安倍政権とジャーナリズムの覚悟 (岩波ブックレット) | |
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●消費増税凍結、4月解散? 経済失政隠ぺいと野党共闘潰し
上海G20は、教科書的総論で合意に達したが、日中欧の為替政策に関しては、当面、各国の良識的判断に任せると云う、各論で合意に至らずと云うのが事実のようだ。日銀政府による、為替介入的な経済金融政策の発動は、世界的には噴飯もので、世界金融に携わっている人間で、知らない者は、モグリである。官製株価操作と官製為替操作を実行しているにも関わらず、円高、株安、原油安に日々怯えているのが、東京証券取引所関係者の生の声だ。中国自体は元安を期待していないが、日本は過度に期待する方向性は、露骨に過ぎる。いずれ、どこかの時点で、暴発的に円買いが激化し、110円を切る展開になりそうだ。
≪ G20、為替巡りさや当て 資本流出対策では合意
【上海=石川潤】20カ国・地域(G20)財務相・中央銀行総裁会議の共同声明で通貨安競争の回避を確認する一方、為替政策をめぐって各国のさや当てが繰 り広げられた。ユーロ圏財務相会合のデイセルブルム議長は27日、「日本について討議があった。競争的な切り下げにつながるのではないかと多少懸念があった」と複数のメディアに発言。日銀が今月に始めたマイナス金利政策を暗に批判した。
一方、日銀の黒田東彦総裁は同日の記者会見で「(マイナス金利政策について)異論や意見は全くなかった」といい、両者の主張は食い違う。
共同声明は「為替相場の過度な変動は経済・金融の安定に悪影響になりうる」と明記。日本は投機的な円買いを抑える効果が期待できるため「大きな進展」(財務省関係者)と歓迎した。
中国の楼継偉財政相は同日の記者会見で「通貨の切り下げ競争の回避を確認できたのは重要」と強調した。資本流出に苦しむ中国はむしろ人民元安の抑制に躍起になっており、切り下げは国益にはなりにくい。
一方、今回のG20では新興国からの資本流出を抑えるための指針づくりに合意した。米国の利上げなどで急速な資本流出が起きた場合の通貨防衛策になる。だ が国際通貨基金(IMF)や米国は必要最低限の資本規制にとどめるよう求めるとみられる。規制の線引きをめぐっては曲折がありそうだ。 ≫(日経新聞)
自民党は、ここにきて、「一強他弱」な国会の勢力図に関わらず、杞憂に日夜悩まされ、強迫観念を抱え、国会の一強他弱の専守防衛に奔走している。とても、一強というメディアの横綱相撲を取る積りはないようで、必死こいている観察するのが妥当だろう。政治的に筋の悪い「おおさか維新」を与党連立に加えようとする動きを隠そうともしていない。公明党への揺さぶりも含まれているだろうが、「おおさか維新」がなんぼのものか、国政選挙をすれば、自ずと答えは出るだろう。鈴木宗男を一本釣り、その娘を寝返らせる所業も、強迫観念の表れの一つだ。
≪ 民共合作、レッテル貼り…野党連携巡り与野党幹部が応酬
今夏の参院選で、民主党や共産党など野党が候補者の一本化など選挙協力を進めていることについて、与野党幹部が28日、さや当てを繰り広げた。
自民党の茂木敏充選挙対策委員長は、岐阜市での講演で「野党統一候補と言うが、実質的には民主党と共産党が組んでやるということ。『民共合作』の革新勢力にこの国をゆだねるのか」と述べ、野党連携を批判した。
さらに茂木氏は、1968年に旧ソ連の同盟国だった旧チェコスロバキアで起きた民主化運動「プラハの春」を引き合いに、旧ソ連が民主化を武力で弾圧したことに触れ、「我々がこの夏に戦うのは、ひ弱な野党ではない。その裏で着々と勢力を伸ばしている共産党と戦う」と踏み込んだ。
これに対し、民主党の枝野幸男幹事長は28日、京都府綾部市で記者団に対し、「冗談じゃない。5党の党首間の合意を読んでみろと言いたい」と反論。選挙協力などの野党連携は、共産のほか、維新の党や社民党、生活の党と山本太郎となかまたちも含むものだと指摘。その上で「事実と異なるレッテル貼りをしようとしていること自体、自民党を焦らせる状況まで持ってくることができたのはよかった」と皮肉を飛ばした。 ≫(朝日新聞デジタル)
まあ、茂木が言うように、「民維の新党」など、自民党は怖くはないだろう。怖いのは、日本共産党の躍進である。志位の度量の見せ方は、小沢一郎伝授なのも、確実な情報として政界に流れている。いまだ、小沢神話は、永田町では有効だと云うことだ。日本共産党の動きは、なんてったって自民党の面々にとって、怖ろしい勢力だ。共産党と云う「冠」は捨てないが、政策は国民主義に徹する。つまり、小沢一郎の「生活の党」そのものなのだ。今夏の参議院選で勝つ負けるじゃないのだ。10年後に、共産党の天下が来ることへの強迫観念なのだ。公明党も、その点で、同じ強迫観念を持つ。
以下は日経新聞の世論調査だが、よく読んでみると判ることだが、出来もしない賃上げのスローガンを書いた労働組合の幟のような政策しか、安倍政権は持ち合わせていないのだから、もう錨を失い、エンジンが停止した見せかけの中国空母のようなもので、太平洋の海原を漂う以外、その先を読むことは出来ない。つまい、現在の「哀しき民主党」以上の悲惨な「無惨すぎる自民党」になる可能性が見えてきているのだ。自己責任の失政に、国際金融世界の混乱が加わるので、現時点でも、経済政策は自己制御不能状態に至っているのだから、国家的に辛い暗い時代が来るだろう。
その事実関係は、多くの識者が、口には出せないが、予見していることだが、識者は、立場主義で、それを公言できていない。それが、現状の事実関係だと認識できる。或る意味で、安倍政権の経済政策のすべてが、負のスパイラルに入っている。「しかし、今さらやめられない」、そう第二次世界大戦に参戦し、アメリカと戦争に突入した前夜に近い。ただ、そのカテゴリーがナショナリズムにおける戦争ではなく、国民の財産を丁半博打に掛けてみる戦争と云うだけのことだ。おそらく、勝者なき経済戦争だが、敗者はまだら模様で、最も色濃く敗戦するのが、我が国である。そう安倍と黒田に生活の安定を奪われると云うことだ。
日経や読売が、アベノミクスは失敗なのでは?と云う論調を打ち出した部分を吟味しておく必要がある。アベノミクスは失敗のようだが、今さら、方向転換は不可だ。国際的非難が噴出しても、世界はマネーの噴出口を求めている。ユーロ圏の金融緩和は限界点にあるので、日銀に円をバラ撒かせるしか、正解金融勢力も打つ手がない。つまり、為替誘導も、財政放漫も見逃すから、兎に角市場を殺さない事が肝要と云うのがIMF、世銀の論調だろう。つまりは、失敗はしているが、途中下車は許さない。それが、国際金融の世界だ。
ということは、安倍や黒田の為替操作や株価操作は見逃すし、財政再建なんて、もともと嘘話なのだから、それも見逃そう。このような、世界金融、特にアメリカの身勝手な言いぐさが、もっけの幸いになる。ただ、今夏までは、景気上向きの嘘はつけない。春闘の結果や、来期の企業業績悪化が表面化してしまう。衆参W選は公明党も嫌がっているし、参議院選後では、悪化の一途で目も当てられない。だったら、夏以前に解散総選挙に打って出るは正論だ。来期、来々期、経済事情は悪化の一途だろうから、解散権を行使できずに総辞職まで見えてくる。
それであれば、と安倍も今井総理秘書官も考える。経済が完璧に崩壊する前に、一勝負。ロシア非公式訪問前に、“北方領土も話題に”くらいの情報を流し、経済の安倍、安保の安倍から外交の安倍を印象づけよう。共産党と小沢の動きが時期を得ている危険がある。早いと、数年で共産支持が増大する危険がある。何とか、おおさか維新の化けの皮が完全に剥がれる前に勝負を決めたい。今井秘書官にしてみれば、通産一家の名誉のためにも、財務省に第二の“ノーパンしゃぶしゃぶ”を味合わせ、霞が関の主導権を握りたい。当然だが、財政出動と消費増税凍結を旗印に、4月5月の解散が見えてくる。
≪ アベノミクス「評価せず」50% 本社世論調査
日本経済新聞社とテレビ東京による26~28日の世論調査で、安倍政権の経済政策「アベノミクス」を「評価しない」は50%で「評価する」の31%を上 回った。昨年2月以降の同様の質問で「評価しない」が5割に届くのは初めてで「評価する」も最低だった。内閣支持率は47%で1月の前回調査から横ばい。 不支持率は5ポイント上昇し39%だった。
円高・株安などの影響で、安倍政権の高い支持率の要因といわれた経済運営にも懐疑的な見方が広がっている。
内閣支持層ではアベノミクスを「評価する」が55%で「評価しない」が23%だった。不支持層では「評価する」が8%にとどまり「評価しない」が85%に達した。
予算の追加を伴う経済対策が「必要」は47%で「必要ない」の35%を上回った。2017年4月の消費増税に「賛成」は33%で「反対」が58%。日銀のマイナス金利を「評価する」は23%で「評価しない」が53%。
内閣を支持する理由を複数回答で尋ねると「安定感がある」が35%で最多。支持しない理由は「自民党中心の内閣だから」が45%、「政策が悪い」が40%で続いた。
自民党の支持率は2ポイント低下の37%。民主党は8%で横ばい。無党派層は39%で1ポイント低下した。
調査は日経リサーチが全国の成人男女を対象に乱数番号(RDD)方式で電話で実施。有権者のいる1398世帯から1016件の回答を得た。回答率は72.7%。
≪ 経済運営 一層難しく 本社世論調査、「消費増税反対」58%
日本経済新聞社の世論調査で、安倍政権の経済政策「アベノミクス」の評価がこれまでで最も低くなった。急激な円高・株安の進行などが背景にあるとみられ、 追加の財政出動を伴う景気対策や2017年4月の消費増税の中止を求める声が多い。世界経済の不透明感が増すなか、安倍政権は経済成長と財政再建を両にらみしながら難しい経済運営を迫られている。 現在の安倍政権は発足以来「大胆な金融緩和」「機動的な財政出動」「規制緩和などの成長戦略」で脱デフレを目指してきたが、実現に至っていない。
金融緩和による円安で、大企業を中心に企業業績は過去最高の水準にあるが、地方の中小・零細企業には恩恵が行き届いていない。会社員らが受け取る賃金も物価変動の影響を除いた実質で15年まで4年連続のマイナス。景気回復の実感を感じられない人の中には不満もたまっている。
年明けから続く株価の乱高下や中国経済の失速、原油安による世界経済への懸念もアベノミクスへの評価に影を落とす。16日に日銀の「マイナス金利政策」が始まったが、円高・株安が続いていたさなかで効果がまだ見えていない。 世論調査では、マイナス金利を「評価しない」が53%にのぼり「評価する」は23%にとどまった。アベノミクスを評価する層でも、マイナス金利を評価するのは42%で、評価しないの39%と拮抗している。
「新たな予算を追加して経済対策を行う必要がある」は47%に達し「必要でない」の35%を上回った。内閣支持層では58%、不支持層でも40%が「必要だ」と答えた。
17年4月に消費税率を8%から10%に引き上げることに「賛成だ」が33%と、昨年12月の調査から9ポイント低下。「反対だ」は58%と11ポイント上昇した。
政府・与党内にも夏の参院選前に新たな経済対策をまとめるべきだという声や、消費増税の先送りが必要との指摘もある。ただ国は1000兆円を超える借金を抱えて財政事情が厳しい。消費増税を先送りすれば社会保障にしわ寄せが及ぶ。
本来は労働や農業、医療などの規制緩和による成長の基盤整備が欠かせないが、一朝一夕には進まない。国内総生産(GDP)600兆円、出生率1.8、介護離職ゼロを掲げる一億総活躍社会への取り組みも進める中、政権が打ち出す施策に注目が集まる。 ≫(以上2記事は日経新聞)
安倍政権は本当に強いのか (PHP新書) | |
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