世相を斬る あいば達也

民主主義や資本主義及びグローバル経済や金融資本主義の異様さについて
定常で質実な国家像を考える

●2018年 感じて考えておきたい“日本や世界のこと”改訂版

2017年12月31日 | 日記

 

メディア不信――何が問われているのか (岩波新書)
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岩波書店
目くじら社会の人間関係 (講談社+α新書)
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講談社
スマホ廃人 (文春新書)
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文藝春秋
東京と神戸に核ミサイルが落ちたとき所沢と大阪はどうなる (講談社+α新書)
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講談社


●2018年 感じて考えておきたい“日本や世界のこと”改訂版

 以下に羅列する諸問題や事象のすべてをコラムに書ききることは出来そうもないが、筆者の目のつけどころが、ブログを読んでいる方々に、何らかのメッセージになるのであれば、それはそれで有意義なのではないかと思いついた。興味のあるものを見つけたら、一緒に考えてみようではありませんか。新年には、以下の項目を整理して、ささやかにコメントも書き込んでみようと思う。

 2018年は、安倍政権が改憲案を発議する可能性もある。同時に、国民投票になる可能性もおおいにある。それどころではない、世界同時戦争のリスクも心配の種である。筆者にしてみれば、安倍右巻きな人々に、決然とNOを突きつける事態を期待するわけだが、その為の一助になる情報を発信していきたいものである。ただ、テポドン一発で、リベラルや民主主義、自由主義が押しつぶされる時代の始まりが予感される。言論の自由が許される時間は差し迫っているとみるか、或いは、強力なバネで跳ね返すか、勝負の年になる予感を含めて……。


★立憲民主党:独自路線か協調か…問われる野党の覚悟/政界地獄耳

★共産党 立憲民主・社民と合流し党名変更のラストチャンスか

★戦争が差し迫っているのが見えないだろうか?

★サウジが暗躍!? イスラエルとともにイランを攻撃!?

★山口敬之が犯した「準強姦事件逮捕状執行停止問題」

★「加計審査で圧力」証言 座長に訴訟リスクあると言われた

★子育て政策おかしくない? 保活経験者らSNSで発信

★「若者の恋愛離れ」を考える 「割に合わない嗜好品に」

★加計学園:獣医学部、推薦入試30倍 600人超が出願

★高所得者の増税検討 所得税の給与・年金控除縮小

★不正義の国。総理も大臣も局長も嘘ばかり

★最高益更新 「ゼネコン復活」のおもてウラ、大企業最高益!

★「おねだり」報道に河野氏反論 外相専用機「国益考え」

★新ミサイル防衛構想、これまでと何が違う? 識者に聞く

★豊洲市場開場、来年10月11日で決定 2年遅れで移転

★仕方ない・やらせだ…中傷電話、ヘリ窓落下の小学校にも

★大飯1・2号機、22日廃炉決定 福島以外の大型炉で初

★北朝鮮、「炭疽菌ICBM」実験か 米韓に情報

★リニア談合、JR東海の意向が影響か 大林組が逆転受注

★新大阪で「異常なし」と引き継ぐ のぞみ34号の乗務員

★日中の立場、完全逆転 中国がCO2排出量取引市場設立

★首相、2020年の改憲に再び意欲「日本が変わる年に」

★石破氏「自民に何望むか、総裁選で戦わせなければ背信」

★「米国は自己矛盾だ」 中国、新安保戦略を批判

★政治音痴すぎて「理解不能」な民進/政界地獄耳

★疑念だらけのリニアとスパコン 安倍中枢との関係

★黒田日銀、いまや消化試合の日々

★「空き容量ゼロ」東北電力の送電線、京大が分析すると…

★森友学園の再生計画案、債権者集会で可決 幼稚園継続へ

★訪日客急増に沸く大阪 高島屋の売上高、日本橋店越えも

★出生数、2年連続の100万人割れ 自然減は過去最多

★過去最大97.7兆円 来年度予算案を閣議決定

★自民・船田氏「まず9条加憲、次に2項削除を」

★民進、離党の動き止まらず=風間参院議員、立憲入党へ

★漫画単行本、売り上げ激減 出版物全体ピークの半分

★在日米軍を恐れる北朝鮮、だからこそのリスク

★民進、立憲と希望に統一会派結成を呼びかけへ 年内にも

★ハウステンボス AIで園内効率化 3年で人員3分の1に

★野党再々編は越年へ 民進の提案、立憲一蹴・希望保留

★森友学園・籠池夫妻が勾留5ヵ月…「年越しも拘置所」

★来年度予算案には政府の露骨な「弱い者いじめ」

★「共産党 印象アップ作戦・・対話集会、SNSサポーター導入」

★「若い人が就職しやすくなったのはアベノミクスに関係ない。誰が首相でも必ずこうなる」

★自主憲法を言い出す前に米国にものを言ったらどうだ?

★60円みそ汁つけるか否か…民進と希望、厳しい台所事情

★ひきこもる50代 80代親「お金なくなれば餓死かも」

★来なかった第3次ベビーブーム 産めない、産まない

★人口減でも増える労働力 18年最多へ、女性けん引

★加計だけ2大学に補助金 16年度新設私大事業

★朝鮮半島有事で自衛隊の対応検討 米朝衝突やミサイル着弾想定

★立憲・枝野代表が語る「ここは筋を通すべき時だと決断」

★<空自>F35数十機、追加購入へ 米に購入促され

★イラン各地で異例の反政府デモ 経済難に不満 ロウハニ政権苦境に

★モノより「いいね」が欲しい 平成世代、しぼむ物欲

★習近平氏にとって充実な1年、目立たず影響力強める

etc……


九十歳。何がめでたい
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小学館
安楽死で死なせて下さい (文春新書)
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文藝春秋
自動車会社が消える日 (文春新書)
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文藝春秋
地域の力を引き出す企業: グローバル・ニッチトップ企業が示す未来 (ちくま新書 1268)
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筑摩書房

●どうなるこの国 指定暴力団も真っ青の“安倍官邸の所業無常”

2017年12月30日 | 日記

 

北朝鮮がアメリカと戦争する日 最大級の国難が日本を襲う (幻冬舎新書)
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幻冬舎
経済的徴兵制をぶっ潰せ! 戦争と学生 (岩波ブックレット)
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岩波書店
沖縄と国家 (角川新書)
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KADOKAWA
電通巨大利権~東京五輪で搾取される国民
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●どうなるこの国 指定暴力団も真っ青の“安倍官邸の所業無常”

 以下は、電通が思いついたのか、或いは官邸の今井秘書官が考えたキャッチコピーか判らないが、政治政策上、時には選挙活動に有益な、言葉遊びの数々を憂いている朝日新聞の社説だ。これらの言葉に利用され、対象になった国民が、わずかでも恩恵を受けたのか、おそらく受けている可能性はゼロに近い。つまり、良いように利用されただけで、いい面の皮と云うことが出来そうだ。政治における政策を、キャッチコピーで片づける、ジャパネットが商品を売るように、貴重な日本語が、詐欺的な売り文句に使われるなど、古来の日本語を愛する人間としては不快感を拭うことは出来ない。

 アベノミクス3本の矢、女性活躍、地方創生、1億総活躍社会、新3本の矢、働き方改革、人づくり改革、待機児童ゼロ、非正規という言葉を失くす、介護離職ゼロをめざす、物価上昇率2%、積極的平和外交……。なんじゃこら、何ひとつ前進はしていない。いや、逆に美名に隠れて真逆な政策は確実に実施しているにだから、もう、無茶苦茶という他ない。違法な行為を、官僚らの協力を得て、合法化させるナチスの手口が、多くのシーンで実現されている。正直、安倍晋三の脳味噌で、すべからくが差配されたとは到底思えないスケールである。

 朝日、NHKや、他の大手メディアの多くも、安倍政権の監視体制に及び腰の記事や社説を書くわけで、「その名ほどの成果をあげているとは言いがたい」と、逃げ口上に終始している。行政官僚の政策能力は、官邸の思惑に準じて変貌するのは当然だが、同じパイの中でキャッチコピーを一見成就させるためには、同一のカテゴリー内で、ババを引かされる部分がパイの中に存在しているというのが実情だ。一定の哲学があれば、このような“物売りや”の安っぽいフレーズが出てくる筈はない。

 国家戦略特区会議、経済財政諮問会議、国家戦略各種の審議委員会は、配下と思われる有識者が6~7割を占める委員会を構成させるのだから、思うように審議されないわけがない。それでも危ない審議の場合には、委員各位に対して、民事上の損害賠償請求などのリスクがあるなどと、いわば強迫じみた脅しの手口も散見する。経済財政諮問会議に至っては、もう時代遅れの知恵者で、一種政治ゴロと見紛う極悪人、竹中平蔵がいまだに君臨して利益を貪るにいいだけ貪るのだから、ほとんど笑い話に近い。安倍内閣というのは、全員が半分政治ゴロのような連中のシンジケート政治集団で、利益誘導競争にしのぎを削る。ゆえに、人に注意する前に、食べられるものを口に入れる競争状態になっているのだろう。

 安倍友の枠から強制終了させられた森友学園の籠池夫妻は自白偏重の人質司法の犠牲者として勾留5ヵ月に及び、見せしめを行政官僚が、忖度なのか、中世司法制度の温室でヌクヌク育ち、捜査能力のなさを露呈しているのか、なんとも薄ら寒い状況を見せている。キャッチコピー政治の長期化は、我が国の経済的ポテンシャルを、長期展望で見誤り、時代遅れになりつつある隷米グローバリズムと新自由主義経済の最後の餌食にしようと安倍晋三は試みている。いや、まだまだ、そのアメリカン資本主義が続くと妄信しているのだろう。

 そして、隷米主義の妄信は、米朝戦争と云う悪夢的戦争ゲームに誘われているいるわけだが、ノホホンと防衛費を意味なく増額し、米軍産複合企業を潤わせているのだから、ため息も出ない。まぁ政治や哲学や理念を失った国家には、それなりのペナルティーが襲い、その国民も、それ相応の咎めを受けると云うことだろう。願わくは咎めが軽微であることを祈るばかりだが、もう手遅れと観念しておいた方が良さそうだ。ここまで来ると、安倍官邸も財務省も経産省も「戦争経済」を希求しているかに思える。300万人犠牲も我ゆかん。参った政権に命を預けたものである。

 ≪ 安倍政権5年 創生、活躍、革命の次は  
安倍首相が政権に復帰して、きょうで5年になる。来秋の自民党総裁選で3選すれば、通算の首相在任日数が歴代最長になる可能性がある。
 長期政権を支えるのは、経済を前面に掲げて国政選挙に5連勝して得た「数の力」だ。
 もう一つ、安倍政権に特徴的なのは、次から次へと政策の看板を掛け替えていく「スローガン政治」の手法だ。
 耳目をひく政策を打ち出し、取り組む姿勢を強調して、指導力と実行力を演出してきた。
 最初はアベノミクスの「3本の矢」だ。次に「女性活躍」をうたい、人口減少が話題になると「地方創生」を唱えた。
 さらに「1億総活躍社会」を訴えて「新3本の矢」を繰り出し、「働き方改革」や「人づくり革命」へと続く。
 「待機児童ゼロ」「非正規(労働)という言葉をなくす」「介護離職ゼロをめざす」といった華々しい言葉も躍る。
 確かに株価は上がり、就業者数は増え、国の税収も伸びた。だが、政権が打ち上げたスローガンは、その名ほどの成果をあげているとは言いがたい。
 政府は「デフレ脱却」をいまだに宣言できていない。日銀は「物価上昇率2%」の達成を6度も先送りし続けている。
 今年度中が目標だった「待機児童ゼロ」は3年先送り。基礎的財政収支の20年度の黒字化もなし崩し的に延期された。
 女性の就業者は増えたが、世界経済フォーラムが先月発表した男女格差ランキングで、日本は144カ国中の114位。G7で最下位だ。
 一つひとつの政策に着実に手を打ち、結果を虚心に検証しつつ、工夫を重ねていく。本来あるべきそうした手順を十分に踏むことなく、次の看板に乗り換える。それが安倍政権の「経済優先」の実像ともいえる。
 国民はそれでも政権に圧倒的な多数を与えてきた。野党の弱さや選挙制度の特性もあるだろう。だが、政権にとっては、国民の思いや記憶は長続きしないものだと映っているとしても不思議ではない。
 安倍政権は、選挙で正面から問わなかった特定秘密保護法や安全保障関連法、「共謀罪」法など、国の骨格を変える法律を押し通してきた。
 それで下落した内閣支持率を取り戻すために、スローガンを掛け替えてきた側面もある。
 そうやって政権を維持してきた首相が次にめざすのは改憲である。5年の節目に、安倍政権のあり方を改めて見つめ直す必要がある。
≫(朝日新聞社説)


 ≪「加計、新設条件満たさず」 複数委員が認識
 加計(かけ)学園の獣医学部新設計画について、文部科学省の大学設置・学校法人審議会(設置審)の専門委員会で審査に携わった複数の委員が毎日新聞の取材に応じ、「獣医学部新設の前提となる4条件を満たしていない」との認識を示した。設置審の答申を受け、文科相は11月に認可したが、1人は「本来なら来年度も再度審査すべきだった。時間切れになった」と語り、来春開学の日程が優先されたことを示唆した。
 文科省は27日、今年度の設置審の議事要旨を公開した。加計学園に関する記述は17行しかない上、獣医学の専門家が実質的な審査をした専門委員会(14人)の議事要旨は「自由闊達(かったつ)な意見交換を妨げる」などを理由に非公開とされた。
 政府は2015年、特区制度での獣医学部新設について「獣医師が新たに対応すべき具体的な需要がある」「既存の大学・学部では対応が困難」など4条件がそろった場合に検討すると閣議決定。今年1月に加計学園が事業者に選ばれ、計画が4条件を満たしているのを前提に設置審で審査された。
 設置審は教育課程や設備が大学設置基準に適合しているかを判断し、4条件は審査の対象外だが、委員の一人は「最初から4条件を満たしていないと思った。『他大学にできないことをする』というが、このカリキュラムでできるのかとの疑問があった。募集する学生数(140人)も多い」と話した。
 設置審は翌年春の開学に間に合うための通常の認可期限となる8月末、加計学園の計画について判断を保留し、修正を求めた。この委員は、修正後の計画も「熟度が高くなかった」とし、「時間切れで認可になってしまった。本来なら来春に再度、審査すべきだと思った」と話した。
 別の委員は加計学園の計画について「(学部が新設される四国での)需要をきちんと説明していない。これまで50年以上も認めていなかった新設を認めるのだから、公明正大にやるべきだ」と指摘。認可答申の結論については「審査意見に対して学園側が計画を修正した以上、認めざるを得なかった」と語った。他のある委員は「修正した計画を学園が履行できるのか、最後まで確証がなかった」と振り返った。  ≫【毎日新聞:水戸健一、伊澤拓也】


 ≪ 森友学園・籠池夫妻が勾留5ヵ月…「年越しも拘置所」は異常すぎる!
 菅野完(週プレNEWS)
森友学園の幼稚園が、不正に補助金を得ていたとして8月に「詐欺罪」で逮捕された理事長夫妻は、今も大阪拘置所の中にいる。
 いまだ公判は始まらず、実の子供との面会も許されぬままに…。森友問題を最も深く取材してきた菅野完(すがの・たもつ)氏が、この異常さを解説する。
■会計検査院は財務省を断罪したが
私の手元に、3人の中年男女が仲良く写った一枚の写真があります。
 撮影されたのは今からおよそ3年前。場所は学校法人森友学園が小学校建設を予定していた大阪府豊中市の国有地の前です。写真の人物は森友学園の理事長だった籠池泰典(やすのり)氏とその妻・諄子(じゅんこ)氏。このふたりに挟まれて、我が国のファーストレディー・安倍昭恵さんが笑みをたたえてカメラを見据えているという構図の写真です。
 11月27日から審議が始まった衆院予算委員会では野党から政府に対し連日厳しい追及が続きました。話題の中心はやはり、森友問題。あの写真が撮られた国有地こそがこの問題の舞台です。
 選挙が終わり自民党が圧勝したというのに、今になっても国会で森友問題が議論されるのにはわけがあります。なにせつい先日、会計検査院が、森友学園への国有地売却が適正であったかどうかを検証する報告書を発表したばかり。
 この報告書の中で会計検査院は「(国有地を)売払い前提の定期借地とする特例処理を行った事例は本件以外に見受けられなかった」「(財務省の判断は)慎重な検討を欠いていたと認められる」等々と筆を尽くして書き連ね、あの国有地払い下げが異例ずくめでありかつまた財務省があまりにも杜撰(ずさん)にすぎたことを明確に指摘しています。
 つまり、この報告書で会計検査院は、財務省の佐川理財局長(当時)が選挙前の国会で連発していた「問題ない」「全て適正」という答弁はことごとく嘘であったと言っているわけです。この報告書がある以上、野党の皆さんが政府を引き続き厳しく追及するのは当然と言えるでしょう。
 しかしここまで会計検査院に断罪されながらも、政府は以前の答弁を維持すると言って憚(はばか)りません。佐川さんの後任として現在財務省理財局長を務める太田さんなどは、もはや獅子奮迅の働きぶりで「これまでの政府の答弁に間違いはなかった」との主張を繰り返しています。
 とはいうもののその答弁内容はいささか滑稽。森友学園側と財務省の職員が売却価格について交渉していた様子を記録した録音データに関する答弁などその代表例でしょう。
 これまで録音データの存在そのものを認めなかったのに、なぜか急転直下あの録音データが本物であると認めたうえで「確かにあの会話では金額の話はでているが価格の話ではない」という、そこらへんの小学生が宿題を忘れた時のいいわけのような答弁を繰り返しています。いやぁ国会中継でここまで面白いものがみられるとは思いもしませんでした。
 こうして苦しい答弁に終始する政府要員の姿をみせつけられているからか、安倍総理の答弁もだんだんと荒っぽいものとなってきました。「丁寧に真摯(しんし)に説明する」という前置きはどこへやら、ここ数日は野党議員を鼻で笑ったり声を荒らげて答弁するなど「昔の悪い癖」がだんだんと頭をもたげている様子です。
 しかし不思議なのは、安倍昭恵さんの存在です。彼女は国会で夫である安倍晋三氏が窮地に立たされれば立たされるほど嬉しいのでしょうか、この予算委員会直前にFacebookを突然更新し、自身が経営する居酒屋の盛大な5周年記念パーティーの様子を公開したのです。いやー。空気の読めなさっぷりもここまでくれば大したもの。もはや豪傑の態度ですな。
■冷暖房のない部屋と窓のない部屋で
昭恵夫人が能天気にもFBに公開したパーティーの写真をみながら、私はどうしても森友学園前理事長籠池泰典氏とその妻・諄子氏の身の上を考えずにいられませんでした。
 あの夫妻が大阪地検特捜部に逮捕されてからそろそろ4ヵ月。この間、籠池夫妻が置かれた環境は過酷という言葉さえ生ぬるい極めて劣悪なものです。
 夫妻が勾留されている大阪拘置所には、新館と旧館のふたつの建物があります。このうち妻の諄子氏がいるのは旧館で、その名の通り古い建物。むき出しのコンクリートの壁に小さな窓が一つ付いているだけで冷暖房さえない環境です。8月の勾留開始直後の灼熱(しゃくねつ)の夏も、この冬の凍(い)てつく寒さも彼女はこの小部屋で耐え忍び続けています。
 一方、籠池前理事長が勾留されている新館は建物が新しく冷暖房完備とはいうものの、窓が一切ありません。昼夜の区別がつくのは天井に張り付いた蛍光灯のオンオフだけという環境。全く別の事件で大阪拘置所新館に勾留された経験のある人物に話を聞いたことがありますが、「季節の変化も当然わからん。蛍光灯だけが頼りやけども、それさえ看守が操作してるわけで信用ならん。あらゆる時間の感覚が止まる。一瞬が永遠に感じられる」と言います。
 さらに信じられないことに、この5ヵ月間、あの夫妻には接見禁止措置が施行され続けており、弁護士以外、実の子供たちでさえ面会できない状態が続いているのです。もうここまでいけば人権蹂躙(じゅうりん)と言っても過言ではないでしょう。
 とはいうものの、あのふたりの逮捕容疑は詐欺。詐欺は重罪です。しかもふたりとも黙秘を続けていますから、勾留期間が長期化することも当然とはいえるかもしれません。
 しかしこうして「確かに酷いけども、長期勾留もやむなしだよなぁ」と考えてしまうことがなによりも怖いのです。
 籠池夫妻の事例だけでなく「起訴事実を否認する被疑者の勾留が長期化する」という事例は数多く存在します。そうしたことを根拠に「夫妻の勾留長期化やむなし」と考えてしまいがちなのですが、「否認あるいは黙秘するから勾留を長期化させる」なんて慣行があるのは先進国でおそらく日本だけ。とうてい「当然だ」だの「やむなしだ」などと言えるような措置ではありません。
 国連拷問禁止委員会をはじめとするさまざまな国際機関から日本の司法制度が「人質司法」と繰り返し批判されているのはこのためです。籠池夫妻は諸外国から「中世レベル」とまで揶揄(やゆ)される日本の司法制度の闇に陥ってしまったのです。
 逮捕の直前、籠池夫妻は冒頭で紹介した写真に写る昭恵さんの顔を指さしながら「恨んでるかって? とんでもない。この写真の頃もその後も、昭恵さんは親身に親切にしてくれた。今も感謝してるねんで。ほんまに」と私に語ってくれました。
 籠池夫妻は拘置所でどんな年末を迎えるのでしょうか。昭恵さんはまた大晦日に盛大なパーティーでもやるのでしょうか。
 私は今、手元のこの写真を破り捨てたい衝動に駆られています。

●文/菅野完(すがの・たもつ) 著書『日本会議の研究』(扶桑社新書)で今年度の大宅壮一メモリアル日本ノンフィクション大賞読者賞を受賞。今年上半期に森友学園報道が過熱した際、テレビでは「籠池の代理人」のようなとらえられ方をしたが、その立場は一貫して「籠池vs園児・保護者なら園児・保護者の味方。籠池vs国なら籠池の味方」。10月より始まった会員限定メルマガが大好評。
≫(週プレニュース)

≪ ホラ吹き長期政権が来年以降も続けば深刻な危機を迎える 日本経済一歩先の真相
 安倍首相が政権に返り咲いてから丸5年が過ぎた。来年秋の自民党総裁選で3選を果たした場合、第1次政権時代を合わせた通算在職日数は、戦後最長の佐藤栄作氏(2798日)はおろか、歴代1位の桂太郎氏(2886日)を抜き、憲政史上最長が視野に入ってくる。
 それにしても、この5年で安倍政権は何を成し遂げたというのか。大して実績は上げていない。5年前に掲げた「大胆な金融緩和」「機動的な財政政策」「民間投資を促す成長戦略」という「3本の矢」は、的から大きく外れ、どこかに落ちてしまったようだ。
 1本目の金融は、黒田日銀の異次元緩和策でゼロ金利からマイナス金利に踏み込んだものの、2%の物価上昇目標は一度も達成できていない。達成時期を6回も延期したが、直近の物価上昇率は0・9%にとどまっている。そして、この異次元緩和策によって、メガバンクのみならず、全国の市中銀行が七転八倒の苦しみに追い込まれているのだ。
 2本目の財政は緩みっぱなしだ。消費税率アップを2度先送りし、2020年度の財政健全化目標達成も断念した。ある意味、それも当然だ。黒田日銀が国債発行金利を0%近辺、またはマイナスに押し下げ、政府の利払い費は低下。金利を人為的に低く抑えられるのだから、教育無償化などのバラマキや地球儀俯瞰外交の大盤振る舞いは加速するばかりである。
 菅官房長官は毎日新聞のインタビューで、この5年の成果として株価上昇を挙げていたが、これも金融緩和のたまものだ。この5年で日銀は市中に供給する資金量を300兆円以上も増やして476兆円まで膨らませ、史上最大記録を更新し続けている。ダブついたマネーが株式市場に流入し、株高を支えているのだ。日銀の緩和策が株価と金利を左右する「官製相場」は極めて異常である。
 米国はゼロ金利からうまく抜け出し、経済成長もまずまず。中国経済も堅調だ。世界的な好景気を背景とした輸出の好調で日本企業は収益を保っているが好収益の陰にはマイナス金利策の出口が見えないという深刻な問題が横たわっているのだ。
 3本目の成長戦略も、規制緩和や特区制度をネジ曲げ、安倍首相の「お友だち」を儲けさせただけだ。その悪巧みの一環が表に出てきたのが、例のモリ・カケ疑惑に加え、スパコン詐欺なのである。
 アベノミクスの3本の矢は、日本経済の活力をよみがえらせる効果を何ひとつ生んでいない。安倍首相は就任以来、「経済成長2%の実現」や「GDP600兆円の達成」などの目標を掲げてきたが、実現したためしはない。これでは単なるホラ吹きである。
 安倍政権が5年の長期に及んだのは、「国民の目をごまかすのに長けていればこそ」だ。何としても新年には安倍首相の化けの皮をはがす動きが出てこなければ、日本経済は大変な事態を迎えると危惧している。
・高橋乗宣 エコノミスト 1940年広島生まれ。崇徳学園高から東京教育大(現・筑波大)に進学。1970年、同大大学院博士課程を修了。大学講師を経て、73年に三菱総合研究所に入社。主席研究員、参与、研究理事など景気予測チームの主査を長く務める。バブル崩壊後の長期デフレを的確に言い当てるなど、景気予測の実績は多数。三菱総研顧問となった2000年より明海大学 大学院教授。01年から崇徳学園理事長。05年から10年まで相愛大学学長を務めた。
 ≫(日刊ゲンダイ)

≪ 防衛費が最大に 際限なき膨張を憂う
 二〇一八年度予算案の防衛費は五兆一千九百十一億円と過去最大となった。北朝鮮や中国の脅威を理由とするが、際限なく膨張することはないのか。防衛力整備に「節度」を取り戻さねばならない。
 防衛費は冷戦終結後、減少傾向にあったが、政権復帰した安倍晋三首相の下で編成した一三年度以降、六年連続で増額、過去最大の更新も四年間続く。厳しい財政状況の中での防衛費の優遇である。  政府が防衛費増額の理由とするのが、核・ミサイル開発を続ける北朝鮮や、海洋進出の動きを強める中国への対応強化だ。
 日本と周辺地域の平和と安全を守るため、情勢変化に応じて防衛力の適正水準を常に検討することは必要だが、単に予算を増やせばいいというものでもあるまい。
 国民の命を守るための防衛力整備が地域の軍拡競争を加速し、逆に脅威が高まる「安全保障のジレンマ」に陥っては本末転倒だ。
 他国の脅威を利用して防衛力の整備を一気に進めるような姿勢は厳に慎まなければならない。  防衛費の増額が続くのは高額の米国製武器購入も要因だろう。
 垂直離着陸輸送機MV22オスプレイやF35A戦闘機、無人偵察機グローバルホークは高額の上、米国が価格や納期の設定に主導権を持つ有償軍事援助(FMS)調達に基づいて導入されている。
 政府は地上配備型ミサイル迎撃システム「イージス・アショア」二基と戦闘機に搭載して艦船や地上の目標を攻撃する巡航ミサイルの導入を決めた。一八年度は初期費用のみを計上したが、いずれもFMSでの導入が想定される。
 当初、一基八百億円と見込んでいたイージス・アショアは、一千億円を超えるとの指摘もある。
 一二年度に千三百八十億円だったFMS調達は安倍内閣の下で急増し、一八年度は四千百二億円に上る。米国に促されても不要不急の防衛装備品は購入せず、必要であっても適正価格での購入に努めるようクギを刺しておきたい。
 政府は中期防衛力整備計画で一四年度から五年間の防衛費総額を、米軍再編経費などを除き二十三兆九千七百億円程度と定めるが、当初予算だけで二十四兆円を超える。毎年約二千億円の補正予算を加えればさらに増える。
 防衛省は、為替変動などの要因を除けば中期防の枠内と説明するが、防衛費は適正な範囲内に収まっているのか。防衛力の在り方や米国製武器調達の妥当性を含め、国会での徹底議論が必要だろう。
≫(東京新聞社説)

リニア新幹線が不可能な7つの理由 (岩波ブックレット)
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9.11後の現代史 (講談社現代新書)
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自民党秘史 過ぎ去りし政治家の面影 (講談社現代新書)
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仕方ない帝国
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河出書房新社

●世界評価“安倍政権の通信簿”ボロ隠しとツケまわしでCランク

2017年12月25日 | 日記

 

朝鮮戦争は、なぜ終わらないのか (「戦後再発見」双書7)
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創元社
これでも「アベ」と心中しますか? ~国民の9割を不幸にする安倍政治の落第通信簿 (廣済堂新書)
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廣済堂出版
「働き方改革」の不都合な真実
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イースト・プレス
「脱」戦後のすすめ (中公新書ラクレ)
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中央公論新社

●世界評価“安倍政権の通信簿”ボロ隠しとツケまわしでCランク

 以下は毎日新聞が報じた安倍政権5年間の国際評価に関するものだ。ここに書かれている評価だけなら、将来、政権が変わることで是正も可能なものが含まれているので、そうガッカリする必要はない。無論、安倍政権が観光競争力ランキングの上昇も、円安政策による年度調整や他国の景気によるもので、どうにでも変わるものなのだから、すべての面で、世界標準競争評価を下げまくっている政権だと言えるのだろう。

 前述で触れたように、安倍政権は異次元金融緩和をした上で、この成績だったことも極めて重要だ。日銀黒田の財政ファイナンスがなされなかったら、この評価がさらに下がったかどうか、微妙な判断だ。しかし、確実な評価は、ジャブジャブな金融緩和、ゼロ金利状態にも関わらず、誰一人も踊らなかった事実が重要だ。まぁ新自由主義に毒された金融市場だけは華やいで見えるわけだが、株価などは、日銀が出口を探そうとすれば、大暴落するのは目に見えている。つまり、踊る阿呆は、ババ抜き状態と云うのが実態だ。表現するなら、安倍政権とは、時限爆弾経済政策政権と呼ばれる日も近いように思える。

 2025年問題が表面化する前に、安倍政権の犯した数多の犯罪的政治政策は火を噴くのではないかと想像する。足元の提灯の明かりを強くすることだけに執着する安倍政権の政治全般は、概ね日本と云う国を破壊しようと試みているように思える。もしかすると、安倍晋三と云う人は、それこそが主たる目的で政治家になった可能性もあるから、そう云う意味では、彼の政治は成功している。しかし、国民は、安倍晋三が国を壊そうとしているなどと、想像もしていない。国民のメディアリテラシーは最悪に近い状態なので、突然暗闇で殴りつけられるような状況に遭遇するのかと思うと胸が痛くなる。

 その引き金が、世界的金の流れの変更や、イスラエルとイランの戦争、朝鮮半島戦争なのか、憲法改正の国民投票時なのか、何がトリガーになるのか判らないが、2020年以前に起こることも想像の範囲にある。結局、突きつめていくと、国民も、政治家も、行政官もおしなべて国家観における哲学的思考の欠如に起因しているとみるべき事態である。戦後75年間、資本主義から金融資本主義と、アメリカと歩調を合わせて成長した日本経済だったが、おそらく、必要以上に成長したことで齟齬が生まれたと考えるべきである。日本と云う国は、現在よりも2,3割経済力のない国家である筈だった。その誤謬の経済成長が、価値観を歪めたのではないのか。もっと見えないものを見ようとする努力を放棄し、見えるものだけを見る、見苦しい経済至上主義者が蔓延する国家を創ってしまったように思われる。

 では、それを是正する処方箋があるのかと聞かれると、答えに窮する。乱暴だが、地獄のような、戦後の焼け野原状態を突きつけられれば、日本人が再生する可能性は残されている。今のポピュリズム化した日本で、損得の前に“正義”があると云う哲学が修正的になされる可能性はゼロに見えるので、焼け野原化が、処方の最善の近道に思える。戦渦による焼け野原は生命の犠牲がついて回るので、財政金融経済による惨状の方が、再生の痛みは致命的ではない。その惨状は、早ければ早い方が良いだろう。ただ、行政官僚はそれなりに優秀なので、必死で修復に奔走するだろうから、その時期が先延ばしされるリスクはある。

 真っ当に生きることの大切さを忘れ、自分とって損か得かの判断以外、何も受けつけない国民が中心の国家に明日はない。隣の人、自分の街、その集合である国と云うものを、その山河も含めて、自分の脳内に住まわせるような器量がないと云う事実は、脳味噌の半分も使わずにホモサピエンスだと名のる資格もなさそうに思える。チンパンジーでさえ、群れのことを考えて生きていると云うのにだ(笑)。今の日本人は、安倍晋三に限らず、多くの恥ずべき人々の集まりに思える。おそらく、筆者もその一人としてカウントされているのだろう。しかし、安倍晋三は、飛びぬけた悪人で、心より牢屋に入れたい人間だ。


 ≪ 安倍政権の5年、厳しい国際評価 目先の「成果」強調するが…将来考えてる?
 安倍晋三首相は企業の業績改善や株価上昇といったプラス面を強調するが、女性の地位や競争力などの国際ランキングを見ると、この国の先行きに不安を覚える数字が並ぶ。第2次安倍政権が発足したのは5年前の12月26日。主なランキングの推移を検証した。【小林祥晃】
 「男女平等度」また下落  
「すべての女性が輝く社会」を掲げ、女性活躍に力を入れてきた安倍政権にとって、がっかりさせられるような数字が先月、発表された。
 ダボス会議で知られるスイスの財団「世界経済フォーラム」が毎年公表している「男女平等度評価」のランキングだ。政治、経済、教育、健康の4分野での女性の地位を分析、数値化したもので、日本は144カ国中114位。前年よりも順位を三つ下げ、主要7カ国(G7)では最下位。1位アイスランド、2位ノルウェー、3位フィンランドで米国は49位、中国は100位だった。
 表にある通り、日本の低迷ぶりは明らかだ。なぜこのような評価なのか。
 女性と政治に詳しい上智大教授の三浦まりさんが解説する。「このランキングは女性が要職にあるかどうかに重きを置く特徴があり、特に変動しやすい閣僚の男女比率で日本の出遅れが目立ちます」。第2次安倍政権発足後、女性閣僚は一時5人になったが、今回の順位は今年1月時点の「女性閣僚3人」で算出された。来年は現在の「2人」という数字が反映され、さらに順位が下がるとみられる。
 ただ、三浦さんは単に「女性閣僚を増やせ」と言いたいのではない。「元々、女性議員が圧倒的に少ないのですから、閣僚が増えないのも当然です。女性が本当に活躍できる社会を実現するには、賃金や昇進など男女間のあらゆる格差に目を向けて、その解消に努めることが必要なのです」
 その「格差の解消」に安倍政権は向き合っているのか。
 今年9月20日、訪米中の安倍首相は現地で開かれた男女平等を目指す式典で、こんなスピーチをしている。「私が政権に復帰してこの4年間、働く女性は150万人増え、出産後も仕事を続ける女性が初めて5割を超えています」。6月には国際会議で「雇用は私の政権発足以来185万人伸び、うち8割以上が女性の就業」と述べた。安倍首相は、女性の就業者数の増加を一つの成果と捉えているようだ。
 三浦さんはこう話す。「日本経済は長年、女性を『安い労働力』として活用して発展してきた。人口減少時代にはその期待がさらに大きくなっている。女性の就業率アップを強調する安倍政権には、こんな不平等を是正する意欲が感じられません」  
「女性活躍」を目玉政策に据えたことで、このテーマが注目されるようになったこと自体は成果だと三浦さんは評価する。「しかし実態は何も変わっていません」。低迷するランキングはそれを如実に物語っている。
 安倍政権の最重要課題である経済施策では気になる統計がある。世界経済フォーラムによる「観光競争力ランキング」では4位に躍進しているが、同フォーラムの17年の「国際競争力ランキング」では世界137カ国・地域中、日本は順位を一つ下げて9位に。
 市場の効率性やインフラ、イノベーションなどを総合評価するが、日本は特許件数が1位だったものの、技術者・研究者の人材確保などの面で評価を下げた。
 背景について、経済評論家の斎藤満さんは「日本の技術力がかつての輝きを失っている。特にエレクトロニクス分野が韓国勢や中国勢に押され、輸出が伸び悩んでいることが大きい」と分析。その上で「国全体の競争力は経済政策だけでなく、教育や社会の自由度によっても左右されます」と語る。「男女格差だけでなく、教育格差が放置されれば、優秀な人材が本来の力を発揮できず、企業はもとより社会的にも損失となる。今の日本を見ていると不安です」
 経済協力開発機構(OECD)が集計する「国内総生産(GDP)に占める教育機関への公的支出の割合」をみると、日本は3・2%で、比較可能な34カ国中、最低だった。この傾向は長年、続いている。この特集ワイドでもたびたび報じてきたが、報道の自由度は、13年の53位から72位にまで下がった。
 斎藤さんは、16年度で539兆円のGDPを20年ごろまでに600兆円にするよう目指す安倍政権にこう注文する。「GDPの拡大は悪いことではないが、総額を増やすことが全てではない。経済は本来、国民を幸せにするためのものであると忘れないでほしい」
 格差是正、先送り
 アベノミクスについて、もう1人の話を聞いてみたい。財政学者で慶応大教授の井手英策さんだ。「アベノミクスには効果があったのかもしれません。でも、これくらいの成果でいいのか。そこを考えてほしい」  井手さんによると、13~16年度の4年間の実質経済成長率は平均1・1%だったが、バブル崩壊から現在に至るまでの平均は0・9%。井手さんは「ほとんど変わっていません」と指摘する。特に、過去に例を見ない大規模金融緩和に財政出動、それに五輪景気という好条件もあったのに、「これだけしか成長できなかったとみるべきだ」と言う。そしてこう話す。
 「安倍政権での社会保障政策は、収入増を前提として自己責任で将来不安に備えるというものでした。でもこの成長率ではそういうモデルは成り立たない。医療や教育、社会保障といった誰もが恩恵を受けられる分野は、みんなで負担をする。そんな考え方に切り替えていく時期だと思います」
 井手さんは「成長重視の自己責任モデル」から「増税をしてでも国が暮らしを保障する北欧型の分配モデル」へのシフトを提唱している。確かに、経済成長がなければ安心感が得られない社会のままでは、人口が減少するこれからの日本に希望を抱くことは難しい。
 国連の研究者グループ「持続可能な開発ソリューションネットワーク」(SDSN)が発表する「世界幸福度ランキング」で、日本は今年、51位となった。前年より二つ順位を上げたが、これもG7の中で日本は最下位。上位を占めるのはノルウェー、デンマークなど「高負担、高福祉」の国々だった。
 温暖化対策「非常に劣る」
 世界各国が危機感を持つ地球温暖化対策はどうか。NPO法人「環境文明21」の共同代表を務める加藤三郎さんは、ドイツの「ジャーマンウオッチ」などが毎年発表する地球温暖化対策ランキングを挙げて、こう嘆く。「日本は『地球温暖化対策に逆行している』と厳しい目が向けられています」
 このランキングは温室効果ガスの9割を排出する57カ国(昨年までは58カ国)の取り組みを採点評価したもの。毎年1~3位は「対象国なし」とするのが慣例で、今年11月の発表ではトップの4位はスウェーデン、最下位はサウジアラビア。日本は下から11番目の50位。ジャーマンウオッチは46位以下をひっくるめて「非常に劣っている」と分類しており、加藤さんは「誇れる数字ではない」。46位以下のグループには、地球温暖化防止の国際条約「パリ協定」からの脱退を宣言した米国(56位)がいる。
 日本には高い省エネ技術があるはずだ。なぜ評価が低いのか。「各国が温室効果ガスの排出量の大きい石炭火力発電から撤退を表明したり、再生可能エネルギーの導入を進めたりする中、日本は石炭火力発電を推進し、国内だけでなく他国へ技術を輸出したり建設資金を融資したりもしています」
 厚生省、環境庁の官僚として公害対策や地球温暖化対策に従事した加藤さんは、日本の技術力の低下も懸念している。
 「公害に苦しんだ日本は1970年代、厳しい排ガス規制を実施しました。自動車産業は規制をクリアするため技術を磨いた。それが産業を強くしたのです。政府は炭素税や排出量取引の制度づくりなどの政策を駆使して、企業に温暖化防止の努力を促すべきです。それが将来的に企業の競争力を高めることにもなる。持続可能な社会にするため、脱原発も必要です」
 前出の三浦さんは「女性政策も環境政策も、持続可能な社会を目指すという点では共通している。女性が子どもを産み、男女で育て続けなければ社会は成り立たないのですから」と話す。
 厳しい国際ランキングは、目先の成果に目を奪われ、長い目で国を良くするという視点を持てない日本への警告なのではないか。
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男女平等度評価
2013年 105位  
 14年 104位  
 15年 101位  
 16年 111位   
   17年 114位 (「世界経済フォーラム」調べ)

国際競争力ランキング
2013年 9位  
 14年 6位  
 15年 6位  
 16年 8位  
 17年 9位 (同)

GDPに占める教育支出割合
2013年 30位*  
 14年 31位*  
 15年 31位  
 16年 32位  
 17年 34位 (OECD調べ)
 *14年以前は幼児教育費を含む

温暖化対策ランキング
2013年 50位  
 14年 53位  
 15年 58位  
 16年 60位  
 17年 50位 (「ジャーマンウオッチ」など調べ)

世界幸福度ランキング
2013年 43位  
 14年 未発表  
 15年 46位  
 16年 53位  
 17年 51位 (国連調べ)

報道の自由度ランキング
2013年 53位  
 14年 59位  
 15年 61位  
 16年 72位  
 17年 72位 (NGO「国境なき記者団」調べ)

観光競争力ランキング
2013年 14位  
 15年  9位  
 17年  4位 (「世界経済フォーラム」調べ、隔年)
 ※西暦はいずれも発表年  
 ≫(毎日新聞)

日本‐呪縛の構図:この国の過去、現在、そして未来 上 (ハヤカワ・ノンフィクション文庫)
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早川書房
日本人と象徴天皇 (新潮新書)
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明治維新 司馬史観という過ち
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●年末年始、感じて考えておきたいと思う“日本や世界のこと”

2017年12月23日 | 日記

 

僕らの社会主義 (ちくま新書 1265)
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ここがおかしい! 小林節が壊憲政治を斬る!
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七つ森書館
世界に広がる日本の職人: アジアでうけるサービス (ちくま新書1279)
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消費大陸アジア: 巨大市場を読みとく (ちくま新書1277)
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●年末年始 感じ、考えておきたいと思う“日本や世界のこと”

 以下に羅列する諸問題や事象のすべてをコラムに書ききることは出来そうもない。が、筆者の目のつけどころが、ブログを読んでいる方々に、何らかのメッセージになるのであれば、それはそれで有意義なのではないかと思いついた。興味のあるものを見つけたら、一緒に考えてみようではありませんか。
 2018年は、安倍政権が改憲案を発議する可能性もあるし、国民投票になる可能性もおおいにある。筆者にしてみれば、安倍右巻きな人々に、決然とNOを突きつける事態を期待するわけだが、その為の一助になる情報を発信していきたいものである。言論の自由が許される時間は差し迫っているとみるか、或いは、強力なバネで跳ね返すか、勝負の年2018年になるのだと思う。


★立憲民主党:独自路線か協調か…問われる野党の覚悟

 ★共産党 立憲民主・社民と合流し党名変更のラストチャンスか

★戦争が差し迫っているのが見えないだろうか?

★サウジが暗躍!? イスラエルとともにイランを攻撃!?

★山口敬之が犯した「準強姦事件逮捕状執行停止問題」

★「加計審査で圧力」証言 座長に訴訟リスクあると言われた

★子育て政策おかしくない? 保活経験者らSNSで発信

★「若者の恋愛離れ」を考える 「割に合わない嗜好品に」

★加計学園:獣医学部、推薦入試30倍 600人超が出願

★高所得者の増税検討 所得税の給与・年金控除縮小

★不正義の国。総理も大臣も局長も嘘ばかり

★最高益更新 「ゼネコン復活」のおもてウラ、大企業最高益!

★「おねだり」報道に河野氏反論 外相専用機「国益考え」

★新ミサイル防衛構想、これまでと何が違う? 識者に聞く

★豊洲市場開場、来年10月11日で決定 2年遅れで移転

★仕方ない・やらせだ…中傷電話、ヘリ窓落下の小学校にも

★大飯1・2号機、22日廃炉決定 福島以外の大型炉で初

★北朝鮮、「炭疽菌ICBM」実験か 米韓に情報

★リニア談合、JR東海の意向が影響か 大林組が逆転受注

★新大阪で「異常なし」と引き継ぐ のぞみ34号の乗務員

★日中の立場、完全逆転 中国がCO2排出量取引市場設立

★首相、2020年の改憲に再び意欲「日本が変わる年に」

★石破氏「自民に何望むか、総裁選で戦わせなければ背信」

★「米国は自己矛盾だ」 中国、新安保戦略を批判

★政治音痴すぎて「理解不能」な民進

★疑念だらけのリニアとスパコン 安倍中枢との関係

★黒田日銀、いまや消化試合の日々

★「空き容量ゼロ」東北電力の送電線、京大が分析すると…

etc

PS:

訪日客急増に沸く大阪 高島屋の売上高、日本橋店越えも

★出生数、2年連続の100万人割れ 自然減は過去最多

★過去最大97.7兆円 来年度予算案を閣議決定

★自民・船田氏「まず9条加憲、次に2項削除を」

★民進、離党の動き止まらず=風間参院議員、立憲入党へ

★自己矛盾だらけの経済政策政権自ら経済のエンジン止める気か…

賛成の日本、米の要請断る エルサレム非難決議

 

これからの日本、これからの教育 (ちくま新書)
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死刑 その哲学的考察 (ちくま新書)
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世界の廃墟・遺跡60
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東京書籍
徳川がつくった先進国日本 (文春文庫)
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文藝春秋

●側近政治、安倍晋三は追い込まれている 行政官僚機構の逆襲

2017年12月20日 | 日記

 

終活期の安倍政権―ポスト・アベ政治へのプレリュード
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新日本出版社
新聞記者 (角川新書)
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KADOKAWA
もの言えぬ時代 戦争・アメリカ・共謀罪 (朝日新書)
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朝日新聞出版
安倍政権とは何だったのか (時代への警告)
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ベストセラーズ


●側近政治、安倍晋三は追い込まれている 行政官僚機構の逆襲

 以下の紹介文はビデオニュースドットコムの美濃加茂市長の汚職に関する裁判への疑義を語っている。このビデオでは、後半部分において、神保と宮台が、このような司法の醜態が晒されることは、国民から、日本の司法の闇は頂点に達したと云う印象を与えることになりかねない案件だと発言している。いうならば、日本の行政の官僚中の官僚、いわば官僚機構の頂点に立つ、法務省、検察庁、最高裁にとって、国民から信用されない司法構造が生まれつつある事実は、彼ら全体の危機ということも出来る。

 安倍晋三の第二次安倍内閣は、議院内閣制や三権分立、立憲主義と云った、あまりにも当たり前に守られてきた“日本人的な政治行政司法”のプラットフォームを弄り回し、遂には引き千切り、無茶苦茶にした政権である。良くも悪くも機能していた日本の官僚制度を破壊し、国民目線の構造に変えるのであれば、立憲意思に合致するのだが、安倍政権は、たまたま手にした権力を、立憲主義の趣旨を無視して、権力ゲームを愉しむようになった。“勝てば官軍”何をしても構わないと思い込んだようである。挙句に、国家権力を女房や友人の為に、日常茶飯事な勢いで駆使するに至っている。表で、このような振舞いをする人々なのだから、裏でも相当リスキーなものに手を染めていることは想像に難くない。

 小選挙区比例代表並立制と云う馬鹿げた選挙制度のお蔭で、野党と、わずかの差で大勝ちした選挙結果を持って、大統領と首相を併せ持ったような権力に君臨して、傍若無人の限りを尽くしていると言っても過言ではない。今や、歯止めが効かなくなった、民主主義国家に生まれた暴君である。今上天皇まで、自分の思い通りに動かそうとした履歴も歴然としている。完全に国民を貧乏にするアベノミクス等と云う経済政策。輸出産業の構造的下降曲線、トリクルダウンと云う幻想、それらは既に大失敗で、修復不可能なのではないかとまで言われている。消費税増税、給与所得者や生活保護家庭など、弱者直撃の増税案を選挙後に打ち出す始末である。離れを覗いたら、公共事業の大盤振る舞い、法人税減税、高額所得者減税、敵地攻撃用武器の大量購入、もう手が付けられない。

 ゼネコン業界は公共事業で腹いっぱいの上に、リニア新幹線、都市部の大規模再開発や東日本大震災の復興需要など、スーパーゼネコンと呼ばれる大手建設は軒並み最高益を更新している。後々、冷静に考えてみると、少子高齢化の中で、これら新しくできた様々なものは、作ったようで壊していた。そんな結果になりそうな代物になりかねない。ところで、コラムの核心はここからだ。ここに来て、気にかかる出来事が散見してきた。先ずは、リニア新幹線にまつわる談合疑惑だ。リニアの中核企業はJR東海だ。同社の代表取締役名誉会長(実質のオーナー)は葛西敬之氏で、安倍友の超大物である。

 リニア中央新幹線の建設工事を巡る不正受注事件は大林、鹿島、清水、大成のゼネコン4社だけの問題なのか、発注元JR東海まで巻き込むものなのか、東京地検特捜部の動きが注目される。次に、東京地検特捜部がスパコン開発会社「PEZY」社の社長、斉藤元章(49)らを詐欺容疑で逮捕した捜査にも注目しておきたい。斉藤社長は、伊藤詩織準強姦事件の山口敬之と非常に親しく、麻生財務相や安倍首相とも懇意の関係と言われている。無論、山口と安倍は親分と提灯記者という関係だ。

 ビデオニュースドットコムで宮台と神保は、内なる権力闘争、サイレン・クーデターの側面に目を向けている。いま現在は、官邸の監視能力がトップ人事レベルに留まり、下部人事にまで目が届く前に行動を起こさないと、完全に包囲されてしまうと云う危機感から、今しか行動のチャンスは残されていないと思う人びとの動きが暗黙のうちに行動を起こさせている可能性に言及している。

 官邸内のラスプーチンこと、今井尚哉・首相主席秘書官はじめ、和泉洋人、杉田和博、長谷川榮一首相補佐官等々。彼らによる側近政治の限界も見えてきている。彼らの安倍晋三官邸への悪知恵の提供の数々の本意が何処にあったかは別にして、彼らの出身母体である行政官僚機構そのものの破壊に手を貸す結果を招きつつあるのが現状である。つまり、行政官僚機構の正当性を堅持するためには、現官僚たちは官邸と対峙する必要があるのは自然なのである。つまり、損得政治に対抗する正義ではなく、自己防衛のためにも、現官僚たちは、安倍官邸の横暴を追いつめる必要がある。

 正義よりも損得勘定で動く、安倍官邸側近政治は、やり過ぎを制御する理性が失われ、お追従付きの悪巧み競争と云う、粗忽な民主主義政治を体現してしまい、規範意識を守ろうとする既得権益性を含み持つ現行の行政官僚機構と、無意識的だが対峙する結果を生んでしまった。安倍官邸に巣食う様々な人種は、公共的プラットフォームの破壊者であり、行政官僚制の問題点は多々あるとしても、破壊によって私物化されて良い筈がなく、官僚機構は、国民に正義の行政がなされることで、自己の存在を構成していない状況では、早晩、なし崩しに崩壊の道に進むことになるわけだ。安倍政権が永遠に続くのなら、こぞってお追従行政も可能だが、政権の永続など、誰も保証していないわけで、次なる政権時に、トテツモナイしっぺ返しを食うリスクは大である。

 今回の検察の談合問題やペジーコンピューティング事件、NEDOコネクション、会計検査院の衝撃的な森友疑惑における財務省へのクーデター的指摘、 宮内庁と天皇と官邸の権力闘争等々の事象を見ると、上述のような環境において、行政官僚機構の自浄作用と云うか、自己防衛本能が作動しはじめたと読むことも可能だ。無論、検察などの動きは単なるアリバイ作りと云う側面もあるのだろうが、アリの一穴になる可能性は充分にあるだろう。

 その上に、官邸内では、麻生、菅、谷内、今井の四つ巴の権力闘争が激しさを増し、幾分リーク合戦の様相を呈してきている。また、自民党と官邸の睨みあいも続いている。実際問題は、官邸は自民党抜きで、政治を推し進めている事実がある。こうなると、党も行政官僚もいらない、そんな政治権力構造。これに抵抗しない自民党政治家も行政官僚もいない筈はない。両者のアイデンティティーが崩れかけているのだから。また、安倍首相が日本会議に阿るような状況で、5月の憲法改正提案をしたことも、官僚の尻に火をつけた可能性がある。

 まぁ以上のような諸事情、情勢を含めて考察してみると、案外脆弱な政権と云う側面も見えてくる。特に、検察の動きが注目で、彼らの動きから目を話さないようにすべき状況と言うことが出来る。最高裁と云う司法の頂点は、現実問題法務・検察庁の下請け機関と云う事実があるので、検察庁が実質的には司法の頂点だと云うことも、この際だから、再度確認しておくべきだろう。以下参考引用している美濃加茂市長汚職事件も、検察の大失敗疑獄案件を、最高裁が尻拭いした典型の事件と言えるだろう。藤井浩人前市長はいい面の皮である。三年後の再起に期待したい。


 ≪ 美濃加茂市長を失職に追い込んだ最高裁決定の意味
 日本最年少の首長として注目されていた岐阜県美濃加茂市の藤井浩人市長が受託収賄などの罪に問われていた事件で、最高裁が市長側の上告を棄却したのを受けて、藤井氏は12月14日付で辞職することを表明した。
 藤井氏の弁護団は来週にも最高裁に異議申し立てを行う意向を示しているが、これが認められなければ名古屋高裁が藤井氏に下した懲役1年6カ月、執行猶予3年の有罪判決が確定し、藤井氏は自動的に失職することになる。
 藤井氏は今も一貫して無実を訴えているが、市政を停滞させたり混乱させないため、異議申し立ての結果を待たずに辞職を選択したと語っている。
 ビデオニュースではこの事件を、市長の逮捕直後から継続的に取材し、その進捗状況を詳しく報じてきた。他のあらゆる刑事事件についても言えることだが、真実は神のみぞ知るところではあるとしても、裁判はあくまで検察が提示した証拠に基づいて審理され判決が下される。一審からのこの裁判の経過をみると、この裁判で提出された検察側の証拠で一自治体の首長が逮捕され有罪判決を受けたことには、内容的にも手続き的にも多くの疑問が残る。
 この裁判は一審で無罪判決を受けた被告が、新たな証拠の提示もないまま、単に高裁が一審で提出された検察側の証拠の解釈を変更したことによって逆転有罪判決を受け、最高裁が何の理由説明もないまま上告を棄却したことで事実上刑が確定することになる、司法手続き上も疑問の多い裁判だった。一審では藤井氏は自らの潔白を訴える機会を得たが、二審では裁判所は藤井氏の反論すら聞いていない。
 そもそも藤井氏に30万円を渡したと証言している業者は、自身が金融機関相手の巨額詐欺で逮捕され、その取り調べを受けている最中に、半ば検察と取引をするような形で、藤井氏への贈賄を証言していた。無罪を言い渡した第一審は、贈賄側と検察の間に虚偽の口裏合わせがあった可能性が排除できないことも、無罪理由の一つとして挙げていた。逆転有罪となった二審で、一審が認定した虚偽の口裏合わせがあったことの新たな証拠は、提出されていない。
 実際、藤井氏への贈賄を証言した業者は、藤井氏が逮捕された時点で既に、金融機関を相手に3億7800万円分の融資詐欺を働いたことを自白していた。にもかかわらず、その段階では融資詐欺については2100万円分しか起訴されていなかった。その後、弁護側の告発でも4000万円の詐欺が追加されたが、それでも自白した詐欺のほんの一部しか罪に問われていないのだ。
 しかも、金銭の授受については、その業者は当初、藤井氏とレストランで2人きりで会っている際にカネを渡したと証言していたが、後に、その面会の場に実は第三者が立ち会っていたことが領収書の表記から明らかになり、しかも、その立会人は、自分は面会中に一度も席を離れていないが、金銭の受け渡しは絶対に見ていないと繰り返し断言していた。
 ところが検察はその立会人に「自分は一度も席を離れていないし、金銭の受け渡しも見ていないので、もし金銭の受け渡しがあったというのなら、自分が席を離れていた時しかあり得ない」といった趣旨の証言調書に無理やり署名をさせていた。そして、高裁判決は立ち合い人が離席中にカネを渡した可能性が高いことを認定し、金銭の授受があったことの根拠としていた。
 ことほどさように多くの不可解な点のある裁判だったが、より重大なのはこの裁判の政治への影響だ。  東日本大震災の際にボランティアなどを行い、震災の恐ろしさを肌身で感じていた藤井氏は市議会議員に当選した後、「震災時のために太陽光発電が可能な浄水器を公立中学校のプールに設置する」という業者からの提案に強い魅力を感じ、その実現のために積極的に動いていた。ところが、後にその業者が金融詐欺で逮捕された時、「藤井氏にカネを渡した」と言い始めた瞬間に、藤井氏が浄水器設置の実現のために尽力したことが、逆に、業者からカネを受け取った藤井氏が請託を受けて動いた証拠として認定されてしまったのだ。
 これでは政治家が市民から受けた提案を実現するために積極的に動くことが、後々リスクになる先例となってしまいかねず、政治への影響は甚大だ。提案者が突然、「カネを渡した」と言い出せば、それだけで有罪になってしまう恐れがあるからだ。しかも、それは意図的に政治家をはめることも容易となることをも意味している。
 今回はたまたま金銭の授受の場に立ち合い人が存在し、その立会人が金銭の授受などなかったと証言したために、検察はあり得ないような無理な主張を押し通さなければならなくなったが、もし2人きりで会っている場でカネを渡したと証言され、しかもその人物から受けた提案がいい提案だと考え、それを実現するために実際に働きかけなどやっていようものなら、実際はカネなど受け取っていなくても、まちがいなくアウトになってしまう。
 藤井氏は2013年5月に市長に就任して1年ほどでこの収賄事件に巻き込まれ、その後、3年間、被告の立場で市政の陣頭指揮を執り続けることを強いられた。しかし、その間、美濃加茂市民は藤井氏の潔白を信じ、裁判を抱えた藤井氏を支持し続けた。被告の身のままで藤井氏は2度も再選を果たしていた。
 12月13日の夜に急遽行われた辞任会見の場に集まった藤井氏の支持者たちからは、3年間の執行猶予が解けたあと、藤井氏にはまた市長に復帰してほしいという声が多く聞かれた。また、「これは冤罪だ!」といった悔しがる人も多かった。
 会見後、ビデオニュースの取材に応じた藤井氏は、「まだ(上告棄却の)通知を受けたばかりなので」と、3年後の復帰を宣言することは躊躇ったが、今回の経験を肥やしに、今後も美濃加茂市政や政治には関わっていきたいとの抱負を語った。
 この事件と最高裁の決定をどう評価すべきかについて、ジャーナリストの神保哲生と社会学者の宮台真司が議論した。 ≫(ビデオニュースドットコム)
http://www.videonews.com/commentary/171216-01/

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偽りの経済政策――格差と停滞のアベノミクス (岩波新書)
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●“金満民進党” 助成金抱えて"希望"と絶望の抱きつき心中

2017年12月14日 | 日記

 

主権なき平和国家 地位協定の国際比較からみる日本の姿
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●“金満民進党” 助成金抱えて"希望"と絶望の抱きつき心中

 米トランプ大統領が、いつ北朝鮮を攻撃するのか固唾を飲んでいる日韓の国民だが、危機感を双方の国民全体が抱いている状況かと云うと、意外にそうでもない。これらは、もっぱら日本のメディアの忖度報道と記者連中の無能によるわけだが、不作為の意識・無意識の線引きは意外に難しいので、彼らの罪を暴くのは容易ではない。日本のメディアは徹底的に東アジアの官邸・外務・防衛省からレクチャーを受けた上っ面情報を報道しているだけで、官製報道そのものになり下がっている。まぁ飯さえ喰えれば、ジャーナリストの責任などは、遠の昔に忘れてしまったのだろう。

 たしかに、東アジアの一触触発な情勢だけでも充分に重要なわけだが、もう少しアジアの西側に目を転ずると、忌まわしい状況が、着々と進行中なのである。トランプ大統領が唐突にエルサレムをイスラエルの首都に定めると云う国際認定のような言いぐさで、世界に発信した。無論、単にアメリカが、エルサレムをイスラエルの首都に認定しただけで、国連や世界の主要国が、そのトランプ宣言を追認したわけではない。EU主要国もトランプに追随していないが、安倍首相だけが金魚の糞状態なのは、あいかわらずである。

 シリアを中心としたIS問題も一応の終息を見た立役者ロシア・プーチン大統領は、シリアからのロシア軍撤退命令を出した。シリアを中心としたIS騒動を鎮静化させたのは、ロシア・イラン・ヒズボラの勝利に終わった。この一連の終息を面白く思っていないのが、アメリカ・サウジアラビア・イスラエルだ。IS騒乱に多額の外交的費用を投じていたアメリカ同盟勢力は、現時点は赤っ恥状態なのである。そこで、次なる中東騒乱の火種を演出したのが、エルサレムの首都認定と云う暴挙なのだろう。つまり、中東も東アジア同様のレベルで、戦争の火種が投じられている。

 日本に住む我々にとって、北朝鮮情勢の方が、直近の課題のように思えるが、世界全体から眺めた場合には、エルサレム問題の火種の方が、複雑でユーラシア大陸に蒔かれた大きな火種と認識する必要があるだろう。まぁ、そうは言っても、自国の首相の数限りない犯罪を目にしていながら、最近のNHKによると49%の内閣支持率があると云うのだから、がく然的レベルで驚異的だ。多くの情報を勘案すれば、犯罪的内閣なのだから、支持率など30%を切って当然なのである。自民党の政党支持率38%よりも多いと云うのだから、奇奇怪怪だ。いや、日本人の民度が、このレベルに落ち込んでいると、再認識させられる数値と認識する方が、今後の内政を考える上では、有効かもしれない。

 さて、前置きが長くなったが、この38%の政党支持率と49%の内閣支持率を誇る、安倍晋三自民党内閣に対抗する政治勢力はあるのだろうかと云う、頭の痛い重大な問題に突き当たる。生き残った民進党参議院と会派を組む無所属議員の群れの、当面の議論項目が決まった。毎日、朝日の量記事を読んでも、文章もぐちゃぐちゃだが、おそらく、内実が目茶苦茶なので、まとめるのが大変なせいで、記事が記事ではなくなっているのだろう。先ずは読んでいただこう。

≪ <民進党>「解党的出直し」削除 改革3案、議論へ
 民進党の大塚耕平代表は13日の党常任幹事会で、新党に移行▽党名変更▽「現状維持」で党存続--の3案を含む党改革の中間報告案を示し、今後の党内で議論することで了承された。報告案は立憲民主、希望の両党に統一会派結成を正式に申し入れる方針も明記。党内の反発を考慮し、たたき台段階で言及していた「解党的出直し」の文言は削除した。執行部は年内にも結論を得たい考えだが、党内意見は割れており、意見集約は難航必至だ。【光田宗義、真野敏幸】
 中間報告案は、新党移行について「年内が望ましい」と期限を設定。他の案に比べ「再スタート感が強い」と指摘する一方で、「手続き、準備が煩雑」と留意点を示した。党名変更の場合は「通常国会までに」とした。現状維持案には「民進党の名前では選挙が戦えない」と懸念が出ていることも付記した。
 統一会派の申し入れは民進が「友党」と位置付ける立憲、希望との連携で民進系の再結集を図る狙い。報告案には「将来的な合流の可能性も模索する」と明記した。民進は14日に両院議員懇談会を開いて議論する。
 大塚氏は「解党的出直し」の削除について「臆測を呼ぶので、ないほうがいいと指摘があった」と記者団に説明。「解党ありき」と党内の反発を招くことを避けた形だ。ただ、「他党との合流などいろいろなパターンがある」とも語り、解党もなお視野に入っていることをにじませた。
 執行部の一部や地方には、希望などの議員の合流を念頭に「いったん解党し、新党を結成して党のイメージ刷新を」と求める声がくすぶる一方、これに反発して立憲入りを探る議員もいる。大塚氏ら執行部の3案併記は着地点を探ろうとする苦肉の策だが、地方組織も交えた今後の議論で混迷が深まる可能性もある。
 統一会派の結成を巡っても、独自路線を強める立憲が3党連携に慎重。希望の玉木雄一郎代表は「選択肢としてはあり得る」としているが党内に異論もあり、実現は不透明だ。
 この日の民進の常任幹事会では、岡田克也元代表が「党名を変えても新党を作っても、中身が変わらなければ同じ」と指摘。原口一博元総務相は統一会派について「国会の中の数合わせに過ぎない。安保法制を変えるためという『何のために』が先に来るべきだ」と注文をつけた。 ≫(毎日新聞)


 ≪民進、解党せず希望と合流が有力 党名変更も検討
 民進党は13日の常任幹事会で、「新党」の立ち上げを含む党再建策についての議論を本格化させる。民進では、解党せずに政治資金と組織を維持したうえで、希望の党との合流を目指す案が有力となっている。両党内に反対論がくすぶり、思惑通りに進むか不透明だ。
 民進は12日、党の再建に向けた戦略や組織のあり方を検討する改革本部の会合を開き、「新党構想」を含む複数の選択肢を常任幹事会に示すことを確認した。大塚耕平代表は記者団に、「改革本部で特定の選択肢は決めない。常任幹事会で議論する」と述べた。
 衆院選で立憲と希望に分裂した民進は、参院議員が中心の政党として存続。2019年の参院選に向けた再建策を検討中だが、報道各社の世論調査で党の支持率が低迷。地方を中心に「民進のままでは戦えない」との声が相次ぎ、解党論が浮上した。
 だが、新党結成のために解党すれば、政党交付金を国庫に返納する必要に迫られる。地方組織の維持に多額の資金がかかっているほか、「参院選に向けて候補者を擁立すれば、資金はいくらあっても足りない」(民進関係者)との事情もあり、解党を避ける合流構想が有力になった。
 具体的には、希望との合併に加え、希望の一部議員と合流し、民進の党名を改称する形での「新党」が検討されている。衆院で野党第1党の立憲会派が54人なのに対し、希望の51人と民進籍の残る衆院議員14人を合わせれば立憲を上回る。「野党第1党を取って、国会で主導権を握りたい」(民進幹部)との声も、構想を後押ししている。
 ただ、民進内には「看板の掛け替えに過ぎない」との懸念の声も根強く、希望内からも「民進と一緒になっても古い民進に戻るだけだ」との声が出ている。希望の玉木雄一郎代表は12日の記者会見で、「野党がバラバラでは巨大与党に対抗できないという問題意識は共有している」と話す一方で、民進との合流論については「現時点ではまったく考えていない」と述べるにとどめた。
≫(朝日新聞:岡本智)


 以上のような、“捕らぬ狸の皮算用”をグタグタ語る民進党の生き残り連中だが、いい歳をした馬鹿議員のオタメゴカシな言い分には、呆れてものが言えない。今や死に体と言われている希望の党との合流など、最悪の選択肢が残る始末なのだから、何をか況やと言うべきだ。政党支持率1%と1%が合流して、その計が0.5%になってしまう現実が見えていないようだ。気がつけば、数合わせに阿らず、反安倍を貫く立憲民主の目標政党支持率25%のアシストにひた走っているようだ。

 現在の生き残りの主だった民進党議員は、立憲民主党を急遽立ち上げた枝野幸男のホームラン的な選択に嫉妬している連中なのだと思う。彼らは、理由も勝算もなく、まとまって行動しようと試みているわけだが、子供の遠足じゃないのだから、もう無理でしょう。各々が、自分の政治信条の趣くままに行動すべきなのだろう。無論、支持者の声も尊重しないわけにはいかないのだろうが、信条を捨てて当選しても烏合の政治家が増えるだけ。

 まぁそうは言うもの、立憲民主党にも幾分排除の論理は存在するので、行き場のない議員が生まれるのは致しかたがない。野田佳彦や蓮舫は浮遊物になるわけだから、仲間を集めて無所属会派を作ればいいわけで、民主党議員全員の政治選択に影響を及ぼさないようにするのが、一旗揚げた政治家の矜持なのだと思う。場合によれば、民進党のまま、他党に行く議員に対して餞別を送る(分党)ような抜け道もあるようだが、そんな気はさらさらなさそうだ。そんなような根性だから、民主党、民進党は藻屑のような野党になったと云うこと、肝に銘じて欲しい。

 明らかに、野党と云う枠組みは、安保法反対で一致せざるを得ないものなのは明らか、それに賛成する勢力は準与党と言うべきだ。また、共謀罪廃止法案に参加も出来ない政党は、安倍与党と同様な政治勢力と見なすべきであり、僅かな野党色をチラつかせて、我は野党なりと言われても、信ずる根拠にはならない。“どんなにじょうずにかくれても きいろいあんよがみえてるよ”有権者は馬鹿ではない。どうも、このような流れから見て、野党は、立憲民主、共産、社民、自由、一部無所属議員の5党になるが、その核となり、成長性が望めるのは立憲民主党と云うことになる。もう一度、枝野の考えをチェックしておこう。ハフィントンポストでのインタビューを掲載しておく。


≪ 二大政党制は幻だったのか。民進党が解体された今、枝野幸男氏に聞いた
2017年の総選挙、日本の政治地図が大きく変わった。 「官から民へ」「マニフェスト」など新しい政治文化を生み出した民主党の結成から約20年。2009年には自民党を倒して政権交代を果たしたが、権力を担うには未熟だったため、熱狂だけを起こして、3年で下野した。 その後「民進党」へと党名が変わったと思ったら、ついこの間できたばかりの新党「希望の党」に多くが合流して、事実上解党に。民主党時代に官房長官などを歴任した枝野幸男氏は、「立憲民主党」を立ち上げた。 民主党とはいったい何だったのか。日本にとって必要だったのか。10月10日の総選挙の公示を前に、枝野氏は「再出発です」と述べ、二大政党制に必ずしも"全面賛成"ではない考えを語った。

――選挙前に、民進党が事実上無くなりました。政権交代が可能な政党をつくり、大きな二つの政党が緊張感を保ちながら政治を進める、という20年間に渡った「民主党のプロジェクト」が終わったのでしょうか。

 まぁ、再出発ですね。もう一回、もう一回作り直す。ただ、ゼロからではないと思っている。僕らには、この20年ぐらいの蓄積が経験則としてある。 これからどうなるかわかりませんけれど、参議院で(民進党に)残っている皆さんや地方組織の皆さんは、形はともかく、我々と広い意味で一緒にやっていただけると思っているので。もう一回、一から頑張ってみたいと思っています。

 ――立憲民主党は、民主党の後継者ということでしょうか?

 だと、私は思っています。後継といっても、単に引き継ぐというよりも、時代状況に応じてやはりちょっとステージを変えなきゃいけなかったのかなあと、今思うとね。そういう風に思います。

 ――1998年の民主党結成からの約20年間を、枝野さんはどう総括しますか。
  この国に政権交代な状況、そういう政治構造を作るということについては、一定の役割を果たしたと思います。ただ、実際に政権を交代してみたら、なかなか政権運営が上手くいかず、期待に応えきれなかった。次のチャレンジの時は同じことを繰り返す訳にはいかない。 この20年の間に社会状況は変わってきている。僕はギリギリまで「民進党でもう一度」と思っていましたが、こうなってみると、ある意味での必然性があるのかなと思っています。

――この20年で変わった社会状況とは。

  例えば、僕らが「日本新党」で初当選したあの時(1993年)は、駅前に一人で立って、一人で支持の輪を広げて、有権者との取っ掛かりをつくっていくという時代だった。 それ以前は、町内会長をおさえて1軒1軒に戸別訪問をしていく。ただ、平日の昼間に戸別訪問をしてもなかなか人はいないし、町内会長だって別に町内の人をおさえていないですよね。
 (93年ごろは)新しい政治のスタイルがあった。ただ、現代はそれすらも変化が求められている。団塊世代がリタイアして、駅を通勤で使う人の数が急激に減っている。 そういう時代状況の中で、SNSという新しいきっかけがあった。結果的ではありますが、(立憲民主党のTwitterのフォロワーが16万以上に達するなど)これだけ多くの皆さんにアクセスしていただけるとは思っていなかった。 有権者の政治へのアクセスのスタイルが、この20年で変わっています。スタイルだけではありません。社会の構造が色々変わり、どんどん社会が分断されて、バラけているため、SNSのようなツールの有効性が大きくなっているわけですよね。 政治もそれに応えた政策や方向性を示さければならない。民主党以来の考え方のベースを持ちながらも、その時代の変化に対応していかなければならない。それは「右か、左か」じゃなくて、「上からか、草の根からか」という意味です。「草の根」ということに、一つ込めている思いなんですよね。

――SNSによる政治の変化は感じますか。

 これまでTwitterをやっていなかったんです。Twitterは全国民に対しての発信になりますが、個々の選挙区の50万人弱の有権者に対するアクセスツールとして合理的ではない。 ただ、政党政治の中にあって、党としての国民に対する発信としてはものすごい大きなパワーになりました。実際、これが票につながるかどうかは別としても、既存メディアではないところで、情報を伝えることができている。

 ――元大阪府知事の橋下徹さんや、アメリカのトランプ大統領はTwitterの使い方がうまい。

  お二人の使い方について、必ずしもよくわかっていません。われわれは、従来型の世界と上手く組み合わせてやるようにしています。 (Twitterで)アクセスがすごいのは、私が街頭でしゃべった話をフルバージョンで流してくれたり、編集してポイントを短くしてくれたり。 街頭演説に来たいけど来れない人たち、そこまではしようと思っていない人たちに対して街頭演説を伝えるという仕組みがうまくいっています。SNSの世界と従来型の世界とどう組み合わせ行くかがポイントだと思いました。 パッション(情熱)が伝わらないといけない。しゃべっている姿を見てもらいたいということかな。そこは重視したいなと思っています。

 ――本来だったら、新しい有権者やテクノロジーは民主党や民進党が担うべきだったのでは。

 一方で、自民党はネットの使い方もうまく、新しい変化についていきました。 ある時期、上手くついていったんだとおもいます。でも僕は、それも限界に来ていたんだと思います。 今回の立憲民主党は図らずも、既存の手法やネットワークを持たない中で、SNSが先行してネットワークをつくっているというのは新しいアプローチだと思います。これが一定以上の効果を上げれば、次のフェーズに入っていくのではないでしょうか。

 ――二大政党の話に戻します。民主党が実際に政権を取り、権力の座についたことによって、野党時代にはない「気づき」がありましたか。

  本質的なところは変わっていません。初当選1期目は与党の「日本新党」で、そのあとは(新党さきがけに移籍して)「自社さ」で与党でしたので。 野党の間もね、与党意識が強すぎたという反省があります(笑)。「たまたま一時的に野党をやっている」という意識があった。 ただ、大臣や官房長官をやらせてもらったことで、霞が関・役所の人たちにどう力を発揮してもらうか、どうマネージメントするか。ものすごく大事だし、難しいと。 霞が関をマネージメントして、その力を発揮してもらわないと。やっぱり政治家だけでは回せないと強く感じました。

 ――民主党が民進、希望、立憲民主党などと分裂してしまったので、政権を担うノウハウが組織的に引き継がれているとは思えません。

 うーん、課題かもしれませんけど、それなりに一定の数、そういう経験をして、教訓をちゃんと受け止めている人間が立憲民主党の中に一定数います。あんまり悲観的には思っていないですね。

 ――立憲民主党は二大政党制を目指すのでしょうか。

 これは気を付けなきゃいけないなと思っているんです...。二大政党制では、2つの大きな政党を軸にして政権を競い合う。日本の選挙制度においてもそうだし、「あるべき論」としてもそうですが、そこでは捉えきれない層、世論というものは間違いなくある。 2つに収斂されるべきだという意味での二大政党制は違う。 2つの大きな勢力が政権を競い合うけども、それ以外の、収斂できない声を受け止めるいくつかの政党があり、そうした政党の影響も受けながら政権を競い合う。 それが正しい姿なのかなと。立憲民主党が、その一角になりたいとは思っていますけれどね。

――フランスでは極右「国民戦線」のマリーヌ・ルペン党首が出てきたり、アメリカでは共和党と民主党という従来の二大政党制の軸とは違うところでトランプ大統領が出てきたりしました。第三極的な指導者が、世界的に出てきやすい状況なのか、それとも日本では二大政党制が難しい、あるいは向いていないのか。

 いや、これは選挙制度なんですよ。単純小選挙区制にすれば2つに収斂せざるを得ない。 それは、この20数年の経験で「そうしなくて良かったよね」「そこまで極端にしなくて良かった」と僕は思っています。2つの大きな勢力で競い合うというのは、政権交代を、リアリティを持って語る上で重要だけど、それ以外の勢力も議席を持てる選挙制度で良かったなと思っています。

——日本では強い二大政党制が実現できますか。

 僕はそれがいいことだとは思わない。

 ——なぜでしょうか?

 価値観が多様化しているので、2つでは収斂しきれない。

——意見をすくえない?

 そうだと思います。その2つ以外のところの方がマジョリティーになっちゃう。

——2009年に政権交代して民主党が与党になった瞬間は、2大政党制がしばらく続くと思いましたか?

(即答で)いいえ。

——どういう意味ですか?

1回目は政権を取っても、そう簡単にうまく行かない。失敗した経験を踏まえて「2度目が本当の勝負だ」と、政権を取るずっと前から言ってました。

 ――希望の党への「合流」を決めた前原誠司さんは二大政党制への期待をまだ捨てていないと思いますか。

  長く一緒にやっていたとしても、二人として同じ理念政策の人はいませんよね。細かく詰めていけば、(民主党時代の同僚議員の)長妻昭さんや福山哲郎さんとも、私は違います。 その違いが、今回は決定的な意味をもつ状況だった。政治の見通しも違っていた。前原さんは「政権交代可能な二大政党の一角を、どう維持拡大していくか」を考えている——そこは信じたい。

――かつてのように自民党の派閥が強く、自民内に現実的に権力を担えるリベラルの考えの人がいる方が、二大政党制より日本にとって良いのではないでしょうか。自民一強はおかしいと思いますか。

  思います。民主的ではないので。永田町の内側の事情で物事が決まっていくというのは、僕は望ましいことではないと思う。LGBTもそうですが、夫婦の選択的別姓も、24年訴えてきて、「こんなもの5年で出来る」と思っていましたが、24年たってもまだできない。 価値観が多様化して大衆社会が進むなかでは、旧来の政治は通用しない。国民の参加意識が弱まることによって社会が脆弱になっていく。(永田町の中ではなく)自分たちが決めたリーダーではないと、政策を実現することはできません。

≫ ( http://www.huffingtonpost.jp/)




自動車会社が消える日 (文春新書)
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北朝鮮がアメリカと戦争する日 最大級の国難が日本を襲う (幻冬舎新書)
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核兵器と原発 日本が抱える「核」のジレンマ (講談社現代新書)
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●森友加計問題、日馬富士事件、北朝鮮ミサイルに思うこと

2017年12月04日 | 日記

 

「暴走する」世界の正体 最強論客が読み解く戦争・暴力・革命 (SB新書)
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永久属国論 ―憲法・サンフランシスコ平和条約・日米安保の本質
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忖度バカ (小学館新書 か 19-1)
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未来の年表 人口減少日本でこれから起きること (講談社現代新書)
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●森友加計問題、日馬富士事件、北朝鮮ミサイルに思うこと

 森友加計問題、詩織準強姦事件、日馬富士殴打事件、北朝鮮ミサイル、天皇退位、各種増税案‥等、我が国のメディアを見聞きすると、年中無休で国会で論戦を交わし、問題の本質を、国民に知らせる責務があると思うのだが、知らせる責務を感じているのは、一部新聞や週刊誌、ネットに限られている。これら問題の山積の真実や国の方針をつまびらかにするのが、国会の役目なのだと思う。

 圧倒的多数を要する安倍一強の与党は、これらの問題の対応に、謙虚に耳を傾け、真摯に対応すると君子面の安倍首相の顔を、テレビ画面を垂れ流したのが、NHK含むテレビ局だった。短期間、国会が開かれたと思ったら、野党口封じ戦術を繰り出し、野党の質問時間を、慣例無視で、大幅に削減して、安倍首相へのオベンチャラや追従、時には煽り質問や顔売り質問を与党の連中に分け与えた。はなから、謙虚に、真摯にする気は毛頭ないと公言したに等しい安倍内閣だった。

 絶対的勢力を維持している安倍政権が、なにゆえに、これほど姑息な国会運営をしなければならないのか、理由が判らない。野党の有能な質問に応じるだけの器が揃っていない所為だろうか。予算委員会を見る限り、各大臣等は、ニヤニヤ笑いで、余裕で野党の質問を受け流しているのだから、応じる能力がないわけではなさそうだ。まぁ実態は難しい質問には忖度役人にバトンタッチで切り抜けるとなると、ニヤニヤ笑いながら、嘘を言い続けることに疲れたら役人任せという戦術のようだ。

 筆者が個人的に違和感を持って注目しているのは3点。“モリカケ疑惑”“日馬富士殴打事件”と“北朝鮮ミサイル問題”だ。第一はモリカケ疑惑“だ。モリカケ疑惑において、安倍首相、昭恵夫人、各省庁関係幹部(国会出席)、彼らがこれらの問題において、決定に直接的か間接的か別にして、関与した経緯は、状況証拠から明らかだ。国会における、これら問題の疑惑に対する挙証責任は、決定権を持つ側の専権事項である。つまり、野党が、彼らの犯罪を証明する必要はなく、決定権を持つ側が、これこれ然々だから、関与はないのは歴然だと、状況証拠ではなく物的証拠を提示して、初めて、”李下において、冠をただすような事実はなかった“と証明しなければ、法廷ではない国会質疑においては「黒」である。

 国民・有権者が、決定プロセスに“何かおかしな問題が含まれる”となった場合、政権は、その“何だかおかしい?”に積極的に、具体的に説明する責任がある。公正公平の原則を権力で歪めたと疑われた以上、これでもかと、挙証して、その疑念を払拭しなければならない。でなければ、民主主義における議院内閣制など成り立たない。だから、個人的には、もう民主主義など限界に来たのだろうと思量している、まぁそれはさておき、国会質疑を見聞きする限り、政府は、これっぽっちも疑惑解明をしていない。

 たった4日間、ほんの数時間で、疑惑は解消したなんて、どこの誰が納得するのだろう。何もないことを質疑しているわけではないのに、何もない疑惑で時間を費消するななどと、批判する与党議員や識者は、隠ぺい工作への積極加担者だ。特に、質疑時間を強奪した与党議員らの“ヨイショ質問”など、不快以外のなにものでもない。官僚が野党からの質問に愚直に何ごともなく答えれば答えるほど、疑惑は増すばかりだ。

 近畿財務局内で9件の内規違反とはいえ、そのことで、安倍昭恵のお友達が得をしたのなら、その責任は役人にだけでなく、昭恵にあり、参考人招致は当たり前のことだ。最低でも会計検査院が指摘した値引き根拠不十分に関して、共産党の辰巳孝太郎が「適切だと言ってきたものが適切でなかったのは、首相の責任ではないのか。最低限、国民に謝罪すべきだ」に対して、行政の長として、謝るべきである。国民は、モリカケ問題で、政権はズルをした。そのズルを有耶無耶の中で時間が過ぎるのを待つ姿勢のようだが、役人の忖度行政に乗っかって行政権を行使する行政の長は、恥ずべき行為をしている

 次に“日馬富士殴打事件”についてだ。民放テレビでは、連日連夜、これでもかと憶測混じりに、日馬富士殴打事件について報道されていた。個人的には、相撲取りが相撲取りを酒の勢いで殴った事件がテレビジャックさながらに報道されていた。国会論戦など、国民が興味を持つわけがないとばかりに報道し、国会論戦は1/10程度の扱いに過ぎなかった。そんなことはない、大相撲は国技だし、公益法人なのだから、運営するもの、所属する力士たちは、法を遵守しなければならない。そういう意見もある。

 何となく、国技と言われると、トンデモナク崇高な響きがあるが、国技と云うものには、特段の法的定義はない。逆に言えば、関係者やメディアが、そう言っているに過ぎない。つまり、国技だからなんぼと云う意味はない。日本相撲協会にしても、公益として正式に認められたのは2014年のことである。この点からも、公益がそもそも存在するとか、国技だから、その興業に携わる相撲レスラー達は、法令遵守(コンプライアンス)や礼節道義など、人の模範を示さなければならないなど、政治家以上の規範を要求している。そんな要求は過度なのは誰にでも理解出来るはずだ。

 李下に冠を正さずと云うレベルの規範を要求されているのは、政治家であり、総理大臣である。行政の長である内閣総理大臣が、脱法行為の疑いが濃い閣議決定、憲法違反に疑義がある法案の強行採決等々、李下において、冠を取ったりつけたり傍若無人な振舞いをし、実際に梨をもぎ取っているのだ。友人知人への利益誘導も平気の平左というのが現実なのに、どうして、相撲興業の運営者や相撲レスラー如きに、あれ程までの規範を要求すのか意味不明だ。彼らは、レスラーに過ぎず、協会は興業をしているだけで、主たる運営者はレスラー引退者だ。

 彼らは道徳や規範を国民に示すための教育も受けていないし、そうしなければいけない義務もない。或る意味で、暴力是認の相撲興業における行為を行う人々だ。張り手もあれば、ケタぐりもある。常日頃、そう云う行為に明け暮れている人々だ。そのような人々に、道徳の教科書のような模範を示せと云う要求は、加重な要求ではないのか。上位下達な世界でもあり、頭よりも体ですべてを伝える世界と認識できる。また、国技だと過度の要求をしているのに、主たる相撲レスラーがモンゴル人など外国人が占めている現実を見ると、過度な日本人的感覚を要求することも問題点だ。国技と云う認識もあらためる時期に来ているのかもしれない。こう云う世界でもグローバル化に対応した意識改革が必要だ。

 次に笑い話のように心配なのが北朝鮮ミサイル問題だ。青山繁樹という提灯自民党参議院議員が、安倍首相に「避難の訓練が必要だが、東京での遅れには目を覆いたくなる」と質問を投げかけたのに対して「万が一、弾道ミサイルが落下した際に自らの身を守るために実践的な訓練が必要だ。ただ、関係者や調整事項が多い人口密集地での訓練はなかなか実施に至っていない。政府としては、都市部での積極的な実施を自治体に働き掛け、国民の安全安心の確保に万全を期す」と答えている。彼らの頭には通常爆弾の爆撃を想定しているようだ。

 北朝鮮が日本や韓国に向けて先制攻撃を仕掛けてくる可能性は非常に低い。何故かと言えば、攻撃することで得るものは何もないからだ。日韓が、先制攻撃することも考えにくい。戦争が起きる可能性は、アメリカが北朝鮮に先制攻撃する可能性の方がリアリティがある。その時期は、北朝鮮のICBMが核搭載可能で、大気圏再突入技術を成功させた時、と云うのが通り相場だ。既に北朝鮮は、ICBMをワシントンにまで到達させるミサイルの開発までは到達したとみるべきである。

 大気圏再突入技術と核搭載技術が、どの時点で到達するかは未知数だが、金正恩ロケットマンは、その一点に、北朝鮮の全精力を結集しているに違いないので、早晩完成の域に達すると考えておくべきだ。国民が餓死しても、ミサイル開発を中止することはないだろう。その期間は、半年なのか数年かかるのか、予見し難いが、近い将来には必ず完成の域に達するというのが事実だ。つまり、アメリカが、北朝鮮の核保有国を承認しない限り、トランプ大統領は北朝鮮を攻撃せざるを得なくなると認識しておくべきだ。

 つまり、アメリカは、いずれ北朝鮮攻撃に出ると想定しておくことはリアリティがある。その時、北朝鮮は不確実なアメリカ本土への報復攻撃は避けて、確実に攻撃できる日韓を狙うのが合理的だ。筆者は個人的に、北朝鮮が同胞と言える韓国を狙うよりも、拉致問題などで関係が悪化している日本を狙う可能性が相当高いと考えている。つまり、アメリカが一気に北朝鮮殲滅作戦でもしない限り、北朝鮮は日本めがけて核攻撃をしてくる可能性は非常に高いと認識する。それに、北朝鮮の国土を殲滅するには、相当数の期間が必要で、その間に反撃することは、想定すべきである。

 通常兵器爆撃なら、避難の可能性は残されるが、核攻撃に遭遇した場合、その避難計画というものは、作りようがないだろう。自分の住んでいる地域外が攻撃されることを祈るだけである。それが唯一の避難計画だ。つまり、避難計画は、核攻撃に対してないのだから、その為の避難訓練などナンセンスだ。それよりも、攻撃されないように塩を送る方が、上等な避難訓練に値する。まぁ安倍政権ではあり得ない外交手段である。ということは、ひたすら祈ること以外、避難の方法はないと考えておくべきだ。

 この事実は、風が吹けば桶屋が儲かる云々に似た論法だが、どうも当たる可能性が50%はありそうだ。米軍基地が狙われるのか、大都市が狙われるのか、中小の都市が狙われるのか、すべてロケットマン金正恩の気持ち次第である。専門家の想定では、一発の核攻撃で、100万人以上の犠牲者が想定されるようだ。放射能被ばくによる被害者は生存者扱いなので、現実には300万人規模の被害になるのだろう。1億2672万人の300万人だから大したことないと考えるかどうかは、個人の感性の問題だ。少子高齢化の我が国において、高齢者狙い撃ちがない以上、おしなべて人口が減少することは悲劇だ。しかし、政府は、日米関係の緊密化と天秤にかけた結果、我が軍被害軽微と認識しているような気がしてならない。でなければ、手放しで、強硬な北朝鮮包囲網に参加することは考えにくい。

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