さにつけ入る政府。プワービジネスを批難できない、霞が関と安倍政権。口永良部島の噴火も、お天道さまの、憤怒の咳払いだったに相違ない!川内原発再稼働の暁には、お天道さまは、咳払いの連鎖反応を起こすやも知れず、先々が思いやられる。日経は、力強い海外資金の参入で11連騰などと囃し立てるが、2、30円上げで、連騰もヘッタくれもないだろうに(笑)。

≪ 年金減額「違憲」と一斉提訴 13地裁に1500人超
2013年10月に始まった年金額の引き下げは生存権を侵害し違憲だとして、年金受給者1549人が29日、国の減額決定取り消しを求め13地裁に一斉提訴した。今後も各地で提訴し、原告は45都道府県の計3千人に上る見通し。
 訴状によると、年金額は物価変動を反映するが、前年に物価が下落した00~02年度は特例で据え置かれた。12年の改正法により特例措置がなくなり、13年10月~今年4月、段階的に2・5%減額された。
 原告側は、介護保険や国民健康保険の保険料が増えているのに受給額が減ると、憲法で保障された「健康で文化的な最低限度の生活」は送れないと主張している。 ≫(東京新聞・共同)

破局噴火-秒読みに入った人類壊滅の日 (祥伝社新書126)
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死都日本 (講談社文庫)
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●日米安保強化―日本リスク増強 「霞が関文学」と安倍政権の結託

2015年05月29日 | 日記
いきなりはじめる仏教入門 (角川ソフィア文庫)
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●日米安保強化―日本リスク増強 「霞が関文学」と安倍政権の結託

なんてことはない。現在、日本の「空気」は“嘘でもいいから、騙しつづけて欲しかった♪♪”の状況を呈している。ここで言わんとしているのは、「安倍の甘言」だ。安保法案に対する「法理」の質問でも、法的解釈はさて置き、お好みの例示方式一本槍を貫きとおし、質問以外の事までベラベラ持論を展開、時間切れを待つ。萩生田光一や百田尚樹、曽野綾子と酒でも酌み交わし、滔々と無教養な例示を肴に機密費で飲食している状況とあまり変わりない。安倍が、始終“ニヤニヤ笑い”をするのは、中学レベルの喧嘩の前の“強がり笑い”に近いようだ。

甘言蜜語を弄ろうして取り入る設定に近似しており、一国の総理、最高責任者が話す言葉としては、あまりにも軽佻浮薄な甘さである。「気をつけよう 甘い言葉と暗い道」とクリソツなのである。無論、この甘い言葉を語っているのが、安倍晋三だけなら良いのだが、記者クラブ所属メディアの多くが、この「安倍の甘言」を強調、時には“尾ひれはひれ”をつけて、記事を垂れ流すので、安倍晋三は益々増長する。謂わば、甘言の連鎖反応だ。まるで、戦争中そのものではないか。国威発揚の連鎖と言えるだろう。

しかし日本人の半数以上が、それが“ヘタレの強がり”だという事を薄々知っている。ただ、「空気」が景気は良いんだ!企業業績は右肩上がり、株価も企業業績を反映、“10連騰!ゆけゆけ株価、天まで登れ”ってな様相を呈す。しかし、それが幻の企業業績であり、為替差益や株式評価益や不動産、有価証券の売却益だったりするわけで、数量的に増加傾向を見せている企業は、ごく僅かだ。国民は、それも大半は知っている。しかし、「ここはチャンスだ、今でしょう!」と云う「空気」には抗えない日本人が、動物農場を目指している。

国が滅びる時って、もしかすると、こういう状況が10年程度継続すると、のっぴきならなくなるのかもしれない。日本の行く末は、理性的に、且つ合理的に考えた場合、経済成長するはずはない。しかし、不景気な話はしたくない。駄目なのは分っているけれど、駄目だと言えば、余計に駄目になりそうだ。こういう潜在意識が、日本人の精神構造に、そもそもあるのだろう。これも、自然に支配されていることを、自然と寄り添うと云う言葉で誤魔化す、民族独特の処世術だとも言える。日本の大衆と云うものは、概ね、そのように考えて生きてきた歴史的経緯がある。敢えて、現実逃避と知った上で、何ら物事の好転に寄与しないと分っていても、現状認識はしたくないと云う習性があると断定せざるを得ない。

安倍の最大の強みは“無教養に気づかないほど無教養”なので、論理の破綻や矛盾なんて、まったく意に介さない。そして、滔々と噛み合わない答弁を苦にせず話せる。普通以上のIQがあれば、「あれっ!なんか言っていることがヘンチクリ?」と田中直紀のように右往左往するのだが、そういう心配もない。一日7時間以上の安全保障法制・衆院特別委員会なのだから、一字一句聞き逃さないなんてお人は稀である。政府の言う通りニュースを垂れ流しますと宣言しているNHKの北朝鮮風、夜7時のニュースで耳に入れるのが、最高レベルの日本人なのだから、気づく筈もない。睦言のような、甘い言葉を囁きゃあ、国民なんてイチコロヨ!20世紀の歌舞伎町ジゴロの如しだ。

議論がかみ合わない。原因はもっぱら、安倍や中谷のピント外れな答弁にある。自衛隊員の派遣先は世界規模となり、任務の幅も広がる。自衛隊の他国軍への後方支援はこれまで「非戦闘地域」に限られていたが、法案では「現に戦闘の行われていない地域」に広げたわけだ。治安を守るための巡回、検問という名の戦闘行為だ。リスクが高まるのは明らかなのに、そうではないような言葉を羅列する。他国軍への弾薬の補給などの後方支援。「安全が確保された所に補給基地があって支援するので、前線から離れている」と説明するが、それじゃクロネコヤマトで充分だろう(笑)。

武器を使って反撃しながらの後方支援継続はしないと言うが、それじゃあ、裏切者と言われる。はじめから、断った方が未だマシだ。敵側から攻撃を受け乍ら、応戦しながら回避するなんてのは、絵に描いた餅話で、出来るわけがない。「日本の抑止力が高まり、国民のリスクが下がる」なんちゃって言っているが、軍拡競争になるのは明らか、軍備増強への歯止めが効かなくなる。米軍は歓び、自衛隊のリスクは増え、自衛官、ドロップアウトの穴埋め補充の特別手当の増額やヤンキーの中古品買取と、軍事費の際限なき支出は余儀なくされる。

日米安保は強化されて、日本のリスクが増える皮肉な現象さえ見えてくる。悪しき経済結合だが、グローバル化した世界経済は、国境の垣根を低くし、国益による、侵略的戦争が起きるリスクは、幾分軽減傾向はある。しかし、最近は、テロリストとの闘いが叫ばれている中わけで、安保の抑止力が何の役に立つのか、筆者にはチンプンカンプンだ。とどのつまりは、日米安保強化と云うプロセスが、日本全体がリスクに晒されるのでは、盗人に追い銭以下である。平和ボケでしたと、ボロボロになってから反省する時には、既に、時遅しになると云う事だ。戦争っていうものは、こうして起きるのだと云うことが、非常によく判る安倍政権である。以下に、目についた、「安倍の甘言語彙集」みたいなものを書きだしておく。これをベースに、補足を願おう!

 参考:安倍語彙集
・国の存立が脅かされ
・国民の生命、自由、幸福追求の権利
・明白な危険があれば
・客観的、合理的に判断する
・秩序の回復・維持
・平和に対する脅威や破壊、侵略行為
・最小限度
・正当防衛、緊急避難
・非常に慎重な当てはめ
・透明性のあるしっかりした抑止力
・邦人の乗る米艦艇を守るべき
・国民の命や幸せな生活に責任を持っているetc

耳に心地よい、正義の使者のような言葉だらけだ。戦争になったら、こんな「甘言蜜語」はことごとく吹き飛ばされることは120%確実だ。外務・防衛官僚らは、完全な「霞が関文学詐欺集団」であり、安倍政権の連中も、半分は承知の上で騙されたフリをしているが、実際に半分は騙されているのだと思う。やれやれな時代が来たものだ(笑)。

池上彰と考える、仏教って何ですか? 文庫版
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●ロシアへの「卑怯言説」は根強い しかし、世界もロシアも変わった

2015年05月28日 | 日記
検証 防空法:空襲下で禁じられた避難
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●ロシアへの「卑怯言説」は根強い しかし、世界もロシアも変わった

日本の国会では、重要法案・安保法制の議論の真っ最中だが、屋上屋を重ねるような馬鹿げた議論で、コラムに取り上げる気にもならない。安倍政権や自民党が、そういう法案が国益だと思うなら、やれば良い。なにせ、過半数を占めさせたのは有権者なのだから。主権在民の民主主義の結果だ。アメリカ追随は、西側諸国と運命共同体だと思うなら、それが選択肢の一つだ。地獄の果てまで、ついて行きますアメリカ様、それがどうも、日本人の総意であり、独立なんかしなくても良いようだから、あんまり、この件で頑張る気力は湧いてこない。日本人の興味の90%はマネーなのだから、どうにもならない。こういう時は、目線を違う方向に向けてみたくなる。

 本題に入る。日本では、『日露戦争もさることながら、第二次世界大戦において、ドイツが無条件降伏し、日本敗北が確実な中、「日ソ中立条約」があったにも関わらず、スターリンが突如条約を破棄、満州国に攻め込んだ。そして、日本人のことごとくを、シベリア抑留の残忍さを見せたのだ。……』と『ソ連は共産主義で、怖ろしい国だ』云う言説に、戦後は満たされており、日本人の多くが、親子三代に亘って、何とはなしに、その知識を共有している。

筆者の爺様は、よく「露助」と云う言葉を使った。子供ながらに、「そうだったのか!ソ連」と云う潜在的環境に育ったので、良いイメージはない。ソ連兵などは、無教養で、非文化的で、野蛮人で、飲兵衛(のんべい)ばかりだ。日本人のゼンマイ時計を取り上げ、止まったら、ネジを巻こうともせず、壊れたと言って破棄した‥等、碌な話を聞かない(笑)。このような、たった70年程度の伝承だが、いまだ、日本社会においては定着している感がある。

しかし、「日ソ中立条約」の一方的な破棄、という日本側の解釈も、国際法上は、期間五年の一年前に、延長等々取り決める、となっているので、必ずしもソ連の一方的破棄と言い切れない面がある。また、第二次大戦中において、英米は積極的に、ソ連スターリンに“日独伊三国同盟”と戦うことを画策しており、現にスターリングラード戦でドイツに勝利をおさめた時点で、ソ連の方向性は決定していた。単に日本政府が、三国同盟のドイツと戦ったソ連が「日ソ中立条約」を守るだろう、と都合よく解釈していただけのようだ。

スターリンは、スターリングラード戦でドイツの進撃を食いとめるとと同時に、テヘランで、スターリン(ソ)はチャーチル(英)ルーズベルト(米)に対し、ヨーロッパ上陸作戦を強く迫った。その代り、対日参戦を約束した。イタリアはすでに降伏し、ドイツの降伏も近いと想定された1945年2月4日~11日に開催されたクリミヤ半島・ヤルタ(ヤルタ密約)により、戦後の世界体制が出来上がっていた。つまり、第二次世界大戦の終結を視野に、ソ連対日参戦、国際連合の設立について協議されたほか、ドイツおよび中部・東部ヨーロッパにおける米ソの利害を調整することで大戦後の国際秩序を規定し、東西冷戦の端緒ともなった(ヤルタ体制)。その中には、日本領土である北方領土や樺太のソ連領も決定していた。

早い話が、鬼畜米同様の言説をそそくさと捨て去り、西側陣営に組み込まれて行く中で、東西冷戦も手伝い、「露助」の狡さ、暴力性、裏切者、「アカ」のプロパガンダは、完全に日本を覆い、二進も三進もいかない「反共産党」、「反ソ連」と云う感覚が、日本人に受け継がれた。筆者から見れば、日本の戦国時代の武士的振舞いを、明治維新で「脱亜入欧」した癖に、ソ連・スターリンに武士道を期待したのだから、時の日本政府の決定者がお人好しで無責任な希望的観測を持っていただけに過ぎない。しかし、おそらく、現在に至っても、市民の中に、この言い伝えは、残っているのだろう。

その証左と言えるかどうか別にして、現在進行している、ウクライナ問題、クリミア併合など、西側プロパガンダは、戦後70年何ら変わりなく継続している。筆者は、特にロシア贔屓ではないが、フェアにウクライナ問題などを観察する限り、アメリカのなりふり構わぬ、陰謀に満ちた中央情報局 (CIA) 及び国家安全保障局 (NSA)等々の汚さに比べ、ロシア・プーチンの対応は、KGB諜報機関的であっても、かなり受け身の姿勢である。このことを、踏まえて観察する限り、必ずしも「ロシア悪、プーチン魔女伝説」に肯く気にはなれない。

蛇足だが、Wikipediaで「露助」について調べてみたら、江戸時代から、日本人は、あまりロシア人を好んでいなかった傾向が判った。
 日本ではロシア人を「魯西亜人(露西亜人)」「おろしや人」「ヲロシア人」などと呼んでいた。また、18世紀、蝦夷に来航したロシア人のことを「赤人」や「赤蝦夷」と呼んでいた。これらと同じく「露助」もロシア語の形容詞である「ルースキー(русский)」に由来し、ロシア語圏で「ロシア人の」を意味する言葉が日本語化されたもので、元は特に差別的な言葉ではなかった。 しかしフヴォストフ事件、ゴローニン事件、ロシア軍艦対馬占領事件、日露戦争、ソ連対日参戦、シベリア抑留、北方領土問題などを通して、ロシアやソ連に対する敵愾心や嫌悪感が強くなるにつれ、侮蔑的なニュアンスを強く含むようになっていったとされる。 戦前までは差別的意味を余り気にせず用いられたが、より中立的な表現に「露人」などもあり、わざわざ露助と言うからには明らかに害意を含む。現在では「~助」だけでも侮蔑表現と見なされるので、露助は差別用語のひとつとして認識されており、公式な場所で使用することはタブーとされる言葉である。 平民におけるロシアへの敵愾心は江戸時代から存在しており、例えば小林一茶は1804年(享和4年)のニコライ・レザノフのロシア船長崎滞泊に対して師走(旧暦12月)に以下の俳句を書いている
*神国の松をいとなめおろしや舟
*春風の国にあやかれおろしや船
*門の松おろしや夷の魂消べし
*日本の年がおしいかおろしや人
≫(Wikipedia引用)

上述のような対ロの状況なので、「空気」は圧倒的にロシアを正しく理解するには、不適切な環境下に日本はある。対中の理解においても、同様であろう。しかし、その中露、そしてインド、ブラジルの、紆余曲折を孕む抬頭だが、世界の流れを「成長神話」の中に、只いたずらに埋没させるのは、知的とは言い難いのだと思う次第。以下は、ロシア側発信の情報だが、聞く耳くらい持っても損はないだろう(笑)。

 ≪ ロシアの専門家:「TPPは、西側文明の不公平な支配維持を試みる米国の企てだ」
アジア太平洋経済協力会議 (APEC)加盟諸国の高官らが参加する会議の枠内で、TPP(環太平洋戦略的経済連携協定)締結の最終期限について、その関係諸国の代表らが意見を交換した。これに関連してモスクワ国際関係大学軍事政治問題センターのアレクセイ・ポドベレスキン所長は、TPPについて、経済的な統合体であるだけでなく、 軍事的政治的意味合いもあると考えるべきだと主張し、次のように続けた―
「私の見るところ、米国の連合戦略の中で、TPP創設は大変重要な位置を占めている。米国が考えているのは、公式的には全くそうはかかれていはいないものの十 分明確な軍事的政治的機能を持った地政学的連合体である。つまり米国を筆頭とした、その地域の西側文明化であり、一極支配の世界の時代に形成された金融経 済や軍事政治システムの維持がとにかく目指されているのだ。しかしそのためには、NATOブロックだけでは、不十分である。それゆえ、アジア太平洋地域に 何らかの連合体が存在することが必要なのだ。それは見た目は軍事でも政治でもなく、貿易や経済的連携を掲げてはいても、言うまでもなく軍事的政治的機能を 発揮するものだ。そうした予測の中では、ロシアも中国も又インドも、この機構に明らかに含まれ得ないことは当然だろう。それに参加できるのは、その地域を 西欧文明化する主要リーダー国として米国の役割を認めた国々だ。」

次にラジオ・スプートニク記者は、TPP反対者が、原則性のなさについて米国を批判していることを挙げ、ポドベレスキン所長の見解を聞いた-

「こうした連合体に国々を集める原則は、大変簡単だ。民主主義の価値システムとも、汚職に対抗するシステムとも何の関係もない。唯一の原則は、米国を筆頭とする現存の世界システムを認める用意があるかどうか、それを護るために戦う用意があるかどうかだけだ。もしそうしたプロセスに参 加する用意があるのなら、すでに決められた規範やルールを認めるならば、米国にとって、その国の体制がどんなものであれ、どんなにその体制が汚職にまみ れ、民主主義的でないとしても、そんなことは大して重要ではない。」

最後にラジオ・スプートニク記者は「例えば日本は、TPPへの加盟に不安を感じているが、日本にとってTPP加盟はプラスになるか、それともマイナスになるか、どう考えるか」ポドベルスキン所長の意見を聞いた。

「私は、日本は多くのものを失うと思う。まず簡単な理由として、存在しているシステムが公正ではなく、対等なものではないからだ。 それは、米国にとって有益なもので、米国のために国家の富が再分配されている。それは第二次世界大戦後、米国の力による圧力のもと形成されたもので、現在 米国は、それを変えたくないと思っている。 日本の態度があいまいなのは、一方で、中国との巨大な貿易経済利益が存在していることによる。韓国やベトナム、ロシアとも一定の利益はあるが、中国はやはり日本の主要なパートナーである。とはいえ日本にとってやはり軍事的政治的利益が優先する。それらは米国と関係している。こうした 二重性、矛盾というものは、何も日本ばかりの問題ではなく、実際他の多くのアジア諸国にも共通している。 軍事的政治的な米国への結びつき、依存といのは、第二次世界大戦後作り上げられたシステムの一部なのだ。新しい経済的金融的現実、 例えば、中国あるいはインドの目覚ましい発展が、このシステムの矛盾を深めている。TPPは、NATOや環大西洋パートナーシップと共に、これまでの世界 を維持し、そこに生じている新たな経済的金融的現実が強まるのを抑える、最後のチャンスといえるだろう。」
 ≫(SPUTNIK):アンドレイ・イワノフ)


 ≪ プチャーチン提督が言い遺した道
2015年5月21日に東京で開かれる日露フォーラムを前に、モスクワ国立国際関係大学教授で元駐日ロシア大使(在任期間 1996~2003年)のアレクサンドル・パノフ氏は、露日関係の複雑な歴史について次のように語った。
つい先頃、私たちは、1855年2月7日に日本の下田で締結された露日間の最初の条約の160周年を記念しました。ロシア側からその通好条約に調印したの は、エフィーミイ・ヴァシーリエヴィチ・プチャーチン提督でした。まさにこの出来事が、露日関係の外交史における起点となりました。

もちろん、互いを知る ようになったのは、それよりずっと以前のことで、19世紀の半ば頃には、ロシア人も、日本人も、互いに関する一定の知識を備えていました。ロシアは、正式な関係を樹立すべく何度か使節団を遣わしましたが、成果は、得られませんでした。日本は、17世紀の初めから二世紀半に亘り、外国人に対して完全に閉ざさ れていました。そして、19世紀の半ばになってようやく、まず、アメリカが、つづいて、ロシア、フランス、イギリス、その他の大国が、そうした鎖国状態を 克服できたのでした。

独特でしかも基本的にはかなり素朴な露日関係発展の歩みは、そこに端を発しています。両国家は、地理的にひじょうに近く、プチャーチン提督が言い遺した平 和的な方式で協力しうる、と思われました。けれども、二十世紀には、周知のとおり、両国関係に暗い影を落とした幾つかの武力衝突が見られました。その傷痕は、露日双方の社会の意識のなかに今も残っています。

ロシアでは、110年前の日露戦争における屈辱的な敗北についても、ロシア革命後の内戦に際しての極東およびシベリアへの干渉についても、1938~1939年のハサン湖およびハルハ河での戦い(ノモンハン事件)についても、そして、満州における日本の 関東軍の降伏ならびに1945年8月のソ連の対日参戦についても、未だに記憶されています。

第二次世界大戦の末にほぼ60万人の日本の将兵がソ連の捕虜と なり、そのうち約6万人が命を落とし、生き残った人々の帰国のためにも多大な努力が必要でしたが、これらの出来事は、現代の日本人の歴史的記憶に暗い影を 落としました。    

けれども、そうした好ましくない歴史的背景が、両国関係のすべての面を覆い尽くして いるわけではなく、いつの時代にも、かなり好い面がありました。日本では、たとえば、1960年代にソ連のポリオワクチンが多くの日本の子供たちを救った ことが今も語り伝えられています。このテーマは、のちに、名優の栗原小巻さんが出演したアレクサンドル・ミッタ監督の映画『未来への伝言』(1988年) で描かれました。

ロシアの船員たちが遭難した日本の船乗りたちを救い、日本の人たちがロシアの船員たちを助けたことも、思い起こすべきでしょう。 悪くもなく好くもない露日関係  露日関係は、直線的で単調で白黒のプロセスというわけではけっしてなく、いつの時代も、さまざまな色合いに溢れていました。けれども、残念ながら、両国家および両国民の間の密接で恒常的で信頼に基づく関係というものは、文化交流がさかんに行われているにもかかわらず、生じませんでした。

日本では今も、レフ・トルストイ、ツルゲーネフ、ドストエフスキー、チェーホフといった19世紀のロシア古典文学がよく読まれており、ロシアのバレエや音楽が大きな人気を博しています。ちなみに、1928年には、歌舞伎がソ連で真のセンセーションを巻き起こし、スタニスラフスキーも、それを高く評価しました。

今日も、日本ではロシア文化フェスティバルが毎年開催されており、今年の5月、東京で、恒例の露日フォーラムの前に、セルゲイ・ナルイシキン国家会議(連邦議会下院) 議長の出席のもと、今年の日本におけるロシア文化フェスティバルのオープニングセレモニーが催されます。毎年恒例のロシアにおける日本文化フェスティバル も、ロシアの人々の関心を惹いています。  

両国の政治および社会のエリートたちは、露日間には克服できない矛盾は存在していないという明白な事実を未だに認識していません。今は、暦の上で、日本において将来の皇帝ニコライ二世に対する暗殺未遂事件が起こった1891年ではありませんし、ソ連において地図で日本を指し示せない人ですら日本のスパイ と呼ばれかねなかった1938年でもありません。

ロシアは、日本にとって脅威ではなく、日本も、ロシアにとって脅威ではありません。ロシアは、商品や投資や先端技術のためのとても幅広い販売市場を日本に提供できます。今の300~350億ドルという年間貿易高は、ひじょうに少ない額です。けれども、たいへ ん残念なことに、現在、ロシアの有力者たちの間では日本に対する関心が低く、日本側からの反応も同様です。

たしかに、日本は、外国のビジネスが根を下ろす のは難しい国であり、そこでは、腰を据えて狙いを定めた努力しか実を結びません。結局、私たちは、日本とのそれほど悪くもなくすこぶる好くもない関係を有 しているようです。先頃、日本が、かなり控えめな形とはいえ、対露制裁に加わったことは、周知のとおりです。

解決できない問題はない
歴史の悪い面を忘れることはできませんが、それらがまったく克服できない障碍であるとは思えません。周知のとおり、米国は、日本国民に対して少な からぬ重大な戦争犯罪を行いました。

1945年3月10日の東京大空襲では一日で10万人以上の民間人が亡くなり、大阪、名古屋、その他の都市もそうした空襲に見舞われ、1945年8月の6日と9日の広島と長崎への原爆投下ですべてが終わりましたが、地表から消されたそれらの都市は、事実上、何ら軍事的意義を有してはいないのでした。それでも、今の日米関係は、奇妙なことに、ほとんど歴史の重荷を負っていません。

そして、日本人は、日本はソ連との中立条約を忠実に遵守していたのにソ連側が1945年の夏に突然それを破棄した、と未だに信じており、それ以来、関係の維持を妨げる未解決の「領土問題」は、今も 「喉に刺さった骨」でありつづけています。  

そうしたアプローチは、批判に耐えず、戦後は、経済や社会の分野を初めとする交流がさかんに発展する時期がありました。1970年代、ソ連は、「領土問題」の存在をまったく認めていませんでしたが、まさにその頃、ヴォストーチヌイ港の建設やヤクートの石炭鉱床およびシベリアの森林の開発といった シベリアおよび極東を対象とした大規模な共同開発プロジェクトが実現されました。まだわが国の一部の上層部がそれをかなり疑問視していた頃にサハリン大陸棚における産地の開発を始めるよう主張したのは、まさに日本側でした。  

ようやく、1990年代の末に、両国関係の真のブームが見られ、軍事機構や司法機関の間の交流さえ始まり、経済関係が急激に発展しはじめました。つまり、政治的意志があれば、多くのことを改善できるのです。良好な友好関係と深化した交流があればやがて平和条約の問題も解決できる、というロシア側がかね てから提案しているパラダイムは、いたって現実的なのです。

けれども、けっしてその逆ではありません。日本側は、まず係争の領土が私たちのものであることを認めてください、それから私たちは関係を発展させます、と言うのですが…。

日本が対露制裁に加わった今「領土問題」をめぐる何らかの進展が可能であると考えるのは、ナンセンスです。というのも、双方は互いに対して何らかの好ましからざる行動をとらず善隣的な協力を行うと必ず明記されなくてはならない申し 分のない平和条約が問題となっているのですから。

何かを変えるためには、両国関係のすべての分野における建設的な協力の途に立ち返る必要があり、そのため のあらゆる根拠はあるのです。

「すみやかな成果を期待すべきでない」  
日本は未だにごく少数の外国人しか常住していないかなり閉鎖的な国ではありますが、人的交流のレベルには大した問題はないと思います。ロシアから の観光客がさほど多くないのは、日本は物価が高く、この危機的な時期にあってはさらに高くなっているからでしょう。

今もっとも大事なのは、わが国の政治および企業のエリートたちが日本へ顔を向けるようになることです。ウラジーミル・プーチン氏は、つねに日本の問題に関心を抱いており、露日関係における動きをひじょうに注意深く見守っています。

けれども、率直に言えば、日本との関係の発展を本気で重要と考えている人の名を挙げることは、まれな例外を除いて難しく、日本の政治家の間でも、ずっと以前からロシアに対しては冷淡なのが当たり前となっています。

かつて両国関係の発展を促すべく露日賢人会議の創設が試みられましたが、うまく軌道に乗りませんでした。今こそ、そのプロジェクトへ立ち帰り、きわめて切実でデリケートな分野における両国関係の拡大を促すようなそうしたロシアと日本の優れた政治家や社会活動家や学者らで構成される共同グループを編成すべき時なのではないでしょうか。

こうしたなかで、日露フォーラムは、このうえなく重要です。それは、すでに現代の危機による試練に耐えてきました。両国関係の複雑さにもかかわらず、こ のフォーラムは、定期的に開催されており、大きな関心を呼び起こし、両国および両国民が互いに深い関心を抱きあっていることを証明しています。

けれども、 この関心は、たえず温めていなくてはなりません。フォーラムは、両国関係の経済的課題をかなり前向きに解決しており、今必要なのは、社会的なレベルでもさ かんな協力を組織することであり、そのためには、先に述べた賢人たちを招き寄せなくてはなりません。

私たちは、もっと頻繁に話し合い、共同プロジェクトに ついて協議する必要があります。両国関係においては、すみやかな成果を期待すべきではなく、まさに「ロシースカヤ・ガゼータ(ロシア新聞)」と「毎日新聞」のイニシアティヴが目指している長期的な協力について考えるほうが、理に適っています。
*記事全文(露語)は、雑誌「ロージナ(母国)」2015年4月号に掲載された。
記事、コンテンツの筆者の意見は、RBTH(日本語版はロシアNOW)編集部の意見と一致しない場合がある。  ≫(ロシアNOW:オピニオン―アレクサンドル・パノフ)

中国グローバル化の深層 「未完の大国」が世界を変える (朝日選書)
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●日本の情けなさMAX  「非独立国」を翁長知事に教えられ 

2015年05月27日 | 日記
もう一つの「幕末史」: “裏側”にこそ「本当の歴史」がある! (単行本)
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●日本の情けなさMAX  「非独立国」を翁長知事に教えられ 

以下は、吉川由紀恵氏の少々下手糞な日本語による、沖縄県辺野古基地問題を、沖縄県として、アメリカに伝える要の仕事をしていたことを通じても、同氏なりの、考えを、連続レポートしている。ひとつは、「沖縄の声」であり、もう一つが「ワシントンの誰に伝えるか」である。通読してみて、結論らしきものが見えてこないのが残念なレポートだが、日本の外務・防衛やアメリカの国務・国防の実態を知るには、それなりに参考になるレポートでもある。

鳩山由紀夫への言及では、ステレオタイプな評価にとどまり、実態が見えていないところ等を見ると、上っ面をなぞっている傾向もみられる。27日から、日本政府の聞く耳持たず非民主的な態度に“業を煮やした”沖縄県民の総意を背に、翁長知事が27日訪米する。知事の訪米は就任後初めてで、名護市の稲嶺進市長や県議会や経済団体が同行し、オール沖縄の姿を、アメリカ及びワシントンに直に伝えることになる。

今さら、沖縄県の米軍基地問題を蒸し返されることを、日本政府をはじめ、アメリカ政府、国務・国防共に嫌がるだろうが、安倍・菅レベルの聞く耳持たずな姿勢よりは、米軍にとって、日常的リスクが伴うことだけに、多少の危機意識はあると考える。軍事的に沖縄の米軍基地が、アジアの要衝と云う理屈は判るが、グアムでも事足りるのであれば、九州四国中国地方でも、軍事的要衝になり得る。その意味だけでも、絶対に沖縄県である必要はないし、まして、辺野古でなければいけない絶対的条件は一つも示されていない。

吉川氏のレポートを読めばわかるが、代替案など出す必要が沖縄県にあるわけがない。どうしても、安全保障上、喫緊の必要性があるのなら、山口県(長州)が最適だ。長州閥で明治維新以降の日本を駄目にしたのだから、頑張って貰おうではないか。世界遺産の登録するようだから、日本の非独立の象徴として、山口県の辺野古代替が最良の解決の道だ。その米軍基地を「日本の非独立歴史の象徴」として、何年かのちに、世界遺産登録も良いじゃないか。アメリカと云う国をシンボリックな見世物として、世界に示せる。

しかし、安倍と菅のコンビが、日本に、沖縄に「反権力」のヒーロー、英雄を生みだした事実は、非常に意義深い。琉球民族と云う表現は穏当ではないが、彼らから、日本の非独立性を教えて貰わなければ、どうにも平和ボケが直らないと云うのも、本土の大和民族としては、絶大に恥ずかしい。翁長知事は、あくまで穏当を旨としているが、安倍や菅の姿が姑息すぎるので、翁長知事の、顔つきが日ごと神がかってきている。筆者的には、琉球王国の紋章のハチマキと“かりゆし”でアメリカ中に旋風を巻き起こして欲しいものだ。おそらく最終的に、安倍政権は翁長に負けるだろう。

注:琉球王国・紋章




 ≪ 社説[翁長知事あす訪米]辺野古ノーの声を聞け
 翁長雄志知事は、27日から6月5日までの日程で訪米する。ハワイやワシントンを訪れ、米軍普天間飛行場の早期返還と名護市辺野古の新基地建設反対などを米側に直接訴える。
 24日、東京の国会議事堂周辺で行われた辺野古の新基地建設に反対する抗議行動には約1万5千人が集まり、「人間の鎖」で国会を包囲した。辺野古移設反対をテーマにした国会包囲行動で、これほど多くの人が集まるのは、過去に例がない。沖縄の民意への共感が広がっていることを象徴する出来事だ。
 翁長知事は4月に安倍晋三首相、菅義偉官房長官と相次いで会談。5月には中谷元・防衛相との会談や東京での在京・海外メディアとの会見、さらに約3万5千人が参加した県民大会で、積もり積もった思いを発信してきた。
 特に、安倍首相らとの会談ではかなり踏み込んだ発言で、県民の思いを代弁した。沖縄の戦後史を踏まえ、過重な基地の負担や新基地建設の不当性を強く訴えた。普天間については「自ら土地を奪っておきながら、嫌なら代替案を出せというこんな理不尽なことはない」と厳しく批判した。
 翁長知事の毅然(きぜん)とした姿勢は、本土の人たちにインパクトを与え、沖縄への理解を促した。複数の全国メディアの世論調査では、辺野古移設に反対の意見が増えている。辺野古基金は短期間で2億5千万円を突破し、その約7割が本土からだ。沖縄の運動を支えようという機運が高まっている証しといえよう。  
   ■    ■  
辺野古移設反対の世論の広がりは、訪米の追い風になるに違いない。ワシントンでは国務省や国防総省の次官補、次官補代理クラスとの会談を希望しているほか、シンクタンクなどとの意見交換を予定している。
 ただ、4月の日米首脳会談で、両政府が辺野古移設推進を確認した直後である。仲井真弘多前知事の埋め立て承認で、米政府や議会内で辺野古問題が「決着済み」との見方が広がっているともいわれ、厳しい対応も予想される。
 翁長知事は25日、共同通信の取材に対し、前知事による埋め立て承認に関し、県の第三者委員会から7月上旬に承認取り消しが提言されれば「取り消すことになる」と明言した。政府が移設を強行すれば「日米同盟に傷を付ける」とも語った。
 あらゆる手段を駆使し、新基地は造らせないという沖縄の覚悟を日米両政府は甘くみるべきではない。住民の敵意に囲まれた基地は機能しない、ということを米国は知っている。米政府は辺野古問題を真剣に考えるべきだ。  
   ■    ■  
上野千鶴子さん(ウィメンズアクションネットワーク理事長)は、17日の県民大会に向けて本紙に次のようなメッセージを寄せた。「沖縄の運命が沖縄抜きに決められようとしている。当事者主権の叫びは当然だ」
 米軍基地の存在は、住民生活に大きな影響を及ぼす。「辺野古移設ノー」のまっとうな主張を、沖縄はさまざまな機会を通して、訴え続けていく。 ≫(沖縄タイムス・社説)


≪ 「沖縄の声」をワシントンに届ける
012年3月、筆者は縁あって沖縄県庁に勤務することになった。普天間飛行場移設問題について、沖縄の声を米国の首都、ワシントンに伝えるために。筆者はこの前、ワシントンにあるジョンス・ホプキンス大学高等国際関係大学院(通称SAIS)附属ライシャワーセンターの研究員であったため、ワシントンでのネットワークや知見を買われてのことだった。当時はまだ仲井真弘多知事が辺野古埋め立て承認をする約2年前であった。
 まずは、「普天間飛行場移設問題」とは何か、「沖縄の声」とは何か、「ワシントン」とは誰を指すのかについて説明する。
 普天間飛行場移設問題の経緯については新聞などで見かけることもあるだろう。1995年に起きた米兵による少女暴行事件を契機に、沖縄では参加者が約8万5000人に上る抗議の県民大会が開かれた。これを受け、日米両政府は沖縄の人々の怒りを鎮めるべく、沖縄が負う米軍基地の負担を軽減する措置を考えるためのタスクフォース(通称SACO)を新設。翌96年には、普天間飛行場を含めた在沖米軍施設を移設あるいは土地を返還すること通称SACO合意を発表した。
 普天間飛行場は、宜野湾市の市街地のただ中に位置し、軍用機が墜落すれば大惨事に至ることが容易に想定された。実際に2004年、軍用ヘリが普天 間飛行場近くの沖縄国際大学キャンパス内に墜落している。奇跡的に死者は出なかったものの、普天間飛行場の危険性を改めて認識させるものだった。
 ただし、普天間飛行場の移設先は1996年時点では検討継続とされた。そして2006年、日米両政府が移転先を辺野古に決定し、「再編実施のための日米のロードマップ」(通称ロードマップ)に明記した。
 ところが2009年、この決定についての地元との調整が完全にはついていないうちに、「県外移設」を掲げる鳩山由紀夫氏が率いる民主党政権が誕生。その後、鳩山首相(当時)は発言を二転三転させ、結局、辺野古に戻った。
 この間、地元沖縄では、辺野古を抱える名護市と沖縄県が2010年に、それぞれ市長選と知事選を実施。いずれも県外移設を求める候補を当選させる ことで民意を示した。しかし、県外移設を掲げて当選した仲井真弘多知事が2013年12月に辺野古埋め立てを承認。現在、埋め立てのための調査が辺野古で進められている。

■普天間飛行場を辺野古に移設させたい理由
 普天間飛行場の移設スキームは意外に知られていない。普天間飛行場を管理しているのは、米国海兵隊である。海兵隊は、陸上部隊、空挺部隊、兵站部 隊の三位が一体となって行動する。沖縄では、陸上部隊は主にキャンプ・ハンセン、キャンプ・シュワブに、空挺部隊は普天間飛行場に、兵站部隊は主にキャンプ・キンザー、キャンプ・フォスターに点在する。
 地図を見れば、くの字型をしている沖縄本島の北東(キャンプ・ハンセン、キャンプ・シュワブ)から中部(普天間飛行場)、南西(キャンプ・キン ザー)へと斜めに突っ切るように各拠点が並んでいる。沖縄県の人口の8割は沖縄本島の中南部に集中しているため、この配置が交通渋滞を起こす。
 例えば中部から南部の那覇へ通勤する人は、これらの基地の間を縫うように抜けるくねくねと曲がった幹線道路、もしくはそのバイパスを利用する。こ のどちらも、交通量はそのキャパを超えてしまっている。新しいバイパスを造る余地はない。また、本島中部を東西に移動するには基地を迂回しなければならない。このように、基地の存在は沖縄の生活に少なからぬ支障をきたしている。(実際にはこれに、騒音や事故の危険性が加わる)
 この空挺、兵站機能を、陸上部隊がいる辺野古周辺に集約することで、沖縄と米軍はウィン・ウィンの関係になれる。沖縄は、普天間飛行場が有する危 険性を除去することができる。加えて、人口密度の高いエリアにあるキャンプ・キンザーなどの土地を返還してもらえる。海兵隊約5000人がグアムに移転すれば、駐留する米兵の数が減少する。米軍は、海兵隊の3機能を近いエリアに集約することができる。ただし、キャンプ・キンザーなど米軍が返還する予定になっている基地の代替地を日本政府が提供できれば、の話である。

■沖縄が感じる基地負担を巡る不公平感
 ただし地元民としては、「基地の返還といいながら、単なる土地の移動にすぎない」――という思いをぬぐい去ることはできない。結局、沖縄に基地が 有り続けるからだ。基地負担を軽減してほしいとの願いは、戦後70年にわたって沖縄が抱いてきたもの。27年間にわたる米国統治が終結した1972年の日 本復帰以来、沖縄は日本政府に求めてきた。
 現在、面積で言えば米軍専用施設の約75%が沖縄県にある。沖縄以外の場所では、米軍専用施設の59%が終戦直後、日本に返還された。沖縄が日本に復帰する際、県民は同様に負担が軽減されることを期待していたが、沖縄県にあった米軍専用施設の18%程度しか返還されなかった。ここに、基地負担を巡 る不公平感を沖縄が感じる根底がある。
 こうした経緯に加え、鳩山首相の「海外移転が望ましいが、最低でも県外移設が期待される」といういわゆる「県外移設」発言が、それまで日本政府が してきた説明に対する不信感を膨らませた。同首相の発言は、沖縄は「地の利」(難しく言えば「地政学的要衝」、歴史的に言えば「太平洋の要石」)を持つために米軍基地を集中せざるを得ないという日本政府の従来の説明をくつがえすものだったからだ。さらに同首相が半年足らずで安易に発言を撤回したことへの怒りなどが絡み合う。
 こうした感情が、基地に対する沖縄の人々の態度を硬化させ、2014年1月の名護市長選において、辺野古への移設に反対する稲嶺進氏を市長に再選させた。2014年11月の沖縄県知事選では、埋め立てを承認した仲井真知事を落選させた。
 以上が普天間飛行場移設問題のこれまでの経緯と概要である。

 ■「沖縄への過度の負担は日米同盟の根幹を崩す」
 次に、「沖縄の声」について考えよう。
 筆者が「沖縄の声」としてワシントンに伝えるべきメッセージは次のようなものであった。「沖縄の民意はいまだ、普天間飛行場の辺野古への移設を容 認できる状況にはない。したがって日米両政府は辺野古以外の選択肢を速やかに模索すべきである。このまま辺野古案を進めれば、反対派との間に衝突が生じ、 死傷者が発生する可能性がある。そうなれば沖縄は、収拾がつかない騒然とした状況になるであろう(すべての基地を返還するよう要求するようになってもおかしくはない)。その場合、日米同盟にも大きな打撃を与えるだろうし、地域の安全保障にも深刻な悪影響を与えてしまう」。
 全基地返還について少々解説しよう。沖縄には海兵隊以外にも、空軍、海軍、陸軍が駐留している。軍人だけで約2万6000人。これは日本全国にいる米兵の約7割に相当する。さらに、軍属や家族を含めれば約4万7000人に及ぶ(2012年6月現在)。これだけの規模の米軍を日本の他地域に移動させることがどれだけ大変なことか、想像するに余りある。
 米軍にとって最重要な施設は、「東アジア最大の空軍基地」と言われる嘉手納飛行場である。面積は、成田空港の約2倍に当たる約20平方キロメート ル。米空軍最大の戦闘航空団である、第18航空団を抱えているほか、特殊作戦機能や偵察、哨戒機能も充実している。ベトナム戦争では、米軍出撃基地として機能。戦略爆撃機B52が連日、嘉手納飛行場を飛び立ちベトナムを爆撃していた。平時には東アジアをパトロールし、有事には主要攻撃・兵站拠点となる、米軍には不可欠な存在なのである。
 米国の有識者の中には、普天間飛行場を返還すれば、沖縄は嘉手納飛行場の返還も要求するのではないか、と心配する声もある。それくらい虎の子の存在なのだ。米軍としては嘉手納飛行場の返還だけはなんとしても避けたいところだろう。 ≫〈吉川由紀恵レポート1〉

 ≪ 沖縄の声を「ワシントン」の誰に伝えるのか?
 2012年3月、筆者は縁あって沖縄県庁に勤務することになった。普天間飛行場移設問題について、沖縄の声をワシントンに伝えるために。
 前回は「沖縄の声」とは何かを説明した。今回は「ワシントン」とは誰を指すのか、を取り上げる。

普天間移転問題を実質的につかさどる国務・国防次官補
 米政府内でアジア政策をつかさどるキーパーソンは誰か? 基本的には、日本の外務省に当たる米国国務省の国務次官補(アジア担当)が主担当となる。ただし、普天間飛行場移設問題は軍事に関わることなので、日本の防衛省に当たる国防総省の国防次官補(アジア担当)も主担当だ。この他、NSC(国家安全保障委員会)にもアジア部長がいる。NSCは大統領に近い分、影響力を持ちうるだけに要注意である。
 これらの官僚の上にもちろん、大統領や国務長官、国防長官がいる。さらにそれぞれの下に副長官、次官がいる。ただし、通常はこうしたクラスがアジア問題にそれほどの時間を割くことはない。ましてや米国は当時、アフガニスタンとイラクで軍事活動をしていた(イラクでは2012年末から、アフガニスタンでは 2014年末から、完全ではないものの撤退を進めている)。このため、政策を実質的に決定、実行するのは次官補となる。

 ■キーパーソンはリッパート国防長官首席補佐官
 ただし、国務省と国防省の次官補だけを見ていればよいわけではない。大統領と国務長官、国防長官との力関係などが政策に影響する。実際には誰に力があるのか、担当が入れ替わるたびにキーパーソンを見極めることが大事である。
 2012~13年は、マーク・リッパート国防長官首席補佐官(当時)がキーパーソンと言われた。前職はアジア担当の国防次官補。同氏が首席補佐官となっ た後、アジア担当の次官補はしばらく空席だった。リッパート氏は、バスケットボールの相手をするほどオバマ大統領との緊密な関係にあるとの評判であった。

■議会は予算に目をこらす
 こうした状況をウォッチするだけでもそれなりに労力が要る。しかし、事は行政府内に限られない。米議会も無視できない存在である。大統領に物を申すことができる一大勢力なのだから。
 米国の政治システムにおいて、大統領はあくまで行政府の長である。予算ひとつ通すにしても、行政府ができることは2つしかない。1つは要望書を作ること。行政府は予算案を議会に提出することさえできないのだ。もう1つは、立法府で成立した予算案に対してサインするか拒否するかを決めることだ。大統領が 拒否権の行使を示唆することはあるが、その言葉を受けて、議会がどこまで修正するかは別問題である。予算法案を含め、法案作成は議員の仕事であり、行政府 が口をはさむことはできない。
 ただし、付言すれば、大統領と議会は協調しなければならない関係にある。議員の評価は、重要な法案をいくつ通したかで決まる。そのため、せっかく通した法案を、大統領に拒否されても困る。一方、大統領も予算がなければ実施したい政策を実行できない。要は、議会と大統領が政治的妥協を図るよう政治システム ができている。
 というわけで、議会は大統領に政策の再考を促す立場にある。その議会には、外交委員会、軍事委員会といった委員会がある。
 当時、軍事予算を検討する上院軍事委員会で、この普天間飛行場移設問題に興味を示していたのは、元海軍長官のジム・ウェッブ議員(民主党)とその盟友のカール・レビン軍事委員長(民主党)、ジョン・マケイン議員(共和党)であった。
 これらの議員は、普天間飛行場移設スキームそのものに介入するのではなく、このスキームが予算面においてきちんと計算されたものなのかを検証すべきだという立場をとっていた。
 辺野古など代替基地の建設・提供に関わる費用は日本政府が負担する。しかし、在沖海兵隊のグアム移転に伴う建設費用の一部は米政府が負担することになっている。この点を突いたのだった。
 このスキームのコストがきちんと計算されているのかを検証すべきだというのは、米軍が提出する予算額があまりに変動するからだった。米会計監査院 (GAO)が2013年に発行したレポートによると、在沖海兵隊のうちグアムに移転する人数は2006年ロードマップでは8000人であった。これが、 2010年には8600人、2012年には9500人と増加した。米政府が見積もるコスト負担は2006年には42億ドルだったものが2010年には 127億ドルと約3倍に跳ね上がった。一方、2012年には90億ドルに減っている。 図省略  議会で活躍するのは議員だけではない。それぞれの委員会は専門スタッフを抱えており、政策について議員にアドバイスをする。もちろん、議員個人についているスタッフ(政策アドバイザー)もいる。
 当時は、マイケル・シーファー氏が上院外交委員会の上級スタッフに移籍したばかりであった。彼は、国防次官補代理として直前までオバマ政権に席を占めていたため、普天間飛行場移設問題にも当然高い関心を持っていた。ちなみに上院外交委員会の上級スタッフは彼の古巣でもある。

 ■政権と大学を行き来するエキスパートたち
 以上が、米政府のアジア政策決定者及び議会の有力者である。しかし、キーパーソンの輪はさらに大きい。彼らにアドバイスする、あるいはする可能性の高い 日本専門家たちがいる。こうした専門家は大学やシンクタンクに所属しているが、彼ら自身が政権に入り、政策実行者になってもおかしくない。米国ではこうした政治任命される政権スタッフが4000人から5000人もいると言われる。
 筆者が地域安全政策課主任研究員に就任した2012年は、米国の大統領選の年。政策やその担当者が大きく変わる可能性があっただけに、日本専門家たちの動向も重要視した。
 前述のマイケル・シーファー氏は、ジョン・ケリー上院外交委員長が国務長官になった暁には国務次官補の座を射止めるべく、外交委員会に戻ってきたと言われていた。
 外交問題評議会(CFR)のシーラ・スミス女史の動向も無視できなかった。同氏はオバマ政権と濃いつながりがあり、第1次オバマ政権が発足した時に政権入りが取りざたされていたからだ。彼女は、沖縄の琉球大学で教えていた経歴も持っている。
 加えて、ライシャワーセンター所長のケント・カルダー教授も、日米関係の第一人者であるだけに目が離せなかった。同教授は筆者の前職において上司だった。
 このほか、米国の政治家に影響を与えるものにメディアがある。ジャーナリストの中には普段から詳細に日本をウォッチしている人もいれば、普段は特に見ているわけでもないが、何かあれば社説や論説を書く論説委員やコラムニストもいる。特に重要なのはワシントン・ポスト紙とニューヨークタイムス紙、ウォー ル・ストリート・ジャーナル紙だ。ワシントン・ポスト紙はオバマ大統領が自ら目を通すと言われている。
 こうした様々な人々に対して沖縄の声を効果的に届ける――これが筆者に課せられた主要なミッションであった。 ≫〈吉川由紀恵レポート2〉

*吉川由紀恵 プロフィール
ライシャワーセンター アジャンクト・フェロー
慶応義塾大学商学部卒業。アンダーセンコンサルティング(現アクセンチュア)東京事務所にて通信・放送業界の顧客 管理、請求管理等に関するコンサルティングに従事。2005年米国コロンビア大学国際関係・公共政策大学院にて修士号取得後、ジョンス・ホプキンス大学高等国際研究大学院附属ライシャワーセンター上級研究員をへてアジャンクト・フェロー。また、2012年-2014年は沖縄県知事公室地域安全政策課にて主任研究員。  ≫(日経ビジネス:政治・経済 > 「沖縄外務省アメリカ局」での勤務を命ず!)

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コメント (3)
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●NHKのニュースは平気で嘘を「株価は企業業績を反映」と言い切る

2015年05月26日 | 日記
日本が世界地図から消滅しないための戦略 (用意周到な大国、用意周到でない日本)
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●NHKのニュースは平気で嘘を「株価は企業業績を反映」と言い切る

金融バブル以降の株価は、世界的に思惑を含む、投機市場の趣が顕著になっているにも拘らず、NHKはニュースの中で、堂々と「企業業績の鏡」だと、何のてらいもなく、さらりと言ってのける。ゆえに、日本の株価は8000円台から、2万円台を超えています。日本の企業の業績は軒並み好決算を出しています。このように、夜の7時のニュースはフィルム仕立てで、アナウンサーの解説ではなく、フイルムの製作者の意図で作られているようだ。

キャスターが出演して、多少コメントなどを入れる場合には、プロパガンダに手心が加わるが、7時のニュースのような場合は、完全な作りものなので、司会者は、ニュースの見出しを語るだけなので、大袈裟であっても、誇張があっても、表裏の「表」だけ流しても平気だ。最近気づいたのだが、夜の7時のニュースが、最も官邸主導?官邸忖度が強く、嘘八百に近いニュースも垂れ流す。これは、7時のニュースが、一番日本人に視聴されている可能性が高いのだろう。

高齢者は夜の九時には就寝モードと云う事もあるだろう。若い世代は、ニュースではない、他局の番組を観る可能性が高い。そういう意味で、国民への日本の状況を把握させるには、7時のニュースが最もプロパガンダ報道に適している。最近は、ナレーションも、北朝鮮の女が語っているのでは?い訝る口調で、センセーショナルな語り口が目立つ。まあ、長州出身総理が出たから、長州の歴史番組を大河で組み、維新の魂を育てた吉田松陰を美化し、尚且つ、世界遺産登録の下地を作っているのだから、NHKの中は、官邸の思惑に全面的に支配されているようだ。以下は、日本の円安・株高に関しての「死角」をNHKよりは、かなりまともに検証している記事である。参考引用する。


≪ 経済の死角 騒がれ出した世界経済「6月危機」「円安・株高」の季節が終わり、日本経済も激変する(上・下) 日経新聞が慌てて1面で書いたのには理由があった!
これまでなんとか誤魔化してきた「対症療法」がもう限界。政策当局者たちのあいだに不安と焦りが広がってきた。「勝ち組なき時代」に突入した世界経済。もう、何が起きても不思議ではない。

 ■ウォール街猛者たちの不安 米ラスベガス。
 一攫千金のアメリカンドリームを狙う者たちが集うこの街で、世界の名だたるヘッジファンドが一堂に介したのは、5月初旬のことである。
  一流ホテル・ベラージオを舞台にして、ウォール街のビッグネームたちが勢ぞろいするヘッジファンド業界恒例の一大イベント『SALT』が開催されていた。
  日本ではほとんど報じられていないが、「金融界のスーパーボウル」と呼ばれるほどに影響力のあるイベントである。
  会場ではマーケットの大物たちが続々と登壇し、惜しげもなく基調インタビューやパネルディスカッションで持論を開陳。その発言ひとつがマーケットを大きく動かすと言われる。
 「'13年5月のSALTでは、多くのヘッジファンド運用者たちがアベノミクスを評価したうえで、日本株の魅力を力説しました。それが日経平均株価を急上昇させる牽引力となったのです」
 長年、SALTの動向をウォッチしているパルナッソス・インベストメント・ストラテジーズ代表の宮島秀直氏は言う。

 今年も初日からさっそく、物言う株主として知られるサード・ポイントのダニエル・ローブ氏が賢人ウォーレン・バフェット氏の「批判」を繰り広げ、会 場は大盛り上がり。さらに、原油価格の先行きをめぐり、業界のご意見番同士が正反対の意見をぶつけあうなど、白熱の議論が交わされた。

  ただし、今年のイベントで最大のポイントとなったのは「米国への不安」だったという。
  「今回、多くのパネリストが共通して語ったのは、米国の経済回復が経済指標に表れているほど実際は強くないということです。そのうえで、いま米国の中央銀行(FRB)が利上げをしたら、米国経済はその金融引き締めに耐えられるのかとの懸念の声があがったのです」(宮島氏)

■米当局も「弱気」
  ここ数年、欧州や日本といった先進各国からブラジルなどの新興国までもが不景気に苦しむ中で、唯一と言っていいほど気を吐いてきたのが米国経済である。リーマン・ショックの大打撃からいち早く立ち直り、まさに世界経済のエンジン役を演じてきた。
 しかし、その米国経済も安泰とはいえない状況になってきた—。 ヘッジファンドたちがそんな危惧を共有しているというのだから、ただ事ではない。
 「実は米国の金融当局者たちも、米景気に強い自信を持てていません」と前出・宮島氏は言う。
  「FRBは年内に利上げを実施すると見られています。それは金融緩和策によって景気浮揚させる必要がなくなるほどに、米景気が着実に回復してきたからだというのが『一般論』ですが、実情は少し違います。 私が米国で連邦準備銀行関係者に話を聞くと、『米国が今回利上げする のは、インフレ率と雇用情勢の2要因で金利政策を決定しなくてはならない連銀の長年のジレンマが背景にある。だが、今回は利上げ直後に景気が後退する懸念 があり、半年以内に再度利下げする可能性も予め含んでおいてほしい』と驚きのコメントが返ってきました。
 連銀100年の歴史を精査しても、利上げをした半年以内に利下げに踏み切ったことなど一度もありません。現在の連銀はそれほど、景気見通しに自信がないといえます」
  期せずして、5月6日にはFRBのジャネット・イエレン議長が米国株について「かなり割高」「危険だ」と言及。FRB議長が株価の割高、割安に触れるのは異例のことだが、景況感以上に株価が上がっていく現状への不安から、思わず本音が漏れた形だ。
  確かに、在米投資銀行家の神谷秀樹氏によれば、米国経済のリアルな実態は以下のような惨状だという。
◇米国民は株高による恩恵で潤っていると言われるが、恩恵を受けているのは上位5~10%の富裕層だけ。所得格差は依然として大きい。
◇そのため、引退期を迎えたベビー・ブーマー世代も蓄えの不足から簡単には引退できないというのが現状。ガソリン価格の低下は庶民には嬉しいが、その分浮いたおカネを消費に回す余裕もない。
◇米経済を牽引すると期待されたシェールオイル産業がすでに過剰投資状態で、ここへきて設備投資が激減。今後は泡沫企業の倒産が相次ぐ公算が高い……。
 米調査機関ジェロム・レヴィ・フォアキャスティングセンターでリサーチディレクターを務めるシリヴァス・ティルワランタイ氏も言う。
  「米国を代表するグローバル企業がドル高の打撃を受け、決算が大きく 落ち込んでいます。景気を左右する消費も盛り上がってこないので、企業の在庫も増えてきている。今年1-3月期の米GDPが減速したのは寒波などの一時的 な影響からと言われますが、それは違う。今年の米国の経済成長率は、がっかりするものになると思います」

 ■中国では偽札が流行
  実はいま、米国と並んで世界経済を牽引してきた中国もまた、米国同様、いやそれ以上の苦境に直面している。 中国経済の失速については多く報じられているが、その実態は「安全報道」を心がける大手メディアを見ているだけではわからないほどに惨憺たるものとなっている。
  上海を拠点に活動するジャーナリストの姫田小夏氏が言う。
 「上海を中心とする『長江デルタ』地帯や、広州を含む『珠江デルタ』などは外資系企業の進出ラッシュで活況を呈し、中国経済の牽引役と言われてきました。それ がいまは賃金上昇などを背景に外資系の撤退が止まらなくなり、関連する繊維工場や電子部品工場が相次いで倒産しています。工場の夜逃げも目立ち、逃げた工 場経営者に対して労働者が抗議活動を組織するなど、不穏な空気が漂っている。
その余波で、地元で雇われていた飲食店員、マッサージ師、運転手、通訳なども大量に職を失っています。街には手持ち無沙汰の若者が目につくようになり、上海では『盗みに気をつけろ』が合い言葉になってきました」
 中国経済の原動力となってきた不動産市況も、目を覆いたくなるほどにひどい。
  バブルと言われるほどの建設ラッシュに沸いた時代は遠い過去のように、現在は新規着工件数自体が大幅に減少。作ったものの買い手がつかずに、「ゴースト化」した高層ビルが当たり前のように目に入る光景が常態化している。
 「最近では、街のあちこちに黒服の若いマンションセールスマンが立っています。中古物件を紹介するチラシを配っているわけです。『上海の不動産はまだまだ値が 上がる』『日本や韓国の投資家も積極的』など平気で嘘八百を並べています。それほどしないといけないほどに、マンションが売れ残っているわけです」(前 出・姫田氏)
 あまりの不況ぶりから、最近では偽札が大流行。これまでも最高額紙幣の100元札(約1900円)の偽札は見られたが、最近では50元札の偽札も新登場してきた。
  かつては官僚接待に使うために法人客や個人客が外資系ブランドを大量に買い込んでいたが、「反腐敗運動」によってこれも激減。結果として、高級百貨店では閑古鳥が鳴いている。
  岡三証券アジア室参事の西胤智氏が言う。
  「『世界の工場』の地位を失った中国では、企業の設備投資が激減しています。不動産不況から不動産関連の民間金融は儲からなくなり、今後は小規模の民間金融で利 払いが遅れたり、デフォルト(債務不履行)するところが増えていくと見られます。中国は今年の年間GDP成長率目標を7%前後と掲げていますが、達成は難 しいでしょう」

■株価だけ良くてもダメ
 こうした事態を受けたかのように、日本経済新聞は5月12日から『薄曇りの世界景気』なる連載シリーズをスタート。1面をドカンと使って、第1回で米国、第2回で中国を取り上げ、両国経済の先行き不安を指摘した。
 言うまでもなく米中という「二大強国」の失速は、世界経済全体を深い谷底へと引きずり込む恐ろしさを秘めている。中でも米中両国に大きく依存する日本経済が受けるダメージは計り知れない。それだけに日経新聞も慌てて、連載シリーズを始めたのだろう。
 そもそも、日本では政府が中心となって「景気回復へあと一歩」と喧伝しているが、実際に足元で起きているのはそれとはまったく逆。多くの国民は景気回復の実感もなく、もがき苦しむ「新型不況」が吹き荒れている。
 エコノミストの中原圭介氏は言う。
「日本では円安で一部の大企業が、株高で富裕層が潤っていますが、大半の中小企業や庶民は円安による物価高と実質賃金の低下に苦しめられています。最近、エン ゲル係数が21年ぶりの高水準となったという統計が発表されましたが、これは家計がゆとりを失い、食費以外におカネを回しづらくなっていることを如実に示しています。
日本銀行の黒田東彦総裁が追加緩 和を発動すれば、また日本は浮上できるという日銀待望論もありますが、それはまったく期待できません。むしろ日銀がバズーカ砲を放てば、さらに株 高&円安は進むでしょうが、実質賃金がさらに下がることで庶民の生活はますます苦しくなるだけです」
 三菱UFJリサーチ&コンサルティング調査部長の鈴木明彦氏も言う。 「そもそも、日本企業の輸出は増えてきたと言われますが、それは円安によって金額ベースで増えているだけ。数量ベースではほとんど伸びていません。単純な話で、日本企業の競争力が落ちてきているわけです。
しかも、輸出企業の円安効果も一巡してきており、今後は円安による原 材料費の高騰というコスト高問題に相対することになる。ここ半年は原油価格の低下でそれ が相殺される部分もありましたが、今後はそれも剥落する。『円安→デフレ脱却』による負の側面が出てくる時代に突入するのです」
 米中日という世界トップ3が水没するリスクが眼前に迫ってきた。
 そうした中でいま、経済のプロたちの間で語られ始めたのが世界経済の「6月危機」である。
 現在、欧州ではギリシャ問題が大きく燻り、暴発寸前にまで追い込まれている。
 財政難にあえぐギリシャは金融支援をめぐってEU(欧州連合)などと交渉中だが、その交渉期限は6月末である EU側は支援をする代わりにギリシャに大胆な財政緊縮策を求め、片やギリシャ側はすでに緊縮策で国民が疲弊する中で、なるべく緊縮策を拡大することなく支援を受けようと交渉している。
  この交渉が決裂し、ギリシャがEUを離脱するなど最悪の形で火を噴けば、米中日だけでなく欧州も火だるま状態になり、一気に世界危機へと発展するというわけだ。

 ■ギリシャからか、日本からか
  肝心のギリシャの苦境を知れば知るほどに、その危機が起こる可能性の高さを感じずにはいられない。アテネ在住ジャーナリストの有馬めぐむ氏が言う。
 「財政破綻状態で歳出カットが止まらず、それが国民の生活に多くの支障を引き起こしています。たとえば近くの郵便局では以前は窓口に5人いたのが2人、集配係 も8人体制だったのが2人になったことで、遅配が当たり前になっている。
国立病院では薬や衛生用品の納入費を国が支払えなくなってきたため、緊急の手術は 受け付けるが、急を要さない予約制の手術などは無期延期状態です」
  ギリシャでは経済自体が停滞しているので多くの人が収入も激減している。有馬氏が続ける。
  「さらに、『多くの公立の保育所では給食センターが廃止され、空腹な子供が増えている』などと報道されています。また、小学校の教師がテレビのインタビューに 答えて、『朝食を満足に食べられない子供が増え、朝から空腹で集中力も体力もない子供たちにどうやって勉強を教えればいいのか』と嘆いていました」
 とてもじゃないが、これ以上の歳出カットは受け入れられないというのがギリシャの国民感情だとわかるだろう。そうした中で、「緊縮反対」を掲げて今年1月に 就任したギリシャのチプラス首相はギリシャ国民とEU側の板挟みに陥り、最後の一手であるEU離脱の住民投票に踏み切る—。それが引き金となって、世界が ドロ沼の経済危機へと引きずり込まれていく可能性があるのだ。
 最後に付け加えておけば、世界経済危機のトリガーを引くのはギリシャではなく、日本だと指摘する向きも少なくない。
 ギリシャ以上の財政問題を抱える日本の「国債問題」が待ったなしの状況になる中で、これが暴発して、日本発の世界危機を引き起こすというシナリオがそれである。
 日本リサーチ総合研究所主任研究員の藤原裕之氏が言う。
「日本には1700兆円近い個人の金融資産があり、これが銀行預金を通じて日本国債の消化を支えてきました。しかし、昨年末に発表された'13年度の統計によ れば、1955年の調査開始以来はじめて、家計貯蓄がマイナスになっています。
つまり、国債消化の原資となってきた家計資産が高齢化によって頭打ちする中 で、国債暴落のリスクはこれまで以上に高まってきているといえます。仮に暴落すれば、ハイパーインフレにつながる恐れがあります」
  同志社大学大学院教授の浜矩子氏も言う。
  「いまは日本銀行が金融政策と称して日本国債を大量購入していますが、この政策には限界があります。そのことに世界全体が気付いているわけで、いつ『危ない』と日本国債を投げ売りされてもおかしくありません。
 日本国債が売られれば、円も売られるし、日本株も売られます。国債、円、株がすべて暴落するトリプル安になるでしょう。そうなれば金利は急騰するので、住宅 ローンなどの借金がある人は返せなくなるし、株を持っている人も株価暴落で資産を失うでしょう。日本発で世界が不況に陥る危険性があるといえます」
そのタイミングは、黒田総裁が次の「サプライズ緩和」の号砲を鳴らした時だろう。まだそんなおかしな政策を続けるのかとあきれた投資家たちが、その号砲をス タートの合図にして日本国債を売り浴びせるのだ。そして、その日銀の追加緩和は早ければ6月にもあると言われている……。
 ≫(現代ビジネス:経済の死角“騒がれ出した世界経済「6月危機」「円安・株高」の季節が終わり、日本経済も激変する”上・下【週刊現代5.30】)

自発的隷従論 (ちくま学芸文庫)
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●変わらぬ日本 敗戦、占領、経済成長、バブル、原発事故etc

2015年05月25日 | 日記
火山入門―日本誕生から破局噴火まで (NHK出版新書 461)
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●変わらぬ日本 敗戦、占領、経済成長、バブル、原発事故etc

数え上げれば、日本が明治維新後、価値を認め、その吸収に全力を注ぎ“欧米文明”を表面的に取り入れることに成功し、経済上の文化的生活を手に入れたのは事実だ。しかし、その成功は表層的なものに過ぎず、“欧米文明”のコアに鎮座する「魂」を身につける事はなかった。ここで言う“欧米文明”と云う言葉は正確ではないかもしれない。正確には“欧州文明”なのだろう。米国には、文化はあるが文明はない。欧州のキリスト教を中心とする宗教と国境線を定める争いの中で、文明は鬩ぎあいの中で磨かれて行ったものなのだろう。

ところで、英国と米国と日本と云うのは、地勢上、島国的要素が多くみられ、多くの国が背中合わせで国境を接する欧州とは、どこか大きく考え方に違いがあるように思われる。それを、論理的に説明できるレベルに筆者は達していないが、歴史的な動きや近隣との接し方など、多くの点で、欧州地域の「魂」とは異なるものを有している。米国は島国ではないが、北米大陸全体を島と見立てることが可能な状況にあるので、日英同様に島文化に陥りやすい。つまり、独善でも、速攻で何かが起きることがない点で似ている。戦後においては、米国に占領された経緯から、我が国の“脱亜入欧”は、現実には“脱欧亜・入米”と云う方向にひた走った。その結果が今である。凄く良くなったと思う人と、凄く悪くなったと思う人々が混在しているのが、今の日本だと言える。

つまり、アメリカンな社会・経済に首まで浸かって、日常を生きている。かろうじて、日本的魂は細々と生き残ってはいるが、風前の灯と言っても過言ではない。あまりにも、明治維新と云う時代がアメリカを模索することに必死だった日本が、何ゆえ、そのアメリカと無謀なまでの戦渦を交えてのか。史実は、かなりのレベルで解き明かされているのに、筆者はどこか、史実では伝えきれない、合理的とは言えない、日本人の精神的深層部分に、「反米」と云う一種コンプレックスのようなものが、残されているように思えてならない。

ここで指摘するコンプレックスは、逆さまに言い換えるならば「歴史的誇り」のようなものでもある。この感覚は、日本の保守にもリベラルにも潜在的にみられ、日本では手放しの「親米保守」という層は意外に限られている。早い話が、腹に一物ある「親米」なのである。リベラルにおける、親米も怪しい。民主主義と云う言葉においては親米なのだが、軍事的なことには反米で、憲法9条護憲の前提が日米安保だったりするのだから、どうも相当にねじくれている。

ただ、1950年以降、世界の覇権の下、アメリカの軍事的行動は、自由と民主主義の十字軍にしては、その攻撃に晒された人々に、世界の警察官的行動だったという印象を残すのは稀である。他国から見れば、アメリカの理念だというものは、どう考えても我田引水なわけで、他国のためや、そこに住む人々から見ると、アメリカと云う国の利益の為だけに行動しているとしか、映らない。その所為かどうか判らないが、「反米」と云う共通項は旧共産圏だけに限らず、中東、欧州においても根強く存在する。興味深いことは、「親米と馬鹿は紙一重」がアメリカ以外の国では、かなり共通認識として存在することだ。

あの最も強い絆で結ばれている筈の英国が、ユーロ圏とは異なる形だが、米国離れを顕著にしている。ユーロ圏もまた、NATOと云う厄介な軍事的監視網の網が邪魔で仕方がない顔を、しばしば見せるようになってきた。中露は、当然のように、アメリカ一国主義は、世界の共通の敵だという看板を高く掲げている。南アメリカ大陸も、「親米」よりも「反米」の潜在意識が強い。握手はするが、彼らはアメリカをまったく信用していない。アフリカに至ると、もうアメリカなどは異なる宇宙の国のような雰囲気さえある。

なぜ筆者が、こんな奇妙な世界中の「反米意識」を考えたかというと、それにしても、日本の官僚組織と云うのは、どうして此処まで「親米一色」に統一されてしまったのだろう、と云う点を考えてしまうからだ。戦後70年の間で、今が最も官僚たちは「親米化」している。それが、占領下に準ずる形態の国家の宿命と言えばそれまでだが、駐留軍と云う名前で残っていた時以上に「親米」なのだ。官僚組織が“アメリカン・シャブ中毒患者”のように思えるくらい凄い。一種、新興宗教の領域に達している。

ところが、中央集権国家として成り立っている日本は、この官僚組織抜きに政治は一切行えないという、奇妙奇天烈な民主主義国家なので、吉田茂が総理であろうと、鳩山由紀夫がそうであろうと、安倍晋三がそうであろうと、実は大きくは変えられない。おそらく、社民党や共産党の政権が出来ても、政治の方向性「親米」を変えることは不可能な気がする。初っ端の方向性を変えることは瞬間的に可能なのだが、政治主導が各法案にブレークダウンしていく過程で、骨抜きにされてしまう。この官僚組織の「隷属親米精神」を破壊しないと、政治はどんどん無力化する。

最近の国民の政治離れ現象は、このような「空気」が国民の間に流れているのではないのだろうか。あれだけの原発事故を起こしても、何事もなかったように「原発は安い」の神話が復活するし、住民の避難に万全を尽くさなくても、原発が安全ならだから問題ないとか、キチガイじみた理屈が堂々と語られても、国民は半分以上馬耳東風だ。本当は人間の耳を持っているのだろうが、馬の耳を装う方が気が楽なのだと思う。現在の沖縄県の問題にしても同じだ。あそこまで、沖縄に対して理不尽なことが出来る国家が自由と民主主義国家ってのは冗談だろう。

夢の中では、日本の二か所くらいでカルデラ噴火(破局噴火)が起きて、日本の国土が半分くらいになれば、流石に残った住民は、経験に学ぶのだろうなどと思ってしまう。火山学者の話によると、箱根山で、仮に6万年前と同じような大噴火が起きれば、マグマによる火砕流で、神奈川県が全滅し800万人以上の犠牲者が出ると言われている。これは極端だとしても、日本は世界一に火山国であり地震の巣窟なのだから、世界で一番、原発に向かない島なのにである。水があり、地熱があり、風があり、太陽がある。当然今でも、世界有数のエネルギー技術を擁しているのだが、それを生かす気がない。これもマヤカシの原発経済合理性が息を吹き返す。これ、すべて官僚の差配なり。

 ≪ 「再エネ産業」が終わる日 ~『週刊現代』古賀茂明「官々愕々」より

2030年の電源構成に関する政府案が間もなく決まる。原発比率20~22%、再生可能エネルギーは22~24%という数字ばかりが報じられるが、 実は、その決定によって、日本の自然エネルギー産業発展の道がほぼ閉ざされようとしているということはほとんど報じられていない。

原子力ムラは、「2030年22%」でも野心的な案だという。しかし、'14年上半期の各国の総発電量に占める自然エネによる発電量の割合は、ドイツ30%、英国18%、スペイン50%、イタリア40%、フランス20%、デンマークは風力だけで41%だ。不安定で大量導入はできないとされる太陽光と風力だけで見ても、'13年時点でさえ主要な欧州諸国は軒並み10%超。スペイン、ポルトガルは20%、デンマークは30%を超えていた。ドイツの風力発電の容量は、'14年末に3823万kW、つまり、原発38基分だ。

ドイツは、自然エネ比率を2030年に50%、'50年には80%にする計画。英国でさえ、5年後の2020年の目標が31%だ。

 こうした動きは先進国だけではない。'14年に中国で新たに導入された水力、風力および太陽光発電の容量は5200万kWにものぼる。原発52基分だ。風力だけでも1年で1400万kW、原発14基分建設されたという。もちろん、この建設のスピードは原発建設の何倍も速い。

 一方、日本の2030年の計画は、太陽光と風力合計でわずか9%弱にとどまる。地熱、水力、バイオマスで最大15%程度を確保するものの、'13年度に約11%だった自然エネルギーの割合を2030年まで15年かけて、やっと2割程度まで引き上げるだけだ。これは、欧州の数年前のレベル。しかも、中国よりはるかに遅れた計画だ。

そういう試算になってしまう理由として、自然エネは「高い」から、増やすと経済に悪影響があるという前提がある。しかし、実際には、風力発電は世界中でコストが下がり、石炭火力よりも安いのが常識。自然エネ先進国では、太陽光発電も火力より安くなる国が増えている。 また、天候に左右されて不安定な太陽光と風力は5%から10%までが限界だという「神話」が日本だけには残っている。20年前に欧米で崩壊した神話をまだ信じているのだ。

では、諸外国ではなぜ、20%超の導入が普通に行われているのだろう。最大の要因は、発送電分離と小売りの自由化だ。この二つがセットで行われる と、電力小売りをする企業は、とにかく一円、一銭でも安い電気を調達しようとする。その結果、既存電源にこだわらず、安い新規参入者の電気を買うのだ。不安定な電源だからと言って買い取りを「拒否」している日本の電力会社は言わば殿様商売だが、欧州の企業は、不安定でも何とかそれを使おうと必死の努力をしたから、そのための技術が急速に発達した。今や、10%が限界などと言っている日本の電力会社は、世界の笑い物だ。

いまだに発送電分離さえ実現できず、世界の先進国が最も有望な成長分野だとしてしのぎを削る自然エネ産業で一人蚊帳の外の日本。そして、それに気づかない官僚と政治家たち。日本中枢の質は、世界から見て異様なまでに劣化している。  ≫(現代ビジネス:政治を考える―古賀茂明「日本再生に挑む」週刊現代「官々愕々」より)

破局噴火-秒読みに入った人類壊滅の日 (祥伝社新書126)
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●安倍首相、ネトウヨ体現で世界史に挑戦 原爆投下、後にポツダム宣言?

2015年05月24日 | 日記
上杉茂憲――沖縄県令になった最後の米沢藩主(祥伝社新書248)
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●安倍首相、ネトウヨ体現で世界史に挑戦 原爆投下、後にポツダム宣言? 

“驚き 桃の木 山椒の木”だ。こんな男が、日本の内閣総理大臣なのか。ネトウヨの、河野洋平、河野太郎の区別がついていないのと、まったく同じなのだ。安倍の脳味噌は、無条件降伏とポツダム宣言や原爆投下、東京裁判の時系列の整理も出来ていないし、内容も朧げにしか知っていない。おそらく、耳学問の範疇にあるのだろう。怖ろしき「戦後レジュームからの脱却」の論者だ。学者であれば、五流駅弁大学の教授で済む話だが、日本って国の総理大臣だそうだから、これは相当に問題だろう。

菅のスダレ官房長官も「ヤバい!」と思ったか、ポツダム宣言への認識を問われた件に関して、「日本はポツダム宣言の受け入れを表明し、繁栄する国を築き上げたわけで受諾したことに尽きる」とお茶を濁し、「『日本が世界征服をたくらんでいた』ということ等は、その部分をつまびらかに読んでおらず、承知はしていないので論評は差し控えたい」との安倍の発言部分には、「ポツダム宣言は、わが国は受け入れを表明し受諾をして、今日の豊かで平和で自由で繁栄する国を築き上げてきたわけで、受諾したことに尽きる」とフォローに必死。記者に頼んで質問を仕込み、官房長官がフォローしているのはバレバレだが、焦点をぼかすのが精一杯だった。

日本共産党志位委員長は、日本の政治家には珍しい、明晰な頭脳の持ち主であることは、官僚の世界では常識になっている。「過去に日本がおこなった戦争は,間違ったものという認識はあるか。70年前に日本はポツダム宣言を受け入れた。ポツダム宣言では,日本がおこなったのは間違った戦争だったと明確に記している。総理はこの認識を認めないのか」この志位の質問は、かなり高度なものだった。

つまり、はじめから、安倍の無知という弱点に気づいていて、罠を仕掛けたのだが、安倍も脳みその一部分くらいは稼働しているので、危険を察知、動物的勘で、まともに質問に答えない方が良いと気づいた。そこで、緊急避難的に思いついたアイディアが「「ポツダム宣言は,つまびらかに読んではいないが,日本はポツダム宣言を受け入れ,戦争が終結した」と云う発言になったわけだが、「良く読んでいない」は一層馬鹿度に火を着け、とどのつまりに歴史上の経緯を逆さまに語ってしまった。

志位の罠と云うのは、安倍のような人物特有の口の軽さ、感情が劣化した知能指数の低い人間たち独特の勘違いによる、甚だしい暴言や暴論が、過去において数々述べ、寄稿しているのだから、物的証拠だらけの人生でもある。その過去の発言を、志位委員長は念頭において、上述の質問をしている。以下の朝日の記事で判るように、志位は、安倍の過去の暴論を検証し、罠をしっかり掛けている。インテリジェンスな手法で厭味ではあるが、安倍のような人間を潰すには、こういう手法も一つの便法だという証明になる。


≪ ポツダム宣言「本当に読んでないようだ」 志位氏が皮肉
 「事実誤認がある。本当に読んでいなかったことがうかがえる」。共産党の志位和夫委員長は21日の記者会見で、安倍晋三首相が20日の党首討論の際、第2次世界大戦で米・英・中の三国が日本に降伏を勧告したポツダム宣言を「つまびらかに読んでいない」と答弁したことについて、こんな皮肉を飛ばした。
 志位氏は、自民党幹事長代理だった首相が月刊誌「Voice」2005年7月号の対談で、「ポツダム宣言というのは、米国が原子爆弾を二発も落として日本に大変な惨状を与えた後、『どうだ』とばかり(に)たたきつけたものだ」と語っていたと指摘。だが、宣言は1945年7月26日に米英中の名で発表され、同8月6日と9日の原爆投下後、日本が同14日に受諾を決定した。志位氏は「(宣言は)二つ原爆が落ちた後に『たたきつけられた』ものではない。事実誤認がある」と述べた。
 20日の党首討論では、志位氏がポツダム宣言について「日本の戦争について世界征服のための戦争であったと明瞭に判定している。総理はこのポツダム宣言の認識を認めないのか」と質問。首相は直接答えず、「その部分をつまびらかに読んでいないので、直ちに論評することは差し控えたい。先の大戦の痛切な反省によって今日の歩みがある」と述べていた。  ≫(朝日新聞デジタル)

 
つまり、日本の最近の似非右翼と云うのは、事実誤認だらけで言説を創作して、単純明快な図式に切り替える百田尚樹型のテレビ屋上がりのようなロジックで活発に活動している。安倍は、単に、その中の一人であり、たまたま政治業を生業とする血脈に生まれた人間と云う事だ。これで充分安倍やその取り巻きのネトウヨ度は理解できるが、礒崎首相補佐官と云う金魚の糞が、また火に油を注ぐ発言をしてしまった。

磯崎は「(ポツダム宣言は)一字一句正しいことが書いているかどうかは私 はどうかと思う」、「少し精査してみないとなんともいえないのではないか」つまり、安倍官邸はポツダム宣言も認めないと言い出した感がある。党首討論における安倍の大失言を、菅官房長官同様にフォローする積りの発言なのだが、これまた、酷いフォローになってしまった(笑)。

番組では、共産党の山下書記局長は首相発言について,「読んでいないとなると,首相どころか政治家として務まるのか。ましてや,『戦後70年談話』を出す資格があるのかといわざるをえない」と、この磯崎を挑発している。これに対する磯崎の発言が最悪だ。「ポツダム宣言を、全体として受諾しているのは明確な事実だ」だが、「戦争していた相手の国が,その時はおたがいに悪くいっていた」と居直りを決め込んだのだから、ある意味で安倍官邸の「世界史への挑戦」である。まあ、勇気と云うか、蛮勇なのか、ただの馬鹿か、もうつける薬はなくなった(笑)。

「殺しあう」世界の読み方 (田原総一朗責任編集 オフレコ!BOOKS)
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●「米国包囲」満ち潮ひたひた 「日米」揃って世界の孤児に?

2015年05月23日 | 日記
崩れゆく世界 生き延びる知恵
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●「米国包囲」満ち潮ひたひた 「日米」揃って世界の孤児に?

日本のマスメディアの劣化度を、今さら叩いてもコラムにすらならない。しかし、安倍官邸の恫喝が厳しいのは、安倍晋三の言動及び波及的発生事象に対するものが主だろうから、海外の情報くらい、もう少しマシなものを書いても良さそうだが、それもしない。大きな世界の流れを見ていると、どうも、アメリカの動きが、思うに任せない状況が続いているように見えてくる。

このような一方的情報の垂れ流しは、単に、日本の国民を騙すだけでなく、外務官僚や官邸の判断すらも鈍らせる結果になる。何故かと言えば、ネトウヨが産経新聞やWill、正論、SAPIO‥等を読んで、“そうだよな。やっぱり俺達は間違っていない”と意を強くして、更に持論に磨きをかけるのに似ている。つまり、アメリカ覇権が順風満帆の如き情報を垂れ流すことで、「親米」な人々に心の平安を送るのだが、最近は殆ど間違った予測記事を配信することが増えてきている。

TPP協定の前提となる大統領貿易促進権限(TPA)法案の成立が目の前みたいな情報を流していたが、いまだに進捗は滞留中で、来週には採決に持ち込まないと、上院通過がパーになるので、審議打ち切り手続きの強行手段に出るようだが、無理やり採決しても過半数を得られる状況ではなさそうだ。つまり、TPP交渉を、これ以上進める為に不可欠なTPA法案が米国議会を通過しない可能性が高くなっている。つまり、TPP自体が、時間切れで空中分解する可能性が大いに出てきている。このニオイを嗅ぎ取った次期大統領選出馬のヒラリー後方は、TPPへの賛否の表明を先送りする発言をしている。

アメリカの順風満帆が目立つのは、NY株式市場くらいのものだが、これがまた、完璧な株バブルなのは、アメリカの主たる経済学者の一致した意見。バブルが弾けるのは何時なのか?しかし、ファンド系は参加(常に泳いでいる必要あるマグロ)していなければなら生きていけないわけだから、ババを掴む覚悟で株式市場に参加しているほか、選択肢がないのである。その点では、国家が株を買い支えると公言する東京市場の方が、良質のバブルだと言える。まあ、最終的には、バブルに変わりはないので、弾けるだろう。

マスメディアの情報では、“AIIBの設立協議年越しか?”こんな情報まことしやかに流したり、書いたりしていたが、なんという事もなく、ほぼ形が整い、この6月に北京で創設メンバーによる協定署名式典を開く運びになった。参加していない世界の主な国はアメリカとジャパンと云うのだから、呆れてものが言えない。挙句に、出資希望額が目白押しで、当初資本金6兆円でスタート予定が、倍の12兆円でスタートするというのだから、参加国の期待度が窺える。アジア開発銀行と共存を表向き演じているが、一国主義に大反対の中露が核の開発銀行、アジア開発銀行に閑古鳥が鳴くのも間もなくのようだ。安倍君が安保法制の中身を知らないと同様に、外務財務は、世界のことナンも知らずに生きているらしい。

 そそう、イスラム国がイラク軍に追い出され、ISは意気消沈だという日本のマスメディアの報道を数々見たが、まったくの出鱈目報道だった。これも、西側メディア発情報を、邦訳するだけでニュース化しようという横着なマスメディア連中の悪行である。いまや、イラク軍が奪還した!と囃し立てた地も奪い返され、シリアの領土に至っては、ほぼ半分がイスラム国支配になったそうである。米軍中心とする西側陣営は、ISピンポイント空爆でお茶を濁せば、濁すほど、中東市民の犠牲が増えるだけに思えてくる。欧米陣営は中東から去るべきだ。ハリーバートンの利権も捨ててだ。

安倍晋三が首相在任中、唯一の功績として、歴史に名を残せる可能性があった、「日ロ平和協定」も、大きく遠のいた。表向きだが、現状の安倍政権の選択を許し難いと表明している。ただ、ナルィシキン露下院(国家会議)議長の訪日などを通じて、反省するなら早い方が良いけどね、とまだまだ大人の対応をしているロシアだが、中露(ユーラシア覇権)にとっても、日本は引き込む価値ある、魅力ある国に写っている。この辺の機微をどこまで日本の外交官が生かせるのか、甚だ心もとない。

しかし、そのことに強く反応したのがアメリカだ。ラッセル国務次官補は21日、日本の対ロシア外交について、「日本がロシアとの通常の外交関係を模索しない原則に従うと確信している」と語り、日露関係の進展に向けた動きをしないよう脅しを掛けてきている。プーチン大統領の訪日などの、考えられない愚行である。ラッセルは、そのように言っているらしい。昔、日本側が北方領土二島返還で平和条約締結に向かっていた時に、ダレスが恫喝した時と同じ状況になっている。占領下以降、いまだに、地位を向上させられない日本と云う似非独立国は、本当にどのようになるのだろう?見通しは何もない。

一つだけ救いがあるのは、アメリカの国務省とホワイトハウスの意志が一致していない状況があるらしく、米国政府幹部が同じ地を訪問して、まったく逆さまの意見を開陳したりするようになってきたらしい。まあ、レイムダックになりつつあるオバマ政権だから、次のことも念頭に、思惑がらみの動きが出ているのだろう。その中でも、際立ってきたのが、対中戦略が、融和から対立に変化しつつあることだ。あきらかに「覇権」を挟んだ鍔迫り合いになりつつある。対ロ制裁の緩和時期を模索している傾向もみられる。筆者としてみれば、米中対戦争は20年後くらいにして貰いたいのだが、もう少し早まるのかもしれない。


昭和の「黒幕」100人 ~「巨魁」たちの時代
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●世界の笑われ者 政府の検証?こいつらバカか、恥を知れ!

2015年05月22日 | 日記
南方熊楠 - 日本人の可能性の極限 (中公新書)
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●世界の笑われ者 政府の検証?こいつらバカか、恥を知れ!

情けない政府、恥知らず、こういう政府なら、どんな嘘でも平気で言う。どんな酷いことでもしてしまう。まさに、日本と云う国、否、安倍政権の「資質」否「宿痾」をここに見た思いだ。どれ程、誹謗中傷しても飽き足らないほど、恥ずかしく、情けない、日本人の魂が抜け落ちた、精神構造である。このような政府であれば、国民に、どれだけの被害を与えようと、塗炭の苦しみを、嘘と強弁と言い逃れと、詭弁を弄して、己の非を認めることはないだろう。

沖縄県民を犠牲にするに配慮などするはずもない、福島の被災者を騙すなど朝飯前だ。きっと、戦争をしていても、戦争なんてしていない、人道援助だ、後方支援だ、難民救済だ、何でもかんでも並べ立てるのだろう。この“政府による、政府の為の検証委員会”なんて、どこのどいつが開催したのか?政府側検証委員は全員、罪人である安倍官邸を誤った方向に導いた危機管理関係の人物たちであり、5人の恥知らずな有識者と云うのは、池内恵東大先端科学技術研究センター准教授、長有紀枝・立教大教授、小島俊郎・共同通信デジタル執行役員、田中浩一郎・日本エネルギー経済研究所常務理事、宮家邦彦・立命館大客員教授以上の5人だ。こいつら、まさか間違っても報酬など得ていないだろうな?

安倍の、金を散在し、ISを刺激し、激怒させ、名指しで「お前の所為で殺すことにした」とまで言わせるような演説で悦に入った安倍首相の発言は、人質事件に何ら関係ない。そんないい加減な馬鹿げた結論した出せない検証委員会をなぜ開いたのだ?事件の経緯なども「特定秘密」を持ちだして、何ひとつ具体的検証内容が示されていないのだから、嘘を作られても判るも判らぬもない、ただ、出席を取られて、ハイと返事したら金が貰えた。本当に、昔から、こんなに日本の政治家って低級だったのか。有識者なんて、まったく信用に値しないが、このような役目を引き受けた時点で、有識者と云うより、タカリ族以外の何者でもない。

おそらく、この耳を疑うような恥ずべき行為をしなければならなかった目的は、このように国民が、グローバルに世界展開していく上において、国民の安全確保のためにも日本独自の「諜報機関(対外情報機関)」の必要は喫緊の課題だ。答えをそこに持って行く為だけの、「人質事件」は出汁であり、外務・防衛・警察・内調の組織拡充戦略の一環として行われたに違いない。その証拠ではないが、官僚たちの悪巧みなのは明白で、安倍晋三、菅義偉、中山泰秀ら政治家の聞き取りせず、「蚊帳の外」のアリバイ作りにも余念がない。まさに「警察国家」の体裁は整うわけで、その組織を安倍や菅のような奴らが利用しはじめたら、国民の生命も財産も、守られることは一切なくなる。


≪ IS人質事件の対応「誤りあったとは言えない」 検証委
過激派組織「イスラム国」(IS) による邦人人質事件で、一連の対応を検証してきた政府の委員会が21日、報告書を公表した。外部の有識者の意見をもとに、「政府の判断や措置に人質救出の 可能性を損ねるような誤りがあったとは言えない」と結論づけた。その上で、政府が取り組む課題として情報収集体制の強化や、危険な地域への渡航抑制などを 掲げた。 報告書は今後の課題を挙げながらも、「問題はない」「適切」といった評価を繰り返し、政府の対応を追認するものとなった。
 委員会は2月上旬に発足し、警察庁出身の杉田和博官房副長官をトップに官僚10人のメンバーで検証を進めた。中東や危機管理が専門の有識者5人からも意見を聞いた。報告書をとりまとめた21日の会合では、菅義偉官房長官が「指摘や課題を今後の施策に反映していく」と語った。
 報告書は事件を経過に応じて3段階に分け、ISに拘束された会社経営者の湯川遥菜(はるな)さんとフリージャーナリスト後藤健二さんの解放に向け、情報収集や分析などに問題点がなかったかを検証した。
 第1段階は、湯川さんがシリアで行方不明になった昨年8月から、後藤さんの妻が後藤さんを拘束した犯行グループからのメールに気づいた12月3日までの期間。後藤さんに対して、外務省は渡航を取りやめるよう3回説得したが、「思いとどまらせることはできなかった」とした。有識者から「解放のためにできることは限られており、危険地域への邦人渡航の抑制が重要だ」との指摘があったと盛り込んだ。
 第2段階は、ISが今年1月20日に2人を拘束した映像を公開するまでの期間。安倍晋三首相が1月17日にエジプト・カイロで「ISIL(ISの別称)と闘う周辺各国に総額で2億ドル(約236億円)程度、支援を約束する」と表明した演説が、ISを刺激した可能性を検証した。
 政府は、ISが人質を拘束している可能性について「排除できない」としながらも、「テロとの闘いを進める中東諸国に人道支援を表明することが重要との考えに基づき、様々な観点から検討した」として、問題はなかったとした。
 映像が公開された1月20日以降については、政府がISと直接交渉しなかった理由を検証。ISは「理性的な対応や交渉が通用する相手ではない」とした上で、関係各国や現地の部族長らあらゆるルートを活用して「最大限の努力をした」と結論づけた。(菊地直己)
     ◇
《IS邦人人質事件》 ISは1月20日、湯川さんと後藤さんを拘束したとする映像をネット上に公開し、72時間以内に身代金2億ドルを支払うよう要求。同月24日には湯川さんを殺害したとする画像を公開し、後藤さんの解放条件としてヨルダンで収監中の死刑囚の釈放を求めた。ISは2月1日、後藤さんを殺害したとする映像を公開した。

■政府検証委員
委員長・内閣官房副長官(事務)
委員長代理・内閣危機管理監     
     ・国家安全保障局長    
     ・内閣情報官
委員
・内閣官房副長官補   
・国家安全保障局次長   
・警察庁警備局長   
・外務省大臣官房長   
・外務省中東アフリカ局長   
・防衛省運用企画局長

■有識者(5人)
・池内恵(さとし)・東大先端科学技術研究センター准教授(イスラム政治思想史)
・長(おさ)有紀枝・立教大教授(NPO法人「難民を助ける会」理事長)
・小島俊郎・共同通信デジタル執行役員(リスク情報事業部長)
・田中浩一郎・日本エネルギー経済研究所常務理事(中東研究センター長)
・宮家邦彦・立命館大客員教授(元外務省中東アフリカ局参事官)
≫(朝日新聞デジタル)


ふしぎなイギリス (講談社現代新書)
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●困ったものだ 安倍は安保関連法案の中身を理解していない!

2015年05月21日 | 日記
「昭和天皇実録」の謎を解く (文春新書)
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●困ったものだ 安倍は安保関連法案の中身を理解していない!

困ったものだ。集団的自衛権行使に情熱を傾ける安倍晋三が、腰の引けた、甘言を繰り返し、野党岡田が積極的自衛権行使状況をけしかけるのだが、仕掛けられた罠に気づかず、問いに直接答えることもなく、丸暗記してきた武力行使3原則の念仏を唱えることに終始した。結局、産経に記事で確認したが、丸暗記の部分を、繰り返し持論のように述べたが、まともな答えはゼロだった。安倍にしてみれば、具体論では都合が悪くなるので、抽象論と云うか用意された模範解答の丸暗記を披瀝しただけのようだ。面倒なので、今夜は朝日の記事と産経のドキュメントを引用して終わりにする、手抜きで申し訳ないが、手抜きは安倍首相と同様だ(笑)。

岡田が返答に納得できない、首相の答えは間違っていると指摘されたら、「法案についての説明は全く正しいと思いますよ。私は総理大臣なんですから」総理なら間違わないという論法には腰が抜けた。産経が書きだしている量を眺めてもわかるが、丸暗記分を言い切らないと、安倍の発言はとまらない。多分、途中で止めると、全部忘れてしまうのだろう。また、志位共産党委員長のポツダム宣言について、認識を問われ、「ポツダム宣言を受諾し、敗戦となった。ポツダム宣言をつまびらかに読んでいないので直ちに論評することは差し控えたい。」と信じられない返答をしているのも驚きだ。

注意!!(産経のドキュメント引用記事は、安倍の馬鹿げた発言を省いているので、全面的に信用は出来ないものと思われる。正確には、「衆議院TV」を参照願いたい。党首討論は、「国家の基本政策に関する件」と云う案件になっている。

 http://www.shugiintv.go.jp/jp/index.php?ex=VL&u_day=20150520


≪ 「武力行使せぬ」法律に書く? 安保法制で党首討論
安倍晋三首相は20日、今国会で初の党首討論に出席し、新たな安全保障関連法案の審議入りを前に、民主党など3党首との論戦に臨んだ。首相は、集団的自衛権の行使について「武力行使を目的として海外の(他国の)領土や領海に入っていくことは許されない」としつつ、中東・ホルムズ海峡を念頭に、機雷除去は例外的に認められると強調。自衛隊の活動範囲をどこまで認めるかが、今後の審議でも焦点となりそうだ。
 民主党の岡田克也代表は討論で、集団的自衛権を使えるようにする武力攻撃事態法改正案を取り上げ、自衛隊の活動が他国の領土、領海、領空に及ぶのか質問した。首相は「一般に海外派兵は(法改正後も)認められていない」とし、「外国の領土に上陸して武力行使を行うことはない」と明言した。
 首相はその上で、中東の石油供給ルートにまかれた機雷除去などを念頭に「『一般に』ということの外において(認められると)何回も説明している」 と主張。国の存立を脅かす存立危機事態と認定されるなどの要件を満たせば、海外での武力行使が例外的に認められると強調した。岡田氏は「他国の領土、領海、領空では(武力行使を)やらないと法律に書くべきだ」と述べ、今後の審議で追及する姿勢を示した。
 岡田氏はまた、新たな「国際平和支援法案」などによって、自衛隊が米軍などを後方支援する活動内容や範囲が大きく広がるとし、「自衛隊のリスクが 高まる」と指摘。これに対し首相は「戦闘が起こったときは、ただちに(活動を)一時中止、あるいは退避することを明確に定めている」「戦闘に巻き込まれることがなるべくないような地域を選んでいくのは当然」と反論した。
 維新の党の松野頼久代表は、安保法制について「戦闘中の所に自衛隊員が送られる可能性を秘めている法案」と指摘し、過去の国連平和維持活動(PKO)協力法を例に挙げ、徹底的な審議を要求。首相は「審議時間ありきではない。しっかりと深い議論をしてもらいたい」と応じた。
 昨年の衆院選での議席増で、11年ぶりに党首討論に参加した共産党の志位和夫委員長は「過去の日本の戦争は間違った戦争という認識はあるか」とただした。首相は直接は答えず、「村山談話、小泉談話を全体として受け継いでいく」などと述べるにとどめた。  ≫(朝日新聞デジタル:山田明宏)


 ≪ 党首討論:岡田vs安倍

民主党の岡田克也代表「民主党の岡田克也です。よろしくお願いします。まず、本論に入る前に、党首討論は、確か各党で合意した国会改革の中で、月に1回ということ決められたはずだった。総理がアメリカに行く前にぜひ一度やりたかったのですが、今後、国会も長くなると思う。月に1回やるとお約束いただきたいと思う」
 「さて、まず安全保障法制について、基本的な質問をいくつかしたい。戦後70年、日本は平和な時代だった。これはいろんな理由があると思う。政治の力もあったし、外交もあったし、自衛隊の皆さんの頑張りもあったし、運もあった。しかし、私は大きく言って2つあると思う」
  「ひとつは日米同盟だ。日米同盟の米国の抑止力によって日本の安全は保たれてきた。間違いのない事実だと思う。もう一つは、やはり憲法。憲法9条があって 日本の武力行使、海外での武力行使を封じてきた。そういう中で日本の平和は保たれてきたと私は思う。総理はこの憲法が果たしてきた戦後70年の役割、平和についての役割、どう考えているか、基本的なことをお答えいただきたい」

安倍晋三首相 「まず、岡田代表とは、党首討論で初めて相まみえることになった。私自身、政治家にとって、健康はとても大切だと身をもって経験した。手術をのりこえられて、元気でここに立っていること、私はうれしく思うし、国民のみなさんも安心しているのではないかと思う。ちょうど私が当選した頃は、岡田さんは自民党にはおられませんでしたので、共に仕事をすることはできなかったが、しっかりした信念、筋を曲げない、岡田さんの姿勢には敬意をもって注目してきたところだ。党首討論においては、党首と党首の基本的な考え方、見識をぶつけあう場であって、有効に活用したい。このように思っている。そのなかで予算委員会等などもあるが、他の委員会との関連、関係してくるが、国会でお決めいただきたい」  
「戦後70年の日本の平和がどのように守られてきたか。私の考えを披瀝せよとのことだが、まずはもちろん、日本の憲法における平和主義が断固としてある。そして、平和憲法は平和主義、主権在民、基本的人権この3つの基本的な原理があって今後、憲法改正の議論が進んでいく中においても、基本的な考え方は全く変える考えはない。しかし同時に、この戦後の日本を守ってきた、当時は冷戦構造も眼前としてあったわけで、その中でしっかり抑止力を効かせてきたのは、2つであって、一つは日米同盟であろうと。このように思う。もう一つは自衛隊の存在である。自衛隊の諸君が日夜、訓練にはげみ、 しっかりと日本の国土を守って、強い意志のもとに任務にあたっていることによって、戦後の日本は平和を享受することができた。もちろん、外交力によって多くの国々と友好な関係を構築してきたことも大きかったと思う」

岡田氏「その平和憲法が今回の首相の考えておられる、この安全保障法制の全面的な見直しの中で揺らぐのではないかという不安感が国民の中にある。私の中にもある。そのことについてきちんと正直に説明していただく必要がある。国民の命や平和な暮らしがかかっている話だから、これは大事なことだからしっかり語って頂きたい。まず後方支援だ。これは武力行使ではない。しかし、いままでの後方支援、 非戦闘地域でのみ認める。つまり現に戦闘が行われておらず、今後とも戦闘が行われていないと予測される地域に限って自衛隊の活動は認められてきた。それをはずして、現に戦闘が行われている現場以外であれば自衛隊は活動できることになった」
 「これはどうみても活動の範囲が飛躍的に広がった。 行動の中身も変わる。端的に言えば、武器や弾薬も輸送はできる。武装した兵士も運べる。それは戦闘の現場ではないかもしれないが、その近くまでいく。相手からみれば敵と同じだ。例えば米兵を運んでくる自衛隊、武器を米軍やその他の軍に供給する自衛隊に対して攻撃しないという方が私はおかしいと思う。あるいは、戦闘地域の近くにいれば、米軍その他と一緒にいれば、戦闘に巻き込まれるリスクもある。自衛隊のリスクは飛躍的に高まるんじゃないかということを、1年前に私は首相に申し上げたが、首相の答えははっきりしなかった。やはりリスクがあることは、リスクもきちんと国民に説明する。そして、必要なことは必要 なことで、こういうことで必要だと説明されればいい。そういったことを正直に説明するなかで、私は安全保障の議論は深まると思うが、まずこの後方支援について、首相、自衛隊のリスクは高まるんですね?」

首相「まずこのいわゆる後方支援については、今回2つの法律にかかわってくることであって、重要影響事態安全確保法と、国際協力支援法だ。今までの法律の枠組みの中においては、いま岡田委員が指摘されたように、非戦闘地域で行うということが 法律上明記されていたわけです。非戦闘地域とは何かといえば、戦闘が行われていない地域。そしてこれは、この活動を行う期間を通じて、戦闘が行われない地域ということになっていた。しかし私たちは実際に、その後、後方支援を実際に経験する中において、なかなかこの概念においては自衛隊は機敏に活動できないという経験を積んできたわけです。兵器の進歩もある。そういう中において果たして、当時も議論があったわけだが、この期間を通じてそうした戦闘が起こらないということを明確に規定することが果たして可能かどうかとうことは当時からあったわけだ」
 「そこで今回は戦闘現場ということにさせていただいて、そこで戦闘が起こったときにはただちに部隊の責任者の判断で一時中止する。そしてあるいは退避するということを明確に定めている。つまり、今までの建て付けは、その活動期間を通じてずっと戦闘が行われないということを決めていたが、しかし、そのことによって果たして柔軟な態勢ができるのかどうかということが、大きな課題であって…(産経補筆:ヤジがうるさく)みなさん、少し黙って聞いていただけますか。こういう議論は大切な議論だから、冷静に議論しましょ うよ。よろしいですか」「そこで大切なことは、そういう決めつけを行うのではなくて、戦闘現場になりうることがあり得るというなかにおいて、速やかに作業を中止する、ある いはまた退避するということを定めている。そしてもちろん、食糧などを輸送するわけだが、こうした部隊は重武装しているわけではない。もちろん、武装はしている。しかし、重武装をしているわけではないから、そもそも戦闘に巻き込まれることがなるべくないような、そういう地域をしっかりと選んでいくのは当然のことであり、安全が確保されているというところについて活動していくことは、当然のことであろうと思う」
 「そもそも、しっかりと物資を持っていくわけだから、これが奪われる蓋然性が高いところに行くわけはないわけでありまして、ですから、安全が確保されている場所にわれわれは輸送を、後方支援を行う。安全が確保されている場所で後方支援を…すいません、先ほどからあまりにもヤジがうるさすぎますよ。そういう場所でしっかりと支援活動を行っていくことにしたいと考えている。そもそも岡田さんから指摘があった。なぜ70年間日本の安全が保たれているか。これは今後の50年、70年が果たしてどうかということを見据えれば、岡田さんは『運もあったかもしれない』とおっしゃった」 「しかし、これからは地域や国際社会が平和で安全であることこそが日本の平和と安全につながっていく。そのために日本も求められる活動を行っていくのは、 みなさん、当然のことではありませんか。私たちは、みなさん毎回、毎回騒がないでくださいよ。私と岡田さんの議論なんですから、少し静かにして頂けますか。すいません。もう少しで終わりますから。みなさん静かに聞いて頂ければ、簡潔に分かりやすくもっと説明できると思います」 「そこで大切なことは、よくこうした議論を深めていくことだろうと思う。私たちの考え方では、今までの非戦闘地域という概念よりも、戦闘現場という概念をもって、しっかりと安全が確保されている、戦闘行為が行われていない。しかし行われれば、ただちに現場の指揮官の判断で中止、あるいはその後退避することが機動的にできるようにしていく。しかし、基本的にこうした支援活動を行うことは、戦闘が行われていない場所であることは申し上げておきたい」

 岡田代表「首相、もう少し簡潔にお願いする。まず部隊の中断や撤収は今の法律でも認められている。それから食糧を運ぶといわれたが、食糧だけじゃない。武器弾薬も運ぶ。武装した兵士も輸送する。そこをきちっと話すべきだ。そして私が一番申し上げたいことは、私の質問に全くお答えにならなかった。リスクは高まる。私は高まると思う。そのことについて一言もお話しになっていない。事実は事実として話さないと、きちんとした豊かな議論にならないから私は申し上げている」
  「次に集団的自衛権の限定的行使、存立危機事態についてお聞きする。新3要件が満たされれば、米軍とある国が戦っている。新3要件に該当して日本の 自衛隊も出て行って戦う。これは限定的自衛権の行使だ。その時に、その場所は当然、相手国の領土、領海、領空に及ぶのは当然だと私は思うが、いかがか。そういうことは制限されているのか」

首相「先ほどの質問の答えに戻るが、私が申し上げたのは、いわば戦闘現場ということについて、非戦闘地域において作業をしている間、ずっと戦闘地域にはならないということを前提としている。前提としていることによって、機動性がやや現場の方々から、そうなったときの備えについて、しっかりとした心がまえについて、危うくなるかもしれないという議論 は当時もなされていた。だから果たしてまたその概念が成り立つのかということも、議論になっていた。まさにそういう意味で、もう一度私たちは、合理的な整理をし直したということであり、リスクとは関わりがないことであることは、明確に申し上げておきたい」 「そして、存立事態だが、存立事態のまず要件についてだが、存立事態において3要件に当てはまらなければ、われわれは武力行使しないということは明 白になっている。この3要件がとっても大切だが、新3要件というのは、わが国に対する武力攻撃が発生したこと、または他国に対する武力攻撃が発生し、そのことによって、わが国の存立が脅かされ、国民の生命、自由、幸福追求の権利が根底から覆される明白な危険があることということがまずある。これが前提としてある。その次に、これを排除するために、他に適当な手段がないことだ。そして最後に、必要最小限度の実力行使に留まること、と書いてある。必要最小限度の実力行使に留まることが重要なことで、必要最小限度の実力に留まることというのは、かつてからの古い3要件にもある」
 「その中で、岡田代表がおっしゃったように、一般に海外派兵は認められていないという考え方。これは今回の政府の見解の中でも維持されている。つまり外国の領土に上陸していって、戦闘行為を行うことを目的に武力行使を行うということはない。あるいは大規模な空爆をともに行うなどのことはないということは、はっきりと申し上げておきたい。再三申し上げるが、議論をしているときに後ろの方でどんどんやじをするのは、もうやめてもらいたいと思う」

 岡田氏「今の首相の答弁は納得できない。大規模空爆は確かに必要最小限を超えるという議論はあるかもしれない。だけど武力行使をするのは、存立事態そのものではないか。だからそれ自身、相手国の領土、領海、領空で本当にやらないのか。公海上でしか存立事態における集団的自衛権の行使はやらないのか。それは首相、間違いだ。法制上はできるのではないか」

首相「今、 私が申し上げたような3要件に当てはまらなければ武力行使は行わないということだ。そして同様の質問を私は再三再四、国会で受けてきた。その際に申し上げたように、一般に海外派兵は行わない。これは最小限度を上回るということで、われわれは行わない。この立場はまったく変わっていない。だから、われわれは外国の領土に上陸していって、まさに戦闘作戦行動を目的に武力行使を行うことはしないとはっきり申し上げておきたい。だからこそ、私たちの集団的自衛権の行使については一部の限定的な容認にとどまっている。この3要件があるからこそ、限定的な容認にとどまっているわけだ」 「例えば、日本を巡る状況が緊迫した状況があるとする。緊迫した状況にあって、自衛隊の艦船、あるいは米国の観戦(筆者注:艦船)が警戒に当たっていることは十分にあり得る。その時には、武力攻撃事態の予測事態にはなっているかもしれない。そうなれば、自衛隊に待機命令が出ている。しかし、わが国に、そうなっていたとしても、わが国に対する武力攻撃が発生しなければ、他国に対する武力攻撃があったとしても、それは例えば米艦に対する武力攻撃があったとしても、われわれは武力行使をしない。これは明確なことだ。今までの法解釈で明確なことであって、これは国際法的に集団的自衛権の範疇に入るということは明らかだ」  
「そしてまた、明白な危機が切迫している、これは武力攻撃事態だが、その中で武力攻撃が発生する、または切迫な危機が明白であったとしても、それはまだ武力攻撃が発生していないわけだから、この武力攻撃事態になったとしても、まだ、武力攻撃が発生していなければ、米艦に対する武力攻撃があったとしても、われわれはこの米艦を守ることができないというのは、厳然とした事実としてあるわけだ。その時に、しっかりとわれわれが今回のような存立事態になって、それを守るということになれば、より日米同盟は絆は強くなり、効率的に抑止力を発揮できるということになるのは自明の理であろうと思う。そうした中で限定的な 解釈をしていると申し上げておきたい」

 岡田代表「首相は、ほとんど関係ないことをだいぶんお述べになったのですが、もう一回確認しますね。相手国、例えば米軍と、米国と戦っている相手国に対して新3要件が満たされている、その場合に日本の自衛隊が、その国の領土、領海、領空で武力行使をする、集団的自衛権を行使するということは、それはないんですね。首相のお考えは。大規模とか、そういう話じゃない。しかし、およそないという風に首相はお考えなんですね。確認だ」

安倍首相「先程から申し上げておりますように、3要件の中には、最後に、最後にはっきり書かれてあることだが、必要最小限度の実力行使にとどまるべきこと、ということが書いてある。そこから導き出される結論として、今までと同様、海外に、いわば海外派兵は一般に禁止されている。認められていないということは、これはもう今まで何回も私が申し上げている通りだ。その中で、いま、岡田代表がおっしゃったように、他国の領土に、いわば戦闘行動を目的に自衛隊を上陸をさせて武力行使をさせる。あるいは、領海において領空においてそういう活動をする、派兵するということはないということを申し上げておきたい」

 岡田氏「今、首相の明確な答弁を頂いたと思う。ただ、私の政府案に対する解釈は違う。つまり、今までは個別的自衛権の場合は、日本国に対して攻撃を受けた。だから、日本の領土、領海、領空、あるいはそこにつながる公海に限って武力行使ができる。それが、第3要件に該当するということだ。でも今回の場合は、明らかに米軍との戦いが相手国の領土領海領空で行われている場合に、そこまで行かなければ集団的自衛権の行使できないじゃないですか。だから、そういう場合も当然あるというのが私は政府の本来の解釈だと思います」
 「だから、首相、いいです。ちゃんと答弁されましたから。もし、これが間違っていたら、法案修正してくださいね。『他国の領土、領海、領空ではやらない』と。はっきりと法律に書いてくださいね。そのことを申し上げておきたいと思う」  
  「あと、時間も非常に限られているが、首相は『アメリカの戦争に巻き込まれることは絶対にありません』と、この前、言われましたね。本当に絶対ないんですか。例えば、朝鮮半島有事というのが20年ほど前にあった。アメリカが北朝鮮の核兵器を攻撃しようと。こういうことが現実にあった。その時に日本として、いや何もできないのか。周辺事態法をその後つくった。つまり、武力行使ではないけれども、日本は後方地域支援をすることで、そういうものをサポートすることが想定されていたわけだ。今も想定されているわけだ」 「だから、アメリカが武力行使することによって、その跳ね返りが日本にくるということは当然考えられる。私はそれを悪いと言っているわけじゃないで すよ。好ましくないが、しかし、日米同盟でアメリカの抑止力に期待する以上、負の側面としてそういうこともあり得るということは当然じゃないですか。それを首相は『絶対ありません』とおっしゃるから、そういう断定的な、ある意味では粗雑なものの言い方では、私は国民の理解は深まらないし、ちゃんとした議論にならないんですよ。だから、大事だからしっかり議論してもらいたいんですよ」
 「今日、首相が言われたことは、私は一つも納得できませんよ。お答えになってませんよ。間違ってますよ。どうなんですか」

首相「何を持って間違っていると言っておられるのか私分かりませんが、われわれが提出する法律についての説明は、全く正しいと思いますよ。そこで先程、先程…皆さん、少し静かにしてください。わが党の議員はみんな静かに岡田さんの議論を聞いているじゃないですか。少しは皆さん、ちょっと静かにしていただきたいと思いますよ。安住さん、ちょっと指導してください」 「で、その中にあって、先程から申し上げているのは、3要件という明白な要件がかかっている。これはまさに、わが国の存立が脅かされ、国民の生命、 自由、幸福追求の権利が根底から覆される明白な危険と書いてあるわけだ。それはすなわちどういう状況かといえば、武力を用いなければ、武力を用いて対処をしなければ、これはまさにわが国が攻撃されたと同様の、そして深刻重大な被害をこうむることが明白な状況であるということを明確に述べているわけだ」
  「その中において、われわれは集団的自衛権の一部を行使することになるわけだから、日本と関係ないにも関わらず、アメリカの例をあげられたが、アメリカとどこかの国が戦闘していて、そこにわれわれが自動的に助けてくれたと、例えば助けてくれと言われても、そこに行くということはあり得ない」
  「つまり3要件に、これはしっかりと照らし、それに合致をしなければ、3つとも合致しなければ、あり得ない。その中で、最終的に必要最小限度を超えるかどうかということについて、一般に海外派兵は許されていないということは、これはもう何回も何回も申し上げていたわけだ。当然、その中から導き出されるのは、武力の行使を目的として、あるいは戦闘行為を目的として海外の領土や領海に入っていくことは、これは許されない」 「いわば機雷の除去というのは何回も説明してきているところだ。そこで、巻き込まれるかどうか、もう時間がまいりましたので最後に簡潔に申し上げる と、巻き込まれるかどうか、日本の意志に反して、日本が戦闘活動に巻き込まれていくということは当然ないのは当たり前のことでありまして、わが国の存立が脅かされない限り、われわれは武力行使はしないし、後方支援活動においても戦闘現場になれば、ただちにこれは撤収していくわけだから、この巻き込まれ論というのはありえない。この巻き込まれ論というのは、かつて1960年の安保条約改定時にもいわれたわけだ」
 「それが間違っていたことは、もう歴史が証明しているわけであり、われわれはあくまでも日本人の命と平和な暮らしを守るために全力をつくしていきたい。このように思う。皆さんも真摯に議論をしていただきたいと思います。終わります」

岡田代表「首相、巻き込まれ論というのは安保条約改定時の巻き込まれ論と今の話は全然違う話だ。それを一緒にしてしまっている。まぁ、首相にはトラウマがあるのかもしれませんが、それは全く間違いであります。今回、議論して分かりましたが、 いろんなこと、3つほど議論して、いずれも満足のいく答えをもらっていません。首相自身が命と平和な暮らしに関わる大事な問題だとおっしゃるから、これはちゃんと正直に、国民に対して正直に『こういうリスクもある。だけど、やっぱり必要だ』というような議論をしないと絶対、理解されませんよ」
  「私は集団的自衛権の行使に反対ですが、しかし、やっぱり、じゃ、首相が必要だというのなら、本当にこういう場合、必要だということをきちんと説明してもらいたいし、第三国に行かないなんて、法律から読めないようなことをおっしゃらないでください。そのことを申し上げて終わりたいと思います」  ≫(産経新聞引用)

加藤周一を記憶する (講談社現代新書)
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●岩手知事選! “達増・県民党”vs“日和見平野と自民党”

2015年05月20日 | 日記
死産される日本語・日本人 「日本」の歴史―地政的配置 (講談社学術文庫)
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●岩手知事選! “達増・県民党”vs“日和見平野と自民党”

平野達男という男は、どこまで小沢一郎に砂を掛ければ気が済むのだろう。小沢のお陰で政治家になり、民主党では、被災者面で、菅・野田内閣で大臣まで努めさせて貰ったのだが、今度は恩人小沢一郎の宿敵、民主党の宿敵である「自民党」から全面支援を受けて、達増拓也現知事に対抗して、知事選に立候補するそうだ。イヤラシイ顔つきの男であるが、どこまで狡く生きていけば気が済むのか、少々腹立たしくなってくる。河北新報の記事と、面白おかしく、どこまでも小沢一郎叩きに徹する文春の記事を紹介しておく。

≪ <岩手知事選>達増県民党、与野党対決色濃く
  9月の岩手県知事選で、3選を目指す現職の達増拓也氏(50)が掲げた「県民党」の骨格が固まりつつある。全面支援を打ち出す生活の党県連、支持を決めた 民主党県連が「勝手連」の軸となりそうだ。対する平野達男参院議員(60)=岩手選挙区=は自民党県連の支援を受ける。「県民党VS自民党」の陰に、与野党対決が色濃くにじむ。
 「大変心強い。岩手の未来を切り開く体制が充実してきた」。達増氏は27日の定例記者会見で、民主党の支持決定を歓迎した。
 「支持」をめぐる民主党内の感情は複雑だ。応援方法は「個別判断」。所属議員によって温度差があることが前提で、民主党を離れた達増氏が2012年衆院選で対立候補を立てるなどした影響が残る。
 それでも達増氏は「一人一人が自由に勝手連でやっていけばいい」と気にしないそぶりを見せた。
 達増氏を支援する県議有志の政治団体「希望郷いわてを実現する会」には、生活、民主、無所属の計10人が参加する。過去2回の知事選で達増氏を支えた連合岩手は今回も推薦した。表面上の陣立ては、民主党分裂前に近づいた形だ。
 達増氏は与野党対決の色彩が強まったことに関し「岩手の政治は四分五裂だったが、県民党とそうでない勢力に分かれれば、県民にとって分かりやすい」と自信をのぞかせた。
 平野氏を支援する自民党県連幹部は「(達増氏が)特定の政治基盤に立つことに変わりはない。幅広い基盤に立つ県政実現へ転換を目指す」と対抗姿勢を鮮明にしている。 ≫(河北新報)


≪ 最強の刺客出馬で岩手の陣は  小沢一郎の最終戦争となるか
 「今の県政を変えてもらいたいという声を少なからずいただいた。私なりに岩手が抱える課題に取り組みたい」
  4月14日、元復興担当大臣の平野達男参院議員(60)が盛岡市内で記者会見を開き、9月の岩手県知事選への出馬を表明した。
  岩手県は、生活の小沢一郎代表のお膝元。現在2期目の達増拓也知事(50)も、外務省時代に小沢氏にスカウトされ、衆院議員を経て知事になった小沢チルドレンだ。小沢氏が中央政界で権勢をふるうことができたのも、地元岩手での磐石の地盤があってのこと。だが、民主党離党の過程で、次々にチルドレンと袂を分かち、いまや衆院議員は小沢氏のみ。達増氏が負けるようなことがあれば、小沢王国は完全に崩壊することになる。
  出馬表明した平野氏も、農水官僚から小沢氏の後押しで01年の参院選で岩手県選挙区から初当選した。だが、小沢氏が民主党を離党した際に決別。 2013年の参院選前には、今度は自身も民主党を離れ、自民、生活、民主の各新人候補に圧勝した。今回は自民党が支援する方向で、“最強の刺客”と目されている。その背後にいるのが、自民党の二階俊博総務会長だ。
  「自由党時代の同僚だった平野氏が無所属になった前後から水面下で連携しており、先の参院選でも裏で支援していたと言われる。昨年の衆院選では、二階氏が応援する無所属候補の陣営に平野氏の秘書を送り込むなど密接な関係です」(平野陣営関係者) 二階氏の狙いは平野知事誕生だけではない。
「平野氏の立候補に伴う10月の参院補選に出す候補者に、二階氏系の人物を押し込もうとしている。普通なら、前回敗れた元慶応大ラグビー部監督の田中真一氏ですが、既に党幹部に二階氏の根回しは進んでいるようです」(同前)
  一方、達増氏は小沢票を固めながら、かつて同志だった民主党の階猛、黄川田徹の両衆院議員と関係修復を急ぐ。 「だが、コトはそう簡単ではありません。前々回の衆院選では、両氏は小沢系の刺客と戦っている。階氏にいたっては、刺客は達増夫人でした。納得のい かない支援者も少なくないようです。小沢氏は、参院補選に手を挙げようとしている子飼いの前衆院議員を引っ込めて、民主党に譲る方向で連携を進めようとしています」(生活関係者) 知事選と参院補選が絡む“岩手の陣”は、小沢氏の最終戦争となるのか。  ≫(週刊文春WEB:This Week)


文春が「最強の男」と評する平野達男と云う人物は以下のように“Wikipedia”で紹介されている。経歴を読んでみれば歴然とするが、非常に権力志向が強く、常に、その場その場で最も力のある人間に、身を委ねる傾向が顕著な政治家。良くも悪くも、世間の風を読み、自分の主義主張を強く持たず、常に順風の風を読みながら政界を歩む男。こういうのが、最強だって言うんだから、小沢一郎も達増拓也(50)も舐められたものだ。

≪ 平野 達男(ひらの たつお、1954年5月2日 - )は、
日本の政治家、農林水産官僚。参議院議員(3期)。
 経歴  
東大農学部―農林省―アイオワ州立大大学院修士号―小沢に誘われ、当時の「自由党」から岩手で出馬。当時の岩手における小沢一郎の声掛かりであれば楽ちん当選の道を歩む。その後、民由合併で民主党。
菅第2次改造内閣・野田内閣・野田第1次改造内閣で内閣府特命担当大臣(防災)を務めたほか、復興大臣(初代)、東日本大震災総括担当大臣(野田第1次改造内閣・野田第2次改造内閣・野田第3次改造内閣)、内閣府副大臣(菅第1次改造内閣・菅第2次改造内閣)、参議院農林水産委員長・予算委員長等を歴任。

 人物
国際総合武道教育連盟空手道牙城會館にて名誉顧問を務める。 小沢一郎が党首を務めていた自由党出身ではあるが、民主党在籍時は玄葉光一郎が会長を務める「日本のグランド・デザイン」研究会に所属していた。
2011年7月11日、党員資格停止処分を受けている小沢について「(震災の復興に)活用することが国難を乗り切る上でプラスと判断されるなら、党内事情は一時棚上げ、取り消しは当然あってしかるべきだ」と述べた。一方で菅第2次改造内閣の閣僚であった平野は、2011年民主党代表選挙では小沢の支持する海江田万里経済産業大臣ではなく、菅直人首相が支持する野田佳彦財務大臣を支持した。
TPPについて、2011年7月14日のインタビューで「基本的には参加すべきだ」とした上で「国難の状況下で、TPPは国論を二分する。いまは復旧・復興に重点を置くのはやむをえないと思う」と述べた。
2011年10月18日に 開かれた民主党参議院議員らの研修会にて、「ここの高さに逃げていれば大丈夫だと言ってみんなで20-30人そこで集まっててそこに津波が来てのみ込まれた方々もいます。逆に、私の高校の同級生みたいに逃げなかったバカな奴もいます。彼は亡くなりましたけれども。バカな奴って今言ってもしようがないんですけどね」と発言。この発言に対し野党から被災者への配慮に欠けるとの指摘があり、同日夜の記者会見で「字面にすると、逃げなかった人はバカだみたいな報道になっているが、普段から防災教育を受けて逃げた例もある。なぜ逃げなかったのか。それも今回の重要な検証の課題であり次の震災にしっかり備えるということを言いたかったが、あの瞬間だけその同級生への個人的な思いが重なってああいう表現になった。不快な思いされたのなら本意ではないし、その表現の稚拙さをおわび申し上げたい。」と釈明した。

注:以下は真偽不明な情報
2011年3月の東日本大震災に伴い発生した福島第一原子力発電所事故に関連して、原子力委員会の専門委員を務める青山繁晴が4月22日に現場で取材を行った。その後、青山は内閣府の官僚から電話で、「なぜ、こんなことをしたのか」と問いただされた。青山が許可を得ている旨を述べて反論すると、官僚が謝罪して一旦収まったが、数日後、同じ官僚から「内閣府の原子力委員会担当の副大臣(平野)がお怒りだ」と電話があり、代わって電話に出た平野に青山が法的根拠と権限を問うたところ、平野は「権限はない。ただ副大臣として聞いておきたいから聞いている」と答え、青山が「法的根拠も権限もなく役人を使って圧力をかける。強権的だ」と非難すると、平野は「ご不快ならおわびするが東電には話を聞く」と話し、青山が「このやり取りはすべて明らかにする」と述べると、平野は「何でもやってくれ」と応じたという。また青山は、平野を含む首相官邸側から警察に対し、自身を逮捕するよう圧力がかけられたと話している。 ≫(Wikipedia引用)

謹告:昨日不注意にもブログで紹介した『そうだったのか「沖縄!」』は、筆者のうっかりミスで紹介してしまいました。昨日のブログより削除すると同時に、ここにお詫び申し上げます。



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●株価、上値予想が頻発する理由 エコノミスト不安の象徴

2015年05月19日 | 日記


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●株価、上値予想が頻発する理由 エコノミスト不安の象徴

以下の週刊現代の記事を読んでいたら、政府の詐術行為とエコノミストの「良いもの探しの旅」を思い知らされるだけなのがよく判る。エコノミストは、その体質から考えても、株式市場から客が逃げ出されては困るわけだから、不安材料が多すぎるとネガティブな予想を語り続けることはあり得ない。彼らは、藁のキレッパシを掴んで、大チャンスだと煽るのは、致し方ないだろう。

しかし、現在の日銀やGPIFやゆうちょの、いわゆる公的資金で買い支えられているのは当然だという前提そのものが、その時点で狂っているのだ。ヘッジファンドはハイリクスハイリターンを生業にしているのだから、投機をするのは、その性格上当然である。自由な資本主義における株式市場においては、それも容認できる。決して正しい経済理論ではないが、金融至上主義が此処まで蔓延すれば、あだ花として認めるしかないだろう。

この記事では、国家とヘッジファンドの闘いの事例として、90年代前半の「ポンド危機」を示すが、自国通貨の攻防は、その国に属す、国民や企業にとって、生きていくための経済基盤だから、その通貨に介在する政治的判断にも、一定の理解は可能だ。しかし、株式市場と云うのは、その国に属する人々すべてとか、すべての企業に影響を及ぼす波及効果は、通貨の為替価格とは、似て非なるものである。相場には違いないが、すべての国民に重大な影響を及ぼすものとは言えない。

ここが、アベノミクスの性悪説の起源である。たかが株価で、悪化一途の経済状況を糊塗し続けることは、根本的国の経済基盤の瑕疵から目を背けることである。少子高齢化は30年前後続くだろう。円柱のような人口構成は少子高齢化ではないが、右肩上がりになるとも思えない。17年春の消費税10%に向けた政府の経済対策?もう駄目なものに打ち込む経済対策などに踊る人々は僅かだろう。エコノミストらが口々に「夏以降は上昇要因が目白押し」とピイチクパーチク“がなる”。

★「株価が1万8000円台へと落ちてくれば欧米の大型年金基金は株主重視・質的改善を好感して、一気に日本株に参戦する構えだと実感しました。8月には2万円を回復し、それ以降は2万円が定着するでしょう」

★「まず7月に家計調査が発表されて、ここで消費増税ショックから立ち直り、消費の回復感が鮮明になってくるでしょう。さらに、8月頃には日本企業の'15年度第1四半期の決算が出揃い、増益基調が明らかになり、日本買いが 進むと思われます。年末に向けて2万3000円を目指す展開となるでしょう」

★「政府は郵政株上場を失敗させないように何らかの株高施策を打ってくるはずです。最もあり得るのが、日銀による追加緩和。日銀が追加緩和をすれば、年末には2万2000円くらいまでは上がっていくでしょう」

★「秋以降には政府が'17年4月の消費増税に向けて、消費者心理を冷やさないような増税対策を打ち出すと見られます。市場はそれを好感し、年末には2万5000円となってもおかしくない」

いやはやな言い分である。どれも、上手く行けばと云うことで、現実経済効果が期待できないものもあり、これ以上の金融緩和で、得るものは少なく、失うものは莫大なのだから、黒田日銀の破れかぶれは、売国行為になってしまう確率の方が高い。世界を見渡して、景気が良さそうな確実な情報は、ほぼ皆無だ。おそらく、世界は経済ではなく、政治外交軍事の方向に舵を切らざるを得なくなる。金の亡者の方が直接生き死にに関わらないので、平和と言えば平和だが、富の格差はトンデモナイ水準になるのだろう。やはり、自給自足の手立てを本格化させるのが、王道かもしれない(笑)。


≪ 悲観論が根強いが「株価2万円」の攻防6月に一気に動く
一日で数百円の株価暴落が当たり前になってきた。「1ヵ月ごとに1000円」の猛烈なペースで上げてきた道を、そのまま急速に引き返すようである。ただ、この株式劇場はまだ始まったばかりで—。

■国家vs.ヘッジファンドの闘い
 「あの日は日本銀行も相当に焦っていた。一気に365億円も株式市場にぶち込んで、下げ止まらない株価をどうにか買い支えようと必死になっていたのですから」
ある外資系ファンドマネジャーは、日経平均株価がたった一日で500円以上も暴落した「4・30ショック」の舞台裏をこう語り出した。
 「正直、なにが起きているのかわかりませんでした。市場では『米国の 1-3月期GDP値が予想を下回ったことによるショック売りだ』との観測が駆け巡ったが、この時の米国株価(ダウ平均)はわずか70ドルほどしか下がって いない。ではなぜ、日本株だけがこれほど暴落するのかと、市場はますます混乱していったのです。 翌5月1日も疑心暗鬼が渦巻く中で、日銀はふたたび動かざるをえないところへ追い込まれた。これ以上の株価下落はなんとしてでも避けなければいけないと、前日同様に365億円の巨額マネーを投じて、日本株を買いまくっていました」
 日本株が「株価2万円」の大台を突破したのは、4月10日のことである。 その勢いのままに次は2万1000円、2万2000円と威勢の良い声が上がっていた中で、そうした楽観に冷や水を浴びせかけるようにこの暴落劇は起きた。 「実は5月1日の株式市場は、下手をすれば'13年5月のような1000円以上の大暴落になっていた可能性がありました」
 海外の投資家事情に詳しい株式評論家の渡辺久芳氏が言う。 「4月30日の株価急落の起点はドイツです。ドイツ国債が急激に売られる予想外の事態が発生し、これに驚いた投資家たちが世界的に株を手放す動きを加速させ、それが日本に伝播した。さらに、その流れを利用して、日本株の売 り仕掛けで儲けようとしていたヘッジファンド勢が出てきた。5月1日にもそうした海外ファンドの仕掛けは出ていたため、大暴落の危険性がありました。 しかし、この日はファンドを向こうに回して、ゆうちょマネーなどの日本の公的資金が対抗して買い支えに動き出した。日経平均株価への影響度の大きいファナック、ファーストリテイリングなどの株を買うことで、株価を持ちこたえさせたと見られます」
 日銀、ゆうちょなどの巨大プレイヤーたちが総出で「戦場」の最前線に立つ。それは'90年代前半、ヘッジファンドとイギリス政府が壮絶な買いと売りのバトルを繰り広げたポンド危機さながらであるから、恐ろしい。
 日本では株式市場が閉じていたゴールデンウィークの連休中も、米国シカゴの日経平均先物市場では、一日に300~400円も上下する眩暈のするような異常事態が続いた。連休明けの東京株式市場も大荒れで、売りに売られて株価は1万9200円台まで落ちた。
  「この乱高下相場はしばらく続く」と、BNPパリバ証券投資調査本部長の中空麻奈氏は言う。
  「日本株の2万円という水準に対して、『これはバブルではないか』 『すぐ下がるのでは』と不安視する投資家が多くいます。そうした投資家は、いつでもすぐに撤退できるような態勢で構えている。逆に言えば、株価2万円時代 というのは、投資家が急落に備えてリスク要因を探し回っている状態ともいえます。 だから、ひとつのリスクをトリガー(引き金)にして一気に株価が急落し、一方でそれを公的マネーが買い支える。そんな攻防はこれから何度も起こりうるのです」

■ギリシャ・ショックの悪夢
 
日本株は世界とくらべても急スピードで駆け上がってきただけに、落ちる時もまた早い。 しかも、その引き金となるリスクは世界中にゴロゴロと転がっている。今回の暴落劇の引き金がドイツの債券市場であったことを考えれば、世界のどんな些細な事件でも日本株の「次の暴落」を引き起こしかねない。
 そうした中にあって、「日本株は6月に一気に動く」とのシナリオが語られだした。
 6月には巨大リスクとなる爆弾が仕掛けられており、これがはじければ、日本株は歴史的な急降下に見舞われる可能性があるというのだ。 中でも警戒されているのが欧州の火種、ギリシャである。 債務問題を抱えるギリシャは目下、金融支援をめぐってEU(欧州連合)などと交渉中だ。
 最近のギリシャの世論調査で、「ユーロ圏残留を望む」「EUなどとの交渉は決裂すべきでない」と回答した国民が多くを占めたことから、ギリシャ問題はソフトランディングで乗り切れるというムードが出ているが、そんな楽観論は鵜呑みにしないほうがいい。
  以下、4月末にギリシャに渡って現地を視察してきたというマーケットアナリストの豊島逸夫氏との一問一答。ギリシャ危機の真の恐ろしさを実感できるはずだ。

—最も懸念されたギリシャのEU離脱は世論調査の結果から見て、ないとの観測が出ています。

豊島「実は、その世論調査が曲者なんです。電話調査に応じたのはある程度の富裕層だけで、多くの一般国民の意見が反映されていない可能性が大きい」

—ギリシャの一般国民はどのような状況ですか。

豊島「EUなどから求められている緊縮財政策のあおりをもろに食らっています。年金カット、賃金カットはすさまじい。たとえば年金は月額1100ユーロ(約15万円)だったのが、いまは800ユーロ(約10万円)になり、これが400ユーロ(約5万円)に半減されるとまで言われています。ギリシャで最も恵まれているといわれる国家公務員の月給でさえ1100ユーロにまで減らされています。 モノを買えないから経済は急激なデフレ。若者は仕事がないから、ドイツに出稼ぎに出る。ギリシャ国内は老人ばかりが残る『過疎化』が進んでいます」

 ■1万9000円割れもある
—EUなどからの金融支援を得るには、さらなる緊縮財政が必要とされます。

豊島「そうですが、国民はもう耐えきれないでしょう。すでに市内ではデモが頻発し、街路樹に実ったカチカチのオレンジを警官に投げつけるなど一触即発の風景が当たり前になっています。現地の知人からは、『もうしばらくは危ないからギリシャに来ないほうがいい』と言われました。 EU側からの要求と国民の不満の板挟みになったチプラス政権は、判断能力を失い、ユーロ圏離脱の是非を問う国民投票を宣言するでしょう」

—離脱をめぐる国民投票となれば、株式市場への影響は大きい。

豊島「昨年9月に行われた英国からの独立を問うスコットランドの住民投票の際に、市場が大混乱したことは記憶に新しい。それ以上の衝撃が世界中に走るでしょう。 欧州市場がまず混乱に陥り、そうなれば買われるのは『有事の円』です。115円くらいまで円高が急伸すると同時に、日本株は大きく売られ、1万8000円まで売り込まれる可能性がある。こうした状況になるのは、6月中旬くらいでしょう」

  警戒すべきはギリシャだけではない。
実は世界の超大国・米国発で日本株の暴落劇が起きかねない。
 大和証券株式ストラテジストの野間口毅氏が指摘する。 「注意すべきは、米国の利上げの時期です。FRB(米連邦準備制度理事会)のイエレン議長は、9月に利上げに踏み切るというのがマーケットの大方の見方。しかし、この予想に反して、6月にも前倒しで実施される可能性がある。実際、ある地区連銀の総裁は、『6月を含めてすべての会合で利上げをする可能性がある』と言及しています。
  そもそも利上げをすると、これまで株に投資されていたマネーが、米国債などの債券に流れる可能性があるので、株式市場にはマイナスです。その上、市場予想を裏切る6月利上げとなれば、ショックは大きい。株価は1万9000円を割る可能性もあります」
 クレディ・スイス証券チーフエコノミストの白川浩道氏も言う。 「日本株2万円を維持するには、1ドル=120円の為替水準が必要です。しかし、米国経済は循環的にこれ以上の景気回復が難しくなっており、このままいけば1ドル=110~115円くらいの円高に戻ることもありえます。その為替水準になれば、最悪、株価は1万8500円ほどにまで落ちる可能性がある」

 ■そして、夏がやってくる
  日経平均が2万円をつけた4月10日以来、2万円超えの日数はまだ10日も数えていない。6月以降にはあれは夢のような貴重な日々だったと、振り返るようなことになるのだろうか……。
前出の豊島氏によれば、「それは違う」—。
「6月は株価が落ちるでしょうが、7月以降は急激に回復していくと見ています。というのも、3月にNYで投資家に招かれた時、株価が1万8000円台へと落ちてくれば欧米の大型年金基金は株主重視・質的改善を好感して、一気に日本株に参戦する構えだと実感しました。8月には2万円を回復し、それ以降は2万円が定着するでしょう」
  実は、7月以降は日本株が再びの上昇トレンドに入ってくると見る市場関係者は少なくない。7月以降には「日本買い」を後押しする材料が目白押しだからである。
 「まず7月に家計調査が発表されて、ここで消費増税ショックから立ち直り、消費の回復感が鮮明になってくるでしょう。さらに、8月頃には日本企業の'15年度第1四半期の決算が出揃い、増益基調が明らかになり、日本買いが 進むと思われます。年末に向けて2万3000円を目指す展開となるでしょう」(前出・野間口氏)
今秋には日本郵政の大型上場を控える。
  「政府は郵政株上場を失敗させないように何らかの株高施策を打ってくるはずです。最もあり得るのが、日銀による追加緩和。日銀が追加緩和をすれば、年末には2万2000円くらいまでは上がっていくでしょう」(証券アナリストの植木靖男氏)
 さらに、「秋以降には政府が'17年4月の消費増税に向けて、消費者心理を冷やさないような増税対策を打ち出すと見られます。市場はそれを好感し、年末には2万5000円となってもおかしくない」(マーケットバンク代表の岡山憲史氏)。
  目下の株式市場は相場の格言通りに「セル・イン・メイ(5月に売れ)」が進むが、夏からはまた一つの格言である「サマー・ラリー(夏の熱狂相場)」へ転じていく。そんな明るい見通しが開けてくるというわけだ。
 「そもそも世界中に金融緩和マネーがじゃぶじゃぶ溢れている中で、資金は株式に向かっていきます。中でも日本株は、企業業績を考えれば割安。リスクイベントによる乱高下はあっても、基本的な上昇基調は変わりません。私は来 年には株価3万円を予想しています」(岡三証券日本株式戦略グループ長の石黒英之氏) 大きく落ちては上がってを繰り返しながらも、日本株は着実に、次の到達点へと向かって歩みを進めていきそうだ。
≫(現代ビジネス:経済の死角―悲観論が根強いが「株価2万円」の攻防6月に一気に動く―週刊現代5月23日号)


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●「維新の党」橋下・江田ドロップアウト 野党再編か、草刈り場か

2015年05月18日 | 日記
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●「維新の党」橋下・江田ドロップアウト 野党再編か、草刈り場か

朝日新聞は、かなり嬉しかったらしく(全新聞社流しているが)、『号外:橋下徹大阪市長が政界引退を正式に表明した (23:18)』と、デジタルサイトのトップで流した。日本の政界の風雲児だったわけだが、行き詰り感もあり、愉しかったのは「ここまで」と政治家として身を引くことを表明したようである。しかし、久しぶりに“抜きつ抜かれつ”のデッドヒートな選挙速報を見せて貰った。その点では、橋下君に感謝しよう。

 「大阪都構想」の賛否を問う今回の住民投票は、反対が70万5585票、賛成が69万4844票と日本の選挙とは思えない熾烈な主張のぶつかり合いだった。投票率も66.83%と国政選挙以上の盛り上がりで、幾分民主主義な国の選挙を見た思いがする。筆者は、「大阪都構想」に対して、賛成でも、反対でもないが、利権が絡む絡まないに関係なく、66%を超える投票率は、選挙の目的がはっきりしていた点でも、投票行動を促がしたのだろう。

橋下は政治活動から全面撤退宣言をしたようだが、俄かには信じきれない。いつ、異なる切り口から、参議院への出馬など、疑えば切がないキャラの持ち主だ。今後は、バラエティー出演や回想録、女衒の弁護士活動など、金になることに精を出すのが、彼らしくて良いのだが、そうなるかどうか、油断は出来ない。しかし、石原慎太郎と手を組んだ時点で、政治権力奪取のプロセスを誤ったのだから、全国規模になるのは無理だろう。

それを感じないような、無感覚な男ではない。ゆえに、政治活動からの引退は、実は正しい道なのだと思う。古賀茂明のように、論客として生きるには、かなり出鱈目も言い放つキャラだけに、無理だろう。筆者の勘から行くと、安倍政権、乃至は自民党右派が橋下徹に触手を伸ばす可能性は残されている。禊を済ませたという事で、最後の安倍政権の内閣に、民間から総務大臣なんて青図もなくはない。

最後に、橋下、江田の二枚看板を失った「維新の党」の混迷は必定で、船長と機関長が下船したような漂流船だけに、次期参院選の選挙区調整に含みを持たせた、維新議員の引き抜き工作が激化するだろう。民主と維新の合併が軸に動くだろうが、安倍官邸も指を咥えて傍観する筈もないので、野党再編の手綱さばきを一歩間違えれば、半年後には草刈り場になると云うことのようだ。

≪ 大阪都構想の住民投票、反対多数 橋下氏は政界引退表明
 橋下徹大阪市長(大阪維新の会代表)が掲げた「大阪都構想」の是非を問う住民投票が17日に行われ、反対が多数となった。都構想は廃案となり、大阪市は政令指定市として存続する。橋下氏は同日夜の記者会見で政界引退の意向を表明。安倍政権がめざす憲法改正への戦略も含め、今後の国政の動きに大きな影響を与えそうだ。当日有権者数は210万4076人で、投票率は66・83%だった。 今回の住民投票は2012年に成立した大都市地域特別区設置法に基づき、今年3月に大阪府、大阪市の両議会で承認された都構想案(特別区設置協定書)への賛否が問われた。
 都構想は大阪市をなくして、市の仕事を新設する五つの特別区と府に分けることが柱。橋下氏が大阪府知事時代の10年に、府と市の二重行政解消をめざして提唱した。
 反対派は、指定市が持っていた権限や財源が府に吸い上げられ、住民サービスが低下すると批判。特別区移行の初期費用が少なくとも600億円かかるといった問題も指摘した。
 橋下氏は反対多数になれば「政治家としての能力がなかった」として、政界から引退する考えをすでに表明。12月の任期満了までは市長を続ける意向だが、来年夏の参院選への立候補も否定している。
 安倍晋三首相との距離が近く、憲法改正に前向きな橋下氏の看板政策が住民投票で否定されたことは、政権にとっても大きな誤算。橋下氏が最高顧問を務める維新の党がより一層、野党色を強めるとみられ、後半国会の最大の焦点である安全保障関連法案の審議で厳しい局面もありそうだ。
 首相がめざす憲法改正への影響も大きい。来夏の参院選後に改憲を発議するには、衆参各院で「3分の2」以上の賛成が必要で、維新の協力は不可欠。だが、橋下氏が退くことで維新の党勢自体が衰える可能性もあり、首相は戦略の練り直しを迫られそうだ。  ≫(朝日新聞デジタル)


≪ 維新混迷、官邸誤算=野党再編が加速-「大阪都構想」反対多数
 「大阪都」構想が17日の住民投票で否決され、構想実現に政治生命を懸けた橋下徹大阪市長(維新の党最高顧問)は政界引退を表明した。江田憲司代表も辞任を表明、同党は一気に混迷状態に陥った。維新の協力を得て憲法改正を目指していた安倍晋三首相ら官邸サイドも戦略の見直しを迫られる。一方、民主党との連携に否定的な橋下氏の影響が排除されることで、野党再編の流れが加速しそうだ。
 橋下氏は今回の住民投票に際し、構想が否決されれば「政治家を辞める」と公言してきた。大勢判明後の記者会見でも「政治家は僕の人生から終了だ」と明言。今後の復帰も完全否定した。
 関係者によると、橋下氏は先の大型連休中、上京して公明党の支持母体である創価学会の幹部と接触したとされる。支援を要請したとみられるが、結果につなげられなかった。
 橋下、江田両氏の「二枚看板」が相次ぎ一線から退く意向を示したことで、同党の混乱は当面収まりそうにない。維新の中堅議員は「これから一体どうなるのか」と不安を口にした。
 橋下氏を「側面支援」してきた官邸サイドも無傷ではいられない。菅義偉官 房長官はこれまで、「改革に向けた大なたを振るう必要がある」と都構想に共感を表明。反対に傾く自民党本部と溝が生じても、維新に肩入れしてきた。政権中枢は17日夜、「きょうはコメントは出さない」と言葉少なだった。官邸の判断に与党内から批判が上がる可能性もある。公明党の中堅議員は「グッバイ橋下氏だ。官邸は利用価値がなくなったと判断するのではないか」と冷ややかだ。
 憲法改正に向けて官邸サイドは、(1)住民投票で勝利した維新が勢いを得て、来年の参院選で議席を拡大(2)自民党と合わせ、改憲発議に必要な参院での3分の2以上の勢力を確保して発議環境を整える-との絵を描いていた。だが、維新の党勢が上向かなければ官邸サイドの戦略も白紙に戻さざるを得ない。
 一方、自民党に対抗する野党勢力の結集を目指す民主党は、維新内の動きを注視している。今後、「民主党基軸の再編」(ベテラン)の動きが強まるとみられる。同党の若手は17日、「維新の勢いが弱まることはあっても、強ま ることはない」と指摘。「この機を逃さず、参院選の選挙区調整や、維新議員の引き抜き工作を始めないといけない」と語った。 ≫(時事通信)

女帝のいた時代
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●遺産登録が揉めている 身勝手な「期間限定遺産」に違和感

2015年05月17日 | 日記
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●遺産登録が揉めている 身勝手な「期間限定遺産」に違和感

例の幕末から明治にかけての日本の産業革命遺産と云う前代未聞な世界遺産の申請及び世界遺産組織諮問機関の勧告に沸き立った狂気の安倍政権だが、そもそもに問題のある、政治的世界遺産なのは、韓国の感情的反発に関係なく、日本の長い歴史においても、疑義のある遺産の数々であり、腑に落ちないわけだ。世界遺産に相応しくない理由は簡単で、日本が欧米化してしまい、アジアの国であること、東アジアの歴史を中国や韓国と共有していた流れを断絶させた元凶であると言っても過言ではないことに由来する。

だいたいが、富岡製糸場の世界遺産から、世界遺産は安売りバーゲンセールのようになってきた。たかだか200~300年程度で、歴史的世界遺産と云うのは短縮のし過ぎだ。筆者の想像では、ユネスコと云う機関がアメリカと日本がオーナーであることによる、我田引水が存在すると読む。先ずは、日本の貧弱な明治産業革命時の遺産を先行させておけば、今度は歴史の殆どないアメリカの歴史的建造物も、世界遺産に登録しやすいと云う思惑の布石のようにも見える。時事通信と朝日新聞は、今回の遺産登録に関して、以下のような報道をしている。

 ≪ 遺産登録、働き掛け強化=韓国の切り崩し警戒-政府
政府は、明治日本の産業革命遺産の世界文化遺産登録に向け、決定権を有する世界遺産委員会の構成国への働き掛けを本格化させている。6月28日からドイツで開かれる世界遺産委員会で登録の是非が決まる見通しで、今月から外務副大臣らを順次、構成国に派遣。反対運動を続けている韓国による切り崩しを警戒している。
 委員会は日韓を含む21カ国で構成。政府は今月中に、構成国のインド、ポーランド、ドイツなど計11カ国に外務省の副大臣・政務官を送り込み、各国首脳らに直接協力を要請する。
  日本の産業革命遺産は、国連教育科学文化機関(ユネスコ)の諮問機関が4日に登録を勧告した。韓国は、端島炭坑跡(長崎市)など一部の施設で朝鮮半島出身者が強制労働させられたとして反発。日本は、明治の産業革命期と、強制労働があった時代は異なると反論している。22日にはこの問題をめぐって日韓協議が東京都内で行われるが、平行線に終わるとみられる。
 韓国は朴槿恵大統領が4月、構成国のコロンビアやペルーを訪れるなど反対運動を積極的に展開。関係者によると、賛成の立場が揺らいでいる構成国もある。委員会に所属していない中国も先に、韓国の主張に同調して反対を表明し、「想像を絶するネガティブキャンペーン」(自民党議員)に日本は押され気味だ。
 世界遺産登録は通常、委員会構成国の総意で決まるが、一致しない場合は3分の2以上の賛成が必要となる。日韓の対立に巻き込まれることを嫌うムードもあり、日本側には「賛成から棄権に回る国が増えれば、3分の2を得られなくなる」(与党関係者)と懸念する声も出ている。 ≫(時事通信)


 ≪ 韓国反発、国民感情くむ 「明治日本の産業遺産」の世界遺産勧告
 「明治日本の産業革命遺産」が、日韓の新たな問題になっている。ユネスコ(国連教育科学文化機関)の諮問機関イコモス(国際記念物遺跡会議)が世界文化遺産への「登録」を勧告したが、韓国側は朝鮮半島出身者が強制労働させられた場所が含まれているとして反発。正式決定を前に、外交で巻き返す構えを見せている。

 ■外交孤立化も要因
 「強制労働が行われた歴史的事実を無視したまま、産業革命施設だけを美化し、世界遺産に登録することに反対する」。韓国の尹炳世(ユンビョンセ)外相は4日の国会審議でこう明言した。韓国外交省は8日、日本政府と22日に東京で世界遺産への登録をめぐって協議すると明らかにした。
 韓国外交省によると、日本側が登録を申請している23資産のうち、長崎市の高島炭坑や端島(はしま)炭坑(軍艦島)など7資産は日本の植民地時代に朝鮮半島出身者の強制労働があった。その数は5万7900人で、日本企業を相手取って韓国の裁判所で損害賠償請求訴訟を起こした人もいる。韓国政府関係者は「自分の親たちが強制的に働かされた場所を世界遺産にすると言われたらどう思うか。政府としては国民感情をくみ取らざるを得ない」と言う。韓国政府は世界遺産委員会委員国の政府や駐韓大使に働きかけを強めているという。
 一方、韓国政府が懸命になるのは別の事情もある。日米同盟の強化と日中関係の改善で韓国が孤立しているとして、与野党やメディアから激しく攻め立てられている時期に、イコモスの勧告は出た。さらなる批判を避けるためにも、登録阻止に向けた姿勢を強く打ち出す考えとみられる。韓国外交省報道官は7日の記者会見で「ユネスコを政治化した責任は日本にある」と強調した。
 とはいえ、過去の例から見て登録を阻止するのが難しいことは、韓国側も理解している。韓国政府内では「双方のメンツが立つような解決策を見いだせれば」との声も漏れる。
 日本側は、冷ややかな視線を送っている。
 菅義偉官房長官は8日の記者会見で「専門機関が世界文化遺産にふさわしいと認めたもので、政治的主張を持ち込むべきではない」と突き放した。日本政府は韓国側との協議で遺産群の価値を説明し、正式登録に理解を求める考えだ。官邸幹部は「23資産のいずれかを推薦から外すことは考えてはいない」と話す。岸田文雄外相は8日の会見で、遺産の対象期間は1850年代から1910年代だと説明し「韓国が主張している徴用工問題とは対象とする年代、歴史的な位置づけ、背景が異なる」と反論した。(東岡徹=ソウル、星野典久)

■正式登録、可否判断へ
 「明治日本の産業革命遺産」を世界文化遺産に登録するかどうかを正式に判断する世界遺産委員会は、6月28日~7月8日にドイツ・ボンで開かれる。
 委員会の審議は21カ国の委員国が行い、現在は日本も韓国も委員国のメンバー。審議は、委員国間で議論を重ね、共通認識を広げて結論を出すことが多い。これまで日本から登録された文化遺産14件、自然遺産4件は、すべて投票にはならずに登録が決まった。
 話し合いで結論が出ず、投票に持ち込まれることもある。世界遺産条約の規定では、委員会に出席し、投票した国の3分の2以上を占めた判断が結論になる。近年では、2012年に登録されたパレスチナの「イエス生誕の地 ベツレヘム聖誕教会と巡礼路」などが投票になった。
 委員会は諮問機関の勧告にもとづき、遺産の価値の証明ができているか、遺産を守る体制が整っているかなどを基準に判断する。しかし、政治状況が判断に影響した例もある。イスラエルの「ダンの三連アーチ門」はイコモスが10年などに複数回「登録」を勧告したが、国境問題を理由に、委員会で「審議延期」となった。 (藤井裕介)

 ■世界遺産委員会の委員国
 アルジェリア、コロンビア、クロアチア、フィンランド、ドイツ、インド、ジャマイカ、日本、カザフスタン、レバノン、マレーシア、ペルー、フィリピン、ポーランド、ポルトガル、カタール、韓国、セネガル、セルビア、トルコ、ベトナム ≫(朝日新聞デジタル)


ユネスコの分担金の最大拠出国はアメリカで、2位が日本なのだ。アメリカは、歴史的弱者だけに、拠出金で弱点をカバーしたい思惑が働いている。日本は、歴修正主義者たちの政権が出来たことで、明治維新の美化、戦争の美化に余念がない。明治維新以降の日本は、悪しき欧米の覇権主義と云う観念に毒された、コウモリのような歴史を、己の歴史と世界に謳おうとしている。そりゃないだろう、明治以降の日本の歴史が、世界に誇れる歴史とは到底思えない。

社会学や歴史学の見地からも、この「明治日本の産業遺産全体」と銘打つものに異議は多いにある。掃いて捨てるほどケチがつけられる。明治産業遺産だと云うのなら、都合の良いものと悪いものを選別する作業を止めるべきだ。歴史には、裏も表もあるのは当然だが、裏を隠して表面だけ申請する姑息さが、非常に武士的ではない。つまり、姑息にして卑怯なのだ。遺産のすべてを見せて、これが明治以降の日本の姿なり、と堂々と言わず、臭いものに蓋をするのが、安倍政権の文化だ。この点を、日本のマスメディアは、突いて然るべきだが、登録認定前から観光客が押し寄せていると、馬鹿どもの顔を写して、恥じ入る素振りもない。

一番滑稽で笑えるのは、産業遺産という工場等々の歴史に1850年から1910年の「期間を設けている」この意味するところは、それ以外の時期においては、二流帝国主義の誹りを免れない事実が披瀝されるからに相違ない。ある建物に、偉い人も住んでいたし、極悪人も住んでいたので、善人で賢人だった人が住んでいた、使っていた時期だけの「世界遺産」だと嘯いている。こんな、出鱈目な方便は聞いたこともない。日本の恥だよ。

菅は、韓国の執拗な外交攻勢に「専門機関が世界文化遺産にふさわしいと認めたもので,政治的主張をもちこむべきではない」と言っているが、そもそも、現存する建造物に対して、戦時体制中の期間を除くなんて発想こそが「政治的」でなくて、何だと云うのだ。この男のへ理屈は常にこういうロジックで語られる。「俺の人生にもシミはある。しかし、それは一時の誤りで、見ない振りをしようじゃないか」こんなご都合主義が通用するくらい、「世界遺産」とはチンケなものなのである。

筆者の主張は、根源的な部分への異議だが、社会問題としてみた場合、上述のような問題もある。しかし、根本的には、明治維新によって、哲学も歴史観も思想もなく、憧れで「脱亜入欧」の精神で、列強大国の猿真似をしてしまった日本の維新こそが、大間違いだったのである。日本が特別の国だと考えるのであれば、欧米列強の真似をすることが、日本文化の深耕でもないし、放棄に近いわけである。明治、大正、昭和、平成と、日本に自然発生的共同体がなくなり、人々の繋がりが希薄になってしまったのは、アジアの黄色人種で、高度に文明化(欧米価値観とは異なるが)されていた国民を、わざわざ、革命をしてまで幕府を倒し、三流、四流から出発し直す愚行があった。その間に、周辺国にまで、総力戦の名の下に、犠牲を強いた。ただそれだけのことだ。

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