もみさんの一日一冊遊書録( 2011年9月1日 スタート!: メメント・モリ ) ~たゆたえど沈まず~

年とともに人生はクロノロジー(年代記)からパースペクティブ(遠近法)になり、最後は一枚のピクチュア(絵)になる

150315 ETV特集「冷戦終結 首脳たちの交渉~ゴルバチョフが語る舞台裏~」(150314)感想5

2015年03月15日 14時32分44秒 | 映画・映像
3月15日(日):
      
 ウクライナ東部で激化する紛争をめぐってアメリカ・EUとプーチンのロシアとの対立に「冷静な話し合いによる解決を求める」手紙を、元ソ連共産党書記長・大統領のゴルバチョフが、オバマ、プーチン双方に送っていたことを紹介して、そこから四半世紀前ゴルバチョフとアメリカ、ヨーロッパ首脳たちとのひざ詰めによる信頼関係の深化・構築を通して東西冷戦体制が、各国首脳の意志と英知によって終わらせられていった過程について振り返る内容だった。

 当時、東西陣営には賢明な判断と決断を自らの意志でできる指導者たちがいたのだ。こんな大きな事業をできる政治家たちがいた欧米に対して、自国民である沖縄の人々を凌辱し、辺野古基地移転を強行しようとする知恵も品性もない今の日本政治屋の状況と比べてため息が出た。古代ギリシャの哲学者プラトンは『知識がない人間の統治は不正義』と言ったそうだが、いまの日本は救いようのない不正義の中であえいでいるのだ。

 そして、もう一つ、東西冷戦体制崩壊以後の旧西側(現EU)勢力が、ロシアに切迫している状況が実感をもって確認された。アメリカ・EUの側からではなく、ロシアの側からこの情勢の変化を見ればいかに強い危機感を持たざるを得ないか。ワルシャワ条約機構は解体したが、NATOは今もって拡大強化されているのだ。そして、ロシアと国境を接するウクライナは2014年にNATO加盟を目指していたのだ。

 ロシアが圧力をかけつつ実施された住民投票を口実にクリミア半島のロシア領併合を強行したことは、肯定されるべきではないし、厳しい対立を生んだのは当然だが、この番組を観て、やはりロシアの側からの言い分を一切無視して一方的に非難するだけでは何事も解決は不可能だろうと思った。オバマとプーチンは、この一年半以上直接会っていない。

※番組HPから:世界を巻き込む東西対立を引き起こしたウクライナ危機から1年。ことし2月には、ドイツ、フランス、ロシア、ウクライナの4か国首脳が集まり、ウクライナ東部での停戦合意が結ばれた。しかし、その後も親ロシア派とウクライナ政府の衝突が起きるなど、予断を許さない状況が続いている。
この危機が起きる前に、ロシア・プーチン大統領とアメリカ・オバマ大統領に警告の手紙を出した人物がいた。元ソ連大統領のミハイル・ゴルバチョフである。両首脳に、ウクライナに平和が戻るように断固とした行動を求めていた。
ことし84歳のゴルバチョフをモスクワに訪ねた。「いま新たな境界線が生まれていることを私は懸念している。私たちが歩んできた道、それは壁をなくすことだったはずだ」
ゴルバチョフは、東西の首脳たちが交渉によって冷戦を終結へと導いた時代を、いまこそ見つめ直してほしいと語る。
米ソの止まらない軍拡競争で核戦争の危機が世界をおおう中、米ソ首脳はどのように核軍縮の交渉を進めたのか。冷戦の対立の最前線だった東西ドイツ、その再統一をどのように実現させたのか。数々の危機を打開した生々しい交渉のやりとりが、ゴルバチョフをはじめ当時の政府高官たちの証言から明かされる。
さらに、米ソのある会談の発言記録から、いまのウクライナ危機にもつながる東西の禍根も浮かび上がった。
冷戦の対立を終わらせた首脳たちの交渉。その舞台裏に迫りながら、21世紀の危機打開の手がかりを探る。

【再放送】2015年3月21日(土)午前0時00分※金曜日深夜

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