世相を斬る あいば達也

民主主義、資本主義とグローバル経済や金融資本主義の異様な違いについて

●読売の混乱とナベツネ帝国の崩壊 清武訴訟でパニック症状か

2014年06月30日 | 日記
集団的自衛権のトリックと安倍改憲
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●読売の混乱とナベツネ帝国の崩壊 清武訴訟でパニック症状か

 読売新聞が土台から崩れかけているようだ。新聞全体の心棒が抜けたような記事が此処1か月続いている。このようなことは嘗てない事なので、目立つ。何が違うか、決定的論拠はないが、渡邉恒雄(ナベツネ)の新聞と云う臭気が薄まっていることだ。その辺の諸事情に関する情報がないので、筆者の思い過ごしかと思っていたが、必ずしも思い過ごしとは言えない事情もあるようだ。そのことに気づいたのは、以下の情報屋として名高い歳川氏のコラム内で知ることが出来た。無論、筆者の深読みと云う危惧もあるのだが、その気づきの根拠等は、歳川コラムを読んだ後、簡単に語っておく。

 ≪「体調不良」渡邉恒雄・読売新聞主筆の処女作『派閥』は政治の法則性を知る名著
  6月初頭、読売新聞グループ本社の渡邉恒雄会長・主筆(88歳)が体調を崩し、数日間入院したという。今年に入ってからだけで2回、救急車で搬送されたとも言われている。
■安倍首相の祖父・岸信介首相時代のナベツネ氏処女作
  その渡邉氏が、1958年9月に出版した『派閥』(弘文堂)が「若き政治記者=渡邉恒雄の記念碑的処女作。いまに生きる不朽の派閥論」と銘打ち、復刊された。 同書刊行はナベツネ氏32歳の時である。すでに当時の大野伴睦自民党副総裁の懐深く食い込んだ政治記者として名を馳せていたが、「複雑怪奇に躍動するナマの政治のメカニズム」(渡辺氏)を見事に描ききっている。
 1958年(昭和33年)9月と言えば、安倍晋三首相の祖父・岸信介氏が首相を務めていた。この本の巻末にある「自民党代議士当選回数表」を見ると、懐かしい名前が列挙されている。
 鳩山一郎(鳩山由紀夫元首相、鳩山邦夫元総務相の祖父)、大野伴睦、川島正次郎、河野一郎(河野洋平元衆院議長の父、河野太郎副幹事長の祖父)、小 沢佐重喜(小沢一郎生活の党代表の父)、吉田茂(麻生太郎副総理・財務相の祖父)、石橋湛山、岸信介、池田勇人、佐藤栄作、保利茂(保利耕輔元文相の 父)――。 自民党黄金時代の立役者ばかりだ。安倍首相の父・安倍晋太郎元外相(1991年没)、金丸信元副総裁(96年没)、竹下登元首相(2000年没)が1年生議員という時代である。
■「派閥の争いは人間社会の宿命でもある」
  渡邉氏は1950年に読売新聞社に入社、2年後に政治部に配属された。政治記者歴6年目に『派閥』を刊行、今日まで日本政治をウォッチングしてきた。同氏は言う。
 「派閥の争いは人間社会の宿命でもある。変転常ない政界の動きに、数多い派閥の栄枯盛衰を見るとき、私は太平記や源平盛衰記をひもとくときのような、ある種の感慨をおぼえる。そこは情無用の暗い世界でもあり、政治家たちの生命をかけた投機とギャンブルの世界でもある」
 本書には岸信介、大野伴睦、河野一郎らの派閥の実態が赤裸々に描かれ、さらに広川弘禅元農相の凋落から小選挙区制を導入した場合の問題点(当時は中選挙区制)などの項が設けられている。
 懐古趣味だと言わないでもらいたい。政治学、政治史の貴重な参考文献である。 だが、渡邉氏の健康が気にかかる。
 先に読売新聞グループの人事が発表された。かつて「政治部王国」と言われた同紙の東京本社枢要ポストに社会部、経済部出身者が起用された。ナベツネ体制異変の兆しなのか。現時点では判定材料が乏しい。
 ところで、この間に政治記者出身のジャーナリストの新刊が相次いで刊行された。 元共同通信編集局長の後藤謙次氏の『ドキュメント平成政治史1』(岩波書店)、朝日新聞特別編集委員の星浩氏の『官房長官―側近の政治学』(朝日新聞出版)、読売新聞特別編集委員の橋本五郎氏の『総理の覚悟―政治記者が見た短命政権の舞台裏』(中公新書クラレ)である。永田町ウォッチングを生業とする筆者にとって、どれも参考になる良書だ。
 それにしても、今から半世紀以上も前に、若きナベツネ記者が僅か10日間で書き上げた『派閥』こそ政治の法則性を知る最高の本と断言したい。新聞社経営のトップとして君臨すると同時に、“現役政治記者”であり続けた渡邉氏の原点が本書である。
■安倍首相と渡邉恒雄氏の会食はあるか
  6月24日、アベノミクスの新成長戦略(日本再興戦略)、経済財政運営と改革の基本方針(骨太の方針)が閣議決定された。そして焦点の集団的自衛権行使容認に向けた憲法解釈の閣議決定も、早ければ7月1日、遅くとも4日には閣議決定される。
*筆者は、懸案をクリアした安倍首相が6日からの外遊ラッシュの狭間を縫って渡邉氏と会食の機会を持つのかどうかに注目している。なぜならば、安倍首相が「マスコミ界のドン」渡邉氏を忌避しているとされるからだ。 ≫(現代ビジネス:歳川隆雄のニュースの深層)


 以上の歳川氏のコラムは、所謂「提灯コラム」なので、情報屋としての才能が充分に生かされている。まあその辺は、同業のような部分も持つ筆者として理解できないわけでもないのでスルーしておこう。問題は「提灯コラム」の中身ではない。上記コラムの中に、気になる部分が二か所あった。
1、『6月初頭、読売新聞グループ本社の渡邉恒雄会長・主筆(88歳)が体調を崩し、数日間入院したという。今年に入ってからだけで2回、救急車で搬送されたとも言われている。』
2、『新聞社経営のトップとして君臨すると同時に、“現役政治記者”であり続けた渡邉氏の原点が本書である。』の二か所だ。

 年齢が88歳になる渡邉氏なのだから、救急車で緊急に運ばれること自体はあり得ることだ。しかし、昨年までは、そのような事態が起きたと云う情報はないので、今年に入り、高齢による体調不良が頻発していると云うことになる。半年の間に、二度救急搬送と云うのは、誤飲(食道に入るべきものが気道に入る)など高齢者独特の症状と云うことも考えられる。しかし、購読者数1000万部を標榜する新聞社の現役主筆がその辺の健康管理を怠ると云うのは考え難い。そうなると、名医の健康管理下でも対処が難しいストレスによる体調不良と云う可能性も疑う必要がある。

 次に、歳川氏は気にせず書いてしまった日本語だが『…“現役政治記者”であり続けた渡邉氏…』が過去形になっている部分だ。“あり続けた”は本来“あり続ける”が正しい。憶測すれば、“あり続けた”になってしまった。或いはそのような状況が接近している事をキャッチアップしているために起きたミスかもしれない。まさか、暗に読者に、それを知らせるほど良心的情報屋とは思えない。コラムの閉めに『安倍首相が6日からの外遊ラッシュの狭間を縫って渡邉氏と会食の機会を持つのかどうかに注目している。』と書いているが、ナベツネの健康状態を知る手がかりを求めているようにも読める。

 安倍晋三が上から目線を嫌うのは性癖であり、軽い神輿として宙に浮いていることでエクスタシーを憶えるのだから、鞭やロウソク好みのⅯではない事だけは確かなので、ナベツネが元気でも会いたくはないだろう(笑)。各社の世論調査によると、「集団的自衛権閣議決定」の評判は散々だ。説明不足だと云うメディアの論調に煽られた国民が「もっと丁寧に説明しろ」とオウムのように言葉をなぞるが、説明を聞けば聞くほど霞が関禅問答に嵌るわけで、説明責任うんぬんと云うレベルの話ではない。早い話、国民を米軍の餌食にします、と言っているのだから、説明など出来るわけがない。

 まあ、多くのメディアやブログ等々で、集団的自衛権の内容は語られているのだから、特に筆者が多くを語る必要はない。それよりも、ナベツネの体調不良の原因がなんであるかの方が気になる。筆者はナベツネのストレス説に傾いている。理由は簡単な事柄に起因する。その原因はナベツネ率いる読売新聞社と巨人軍球団代表だった清武氏との間で起こっている訴訟合戦にある。Jcastなどに記事では“ナベツネ法廷で吠える!”等と平気の平左なナベツネの嘯くふてぶてしい態度のように表現されているが、訴訟弁論で、ナベツネは自説を朗々と語ったが、清武側の弁護士からの厳しい追及に、しどろもどろな醜態を見せたのが、実際の法廷劇だ。

 つまり、“お白洲外”のポジションで、人様を傷つけるのがナベツネの日常だったのに、清武側のY弁護士の皮肉に満ちた、手厳しい論理の矛盾点を突かれ、立ち往生したというのが事実のようだ。法廷における容疑者や被告人の立場に対し、警察・検察の最大のイエスマン・メディアとして、魔女狩り推進の先鋒を務めるナベツネだが、自らが“お白洲”の張本人になる緊張感は、安全地帯で「政界フィクサー」等と呼ばれ慣れている身にとって、怒涛のストレスが掛かっていると観察することが出来る。このような不慣れな立場に追い込まれ、追い詰める人間が、追い詰められる人間にポジションチェンジした瞬間に、ストレスは最高潮に達する。

 また、安倍晋三がマスメディア現役幹部の“金の玉”を握り、完全支配下に置いたわけだが、ナベツネだけは蚊帳の外に置かれていた。読売の論調は、全面的に安倍官邸の方針にエールを送りながらも、どこか煮え切らない元凶がナベツネにあると睨んでいるようだ。安倍官邸にしてみれば、もう「政界フィクサー」気取りで国士面されるのが不快なのだろう。“天上天下唯我独尊”で居たい安倍にとって、ナベツネは五月蠅いだけの存在かもしれない。穿った心で推論していくと、今回の清武読売訴訟合戦の法廷闘争を通じて、ナベツネの名誉を傷つけ、「政界フィクサー」、「マスコミのドン」を、老兵として消えて貰う行政司法の結託が見えているのかもしれない。現実、このような杞憂も、ナベツネのストレスになっている可能性はある。

歴史家が見る現代世界 (講談社現代新書)
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●二人の論客 古賀茂明(倫理派)と長谷川幸洋(テクニック派)

2014年06月29日 | 日記
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●二人の論客 古賀茂明(倫理派)と長谷川幸洋(テクニック派)

 本日は多忙のため、現代ビジネスの看板論客、古賀茂明氏と長谷川幸洋氏のコラムを通読してみた感想だ。筆者の感性は、当然のように古賀氏をチョイスする。長谷川氏は批判対象として、時折火あぶりにして楽しむ、貴重な逸材だ。皮肉も込めて、毎度お世話になっていますと云う心である(笑)。長谷川の何が一番の間違いかと云うと、アメリカンスタンダードの信奉者で、アメリカの覇権は永久不滅と云う大前提に立つ論を繰り広げているだけで、改革推進の気鋭のジャーナリストを装う、20世紀の大枠の既得権を擁護する旧守な男と云う点だ。

 その大きな目的を、目先の小手先改革論を振りかざし、リベラル改革ジャーナリストのポジショントークでメシを食う、似非ジャーナリストと云う臭いだ。スケールこそ異なるが、小さくした立花隆なのである。常に上から目線の書きぶりも不愉快だし、最大の欠点はテクノクラートと同じ目線に立つ、民間ジャーナリストの立ち位置で、実は、官制ジャーナリストとしての地位を確立した男と判断している。最高にして、最悪な長谷川氏の欠点は、「心」がないのだ。

 それに比して、テクニカルにおいては長谷川氏に後れを取るが、「心」で政治マターを見つめる目がある。筆者も、未知と言わざるを得ない「21世紀」と云う時代に突入しているいま、テクノクラート連中の技術論につき合うと云うことは、彼ら同様の土俵で分別作業をする「ロボット化」現象に巻き込まれるのである。日本人の心であると同時に、人類の心でもなければならない。もうそういう時代になっているのに、いまだ日本人の多くが長谷川氏同様の過ちの中にいる。昨日の村上誠一郎しではないが、技術論でもなく、20世紀の枠組みでもない、人類の英知に心を配る未知の21世紀論が求められている時代なのだろう。おお出かける時間が迫った。少々尻切れトンボなコラムになったご容赦!


≪ 官々愕々 集団的自衛権とワールドカップ
 集団的自衛権の行使容認をめぐる与党協議が大詰めを迎えた。本稿執筆時点では、国会会期中の閣議決定は見送られそうだが、当初「期限ありき」ではないと言っていた安倍総理が、急に「今国会会期末までに」閣議決定したいと大騒ぎを始めた時は、やっぱり嘘つきだなと思った方も多いだろう。
 会期末6月22日は日曜日だから、実質的には20日金曜日が期限になる。年末に予定される日米防衛ガイドライン改定に間に合わせるために早く決定したいのはわかるが、ピンポイントで20日にこだわる理由にはならない。
 実は、最近になって安倍総理は、急に不安になったのではないか。当初は、自分が前に出れば、簡単に世論は自分になびくと甘く考えていたようだ。紛争地の港から母親に抱かれた赤ん坊を乗せて運ぶ米軍艦の絵を見せながら、今のままでは「国民の命を守れないんです!」と絶叫したパフォーマンスはまったく不評。官邸でも頭を抱えてしまったという。時間が経っても国民の理解が進まないのは、昨年の特定秘密保護法と同じ。今回も、だんだん反対の声が強くなるリス クが出てきた。
 こういうときに悪知恵を出すのは官邸官僚たちだ。事実上の会期末20日と言えば、ワールドカップ日本代表のギリシャ戦。日本時間早朝7時キックオフだ。ギリシャ戦に勝利すれば決勝トーナメント進出の可能性が出てくるので、午前9時前には、日本中がお祭り騒ぎになる。負けたとしても当日と翌日のニュースはこの話で埋め尽くされる。定例の閣議は9時前後。集団的自衛権行使容認の閣議決定のニュースはあっという間にかき消される。こんなにぴったりビッグイ ベントが重なるチャンスはめったにない。何が何でも20日というのは、こんな企みだったのかもしれない。
 そんな折、イラクでISIS(イラクシリアイスラム国)という武装勢力が「突然」北部を制圧。首都バグダッド近くまで侵攻してきた。
 安倍総理の心ははやっているのではないか。彼がいかに好戦的かは昨年暴露されている。シリアの化学兵器使用に対する米国の武力介入の可能性が高まった8月28日、中東歴訪中の安倍総理は唐突に「アサド政権は道を譲るべきだ」と事実上アサド退陣を要求した。
 逆に、米国のケリー国務長官はその翌日、「アサド政権打倒が目的ではない」と強調した。同日、英国も派兵を見合わせ、オバマ大統領も結局は武力行使を止めた。
 そこには、中東における複雑な状況を理解した上での慎重な決断という面がある。シリアの内戦は、アサド独裁政権対民主勢力という単純な図式ではない。反政府勢力の中心は、元アルカイダ系のISISや周辺国の支援を受けた武装勢力で、国民の多くはアサド政権の方がまだましだと考えている。無理にアサド政権を倒しても事態は逆に悪化すると見込んで各国は自重した。一方、安倍総理はイケイケどんどんの「正義の戦争」ごっこで、アサド退陣を叫んだのだ。
 今、シリアで敗色濃厚となったISISなどの武装勢力が大挙してシリアを脱出してイラクに集結し、次なる「聖戦」を始めている。安倍総理から見れば、「正義の味方日本」の出番。「この地域が混乱して日本に石油が入らなくなる」と危機感を煽り、米国の対イラク武力行使に参加したい。それもあって、集団的自衛権行使で、ホルムズ海峡の機雷掃海を公明党に認めさせようと必死になった。 こんな危険な総理の暴走を抑えるのが憲法9条の役割。しかし、9条が抑えるべき安倍総理が、逆に9条を破棄しようとしている。 絶対に許してはならない。  ≫(現代ビジネス:古賀茂明の官々諤々『週刊現代』2014年7月5日号より)


 ≪ 日本が朝鮮半島有事で引き受けなければならない役割について
集団的自衛権の行使容認をめざす憲法解釈の変更について、自民党と公明党が合意する見通しだ。与党協議の最終盤で、国連決議に基づく機雷除去など「集団安全保障」に基づく活動も容認するかどうか、が焦点になった。今回はこの問題を考えてみる。 日本の安全保障体制と米軍基地 私は5月2日公開コラム(http://gendai.ismedia.jp/articles/-/39149)で、日本が朝鮮半島有事でも米国に基地の使用を認める姿勢を示したときから、実質的に集団的自衛権の行使を容認してきた点を指摘した。
おさらいすると、こういうことだ。 日米安保条(http://www.mofa.go.jp/mofaj/area/usa/hosho/jyoyaku.html) は第6条で、日本だけでなく極東(具体的には韓国と台湾、フィリピン)の防衛にもコミットしている。
そのうえで1969年、当時の佐藤栄作首相は朝鮮半島 有事の際「日本は(米軍の基地使用について)前向きに、かつすみやかに態度を決定する」と米国のナショナル・プレスクラブで演説した。 米国は日本の基地を使って戦闘行動に入るとき、日本と事前協議する。だが、それは「建前上の儀式」のようなもので、事実上は「使用を認める」と表明した。
米国にとって日本の基地は極東防衛に死活的に重要であり、日本が認めないなら、沖縄は返ってこなかっただろう。 したがって北朝鮮が韓国を攻撃すれば、日本は自分が攻撃されていなくても、韓国防衛に出動する米軍に基地提供という形で武器、弾薬、兵力の補給を支 援する。
これは、本質的に日本の集団的自衛権の行使になる。米軍と一体になって武力行使をするのと基地提供ではレベルの違いはあるが、北朝鮮からみれば、 日本と米国は一体である。 このコラムを公開した後で、私は安倍晋三政権で要職にある現役官僚を含む複数の外務省・日米安全保障条約課長経験者と意見交換した。私が上記のような認識を述べると、彼らは異口同音に「まったくその通りです」と賛同した。…… ≫ (現代ビジネス:ニュースの深層・長谷川幸洋)

筆者注意書:以下、くどくどと長谷川幸洋は、我こそがジャーナリストの鏡だと嘯き、テクノクラートから得た「ご説明」を開陳している。拙コラムにも、一定範囲の品格は保ちたい気持ちもあるので、長谷川の外務・防衛の役人どもの伝聞説明を全文掲載は控える。お読みになりたい方は、
URL  http://gendai.ismedia.jp/articles/-/39695
で続きを読むことができる。

原発の倫理学
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●小沢の隠し玉か? 反骨リベラル政治家村上誠一郎と云う男

2014年06月28日 | 日記
宰相の羅針盤―総理がなすべき政策 改訂・日本よ、浮上せよ!
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●小沢の隠し玉か? 反骨リベラル政治家村上誠一郎と云う男

 いま最も旬な政治家がいる。その名は、自民党の衆議員9期・村上誠一郎だ。どちらかと言えば、悪役的風貌の62歳の自民党政治家だ。本来であれば、大物政治家として活躍の場が度々あってもおかしくないのだが、小泉政権下で内閣府特命担当大臣になったのが役職らしい役職だ。東大法卒の切れ者でもある。人格は極めて高潔にして穏健なイデオロギーを有しているが、付和雷同が大の苦手らしく、なあなあで手打ちをすることを好まない面があるようだ。しかし、安倍の勢いにおもねる日和見自民党政治家の中で、自民党のリベラルな側面を継承し、且つ臆することなく安倍晋三の間違いを指摘し、憲法解釈にと云う、下位法が上位法を捻じ曲げる禁じ手を強く非難する姿は爽快であり、痛快でもある。

 小派閥河本派に属していた。(*注:後に高村派所属だが、そりは良くないようだ)河本派は宏池会同様に自民党の融通無碍、清濁併せのむ懐の深さ、安定感のある政党としての特性があった。しかし、宏池会の後継者谷垣は、リベラルを捨て、ボクちゃんは保守だと言って恥じ入る素振りも見せない。宏池会の恥さらしであるが、今の得を手に入れるための手段として、あまりにも情けない。それだけに一人野党精神を貫くリベラル保守・村上誠一郎の存在が際立つ。表面上、間違いなく自民党内で村上は孤立している。しかし、永田町全体で見た場合、必ずしも孤立はしていないし、朝日新聞が心配している口調で揶揄するほど軟な政治家でもない。以下は朝日の揶揄込の特集コラムだ。


 ≪ (政々流転)村上誠一郎・衆院議員 リベラル一人旅どこへ
 ◇村上誠一郎・衆院議員(62歳) 水軍子孫、国家の大事と大音声
 集団的自衛権、特定秘密法。どんどん進む安倍政権のブレーキ役が不在だ。村上誠一郎(62)は自民党内でたった一人、異論を唱え続ける。仲間は集まらず、立ちはだかっても声が聞こえないかのようにするりと素通りされる。野党さえ支持率が高い安倍政権にすり寄る。それでもほえる。    
  *  
 特定秘密の指定が妥当かをチェックする、国会に監視機関を設置する国会法改正案。採決の13日、村上の姿は議場になかった。約7カ月前、「国民の知る権利を奪う」と反対した特定秘密保護法の採決に続く欠席だった。
 党の最高意思決定機関、総務会のメンバーで、積極的に発言する。役職もなく、発信の場が限られているせいでもある。原発の再稼働方針が記されたエネルギー基本計画案には「福島の原因究明が中途半端なのにいいのか」と声を荒らげた。首相安倍晋三が「集団的自衛権行使容認の憲法解釈の最高責任者は私」と答弁したときは、「選挙に勝てば勝手に変えられるのか」。
 総務会で集団的自衛権が議論された今年3月には「あんたらより若い連中が戦場に行かされて死ぬかもしれないんだぞ。そんな大事なことを閣議決定で簡単に決めていいのか」。記者たちを前に声を震わせ、感極まって涙があふれた。
 「問題の本質に気づかないのか、ノー天気なだけか」。本人は、同調者がいないのが不思議でならない。首相に直言できない党は「右に傾いて沈没しかねない船」と映る。「何でも反対だと党内の共産党といわれる」と、ここぞという時しか反対していないつもりだ。でも総務会長の野田聖子の声が党内の冷たい視線を代表する。「いつも言いっ放し。そういうスタイル」    
  *
 異議申し立ては昔からだ。1987年、当選1期の村上はスパイ防止法案を巡り、谷垣禎一らと反対の論陣を張った。政界へ導き教育した元通産相の河本敏夫は後押ししてくれた。
 かつての自民党は、右にふれそうになると、リベラル派が存在感を示しバランスをとった。村上は自らを「ぶれないリベラル」という。
 村上が属した河本派は小派閥。自民党のリベラル本流は、大平正芳や宮沢喜一ら首相を生んだ「宏池会」だった。宏池会は分裂、なりを潜めている。宮沢にかわいがられ、宏池会の流れをくむ谷垣は今年、国会で「私は自分をリベラルと思っていない。保守と思っている」と答えた。    
  *
 村上のルーツは、中世から瀬戸内海を支配した海賊、村上水軍だ。村上は水軍が行き交った島々を愛媛の選挙区として回り、船上から政策を訴える。
 村上家には「国家の大事には親兄弟のしかばねを乗り越えて戦え」という家訓が代々継がれる。大蔵省事務次官から参院議員になった伯父孝太郎は「次世代につけを残すな」。衆院議員だった父信二郎は「防衛予算は少ないほどいい。隊員が犠牲にならないよう国は万全を期すべきだ」と説いた。
 勉強熱心で分析好き。推理小説を読みながら筋やトリックを紙に書き、作者の隠した意図を読み解こうとする。「政策のプロフェッショナル」を自認し、日本の財政状況や安全保障環境などのデータをいつも持ち歩く。
 政治家一族の毛並みの良さ。9回連続当選の選挙の強さも発言を後押しする。32年支援する地元の渡辺隆士は、党に反発する体重110キロの村上に「暴れず小さなみこしは担ぎやすい。でも間違ったことは言っていない。応援する人は増えている」と自慢げだ。
 そんな村上にも古傷がある。05年の小泉純一郎首相による郵政民営化解散。行革相だった村上は解散に反対した。自民党が負けると思ったからだ。ポケットに辞表を入れ小泉の説得を試みたが、届かない。所属派閥の若手の顔が浮かんだ。大臣の肩書で選挙応援に行こう。解散詔書に署名をした。選挙は大勝したが、小泉を止められなかった後悔は残る。だからこそ今回は。
 「このまま行けば、国民に倍返しされる」と村上は次の選挙での自民党を危惧する。党内に同志がいない村上には、党派を超え「問題の本質を判断できる仲間」が必要だ。今年から行革相時代の秘書官、民主党の玉木雄一郎ら野党若手国会議員と勉強会を始めた。
 「魔女狩りも間違っていたと、歴史が真理を証明した」と自分に言い聞かせながら、村上の党内一人旅は続く。
 村上はピエロか、それとも党の救世主なのか。審判は次の選挙で下される。=敬称略 ≫(朝日新聞デジタル:上地一姫)


 村上の論は筋道が通っている。狂気の安倍政権では瞬間的にピエロのように見えるかもしれないが、トータルしたとき、村上の一人野党精神が政党政治を守るかもしれない。集団的自衛権の閣議による憲法解釈変更がナチスのワイマール憲法形骸化現象と同様であり、三権分立、立憲主義の基本を無視したファシズム思考と云う論は、まさに正当な主張だ。村上が言うように“首相は集団的自衛権や武器輸出三原則の撤廃、靖国参拝だとか、隣国を逆なですることばかり行っている”たしかに、現在の安倍晋三の動きは隣国に対し、宣戦布告に近い布石を打っているように見える。

 Wikipediaを参考に、この村上誠一郎と云う政治家について、もう少し語っておこう。村上誠一郎は、戦国時代に活躍した伊予村上水軍の血を引き継いでいるようだが、戦国時代の伊予村上水軍における系譜は定かなものはないようだ。そのことはさておくとして、村上誠一郎が育った村上家には政治家の血が脈々と流れている。
・曾祖父村上紋四郎(政治家・衆議院議員、今治市長、愛媛県議会議長)
・祖父 村上常太郎(官僚・最高検察庁次長検事、弁護士)
・父 村上信二郎(官僚、政治家 - 衆議院議員、防衛庁審議官)
・伯父 村上孝太郎(官僚、政治家 - 大蔵事務次官、参議院議員)
*妹 岡田多津子(三重県、元官僚、衆議院議員岡田克也の妻)

 日本の政治家としては相当の血筋であり、頭脳の方も代々明晰だったことが窺われる。伊予村上水軍の血脈が生きていれば、かなりの闘争心や反骨の精神が宿っている可能性もありそうだ。現与党自公の議員の多くは、強権恐怖政治の大帝暴君ネロではないが、詮議されないポジション選びに奔走しているあり様で、到底本来の懐の深い政党色は消え失せている。河野太郎の反原発姿勢も、どこか胡散臭く、腰が据わった反安倍行動と云うよりも、自民党には、河野太郎のような政治家もいますよ、と云う党宣伝用のパフォーマンスに見えてくる。仮にそうでなくても、彼の人間力ではリーダーとしての資質が抜けており、父洋平を抜くことは出来ないだろう。

 筆者としては、或る時点で、民主党鳩山グループに所属していた松野頼久を見かけで判断し、次のリーダーに抜擢した苦い経験があるので、見た目の良い奴は推薦することを控えている(笑)。その点で、村上誠一郎議員は真逆に近い風貌である。悪い風貌と云うより、迫力のある顔と表現すべきだ。灰汁も強く、身体を見れば鈍重にみえるが、ここが彼の敵、味方を欺くに充分な政治家の資質でもある。鈍重にみえて、極めてクールな頭脳と云うのは魅力的だ。余談だが、筆者のルーツも愛媛県今治にあり、何らかの因縁を感じる。

 公明党が、与党であること命状態になった以上、もう公明に創価学会の宗教的矜持を求めるのは、まったく無意味になった。いまや、安倍と一緒に好戦政党になったのだから、歯牙にもかけない方が良い。そうなると、期待は野党だが、ここれがまた全滅に近い。日本維新の会、(次世代党)、みんなの党、結いの党、民主党、社民党、共産党。共産党はイデオロギー的に、政権を取る気はないだろうから除外する。残りの政党でオリーブの木構想は、考えるだけで気が滅入る。到底実現の見通しはない。このままだと、小沢の縁の下の力持ち政治行動も無駄骨に終わる風が吹いている。

 自・公・みんな・次世代の四党の政治家は概ね安倍ファッショ権力に収斂される。安倍が株価操作で大失敗を犯せば、オリーブの木構想が出来ないまま、自民が下野する可能性も大いにあるし、自民の一部がバラバラも想像できるが、安倍政権がこけない前提で話を進める。このまま最悪の政治権力構造で永田町が推移すれば、2016年の7月に衆参同日選挙が天下分け目の運命の日が来る。流れとしては、じわじわと一般国民の生活が困窮し、自民党に逆風はかなりの確率で吹くだろう。この時、そのチャンスを生かすも殺すも、野党の旗印と受け皿が明確になっているほうが望ましい。

 そのためには、自民、民主、維新、ゆい、生活、社民などのリベラル勢力が連携できる絵図が出来上がっている環境は必須だ。特に城を構えて大上段に闘う必要はないだろう。その堅固な城造りに労力を取られ過ぎるのは賢明ではない。緩やかな連携でも、リベラル色が鮮明であれば、有権者の選択肢も増え、容易にファシズム勢力打破の流れは自然発生する。大衆は、一年も経てば、振り幅の大きな選択を希求し始めるに違いないのだ。小沢一郎が常々口にするような具体的受け皿に固執すべきではない。リベラルな政党の連携ムードが出来ればいい。ただし、一部の自民党や維新等々から離れた議員用に、「リベラルの会」のような政党の必要性は出るかもしれない。

 このような情勢が生まれたとき、やはり、その連携体の顔と云うものが必要になる。村上誠一郎が一般受けする風貌の人物かと聞かれればノンと答えるしかない。しかし、2015年以降の、日本の政治情勢は風貌云々を論じている有権者の立場はなくなり、反自民、反安倍のウネリが確実に醸成されている。ここがチャンスなのだ。出来もしない受け皿づくりに奔走するよりも早道だし、選挙態勢づくりに早めに着手できる。村上誠一郎の場合、リベラル色を打ち出す点で問題があるとすれば、永住外国人への地方選挙権付与への反対姿勢だが、現時点の政治争点としては些末、ペンディングでもイイだろう。

 古賀茂明氏も言っているが、現在の政党で純粋リベラルと言えるのは、生活と社民くらいのものである。そして、最も大きな野党は、40%を超えた無党派層が野党なのである。既存野党の間で、野党再編なんてのは、安倍右翼を利するだけで、なんら建設的ではない。日本の政治の最大の課題は、最大野党「無党派層」の取り込みである。この連携体の顔に、村上誠一郎が適任かと思うわけである。無論、本人にその気がないのに、外野で騒いでも意味ないことだが、村上誠一郎に、小沢一郎が目をつけている節もあり、一泡吹かせる大活劇がみられるかもしれない。

 この流れに、細川・小泉、鳩山由紀夫が加われば、かなりのインパクトにはなる。最近の世界情勢なども加味して、日本の生きる道がどの辺にあるのか、生活が困窮するほどに、安倍の成長神話を信じて酷い目に遭った反動が必ず投票行動に出てくる。2016年までに、このような動きが鮮明化しないと、小沢一郎も細川、小泉、鳩山も過去に人にならざるを得ない。有能な埋もれた逸材を掘り起こすのが小沢や鳩山の最大の仕事ではないのか。嘉田由紀子なんてのを選択しないよう、今のうちに一言苦言を申し上げておく(笑)。

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●安倍官邸の株価維持操作PKO 海外ファンドとのバトルの行方

2014年06月27日 | 日記
市場と権力 「改革」に憑かれた経済学者の肖像
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●安倍官邸の株価維持操作PKO 海外ファンドとのバトルの行方

 安倍官邸の株価操作(PKO)が一時功を奏したように見える場面もあり、逆張り売りに徹している筆者の信用取引は7月末清算日に向け、ヒヤヒヤの日々である(笑)。14,300円割れで儲かる勘定なのだから、15,000円台は悪魔だし、16,000円台に入ったら首つりものである。まあ、そんな個人的問題はさておき、東証株価で、ファンダメンタルに大本営発表報道で覆いを被せた日本の経済の見通しだが、涸れ井戸に誘い水する公的資金投入プロパガンダで踊ったのは、どうも国内勢だけのようである。筆者としては、一服気分だ。煙草が美味い。

 海外ヘッジファンドは利益確定売りな姿勢を鮮明にした。今後も、政府のPKOの暴挙を見守りつつ、売買で利ザヤを稼ぐ展開になるのだろう。NY市場の過熱感も、日本政府のPKO同様の動きに終始しているので、世界の株式市場は、株本来の企業ファンダメンタル相場と云うより、金融市場主義者と不況を糊塗したい日米等の政府機関の思惑の一致から起きている鬼子現象だ。ただ、不正義が正義と言い募られ、その言説が固定化するようなカオスな時代だけに、的確な予測を立てるのは容易なことではない。

 年金積立金管理運用独立行政法人(GPIF)の運用改革への期待も株価を下支えしているようだが、このアナウンス効果も既に織り込み済みで、GPIFの株価割り当てが上方修正された時には、売り一色と云う皮肉な展開をするのが相場の世界だ。証券各社や政府のPKO関係者は、絶対に16,000円台だと、ことあるごとに吹聴しているようだが、海外ヘッジファンドの眼は節穴ではない。NY株式も危ない。日米等々の政府発表の経済統計等の数値自体が操作の対象であり、ファンダメンタル自体が信用できないのだ。

 日本政府と株式関係者との意見の一致は、15,000円台は岩盤だ。以前は14,800円台が岩盤だったから、一歩進展した。しかし、ガソリン価格高騰や夏以降目白押しの値上げ攻勢など、多くの消費者の日常生活は厳しくなるのは必定だ。たしかに、一部恵まれた環境にいる人々の消費動向は高級化している。メディアも、その現象を好景気の材料として喧伝するわけだが、その情報を横目で見ている消費者が殆どなのだろう。まあそれでも、秋口くらいまではヤケ糞消費も加わり、脱デフレ状況は続くかもしれない。しかし、インフレに耐えられるインカムは岩盤を突き破ることはなく、国民生活を疲弊させていくだろう。内需の低迷は、日本経済の終わりを告げる。

 以下のコラムは政府の株価操作用政策の一端を示す歳川隆雄のコラムだが、この人の話は、常に情報過多で、最終的にズッコケることが多いので、そういう目で読むと、なかなか参考になる情報である。筆者も、歳川氏とは異なる目線で、彼の裏情報を読んでみようと思う(笑)。


≪GPIF運用改革表明で日経平均16000円台へ。
 外資金融トップが官邸筋に手渡した「提言書」
  集団的自衛権の行使容認問題という今日的テーマとの関連で言えば、国連平和維持活動(PKO)をもじって市場関係者がよく使う言葉に「株価PKO(プライス・キーピング・オペレーション)」がある。要は、株価維持のため政府が株式市場に介入することを言う。

安倍政権の「株価PKO」に新聞各紙もエールを送る
  歴史を遡れば、宮澤喜一政権下の1992年、総合経済対策によって公的資金を株式に運用する場合の規制が緩和され、信託銀行に委託して株式購入に振り向けるようになったのが最初である。結果的には財政投融資の活用という中途半端な株価対策となった。知恵者は、竹下登元首相、三重野康日本銀行総裁(当 時)、「大タブ」こと田淵節也元野村證券会長の3人だったとされる。
  筆者は本コラムを含め機会ある度に、アベノミクスの成否の象徴が東京株式市場の日経平均株価であると指摘、とりわけ、来週中に正式発表される新成長 戦略に盛り込まれる年金積立金管理運用独立行政法人(GPIF。理事長・三谷隆博元日本銀行理事)の運用改革が、その成否のカギを握ると述べてきた。 手前味噌だが、すでに昨年6月、経済誌の雄である『週刊東洋経済』の発行元である東洋経済新報社の経済倶楽部主催の講演でGPIF改革がアベノミクスにとって喫緊の政策課題であると指摘している。
  『日本経済新聞』の名物コラム「迫真」が「動く巨像GPIF」と題して記事を連載した(6月16日付朝刊から20日付まで5回)。同紙を筆頭に『毎日新聞』など他紙もGPIFの米澤康博運用委員長(早稲田大学大学院教授)のインタビューを掲載、130兆円に及ぶGPIF資産の国債中心の運用見直し方針(国内株式比率を上げること)について言及した。安倍政権に「エール」を送っているのだ。

 GPIF運用改革で「株価PLO」
  そもそもGPIFの運用改革気運は、昨年11月に政府の有識者会議の座長である伊藤隆敏東京大学教授(当時・現政策研究大学院教授)が打ち出した 「伊藤私案」がトリガー(引き金)となった。資産構成比率を定めた基本ポートフォリオの国内株式12%(現在は実質16%とされる)、国内債券60%、外 国株式12%、外国債券12%のうち国内株式の比率を20%まで引き上げるべきだとの提言であった。
  1%が約1兆3000億円とされ、20%まで引き上げられれば、5兆円超の資金が東京株式市場に投入されることになる。
 外国人投資家はこれまでにも、我々に「日本買い」を求めるのであれば、先ず日本の機関投資家であるGPIFが国内株式比率を上げるべきだと主張していた。まさにこうした海外の投資家の要望に応えたのである。そのような動きは、企業年金、厚生年金、公務員共済年金にまで影響を及ぼしており、各年金の資産配分基本ポートフォリオ見直しの連鎖となっている。
  これまた『日経新聞』(6月5日付朝刊)のスクープだったが、安倍晋三首相が同3日、GPIFを所管する厚生労働省年金局に対してGPIF運用改革を早期実行するよう田村憲久厚生労働相に指示、田村厚労相は記者会見で当初予定を前倒しして9-10月に実施すると語った。
 このトップダウンの指示こそPKOであるが、現在は市場関係者の間で使用されているワーディングは「株価PLO(プライス・リフティング・オペレーション)」、即ち株高操作である。

外資金融トップが官邸に提言書
 株価を命綱とする安倍政権の“真骨頂”と言っていい。そうした中、在京欧米系金融機関のトップが首相官邸の要路に6月18日付の「日本資本市場の再起に向けた戦略的行動提案」と題した提言を手渡した事実がある。同氏は5月16日付の「外国投資家から見た成長戦略策定に向けた現状」というリポートも提出している。
  先の「動く巨像GPIF④」が、5日午後、加藤勝信官房副長官が官邸2階の会議室で経済官庁幹部を前に「日本株の運用は世界も注目している」「外国人投資家にどうアピールするかが大事だ」と語ったと報じている。
 まさにその欧米金融機関トップはピンポイントの提言をしているのだ。直近のその提言には、日銀が供給した資金を最大限に活用するための政策、民間に眠っている資金を動員した市場・経済の活性化政策が言及されている。
 24日に新成長戦略と経済財政策の基本方針(骨太方針)が閣議決定される。月末から7月初頭にかけて日経平均株価が16000円台に回復する可能性がある。今後、「アベレジェンド」という言葉が使われるようになるかもしれない。 ≫(現代ビジネス:歳川隆雄「ニュースの深層」)

グローバリズムが世界を滅ぼす (文春新書)
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●世界は動いている 堂々巡り戦前国家主義ゲームに興じる日本

2014年06月26日 | 日記
ノーム・チョムスキー イラク後の世界を語る/中東レポート アラブの人々から見た自衛隊イラク派兵 (2作品同時収録) [IF DVDシリーズ1 今、平和と戦争に向き合う]
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●世界は動いている 堂々巡り戦前国家主義ゲームに興じる日本

 以下は、悪名高き(笑)田中均氏の世界分析と日本の立ち位置に関するコラムだ。小泉政権下で、北朝鮮拉致問題で秘密外交を行い「ミスターX」と渡り合った外交官と云う記憶があるが、アジア通だと思っていたが、ちょいと勘違いしていた。コテコテの属米主義者だと云うことが、よく理解できる推論を展開している。嫌中、嫌露なニアンスが随所に見られ、アメリカンスタンダードを信奉している人物だった。裏外交をしながらも、米国の「普遍的価値」に寄らば大樹のなのだから、他の外務官僚の隷米度がどんなものか、怖ろしいほどに違いない。まあそれでも、現状の問題提起の部分には同意するので、引用に至った。今夜は引用が長文なので、筆者の意見はこの程度でやめておく。

≪ 「3つの要素」のバランスで姿を変え行く世界
  構造変化の著しい東アジアでこれから起きること

◆ウクライナ問題にも顕著に表出
 世界の構造変化をもたらした三要素
 世界が大きな変動期にあることは、このコラムでも度々述べてきた。その変化が一層明確となってきた。
 まず、相対的な国力のバランスの変化である。1990年に冷戦が終わった時点、先進民主主義国のGDPは世界の7割を超えていたが、それから30 年が経過した2020年には、5割を下回ると想定されている。
 1990年時点で日本は世界のGDPの14%を占めていたが、それは2020年には6%に下降し、中国が15%のシェアを占めると予想されている。日中大逆転である。
 第二の大きな特色は、国際的な求心力を生むイデオロギーが消滅し、国内のナショナリズムが著しく台頭してきたことである。
 世界の国力のバランスの変化と、ナショナリズムの台頭は、世界を不安定化させる要素であるが、第三の特色であるグローバライゼーションの結果の経済相互関係の拡大は、世界の秩序を安定化させる効果を持っている。
 これからの世界はこの3つの要素のバランスによって、姿を変えていくのだろう。その例として、ウクライナの情勢を見てみよう。ウクライナの現状を変化させ、ロシアがクリミアの編入に走った背景には、ロシアの強いナショナリズムがある。
 ロシアは帝政時代やソ連時代を通じて、極めて強固な大国主義を標榜する国であったが、1991年のソ連邦崩壊後、国力の衰退と共に大国の座から滑り落ちた。
 ソ連邦を構成していた国々やソ連圏にあった東欧の諸国は、なだれを打ってEUやNATOに取り込まれていった。ロシアにとってみれば、これ以上西欧社会が旧ソ連の空間を侵食してくることは耐えられないということであろう。6割以上の人口がロシア人であるクリミアの編入に走った背景には、歴史に対する非常に強い思い、権威の回復に対するロシアの強い思いがあるのだろう。
 同時にロシア自身は、ウクライナ東部や南部への軍事的侵攻は、西側との関係でデッドラインを超えるという認識は有しているのだろう。
 欧州にしてもロシアにしても、相互依存関係は強く、軍事的対決よりも政治的解決を志向する力が働く。したがって、現場においてウクライナの極右勢力やロシア人のナショナリストたちが混乱を引き起こすというリスクは引き続き多大なものがあるが、基本的にはウクライナ問題の政治的解決に向いていかざるを得ないのだろう。

 ◆構造変化の影響を最も受けた東アジア
  地域秩序を規定する日米中関係
 世界の構造変化の3つの要素に最も大きな影響を受けているのは、実は東アジアである。今後、東アジアの構造変化はどのような事態へとつながっていくのだろうか。
 過去そうであったように、将来も、日米中の3ヵ国の関係がこの地域の秩序を決めていくことになる。日米中の国力が相対的に大きく変化し、これからも変化していくことは明らかなのだろう。
 そのような国力のバランス変化の中で、それぞれの国の対外姿勢は国内情勢に大きな影響を受ける。
 まず、中国を見てみよう。2012年に成立した習近平体制の最大の眼目は、経済成長の維持である。習近平政権は、低賃金に依存した製造業大国として輸出が経済を引っ張り、潤沢な財政を活用して国内消費需要を高めるという手法が、もはや十分な効果を発揮しない段階に達したことを認識しているようである。
 そのような認識に基づいて、習近平総書記は、改革実行のための体制強化を行い、自らに権力を集中する体制をつくった。いまや、共産党総書記、国家主席、軍事委員会主席という伝統的な3つのポストに加え、5つの新しいポストの長を務めている。新設の国家安全委員会の委員長や、経済改革のためにつくられた小組の長を兼ねている。これは従来にはない権力集中である。
 中国の安定的な統治のためには、大きな経済成長を続けることが必須である。過去10年のような年10%の経済成長は望めないが、7%程度の経済成長を達成していかないと、国内の不満が社会問題を暴発させ、それがひいては政治的混乱に繋がっていく。
 習近平総書記は、2020年までに市場が中心的役割を果たすという概念を掲げているが、そのためには国有企業の改革を含め、既得権益の打破、過剰生産設備の削減、金融改革など、血の出る改革を追求していかざるを得ない。
 同時に、中国はすでに情報社会であり、大衆運動が容易になっている。6月4日の天安門事件25周年記念日の異様な警戒ぶりや、ウイグル人によるテロといわれる事件について厳格な措置を行った背景には、大衆運動が常に起こり得るという危機感がある。
 中国は経済改革を進めていくために、強権的に秩序の維持を図っていく可能性が大きい。同時に、国民の意識を共産党政権につなぎとめておくために、政権は中国の大国主義的ナショナリズムも活用している。
 習近平総書記は、「中国の夢」というキャッチフレーズの下で、アヘン戦争や日清戦争に始まった中国の屈辱の歴史は終わり、中国は再び世界の冠たる大国として浮上してきたと強調し、国民の意識を高める行動に出ている。

◆共産党体制維持のためのナショナリズム活用 
 「中国の夢」と「新型大国関係」
 その流れのなかで、中国の対外政策にとって中核的位置を占めている対米関係に「新型の大国関係」というキャッチフレーズを使い、米国との対比で中国が大国であることを示そうとしている。中国は、南シナ海や東シナ海、あるいは尖閣諸島に関しても、ますます行動をエスカレートさせている。
 ベトナムとの関係では、西沙諸島海域において大型石油リグを持ち込み、一方的に開発を進め、強い反発を買っている。フィリピンとの関係でも、南沙諸島で滑走路建設を始め反発を買っている。日本との関係でも、防空識別圏において、人民解放軍の空軍機を自衛隊機数十メートルのところまで近接させている。
 これらは相手国の出方を見極めるだけではなく、米国の意思をテストするという性格を持つものなのだろう。中国にとって、米中の利益は合致しないにしても、米中間でマネジメントできるということを大国関係の基本においている。
 このような行動を見れば、中国が世界第二の経済大国となり、軍事大国の道を進み、西太平洋において主導権をとり、中国を中心とする秩序を構築するという意図を有していることは明らかである。
 中国の意図は、5月にプーチン露大統領も出席したアジア信頼醸成措置会議で、習近平主席が「アジア人によってアジアの安全を保障しよう」という概念(「アジア新安全保障観」)を提唱したことや、アジアインフラ投資銀行(AIIB)を設立するなどの動きをしていることにも示されている。
 ただ、中国のこのような行動が直ちに東アジアにおける中国の覇権に繋がっていくわけではない。我々がどう対応するかによって中国の行動も変わっていかざるを得ないことも、銘記しなければならない。
 特に中国を変える力を有しているのは、米国である。米国の対中戦略によって、東アジアの未来は大きく変わる。

◆政治の二極化と内向き志向の米国
 対外関係におよぼす影響やいかに
 しかし、米国の今日を端的に表す言葉は「政治の二極化」であり、「内向き志向」である。6月10日、バージニア州で共和党の下院議員候補の予備選挙が行われ、これまで下院共和党院内総務という重職にあったカンター議員が茶会党の推薦を受けた候補に敗北した。
 この例が示すように、米国政治の二極化、すなわち共和党や民主党の中における穏健派と原理主義的勢力への二極化は著しい。米国の議会政治の根底にあった重要課題についての超党派的行動が、現在のような二極化の現象の中ではほとんど望めなくなっている。
 同時に、米国は内向きになっている。ブッシュの戦争が米国にもたらしたものは多大な財政負担と人的コストであり、米国の戦争疲れの傾向は顕著になった。オバマ大統領はイラクからの撤兵、アフガニスタンからの撤兵を掲げ、大統領に選出されたのである。
 世界における米国の指導力が衰えてきたと言われる原因の一つは、米国の軍事力行使の敷居が高くなったことにある。リビアのカダフィ掃討の軍事作戦には英仏が中核的役割を果たし、シリアの化学兵器使用については従来述べていたレッドラインを超えたにもかかわらず、オバマ大統領は軍事行動を躊躇した。 ウクライナについても、早々と軍事力を行使する余地はないということを明らかにした。
 5月28日のウェストポイント陸軍士官学校の卒業式における演説で、オバマ大統領は、「米国は自国民や同盟国の安全が脅威にさらされる場合には軍事力を一方的に行使するが、アメリカに直接的脅威をもたらさない場合には同盟国などと共に集団行動をとる」と言っている。問題は、何がアメリカの安全に直接脅威を与えるかということであり、その1つの例が現在のイラク情勢である。
 イラクにおけるアルカイダ系武装組織ISIS(イラク・シリア・イスラム国)の浸透に対して、オバマ大統領は地上兵力を送ることは否定した。場合 によっては、空からの攻撃を行うということも想定されるが、どういう行動をとるかによって米国の指導力についての将来の方向性が決まるきっかけとなるのだろう。

◆米国の指導力の変化と抑止力低下への懸念 
 「対中戦略」はいまだ定まっていない
 このような米国の指導力の変化により、最も切実な形で影響を受けるのは東アジア地域である。  米国が2011年に発表した「ピボット」や、最近言われている「リバランス」という政策は、アジアについて米国の関心とコミットメントを高めていくということを示していくものだと言われている。
 これまで、米国の対中戦略は「関与」(エンゲージメント)と「牽制」(ヘッジング)で説明されてきた。より端的に言えば、米国の対中政策は個々の問題で対話により解決を進めるという、いわゆる「協調的側面」と、中国の個々の行動に対して軍事的に抑止力を強化していくという「競争的側面」のバランスによって構築されている。
 協調的側面については、中国が掲げる「新型の大国関係」に対して、米国は個々の問題について問題解決にあたることを優先しているようである。現に次官級以上の政府高官の協議は、すでに90近くあると言われている。
 競争的側面については、豪州ダーウィンへの2500名に上る海兵隊の6ヵ月にわたるローテーション配置や、フィリピンとの新軍事協定といった具体的な例がある。しかし、この地域に対する軍事的支出や国務省の予算が増えているわけではない。
 また、オバマ大統領は2011年以降、東アジアサミットへの参加によりアジアへの訪問回数こそ増えたが、昨年秋のAPECなど大事な時期の訪問はキャンセルということもあった。リバランスが実態を伴うかどうかということは、様々な議論がある。

◆協調と競争のバランスで揺れる米国
 日本が採るべき戦略は安定要素の強化
 最近の中国の海洋における攻勢に対して、米国内では、もはや従来のような協調的な面と競争的な面のバランスを維持するということは無理なのではないか、より中国に厳しい行動をとるべきではないか、ということも議論され始めている。
 しかし、米中の相互依存関係の大きさや世界秩序の維持に中国の協力を必要とするといった観点から見れば、米国が中国封じ込めに走るとは到底考えられず、せいぜい中国への戦略の協調的側面と競争的側面のバランスが変わるということに止まるのだろう。米国の対中戦略は、中国の行動次第で揺れるのだろう。
 その中で、日本はどうだろうか。東アジアにおける国力の相対的バランスの変化、ナショナリズムの台頭、相互依存関係の強化を考えたときに、とるべき戦略は単純に考えれば、国力の相対的変化を遅らせる、すなわち日本がより強くなるということ、ナショナリズムを抑えられる対外的ビジョンを持ち、相互依存関係を強化していくということであろう。すなわち、不安定要素をなくし安定要素を強化するということである。
 日本の力を強くするということにおいて、現政権の大きな方向性は正しい。アベノミクスは成果を上げなければならないし、これから第三の矢が実質を有すると評価されていくことが重要なことである。
 安全保障政策においても、とりわけ体制強化についてアクションがとられてきている。国家安全保障会議の設置や国家安全保障戦略の策定、武器輸出三原則の見直し、集団的自衛権問題などについてである。  さらに、米国は当然のこととして、インドやオーストラリア、インドネシア、英国、欧州といった諸国との安全保障関係の強化は、現実に成果を上げている。従来は考えられなかったような、日本に対する期待が強くなっている。

◆集団的自衛権をめぐる議論
 憲法解釈変更が警戒心を生む可能性
 しかしながら、日本の行動が不必要な懸念を生んでいる面があることから目を背けてはならない。たとえば、集団的自衛権の問題について現在政府が議論をしている多くの事例が可能となるようにするべきだという点については、おそらく国民の大多数の賛同を得られるものと思う。しかしながら、それを集団的自衛権の行使を禁ずる憲法解釈を変えて行なうということになるのなら、よほど明快な説明がないと国内外に強い警戒心を生むことになる。
 国際社会で集団的自衛権の行使として考えられる行動は、他国の防衛のために軍隊を派遣し、武力行使をするということである。朝鮮戦争、ベトナム戦争、二度にわたる湾岸戦争など米国が関与した戦争は、集団的自衛権の行使の枠組みで行われており、かつ英国やオーストラリアという国が多国籍軍に参加したのは、米国との集団的自衛権の行使として説明されている。
 したがって、集団的自衛権の行使を容認するという憲法解釈は、これまでは憲法の制約であったものが、環境の変化によっては法律をつくることで海外の武力行使も可能になるということに等しい。これは現在の平和憲法の根幹に関わることであり、これを憲法改正なくしてできると考えるべきなのだろうか。  このような集団的自衛権を行使する行動は、日本の国家としての在り方を変えることになる。東南アジアの多くの国が日本をモデルとして発展したいと考えるような、日本が尊敬される国となったのは、戦後70年間の間、日本が軍事力を行使するような国ではなかったからである。したがって、集団的自衛権の行使を容認するためには、憲法の改正を前提として国民的議論が尽くされねばならないと思う。
 したがって、もし政府提案の事例に限って集団的自衛権行使容認といったことにならざるを得ないのであれば、明確な歯止めと共に日本の意図を明快に説明していく必要がある。

◆歴史認識に関する政府方針の継承
 今後とも慎重な対処が必要に
 さらに、諸外国に口実を与えているのは、歴史認識をめぐる日本の動きである。歴史認識については、個々の政治家、有識者はそれぞれ異なった認識を有しているのだろうし、どの認識が正しいというものではない。
 しかし、少なくともこれまで政府は、1995年に策定された村山談話が政府の方針だという判断をし、すべての政府(三党連立、自民党、民主党を問わず)がこれを承認してきた。河野談話についても基本的には同じである。
 異なる政府がこれを変えることは可能であろう。しかしながら、この歴史認識問題が諸外国にとって極めてセンシティブな問題であることは十分認識しなければならないし、こうした談話を修正することによって日本の国益が毀損することはないか、極めて慎重な考慮が必要であろう。この点については、諸外国に口実を与えないようにしなければならない。
 次に、対中戦略である。現在の日本の対中戦略は競争的側面が前面に出すぎており、協調的側面が欠けているのだろう。もっとも、尖閣問題などについてはそもそも中国の行動に問題があるし、仮に日本が協調的行動をとろうとしても、中国は受け入れないという議論もあるのだろう。しかしながら、日本は圧倒的な先進国であり、G7の一員として国際的な秩序づくり、就中東アジアの秩序づくりに大きな責任を有している。
 ここで最も危惧しなければならないのは、米国と日本の対中戦略が大きな齟齬をきたすという事態である。すなわち、米国は協調的側面と競争的な側面を両立させた戦略をとっていくので、日本が競争的側面のみということになると、日米同盟関係に亀裂が走るということになろう。

◆信頼醸成、経済ルール、エネルギー協力
 「対中戦略」は米国と歩調を合わせよ
 したがって、中国が乗ってくるのには時間がかかるかもしれないが、少なくとも日本は包括的な対中戦略を一歩ずつ進めていくべきではなかろうか。これは、日本の安全保障力の強化や友好国との安全保障関係の強化と、完全に両立するものである。
 具体的な戦略の中身として、3つの課題が極めて重要である。第一に、中国との信頼醸成措置である。尖閣上空や東シナ海で日中の衝突が起こるという事態は回避されねばならないし、事故を防ぐという意味でも防衛当局間の信頼醸成措置は深堀されねばならない。米国を加えて三者の枠組みとするもの適切では ないか。
 第二に、貿易投資のルールづくりである。TPPは、当面は中国が参加できないこの地域の高度な自由主義経済の枠組みとなるのだろう。ただ同時に、中国を巻き込んだ日中韓の経済連携枠組みやRCEPについて、日本は積極的に旗を振るべきである。
 第三に、エネルギーをめぐる協力である。南シナ海や東シナ海で起こっている問題の多くは、エネルギー獲得競争が背景にある。また、ロシア極東の資源開発、シェールガス革命の影響とシェール技術の開発、原子力発電の安全性の担保、エネルギー海上輸送の安全性の担保など、東アジアサミットを中心とする エネルギー協力を本格的に進める必要がある。エネルギー協力の増進は、ひいては国家間の信頼関係をつくることにもつながっていくのだろう。
 中国との関係については、本年秋に行われる北京でのAPEC首脳会議が1つの大きな節目になるのだろうし、さらに来年は戦後70周年、日韓基本条約締結50周年という節目の年にあたるので、とりわけ歴史問題や日本の国家としての在り方などには焦点があたることになるということに、留意すべきなのだろう。
 この地域における日本の立ち位置との関係で、さらに2つの大きな課題が存在している。1つはロシアとの北方領土問題であり、1つは北朝鮮問題である。
 北方領土問題については、ロシアに対して先進諸国と共に制裁措置をとるか否かにかかわらず、極めて難しい問題であり、息の長い交渉を必要とする問題である。

◆北方領土問題を巡るロシアとの関係と北朝鮮問題
 日本の立ち位置で論じるべき「2つの問題」
 確かに、ロシアが孤立化していく時期というのは、日本は梃子を持つということになるだろうし、北方領土問題についても日本にとって優位な結果を引き出せるのではないかという推測も行われているが、これまた日本の国としての在り方の問題となる。
 すなわち、ロシアがウクライナでとった行動、とりわけクリミアを軍事力の背景の下、一方的に編入したという行動に対し、国際的な連携の中で日本が抜け駆けするということはやってはならない。今年の暮れまでにプーチン大統領の訪日が想定されているが、慎重な行動が必要である。
 北朝鮮の問題については、5月29日に日朝政府間合意が成った。拉致された日本人だけではなく全ての日本人について包括的に調査すること、権限を持った調査委員会を立ち上げることの見返りで、日本が独自に導入してきた対北朝鮮制裁を一部解除するという。これらは、決して間違った姿勢ではないと思う。要するに、交渉なくして拉致問題や日本人の安全にかかわる問題が解決されるはずもない。
 しかしながら、北朝鮮の核問題やミサイル問題は看過できない問題であるし、これらの問題は米国や韓国との緊密な連携なくして解決しない問題であることは、銘記しなければならない。
 韓国や米国の一部では、日本が核問題の帰趨にかかわらず経済協力を含めて先走っていくのではないかという猜疑心が見受けられるが、そのような間違った認識が大きくならないように、米韓に対しては緊密な連絡をしていく必要があるのだろう。
 冷戦時代や米国の一極体制の時代と異なり、日本が自己の行動や戦略によって地域の安定を増進させる、場合によっては秩序を大きく損ねてしまうことが十分考えられる時代となったのである。日本が直面する外交安全保障の課題は多く、注視していかなければならない。 ≫(ダイアモンドONLINE:国際 田中均の「世界を見る眼」

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●現代日本が抱える課題の原点は第一次世界大戦 学べ世界のマグマ

2014年06月25日 | 日記
第一次世界大戦と日本 (講談社現代新書)
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●現代日本が抱える課題の原点は第一次世界大戦 学べ世界のマグマ

 ワールドカップ、国威発情のセレモニーは、サポーターのゴミ拾いが、世界を唸らせて終わった。コロンビア戦は結果的にボコボコだったが、弱者の反撃を試みる気力があった分、3戦中で一番好感の持てる試合だった。ここからゆっくり、世界のサッカーと云うスポーツを観戦出来るだろう。何時ものことだが、日本のマスメディアに祭り上げられたチームは気の毒だった。初めから、“出場チーム最弱な日本は頑張れるか?”な感じの煽りの方が、選手には発奮材料になったに違いない。

 まあそれはさておき、プーチン大統領が和平交渉に臨む姿勢を示した、と西側メディアは大喜びだが、ウクライナ・ポロシェンコ大統領が米国やNATOから、どこまで独立性を保っている存在なのか確認のための、一時停戦状況の権威づけをしたのだろう。このウクライナにおける、ウクライナ人が蚊帳の外にある欧米勢力の、ロシア、延いては中国包囲戦略と云う目的があるウクライナ問題は、世界を大戦の方向に導く導火線であることに変わりはない。問題は、直近ではポロシェンコ大統領が平和交渉の当事者として、親ロシア派勢力の参加を認めるか否かがポイントだ。その辺で、米国の口先介入が行われれば、停戦前より悪い状況が待っているのだろう。

 6月17日付拙コラムで以下のように『第一次大戦前夜に近似してきたウクライナ 内戦から東西大戦へ』を書いた。 【 …第一次大戦前夜に近似してきたウクライナ 内戦から東西大戦へ   日本人の多くが、ウクライナで起きている紛争を、第一次大戦同様に「遠い海の向こうの戦争」と思っているだろう。商才豊かな産業に携わる者たちは、戦争特 需が舞い込むのではないかと皮算用しているかもしれない。たしかに、戦場がウクライナ国内に限定された局地戦であるなら、特需が日本経済を潤す可能性はある。しかし、第一次大戦レベルにまで戦況が拡大されれば、日本も否応なく巻き込まれ、第三次世界大戦が勃発するかもしれない。ドイツ・シュミット元首相は 以下のように言っている。 ≪ 「第1次大戦前夜を想起」=ウクライナ危機で警告-元西独首相【ベルリン時事】旧西独のシュミット元首相(95)は16日付のドイツ紙ビルトに掲載されたインタビューで、緊迫の度を増すウクライナについて、第1次大戦開戦(1914年)直前のように「危険は日に日に高まっている」と警告した。  シュミット氏は「第3次大戦に言及するつもりも、北大西洋条約機構(NATO)の軍事費増強を要求するつもりもない」と述べながらも、「当時の状況にますます近づいているように思える」と語った。 ≫(時事通信)… 】
参考URL:
http://blog.goo.ne.jp/aibatatuya/e/e75a02e8b013ef0f6c172bc8acbd9ed7


 このような世界観で、我々は第二次世界大戦の原型である、第一次世界大戦について、もっと深く学んでおくべきだと思っていたが、やはりタイムリーに講談社が『第一次世界大戦と日本』と云う本を出版した。本日は安倍官邸のアホな成長戦略「日本再興戦略」をぶった切るつもりだったが、急きょ、当該本の紹介文を掲載しておく。本の帯説を引用し、現代ビジネスの書評を読んでもらおう。今後の世界を見渡すのに、適切なガイドブックになる。まあ、思考ゼロの人には戦争本で終わるが、近現代史原点だけに、反省とロマンを憶えたら、それは想像力豊かな証左でもあろう。

帯説:【サラエボの銃声は日本を震撼させた。複数政党制、長期停滞、格差社会・・・・・・、現代日本が抱える課題の原点は第一次世界大戦にあった! 2014年は第一次世界大戦の開戦100年目です。その影響は第二次世界大戦以上で日本にも深く及んでいました。大戦前後の日本社会を 観察すると「複数政党制への過渡期」「好景気から長期停滞へ」「大衆社会のなかの格差拡大」という、まさに今日的な課題がみえてきます。この戦争が浮かび あがらせた課題は21世紀の現在も構造としては変わっていないのです。本書は、さまざまな側面から「現代日本」の始まりを考える一冊です。】

◆著者紹介 井上寿一(いのうえ・としかず) 1956年、東京都生まれ。一橋大学社会学部卒業。同大学院法学研究科博士課程、学習院大学法学部教授などを経て、現在、学習院大学学長。法学博士。専攻は日本政治外交史。主な著書に、『危機のなかの協調外交――日中戦争に至る対外政策の形成と展開』(山川出版社、吉田茂賞)、『日中戦争下の日本』『戦前昭和の国家構想』(講談社選書メチエ)、『吉田茂と昭和史』『戦前昭和の社会 1926-1945』(講談社現代新書)、『戦前日本の「グローバリズム」』(新潮選書)、『昭和史の逆説』(新潮新書)、『山県有朋と明治国家』(NHKブックス)、『政友会と民政党』(中公新書)、『理想だらけの戦時下日本』(ちくま新書)などがある。


 ≪ 『第一次世界大戦と日本』著:井上寿一---100年前の日本
 『第一次世界大戦と日本』(講談社現代新書)を書くことになったきっかけをさかのぼると、2011年のフランス・アルザスでの不思議な体験にたどり着く。 宮崎駿監督の『ハウルの動く城』に出てくる町は夢のなかのようなフィクションではない。実在する。山の向こうはドイツとの国境に近いフランス東部アルザス地方の町コルマールがモデルである。

  コルマールからアルザスワインのブドウ畑を横目に、車で20分ほどのところにアルザス・欧州日本学研究所がある。これは夢かと錯覚する。フランス人 スタッフが流暢な日本語を話している。「ボンジュール」とあいさつすると、「こんにちは」と返される。2011年から毎年9月初旬、夢のなかのようなこの 研究所を訪れている。

  欧州の若手日本研究者とのワークショップは楽しかった。最初の年、大正時代の政党の財政政策(!)を研究しているイタリア人研究者に「なぜ日本なの か、中国の方がいいのではないか?」と疑問を投げかけた。愚かな質問だったと今も悔やんでいる。「そりゃあビジネスへの関心だったら中国でしょう。でも日 本への関心は多様です」。教えることよりも学ぶことばかりのワークショップだった。

  レストランでの夕食後、皆で付近を散策した。そこにキリスト教の教会があった。ドイツ人の若手研究者が指し示した。そのさきを見ると、戦没者の名前 が教会の壁に刻まれている。この地域からの戦没者は第一次世界大戦の方が第二次世界大戦よりも多い。すぐには吞み込めなかった。平均的な意識の日本人に とって、戦争といえばアジア太平洋戦争(第二次世界大戦―アジア太平洋戦線)である。第一次世界大戦は忘却の彼方に押しやられている。

 翌年の九月、今度はひとりで確認した。戦没者数の差はまちがいなかった。ヨーロッパにとってこの世界大戦が持つ重い意味を伝えているかのようだった。それでは日本にとって第一次世界大戦はどのような意味を持つのか。考えてみることにした。

 100年前と今との間に類似点があることに気付いた。第一に、当時の日本は今日と同様に、格差社会の問題に直面していた。第二に、第一次世界大戦に ともなう戦争景気と戦後の反動不況の長期化は、バブル経済とその後の長期経済停滞と重なる。第三に、当時も今も政党政治システムの模索の時代として似てい る。この世界大戦をはさんで非政党内閣から政党内閣と二大政党制へ、政権交代(2009年)と自民党の政権復帰(2012年)後の複数政党制の模索へ、政 党政治状況が類似する。

 100年前の日本とは今の日本のことか。史料を読みながら、何度もそう思った。当時の人々に感情移入せずにはいられなかった。本書の登場人物はそのような人々ばかりである。

 なかには無名氏もいる。第一次世界大戦後、顕在化する格差拡大社会のなかで、朝鮮人は悲惨な生活を強いられていた。朝鮮人の生活状況を調査した東京 府の担当者は言う。「彼等が原因となって、発生する処の数々の社会的諸問題の責任は、彼等自身の力に依りて解決を望むより、むしろ吾々と共同的努力に依っ て、之が解決を待たなければならない」。100年後の今、近隣諸国に対する不寛容なムードが広がっている。当時から学ぶべきことは多い。

 引用したエピソードにはどれも強く感情移入している。とくに気に入っているのは、石井菊次郎と安達峰一郎の出会いである。ふたりの「国際会議屋」外交官は、大学生の頃、討論会で出会った。石井の発言に「ノン、ノン」と流暢なフランス語で反論したのが安達だった。

 ふたりは外務省で机をならべて同じ仕事をするかのように、強い信頼関係を築く。外国語を自由に操り国際法に通暁する彼らが会議外交の最前線に立つ。 石井は中立的な立場から、国際連盟で欧州の国境線と民族をめぐる問題の解決に力を尽くす。安達は常設国際司法裁判所の所長の地位に就く。日本は国際協調外 交を展開する。彼らのような「国際会議屋」のプロフェッショナル外交は、今日の日本でも、政治家のアマチュア外交と比較して、もっと積極的に評価されてよ いのではないか。

  第一次世界大戦が日本にもたらしたのは何か。開戦から一〇〇年の今年、議論が活性化することを願う。講談社 読書人「本」2014年7月号より ≫(現代ビジネス:メディアと教養・講談社読書人「本」より)

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●貧乏人をいじめ抜け! 核家族、介護は家族では正論なのか?

2014年06月24日 | 日記
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貧乏人をいじめ抜け! 核家族、介護は家族では正論なのか?

 昨日は、ネットの情報を流し読みしていた。一番興味を引いたのは『被害者続出、いったいどういうことだ!“がん保険”がんになってもカネは出ない——2人に1人が「がん」になる時代に、保険会社が儲かるカラクリがわかった』だったが、筆者の想像通り、将来の健康不安を真面目に考える人が、保険会社のカモになると云う予測がズバリ当たっていた。当方の考えは、癌になることは敢えて望まないが、なった時にベストを尽くせば良いわけ。ホスピスに入る経済力がない場合は、自分の経済力の範囲で出来ることが、自分の運命の一部に組み込まれていたのだ、と納得する予定なので、知識として興味があるが、保険に入る気がないので、ガチョウ(スワンのようだが)を儲けさせる気にはなれないだけだ(笑)。

 考えさせられた情報は『高齢社会白書を読んで考える  21世紀社会のカギを握るのは住宅政策』と云う情報だ。筆者が思ったことは、高齢化社会で必要なものが“介護付き公共住宅制度”と云う考えにも賛成だが、その前に“核家族化が顕著だと言いながら、老老介護に陥るのを確信的に知ったうえで、老人に、老人の介護を押しつける役人ども、政治家どもへの怒りが、先ず先にありきだ。年金生活に突入している兄たちの愚痴を聞いていると、「介護保険料」が半端じゃない額なのだと云う話だ。

 この「介護保険料」は、65歳以上となり、目出度くか、不幸にもか、高齢者の仲間入りをした途端に、ビンビンシャンシャンでも年金から天引きされてしまうのである。いつのまにか国から押しつけられた「介護保険」の被保険者は二層に別れている。第1号被保険者 ⇒ 65歳以上(市区町村が運営)と第2号被保険者 ⇒ 40歳から65未満(健保組合が介護保険料を徴収)だ。第2号被保険者の間は、へぇそんなものがあるの?程度の介護保険料なので、ほとんど気にする人はいない。ところがだ、第1号被保険者 ⇒ 65歳以上(市区町村が運営)になった途端、猛烈に介護保険料の、差っ引かれる金額に驚くようである。

 ちなみに、平成26年度の東京の区の介護保険料のお知らせパンフを眺めてみた。収入が低いものほど、高率な保険料を取られる仕組みになっ点が、先ず目についた。生活保護を受けている人でも年間3万円の保険料を取られる。本人及び世帯全員が住民税非課税の年収80万円以下の人でも、3万600円取られる。年間収入の3.75%と云う高率だ。第2号被保険者 ⇒ 40歳から65未満(健保組合が介護保険料を徴収)の時は、加入の健保により料率は異なるが、概ね、標準報酬月額と標準賞与額合計の1.2~1.8%くらいだ。つまり、3.75%と云う介護保険料はかなりの負担感を憶えるものになる。

 筆者が驚いた点は、高額な収入を得ている人ほど、その負担感が少なくなるのが歴然とする。累進性が極めて些少であることだ。多分、厚労省役人どもの屁理屈が存在するだろうが、年間収入1500万円以上の人の年間介護保険料は171400円で高そうに見えるが、率でいけば0.68%の負担感である。貧乏人が3.7%の負担感でヒイヒイ。金持ち様は0.68%屁のカッパ(笑)。ここが凄い。おそらく、年収1500万以上の人々は、常々健康に留意した日常を送るので、介護などが必要になる率が低い。尚且つ、公的介護制度など見向きもせずに、自助努力する筈だから、保険料率を多く取る必要はない。或いは、そんな人間はわずかであり、大多数を占める低所得者や中間層から、フンダクリ取るのが合理的と云う考えなのだろ。

 消費税における累進性のなさが問題になるが、所得税にせよ、住民税にせよ、そしてヨタヨタを援けて貰う場合も、貧乏人の税や保険料は高率になり、日常的負担感はボディーブローのように効いてくる。それで尚且つ、公助はそこそこに。自助、家族助に強く寄り添うのが、日本政府の国民への最後のご奉仕と云うのだから、考えさせられる。こんなことを考えながら、以下のコラムを読んでもらうのも良いだろう。それでは、今夜はこの辺で、おやすみなさい。

≪高齢社会白書を読んで考える  21世紀社会のカギを握るのは住宅政策
 この季節は、政府の各種白書が目白押しに公表される時期だ。白書には多くのデータが記載されており、ある種、情報の宝庫だと言っても差し支えない。これらの白書を読み解くことで、わが国のさまざまな課題が明確な形を伴って浮かび上がる。今回は13日に閣議決定された「高齢社会白書」を紐解いてみたい。

◆現時点の暮らし向きは心配ないが、 要介護者が急増し、将来の介護者の確保に不安
 65歳以上の高齢者のいる世帯は、2012年で2093万世帯(全世帯の43.4%を占める)であるが、その内訳をみると、単独世帯(1人暮し) が487万世帯、夫婦のみの世帯が633万世帯、合わせて1120万世帯と高齢者世帯全体の53.5%を占める。これに親と未婚の子のみの世帯の411万 世帯を加えるとこの3者で約4分の3(1531万世帯)を占めることになり、三世代世帯やその他の世帯はわずか4分の1強にすぎない。

 1980年には三世 代世帯が全体の50%を占めており、この3者の合計が約37%であったことを思うと隔世の感がする。子どもなど若い家族が高齢者の老後をケアするといった 一昔前の考え方は、絵空事に過ぎないことがよく分かる。

 60歳以上の高齢者の暮らし向きは、現時点では約7割が心配ないと感じているが、それは、1人当たりの年間所得(195.1万円)が全世帯平均 (208.3万円)と大差がないからであろう、また世帯主が65歳以上の世帯の平均貯蓄額は2,209万円で全世帯平均の約1.3倍となっている。その一方で、65歳以上の人口に占める生活保護受給者の割合は2.63%(78万人)と、全人口に占める割合(1.58%)より1ポイントあまり高くなっている。

 高齢者の健康状態を見ると、平均寿命ほどには健康寿命が延びていないことがわかる。しかし男女とも健康寿命は70歳を超えているので、生産年齢人口を20歳~70歳と再定義する試みは、それなりの妥当性を持っていると考えられる。

 ところで、65歳以上の要介護者等認定者数は、2012年度末で545.7万人となり、2001年度末から実に258.0万人も増加している。では誰が介護をしているのか。

 現時点では主に家族(とりわけ女性)が介護者となっているが、同居している主な介護者の年齢をみると男性では64.8%、女性では60.9%が 60歳以上であり、「老老介護」が他人事ではないことがよく分かる。冒頭に述べた世帯構成を勘案すると、これからのわが国においては、介護者(の絶対数) を社会全体としてどのように確保していくのかという観点が避けては通れないだろう。

 介護を受けたい場所は自宅が約4割、最期を迎えたい場所は自宅が54.6%と半数を超えている。また、高齢者の就業状況をみると、例えば労働力人口総数に占める65歳以上の高齢者の比率は9.9%(2013年)となり、1980年の4.9%のほぼ倍の水準となっている。つまりわが国では、働いてい る人の10人に1人は65歳以上の高齢者なのだ。

◆65歳を超えても働きたい人が約半数
 今年の高齢社会白書は、将来の「人生90年時代」への「備え」についても大きく取り上げている。世帯の高齢期への経済的な備えの程度についてみると、「備えはある」とする人の割合は23.3%「足りない」が66.9%となっている。また若年層ほど「足りない」とする人の割合が高い。世帯で受け取れ ると思う年金額は「10万円くらい」が19.8%、「15万円くらい」が19.1%、「20万円くらい」が16.2%、合わせて55%となっている(なお、「わからない」が9.9%)。また高齢期に備えて必要と思う貯蓄額は「2,000万円くらい」が19.7%、「1,000万円くらい」が19.5%、「3,000万円くらい」が19.1%(「わからない」が15.8%)、となっている。

 次に、世帯の高齢期の生計を支えたいと思う収入源については、「公的年金」が82.8%、「貯蓄等の取り崩し」が46.2%、「自分(または配偶者)の給与による収入」が45.6%となっている。また就労に関する備えについてたずねると、「65歳くらいまで」が31.4%と最も多いものの、次いで 「働けるうちはいつまでも」25.7%「70歳くらいまで」が20.9%等となっており、65歳を超えても働きたい人の合計50.4%と半数を超えている。このように高齢になっても働きたい理由は次の通りであり、生活費が大きな誘因になっていることがうかがえる。

 ただし、60歳以降の就労形態については「パートタイム」53.9%、「フルタイム」24.2%、「自営業・フリーランス等」15.9%と、パートタイムを希望する者が多い。

◆高齢期の住居形態をどうすべきか
 次に健康に関する備えをみると、高齢期の健康に不安を感じる者は7割以上となっている。では不安の内容は何かとたずねると、次表の通り、医療費もあるが、仕事のために健康の維持増進に時間等が割けない状況が不安の根源になっていることがうかがえる。 高齢期に住みたい住居形態は「持ち家」が75.2%を占めている。その一番の理由は「引き続き住み続けられること」にある。しかし、高齢者のみの世帯が1000万世帯を超え(しかも1人暮しが4875万世帯)、介護者の確保に不安が増す社会構造の中で、高齢期を「持ち家」で過ごすことは果たして社会的に両立可能なのだろうか。

 少数の高齢者がそれぞれの持ち家に散在して住んでいれば、極論すれば介護者はマンツーマン方式にならざるを得ないが、それは可能だろうか。白書は 東京23区で2013年に2733人(毎日7人以上!)が孤立死している事実を指摘しているが、極めて暗示的である。人口が稠密な東京でさえ、こうなのだ。要するに手が回らないのだ。高齢化がさらに進み、地方の過疎化が進んだら一体どうなるというのか。

  「持ち家」の真の動機が「追い出されないこと」にあるのなら、永住権を前提にした公営のコレクティブハウス(介護支援・サービス付き)を「終の棲み家」とする選択肢も十分考慮されていいのではないか。この点については以前にも私見を述べたので、ここでは繰り返さないが、高齢化社会を想定する上で、住宅政策が大きなウェイトを占めていることを再度指摘しておきたい。

 郊外の庭付き一戸建て住宅の取得をモデルとした、いわゆるわが国の持ち家政策は、人口の増加と高度成長を暗黙の前提とした20世紀の政策であっ た。人口の減少、高齢化と低成長を基軸とする21世紀のわが国が目指す社会の方向が「コンパクト(シティ)」であることは自明と考えるが、その鍵を握るの は住宅政策であり、「家具付き賃借住宅」と「コレクティブハウス」が、おそらく車の両輪となるであろう。(文中、意見に係る部分は、筆者の個人的見解である) ≫(ダイアモンドONLINE:出口治明の提言・日本の優先順位) *筆者注:グラフ類は省略した

介護保険は老いを守るか (岩波新書)
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●米国の密使・浜田らの提案受け取り拒否 安倍官邸の心とは?

2014年06月23日 | 日記
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●米国の密使・浜田らの提案受け取り拒否 安倍官邸の心とは?

 今までも筆者は此処のコラムで、「日本の底が抜けた」と云う表現を使ってきたが、幾分大袈裟すぎる表現だと思っていた。しかし、ここに来て起きている安倍官邸の確信犯的数々の行為は、「芯から底が抜けた政権」のレベルに到達している。閣議決定や法案採決、人事、国際協定におけるブラックボックス化など、一つ一つを取り上げて論評することがバカバカしくなるほどなのだ。憲法を含む、あらゆる政治シーンにおいて、際立つ点は「法の立法趣旨」と云うものを嘲笑うような、小手先のテクニックで、すべての立法趣旨を覆してしまうと云う暴挙に出ていることに無力感を憶え、無関心という世界で一休みしていたい気分にさせられる。

 その結果かもしれないが、安倍官邸の運営趣旨の正体がどのようなものなのか、推し量ることも無意味にさえ思えるのである。秘密保護法、取り調べの似非可視化、原発再稼働の動き、規制委員会人事、集団的自衛権等の憲法解釈、論理矛盾だらけの成長戦略などなど、あまりにも多岐にわたるデタラメに、批判することさえバカバカしい気分になる。その所為か、最近は良かれ悪しかれ目的意識のあるアメリカやロシアの動きの方に興味をそそられる。自分の国のことなのだから、もう少し真剣にとも思う。この安倍官邸のワイマール憲法なし崩し戦術の罠に嵌っているのかもしれない。

 仮に、まんまと官邸の罠に嵌っているとして、常識の枠外で政治が行われている以上、1足す1が2の頭を持つ人間では太刀打ちできないかな?と思う次第だ。なにせ、平気な顔をして、1足す1は5だとか、ゼロだとか公然と語るのだから、手の打ちようはない。本来であれば、そのような矛盾点を徹底して糾明する役割を持つマスメディアが襟を正すべきなのだが、官邸への恭順の意を示し、官邸記者クラブ発表通りの記事と解説を載せるだけ、1足す1が2だと言っている、こちらが狂人であるような錯覚に陥る。

 安倍官邸の多くの大方針に安倍晋三がコミットしたいのなら、安倍晋三と云う男のIQや人格、倫理感等々を基に推し量ることも可能なのだが、どうも、安倍晋三が“つんぼ桟敷”にあり、国民と同等の嘘偽りレクチャーで納得しているとなると、これはかなり危険な状況なのだと思う。或いは、安倍の心は米国追随の選択しか残されていない日本政府の立場に忸怩たる思いがあり、韓国相手のバトルだけは、米国の意に沿う気がないという返事かもしれない。ロイターが特ダネ的に20日に流した記事は、その証左か?先ずはロイターの記事を読んでもらおう。


≪アングル:浜田・河合教授らが日中韓関係改善を提言、首相官邸は受け取らず
  [東京20日ロイター] - 安倍晋三首相の有力な経済ブレーンである浜田宏一・イェール大学名誉教授ら18人が、日中韓3カ国の関係改善を求める報告書をまとめ、首相官邸などに提出しようとしたところ、受け取りを断られていたことがロイターの取材で明らかになった。
 アベノミクスの発案者らによる外交面での提言は安倍首相の目指す方向性と異なるため、事実上、門前払いされた格好となっている。 提言は、浜田氏や河合正弘・東京大学教授、著名エコノミスト、全国紙論説委員OBを含む18人が参加する「平和と安全を考えるエコノミストの会」が作成した。
 この中で、日本と中国、韓国との外交関係の悪化が日本経済の成長を妨げることを懸念し、政治・外交関係まで踏み込んだ政策を主張している。
 具体的には、1)日本政府が「河野談話」「村山談話」を明確に踏襲する、2)首相・主要閣僚による靖国神社参拝を控え、国民全体が戦没者の慰霊を行える無宗教の慰霊施設を設置する、3)尖閣諸島(中国名:釣魚島)や竹島(韓国名:独島)の領有権問題解決に向け、日中韓は領有権に関して当面は事実上の棚上げを行い、実力・武力で問題解決を図らないことに合意する──などを実行するよう提案した。
 また、日中の軍事衝突が起これば、日本の国内総生産(GDP)を0.8%押し下げ、中国にとっても同様に0.9%のマイナス効果が生じると試算。 その結果、アジア全体の経済成長も損なわれ、アベノミクスが目指す日本経済の再生が行き詰まるとしている。
 その上で、アジア諸国との経済連携を日本の成長戦略の中心にとらえるべきとして、
 1)日中韓は東アジア地域包括協定(RCEP)協定の構築を目指す、2)中国による環太平洋連携協定(TPP)への参加とそれに必要な国内経済改革を歓迎・支援する、3)日中韓3カ国の自由貿易協定の早期締結を図る、4)円・元・ウォンの通貨金融協力を活性化させる──などを提言した。
 同会関係者によると、5月22日にこの提言を取りまとめ、直後に安倍首相に提出し面会することを試みたが、首相は受け取らないとの感触を得たため、菅義偉官房長官への提出に手法を切り替えることにしたという。
 だが、首相官邸の事務方から、この内容では提出を見合わせるべきとの意向が同会関係者に伝えられ、最終的に官房長官への取次ぎや面会も事実上、拒否されたとしている。
 同報告書をめぐる対応に関し、首相官邸では「公式な日程にないことにコメントはできない」(報道担当)と回答している。
 同会は、岸田文雄外相宛てにこの提言を提出できないか外務省関係者と接触したが、こちらも直接の提出・面会を断られた。ただ、間接的に岸田外相に手渡すことは可能ということは、外務省からの連絡でわかったという。
 この経緯に関し、外務省は「事務方から大臣に(報告書を)渡した」(外務省報道室)としている。河合東大教授らはその後も、岸田外相への提言内容の説明のための面会を求めているが、外務省では面会の予定については「承知していない」(報道室)としている。
 今回の提言が、外交面も含めて踏み込んだ内容となっていることに関し、参加した学者メンバーの1人は「官邸の不興を買うことを承知でサインした」と明かす。
 別の関係者は、官邸の対応姿勢について「安倍首相の周囲の人々の中には、かなり保守的な人もいるようだ」と漏らす。さらに別の関係者は、安倍首相の周囲には、首相の意見と違う提案を拒絶する人々がいて情報が制約されているとし、首相の判断に影響が出かねないと懸念を示している。 ≫(ロイター:中川泉 竹本能文 編集:田巻一彦)


 この浜田宏一らが参加する、大学教授、エコノミスト、論説委員OBなど参加の「平和と安全を考えるエコノミストの会」の性格がいま一歩不明確だが、正論を語っている。しかし、アメリカが突きつけてきた“年次改革要望書”と似た臭いがプンプンする点では、安倍官邸の衛藤や萩生田ら超側近が警戒した気持ちも理解できないものでもない。浜田らの提案書を受け取ると云うことは、読むと云うことで、オバマからの命令書を読むことにも繋がるのは明白だろう。知ったうえで、知らんぷりは怖い、であれば受け取らないのが一番利口だ。米国の命令書風味な提案書に目を通したくない”アベノ心”の正体こそがジャーナリストが目をつける部分であるだろう。

 特に、“日韓のいがみ合い”解消のために、中国も巻き込んだ提案内容になっているが、この提案の意図は日韓融和に限定的だ。特に円・ウォンの通貨金融協力に言及している部分が肝だろう。韓国の外貨準備高が底を尽きかけている現実が反映しているような気がする。そこで、日本の余っているドルを韓国に使わせるのが狙いではないのか。こういう懐疑的考えが起きるのも、底が抜けてしまった政府の心を読む必須条件になってきた。いまや、性格の悪い、変質狂的なオタク懐疑主義者じゃないと、日本政府の心は読めなくなっている。

 筆者の感覚から推理すると、安倍の心は、概ねアメリカ様の顔を立てるが、米中露と云う大国と関係を持つことで、日本を維持する情緒性に富んだ思惑(外交戦術)もあるだろう。アメリカは怖いので、正面から逆らうのはヤバイ。しかし、言いなりになるのでは、安倍の幽霊のような支持層が消えてなくなる。長期政権も夢の夢だ。長期になる為には、ロシア・プーチンとの関係は、絶対的命綱なのだ。遅かれ早かれ、中国との問題は解決せざるを得ない。安保上も、経済上も喫緊の課題だ。しかし、韓国との問題で妥協を日本側から出すことは、安倍の政治生命を捨てることになる。

 米国と親和的だが隷属ではない証明を安倍晋三はしたいのである。北朝鮮も存在感のツールとして握っておきたいのだろう。ロシア・北朝鮮との雪解け関係、続いて中国との会話への進展。ロシア、北朝鮮、中国との関係で一定の成果が出れば、その分だけ、米国の口出しの威力は減少する。これにインドやイランが絡めば、先は読めないが、戦後の歴史の中で、まんまと宗主国アメリカを出し抜ける。少なくとも、戦後の隷属からの脱却は果たしたと強弁できるだろう。勿論、上述のような成り行きは、安倍の心が満足することであり、日本の国民にとってどのような影響が出るかは、筆者のキャパを超えているので、考えない(笑)。

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●見出しでミスリード“あさひる新聞” 戦況悪化のウクライナ軍

2014年06月22日 | 日記
安倍政権の罠: 単純化される政治とメディア (平凡社新書)
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●見出しでミスリード“あさひる新聞” 戦況悪化のウクライナ軍

 朝日新聞社に限るわけではないが、本当に一方的立場でしか報道しないのが、日本のマスメディアの習性だ。米国内のマスメディアも似たようなものだが、金太郎飴報道ではないのが救いだ。ここまで来ると嘘報道というか、偏向した情報を流すのは「性癖」と言ってもいいだろう。現実のウクライナ東部戦線の状況は親ロシア派勢力が攻撃用ロケットや戦車を大量に調達、完璧にウクラナ政府軍(勿論、正確不明の軍隊)の士気はバラバラ、武力で優っていただけだ。そのおかげで、今までは戦況の一進一退を維持できたが、一定の武装能力を備えた親露派勢力は血気盛んである。

 NATO及び米国は、イラク、シリアの問題も抱えており、すべてに口出しした割には、何ひとつ内政介入の落とし前をつけていない。このような米国の行動は、近所のうるさい小言爺のようなもので、小言と噂話と、気に入らない奴を村八分にしようと陰謀を企てる以外、何もできない糞ジジイである。アメリカンな小言爺の場合、手も出す、口も出す、足も出すのだから手におえない。その行いを善行だと強弁する防衛体制まで整えているのだから悪質だ。

 米国教育の一環として、メディア・リテラシーと云うものがあるわけだが、このリテラシー(教育)が現代では、もろ刃の剣となり、アメリカ国民に強い影響を及ぼし、プロパガンダ的な操作誘導に利用されるに至っている。このような問題は、アメリカや日本で顕著だが、メディアの寡占化として現れる。所謂、メディア・コングロマリット現象だ。メディア・リテラシーとは、情報を主体的に読み解き、その真偽を見極め活用する能力の啓発教育なのだが、情報処理能力や発信能力も含まれている。

 しかし、メディアの寡占化、コングロマリット化が進んでいる現在では、真偽を見極める能力の教育は忘れ去られ、情報の囲い込みと云うベクトルが確立されている。好ましいものしか見ない、読まない、聞かない症候群現象が日米の国民の主流である。このメディア・コングロマリットは、映画、放送、新聞・出版、インターネットなど多様なマスメディアを傘下に収める。タイムワーナー、ウォルトディズニー、ニューズコープ、21世紀FOXなどがある。日本でも5大全国紙レベルの新聞・出版・放送網の系列寡占化が継続している。

 アメリカの場合、各コングロマリットには独自のイデオロギーが存在し、読者視聴者が納得の上利用していることが多い。問題は日本の5大メディアには、独自性もそれなりにあるが、記事やニュースの70%以上が各関係省庁付属の記者クラブ発表の情報が垂れ流されるので、関係官庁の都合の良い説明に則った報道姿勢になるので、記事の大半が大本営発表な内容になり、且つ独自の切り口を見せることは稀なので、金太郎飴のようになる。その点では、怪しげな雰囲気を漂わせるが、タブロイド夕刊紙や週刊誌の方が、メディア・リテラシー教育には向いているという珍現象が生まれる。

 以上のような問題を、日本のマスメディアが持っていると云う事実を踏まえて、以下の朝日や日経の記事とロシアの声が伝える記事を並べて読むと理解できるのだが、これこそが、メディア・リテラシーにふさわしい例示である。筆者を親中、親露派な人間と思うのは勝手だが、筆者が敢えてそのような姿勢ととる一番の理由は、物事の事実を把握するために、比較参照は欠かせないわけで、放置しておけば欧米勢力だけの情報に埋め尽くされ、本当は何が起きているのか判らずに、あらゆるジャッジをしてしまうリスク回避の方便と割り切っている。以下の例示報道のいずれを信じるかは、それぞれの勝手である。

 ≪ ウクライナ大統領が停戦命令 「和平計画」受け入れ迫る
 ウクライナのポロシェンコ大統領は20日、大統領令を出し、軍に東部の親ロシア派武装勢力に対する武力制圧作戦を同日夜から27日午前10時(日本時間同日午後4時)まで一方的に停止するよう命じた。同国の大統領府が明らかにした。
 ポロシェンコ氏は、期限を区切って作戦を停止することで、自らが提唱する「和平計画」の受け入れを親ロシア派に迫る考えと見られる。
 ポロシェンコ氏は20日、7日の就任後初めて親ロシア派武装勢力が各地で政府施設を占拠する東部ドネツク、ルガンスク州を訪問し、「和平計画」を公表した。計画は15項目で、人質の解放や武装解除を条件に重大な罪を犯していない親ロシア派戦闘員の刑事責任を免除し、ロシアから来た戦闘員の帰還を保証すること、ロシア国境との間に幅10キロの緩衝地帯を設けることなどを掲げている。
 ただ、停戦期間は6日半と短く、期間中も軍や住民が攻撃されれば、制圧作戦を再開するとしている。これに対し、親ロシア派は東部2州からの軍の撤退を求めており、今回も受け入れを拒めば、制圧作戦が泥沼化する恐れがある。
 ウクライナはこれまでたびたび同種の条件を提示したが、親ロシア派は受け入れを拒否。ポロシェンコ氏は今回の和平計画に実効性を持たせるため、プーチン大統領と電話会談するなどロシア側と協議してきた。しかし、ロシア大統領府は20日、声明を出し、ポロシェンコ氏の決定について「和平や交渉への招待ではなく、最後通告のようだ」と否定的な見解を示した。 ≫(朝日新聞デジタル:ウィーン=喜田尚)

≪ ウクライナ停戦命令、早くも形骸化 東部親ロ派が戦闘継続
 【モスクワ=田中孝幸】ウクライナのポロシェンコ大統領は20日夜、軍に対し東部で続く親ロシア派武装勢力との戦闘の一時停止を命じ、15項目の包括的な和平計画を発表した。親ロ派の武装解除を促すのが狙いだが、東部ドネツク州では21日も各地で戦闘が続き、早くも停戦宣言は形骸化しつつある。東部情勢を巡ってはロシアもウクライナへの批判を強めており、早期の事態収拾は困難との見方も広がっている。  「和平に向けた取り組みは新たな段階に入った」。20日夜に就任後初めて同州の軍司令部を訪れたポロシェンコ氏は27日までの短期停戦を宣言。戦闘員への恩赦やロシアへの退路提供も打ち出し、親ロ派に武装放棄を呼びかけた。
 半面、武装を解いて投降しない勢力は27日以降に徹底的に掃討すると重ねて警告。停戦期間中の親ロ派の抗戦も想定し「軍部隊や市民への攻撃があった場合は応戦する」と語った。
 親ロ派武装勢力は20日、和平計画を「全く信頼できない」として拒否する考えを表明。軍部隊との交戦を続けた。激戦地である同州スラビャンスク周辺では21日未明、軍部隊と武装勢力の間で銃撃戦が発生。同州のロシアとの国境地帯でも激しい戦闘が起こった。
 和平計画には武装勢力以外にも実効性を疑う見方が広がる。東部経済を掌握し政界に強い影響力を持つ国内最大の富豪リナト・アフメトフ氏は19日、「話し合いを通じてしか平和は得られない」と述べ、親ロ派武装勢力との協議を否定する政府の姿勢を批判した。
  政府によるとポロシェンコ氏は19日からの2日間で東部の有力者約400人と会ったが、和平計画への全面支持は得られなかったという。ポロシェンコ政権は東部独立を宣言する武装勢力との交渉には応じない立場で、同氏は20日、「領土の一体性は議論の対象とならない」と強調した。
 ロシアは東部情勢を巡りウクライナへの非難を強めている。ロシア大統領府は和平計画の発表直後に声明を出し「武装解除を求める最後通牒(つうちょう)のようだ」と批判。「対話開始の提案という最も重要な要素が欠けている」と指摘した。
 ウクライナ軍が20日に奪還を宣言したロシアとの国境周辺でも緊張が高まっている。タス通信によると20日深夜、80人を超えるウクライナの国境警備隊員が武装勢力に追われて越境し、ロシア側の保護を求めた。
 ポロシェンコ氏は27日、欧州連合(EU) との自由貿易を柱とする連合協定を調印する方針。同日には停戦期限が終わり、戦闘の激化も想定される。ロシアのプーチン大統領は中央軍管区の部隊に対し 21日から28日まで演習を実施するよう指示した。欧米各国では国境警備を名目にしたロシアの介入への懸念も広がっている。  ≫(日経新聞)


≪ ドネツク人民共和国の義勇軍 220台以上の戦車を手に入れ、戦車師団結成へ 
 独立を宣言した「ドネツク人民共和国」は20日、ドネツク州アルテモフスクにあるウクライナ軍の戦車基地を管理下に置いたと発表した。インターファクス通信が伝えた。
  スラヴャンスクから約30キロに位置するアルテモフスクの戦車基地は、深夜に占拠された。 義勇軍によると、戦車221台、装甲兵員輸送車288台、自走砲12台、自走多連装ロケット砲「グラード」18台、歩兵戦闘車183台、迫撃砲12門を手中に収めたという。
 情報センター「南部・東部戦線」のコンスタンチン・クヌィリク氏が、インターファクス通信に電話で伝えた。 「南部・東部統一軍」はインターネットで、ドネツク人民共和国指導部筋の情報として、ドネツク人民共和国が戦車師団の志願者を募集していると伝えた。 tvzvezda.ruより ≫(ロシアの声)

≪ スラヴャンスク 停戦発表後に攻撃される
  ウクライナのポロシェンコ大統領は停戦を発表したが、スラヴャンスク郊外が21日未明、砲撃を受けた。市当局と義勇軍が発表した。
  リア・ノーヴォスチが市実行委員会の情報を引用して伝えたところによると、スラヴャンスク郊外のアルチョームがモスクワ時間で21日01時頃に攻撃されたという。リア・ノーヴォスチは住民の情報として、セミョノフカ村も焼夷弾の攻撃を受けたと伝えた。
  イタル・タス通信は義勇軍の情報として、現地時間で21日02時頃(モスクワ時間で21日03時頃)、セミョノフカが焼夷弾を用いた爆撃にさらされたと報じた。 犠牲者や破壊の規模などについては不明。
 なお、独立を宣言したドネツク人民共和国は、今のところ同情報を確認していない。 これより先、ウクライナ政府が停戦を発表したあと、スラヴャンスクとクラマトルスクの砲撃は停止されたと伝えられていた。 Lenta.Ruより ≫(ロシアの声)

ヴラジーミル・プーチン―現実主義者の対中・対日戦略
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●直近の世界情勢は危機的だ 日本人は気づいていないようだけど

2014年06月21日 | 日記
日本はなぜ外交で負けるのか 日米中露韓の国境と海境
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●直近の世界情勢は危機的だ 日本人は気づいていないようだけど

 面白く知的で皮肉なコラムが目についたので以下に紹介しておく。一番気になった部分は、世界の智と呼ばれた人々の声が消えたことだ。わが国の智や正義と思われる人々の声も、囁きが多く聞きにくい。聞こえてくる、見えてくるのは、あのド阿保な安倍晋三と云う男の“どや顔”である。まあそれはさておき、じっくりとコーエン教授の話を読んでいただきた。

注:スティーブン・コーエン(Stephen Cohen): ニューヨーク大学とプリンストン大学名誉教授。専門はロシア研究と政治学。近著は Soviet Fates and Lost Alternatives: From Stalinism to the New Cold War(『ソ連の運命と失われた選択肢:スターリニズムから新たな冷戦まで』)

≪ コーエン教授、ウクライナ内戦について語る:
‘リンカーンは南部同盟諸州の人々をテロリストとは呼ばなかった

 ’ 歴史的な例えは正確ではないかも知れないが、アメリカ人は自分達の内戦を振り返り、現在ウクライナで起きていることとを比較する必要があるかも知れない。現在、アメリカは、国家統一とほとんど無関係な、残虐で犯罪的な火遊びを支援している。
 これはロシア研究で著名なアメリカ人学者・著者で、1980年代末期にジョージ・H・W・ブッシュ顧問をつとめたスティーヴン・コーエン教授による 評価だ。コーエン教授は、RTに、ひき続くアメリカ政権のロシア政策の過ち、その過ちがもたらしているここ数十年で最悪の危機、そして、ワシントンで物事 の変化を妨げている、アメリカにおける政治論議の劣化について語った。
 コーエン教授は、アメリカにおけるウクライナの出来事に関する主流の主張に異義を唱え、たしかに対象の諸州は反抗的とはいえ、それに対しキエフ政府が遂行している軍事弾圧を“浅はかで、無謀で、残忍で、非人間的な作戦だと言う。”
 “リンカーンは決して南部同盟諸州の人々をテロリストとは呼びませんでした。”と碩学は指摘する。“彼は常に[南部同盟諸州の人々を]、内戦がいか にひどくなっても、北部の合衆国に戻って欲しい、同胞と呼んでいました。一体なぜキエフは自国民をテロリストと呼ぶのでしょう? 彼等は反抗者です。彼等は抗議行動参加者です。彼等には政治的意図があります。一体なぜキエフは代表団を派遣し彼等と交渉しようとしないのでしょう?
 “彼等の要求は理不尽なものではありません。彼等は自ら州知事を選びたいのです - 我々アメリカでは、自らの知事を選挙しています。彼等は税金の使い道について発言権が欲しいのです。‘代表なくして課税なし’というのが一体何かを我々ア メリカ人は知っています”とコーエン教授は語る。“彼等の中には過激派もいますが、皆が暮せるウクライナで暮らしたいと素直に考えている人々もいるので す。ところがキエフ軍は、アメリカ合州国による全面的支援を得て、この攻撃を行っています。”

 ‘本質的に同盟国であるクレムリンを、ワシントンは突き放している’

 アメリカが今、ウクライナで行っていることは、おそらく現在持ちうる最良の潜在的同盟国を遠ざけることだと、コーエン教授は語っている。
 “イランからシリア、アフガニスタンから、更にその先までの、こうした全ての地域におけるアメリカ国家安全保障にとって、最も重要なパートナーは、 現在その主がプーチンであるクレムリンだと確信しています。アメリカ合州国のプーチンに対する態度は、アメリカの国益に対する裏切りと呼びたいほどで す。”
 ロシアは、大統領が、化学兵器を巡って、シリア爆撃をするよう圧力をかけられていたオバマ政権がシリアで面目を保てるよう支援したのです。イランの新指導部と、数十年間で初めての本格的な交渉を開始するための架け橋を作るのを支援したのです。
 “オバマ大統領はとうとう理解したのです。オバマ政権にとって誤った外交政策でしたから、アメリカの国益となる二大実績です。ところが連中はこっそ り逃げ去り、オバマはプーチンをとんでもない程突き放してしまったのです。プーチンを余りに突き放した結果、ウクライナを巡り、我々[アメリカ]はロシア との戦争の瀬戸際にあるも同然です。”
 世界をこの欧米とロシア間の現在の対決への道をとらせるようにしたことで、コーエン教授は、アメリカ、特にクリントン政権を非難している。 “理由は何であれ、これは、NATOをロシア国境まで拡張するというアメリカ政策の推進です。これはクリントンで始まり、息子ジョージ・ブッシュの下で継続され、オバマが推進しています。そして、この因果応報です。”
 “1990年代に一部の人々が… こういうことがおきかねないと警告していました。今やそうなりましたが、連中は責任をとろうとはしません”と彼は言う。“連中は‘わかった、我々が間違っ ていた、政策を考え直さなければいけないとは決して言いません。’それどころか、連中は私の様な意見の人々にこう言うのです。‘あなたはプーチン擁護者 だ。あなたはクレムリンのために働いている。あなたは愛国的ではない。’”

‘オバマ大統領は、外交政策から自らを隔離している’
 
 現政権において、政策を変更する能力の欠如は明白だと、この碩学は考えている。 “多くの大統領の為に働き、個人的に大統領達を知っている、私よりずっと年長の二人の男性と昼食を一緒にとりました。二人とも、彼等の人生で、この大統領ほど外交政策から隔絶している大統領はいないと同意しました。”
 コーエン教授が挙げた逸話的な例は、元国務長官ヘンリー・キッシンジャーとの対話をオバマ大統領が拒否したというものだ
 “本当かウソかは知りませんが、年に二回、プーチンと会っているヘンリー・キッシンジャーと非公式に会うのをオバマ大統領が拒否したと聞いています。キッシンジャーはおそらく、現在生存しているどのアメリカ政治家よりもプーチンを良く知っており、実に多くの大統領の顧問をしてきた人物です。キッシ ンジャーの過去については、色々ありますが、彼は既にアメリカの対ロシア政策批判を公表しています。それなのに、オバマ大統領は、彼と一時間会談して ‘我々のやりかたに何かまずいところはありますか? 我々は状況を誤認しているのでしょうか?’と質問しようとないのです” ある問題に対する様々な視点を考慮しない指導者が、それに対処するための合理的決断ができなくとも驚くべきことではありません、とコーエン教授は語った。
 “大統領に要求したいのは、現状の危機に関する最良かつ最も多様な造詣の深い見解を求める人物であるべきだということです。それだけです… 大統領は、知識、学識の上で正当性がある様々な対立する意見の人々の意見を聞くべきです。そうしようとしない大統領は、オバマやクリントンが我々を危機に 追いやった様に我々を危機に追いやります。”

‘通説を打破する唯一の方法は異説だ’
 
 アメリカにとって不幸なことに、現在、討論をよしとしない風潮はホワイト・ハウスだけではなく、アメリカ社会全般においてもそうなのです、と教授は言う。 “我々が本当に討論したり、大衆が論争したりしていた20-25年前の状況とは違って、アメリカではこれに関する議論や大衆の反対が皆無です”と彼 は言う。“連中が[主流マスコミ - RT注]真実を知っていて、だから真実を語らないのか、それとも連中が、ソ連崩壊以来、ロシアについて言われている神話に捕らわれているのか私にはわかり ません。”
 “アメリカにおけるロシアに関する通説は、20年にわたって形成されました。”彼は言い足した。“しかもそれは単に誤っているだけではなく、無謀で す。この通説が我々をこのウクライナ危機に至らしめたのです… 通説を打ち破る唯一の方法は異説です。私の意見の一部は異説、反逆的、非愛国的と見なされています。しかし必要な場合には、異説は望ましいことなのです”
 この状況は、外交政策問題に関する国民的論議や既成政治勢力に好まれない意見を‘弱小メディア’に追いやろうとはしない他の民主主義諸国でおきている事とは雲泥の差だ。
 “ロシア同様、酷い過去を持つ、比較的新しい民主主義国ドイツでは、出世の妨げになったり、論説欄に載ったりという心配なしに、人々がオープンかつ 自由に議論できる民主主義を築きあげられている。三人の元ドイツ首相のうち二人が、ウクライナ危機は、ロシアではなく、ヨーロッパのせいだと主張してい る。”
 “元大統領達はどこにいるのだろう? この政策を自分が始めたのだから、クリントン大統領が率直に話そうとなぞするわけがないのはわかる。だがカーター大統領はどこにいるのだろう? 異なる政策を遂行していた元国務長官達はどこにいるのだろう? この沈黙は一体何だろう? 他の多くの国々とは違って、アメリカでは、異義を唱えることにたいする対価はさほど大きくないとは言え、体制順応主義という政治文化を、既成権力集団中に 築いてしまったのではないかと私は懸念する。”  ≪(RTロシアToday:マスコミに載らない海外記事さんのサイトより転載)

中国の大問題 (PHP新書)
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●ざまぁみろ!マスメディアの“アホ度”が露呈したワールドカップ

2014年06月21日 | 日記
アメリカ黒人の歴史 - 奴隷貿易からオバマ大統領まで (中公新書)
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●ざまぁみろ!マスメディアの“アホ度”が露呈したワールドカップ

 日本のマスメディアが喧伝しまくったワールドカップサッカー日本代表のトップニュース、特集特番の喧騒が漸く終息する時が近づいたようである。たった10人で守るギリシャのゴールネットを揺らす素振りもなかったのだから、見事にメディアはファンをミスリードしたと云うことだ。このようなマスメディアの印象操作報道は、何もサッカーに限った話ではない。国会のネジレ解消が喫緊の政治課題だと言ってみたり、尖閣や竹島の岩礁ごときで、日中間の関係をよりネジレさせたり、基本的路線を持たず、テーマが週刊誌化している日本の記者クラブメディアである。

 週刊誌各誌の方が、余程格調高くなっている現象は、どういう意味を持つのだろう。話題性、売らんかな姿勢が鮮明になる全国紙。逆にニッチだが、わずかな綻びに食いついて事実を見つけようとしている週刊誌やネット言論。この体質の逆転現象は注目に値する。週刊誌やネットメディアが信頼に値しないと、マスメディアらの世論調査は伝えているが、これすらも嘘なのだろう。イラク、ウクライナ、シリア、エジプト、中国ウィグル自治区等々の報道も、その殆どが米国中心の情報に依存した外務省、防衛省等々からのレクチャー報道か、欧米メディアのパクリ報道である。どんどん、マスメディアの情報が劣化し、週刊誌やネットメディアの情報が真実に近づくのだから、いつの日か、大逆転という節目を迎えるかもしれない。

 冒頭の話に戻るのだが、日本語がいまだに不自由なセルジオ越後氏がサッカーキングの取材に対し、以下のように辛辣に、しかし現実を語っている。

≪ 「これが実力だ。結果は驚きでもなんでもない。今大会の他の試合を見れば一目瞭然だ。日本はどの国よりも未熟で、どの国よりも走っていないし、迫力がない。にも関わらず、一番期待されている国だ。海外組ブランドが喧伝され、選手たちは大スターのように扱われてきた。ヌルい親善試合と、本当のことを言おうとしないメディア。強化よりも興行に気を取られてきた結果、自分たちの実力が実態以上に大きく見えるようになってしまった。しかし、現実は隠せないということだ」≫

≪ 「『自分たちのサッカー』がどうこうというフレーズが騒がれているけど、一つ答えを出すとすれば、今日のこの試合で見せたプレーが、まさに『自分たちのサッカー』だよ。本来の力を出せていないのではなくて、これが世界における我々の本来の力なんだ。そこを見誤っては成長がない。他の試合をよく見てほし い」≫

≪ 「グループステージ突破は、限りなく可能性が低い。コロンビアはメンバーを落としても日本より強い。実力で言えば、グループの1位はコロンビアで、2位は コートジボワールが妥当だ。けれど、突破どうこうではなく、とにかく最終戦には勝って帰ってきてほしい。意地と可能性を見せてほしい。このままでは、本当に何もなくなってしまうよ」≫


 辛口のセルジオ越後氏も最後の最後にリップサービス発言で、コロンビア戦で一矢報いて欲しいものだと締めくくっている。海外組がどうだこうだと言っても、まっとうに活躍し評価されているのは、長友佑都と特高精神で肉弾戦を厭わない岡崎慎司の二人だけ。本田も香川も干されているようなもの、試合勘などあったものではない。NHKはじめ民放各社も開催前の思惑が外れ、ざまぁみろ状態のなのは愉快だが、ささやかに愛国心を持っていた筆者も不快な気分を味わっている。正直、コロンビア戦は3人くらいレッドカード退場者を出すくらいの肉弾戦をしてもらいたいものだ(笑)。フェアプレー賞なんて貰ってくるんじゃない!アンフェア大賞でも貰う気持ちが大切だ。平和ボケ国民の覚醒にはもってこいだろう。

 今日はサッカーを話題の中心に据えながら、日本のマスメディアの体たらく、腐れ具合を例示したのだが、政治シーンも国際関係報道も、すべてがこの調子の報道に徹しているのがマスメディアだ。日中韓との外交問題も、日米同盟の集団的自衛権問題も、TPP問題も、マスメディアの情報に準じて考えを進めていけば、間違いなく誤った結論に達する。冷静に考えてもミスリードされてしまうなら、情緒で吹き上がり盛り上がり無教養と下品を晒すネトウヨ、好戦論者の思い込みの方が頭は疲れずにお得かもしれない。生半可の知識人なんてのは、極めて貧弱なものなのだから、一層無神経に野蛮に生きている方が正しいのかもしれない。

 ある意味で、「愛国、反中、嫌韓本」が書店の棚を埋め尽くし、愛国フェアー状態になっているのは、日本人に「深くものごと考えないで、気分次第で生きた方が良い」「新聞やテレビの言うことを信じたらひどい目に遭うよ」と諭されている気分にさえなる。これは、気楽に生きてゆく手段のひとつかもしれない。筆者は、今日のところ、そんな考えがチラリと浮かんだ。何もかもが嘘だらけで、初めから真実とか事実とか、そんなものと無関係な現実を我々は生きているのではないか?デカルトやヒュームの懐疑論の本が棚の中で眠っているが、埃を叩いて虫干しでもしておくか(笑)。

 最後に、またまたアメリカンのご都合主義、どこに目がついているのか判らぬ話題を追加しておこう。時事通信によると、アメリカンは「人身売買実態年次報告書」などと云う好き勝手報告書を作成し、大好きな格付けに興じている話。ヒラリークリントンの挨拶文を読んでみて理解したが、早い話がアメリカンが貧乏移民国家から、飛躍的発展を遂げて文明国家風の体裁を整えた源泉である「奴隷制度」と云う歴史的恥を覆い隠し、エクスキューズするために、このような偽善的「善行」を国を挙げて行っていると云うことだ。ただ、アメリカンの傲慢で図々しく厚かましいのは、世界のあらゆる国がアメリカンの「奴隷制度」で文明を発展させたわけでもないのに、同罪の仲間のような格付けで、誤魔化そうとは、本当に地球上の悲劇の元凶である。

 ≪「JKお散歩」は人身売買=米国務省が年次報告書
【ワシントン時事】米国務省は20日、世界各国の人身売買の実態をまとめた年次報告書を公表した。日本については、女子高生とデートできるとうたった 「JKお散歩」と呼ばれる接客サービスを新たな性目的の人身売買の例として示した上で、各国の取り組みを4段階に格付けした中の、上から2番目の評価に据 え置いた。
 日本が2番目の評価にとどまったのは10年連続。報告書は「援助交際」も人身売買の例に挙げ、「日本に来る外国人の女性や子供の中に は、到着後すぐに売春を強要される者もいる」と指摘。「日本人男性は、東南アジアやモンゴルでの児童買春ツアーの大きな需要源」とも記した。
 また、政府が運営する技能実習制度で来日した人も含め、外国人労働者が強制労働の被害者になりやすい実態があると説明。「日本政府は、人身売買撲滅のための最低基準を十分に満たしていない」と認定し、包括的な人身売買禁止法の制定などを改めて勧告している。
 4段階のうち最高評価だったのは米国、韓国など31カ国・地域。制裁対象となり得る最低評価はロシア、北朝鮮、イランなど23カ国だった。 ≫(時事通信)

 時事通信記事の趣旨は、奴隷問題と云うより、売春に対する格付けのように勘違いする書き方だが、あくまで貧困、倫理道徳観、法整備などの観点から、強制労働や性がらみの偽装結婚等々と広範な視線からの報告書だが、韓国やアメリカンが優良マーク?馬鹿言ってんじゃないよ!腹を抱えて笑い転げる格付けだ。前述のように、アメリカンの大成功の源泉であった「奴隷制度」が歴史上から消えてなくなるわけもなし。にも関わらずシャアシャアと、他国では今も尚改善されていない?そもそもアメリカンの「奴隷制度」と貧困による売春とか、同等に語ること自体が欺瞞であり、独善にして高慢ちきだ。本当に不快な国である。

アメリカン・ドリームという悪夢―建国神話の偽善と二つの原罪
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●ちらつくCIAの影 イスラム武装勢力ISILは“反イスラム”勢力? 

2014年06月20日 | 日記
暴露:スノーデンが私に託したファイル
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●ちらつくCIAの影 イスラム武装勢力ISILは“反イスラム”勢力? 

 朝日や毎日が社説で、イラク混乱の責任はアメリカにあるのだから、故にアメリカは現在のイラクの内戦状態を仲裁するべきである。まあ、こんな感じの、一見正論風な論説を語っているが、その心は、アメリカが世界の支配者なのだから、イラクであれ、シリアであれ、ウクライナであれ、進んで仲介者になる責任がある。裏返して言えば、その権利がある、と主張している。これが、西側諸国のメインストリームを闊歩するメディアのキメ台詞だ。“責任がある=権利がある”、責任があると言っておけば、権利と云う圧力的言葉を背中側に隠せると云うことだ。ロイター通信は以下のように、アメリカの思惑を伝えている。

 ≪ 米国がイラクへの対応検討、マリキ首相辞任促すよう求める声も
[ワシントン18日ロイター] - オバマ米大統領は18日、緊迫するイラク情勢への対応を米議会指導部と協議した。米議会では、イスラム武装勢力の制圧に向けた指導力が不足しているとしてイラクのマリキ首相に辞任を促すよう求める声が強まっている。
 米軍制服組トップのデンプシー統合参謀本部議長は、イラク北部で勢力を広げるイスラム教スンニ派の武装勢力に対抗するため、マリキ政権が米空軍の支援を要請したことを議会公聴会で明らかにした。
 デンプシー統合参謀本部議長は米国がその要請に応じるかどうかには言及しなかったものの、米国側がイラクに対する空爆の決定を急いでいないことを示唆した。
 ホワイトハウスによると、オバマ大統領は、イラクの指導部が「派閥間での問題をいったん脇に置く」ことができるような取り組みを議員に説明。治安改善を支援するためのオプションを見直し、議員らに意見を求めたという。
 米政府高官によると、オバマ大統領は今後の流れを打ち出しておらず、最終的な決定もまだ下されていない。
 バイデン米副大統領は18日、マリキ首相らイラク指導部と相次いで電話会談し、イスラム教スンニ派の過激派組織「イラク・レバントのイスラム国(ISIL)」など武装集団による攻撃に対して結束するよう呼びかけた。また、あらゆる宗派や民族が参加する政府の樹立を求めた。
 ホワイトハウスの声明によると、バイデン米副大統領はマリキ首相のほか、スンニ派のナジャフィ連邦議会議長、クルド自治政府のバルザニ議長ら3人と個別に会談した。 ≫(ロイター)


 筆者には、イラクで米国軍の駐留中にテロ行為を繰り返していたイスラム武装集団「イラク・レバントのイスラム国(ISIL)*注;名称が刻々変化するがここではISILとする」が、隣国シリアで、反アサド軍となり、シリア内戦でも大きな勢力になっているところまでは理解していた。ただ、イラクでのテロ行為では反米であるのに、シリアにおいては反アサド(反露)で親米な行為を行っている。何じゃこりゃと云う勢力なのだが、イスラム国家樹立を目指すと言っても、イスラム国家は既に中東やアジアに存在するわけで、宣伝臭が漂う。

 ISILの行動原理がイデオロギー的とは言い難い部分があるとなると、目的は何なのか、という問題だ。単純に思いつく目的の一つは金儲けの暴力だと言える。しかし、アルカイダと合併したと言っている矢先から、アルカイダ幹部を殺害したり、単に金だけで動いている割には、シリアやイラク政府と対等に対峙できる力量がある点から考えると妥当ではない。シリア戦線では欧米の支援を受けていたのに、イラクではマリキ政権転覆の勢いだ。マリキは現実、米国にヘルプミーと叫んでいる。

 しかし、イラク・マリキ政権の一応後ろ盾だった米国だが、必ずしも米国隷属一辺倒な日本のような態度でなかったマリキに対し、米国の態度は冷淡なようだ。悪く言えば、マリキ政権がギブアップし、政権の座から自主的に降りることを望み、裏では引きずり降ろそうとしているとも言える。結局、筆者が常々主張するように、米国の「自由と民主主義(アメリカンデモクラシー)」と云う代物は煮ても焼いても喰えないもので、到底普遍性の欠片さえない、詐欺的言説に過ぎないことが証明されている。世界中のあらゆる国家の、あらゆる政権をも「コントロール下に置きたい」と云う強い意志さえ感じる。つまり、よく言えば、「アメリカ一国が正義であれば、世界は丸く治まる。ゆえに、地球上に複数の列強国家は不要で、強国は唯一アメリカであることが好ましい」と云う考えだ。

 にも拘らず、アメリカのホワイトハウスと云う処に棲み込む主は、常にアメリカ国民のためではない、何らかの勢力のために作動している行政機関のように思えてくる節があちこちで顕在化している。その勢力を一個のものと決めつけるのは間違いだろう。世界を支配するアメリカと云う暴力装置をコントロールする勢力は、日進月歩と云うか、一定期間でチェンジしているようだ。時に大統領の政治力であったり、議会の勢力であったり、産業の勢力であったり、アングロサクソンの総意であったり、イスラエルを代表するユダヤのマネーであったり、軍産複合体やペンタゴンの利益相関であるのだろう。こんな難しいことを考え出すと、一晩では終わらない。

 取りあえず今夜のところは、2013年8月の解説記事だが、この時からと現在では、アルカイダよりも、アルカイダの上前を刎ねた勢力ISIL組織の方が勢力拡大中なのだが、アルカイダがビンラーディンでイスラム原理に統一されていたのだが、このISILと云うイスラム純化主義を装っているのだが、やっている戦闘は、極めて米国、イスラエル寄りである。この辺を視点に観察してみれば、ISILなどは、まったくイスラム的ではなく、CIAが背後に存在している反イスラムな思惑を秘めた武装集団と思って状況をウォッチしておくと、意外に面白い解が得られそうだ。イスラム原理主義が如何に地球上にあってはならないも、と位置づけた壮大な嘘の世界である可能性は大いにある。


≪ 焦点:エジプト騒乱にアルカイダの影、勢力拡大へ「絶好の機会」か  
 イスラム過激派がなぜこれほどの短期間で世界中に広がったのか、その理由を探るためには10年前に遡らなくてはならない。
 エジプトで抗議デモを行うイスラム主義者たちが次々と死んでいく様子が世界中のメディアで報じられていることは、イスラム教徒が迫害を受けていると説くアルカイダにとっては、まさに「思うつぼ」だ。リビアやシリア、イラクでのやり方と同様、不安定な社会情勢に乗じる戦術をエジプトにも広げるまたとないチャンスでもある。
 エジプト情勢はまだ予測不可能で、必ずしもイスラム過激派の最前線になるとは限らない。しかし、暴力の応酬でエジプトは爆弾攻撃の前に弱体化し、イスラム法支配実現のために暴力を行使しようとする人々を奮い立たせるスローガンに、以前にも増して影響を受けやすくなった。
 「アルカイダを支える絶好の機会があるとすれば、それは間違いなく今だ」。ソマリアのイスラム過激派アルシャバーブに関連するケニアの組織は、エジプトに旗を掲げることが優先事項だとツイッター上でこう訴えかけた。
 これは14日のエジプト当局による抗議デモの強制排除を受けて、アルカイダ系のイスラム過激派組織が発信した無数のツイートのうちのひとつだ。彼らはエジプト人に西欧からの輸入品にすぎない民主主義を放棄し、シャリア(イスラム法)に基づく政府の樹立に向け戦うよう呼びかけている。
 米ワシントンに拠点を置くシンクタンクのSITEによると、エジプトでイスラム過激派の活動を広げていくことは、地域紛争を利用して聖戦による革命を地域全体に広げようというアルカイダの戦術に資するものだと指摘する。
 モルシ前大統領の失脚は、アルカイダの指導者ザワヒリ容疑者のような過激派にとって自らのプロパガンダを広げる機会となった。エジプト出身のザワヒリ容疑者は、モルシ氏の出身母体であるムスリム同胞団が暴力ではなく平和的手段でイスラム主義を導入しようとしていたことを「裏切り行為」だと非難していた。
 8月上旬、ザワヒリ容疑者はエジプトで「コーランの戦いを遂行する戦士たち」の結集を求めていた。  いま懸念されることは、ムバラク元大統領の退陣に伴い実施された選挙でその影響力が実証されたムスリム同胞団のメンバーが、ザワヒリ容疑者の考えに同調するのではないかということだ。
 強制排除で同盟国や最大の支援国である米国から批判を浴びているエジプト軍だが、アルカイダはすでに同国に関与しており、その活動を止めるには断固たる措置で臨むしかないとしている。
 エジプト外務省は18日、こん棒や銃器を持った同胞団メンバーだとする写真を公表。そのうちの1枚には黒いアルカイダの旗が写っていた。17日には治安当局がザワヒリ容疑者の弟を拘束したと発表している。
 同胞団はアルカイダとの関係を否定している。また専門家は、国内勢力が暴力に打って出ることはあっても、外国から多数の過激派がエジプトに流入する可能性については懐疑的だ。
 戦いを求める国際過激派にとって、魅力的な戦地は依然としてシリアだ。同国ではアルカイダ系組織のアル・ヌスラ戦線と「イラク・レバントのイスラム国」による組織的な攻撃が続いている。
 シリアは反シーア派を掲げるアルカイダにとって、シーア派の分派であるアラウィ派のアサド大統領および彼を支援するイランと、スンニ派の戦いという構図を描きやすいのだ。
 またアルカイダは、たとえトップのザワヒリ容疑者がエジプト出身といえども、もはや同国での戦闘命令をトップダウンで下せるような組織ではない。
 1980年代にオサマ・ビン・ラディンによって設立されたアルカイダは、他のグループを取り込みながら、サラフィー主義(イスラム純化主義)過激派の中で最も強力な組織に育っていった。
 しかしそれは階層型権力構造ではなく、地域ごとの異なるイスラム過激派の連携という形で行動していた。共通の理念により彼らは統合し、指導者たちはアフガニスタンなどでの戦闘経験を共有していた。
 2011年にアルカイダの指導者となったザワヒリ容疑者は、彼個人のエジプトへの関心と、組織に加盟する勢力をまとめあげる力を誇示することとのバランスを取らざるを得なかった。
 <リビアの武器>
 エジプトはイスラム主義者による暴力の歴史がある。1981年、当時のサダト大統領はイスラム主義者に暗殺された。1997年には武装勢力がルクソールで外国人観光客58人を殺害した。
 19日、イスラム武装グループとみられる集団がシナイ半島で警察官少なくとも24人を殺害した。エジプト軍が実権を握って以降、シナイ半島では同様の攻撃は倍増。一方、エジプトの西側で国境を接するリビアは、武器の密輸や、爆発物に精通する国際過激派にとって格好の往来の場となっている。
 2011年にリビアの指導者カダフィ大佐が追放されて以来、イスラム過激派は同国を活動拠点や武器の補給拠点として利用してきた。
 過去2年間で、リビアからエジプトに流入した武器は数知れない。さらに2011年のムバラク元大統領失脚に至る革命のさなか、刑務所から多数の服役囚が脱獄したことが、エジプト不安定化の恐れを増している。
 イスラム過激派による攻撃が表面化するまでにどれだけの時間がかかるかは、当局による弾圧のスピードを勘案すると、議論の余地があるだろう。
 シリアの場合、首都ダマスカスで最初の大規模な爆弾攻撃が発生したのは、アサド大統領退陣を求めるデモが起きてから9カ月後の、2011年12月だった。この爆発は後にアル・ヌスラ戦線が犯行声明を出した。
 イスラム教徒が欧米諸国の攻撃にさらされているとする過激派の論理は、一層勢いを増している。その背景には、毎年13億ドル(約1264億円)の軍事支援を行っている米国が、エジプト当局の弾圧に加担していると人々に受け止められているためだ。
 ほぼ間違いなく、2003年の米国主導のイラク侵攻以降で、エジプトを取り巻くイスラム世界の反米感情を最も高める可能性がある展開と言えよう。そしてアルカイダにとっては、勢力を拡大する機会を与えている。
 アフガニスタンのタリバンもモルシ追放を非難した。「イスラム・マグレブ諸国のアルカイダ組織(AQIM)」はエジプト軍と共謀する外国勢力を非難し、エジプトの危機を世界中で起きているイスラム社会への攻撃の一部だとした。
 パキスタンでは米国と、米国主導のアフガニスタンでの武装勢力との戦いを非難するものにとって、エジプトの強制排除は打ってつけの材料となった。「今やモルシを支持せざるを得なくなった」とあるパキスタンの外交官は語る。同国は米国に支援された軍事政権の苦い歴史から、同胞団に対する見方にかかわらず、民主的に選ばれた大統領を支持せざるを得ないのだ。
 2012年にオバマ米大統領が選挙戦で、アルカイダの脅威は大幅に縮小したと述べたにもかかわらず、米国は今月に入って、安全上の懸念から北アフリカと中東の大使館を閉鎖した。
 エジプト当局による強制排除は、イスラム過激派が欧米諸国に対して恐怖心を植え付けるだけの力を保持していることを実証する「米国の大使館閉鎖」という出来事と、時をほぼ同じくして起きたのだ。
 ≫ (ロイター2013年8月19日:Myra MacDonald記者 21日朝日新聞翻訳:新倉由久 編集:梅川崇)

ジュリアン・アサンジ自伝: ウィキリークス創設者の告白
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●安倍成長戦略の正体 市場原理主義と国家社会主義の「混血鬼子」

2014年06月19日 | 日記
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●安倍成長戦略の正体 市場原理主義と国家社会主義の「混血鬼子」

 今夜は引用が長いので、筆者の考えは手短に。以下は山田厚史氏の法人税減税と消費税増税と云う、「アベノ殺人税制」に関する重大欠陥に関するコラムだが、安倍官邸の産業競争力会議とかいう代物が出してきた、各省庁の言いたいこと尽くめの羅列集。あいもかわらぬ手法で「日本再興戦略」なんて名前のおためごかし資料が官邸HPにあった。

 読むのも時間の無駄、そんな気にもなるが、その一見クダラヌ資料の中に、リバタリアンな市場原理主義経済に身を委ねる弱肉強食社会の実現と、既得権益勢力の利権を堅持し、あいもかわらぬ護送船団方式である。突き詰めれば、安倍の成長戦略の正体は、共産主義計画経済と市場原理主義経済を足して2で割るならいざ知らず、ふたつの混じり合うことのない、水と油をビンの中で撹拌し、瞬間的には混じっている、と強弁する詐欺師そのものだ。まぁ今夜は山田氏のコラムの掲載だけにして、「日本再興戦略」なる羅列集は数日中に切り刻むことにする。


≪ 法人税減税に正義はない  公平な税制を歪めた成長戦略
 安倍政権は、すごい政権である。憲法を変えない限り無理とされた海外での参戦を「憲法解釈」で出来るようにする。放射能汚染水の垂れ流しは「アンダーコントロール」と世界に説明した。
 それに比べれば「消費税は上げて法人税は下げる」なんて軽いかもしれない。税と社会保障の一体改革を叫びながら、減税財源を示さないまま法人税を 下げるのは乱暴だ。企業への優遇税制を残し、税率だけを下げるのはフェアでない。公正な受益と負担という財政の根幹を揺さぶるものだ。
「私がやると決めたからやるんだ」といわんばかり首相の態度は納税者を舐めていないか。

◆ネット上で話題となったトヨタの決算
 自民党税政調査会で法人税が議論されていた時、ネットでは「5年間納税(法人税)ゼロ」の会社が話題になっていた。トヨタ自動車である。5月8日 にトヨタが発表した2014年3月期決算は、営業利益が前年より73.5%増え2兆2921億円と、史上最高の好決算となった。

 売上でなく利益が2兆円である。驚くべき決算だが、もっと驚く事実を豊田章男社長は明らかにした。 「うれしいことは日本でも税金を納めることです」
 決算会見の冒頭でこう述べた。
「社長になって国内で一度も税金を払っていなかった。企業は税金を払うのが使命。納税ができる会社としてスタートラインに立てたことを素直に嬉しく思う (*筆者:このような発言の出来る豊田章男社長を個人的には好きだ)

 トヨタはどん底の経営が続いていたのか、と思ってしまうが、そんなことはない。昨年度も1兆3208億円の営業利益を出し、一株90円の配当を行っていた。圧倒的な好決算に潤いながら税金を払っていない、とは一体どういうことなのか。
 法人税は利益に対する課税だ。1兆円を超える営業利益を稼いだなら、相当額の税金を納めてしかるべきだと思える。
「1兆円儲けても無税」の仕組みをトヨタは明らかにしない。社長が「払えて嬉しい」というのだから、税金をごまかしていたわけではないだろう。合法的に課税を逃れた結果である。税制がトヨタのような「大儲け」に寛大な仕組みになっている、ということである。

 ◆損失の繰り越しだけではない優遇措置
 税務の専門家は「トヨタは損失の繰り越しを行った」とみている。ある会計年度に多額の損失(赤字)が発生した場合、向こう9年間に渡り、損失を利益から控除できる。
 トヨタはリーマンショックで多大な損失を出し08年度(2009年3月期)は、税引き前利益が5604億円の赤字に陥った。この損失が09年度以降に繰り越しされた。  
 しかし翌09年度には立ち直り、トヨタの業績は回復に向かった。税引前利益で見ると09年度は2914億円、10年度5632億円、11年度4328億円、12年度1兆4036億円もの黒字を稼ぎ出している。
 これだけの利益を08年度の損失の「繰り越し」で消すのは無理がある。他にもっと大きな「税制上の控除」がなければ法人税はゼロにはならない。注目されるのが「租税特別措置」だ。
 租税特別措置は、特定企業に対する税制上の優遇策である。例えば、研究開発費をたくさん使った企業は税をまけてやる、というふうに政府の方針に沿う企業へのご褒美である。補助金は現金を与えるが、租税特別措置は税の控除を通じて行う政策誘導だ。
 毎年、税制改正が行われる年末になると、財界は租税特別措置や補助金の拡大・維持を求めて大騒ぎする。業界団体は各社の社長・会長を先頭に自民党有力者を回る。政治献金は、優遇税制を「おねだり」する交際費である。
 研究開発費だけではない。企業の海外展開も政府の方針に沿っている、ということで海外で納めた税金は控除される。この他、雇用の維持や、設備投資など大小さまざまな租税特別措置があり、日本を代表する巨大企業には税金が安くなる仕組みが満載されている。
 その結果、1兆円を超える利益を上げながら、トヨタは「税金が払えなかった」のである。
 何も悪いことはしていない。トヨタは忠実に税法を守ることで「税金を払わなくていい」企業でありえた。

◆依然続く政官財の支え合い
 この仕組みはある日突然できたものではない。財界・業界は長年政界にロビー活動を行い、実績を重ねてきた。年初の恒例行事である自動車工業会の新 年会には総理大臣、経産相、国土交通相が招かれ挨拶する。自民党税制調査会の有力者をはじめ大勢の国会議員が集まることで有名だ。
 リーマンショックで税金を払えなくなっても、自動車業界は政治献金を続けてきた。
 財界は1988年に起きたリクルート事件をきっかけに政治献金を廃止した。復活を決めたのは経団連会長だった奥田碩(ひろし)トヨタ自動車社長(当時)だった。奥田氏は経済財政諮問会議の民間委員を務め、政府方針の策定に参加し、小泉政権を支える財界の柱だった。
 租税特別措置や補助金は民間企業の働きかけだけでは獲得できない。所轄官庁の協力が必要だ。業界と一心同体になって制度づくりに動いてくれる官僚機構を抜きに優遇措置はありえない。
「納税復活」を語った決算会見には、章男社長の傍らに経産官僚だった小平信因氏が寄り添っていた。資源エネルギー庁長官で退職し、冷却期間をおいてトヨタに再就職し今は副社長である。
 日米自動車摩擦が起きた1980年ころは、自動車課の課長補佐としてメーカー各社に対米輸出の「自主規制枠」を割り付けるなど、若いころから業界に縁の深い人だ。トヨタの経営に加わることは自動車官僚としての人生の到達点かもしれない。
 1兆円儲けながら、税金ゼロ、という世間常識を超えた「仕組み」を支える構造はトヨタや自動車会社に限った話ではない。
 税制は国の根幹である。決めるのは国会であり、与党である自民党の税政調査会が強い力を持ってきた。背後には大企業のロビー活動や官僚による政策づくりがあり、政官財が一体となって税制が形作られている。

◆庶民、零細企業には負担を強いる
 企業が法人税を下げてくれ、というのは当然の要求である。税金が安いのはありがたいことで、国際競争にさらされる企業にとって死活問題かもしれな い。一方、庶民にとって消費税が上がることは楽しいことではない。増税分を価格に転嫁することが難しい中小零細の事業者も「消費増税大反対」だ。(筆者注:庶民や中小零細企業は役人ポスト容易出来ないからな)
 税は立場によって利害損得が複雑で、皆が納得する税制は難しい。そこで日本は税制に関して「公平・中立・簡素」をうたい文句にしてきた。バランスを欠く税制はよくない、という考えだ。
 政府が掲げる税と社会保障の一体改革は、社会保障制度を維持するために増税をお願いする、ということである。社会保障の予算を切り詰め、サービス は低下するが、それでも財政は厳しいから負担増は避けられない、という身もふたもない方針だ。そこまで日本の財政は傷んでいる、ということである。
 国家財政の非常時に、なぜ法人税だけが優遇されるのか。
 安倍政権は16日決めた「骨太の方針」に、法人税の実効税率を現行の35.64 %(東京)から20%台に引き下げる、と盛り込んだ。
 法人税率を1%下げると国庫は5000億円の減収になるという。10%下げれば5兆円だ。来年消費税を10%に引き上げても帳消しになりかねない税額である。
 法人税を払っているのは黒字に潤っている大企業だ。トヨタでも昨年まで払えなかったのだから、法人税は優良企業への課税といっていいだろう。
 日本で利益を稼げるのは、日本社会の支えがあってのことで、儲けの一部を社会に還元することは企業の使命、という思想に裏打ちされている。
 21世紀に入って日本では企業が儲けても従業員の取り分は減り、給与総額は縮小している。反対に企業の内部留保や株主への配当は膨らんでいる。グローバル競争にさらされる企業の多くは、社会への還元を抑制し、経営者・資本家に配慮する経営へと舵を切った。
 法人税の引き下げはこうした流れを国家レベルで進めることである。
 庶民の税負担を重くし、儲かっている企業の言い分に従う政策だ。危機的な財政状況で皆が我慢を強いられているとき、経団連のわがままを聞くことがはたして妥当だろうか。税制改正のポイントはここにある。

◆苦しむ赤字法人に課税も
 異論は財務省内部からも上がっている。
「経団連の言い分は分かるが、この局面で法人税減税を進める大義はない。首相は取り巻きに経産省出身者が多く、経済界の言い分が反映しやすい」(財務官僚)
 政府税制調査会からも「法人税を引き下げるなら、租税特別措置など既存の優遇措置も同時に見直すことが必要になる」という声が出ている。政府税調の太田弘子座長は法人税減税に理解を示しながら「多くの企業に薄く広く税を負担してもらうよう検討する」と言っている。
 そこで登場するのは赤字企業への課税だ。利益への課税では赤字企業は徴税されない。資産や従業員の数など「企業の規模」に課税する外形標準課税が浮上した。いわゆる「赤字法人への課税」だ。
 税金ゼロはトヨタだけではない。政府のてこ入れで再生したJALは、世界一の高収益エアラインになって今も税金を払っていない。公的資金で生き延 びたメガバンクも数年前までは税金を免れていた。赤字法人の課税が実現すれば、こうした企業からも徴税できる、というのである。
 ところが中小企業が反発している。課税逃れの大企業と違い、中小企業は本当に苦しいから税金を払えない。消費税も実際に納税する義務があるのは消 費者ではなく事業者だ。多くの中小零細企業は、消費増税を価格に転嫁しきれず負担増になっている。そんな時に、法人税を軽くするしわ寄せで赤字企業課税ま で導入されたら生きていけない、というのである。
  「儲かっているのに税金を払わないで済む仕組みを変えなければいけないのに、大企業に手を出せないから赤字企業までというのは天下の悪政だ。中小企業はもっと怒るべきです」
 立教大学の山口義明教授はあきれている。
 租税特別措置は民主党政権の時に見直す動きがあった。経済界の反対が強く、実現しなかった。経団連など財界の有力者は「既得権にメスを入れる改革を」などというが自らの既得権である税の優遇は手放さない。
 数兆円規模になる法人税の実効税率の引き下げは、減税財源が見当たらないまま、骨太の方針に書き込まれた。
  「法人税が下がれば、企業が元気になって税収が増える。増えた税金を財源にすればいい」。そんな気楽な言い分が経済界に広がっている。不確かな楽観論を根拠に、自分の儲けだけは確実に増やす。日本の財界人はいつから自分の庭先しか考えなくなったのか。
 税の歪みをますます大きくする法人税が「成長戦略」という国家に未来はあるのだろうか。
 ≫(ダイアモンドONLINE:国際・山田厚史の「世界かわら版」)

「欲望」と資本主義-終りなき拡張の論理 (講談社現代新書)
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●アメリカンデモクラシーの大矛盾 癌細胞摘出手術で全身くまなく癌転移

2014年06月18日 | 日記
アメリカン・デモクラシーの逆説 (岩波新書)
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●アメリカンデモクラシーの大矛盾 癌細胞摘出手術で全身くまなく癌転移

 安倍という「ド!阿呆」の口癖になっている「普遍的価値」と云う言葉、現状の世界情勢を目の当りにしたら、わずかに知性と云うものを持ち得ているなら、到底口には出せない用語である。にもかかわらず、この恥ずかしながら、わが国の内閣総理大臣は、パトリオットミサイルのように連発し、なんら恥じることがない。

 安倍が面従腹背であろうがなかろうが、アメリカ政府の泥縄型の外人部隊再編再構築の罠に、事実上嵌っているのが現実だ。オバマ政権も外交防衛で事実上イニシアティブを失い、ネオコン勢力の矛盾軍事作戦の計画に嵌りこんでしまったようだ。覇権国であるべき、アメリカンの内部が、世界の潮流「カオス」の真っただ中にあり、国内行政力は死守しているものの、国外政策は、完全に破たんしている。しかし、オバマは、ネオコンらが跋扈し、オバマの主張に泥を塗りながら闊歩する状況を追認せざるを得ない立場に追いやられているようである。ここで、オバマがネオコンら好戦族を公に批難すれば、アメリカ自体がなせん模様にならないとも限らず、追認外交に終始している。

 日本に対する米国の外交姿勢などは、まだ負の部分が顕在化していないので、ここで多くの想定問答を繰り広げても、為にする議論になる可能性が高いのやめておくが、イラク・フセインのクウェート侵攻・湾岸戦争以降のアメリカ外交軍事戦略には、どこをどのようにほじくり返しても「普遍的価値(自由と民主主義)」の欠片を見つけることは不可能だ。しかし、安倍は世界中を物見遊山漫遊で豪遊し、この欠片もなくなった米国の「普遍的価値」を連発している。

 まぁ、安倍の外交など、ほぼ論評に値しないので放置しておこう。己が信じる理念と云うか、願望を大声で口走り、最終的には官僚どもの浅知恵の範囲で決着させる「隅田川政治」の顛末に、貴重な時間を割く必要はない。多少割く価値があるのは、唯一の覇権国家らしい、アメリカの論理性のなさの方だろう。前述したように、ホワイトハウスと国務・国防省・CIA・FBIなどの意思疎通がまったくなされていないようにさえ見えてくる。このような覇権的国家のカオスは非常に問題だ。暴力装置が確固たる意図なく、その暴力や陰謀を実行してしまうのだから、キチガイに刃物状態に近いのである。

 フセインが1990年、クウェート侵攻・湾岸戦争に至った経緯が、アメリカと云う国が世界を混沌に引きずり込んだ発端のように思える。勿論、専門筋の解釈ではなく、事実関係だけを追っかけてみれば、と云うことで、遠因はもっと複雑だろうが、考えないことにする(笑)。その11年後、2001年の9月に「アメリカ同時多発テロ事件」が起きた。起きたのか、起こしたのか、その議論も極めて重要なことだが、ここでは敢えて起きたことにしておこう。そうして、この事件のテロ実行がビン・ラーディンのアルカイダによって引き起こされたと云うのが、専らの通説である。

 その後のアメリカでは、「対テロ戦争」と云う美名の下に、あらゆる思惑がらみな勢力が軒を連ね、イラクもイランも北朝鮮も、一束に「悪の枢軸国」とジョージ・W・ブッシュ大統領に言わしめた。911事件後、イラク国営放送が「アメリカのカウボーイがこれまで犯してきた人道への犯罪に対する果実だ」と謂わば正論を吐いたのだが、この論評が、何らかの事情で起きた「アメリカ同時多発テロ事件」で傷を負ったブッシュ?米国民?の怒りを買い、大量破壊兵器を持っているに違いないと云う根拠なき理由で、ビン・ラーディン=アルカイダ(テロ軍団)=イラク・フセイン大統領と云う「対テロ戦争」欧米メディア中心のプロパガンダ下、イラク戦争が一方的にはじめられた。

 結局、多勢で無勢な一方的戦争の対象国家となり、悪漢・フセイン大統領は、アメリカが主張する正義のために殺害された。フセイン・バース党が束ねていた群雄割拠のイラクと云う国家に腕を突っ込み、イスラエルの宿敵を妥当し、軍産複合勢力の懐を潤したわけだが、公式なアメリカ政府の「対テロ戦争」は、盲腸に出来た癌細胞を摘出する手術を施術した結果、全身にくまなく癌細胞を撒き散らす重大な問題を惹起した。この癌細胞は、血液やリンパ液を通じて、各所に点在し、孤立し無力感に囚われていた少数民族や、民族意識に火をつける重大事を惹き起こしている。

 アメリカン・デモクラシーと云う、デモクラシーもどきな価値観を「普遍的価値」などと、口にすること自体が無教養なのである。フセイン、ビン・ラーデインを抹殺して、なにが改善したのか?筆者にも、改善どころか、より一層の混迷を創出しただけにしかい見えない。凶暴と言われるアフリカ象でさえ、自分の死期を知った時点で、群から去る知恵(習性)を持っている。アメリカと云う20世紀のマンモスには、アフリカ象の知恵すらもないのだろうか。一切の歴史もなく、ネイティブ・アメリカンを駆逐し、移民で成り立つ人工国家がユダヤ人の金と浅知恵に翻弄され、とどのつまり、世界中に癌細胞を撒き散らしているのだから、無力感に襲われても、不思議はない。

 「対テロ戦争」とかデリバティブ取引とか、無いものを在るかのように見せる金融資本主義が如何に愚かで、人間性を失った暴走であるのか、世界の知性は強く警鐘を鳴らし、死期の近づいたマンモスをホスピスに入院させ、静かな余生を送らせる努力を惜しんではならない。まだ、合衆国の解体によっては、幾つかの州が国家となり、南米大陸のように生きながらえる選択も残っている。もうアメリカには、マネーに対抗出来る人々はいなくなったのだろうか?嗚呼、こんなコラムを書くと、酷く疲れる。最後になったが、筆者の見方とは180度異なり、アメリカの普遍性に土下座した朝日新聞の社説を洒落で掲載しておく。


 ≪(社説)イラク緊迫 分裂の回避へ全力を
 中東のイラクが、またも内乱の危機に直面している。
 政権をにぎるイスラム教シーア派に対し、スンニ派の武装組織が争いを挑んでいる。  混乱のなか、クルド人勢力も油田都市の掌握に動き始めた。
 国家の分裂を食い止めるにはどうすればいいのか。米国はじめ国際社会は早急に行動を起こさねばならない。
 武装組織は、国際テロ組織アルカイダ系の過激派である。国内第2の都市モスルを瞬く間に制圧し、さらに首都バグダッドをめざし南下している。
 マリキ首相率いるイラク政府は空爆などで反撃を始めた。
 問題の根深さをうかがわせるのは、現地から報じられる避難民の声である。
 モスルから50万人が逃げ出したが、その多くが恐れるのは、必ずしも武装組織ではなく、むしろ政府軍の反撃だという。
 スンニ派が多い都市や地域では、政府軍は「シーア派軍」としか見られていない。武装組織が地元にすんなり受け入れられた土壌もそこにある。
 それは、この8年間、政権を担っているマリキ氏が自らのシーア派優遇に走り、国民の統合に失敗したツケといえる。
 内戦に手を焼いた米軍が悟った教訓は、スンニ派の協力なしに国の安定はないことだ。
 奪われた都市を力で奪い返すだけでは、また報復の連鎖に陥りかねない。マリキ政権は、穏健なスンニ派との融和策を打ち出し、どの宗派も共生できる国家像を示さねばならない。
 一方、いまのイラクの混乱は、となりのシリアから伝染した病理ともいえる。
 3年以上にわたる内戦で、アルカイダ系組織はシリアに広い支配地域を得た。そこで武器や財力を蓄えた末に、イラクへも版図を広げようとしている。
 戦乱を放置すれば、荒廃はやがて地球規模で飛び火する。アフガニスタンで犯した過ちを国際社会は再び繰り返すのか。
 それを防ぐ最大の責任は米国にあることは言うまでもない。大義のない戦争でイラク社会と中東の秩序を一変させた混沌(こんとん)が今も尾を引いているのである。
 米軍がイラクを撤退して2年半。この間、オバマ政権は中東への関与からほとんど手を引いてきたが、このまま傍観を続けるようであれば、大国のご都合主義のそしりを免れない。
 イラクの治安回復とシリアの停戦に向け、米国は本腰を入れるべきだ。国連やアラブ諸国、イランなどとも協調し、中東情勢のこれ以上の流動化を止めなくてはならない。 ≫(朝日新聞デジタル:2014.6.16社説)

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●安倍ファッショ 「敗戦コンプレック」と「落ちこぼれ」の同調と共闘

2014年06月17日 | 日記
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●安倍ファッショ 「敗戦コンプレック」と「落ちこぼれ」の同調と共闘

 遅まきながら「立憲デモクラシーの会」と云う“自由民権運動”を思わせる動きが学者を中心に立ち上がった。筆者にとって、彼らは時に、政治家・小沢一郎の敵となるか、日本の統治システム全体が「小沢一郎人格破壊工作」の一翼を担ったりする勢力の、消極的一部であった点を考慮して、胡散臭い学者どもと思っていた面がある。いまでも、全面的に彼らの会の趣旨すべてに賛同することは躊躇われるが、敢えて、日本全体の方向性としては、賛意を表しておこう。その意味で、「立憲デモクラシーの会」が左右のイデオロギーを問わず、広く裾野を拡げた“日本のデモクラシー”を作り上げる新たなパワーになる事を期待する。

 無論、欧米文化とその宗教の影響を色濃く反映する民主主義制度と云うものに、限りなく疑問を感じているので、デモクラシーと云う言葉には警戒心の強い筆者なのだが、最低限のスタートレベルのスタートラインに戻らないことには、議論の緒にもつけない、異様な政権が誕生勢力を増長している。このような現象は、単に安倍晋三の力量によって起きている問題ではなく、ポツダム宣言受諾により、全面降伏と云う日本が汚名を着せられたと理解している勢力が、安倍晋三の復権に強烈に寄り添って醸成されている、ひとつの例外的政治シーンだと認識していた。

 このように、戦後の「敗戦コンプレックス人」と21世紀の「競争社会の落ちこぼれ人」が、動物的臭覚で共鳴しあい、徒党を組んで、安倍政権を強く包囲しているのが現状と認識している。筆者などは、こんな馬鹿げた方向性が長持ちする筈もなく、今頃は崩壊しているものと高を括っていたのだが、どうも火勢が増すばかりの様相を見せはじめている。マスメディアが強力に加担している点も気がかりだ。このような状況は、一部の平々凡々な「BCD層」と揶揄される国民層にも同調圧力が加わり、相乗的に国家総動員体制の方向性が暴走する危険な状態だ。このような事態に陥るとは思いもしなかったが、まさに現実の問題になりかけている。

 ここに至れば、最終的な目的はさて置き、現在の安倍晋三に屯する「敗戦コンプレックス人種」と「落ちこぼれ人種」の共闘による国家破壊的な動きを阻止しておかなことには、自省の念を表すなどと云う綺麗ごとでは済まされない事態になっているのだと理解している。そういうことで、以下の「立憲デモクラシーの会」の趣旨に一定の理解を示し、この会が国民的コンセンサスにまで拡大することを期待し、会の拡散行動を起こす。当面は、バラバラに自己主張し行動する、反ファシズム勢力の共有プラットホームになる事を願っている。先ずは、「立憲デモクラシーの会」を通じて、歪んだ発想を是正し、改めて原点に戻るしか選択はないだろう。その後、安倍政権崩壊後に別々の行動原理に戻ればいい。ただ、リベラル人には、教条的人種も多いだけに、簡単に徒党を組めないのが、半端な知識人の欠点であり、最大の弱点だ。


≪ 拡散情報

◆立憲デモクラシーの会 設立趣旨

  決められる政治を希求する世論の中で、安倍政権は国会の「ねじれ」状態を解消したのち、憲法と民主政治の基本原理を改変することに着手した。特定秘密保護 法の制定はその序曲であった。我々は、戦後民主主義の中で育ち、自由を享受してきた者として、安倍政権の企てを明確に否定し、これを阻止するために声を上げ、運動をしなければならないと確信する。それこそが、後の世代に対する我々の責務である。

  実際、安倍政権は今までにない手法で政治の基本原理を覆そうとしている。確かに、代議制民主主義とは議会多数派が国民全体を拘束するルールを決める仕組み である。しかし、多数を全体の意思とみなすのはあくまで擬制である。一時の民意に支持された為政者が暴走し、個人の尊厳や自由をないがしろにすることのないよう、様々な歯止めを組み込んでいるのが立憲デモクラシーである。

 それは、民主主義の進展の中で、民衆の支持の名の下で独裁や圧政が行われたという失敗の経験を経て人間が獲得した政治の基本原理である。しかし、安倍政権は、2つ の国政選挙で勝利して、万能感に浸り、多数意思に対するチェックや抑制を担ってきた専門的機関――日本銀行、内閣法制局、公共放送や一般報道機関、研究・ 教育の場――を党派色で染めることを政治主導と正当化している。その結果現れるのはすべて「私」が決める専制である。この点こそ、我々が安倍政権を特に危険だとみなす理由である。

 安倍首相の誤った全能感は、対外関係の危機も招いている。2013年末に靖国神社に参拝し、中国、韓国のみならず、アメリカやヨーロッパ諸国からも批判、懸念を招いた。日本は満州事変以後の国際連盟脱退のように、国際社会からの孤立の道を歩もうとしている。

 万能の為政者を気取る安倍首相の最後の標的は、憲法の解体である。安倍首相は、96条の改正手続きの緩和については、国民の強い反対を受けていったん引っ込めたが、9条を実質的に無意味化する集団的自衛権の是認に向けて、内閣による憲法解釈を変更しようとしている。政権の好き勝手を許せば、96条改正が再び提起され、憲法は政治を縛る規範ではなくなることもあり得る。

  今必要なことは、個別の政策に関する賛否以前に、憲法に基づく政治を取り戻すことである。たまさか国会で多数を占める勢力が、手を付けてはならないルール、侵入してはならない領域を明確にすること、その意味での立憲政治の回復である。そして、議会を単なる多数決の場にするのではなく、そこでの実質的な議論と行政監督の機能を回復することである。

 安倍政権の招いた状況は危機的ではあるが、日本国民の平和と民主主義に対する愛着について決して悲観する必要はない。脱原発を訴えて首相官邸周辺や各地の街頭に出た人々、特定秘密保護法に反対して街頭に出た人々など、日本にはまだ市民として能動的に動く人々がいる。この動きをさらに広げて、憲法に従った政治を回復するために、あらゆる行動をとることを宣言する。


◆呼びかけ人 共同代表
奥平康弘 東京大学名誉教授・憲法学
山口二郎 法政大学・政治学

憲法学(法学)関係――愛敬浩二 名古屋大学・憲法学、青井未帆 学習院大学・憲法学、阿部浩己 神奈川大学・国際法学、蟻川恒正 日本大学・憲法学、石川健治 東京大学・憲法学、稲正樹 国際基督教大学・憲法学、君島東彦 立命館大学・憲法学、木村草太 首都大学東京・憲法学、小林節 慶應義塾大学名誉教授・憲法学、阪口正二郎 一橋大学・憲法学、高見勝利 上智大学・憲法学、谷口真由美 大阪国際大学・国際人権法、中島徹 早稲田大学・憲法学、長谷部恭男 早稲田大学・憲法学、樋口陽一 東京大学名誉教授・憲法学、水島朝穂 早稲田大学・憲法学、最上敏樹 早稲田大学・国際法学

政治学関係――石田憲 千葉大学・政治学、伊勢崎賢治 東京外国語大学・平和構築、宇野重規 東京大学・政治学、遠藤乾 北海道大学・国際政治学、遠藤誠治 成蹊大学・国際政治学、大竹弘二 南山大学・政治学、岡野八代 同志社大学・政治学、五野井郁夫 高千穂大学・政治学、齋藤純一 早稲田大学・政治学、 酒井啓子 千葉大学・国際政治学、坂本義和 東京大学名誉教授・政治学、白井聡 文化学園大学・政治学、杉田敦 法政大学・政治学、千葉眞 国際基督教大学・政治学、中北浩爾 一橋大学・政治学、中野晃一 上智大学・政治学、西崎文子 東京大学・政治学、前田哲男 軍事評論家、三浦まり 上智大学・政治学、柳澤協二 国際地政学研究所

経済学関係――大沢真理 東京大学・社会保障論、金子勝 慶應義塾大学・経済学、高橋伸彰 立命館大学・経済学、中山智香子 東京外国語大学・社会思想、浜矩子 同志社大学・経済学、水野和夫 日本大学・経済学、諸富徹 京都大学・経済学 社会学関係――市野川容孝 東京大学・社会学、上野千鶴子 立命館大学 ・社会学、大澤真幸  元京都大学教授・社会学

人文学関係――色川大吉 歴史学、臼杵陽 日本女子大学・中東地域研究、内田樹 神戸女学院大学名誉教授・哲学、加藤陽子 東京大学・歴史学、桂敬一 元東京大学教授・社会情報学、國分功一郎 高崎経済大学 ・哲学、小森陽一  東京大学 ・日本文学、佐藤学 学習院大学・教育学、島薗進 上智大学・宗教学、 高橋哲哉 東京大学・哲学、林香里 東京大学 ・マス・コミュニケーション、西谷修 立教大学・思想史、三島憲一 元大阪大学教授・ドイツ思想、山室信一 京都大学・歴史学、鷲田清一 大谷大学・哲学

理系――池内了 名古屋大学名誉教授・宇宙物理学、益川敏英 京都産業大学・理論物理学

経済界――丹羽宇一郎 元中国大使

筆者注:HPにおいては、その後の賛同者情報なども掲載している。
  ≫(「立憲デモクラシーの会」公式HP抜粋)
URL  http://constitutionaldemocracyjapan.tumblr.com/


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