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世相を斬る あいば達也

民主主義や資本主義及びグローバル経済や金融資本主義の異様さについて
定常で質実な国家像を考える

小沢一郎の時代感 理念と具体的課題を打ち出した発想を独善分析

2012年10月31日 | 日記
共生経済が始まる―人間復興の社会を求めて (朝日文庫)
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小沢一郎の時代感 理念と具体的課題を打ち出した発想を独善分析

 まずは、今さらのようだが小沢の新党「国民の生活が第一」の基本政策及び3つの緊急課題をあらためて読んでいただきたい。

≪ 「国民の生活が第一」の基本政策
 私たち『国民の生活が第一』は、すべての国民が「自立と共生」の理念のもとで、「いのち」を大切にし、安心、安全で、安定した「暮らし」を送ることができる社会を追求します。
 日本ではいま、子どもたちがみずから命を断つような教育現場があり、また、自然災害や原発事故で住みなれた地域から避難を余儀なくされ、故郷を失う悲しみを、多くの人びとが経験しました。働きたいのに働く場を与えられない人が多くなる一方で、額に汗して働く人たちが「報われない」との思いを抱くのはなぜか。私たちは、その原因に、戦後日本の政治、行政、経済、社会の有りようが多かれ少なかれ関わっていると痛感しています。その責任から、今の与党も前の与党も、逃れることはできません。だからこそ、その仕組みを一新し、根本から立て直すための不断の努力を続けなければならないのです。
 国民のすべてが、みずからの将来に夢と希望を取り戻し、誇り高く暮らせる日々を実現していくために、私たちは「いのち」と「暮らし」と「地域再生」をキーワードに、以下の政策課題を実現してまいります。

3つの緊急課題
1“いのちを守る”、「原発ゼロ」へ!
2“生活を直撃する”、消費増税は廃止!
3“地域のことは地域で決める”、地域が主役の社会を! ≫ (国民の生活が第一HPより抜粋)

 以上、「国民の生活が第一」の全文に流れている心は、共に助けあい農作物を収穫した、或いは漁をした人々の日本人の伝統文化生活様式に中に骨太に生き続けるものである。勿論、都会に住む人間や時代の先端産業で生きる人々の場合、ハタと立ちどまり考えないと気づかない心なのだが、それが日本人の原型なのである。今日のコラムは、政治と云うよりも社会学的な観点からの考察なので、人によってはツマラン!ものかもしれない。しかし、小沢一郎と云う人を政治家としてだけではなく、人間として見つめるとどうなるかと云う視点で読んでいただきたい。

 10月26日付の拙コラム「21世紀は女性の世紀なのかもしれない 生物学的には“先祖返り” ということだが」 http://blog.goo.ne.jp/aibatatuya/e/a8aa802f5ee45899902d6bbf397a3898 はテーマが唐突過ぎたせいか、反応が今ひとつだった。小沢一郎の性癖を真似たわけではないが、思考の経緯を抜きに結論を、少々大袈裟に語った。実は、チャンと経緯はある。小沢の09年以降の視線の中に“女性を活かす社会”と云う精神が色濃く生まれているのではないか、と云うひらめきで、それ以降の小沢一郎を見つめ直すと、そのひらめきを指し示す多くの材料に出遭える。

 「自立と共生」と云う概念を自然に受け入れる体質を持っているのも女性の側だろう。おそらく、男の場合、何度となく反芻し、考えた結果、同意するようなプロセスが必要な気がする。これはあくまでも筆者の感想であり、万人に通用するとは思わないが、日本の男社会独特の“らしさ”の観念は多くの男どもを縛りつけ苦しめている。しかし、野放しな弱肉強食社会だと言われる自由主義的金融資本主義の増長は、長い目で見れば99%の貧困を産む。分厚い中間層の構築目標とは相いれない要素を持っている。

 つまり、経済的貧困層とまでは行かなくても、年収2~300万層が国民の多くになった場合、日本社会が持つ、男の経済的優位性は崩壊する。このレベルに至る社会においては、男だけが外界に出て収入を得てくる役割分担の思想の根底が崩れる。既に、若者世代では、その予行演習がなされているようにも見える。26日のコラムで書いたように、日本女性の世界と伍して活躍する姿はめざましいものがあるのに、世界経済フォーラムから毎年発表されている世界各国の男女格差に関するレポート(ジェンダー・ギャップ指数)で、我が国は調査対象135カ国中101位と云う名誉ある地位にいる。

 調査の対象項目が表層的にならざるを得ないので、甚だ不本意な順位になるのは仕方ない。世界の標準から考えた場合、実質家庭の大蔵大臣が女房であると云う事実は評価の対象ではない。あくまで、社会を構成するカウント可能な項目においてであるが、家庭内の実権がどうのこうので、その国家が持つ国力を評価は出来ない。やはり、女性がどれほど社会に進出し、尚且つ男女平等を包含出来ているかどうかが重要になる。

 26日コラムで
≪……或る意味で、男社会中心に築いてきた社会制度や政治体制が突破出来ない巨大な壁に進路を阻まれている今、女性が世界の閉塞を救ってくれる可能性は結構あるのではないだろうか。  “清濁併せ呑むと”云う表現があるが、筆者の感覚からすると、女性は“清濁併せ持つ”ことが自然に身に就いた生き物のような気がしている。男は、必死なって併せ呑むのだが、女性は一時に併せ持つことが可能なのではないだろうかと、フト思う。あくまで想像の範囲だが、出産と云う大事業と育児子育てと云う難行苦行に耐えうる心身を 兼ね備えているのではないかと云うことになる。時に、女性は出産子育てに家事全般、そしてワーキングマザーたりうる。人間の一生で、これだけの難事業をこともなげに(事もなげではないかもしれないが)こなせる女性と云うもの、男の視点から見ると、実は怖ろしく凄いことなのである。 男の場合、仮に出産は別にして、それ以外のことを女性側に放棄され、忠実に彼女ら通りのことを行おうとした場合、おそらく人生の何かを犠牲にするしかない不器用さを発揮する。ある男は発狂するに違いない。しかし、女性はそれを難なく受け入れる心身の度量がある。この動物学的力量の差は歴然としており、ジワジワ と女性の力が社会を構成する主体なり得る可能性を秘めているのではないかと思う今日この頃だ。……≫ などと書いたのだが、日本の閉塞感がこれ程までに強靭で、政府や日銀が束になって掛かっても、ビクともしない閉塞不況の元凶は、この国民の5割を占める女性の力を男社会が拒絶している所為かもしれない。

 考えてみると、国民の5割を占める女性の力を押しこめ、わが世の春を謳歌しようとし続ける男社会への警鐘かもしれない。小沢一郎が筆者と同じことを考えたとは思わないが、結果的に、女性を重用する姿勢は堅持しているどころか、ますますウィングを拡げようとしている。自立と云う次元でみると、生活の上で自立しているのは女性の方である。男は役割分担と云う逃げ口上に終始している。共生と云う次元も、女性にとって過ごしやすさがある。その基本理念から、3つの緊急課題を展開する「国民の生活が第一」だが、1の“いのちを守る”、「原発ゼロ」へ!と2“生活を直撃する”、消費増税は廃止!の課題提示も、主に女性に訴える力の方が勝っているだろう。反原発に立ち上がる女性の活躍も目を見張るものがある。

 日本のマスメディアのクズどもは、“小沢ガールズ”などと、自分らと同様な芸能レベルに、話を落としこんで面白可笑しく書いているようだが、さにあらずである。これからの日本の少子高齢化社会を乗り切る為には、男社会分野の垣根を乗り越えた女性の登用が欠かせないポイントの一つになる。社会的にも、経済的にも、これからは女性が役人が用意するお仕着せの男女雇用均等法などをせせら笑う勢いで社会への参加を描く小沢と云う政治家、只モノではない。その点で、脱原発、消費税廃案は正鵠を得ている。直近の政治課題と世紀を跨いだ挑戦的政治理念になっている。

 政治的意味合いで、この小沢の着眼点をみると、若者と女性、そして地方に住む人々と云うターゲットが見えてくる。たしかに、掴みどころのない対象者に訴える怖さはあるが、理論的にも、時代的にも正しい筋の通った考えだと思う。小沢一郎は敢えて、官僚支配を悪しざまに貶さない。国政に長く関与した人間だけが知り得る、官僚の怖さを熟知しているのだろう。ただ、方向的な誤謬は、王道沿って、軌道修正させるのが王道と心得ているようだ。喧嘩を吹っ掛ければ威勢はいいが、得るものがナッシングでは、世直しの意味合いはなくなる。

 多少の時間は要するだろうが、徐徐に小沢の緊急課題の意義は、有権者に浸透する。出来れば、今後2,3ヶ月程度の時間の余裕は欲しいところだ。石原の線香花火はいずれ萎むだろうし、橋下の化けの皮も、まだ2,3枚はがれそうだ。乞うご期待と云うところだが、今夜は女性の存在、その活用の道について、社会・政治的意味合いを、小沢“生活”の基本理念と緊急課題から推察してみた。 ≪……『国民のすべてが、みずからの将来に夢と希望を取り戻し、誇り高く暮らせる日々を実現していくために、私たちは「いのち」と「暮らし」と「地域再生」をキーワードに、以下の政策課題を実現してまいります。』≫ 野田の“明日への責任”連呼の所信表明演説が如何に惨めな内容との対比が面白い。


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一夜にして変わった橋下の言いぐさ 「第三極」が本当は小沢の国民連合だと気づいた

2012年10月30日 | 日記


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なぜ日本は変われないのか 日本型民主主義の構造
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一夜にし
て変わった橋下の言いぐさ 「第三極」が本当は小沢の国民連合だと気づいた


 まず衆院鹿児島3区補選の最終結果を見る限り、マスメディアが世論調査などではじき出している自民党支持率の勢いに比べ、あれっ?と云うレベルの辛勝だった。選挙戦前半では、圧倒的に宮路氏優勢だったわけで、ヒヤヒヤモノの当選だったに違いない。投票率が前回の衆議院選73%に対し56.6%と云う低投票率であり、その結果が70,694対65,025票なのだから、勝利の雄叫びをあげるほどではないし、負けた側も善戦だったと云う言い訳が出来る結果で、痛み分け的選挙結果だったと言えるだろう。この選挙結果を持って、自民党が強気に転じると云うのは考えすぎのようだ。

 如何にマスメディアの世論調査における、各党支持率などがいい加減なものか証明するような選挙だった。自民の宮路氏は返り咲きであり、本来逆バネの効果が出るものだが、一応国民新党公認候補をWスコアーで引き離すくらいじゃないと、辻褄が合わない。まして、56.6%と云う低投票率、70%の投票率だったら逆転していたことだろう。このようにマスメディアの政党支持率は、近時、信頼に値しないものになりつつあるようだ。

 このマスメディアの政党支持率が当てにならない流れからの推測になるのだが、橋下や渡辺の発言スタンスが一夜にして変わった奇妙な現象の裏に何があるのか、推測の域を脱する事は出来ないが憶測してみようと思う。マスメディアや石原・橋下・渡辺らは「第三極」イコール自分達と思い込んでいる。またマスメディアも世間に、そのように思いこませようと世論誘導をしている。有権者は、このいまわしき事実が存在する事を認識しておかなければならない。また、橋下のバックボーンとなっている或る政治宗教勢力と石原のバックボーンに共通性があることは、多くのネットで指摘されている点も考慮すべきだろう。橋下と渡辺では、石原とご一緒にへの温度差がある点にも注意が必要だ。

 問題は、マスメディアが「第三極」から、小沢の生活や社民党などで構築している“国民連合・オリーブの木”を、絶対に「第三極」と呼ばないところに、異様さがある。少なくとも現有の衆議院の数を軸に呼び名をつけるのであれば、明らかに「第三極勢力」は小沢一郎率いる勢力である。石原とたちあがれ日本が加わった勢力が「第三極勢力」と呼ぶ理屈は一切ない。此処からして、日本のマスメディアが、我々有権者から、民主主義の基本である、情報を印象操作し、捏造しているのである。

 そもそも、具体的な政治課題である、消費増税問題や今後のエネルギー政策、TPP参加への是非など、到底瑣末な問題であるわけがない。それこそが小異と大同の区別すらできないアホどもじゃないだろうか。石原の言う“官僚支配の打破”が大同であり、消費増税問題が小異であること自体奇異である。消費増税の根源的問題が官僚支配からの脱却の処方箋であり、官僚支配の中央集権から地域主権への登竜門であり、決して蔑に出来る問題ではない。調子のいいことを言っているが、石原から、官僚支配を打破する具体的方法論など一度たりとも聞いた事はない。ふざけるな!口先四流モノ書き野郎。

 ところで、なぜ橋下や渡辺の対石原とのスタンスの調整が行われたかと云う中に、“この儘だと、小沢一郎の国民連合に第三極を取られるぞ”と云う恐怖心があったと考えるのが自然だ。石原を手なずけている米国闇勢力やマスメディアの本当の調査資料、共通する政治宗教勢力からの情報を総合した上で、実は第三極がマスメディアのヨイショ攻勢にも関わらず、小沢一郎の生活に、その地位を奪われている事実を確認した所為かもしれない。つまり、一緒に頑張らないと、それぞれが泡沫政党になりかねないと云う危惧が一致したのかもしれない。ただ、現実に石原を身内に抱える事は橋下も、渡辺も時限爆弾を抱えるのと同じだ。

  石原は「薩長土肥も関心、考え方は違ったけど、幕府を倒して新しい国家をつくるということで大連合があった。一緒にやったらいいんだ、選挙は。みんなで大連合をつくって…」等々と世迷言を言っていたが、この儘だとマスメディアの世論調査と裏腹な選挙結果が出ないとも限らないと云う焦りと、小沢への嫉妬が渦巻き醜態的唐突な辞任に及んだと云う筆者の憶測も外れてはいなかったようである。

 宮台真司と神保哲生のビデオニュースのコメンタリーではないが、日本と云う国は、国家崩壊のような重大な出来事や事件に遭遇しても、その根源的過ちが何であったか深く探らず、謝罪や反省の弁で時を、と云う空気の醸成で何事にも対処してきた。そのため、あまりにも当然過ぎる不正義、不条理も時間の中に埋もれ、真実や将来に向かうスタート台に立てない歴史を繰り返している。 幕藩封建制度が如何に不条理であっても、自ら直すことは出来ず黒船の影におびえ慌ただしく歴史を動かした。第二次世界大戦の敗北の顧みる充分な分析反省もなく、米国の言いなりに戦前同様の官僚システムを再生した。

 原発であれだけの事故を起こしても、誰一人裁かれる事もなく、反省謝罪は口ばかりで、再び原発依存が正しいが如き言説を復興させようとしている。石原などは、原発の技術を捨てるなどセンチメントだと断言して憚らない男である。ふざけるな!日本の原発技術者には、それなりの知識はあるだろうが、日本と云う国には、それを正確に運営するだけの社会システムが出来ない国なのれある。つまり、国民が監視できない国家のシステムが実存しているのだ。フランス、ドイツ、英国、米国と日本の国民監視のシステムは異質である。直近のPC乗っ取り誤認逮捕事件で、警察や検察が4名の内2名を自白供述調書を作成し、起訴した事実は極めて重大なのだ。

 絶対的な誤謬や不正義、不条理があっても見過ごす社会システムが、日本と云う国を何百年と蝕んでいる。世界で、22日間も代用監獄に勾留されたまま四六時中尋問を受けることを認めている近代国家などは皆無だ。米軍との地位協定の交渉においても、このような世界で稀有な過酷な逮捕勾留司法制度がある限り、アメリカから見れば、逮捕された米兵が、前近代的拷問に等しい、日本では合法な取り調べを受けることなど、断じて認めないだろう。このような問題を大声で語るのがマスメディアであり、ジャーナリズムであり、正義なのだ。しかるに、日本ではそう云う人々を排斥する社会システムが作動しているのである。最後は少々横道に逸れたが勘弁して頂こう。

誤解だらけの沖縄・米軍基地
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解散時期の読み合戦が活発化 表向き11月解散12月総選挙が優勢なのだが

2012年10月29日 | 日記
集団的自衛権とは何か (岩波新書)
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解散時期の読み合戦が活発化 表向き11月解散12月総選挙が優勢なのだが

 表向き、衆議院解散の環境整備の動きが出てきた。先の参議院で問責を受けている首相の参議院法会議での所信表明演説は行わせないと云う話になり、ガチンコ対決かなと思っていたら、硬軟織り交ぜた自民の攻めに変わってきたようだ。国民の生活に打撃を与える特例公債法案の審議には応じる、衆議院の違憲是正の問題もクリアしなければならないと言い出した。

 これに応じる野田民主は、野党の特例公債法案の減額補正や復興予算流用減額の審議、快く応じる姿勢を打ち出している。また、衆議院の定数是正問題でも、自民党の“0増5減”を中心に論議し、方向を定めたいとしている。その上、野田は「区割り作業など一定のプロセスを経た後に周知作業を全部待ってからが、国民の権利が守られる選挙だ」と原則論を語った後、「どうしても国民に信を問わなければいけない状況が生まれるならば、首相の専権事項として自分なりの判断をしなければいけない」と定数是正が決まっていれば、新たな区割りが画定する前でも衆院解散は可能との認識を示している。

 以上のような表向きの流れを見ていると、永田町で流布している11月解散、12月総選挙に向けて地ならしが行われていると考えても不思議ではない。長谷川幸洋氏が言うように、消費増税でお役御免の野田民主に、来年度予算編成に関わられる事は、何としても避けたい思惑もあり、財務省総出で、野田首相の国会立ち往生の環境整備に全省挙げて動いているのも事実である。情報収集能力に長けている石原慎太郎が都知事を突如辞任、急遽新党結成に動いたのも、解散間近を感じさせる。

 上記流れだけを見ていると、11月解散、12月総選挙は確実な流れだ。この場合、野田の内閣不信任案可決とかではなく、野田自ら「近いうち解散」を約束通り実行すると云う流れになるだろう。実はこのような流れは、自公にとって必ずしも納得のいくものではない筈なのに、それでも良いか~と云う雰囲気が出ているのは、明らかに財務省の予算編成権への阿りなのだろう。どう考えても、自分の党が大敗北を喫して、下野が確実な解散を、大見得を切って行う政治家はいない筈なのだが、居るのである(笑)。まさか、今さら“俺は約束を守る政治家”を看板に総選挙を戦うとも思えないのにだ。野田には落選の危険すらあるのに(笑)。

 安倍自民が、公明党が強く望んでいる早期解散、総選挙に応じる為には、近々過半数割れするであろう野田内閣への衆議院不信任案提出が、最も判りやすい倒閣の姿なのだが、そこに踏み切ろうと云う気構えは見えてこない。公明党は苛立っているが、安倍自民の姿勢はナマクラである。特例公債法案、衆議院定数是正で、野田民主の仕事は一件落着の筈なのだが、全党挙げて解散を勝ち取ろうと云う意欲は、谷垣に比べ弱含みである。公明党の苛立ちが何処で爆発するか見物でもある。自民党内には来年のW選でも良いんじゃないかと云う空気も流れている。

 10月6日付の拙コラム「“裏読み政局” 臨時国会開催を挟み、“解散先延ばし”で利害一致 の輿石と小沢? 」 http://blog.goo.ne.jp/aibatatuya/e/1cb1f671c40aaf9e50746741a13e7f53 で、政党助成金の絡んだ思惑もあり得ると云う“裏読み”をし、実質的民主党実力者・輿石幹事長は限りなくW選に持ち込む方向で手綱を握っていると疑念を提示した。田原総一朗が筆者のコラムを参考にしたわけではないだろうが(笑)、10月26日付のコラム「輿石・小沢密談で来年1月までは解散しない」 http://www.nikkeibp.co.jp/article/column/20121025/328127/?top_f1 で似たような認識を示している。ところが、解散が来年の方が嬉しいのは、小沢一郎だけではない点、あらためて考慮すべきだ。

 実は、自民党も選挙の軍資金不足に喘いでいる点を見逃してはならない。石原の新党結成も、エラそうなことを言っているが、年内に結党で助成金を獲得の思惑も滲んでいる。まぁ、たちあがれ所属議員以上の参加がなければ、助成金目当てではない事になるが、どうだろう(笑)。橋下の維新の会は、全員手弁当で選挙を戦えだから、特に助成金云々には関係ないのだろう。小沢の“生活”は当然一定の範囲で党が面倒を見る姿勢を持っているので、財布は重い方があり難いのは当然だ。

 ところで、安倍自民が内閣不信任を持ってでも、野田民主を追い詰めない理由には、小沢一郎が絶対的に安倍自民の野田内閣不信任案に同調するとは限らない不安があるのは確実だ。小沢が先に出した“野党7会派・国民連合”提出の野田内閣不信任案に、心ならずも賛成した苦渋を舐めるわけには行かないのが、安倍自民だ。不信任を出すなら“野党7会派・国民連合”の前に出さざるを得ない。ただし、野田民主が衆議院で過半数割れしていたとしても、小沢の“生活”が同調する確約は得られないと云うことだ。

 小沢一郎が最近口にしている言葉を、シッカリ確認することが肝要だ。消費増税で3党が談合合意したにも関わらず、次は掌返しで“不信任案”提出など、まったく意味不明である、と何度となく発言している。これが何を意味するかと言えば、自公は野田佳彦と談合した間柄なのだから、今さら筋の通らない法案提出の権利を有さないと言っている。つまり、自公が提出する“野田内閣不信任案”の場合は、その時点での議席の具合を睨みながら、欠席又は反対票を投じる政治行動に筋があると言っている。野田を信任するわけではないが、自公の出す野田不信任案には賛成しかねるということだ。この辺は、非常に微妙な言い回しであり、微妙な最終判断が求められるだけに、軽々に是々非々を論じるのも困難である。ただ、短絡的に野田内閣不信任が、成立さえすればプロセスは関係がないと云うものではない。

 日曜日になって、橋下や渡辺が一夜にして、石原の掛け声に応じるような動きが報道されている。この件は明日、分析解説してみようと思うが、確定した流れと云うものでもなさそうなので、マスメディアの憶測や当面石原と揉めるのは避けておこうと云う、両者の思惑のようなものを手掛かりに考えてみる。


PS:28日夜10時過ぎになって、衆院鹿児島3区補選における、実質、自公対民主の対決が、自公の陣営の宮路和明氏の当選で、再び自民党内から早期解散総選挙を望む声が強くなるかもしれない。早期解散にせよ、解散先延ばしにせよ、ことあるごとに議員らの心が揺れ動く“風向き政局”になっているので、臨時国会の開催による日々の僅かな出来毎に、右に揺れ、左に揺れしそうな按配だ。腹立たしいが、理屈で動く政局の状況とは言い難いようだ。

惜別 さらばアメリカ (RYU SELECTION)
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年内解散の動き出てきたと揺れる永田町 いつでも選挙OKは小沢の“生活”のみ

2012年10月27日 | 日記
金融が乗っ取る世界経済 - 21世紀の憂鬱 (中公新書)
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年内解散の動き出てきたと揺れる永田町 いつでも選挙OKは小沢の“生活”のみ

 軍資金が豊富な事で知られる石原慎太郎の報道(テレビ)で毎日が暮れている(笑)なぜ売れもしない小説書いたり、公職の都知事を13年もやっていて、何処でどのように資金豊富になったのか判らないが、兎に角も紐のつかない資金が豊富なようである。政治評論家等々への資金援助の功も奏したとみえ、石原の新党立ち上げは、日本の政党再編の起爆剤になる等と提灯発言が数多くみられる。しかし、演出された大根役者になっている不安が拭えない石原は、またまた緊急記者会見を開き、マスメディアが突きだすマイクに向かって、自分の行動を揶揄する発言に一方的に反論した。読売が皮肉交じりに、以下のように報じている。

≪ 石原知事が急きょ会見、議員への不満20分
 石原知事は26日、都庁で最後の定例記者会見を行った。
 前日の辞職表明で中止となっていたが、同日朝に知事本人が「言いたいことがある」として、急きょ再設定されたという。
 ただ、この日の発言は「永田町にいる人間は視野が狭い」と新党の母体となるたちあがれ日本の議員への不満などに終始。都政にはほとんど触れず、「約束があるので」と自分から約20分で切り上げた。
 都によると知事の記者会見はこの日で590回目。「都民へのあいさつの言葉などがあるのかと期待していたのに……」と都幹部も困惑した様子だった。≫(読売新聞抜粋)

 会見場に用意された壇上に登るまでの歩行を見ていると、顔と口は元気だが肉体は相当老化していると思われる姿が一瞬写された。マスメディアが意図的にしたことか、編集の間違いか、その辺は判らない。あの歩行状態で、11月に尖閣周辺調査をもう一度、今度は俺も行くは冗談だろうと理解できた。特に石原慎太郎が嫌いでもないのだが、なぜか今回は奇妙に揶揄したくなるのはなぜだろう。やることなす事、すべてが裏目に出ている。いろんな解説があるが、明らかに暴走老人なのである。京都大阪に向かうべき高速道を青森に向けて逆走しているのだ。

 当然、暴走老人は自分がハンドルを握る車は京都に着くに違いないと思い込んでいる。嫌に逆走する車が多くて困ったものだと思い込んでいる。情緒不安定な作家気質が頭をもたげ、床についても、自分の考えに逆走する政治家や評論家の言葉が頭から離れず、苛立ちまぎれの記者会見を開いたわけだが、この調子だと、選挙が始まる頃には発狂しているかもしれない。平沼赳夫自身、石原のペースに合わせてはいるものの、なんだか困ったな~と云う雰囲気が出ている。橋下も、渡辺も、安倍も困っている。読売が上記のような揶揄記事を書いた点からも、ナベツネも困り出したのかもしれない。そりゃそうだ、再軍備、核保有は米国が最も嫌う方向なのだから、ナベツネも諸手を挙げて提灯記事に終始は出来ないだろう。産経も石原が叫ぶ「第三局連合」に疑問を呈している。

≪ 石原新党・維新・みんな 「第三極連合」、険しい政策一致
 新党結成を表明した石原慎太郎東京都知事は26日、次期衆院選に向け、日本維新の会やみんなの党も含めた「第三極連合」の必要性を強調した。維新とみんなも同日、政策協議を本格化させるなど連携に向けた動きが活発化した。ただ、石原氏と維新では憲法のほか原発や環太平洋戦略的経済連携協定 (TPP)交渉参加などの主要政策で対立点がある。「官僚支配打倒」(石原氏)という大目標だけで連携するのは容易ではない。
 「薩長土肥も関心、考え方は違ったけど、幕府を倒して新しい国家をつくるということで大連合があった。一緒にやったらいいんだ、選挙は。みんなで大連合をつくって…」  石原氏は26日、都庁での記者会見でこう述べ、現在の政治状況を幕末と重ね合わせて、第三極による大連合の「大義」を訴えた。
 さらに「政策が違うとかじゃないんだ。大眼目は官僚支配を壊していくことだ。原発をどうするとか、消費税をどうするとかはある意味、ささいな問題なんでね」とも述べ、大同団結を呼びかけた。みんなの党の渡辺喜美代表との会談にも意欲をみせた。  石原氏が「第三極連合」を訴えたのには、足元で維新の会代表の橋下徹大阪市長に対する懸念が噴出していることも一因にある。 25日夕、石原氏はたちあがれ日本の党本部で平沼赳夫代表らと会談したが、たちあがれ側からは維新との連携について「政策が違う」「譲歩しすぎたら政党の意義がなくなる」との声が続出した。石原氏が「もうちょっと大きな視野で考えられないか」と平沼氏らを説得する場面もあった。
 橋下氏も26日、「石原氏と一致していると言えないところは、エネルギー政策と憲法だ」としながらも、「憲法改正をしなきゃいけない思いは同じだ。憲法問題が連携の支障にはならない」と石原氏への配慮を示した。もっとも、維新幹部は「(橋下氏が)石原氏を心の中では尊敬しても政策の中身が違えば違うと言うしか ない」と言い切った。
 渡辺氏も26日の記者会見で、石原氏の会談呼びかけに対し「消費増税を容認するのであれば話にならない。基本政策も政治理念も違うと政界再編の対象にはならない」と否定的な姿勢を示した。
 一方、維新とみんなの協議は和やかな雰囲気で始まった。維新幹事 長の松井一郎大阪府知事が「誰とどう組むではなく、何をやるかを政治の中心に据えている」と説明すると、みんなの江田憲司幹事長も「政策を一致させない限り連携もない」と応じ、11月末までに共通政策を取りまとめることで合意した。
 ただ維新も増税そのものを反対するみんなに対しては「年間予算の半分が赤字国債の中で、何でもかんでも反対というのはどうか」(松井氏)と不満を示している。これに対しアジェンダ(政策課題)の最初に「増税の前にやるべきことがある」と掲げるみんなとしても消費税問題は譲れない一線であり、両者の協議も難航する可能性がある。(松本学)≫(産経新聞)

 この産経の記事を読みながら気づいたことなのだが、石原は小沢の「国民の生活が第一」の着実な動きに嫉妬して、今回の暴走に至ったのではないか。“脱原発、消費税反対、TPP参加反対”などは、政治選択で瑣末な問題だ、と言いはじめた。この発言は、橋下や渡辺に語っていると云うよりも、対小沢一郎に向かって“オマエの政治課題は小さ過ぎる!”(笑)と叫びたいのではないかと云う解釈も可能である。それから行けば、小沢新党の結党パーティーにぶつけるように、同日新党立ち上げをぶちかました意図も理解できる。昨日の石原の独り舞台を見てしまうと、この興奮では1カ月は持たない、と云う印象すら感じた。

 ただ、長谷川幸洋氏などは、石原の新党結成は、解散近しと云う情報が入手されたからに違いないと読んでいる。たしかに、民主、自民内にも、解散間近と云う噂は尽きない。自民党安倍総裁が特例公債法案の審議には応じる姿勢を出した点でも、近いうち解散の外堀は埋められている。財務省が、次期政権を民主党が継承出来ない以上、二度手間になる予算編成をしたくないのも本音で、年内解散を根回ししているのも事実だ。それを断固撥ね退けているのが輿石幹事長なのだが、何処まで踏ん張れるか心もとない。臨時国会が開かれてしまえば、野田民主の余命時計が動き出すのは間違いがない。

 しかし、冷静に各政党の衆議院選挙に対する準備態勢などを見ていると、自民も民主も維新も、準備段階以前の混乱を呈しており、選挙区すら定めようがない混乱まで垣間見える。野田民主は何が何でも予算編成を、と云う段取りで動いているので踏ん張るだろうが、一寸先は判らない。その点で、小沢の“生活”は独り選対委員長・小沢一郎がすべてを仕切り、準備万端整いつつある。周りの喧騒を横目にし、さて来週からは選挙強化地域のビールケース街頭演説の旅をはじめると云う。俄然、我が道を行く小沢一郎の安定感が有権者に安心を与える。最後の気がかりは、11月12日の東京高裁判決だろう。いまさら、法理を覆す判決が出される心配は杞憂だと思うのだが、これだけは何をするか信用性ゼロの最高裁事務局、この耳目でハッキリ“無罪”の判決を確認しない限り、予断は持たないに越したことはない。


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石原新党旗揚げ いまさら知事辞職してまでの“なぜ?”

2012年10月26日 | 日記
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石原新党旗揚げ いまさら知事辞職してまでの“なぜ?”

  石原慎太郎が都知事を辞職、“たちあがれ日本”を母体とする“保守右傾政党”を立ち上げる事となった。いまさらの感は否めないが、新党を立ち上げるのは石原の自由で、特に咎める事ではない。筆者の観察する限り、石原慎太郎と言う人は、実は極めて情緒的人物で、どこまで行っても作家なのだと思う。今回の漸くの新党旗揚げも、その情緒の表現に過ぎないのだろうと推測する。朝日新聞は、石原のなぜ今なのかを以下のように分析している。

≪ 衆院解散への起爆剤となるか 揺さぶる石原氏
 突然の辞職と新党結成の表明だった。東京都の石原慎太郎知事は25日、緊急記者会見を開き、国政への再挑戦を明らかにした。80歳にしての転身は、過半数割れ目前の与党を揺さぶり、衆院解散の起爆剤となるのか。日本維新の会の橋下徹大阪市長はエールを送り、既成政党は警戒感を深めている。
 「おれ、重大な決断したから」。元内閣安全保障室長の佐々淳行さんに先週、石原知事から電話があった。内容は告げなかったが、40年来の親交がある佐々 氏は「国政に出るんだな」とぴんと来たという。
 25日、都庁で開いた記者会見。「今日でも、昨日でも、明日でもやりますよ。もう準備はできていますから」。新党結成の時期を問われた石原氏は、今回の辞職と国政への再挑戦について、タイミングを見計らっていたことを強調した。
 では、なぜいまなのか。  石原氏周辺の一人は言う。「解散がずるずると先延ばしになるなか『俺(石原氏)が仕掛ける』ということだ」。野田佳彦首相が「近いうち」と表明したまま、一向に解散時期の見えてこない国会に対し、刺激を与えるのが狙いとみる。
 民主党が衆院で単独過半数割れするまで、あと5議席。「いまは内閣不信任案が通らないが、石原氏が『新党に来て戦え』と言えば、民主党じゃだめだと思う議員が離党してくる」と、新党が解散への起爆剤になると期待する。  都知事としてこだわってきたことが、壁にぶつかった面もある。
 今年4月、石原氏が米国で表明した尖閣諸島の購入計画。9月になって政府が尖閣諸島を国有化すると、東京都としてできることがなくなり、都政への関心は薄れていった。都庁ではこれから来年度予算編成が本格化するが、石原氏は12日の会見で「(やることは)あまりない」と明言した。 任期途中で辞職し、都政を投げ出す形となる石原氏。都知事在任中、繰り返し国政への意欲を語っていた石原氏は、この日の会見で辞職の理由を問われ、こう 答えた。「私はね、やっぱり、やり残したことがあったんですよ」 (朝日新聞)

 石原慎太郎のカリスマ的魅力は筆者も否定しない。ただ、作家目線における評価であり、政治的活動も常に限定的枠内の領域で活躍できる域内政治家なのである。その点では、橋下徹や渡辺喜美、河村たかしとも相通じるものがある。石原が辞職の理由を問われ「私はね、やっぱり、やり残したことがあったんですよ」と云う答えは、青嵐会時代の石原慎太郎から一歩も抜け出していない、変わらない心情の持主だと評価すると同時に、国政は出来ない人なのだな~と云う強い印象を憶えた。

 橋下徹や渡辺喜美、河村たかしにも言えることだが、域内政治家の特長は夢を語り、仮想敵を作る事で、域内の人々に精神的ヴァイタルを注入するのだが、有権者自体が、“閉塞の世界なのだから、チョッとくらい羽目を外しても良いだろう”と云う自由度に支えられている域内心情を忘れてはならない。このような政治家の欠点は、国家全体を任せると云う国政レベルにおいては、極めてひ弱になってしまうと云う弱点なのだ。石原新党の母体となる“たちあがれ日本”の平沼赳夫の場合、一定数ある我が国全体の右翼心情の国民の受け皿なのだが、石原や橋下は異質なものがあると云うことだ。

 以上、石原の政治家体質の限定性を、彼の持つ情緒気質で語ったが、実際の国政レベルにおける影響がどのようなものになるか、チョッとだけ考えてみる。彼の新党旗揚げで民主党に対する影響だが、ほとんどないだろう。石原新党といっても平沼党であり、民主党から離脱者を誘う起爆剤とは考えにくい。自民党の一部には影響力はあるだろうが、それこそ今さら離党するまで石原の名前も決まっていない、政策も見えない政党に動きだす政治家が居ると云うのも、現実には考えにくい。

 迷惑な立場に立たされるのが、日本維新の会、みんなの党、自民党なのだろう。石原は橋下の維新との連携連合に意欲的だが、橋下側は幾分迷惑顔な様子が窺える。みんなの党は甚だ迷惑に違いない。自民党は東京比例区で一議席失うことになりそうなのだから不快だろう。減税日本はグチャグチャになり解党のリスクを抱えたようだ。まぁ国家の右傾国民の受け皿が明確になるのなら、それはそれで良いことだ。ただ、筆者などは、石原慎太郎が自主独立を表向き標榜しながら、実は極めて親米的政治家であると云う点に着眼しているので、自民党の安倍との連携はなさそうだ。橋下、渡辺とは擦り合わせの余地があるだろうが、ひたすら混乱を招くだけの存在になってしまうだろう。マスメディアのネタ提供と云う側面的価値はある。読売、産経などは石原新党にフィーバーしている。まぁ日毎夜毎“盛り下がる”のは当然である(笑)。

 小沢一郎の「国民の生活が第一」の結党パーティーの報道が石原新党報道の影に隠れてしまったが、「国民の生活が第一」の地道な活動が国政において、ボディーブローのような効果を現している実情に危機を感じた一部勢力との連携の臭いもするが、それはそれだけのことに過ぎない。また、小沢が大嫌いだと云う石原の、ジェラシー的行動だったかもしれない。彼が情緒的人物である以上、肯ける行動だ。まぁ新党だ新党だと騒ぎ立てながら、“幻の新党”などと揶揄されるのが堪えられなかったのだろう。なにも起こさずに萎んでしまう自分の政治人生に納得出来なかった心情は理解しよう。しかし、自分が許せないと云う情緒の塊り的行動と云うことだ。国政への影響は極めて限定的、コップの中で嵐を起こしたに過ぎない。


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沖縄県民を愚弄する日本政府 これを差別と呼ばず、なにを差別と呼ぶ?

2012年10月25日 | 日記
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沖縄県民を愚弄する日本政府 これを差別と呼ばず、なにを差別と呼ぶ?

 今日は仕事の関係上、岡留氏のコラムを紹介する。まず、はじめに沖縄のオスプレイ問題では日本政府から見捨てられた沖縄県の状況が語られ、米兵2名のレイプ犯罪では、日米地位協定の見直しは必須だと見解を述べている。筆者などは、日米同盟の存在にまで言及して欲しかったが、一足飛び過ぎるのかもしれない。
政局話題では、前原誠司の年内解散発言と云うパフォーマンスを揶揄しているようだが、民主党副代表の石井一なども閣僚の発言じゃないと噛みついているようだ。
自民党安倍総裁の奥方、昭恵夫人が神田の路地裏に“居酒屋”を出したと云う情報はお初にお目にかかる。知る人ぞ知る話かもしれないが、この話がマスメディアで大きな話題にならない点は面白い。昭恵夫人は原発にも反対らしく、総裁よりも国民感覚が豊富なのかもしれない。
週刊朝日の佐野氏の「ハシシタ 奴の本性」は明らかに勇み足と解釈している。たしかに、その記事に限定すれば、週刊朝日と佐野氏の不用意な記事の発信なのだが、その後の経緯では、橋下徹の方の問題が浮上している。彼のような、存在が閉塞の上に蓋をしたような国家の情勢の中では、一定の人気を保つのだろうが、その後の経緯を見る限り、彼を国政進出の政治家としては認め難いものを感じる。

≪ 10月某日 沖縄はオスプレイ強行配備に加えて、米海軍二人による集団レイプ事件が追い打ちをかける形で、県民世論はヒートアップしている。在日米軍は、 全兵士の「夜間外出禁止令」を出したり、在日米軍の司令官が県庁に謝罪に訪れたりしているが、カンジンの県知事はワシントン訪問で不在中。県知事がワシントンでどれだけの成果を上げられるかは不明だが、県知事や県内有識者らが何度でもワシントンに出向いて、直接抗議を続けるべきだろう。本来は政府の仕事だが、外務省も防衛省も対米交渉は最初から放棄しているも同然だから、沖縄県が独自外交に踏み切るのも当然のことだ。おそらく、外務省も防衛省も仲井真知事 の訪米であわてふためいて交渉妨害の根回しをやっているのだろうが、もはや日米地位協定の抜本的改定に踏み込まない限り、県民世論は収まりそうにない。
 臨時国会は来週の29日から開催される予定だが、党首会談も行き詰っている状態だ。野田民主党は田中慶秋法務大臣を辞任に追い込んだ。国会で野党に追及される材料を少しでも減らそうという作戦だろうが、あと5名が離党したら衆議院で過半数を割り込んでしまう。その時は、もはや野田政権も終わりである。それでも、野田本人に年内解散の意志はなく、来年度予算案も自分たちで手掛ける算段だ。前原国家戦略担当大臣がテレビ番組で、「近いうちは来年ではない。年内だ」とぶち上げたが、あくまでも前原大臣の個人的見解にすぎないと一蹴された。前原大臣としては解散総選挙後も、自民党や公明党との協力関係を維持したいために、恩を売っておこうとの思惑があるのだろう。しかし、この口先だけのパフォマンス男は、最近口が歪んできた。麻生太郎元総理や輿石幹事長ほどはひどくないが、明らかに心身的ストレスを抱えており、それが口のゆがみにつながっているのではないか。
 一方、攻める方の安倍総裁も足元に火種を抱えている。夫人の昭恵さんが千代田区内神田の路地裏に居酒屋を出したのである。この昭恵夫人は森永製菓の社長令嬢で元電通のOL。安倍氏が父親・安倍晋太郎の秘書時代に見合いで結婚した関係だ。最近では安倍晋三のウルトラタカ派路線についていけないのか、反原発の運動にも足を踏み込んでいる。元ファーストレデイも、あるいは今後のファーストレディも投げ捨てたお嬢さんのささやかな反抗なのだろう。安倍総裁を支える石波幹事長(筆者注:石破幹事長)も目つきがだんだん悪くなった。もともとという見方もあるが、少なくとも総裁選の間は、目つきの悪い奇妙な表情は影を潜めていた。やはり、何が何でも谷垣総裁の二の舞を避けるために、図太い野田総理に解散総選挙を求めなければならないという強迫観念があるのかもしれない。森本防衛大臣が米兵レイプ事件を執拗に、「事故」と表現したり、永田町の政治家のセンスはお粗末すぎる。
 あ、思い出した。「週刊朝日」の「橋下」連載が中止となった一件だ。いろんな人にコメントを求められるので、ここでも少し書いておこう。筆者の佐野眞一氏も落ち込んでいると聞いたが、これは残念だが勇み足というしかない。ウワシンでもあらゆるタブーに挑戦する編集方針を掲げていたため、のタブーに切り込む特集を何度か掲載した。しかし、被差別の歴史を思えば、あくまでも弱者の立場だけにの地区を特定すれば、末代にまで被害が及ぶ可能性がある。おそらく、佐野氏の脳裏には孫正義の半生を描いた「あんぽん」で、朝鮮人の悲惨な実態の中からのサクセスストーリを書いた時の記憶があったのかもしれない。しかし、喧嘩上手の橋下徹は、裁判ではなくメディアの前で、天下の朝日を相手に渡りあった。その結果、朝日新聞出版局だけでなく、世論や部数低下を恐れる朝日新聞社まで謝罪文を出した。完勝である。今後、朝日本体から「週刊朝日」を休刊にするといった圧力がないことを強く願う。佐野氏も、稿をあらためて橋下徹の人間研究を手掛けるべきである。公人中の公人だし、論評に値する危険で独裁的発想を持つ人物であることは間違いないからだ。≫(岡留安則の幻視行日記)


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橋下徹の本性か? 国政進出「日本維新の会」党首としては人格破綻の疑念

2012年10月24日 | 日記
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橋下徹の本性か? 国政進出「日本維新の会」党首としては人格破綻の疑念

 PSが冒頭に来るのも妙だが、ことの流れ以上致し方ない(笑)。まぁ、鬼畜集団は消えたが、佐野氏抹殺等々の発言訂正はしていない模様。今夜のコラムを書き終えたところで、以下のような報道を毎日新聞が伝えている。しかし、記者会見で語った内容は、橋下徹の人格が如実に現れているわけで、それこそ、ツイッターで“おわび”程度で済ます方にも疑問が生まれる。いずれにせよ、筆者も一時は、橋下も、日本政治の改革者の一人と考えていただけに、不徳を謝罪しなければならない。

≪ 橋下市長:週刊朝日「鬼畜」発言謝罪 「完全に事実誤認」
 橋下徹大阪市長は23日、自身の出自に関する週刊朝日の連載を巡り、誤った認識に基づいて同誌を「鬼畜集団」と批判したとして、ツイッターに「おわび」を掲載した。橋下氏は、同誌が記事を掲載した週刊誌を実母に送りつけたとして批判していたが、そのような事実はなく、「勘違いしました」と釈明した。
 連載は、同誌が10月26日号で始めた「ハシシタ 奴の本性」。22日に橋下氏は、同誌がこの号を実母に郵送して「話を聞かせてほしい」と申し入れてきたと記者団に説明した上で、「こいつら異常ですよ。人間じゃない。犬猫以下。本当に鬼畜集団ですね」などと批判していた。
 橋下氏は23日、ツイッターで「訂正・おわび」と題し、「実母に送り付けた事実は存しませんでした。現物は実妹が購入してきたものです」と説明。同誌が実母へ送ったのは取材申し込みの文書だけだったとし、「以後、公言する際はしっかりと事実確認をしていきます」と陳謝した。
 橋下氏は同日、市役所で記者団に対し、母親の指摘で間違いに気付いたと明かし、「完全に事実誤認」と話した。ただ、「ツイッターのおわびで十分」として、週刊朝日側に直接謝罪はしないという。【津久井達】≫(毎日新聞)

 週刊朝日のノーガードとしか思えない橋下徹に関する出自や家族関係に類するノンフィクション作家佐野眞一氏と週刊朝日取材部共同取材の「ハシシタ 奴の本性」が波紋を広げている。第一回目の内容は、既に文春や新潮で取り上げられた内容以上の目新しさはなく、既報の情報をなぞっている部分が多い。筆者からみる限り、なにを今さらの記事であり、第二回目に目玉な内容が出るのかな?くらいの印象だった。ただ、連載の題名には週刊朝日らしからぬ品性の下劣さは感じた。結果的に、週刊朝日側が全面的に白旗を上げ、2ページにわたり、“おわび記事”を掲載し、連載の休止を伝えた。

  週刊朝日も随分と腰抜けな態度に出たものだと呆れていたのだが、自らの言葉に酔いだした橋下徹は、謝り方が気にいらないと難癖をつけ、話は一層こんがらがってきた。比喩として適当かどうか別にして、ヤクザのインネンを交わそうと、即座に誤ったところ、逆に初めの因縁以上に返事の出来ないようなインネンをつけてきたと云う按配のようだ。公の面前で、佐野眞一、編集長ともども土下座しろと言い出したわけである。仮に、橋下の側に充分な理があるとしても、政治家としての勝利宣言としては、かなりの違和感ある対応だ。毎日新聞は以下のように坦々と伝えている。

≪ 橋下市長:週刊朝日は「謝り方も知らない鬼畜集団」
 橋下徹大阪市長の出自に関する週刊朝日の連載を巡り、橋下氏は22日、おわびが掲載された同誌が市役所に届いたことを明かし、「謝り方も知らない鬼畜集団」などと批判、市役所での記者会見で直接謝罪するよう求めた。記事を執筆したノンフィクション作家の佐野眞一氏に対しても、「佐野を(社会的に) 抹殺しにいかないといけない」などと激しい言葉を並べており、波紋を呼びそうだ。
 橋下氏は大阪市内で記者団に、「僕は子供に、謝る時は週刊誌を送りつけて終わりという育て方はしていない」「人間じゃない。鬼畜、犬猫以下。矯正不可能だ」などと激怒。佐野氏についても、「向こうはペンで僕を殺しにきた。佐野を抹殺しにいかないといけない」「僕と同じくらい異常人格者だ。佐野のルーツを暴いてほしい」などと述べた。
 連載は同誌が10月26日号で始めた「ハシシタ 奴の本性」。同誌は2回目以降の連載休止を決めている。23日発売の11月2日号では2ページにわたる「おわび」を掲載。河畠大四(かわばた・だいし)編集長名で「地区を特定するなど極めて不適切な記述を複数掲載してしまいました。タイトルも適切ではありませんでした」などと謝罪している。【原田啓之】 ≫(毎日新聞)

 週刊朝日のガードの軽さ、謝罪の早かった点など、言論の自由や人権問題に注意深かった筈の朝日新聞グループとしては、人権的には、脇の甘い記事であったし、言論の自由から行くと、謝罪が速攻過ぎる点も奇妙だ。なにか裏がありそうな気もするのだが、現時点では書けるほど具体的疑問を呈する事は出来ない。ただ、今回の経緯がエスカレートして、橋下徹、否、国政政党「日本維新の会」はどのような影響を受けるか、注意深く観察する必要がある。橋下は、優生学、ファシズム等々と話を大仰なものにしようとしている節がある。あきらかに橋下は自分の言葉に聞きながらコーフンしているとしか思えない部分が散見する。

 自分や家族を貶められた状況は理解出来るのだが、彼は一介の弁護士ではなくなっている。大阪府知事を経験し、現在は大阪市の行政の長である。また、国政進出として新党「日本維新の会」を結党、党首におさまっている人物なのだ。過激な言葉が売りであるにしても“鬼畜集団”、“抹殺する”、“公開記者会見で謝れ”等々の言葉から受ける印象は、橋下党首への、ブーメラン現象が起きることを想起する。既存政党にないものを望むといっても、まさかこのような激烈なコーフン、ヒステリー発言を聞きたいと云うのとは別の次元に思える。或る意味で、謝り方が気入らないと謝罪を盾に、更なる因縁をつけている、暴力団紛いを連想してしまう。

 PSの情報で理解できたが、母親に週刊朝日が週刊誌を送りつけたと云う点が、橋下のコーフンに拍車をかけたのかもしれないが、橋下の事実誤認による公言を消すことはもう無理だろう。おそらく、そのコーフンが、抹殺や公式の場で謝れの発言を誘発した可能性はある。しかし、橋下の謝れば済む(自分に関してだが)という法則は、正直政治の世界では通用しない。あまりにも非寛容過ぎて、敵は必ず殺す独裁者の臭いすらする。こんな人が首相にでもなった日には、一か月に一回戦争をしなければならなくなる。彼は日本の民主主義には似合わな過ぎる。


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21世紀は女性の世紀なのかもしれない 生物学的には“先祖返り”ということだが

2012年10月23日 | 日記
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21世紀は女性の世紀なのかもしれない 生物学的には“先祖返り”ということだが

 現代ビジネスの政治を考えるでお馴染の毎日新聞の「毎日フォーラム」の≪めきめき向上する日本の「女子力」サッカー、レスリング、柔道……五輪メダル続出[スポーツ]≫と云う特集は、スポーツ界に限ったテーマでまとめているのだが、筆者はスポーツ以外の世界のことに思いを馳せながら読んでいた。そういえば、昔、海外から見た日本女性の評価はベストテン入り(男の身勝手な評価基準なのだが)していたが、日本男子は番外地だった記憶がある。あのランキングはあてにならないとしても、当たらずとも遠からずな印象は今でも持っている(笑)。

 ロンドン五輪に限らず、世界にはばたく日本女性の活躍は目を見張るものがある。このような現象を眺めていると、21世紀も、「20世紀的男社会」な観念で生き続けようとする日本と云う国のイキザマの分岐点を明示されているような気がしてくる。世界に羽ばたく日本女子の雄姿(敢えて使う)は目を見張る。男子柔道の哀れさが際立ってしまった松本薫選手の金メダル、予選敗退の男子を尻目にメダルを取った女子バレー等々枚挙にいとまがない。なでしこサッカーの活躍も凄かった。五輪に限らず、ゴルフなどでもアメリカゴルフ界に乗りこみ活躍する女子が目立つ。

 その昔、大宅壮一の「戦後強くなったのは女と靴下(ストッキング)」と云う造語があるが、当該造語には“ただし、実権は男にあるが…”と云う含みが残されていた。当時も、20世紀においても、各界における女性の活躍は散見するが、あくまで、男社会の観念に寄り添う形での女性の社会進出が、もてはやされた傾向がみられる。つまり、核に“男社会がある中で”と云うエクスキューズが含まれていたように感じる。

 しかし、近時の各界における女性の台頭は、そのような特別視する環境で生まれているわけではない、と云う印象が強くなってきている。考えてみれば、生物発生学においては、人間の原型はメスであった事を考えると、“先祖返り”に過ぎないと云う考えも成り立つ。平均寿命においても、明らかに女性が上回っており、根本的に女性の方が生物学上優位にある事は証明するまでもないのだろう。案外、人類が社会文化史において、弱いふりをすることで、より優位な地位を確保する智恵を得たのかもしれない。

 あまり大仰に論を展開できるほど検証したわけではないが、筆者はそんな気がしてならない。フェミニストでもなんでもない、一人の人間としての感想なのだが、世界的には、女性が社会進出を試み、浮ついた存在ではない形で根づく機運は動き出したのだと認識する。或る意味で、男社会中心に築いてきた社会制度や政治体制が、突破出来ない巨大な壁に進路を阻まれている今、女性が世界の閉塞を救ってくれる可能性は結構あるのではないだろうか。

 “清濁併せ呑むと”云う表現があるが、筆者の感覚からすると、女性は“清濁併せ持つ”ことが自然に身に就いた生き物のような気がしている。男は、必死なって併せ呑むのだが、女性は一時に併せ持つことが可能なのではないだろうかと、フト思う。あくまで想像の範囲だが、出産と云う大事業と育児子育てと云う難行苦行に耐えうる心身を兼ね備えているのではないかと云うことになる。時に、女性は出産子育てに家事全般、そしてワーキングマザーたりうる。人間の一生で、これだけの難事業をこともなげに(事もなげではないかもしれないが)こなせる女性と云うもの、男の視点から見ると、実は怖ろしく凄いことなのである。

 男の場合、仮に出産は別にして、それ以外のことを女性側に放棄され、忠実に彼女ら通りのことを行おうとした場合、おそらく人生の何かを犠牲にするしかない不器用さを発揮する。ある男は発狂するに違いない。しかし、女性はそれを難なく受け入れる心身の度量がある。この動物学的力量の差は歴然としており、ジワジワと女性の力が社会を構成する主体なり得る可能性を秘めているのではないかと思う今日この頃だ。

 世間では、女は一時の感情に流され情緒的過ぎるなどと云う言葉も聞かれるが、男たちの作り上げた都市伝説のような気もする。最近の政治家どもを観察していると、男の方が女性以上に感情に流され情緒的にみえる(笑)。語弊はあるが、最近の犯罪等々をみても、男の犯罪は短絡的で一時的発作のような事件を多発させているが、女性の事件は長期に亘り犯罪を行う傾向まで見えている。表現は悪いが腹が座っているのだ。(勿論、そのような行為を是とするわけではない)

 「肉食女子」「草食男子」と云う言葉が生まれた社会背景にも、男社会の制度的金属疲労が顕著になってきた証拠と見ても良いだろう。国家間のいざこざを武力を持って決着つける事を好む男社会の限界は、グローバル世界において露呈している。核爆弾と云う人類破滅の武器を所持した時点から、武力で決着をつける潔さ(男社会における理屈)など、女性から見ると笑止千万な解決方法なのだろう。鉄の女サッチャーが居るではないかと云う反論もあるが、彼女は男社会を背景に生きた政治家である。

 男である筆者には、掴み切れない想像図なのだが、女性社会の論理が21世紀、そして22世紀と繋がる時、我々が想像しえない世界観が生まれているかもしれない。直面する課題でいえば、我が国の少子高齢化社会における労働人口の確保など、女性の清濁併せ持てるパワーを発揮させられる環境整備をすることで、5割は確保できる問題なのだろう。筆者は、男社会から女社会への変貌を遂げるべき、と主張しているわけではない。ただ、女性が持ち合わせている考えや力を社会で広く共有する度量を男たちが持つべきだろうと考えている。

 男社会では、女性的思考経路を軽蔑する傾向があるわけだが、軽蔑している男たちの思考経路が、軽蔑している女性よりも軽蔑に値しているかも、と云う振り返りなくしては、新たな発想も生まれず、用無しな男社会となってしまうのかもしれない。民主主義、資本主義経済がグローバル世界の中で閉塞している現状は、おそらく今までの発想で打開しようとしても、悉く試みは打ち砕かれるのだろう。相当長く続いた男社会だけに、その思考経路に女社会の発想を組み入れるのは容易ではないが、そのようなパラダイムシフトが求められる時代が来ているのかもしれない。無論、一朝一夕になされるシフトではないが、共生の時代とは女性の時代なのだと思う。筆者の生きている間に実現することはないだろう。

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遠隔操作ウィルス誤認逮捕事件の奥は深い 各紙の社説の稚拙さには噴き出す

2012年10月22日 | 日記
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遠隔操作ウィルス誤認逮捕事件の奥は深い 各紙の社説の稚拙さには噴き出す

 今回のPC遠隔操作ウィルス事件の奥は深い。到底、新聞各社が社説で嘆くレベルの問題ではない。最大の元凶は日本の前近代的刑事司法制度そのものに存在する。弁護士(但し、弁護士も警察、検察、裁判官と馴れあう制度上の問題もある)の立ち会いもなく、22日間に亘り勾留され、朝から晩まで「オマエが犯人なのは判っている、吐け!」と責め立てられ、最近では、殴る蹴るは少ないにしても、精神的拷問を受ける点は明らかだ。“釈放”という甘い囁きに、誘導された供述内容を認める一般市民を咎めることは酷である。

 大阪地検特捜部、東京地検特捜部の歴史的国策捜査の実態や、その背景などが様々な言論で暴かれている現在だが、まだまだ一過性な面もあり不十分である。法務、検察、最高裁においても、充分に意図的に行われる国策捜査の違法性等について、反省改善がなされているとは言えないのが現状だ。しかし、それでも暴こうと云う人々が小さな声であっても、それぞれ、あげはじめた社会的傾向は心強いものである。ただ、その声がメジャーな存在になっているかと言えば、いまだマイナーの領域に属するのだろう。これも、ひとえに“記者クラブ”を中心とする、行政官庁との“癒着”に由来するのだろうが、マスメディアの記者連中が、このぬるま湯から自発的に出ることは、永遠にないだろう。

 誤認逮捕で謝罪に行った検察関係者に、被害者が「早く犯人を逮捕してください」と捜査を批判する言葉はなかった等とふざけた記事を朝日はぬけぬけと書いているが、過酷な取り調べを実際受けた被害者は、一生警察と関わりたくない心境になるわけで、その警察・検察から受けた“恐怖のトラウマ”を再現する可能性があるような発言をする筈もない。「ふざけんじゃね~よ、オマエらどの面下げて謝るんだ!あの時、俺を脅した刑事の顔写真を晒せ!」等と悪態がつけるわけもない。早く、すべてから解放され、リセットしたい気分だろう。

 警察・検察の取り調べの可視化などは、誰がどのように逆立ちしても、全面以外あり得ないのだが、この辺に対する国民意識も、相当に低いのが気がかりだ。たしかに、警察検察の取り調べを受ける確率は低いだろうが、“自分にもあり得ること”という当事者意識を抱くだけの人権意識を国民が持ちうるかどうかは、その国の民主主義や法治や人権の意識に強く影響し、“日本はいまだ近代国家にあらず”と云うことなのだろう。今回の誤認逮捕を通じて、神保哲生のビデオニュースドットコムが専門家を交え、かなり詳しく分析解説しているので紹介する。ちなみに、今回の問題を読み解くビデオ解説も無料放送しているので、興味のある方は視聴する事をお薦めする。問題はネットセキュリティーに限定されない、日本の病巣の一部を深く抉っている。

≪ 『遠隔操作ウィルス事件:犯行声明に見る犯人像と冤罪を生む刑事捜査の問題点』
 他人のパソコンを遠隔操作してインターネット上で殺害予告などが繰り返し行われた事件で、これまでに警察が逮捕した4人がいずれも誤認逮捕だったことがわかり、改めて警察の刑事捜査のあり方が問われる結果となっている。
 今回の捜査はサイバー犯罪の捜査という意味でも、また一般の刑事事件の捜査という意味でも、捜査そのものが杜撰だった。しかし、捜査の杜撰さをとりあえず脇に置いたとしても、逮捕された4人のうち2人が、やってもいない犯行を自供している。そればかりか、犯行の動機まで詳細に供述していた。なぜやってもいない犯罪を自白したり、動機まで詳細に供述するなどということが、起こり得るのか。
 警察庁の片桐裕長官は18日、これまでに逮捕した4人がいずれも「真犯人ではない方を逮捕した可能性は高いと考えている」と語り、その後警察は誤認逮捕された4人に対して謝罪を行っている。
 今回の事件では、6月29日に横浜市のウェブサイトに同市内の小学校への襲撃予告が書き込まれたのを皮切りに、皇族に対する殺害・襲撃予告や航空機、伊勢神宮の爆破予告などが、インターネット掲示板やメールなどを通じてこれまでに13回以上行われたというもの。その後、書き込みに使用されたパソコンの IPアドレスをもとに4人の男性が逮捕され、うち3人は起訴され、1人の大学生は保護観察処分を受けた。ところがその後、押収されたパソコンから遠隔操作ウィルスに感染していた形跡が見つかり、第三者が遠隔操作ウィルスを使用して犯行を行った疑いがあることが明らかになった。
 また、10月9日と10日には、都内の弁護士とTBSラジオのラジオ番組に対して、犯人と思われる人物からメールで犯行声明が送りつけられた。その段階 では犯人しか知り得なかった情報が入っていたことから、犯人もしくはその関係者からのものである可能性が高いと見られている。
 サイバー犯罪に詳しい情報セキュリティ専門家の高木浩光氏によると、今回のようなウィルスを感染させた他人のパソコンを遠隔操作して犯罪行為を行う事件自体は、以前から繰り返し起きているという。ただし、今回は犯人の身元が絶対にばれないようにTor(トーア)と呼ばれる匿名サーバーを使っている点から見て、ある程度情報セキュリティに詳しく、また自分の知識に自信を持っている者の犯行だろうと語る。
 また、犯行声明に繰り返し出てくる「警察の醜態を晒したかった」などの警察や検察当局を馬鹿にしたような言説も、インターネット上では定番となっていたという。
 高木氏は今回の犯行があった6月の下旬から8月の上旬は、国会が著作権法を改正して違法ダウンロードを刑事罰化した時期や、ACTAと呼ばれるネット規制を強化する国際協定の批准など、日本がネットに対する法的な規制を強めたタイミングと重ったことを重視する。同月20日に違法ダウンロードの刑罰化が国会でろくな審議もないまま成立し、25日に国際的ハッカー集団のアノニマスが日本の法律に抗議する形で攻撃を仕掛けている。今回の最初の犯行予告はその4 日後の29日だった。そのため高木氏は、違法ダウンロードの刑罰化への抗議の意思を表明する意味があったと考えられると語る。
 また、これを犯人がどの程度意識して行っているかは知る由もないが、皮肉にも今回の犯人の手口は、違法ダウンロードの刑事罰化の危険性を現実に体現したものとなっている。今回の犯罪で明らかになったように、インターネット上では他人のパソコンをウィルスに感染させることで遠隔操作ができてしまう。遠隔操作によって違法ダウンロードが行われた場合、もし本人が自分の犯行ではないことを証明できなければ、その人は刑事訴追を受けてしまう危険性がある。ネット上では以前からその危険性が指摘されていたと高木氏は言う。これはまさに今回の事件そのものだ。
 TBSラジオに届いた犯人からのものと見られる犯行声明には、今回犯人は三重県の事件で遠隔操作したパソコンに意図的に「トロイの木馬」を残しておくことで、警察が遠隔操作に気づくように、犯行の手口を具体的に解説している。横浜、大阪、福岡の事件では警察が押収したパソコンからウィルスを見つけることができなかったためパソコンの持ち主が逮捕されてしまった。しかし、4件目となる三重で犯人は意図的にウィルスを残したため、警察はウィルスのファイル名を知ることができた。その後、逆算的に大阪と福岡の事件で押収したパソコンをスキャンして同名のウィルスを探したところ、それを消去した記録が見つかったために、いずれも本人の知らないところで遠隔操作によって犯罪行為が行われていたことが明らかになった。
 つまり、もし今回のように犯人が警察をおちょくる目的で意図的にウィルスを残しておかなければ、いずれの事件でも実際はパソコンを乗っ取られた被害者たちが、脅迫や威力業務妨害の犯人にされてしまう可能性があったということになる。
 高木氏は、過去十年の間にも同様の犯罪がたびたび起き、ウィルスに感染したパソコンの持ち主のプライバシーがネット上に晒されたり、中には被害者が自殺したようなケースまであると言う。そうした犯罪に共通するのは、被害者の感情を無視した「無慈悲さ」だと高木氏は言う。今回の事件でも、仮に犯人の意図の中に社会的正義感があったとしても、取り返しのつかない被害を受けている被害者を出すことを気にしない無慈悲さが、これまでのウィルス犯罪と共通していると指摘する。
 また、今回の事件では4人が誤認逮捕され、長期にわたり拘留された上に、2人は自白までしている。そればかりか「楽しそうな小学生を見て、自分にはない生き生きさがあり、困らせてやろうと思った」などといった犯行動機の供述までが報道されているのだ。これは今回の大失態を見るまでもなく、この番組でも繰り返し指摘してきた点だが、22日間にもわたる代用監獄での長期の勾留、弁護士の立ち会いも認められず可視化もされていない取調室での苛酷な取り調べ、その間繰り返される「犯行を認めれば釈放してやる」の悪魔のささやき等々、明らかに先進国の刑事制度にふさわしくない後進的な刑事司法システムがもたらした結果である。
 今回はたまたま犯人が三重の事件で意図的にウィルスをパソコンに残すことで、4人の無実が事後的に明らかになったが、もし犯人がそれをやらなかった場合に、果たして4人の冤罪が明らかになったかどうか。現在の刑事司法の仕組みでは、はなはだ不安が残る。
 遠隔操作ウィルス事件の犯人の真意とサイバー犯罪の取り締まりのあり方、そして、今回の誤認逮捕の根底にある刑事司法の根本的な問題などを、情報セキュリティ専門家の高木浩光氏と、ジャーナリストの神保哲生、青木理が議論した。 ≫(ビデオニュースドットコム)

参考URL:  http://www.videonews.com/ 

  朝日などは「ウィルスチェックしないまま逮捕した」などと、警察の杜撰捜査を指摘しているが、犯人が意図的にログを残したから警察はチェックが出来たわけで、遠隔操作ウィルス自体を市販のウィルス駆除ソフトで割り出すことは技術的に可能だが、そのような行為をウィルスと言うべきかどうか、専門家の間では疑義があり、チェックする必要性も今ひとつ明確ではないので、ウィルスチェックの網を準備する予定はないようである。本質的に議論すれば“犯行予告”の書き込み程度で、犯罪要件を満たすのだとする法律を作る日本は特殊であり、グローバルスタンダードのセキュリティーに馴染まないのである。

 そもそもIPアドレス至上主義などと云うもの、ネットの専門家から見れば噴飯もので、他人のPC(IPアドレス)への成りすましレベルなら、或る程度プログラムをいじれる人間なら、いとも簡単なことである。まして、Torと呼ばれる匿名サーバーを数個経由してしまえば、絶対に犯人を見つけることは不可能である。ネットの世界では、すべては自己責任に帰するものであり、利用者の利便性の為であれば、何らかの支障が時に生まれることは、是とする思想信条に基づくサーバー運営団体もあるわけで、世界規模で、これを取り締まるなど、コンピュータを知らない役人や政治家の茶番劇と言われても二の句はつけないのが、今回の事件である。それにしても、やってもいない被害者に、尤もらしい供述書を語らせた取り調べが、最も残虐と云う事実に重きを置いて考えたいものである。


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“日中開戦”あり得ないと思うのだが、関連記事や報道に接すると・・・

2012年10月21日 | 日記
中国共産党 支配者たちの秘密の世界
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“日中開戦”あり得ないと思うのだが、関連記事や報道に接すると・・・

 以下の週刊現代の「…日本人よ、もう 覚悟したほうがいい 中国は本気だ…」の記事を抜粋だが、先ずは読んでいただこう。筆者の読後感は、まさかそこまで胡錦濤が共産党内部の権力闘争で決意するだろうか?大袈裟すぎないか、という疑問だ。しかし、言下に否定できるほどの根拠もない。権力闘争の為に、漸く到達した世界第二位の経済大国の地位を危機に陥らせるとは思えないのだが、この記事とは異なる次元かもしれないが、昨夜の報道で、気味の悪い記事も散見している。

≪ 第1部 中国人民解放軍230万人が攻めてくる 胡錦濤が指令「釣魚島を奪取せよ」 
 日本人よ、もう覚悟したほうがいい 中国は本気だ
 「太平の眠りを覚ます中国船」---大型連休が明けた中国が尖閣諸島へ攻め込んでくる。いよいよ日中開戦という最悪の事態が迫って来た。 海上保安庁と自衛隊は、日本の領土をどう防衛するのか。
………… 「現代の皇帝様」である胡錦濤は、自らの後継者さえ自由に決められなかったのである。その後、現在まで幾度も、習近平の足をすくおうと試みたが成功しなかった。「習近平の兄貴分」として知られた薄熙来・重慶市党委書記をこの3月に失脚させた際も、習近平の後継体制は揺るがなかった。
 だがここへ来て、北京の中国共産党関係者たちの間で、「胡総書記は18条規定を適用するのではないか」と囁かれるようになった。 「18条規定」とは、「中国共産党の憲法」とも言うべき「中国共産党章程」の「第18条」のことである。それは次のような内容だ。 〈党の全国代表大会は、5年毎に一度挙行し、中央委員会が召集する。(中略)全国代表大会は、非常事態を除いては、挙行を延期してはならない。(以下略)〉
 中国の最高幹部の職住の地である「中南海」に勤める官僚が解説する。 「この〝非常事態〟というところがポイントだ。胡錦濤及びその一派としては、習近平後継を阻むには、もはやこの『18条規定』を適用するしか手段がないと考えているのだ。非常事態とはすなわち、・対日宣戦布告・に他ならない。当初、党大会は10月18日開催でほぼ確定していたのに、9月末になって胡総書記の鶴の一声で、20日間、先延ばししたのだ。これは非常事態へ持っていく時間を稼ぐためだろう」
 胡錦濤が、自らの権力維持のために対日宣戦布告する—この官僚は、最近の胡錦濤総書記の〝変心〟ぶりに驚いているという。 「中南海では胡錦濤総書記と言えば〝親日派の筆頭〟と目されていた。 だが野田首相は、『七七事変』の日(1937年7月7日の日中開戦した廬溝橋事件勃発日)に釣魚島の国有化宣言を行った。そして胡総書記がウラジオストク APEC(アジア太平洋経済協力会議)で直接説得した翌々日(9月11日)に、国有化を実現させてしまった。これによって胡総書記の面目は丸潰れとなったのだ。・反日攻勢・によって胡錦濤一派を駆逐しようとする習近平一派に対抗するには、もはやそれ以上の反日姿勢を貫くしか手がないのだ」
 つまりは、胡錦濤vs.習近平の権力闘争の最終段階で、野田政権の拙い外交もあって、尖閣諸島という導火線に火がついたというわけだ。
 この証言を裏付けるかのように、10月に入っても、中国国家海洋局の監視船による尖閣諸島への領海侵犯が絶えない。10月2日、3日と二日連続で、海洋監視船「海監15」「海監26」「海監27」の3隻が、日本の領海に侵入した。海上保安庁関係者が明かす。 「『海監』に乗っている乗組員の約半分は、明らかに人民解放軍の兵士です。日本側を挑発すると同時に、〝予行演習〟をしている感じで不気味です」
■オスプレイなら尖閣まで50分
 今後、胡錦濤が・開戦指令・を出すとしたら、党大会が予定されている11月8日までの間ということになる。つまり、この1ヵ月間が「厳重警戒期間」なのだ。
 それでは、中国人民解放軍は具体的に、どのような戦術で「尖閣奪回」に出るのか。人民解放軍の動向に詳しい軍事評論家の鍛冶俊樹氏は次のように予測する。 「まず第一段階として、漁民か、もしくは漁民を装った軍人が尖閣諸島へ押し寄せ、上陸してしまう。その瞬間、『漁民保護』を大義名分として、南京軍区の福建基地から、1機10人乗りのフランス製ヘリコプター『Z9』を派遣し、尖閣に上陸する。そして漁民を帰した後、『国土の保護』を掲げて、そのまま駐留しようというのが、人民解放軍の戦術と思われます」
 鍛冶氏によれば、解放軍は大量の地対空ミサイルを帯同して尖閣諸島へ乗り込むため、ひとたび中国側に占領されると、日本側による島の奪還は困難を極めるという。つまり、人民解放軍よりも先に島に到着することが、島を防衛する絶対条件なのである。
 自衛隊の出動について防衛省関係者が明かす。 「自衛隊が出動するのは最終手段であって、本件はあくまでも海保が主体になって進めるべき事案です。中国への先制攻撃は絶対に行わないというのが、自衛隊の原則なのです」……
………… ところで現在、米第7艦隊の空母「ジョージ・ワシントン」と「ジョン・C・ステニス」が西太平洋上に展開し、人民解放軍を牽制している。過去に '96年3月の台湾危機の際にも、台湾海峡でミサイル演習を繰り返した中国軍に対して、米軍は空母「インディペンデンス」と「ニミッツ」を派遣し、危機を回避した経験がある。アメリカとしては、今回も相当ハイレベルの危機が迫っていると判断しているのだ。
 アメリカ国防総省の関係者によれば、9月19日に北京を訪問したパネッタ国防長官が、習近平副主席と会談した際、双方で激しいやりとりがあったという。 「習近平はまず、会談の前々日(9月17日)にソマリア沖で行った海賊対策の米中合同軍事演習を誉めあげました。これは中国側の強い要請に基づいて、わが軍のミサイル駆逐艦と中国軍のフリゲート艦が参加して行ったもので す。
 習近平はこの合同軍事演習を引き合いに出し、反ファシズム戦争を共に戦った両国の伝統は受け継がれていると述べました。その上で、81年前の9月18日に日本軍国主義が中国を蹂躙し、そこからアジア侵略が始まり、アメリカも含めて多大な損害を与えた。そして日本はカイロ宣言とポツダム宣言に背いて、いままたわが国の領土を侵略したと激昂したのです」
 習近平は、米中は一体であるという論理に基づき、今回の争議に関してアメリカの不介入を要求したという。だがパネッタ国防長官は、用意した資料を翳しながら反論した。
  「資料は、尖閣諸島を巡って米中が激突した場合、瞬時に米軍が中国軍を駆逐するというシミュレーションでした。具体的には、まずステルス戦闘機F/A22ラプターと、第7艦隊の原子力潜水艦『ミシガン』『オハイオ』『フロリダ』から発射されたミサイルが、中国国内の長距離捜索レーダー網を破壊。その後、中国軍の新型対艦ミサイルを破壊するというものです」(同国防総省関係者)
 このシミュレーションをパネッタ国防長官が習近平副主席に示したのは、中国の〝蛮行〟を思いとどまらせる意図があったという。 「それでも習近平は武力行使を否定せず、『アメリカは大局的見地から 不介入でいてほしい』と繰り返し述べたのです」(同前)  その後、中国側が緊張の〝水位〟を上げているのは周知の通りだ。10月4日には宮古島の北東110・まで駆逐艦やフリゲート艦計7隻を送り出した。
 日本人は、覚悟したほうがいい。尖閣有事はすぐ間近に迫っているということを。中国は本気なのである。≫(現代ビジネス:企業経済:経済の死角抜粋―「週刊現代」2012年10月20日号より)
参考URL  http://gendai.ismedia.jp/articles/-/33784

 記事の内容を読むと、最後の最後になって「新型輸送機オスプレイの配備」の意味合いを正当化するような論調になっているので、真偽のほどは相当に怪しいのだが、この週刊現代の記事とは関係なく、昨日以下のような気になる二つの動きが報じられている。いかにも週刊現代の記事に信ぴょう性を抱かせるような動きなので、杞憂とは思いながらも、ちょっと嫌な感じがする。日中戦争などと云うのは、遊びのコラムの範囲であれば良いのだが、日米同盟の歪み是正にしては、いささか仕掛けが大仰だ。

≪ 尖閣警戒で部隊を沖縄派遣へ 警視庁や神奈川県警など
 新型輸送機オスプレイの配備や米兵による集団強姦致傷容疑事件の対応で尖閣諸島への警備が手薄になる恐れがあるとして、不法上陸の警戒などのため、警視庁や神奈川県警、大阪府警が近く部隊を沖縄県へ派遣することが20日、複数の警察関係者の話で分かった。沖縄県警が応援要請した。
 警察庁によると、管轄外の警察が尖閣諸島の警戒・警備に当たるのは初めて。警察関係者によると、沖縄県警や海上保安庁と協力し、周辺の島や海保の船舶から有事に備えてパトロール活動に当たる。
 政府の尖閣国有化で周辺海域では中国の監視船などの動きが活発化し、警察にとっても尖閣警戒が重要課題となって いる。≫(共同通信)

≪ 米元高官団が日中訪問へ=アーミテージ氏ら、尖閣沈静化で
 【ニューヨーク時事】20日付の米紙ニューヨーク・タイムズ(電子版)は、沖縄県・尖閣諸島をめぐる日本と中国の緊張の沈静化を図るため、スタインバー グ前、アーミテージ元国務副長官ら、外交・安全保障関係の超党派のグループが日中を訪問すると報じた。20日に出発し、22日に野田佳彦首相と会談、23日に中国指導部と会う予定。
  同紙によれば、訪問はクリントン国務長官の承認を得た「準公式」の位置付け。グループにはハドリー元国家安全保障担当大統領補佐官やナイ元国防次官補も含まれる。
 スタインバーグ氏は同紙に「(日中)双方がそれぞれの立場を主張しようとする中で、意図せぬ緊張激化や紛争が起きる危険性がある」と指摘。グループの一人は、両国に具体的な提案は行わないが、緊張緩和に向けたさまざまな方策を話し合う用意があると述べた。≫(時事通信)

 上記の後者の記事はニューヨーク・タイムズ(電子版)の記事であり、戦争屋グループのリーク報道である可能性もあるので、完全に信用は出来ないが、アーミテージ、ナイらが訪日、訪中するのは事実なのだろう。米国政府準公式という辺りは、真偽不明だ。ただ、昨日のコラムではないが、立法は機能せず、行政は好き勝手の、民主政治崩壊状態の国家で何が起きるか一寸先が闇という怖さは残されている。 *まして現在の首相が好戦的右翼体質を持ち合わせた人物であるだけに、幾分嫌な感じは残る。国民に残された手立てはじっと見守るだけなのだ。対米感情、特に反米軍感情が吹いている事を、察知したとしても、是正行動としては、少々行き過ぎのきらいもある。アーミテージやナイが日中双方に直談判に来ると云うのは穏やかではない。一応は気にして観察しておいた方が良さそうな情報だ。

PS:以上のような情報をもとに、日中の開戦へのリスクを簡単に考えてみたが、今日になって、朝日が胡錦濤が軍トップの座を続投するような情報を流している。一定の方向で、中国の情勢を把握するのは、相当難しいようだ。少々長い引用が続くが、以下に添付しておく。

≪ 胡総書記、尖閣にらみ院政 軍トップは続投へ〈紅の党〉
■指導者たち:1
 【北京=峯村健司】中国海軍のヘリコプターが海に投げ出された船員をワイヤで引き上げ、病院船に運び込むシーンを国営テレビが映し出した。
 19日に東シナ海で実施された国家海洋局などとの合同演習。その狙いを、中国国防大教授で戦略立案に携わる李大光(大佐=51)は「日本への威嚇」と朝 日新聞の取材に明言した。
 李によると、参加艦船11隻のうち7隻が軍艦。航空機8機も戦闘機スホイ30などの軍用機だ。尖閣諸島の周辺海域で日中両国の艦船が衝突した場合、「海 軍が必ず介入するとの決意」を示すものだという。
 軍事衝突を視野に入れた対日強硬姿勢――。それは中国共産党総書記、国家主席、中央軍事委員会主席の三役を兼ねる中国のトップ、胡錦濤(フーチンタオ、 69)の意を受けたものだと、複数の党関係者は指摘する。
 「すべての役職から引退させてもらいたい」
 胡の支持基盤である共産主義青年団の内情に詳しい党関係者によると、8月上旬に幹部や長老を集めた河北省北戴河での会議で、胡はこう語った。
 総書記と国家主席は退くが、軍事委主席にはとどまる「半退(半分の引退)」ではなく、「全退(完全引退)」の表明だった。
 軍を掌握する軍事委主席は、最高実力者として君臨した故トウ小平(トウは登におおざと)が長く務め、10年前の第16回党大会で総書記の座を胡に譲った 前国家主席の江沢民(86)も、2年後にようやく胡に明け渡した権力の要だ。
 完全引退の表明という最大の政治カードを切る。そうすることで、第18回党大会で国家副主席の習近平(シーチンピン、59)にトップを譲る際、自分に近 い人物を一人でも多く最高指導部に送り込もうとしたとみられる。
 しかし、隠然たる影響力を持つ江ら長老、軍、保守派、改革派が人事でせめぎ合った。これまで8月末に発表されていた5年に1度の党大会の日程は、9月に 入っても決まらない。
 この頃すでに、中国では尖閣諸島をめぐる反日感情に火がついていた。同月9日、胡はロシア・ウラジオストクでのアジア太平洋経済協力会議(APEC)の 会場で、野田佳彦首相との立ち話に応じ、「日本による『島の購入』に断固反対する。誤った決定をすべきではない」と迫った。
 だが、野田政権は翌10日に国有化を決めた。党の中枢にパイプを持つ元政治局常務委員の秘書は、これを聞いた胡が「絶対に許さないと憤った」と語る。
 9月28日、党大会の日程を決めた政治局常務委員会が、もうひとつの「内部決定」を下した。複数の党関係者は、胡が軍事委主席に留任することが合わせて 決まったと証言する。
 尖閣情勢が緊迫化する中で軍のトップが代わることへの懸念が高まり、慰留を求める声が広がった。引退表明で腹心たちを昇格させようとした胡は一転、軍の トップにとどまることで影響力の保持を図った。
 10年前、総書記に就いた胡は、新たな日中関係の構築を模索し、挫折した。皮肉にも対日関係の未曽有の悪化が、胡が軍の指揮権を掌握したまま院政を敷く ことに道を開いた。
■カリスマ不在で人事紛糾
 【峯村健司、林望】8月15日昼前、北京市を東西に貫く長安街を、武装警察に先導された数十台の車が天安門広場に向かって猛スピードで走り去った。
 市政府関係者によると、河北省の海辺の避暑地、北戴河で同月13日まで開かれた「秘密会議」に出席していた中国共産党の高官らを乗せた車列だった。
 会議出席者に接触できる複数の党関係者によると、今年、北戴河に集まったのは党中枢の高官数百人。断続的に開かれる一連の会議の中で、最も重要な「予備 会議」に出席が許されるのは、政治局員に長老らを加えた数十人のみ。そこには重病説が流れていた江沢民・前国家主席(86)の姿もあった。
 議題の一つは、腹心の米総領事館駆け込み事件などで失脚した重慶市党委員会前書記、薄熙来(ポーシーライ、63)の処分だった。薄の後ろ盾だった江ら保 守派OBが「慎重な処理」を求めたにもかかわらず、総書記の胡錦濤ら現指導部は厳しい処分を主張した。最高指導部の政治局常務委員の中で、江や薄に近かっ た周永康(チョウヨンカン、69)らも胡に同調。党籍剥奪(はくだつ)と刑事処分の方針が固まった。
 次の政治局常務委員のポスト数をどうするかも焦点だった。  江が総書記を引退した2002年の党大会で7人から9人に増やした。江が率いる「上海閥」を押し込むためだったと見られているが、胡は7人に戻すことを 主張し、会議でほぼ了承された。  7人の顔ぶれも、この段階では、胡の出身母体、共産主義青年団(共青団)系の「団派」の勢力が優位に話を進めた。胡と同じく共青団の第1書記を務めた李 克強(リーコーチアン)・副首相(57)の首相昇格が内定。李源潮・党中央組織部長(61)が国家副主席になることも固まった。
 胡自らが完全引退という切り札を示したからだけではない。薄の事件の処理を通して、胡は元々は江と近い幹部を自らの勢力に取り込んでいたようだ。
 「北戴河は胡の圧勝だった」。元党高官を親族に持つ党員は、したたかな胡の手腕に舌を巻いた。
 それでも胡は、押し切れなかった。会議後、江に近い勢力は張徳江・重慶市党委書記(65)や劉雲山・党中央宣伝部長(65)らを次の政治局常務委員に入れようとした。
 9月に入っても最高指導部7人のメンバーは確定せず、当初は10月中旬を予定していた党大会の開幕が延びた。党大会時に代表が泊まる予定だったホテルの 予約も取り消しに。大会の日程発表も開幕日も、この30年間では最も遅い。
 江も胡も、後見人のトウ小平に見いだされ、総書記に選ばれた。いま、中国に毛沢東やトウのように総書記を指名できるカリスマはいない。集団指導体制の下 で行われる後継指導部の人選は、難航を極める。
■総書記レース、5年前の逆転劇
 北京の人民大会堂に詰めかけた数百人の記者から、どよめきが起きた。
 5年前の2007年10月22日。第17回党大会後に発足した新指導部のお披露目会見で、政治局常務委員9人が党の序列に従って舞台の袖から姿を現した 際、習近平が、李克強より先に見えた瞬間のことだった。
 序列は、習が6位で李が7位。5位より上の指導者は5年後の引退が予想され、習が次の最高指導者の最有力候補に躍り出たことを意味した。
 胡は、習と李を「若い同志」と紹介した。その表情はこわばって見えた。胡の後押しを受けた李は、早くから胡の後継者と目されていたからだ。浙江省党委書 記から上海市党委書記に転じてまもない習は、ダークホース的な存在だった。
 この「逆転劇」も、同年の夏にあった北戴河会議で決まっていた。
 「李同志は反体制分子と付き合いがある」。元党高官を親族に持つ党員によると、江ら保守派の長老らが李の「過去」を指弾した。問題視されたのは、 1989年の天安門事件を主導して実刑判決を受けた王軍濤(54)との関係。2人は北京大の同窓生だった。
 王は94年、米国に亡命し、民主活動家として中国共産党を批判する文章を発表した。2005年、大学時代に李と民主化や政治体制について語り合ったこと を紹介。その記事が党内で問題になった。
 江らは、李と比べて地方での経験が長く、実績が豊富だとして習を推した。元副首相の習仲勲を父に持つ「紅二代(革命第2世代)」であることを、「党への 忠誠心が高い」とも評価した。出席者からは、江の意見になびく意見が相次いだという。
 朝日新聞の取材に応じた王は、李との関係について「20年以上も会っていない」と語る。
 共青団の幹部だった王によると、党指導部は92年、ひそかに旧ソ連や東欧に幹部を派遣し、共産党体制が崩壊した原因を調査。体制維持のためには「党への 忠誠心が高い『紅二代』を幹部に登用する必要がある」と結論づけた。「習を抜擢(ばってき)するための口実に自分が使われた」と王は批判する。
 元閣僚級幹部を父に持つ党員は「旧ソ連の崩壊で、党はゴルバチョフのように体制内から一党支配を覆すリーダーの出現を恐れるようになった。その危機感 は、派閥を超えたものだ」と解説する。
 5年前の無念を晴らすように、今回は胡が巻き返したとも言える。党の存続と延命という旗印の下、微妙な権力バランスの妥協の産物として最高指導者になる 習。その船出は、胡と江という2人の総書記経験者の顔色もうかがいながらのものとなる。
    ◇  中国共産党の最高指導部が10年ぶりに交代する第18回党大会が、11月8日に始まる。「紅の党」第3部は、党員8千万人を抱える巨大政党の頂点に立つ 指導者たちに迫る。=本文敬称略 ≫(朝日新聞)


中国・韓国が死んでも教えない近現代史 (徳間文庫)
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“政治の劣化極まれり”などと云う生易しいものではない 民主政治の崩壊である

2012年10月20日 | 日記
「いき」の構造 他二篇 (岩波文庫)
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“政治の劣化極まれり”などと云う生易しいものではない 民主政治の崩壊である


 最近、知り合いの某出版社の編集員から“直近の政局話を書かなくなったね”と或る会合で声を掛けられた。そういえば、最近は先のことばかり考えている。先と言っても、将来とか、未来と云うほど大袈裟なものでもない。直近の政局は、話題に上らせること自体が恥じらいを伴うので書けない。そういう心境だ。解散総選挙を約束して、国賊的消費増税法案を成立させた、野田民主・谷垣自民・山口公明は羞恥の三人組である。

 その時点で口約束した「近いうち解散」と云う野田の便法に乗せられた、谷垣は放逐され、自民は安倍を党首に据えた。安倍も、谷垣と野田の約束を盾に、野田に解散の約束履行を強行に求めるものの、暖簾に腕押し、野田は慇懃な態度に終始するものの、解散などする気は毛頭ない腹を固めている。昔から永田町では「公定歩合と解散」については、嘘をついても良いという言い伝えがあるのだから、信じた方が馬鹿としか言いようがない。無論、信じたのか、自分達にも都合が良いので、増税法案を成立させた趣きもある。

 こんな経緯で起こった約束事を履行せよと言っても、建設的方向に事が進む筈もない。意味のない党首会談をするくらいなら、民主党の衆議院過半数割れに向けて、どんな汚い手を使おうが、離党議員を誘い出す裏稼業にでも精を出した方が理に適っている。対立政党の議員の裏切りを誘発させるのも、永田町の許される裏切りの類だろう。

 現に、今の民主党は圧倒的に衆議院を牛耳っている時点でも、他党からの寝返り議員を生みだしている。中途半端に居残る鳩山・川内・原口・山田らを離党させるだけの芸当でも実行した方が、余程前向きにさえ思える。与謝野馨の除籍処分解除など、愚にもつかない事を考えるくらいなら、民主党衆議院議員を選挙協力を餌に、一本釣りするくらいの汚さがなければ、社会主義事務局の民主党、裏切りと粛清のDNAに勝てるわけはない。野党を3年以上経験しても、与党ボケは消えていない自民党。与党を3年以上経験しているのに、革命裏切りのDNAが消えない民主党。どっちもどっちの、いわく言い難い実情である。

 このような惨状を、世間では“政治の劣化”などと、生易しい言葉を使って表現するが、そんなレベルはとうの昔に消えている。もう、政治は崩壊している。民主主義が代議員制にならざるを得ない現状が腹立たしく思えてくる。最近起きている国家の崩壊にも繋がるような出来事のすべてが、芸能ネタのように語られる状況は、政治の崩壊、民主主義の機能不全、国民生活の崩壊へとひた走っているように思われる。

 ちょっと新聞記事を眺めただけで、トンデモナイ出来事が勃発しているのだ。直接に“死人”が出るような状況ではないが、時間経過次第では“死にいたる”国民増産に結びつくような出来事が起きているのだ。このような、多くの出来事を、儀礼的旧態依然の切り口ではなく、真に迫る勢いで政府糾弾、国会糾弾してこそジャーナリズム魂ではないのだろうか。市井のブロガーの嘆きなど、何の影響力もないだろうが、筆者は語らざるを得ない。

 沖縄県民に対する、オスプレイ問題、米兵強姦強盗犯罪など、米国の横暴の限り。日本人の恥の文化の消滅を意味している。綱紀粛正とか、夜間外出禁止令とか、そんな小手先の矮小化で許せるはずもない。自国は自国の軍隊で守れ。オスプレイなどは国内に限らず、韓国飛行まで始めたそうだ。もう日米安保そのものの見直しにまで行き着く課題である。地位協定の枠を超えている。EU・米のFTA交渉だとか、日・EUのFTA交渉だとか、TPP後押し経済協定が目白押し状態で、こんがらがった中で、日本は欧米の餌食にされる情勢だ。ASEAN+6が、停滞している間に、国際金融勢力は次々と、外交力のない日本やアジアをドサクサに誘い込もうとしている。

 尖閣問題では、一触触発の事態を誘引し、親日であった台湾までも反日ポジションに変貌させてしまった。輸出大企業を中心とした経団連は、国家を背負う経済人としての矜持などかなぐり捨て、銭ゲバに徹する有様。あれだけの地球規模の放射能事故を起こしながら、平然と原発再稼働を画策する政府、グリーンエネルギーに向かう決然たる意思は微塵も見えない。輸出までしようとしているのだから、言うべき言葉もない。復興予算における、復興に関わる“風が吹けば桶屋が儲かる”論などは、霞が関文学・解釈の類を逸脱、公然たる合法的横領行為である。

 最後は、遠隔操作ウィルスによる誤認逮捕起訴の問題だ。詳細は語らないが、最も重視すべきは、当初犯罪行為を否定していた、誤認逮捕の被害者の人々が、最終的に、悉く犯行を認めてしまった供述と云う事実だ。ジャーナリストであれば、この問題を時系列で論ずる意味合いは薄い。なぜ、被疑者はやってもいない犯罪を認めるに至ったのか、それこそ問題にすべきである。以上、ずらずらと書いてしまったが、この国は病んでいる。それもかなりの重症だ。8割方、現在の政治の世界にはウンザリだが、もう一丁、活を入れて書き続ける事にする。多少読んでいて、本気で社説を書いていると思うのは中日・東京新聞くらいのものである。ネットでも読めるので、時間のある方は読んで損はない。他紙は読むに堪えない!


陰翳礼讃 (中公文庫)
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小沢と安倍の連携ありに“反論コメ”の嵐 何度でも言うが、野田民主よりは親和性あり

2012年10月19日 | 日記
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小沢と安倍の連携ありに“反論コメ”の嵐 何度でも言うが、野田民主よりは親和性あり

 昨日の拙コラム「“ナベツネの憂鬱”民自公連立よりもむしろ「自公+小沢」の線の方が視界良好と云う事実」の反響が大きかった。勿論、異論賛同の反響である(笑)。筆者は言い訳をするつもりはないのだが、もう少し解説は加えるべきだったかもしれないと反省している。マスメディアが作り上げている政治家への印象とか、政策が一点たりとも違わぬ政治的目標や政策を掲げている政党同士などと云うものは存在しない事を、現実的に捉えている。自民と公明でも相当異なるし、村山内閣の“自社さきがけ連立政権”などは右左中が徒党を組んだわけで、一点違わぬ連立・連携などありはしないのである。

 それでは、幾つかある当面の政治懸案事項を小沢、安倍の主張を参考に検証してみよう。経済政策では安倍は市場原理基調のあげ潮派だが、日本の伝統文化を温存する方に重きがあるので、何もかも自由に競争と云う立場は取れない。小沢は自由貿易・自由競争は大切だが、セーフティーネットもしっかり用意すべきだと言っている。それ程かけ離れた認識ではない。両者ともに産業構造の転換は必須と見ている。安倍は必ずしも経団連べったりではない。

 安倍は原発を含むエネルギー政策に関し、無原則に「原発ゼロ」は駄目だと言っているが、「脱原発依存」を掲げている。ただ、原発に代わる新エネルギーの確保が前提だと表現している。小沢の方は、もう一歩先んじ、10年間で無くそうと努力すれば、脱原発はなしうるとしている。根源的な違いはない。慎重に進めようと云う安倍と、積極的に取り組もうと云う小沢なだけである。

 消費税増税においても、安倍はデフレ経済の脱却もないのに、8%だ10%と云う増税は無理であり、経済の好転が大前提であると言っている。つまり、安易な消費増税に慎重である。また、食料品など生活必需品の税率を低くする「軽減税率」にも言及している。小沢は勿論、増税に前にやるべき事がある。やるべきことは、中央集権から地方主権である。この中央集権打破、地方主権は安倍も共通の認識を持っている。故に安倍は一時期、奇妙なアンチャン大阪市長と意気投合したのだ(笑)。

  通商政策の懸案事項であるTPP(環太平洋戦略的経済連携協定)への参加も共に慎重な態度だ。安倍は、日本伝統文化の尊重、国民皆保険など堅持を主張、「聖域なき関税撤廃」などあり得ないと言っている。小沢も似たようなものだろうが、交渉がチャンと出来るなら交渉くらいしても良いと言っている。実際は、米国とまともに交渉できるのは俺くらいだと暗に語っている(笑)。つまり、根本理念で米国が押しつけてくるTPPは日本の国益に資さないと認識している。

 以上、簡単に検証したのだが、意外や意外、菅や野田が率いる現在の民主党よりも、遥かに親和性が認められる。それでは、筆者が新党「国民の生活が第一」が安倍自民と連携して政権与党になって欲しいとは言っていない。ただ、菅や野田のような、既得権に阿り、霞が関の掌で政権を弄ぶ輩に比べれば、安倍晋三の方が、遥かにまっとうであり、小沢との親和性はあると言ったまでのことである。小沢支持者の中には、小沢が率いる政党「生活」が主義主張する事は、コレッポッチも譲れないような教条性を有している点がウンザリなだけである。権力を握らなければ、主義主張の一片たりとも実現しないわけで、ピュアな論理を押し通せるほど、軟な世界ではない。

 全世界を見ても、あり得ない組み合わせで、モラトリアムな蜜月期間を経過させているのがグローバル世界の現実である。小沢支持者中には、野田よりは安倍の方がマシと思っている人も少なからず存在するが、教条派の声はデカイ。ただ、この教条性は小沢の政治行動の手枷足枷になる事もある。嘗て、小沢一郎に心酔し、その下を去って行った政治家たちにも、似たような事情があるようだ。勿論、筆者は小沢支持である。ただ、その主張の一部が、政治権力闘争の過程で、一時棚上げされても、怒る事はないと云うことだ。熱く燃える支持も必要だが、醒めた立場でも支持する者が居ても良い。


日本の難題をかたづけよう 経済、政治、教育、社会保障、エネルギー (光文社新書)
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“ナベツネの憂鬱” 民自公連立よりも むしろ「自公+小沢」の線の方が視界良好と云う事実

2012年10月18日 | 日記
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“ナベツネの憂鬱” 民自公連立よりも むしろ「自公+小沢」の線の方が視界良好と云う事実

 17日読売の電子版、トピックスのトップが以下の記事。まさにナベツネ新聞だが、最近の右傾化の異様さは目に余り、醜悪の限度を超えている。ワシントン・ポストなどは、日本の新聞はナベツネ新聞しかないと思っているのかも(笑)。16日に起きた米兵による沖縄在住女性を集団強姦した事件を、朝日・毎日等が大きく扱う中、17日になって“ベタ記事”で報道するにとどまる。以下に掲載した記事などは“糞記事”だろう。いまだ影も形も見えない、実質的に消え去った“石原新党”の情報をトップに載せるとは、狂気の沙汰だ。 

  いまさら“たちあがれ日本”や“橋下維新”などの瑣末な出来事を、大見得気分で垂れ流すのは、ナベツネ新聞だけになったようだ。橋下に吹いていた風も沙汰やみとなり、いまや逆風状態。鼻でせせら笑っていた“週刊誌報道(週刊朝日)”にも、ピリピリ状態。この調子だと、年内には“日本維新の会”なんて政党もあったよねと云う昔話になるやもしれない(笑)。ナベツネ新聞社の記者どもは、何時になったらナベツネと云う独裁者がコロリと行くのか、本気で願っているのかも知れない。正常な神経なら、そろそろ恥辱の人生にピリオドを打ちたい気分だろう。そうそう、“iPS守口”の大誤報新聞として名を馳せて、幾日も経っていない。

≪「西は橋下、東は石原でやったら」…平沼氏提案
 たちあがれ日本の平沼代表は17日の記者会見で、石原慎太郎東京知事、橋下徹大阪市長(新党「日本維新の会」代表)と13日に会談した際、次期衆院選では石原氏が結成を目指す新党と維新の会が地域を分けて連携、協力するよう求めたことを明らかにした。
 平沼氏は「『西は橋下、東は石原という形でやったらいい』と言っておいた」と語り、西日本で維新の会、東日本で「石原新党」が候補を擁立し、相互協力すべきだとの考えを示した。
 石原氏はたちあがれ日本を母体とする新党を目指しているが、結党時期や候補者が固まっていない一方、維新の会は、「石原新党」の実現性が不透明な中で、みんなの党との連携も模索している。≫(読売新聞)

 石原慎太郎がジャパン・ハンドラーズに踊らされただけと云う認識は、ネトウヨさんらを除けば、概ね国民的コンセンサスが成立しているだけに、ナベツネは窮地である。事実関係を総合的にみると、経団連も野田の対中政策に、目先の利益云々で悲鳴を上げ、“銭ゲバ”な態度に終始し、石原の阿波踊りに苦虫を噛みしめている。個人的には愉快な出来事で、“米倉ざまぁみろ”なのだが、日中の対立は、結果的に支配国アメリカの存在を高める効果を齎しているので、ジャパン・ハンドラーズな勢力の仕掛けは成功したかに見え、ナベツネも満足かと思いきや、甚だ不満なようである。

 ナベツネの意図が、米国産軍複合体の為だけが目的なら、苛立つ必要はない。彼の目的は達成したのだから。しかし、新聞社全体の報じ方を見ると、あらぬ方向に情勢が向かっている苛立ちが垣間見える。それは何なのか、それを知る事で、見えていない事実関係が見えてくるのかもしれない。橋下や石原を持ち上げる確たる事実関係はないのに、火のない所で煙を立てている。この苛立ちの主たる原因は、安倍晋三の自民党総裁就任と云う、意外な結果に起因しているようだ。「自公民+維新」と云う大政翼賛政権樹立と憲法改正がナベツネの人生の集大成だった可能性がある。

 その大政翼賛政権の樹立、憲法改正で、ナベツネが何をどのように望んだのか、今ひとつ見えない部分がある点はさておくとする。いずれにせよ安倍晋三の自民党総裁就任で、当初目論んだ、野田・石破・橋下が隷米で一致と云うシナリオが壊れた。安倍晋三も隷米のように思われているが、安倍は、必ずしも隷米とは言い難いものを持っている。田原総一朗ではないが、バランスに配慮する気遣いが出来る政治家だ。ただ、バランスを取る事とアメリカのプレッシャーの板挟みに堪えうる精神を持っているかどうかの問題なのだ。TPPに諸手を挙げて賛成はしないだろうし、“美しい国日本”の観念に、アメリカナイズが日本の正しい国家像とは映っていないわけである。米国にとって、結構厄介な政治家なのである。

 その点では、個人的に石破よりはヨカッタ感じだが、ナベツネには都合が悪かったのだろう。野田の姿勢に与するつもりは安倍には毛頭ない。つまり、大政翼賛政権樹立の夢は遠ざかったとも言える。しかし、安倍の登場で、自民党の大勝に翳りも出てきて、国民の間に流れていた空気を引き裂いた。自民の大勝もない。橋下維新は凋落傾向が歴然となってきた。ナッシング扱いで、国民の目を向けさせないようにしていた小沢一郎の「国民の生活が第一」が、ドイツに大挙出張し“脱原発路線”を核に、大きな仕掛けで動いている。11月の陸山会判決如何では、大バケされないとも限らない惧れをナベツネが抱いている可能性はある。勿論、朝日、毎日、日経も、それは困ると思っているだろうがだ。

 小沢はターゲットを東日本に絞っているので、全国平均をすると、支持率は低く見えるのだが、東日本・北海道に限るとかなりの支持率をあげている。世論調査の詳細をひた隠しにするマスメディアだが、衆議院解散総選挙後、生活と新党大地が一定の勢力になる事は、理解できているのだろう。現実に街頭演説など選挙運動に入っている「生活」の議員たちは、それなりの反応を得ている。維新、みんなの党、減税日本等々が、最終的に“オリーブの木構想”に乗らないとも限らない。その怖さが、ナベツネの脳裏を掠めるのかもしれない。

 選挙の結果いかんなのだが、野田民主と安倍自民が連立する可能性よりも、小沢の「生活」中心のオリーブの木国民連合と安倍自民が連立する可能性の方が断然高いと云う点は、頭の片隅に入れておいた方が良い。自民の大勝に暗雲が立ち込めた時点で、ナベツネの焦りは、日本の自主独立派の大同団結に帰結している。隙あらば“アメリカ隷属の鎖”を断ち切るチャンスを虎視眈々と狙う“従順風食わせ者”と云う政権の誕生は、米国傀儡権力構造を維持してきた、ナベツネにとって、重大な危機なのだろう。どうも、民主に残る反増税、反TPP議員は牙を抜かれてしまったようだ(笑)。


狙われる日本配備 オスプレイの真実
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沖縄県警は米兵集団強姦致傷容疑で米兵緊急逮捕 オスプレイと云う火種に油が注がれた

2012年10月17日 | 日記
日米同盟の正体~迷走する安全保障 (講談社現代新書)
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沖縄県警は米兵集団強姦致傷容疑で米兵緊急逮捕 オスプレイと云う火種に油が注がれた

 両容疑者は沖縄基地所属ではないようなので、公務外・基地外と云う事で、沖縄県警が身柄拘束をしているようだが、予断は許せない。米テキサス州フォートワース海軍航空基地所属と云うことなので、オスプレイ沖縄配備に関連して訪沖縄した可能性もある。驚くことに、読売新聞と産経新聞は、23時30分の時点で、トピックス表示もしていない。なんと云う新聞社だ。あきらかに日本のマスコミではないようだ。

≪ 米兵2人、集団強姦致傷容疑で逮捕
 沖縄県警 沖縄県警は16日、沖縄本島内で県内の成人女性を暴行したとして、米海軍兵2人を集団強姦(ごうかん)致傷の疑いで緊急逮捕し、発表した。外務省は米側 に遺憾の意を伝え、仲井真弘多(ひろかず)知事は17日に米国大使館や官邸に対し、事件への厳正な対応を求める。
 逮捕されたのは、いずれも自称米フォートワース海軍航空基地の上等水兵クリストファー・ブローニング容疑者(23)と、3等兵曹スカイラー・ドジャー ウォーカー容疑者(23)。
 発表によると、2人は共謀し、16日午前3時35分ごろから午前4時20分ごろにかけて、本島中部の屋外で成人女性を次々に強姦し、首にけがを負わせた 疑い。2人は酒を飲んだ帰りで、面識のない女性が、仕事を終えて自宅へ一人で歩いて戻っているところを襲ったという。女性の首には絞められたような跡が あった。
 ブローニング容疑者は調べに対して「事実が間違っている」と容疑を否認。ドジャーウォーカー容疑者は認めているという。  在日米海軍司令部によると、2人は今月3日に来日し、厚木基地で勤務していたが、14日に任務のために沖縄入りしていた。  事件の直後に、女性の関係者が「暴行を受けた」と通報。県警が緊急手配していたところ、本島内のホテルに2人が泊まっているのを発見。女性がブローニン グ容疑者の顔を覚えていたことから緊急逮捕した。一方、ドジャーウォーカー容疑者を任意で取り調べていたところ、犯行を自供したという。案内させた場所が 事件現場と一致したことなどから逮捕した。
 女性のカバンがなくなっており、県警が関連を調べている。≫(朝日新聞)

 今夜のコラムの見出しは、以下のような問題を提起していたのだが、事件があったので、急きょ切り替えた。本来は「総論賛成・各論反対の本土の知事たち 沖縄訪問して現実を見よ」だったので、その続きを以下に繋いでおく。それにしても、今回の日本女性に対する、米兵による集団強姦、強盗までしている可能性もあり、オスプレイと云う火種に油を注いだ格好だ。このような大事件を報じようともしない、読売とは如何なる新聞社なのか?推して知るべしと云うものだろう。

 「総論賛成・各論反対の本土の知事たち 沖縄訪問して現実を見よ」
このような“見出し”だからといって、何も米軍の“欠陥オスプレイ”の日本配備を容認すると云うわけではない。ただ、人間として沖縄の米軍基地負担をこれ以上増やすことは、到底看過できないと云う事である。アメリカに 何ひとつ口答えも出来ない日本政府であるなら、せめて沖縄の県民の負担を軽減する国内的努力は、軍事云々以前の人間としての矜持である。時事通信が以下のような報道をしている。

≪ オスプレイ訓練移転要請へ=来月2日の知事会で-政府
 藤村修官房長官は16日午後、沖縄県の仲井真弘多知事らと首相官邸で会談 し、米軍普天間飛行場(同県宜野湾市)に配備された垂直離着陸輸送機MV22オスプレイの本土への訓練移転実現に向け、11月2日に開かれる全国知事会で協力を要請する考えを示した。沖縄の基地負担を軽減し、配備に理解を得る狙いがある。ただ、沖縄側は配備中止を求めており、溝は埋まっていない。
 仲井真知事は、米軍基地を抱える沖縄県と27市町村でつくる「沖縄県軍用地転用促進・基地問題協議会」会長として、オスプレイ配備見直しを求める要請書を提出。これに対し、藤村長官は「来月2日には全国知事会が開かれる。そこで分散(訓練移転)をお願いしたい」と述べた。
 オスプレイをめぐっては、野田佳彦首相も9日の仲井真知事との会談で、本土への訓練移転を進める考えを示している。  
 仲井真知事には佐喜真淳宜野湾市長、稲嶺進名護市長らが同行し、森本敏防衛相、樽床伸二沖縄担当相にも個別に要請書を手渡した。 
  要請書は、政府が普天間飛行場の同県名護市辺野古への移設方針を堅持していることに対し、「地元の理解が得られない移設案を実現することは事実上不可能」として、県外移設を改めて求めた。≫ (時事通信)

 全国知事会で協力を要請する考えだというが、必ず総論賛成、各論反対を該当知事が発言するのも、いつものワンパターンになり、要請したと云うアリバイだけが虚しく残るに過ぎない。尖閣問題ではないが、知事連中は野田首相ほどバカではないので、“寝た子を起こす”ような発言をする者はいないだろう。よく考えてみると、藤村の言う、「垂直離着陸輸送機MV22オスプレイの本土への訓練移転実現」とは“危険の拡散”を自ら認めたにも等しいわけである。がれき処理の“わかちあいの精神”とよく似た構図だ。安全だから、“全国民的に分かち合いましょう、ねっねっ”と言っている事になる。しかし、オスプレイの“何を”分かち合うのか、そこが判然としない。

 自衛隊が一機も所有していないオスプレイなのに、政府としても“安全を確認した”米軍から出されたデータを分析と云うのだろうが、米国本土で訓練をしないオスプレイは、危険だから実施できないわけである。性能技術以前の米軍のオスプレイ運用状況を観察すれば、事故があっても痛みが少ない所で訓練しようと云う意図は明確なわけで、危険な飛行物体であることは、運用状況から察しがつく。まぁ、強引にでも本土各地の空をオスプレイが縦横に飛び出せば、本土の国民の意識も変わってくるだろう。不幸中の幸いではないが、人里離れた山中とか海にでも墜落する事故でも起きない限り、オスプレイ問題は、対岸の火事と思う国民が多いのも事実である。

 勿論、そもそも論でいうなら、他国の軍隊が、平時においてもドデカイ顔で居座るのか?そこからの問題である。右傾化した論者の多くも、中国脅威論で米軍のプレゼンスを認める発言が多いが、違うだろう。海上自衛隊の戦力で、充分中国海軍に勝てるのであれば、常時米軍が駐留する意味への疑問を提示するべきだ。“我々は強い”それを主張するのであれば、他国の軍隊の駐留の必要もないと主張すべきだ。

*核の傘が必要だと言い出すのだろうが、核の傘だけなら、横須賀の第七艦隊だけで事足りる。まぁ、グローバル化した経済事情においては、核戦争など想定する意味合い自体、馬鹿げたものになっている。にも拘らず、核武装の道を留保する為に、“原発は必要だ”も、アホ臭いオタ論である。やはり、モノ言える政治外交が機能しない事には、独立国家の夢は、夢で終わると云うことなのだろう。しかし、ここまで国家のシステムが、網の目状に米国支配が行き渡っていると、チョットやソットの抵抗では、その網の目をほどく糸口すら見つけられないような無力を憶える。今夜はネガティブな話に終始したが、明日は何か明るい材料でも探そうと思う。あれば良いのだが・・・。

 追記のような感じになるが、不幸な出来事は忘れたころに必ずやってくる。ヘリコプター墜落事故の教訓も生かされず、沖縄だけにしわ寄せがいく、日米安保と云う代物がいかなるものか、少なくとも日本人なら、関心を持つべき問題だと筆者は強く思う。沖縄、延いては琉球王朝の歴史まで、サラっとでも良いから、日本人に知っておいて貰いたい。


本土の人間は知らないが、沖縄の人はみんな知っていること―沖縄・米軍基地観光ガイド
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サムソンの業績好調を羨む日本のマスメディア 韓国経済の実態を伝えるべきだろう

2012年10月15日 | 日記
日本人はなぜ中国人、韓国人とこれほどまで違うのか
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サムソンの業績好調を羨む日本のマスメディア 韓国経済の実態を伝えるべきだろう

 『 日本対韓国戦 19対1 』 この表記はベースボール風味だが、韓国ではノーベル賞が少な過ぎると嘆いている。揶揄するつもりは毛頭ないのだが、“嘘つき全国紙”(マスメディア)や経済誌などが矢鱈と持ち上げる“サムソン、現代”の大躍進とか、韓国国家の全勢力を傾けた、無理に無理を重ねたギリギリの結果を持って比較し、経団連への追い風を吹かせようという企みを暴露する為にも、少し本気で、韓国事情をウォッチしてみた。読売が以下のように、韓国のノーベル賞感について伝えている。

≪ 韓国、ノーベル賞に熱…金大中氏だけ・科学ゼロ
 【ソウル=門間順平】これまでにノーベル賞受賞者が1人しかいない韓国が、受賞者を増やそうと国ぐるみで躍起となっている。  特に目標とするのが、日本には16人いる自然科学分野での受賞で、韓国政府は予算を積極的に投入し、研究者の育成に努めている。
 「1対18」――。山中伸弥京都大教授の生理学・医学賞に始まり、各賞の発表が続く8日からの「ノーベル賞ウイーク」の直前、有力紙・中央日報が特集記事に付けた見出しだ。韓国のノーベル賞受賞者が金大中元大統領(平和賞)1人なのに対し、日本は18人(現在は山中氏を加え19人)という意味を込めている。
 記事では、「独島(竹島の韓国名)は我が領土と主張するのも重要だが、国力を上げれば、日本が韓国を軽んじることはできない」とし、「基礎科学が弱い国は決して強国になりえない」と訴えた。≫( 読売新聞)

 韓国経済は一見すると、昨年末までは嫌に元気が目立った。しかし、GDPに占める輸出入企業への依存度(貿易依存度)が100%(日本は28%)なだけに、EU危機とアップル訴訟合戦がボディーブローとなり、韓国経済危機の序章が始まった感がある。1997年の通貨危機はアジアに限定的に起きた問題だが、今回の世界的経済危機は欧米や中国までも引き込む、過激ではないが構造的下降線であり、輸出依存が偏った韓国経済のダメージは大きい。内需に転換しようにも、パイがそもそも少ないので、向けるべき国内市場が育っていない。国民に中間層と呼ばれる水準の層もないので、ピンかキリにならざるを得ない。早い話が背伸び経済と言っても過言ではないだろう。

 また、韓国経済の儲け先は海外に頼る経済なので、世界経済の低迷イコール貿易の不振イコール国家経済の低迷となる。もう一つの問題が海外からの資金流によって資本が成り立っているので、貿易の低迷が資金の逃げ足を早める可能性が出てくるという事になる。日本の場合、たしかに借金は多いが、国民から借りているので、急激にどうこうなる不安はないのだが、韓国の場合、海外からの借金で回しているのだから、危ないとなれば、何時でも逃げてゆく資本で成立している。要するに綱渡りそのものなのだが、官僚含め、国民全体が、そこに危機感は持っていないようだ。

 直近のことだが、2008年のリーマンショックと2011年EU危機の折、現実に海外資本は逃げ出し、資金不足に陥った。その時、米国の圧力もあったわけだが、日本が日韓スワップ協定で助けた現実がある。こう云うことを、韓国国民は殆ど知らないのだから、なんだかバカバカしい人助けにも思える。これで慰安婦問題がどうだこうだと難癖をつけられ、天皇まで侮辱されたのでは、ネトウヨが怒り出すのも肯けてしまう(笑)。まぁしかし、一時は日韓併合までやったわけだから、或る意味ダダをこねる親戚のつもりでつき合わざるを得ない隣人なのだろう。それにしてもサムソンを引き合いに、経団連をもっと大切にしろと云う、“嘘つき全国紙”の論調は不快そのものだ。

 英国経済誌エコノミスト(英国の経済誌であるのに、なぜか読者の殆どがアメリカ人と云う奇妙な雑誌)の日本版・週刊エコノミストが目にとまったので、買ってみた。なんとも薄っぺらな週刊誌だが、定価は600円也。モッタイナイと思いつつ、“特許紛争でアップルがサムソン外し、暗雲!韓国経済”『沈む韓国経済』“世界不況に直撃される輸出依存型モデル”等と云うキャッチコピーに惹きつけられて購入(笑)。書いてある事に特に目新しさはなかった。あまり気にしていなかった事実として判った事は、異様な速度で進む少子高齢化。アップルに組み込んでいたDRAMやNANDが今後採用されない等々。異様な学歴社会でありながら、大学生の就職率が50%程度と云う事実で、格差社会は日本の比ではないようだ。

 一番面白かった(参考になった)記事が経済とは関わりのない、産経のソウル特派員黒田勝弘氏のコラムだった。韓国でも反日運動は起きるのだが、極めて限定的で馴染みの顔ぶれが活動しているだけである。韓国人の日本観は、反日であり親日であると云う、矛盾した感情の狭間に存在する。欧米や中国では、サムソンが日本企業だと思っている人々も多いと云う情報に触れた韓国人は自尊心を痛く傷つけられたそうである。(こっちにしても良い迷惑だがね(笑))韓国では「ハン(恨)」と云う言葉がよく使われる。この言葉は、他人への恨みつらみとうよりは、“自らの夢や期待が果たされなかったことから来る鬱屈した思い”なのだそうである。したがって、韓国人の反日感情は歴史的に、日本にしてやられたことよりも、その日本による支配を自力で打倒出来なかった事への鬱憤、やるせなさなのだと書いている。出来たら、“日本と本気で戦争して、勝ちたい!”と云う国民感情がある。最終的に、日本に勝ちたい!と云う感情が、彼らの「元気の素」なのだそうである。真実かどうかは判らないが、まぁ面白い話だ。


2050年の世界 英『エコノミスト』誌は予測する
クリエーター情報なし
文藝春秋


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