もみさんの一日一冊遊書録( 2011年9月1日 スタート!: メメント・モリ ) ~たゆたえど沈まず~

年とともに人生はクロノロジー(年代記)からパースペクティブ(遠近法)になり、最後は一枚のピクチュア(絵)になる

140612 集団的自衛権解釈改憲強行を前に、正しい証言の記憶を残しておく。本来の良識ある考え方の記録だ。

2014年06月12日 21時40分30秒 | <憲法の危機>は「戦後最大の危機」
6月12日(木):

※何故、当たり前の原点を忘れたのか…。A級戦犯は、石原、野田、橋下、安倍、朴クネいずれも二流・三流の政治屋だ。なぜ、こんな連中に戦後日本のコモンセンス(常識)が崩されてしまったのだろう。悔しくて悲しい。

以下、朝日新聞記事より

集団的自衛権、憂える歴代内閣の要 加藤、村山両氏語る  聞き手・伊藤智章 聞き手・安仁周
2014年6月11日23時27分

 関係の深い国が攻撃されたら、日本も一緒になって反撃する集団的自衛権。戦争に巻き込まれる可能性は高まるが、安倍晋三首相はその行使を認める閣議決定を、今国会中にも実現する勢いだ。かつて内閣の要職を務めた元国会議員に聞いた。「あなたなら集団的自衛権をどう考えますか?」

■加藤紘一元官房長官「外交は机上の空論でない」

 戦後日本の平和を守ったのは、田舎の保守系無所属の人たちです。惨めな戦場を経験し、戦後は黙々と地域に尽くし、この国を食えるようにした。世代交代で今、戦争を知らない政治家が国民をあおっている。

 僕の田舎の後援会事務長は16歳で少年兵になった。朝飯を一緒に食べた同期の仲間が隣で頭を撃ち抜かれて死んだ。いずれ自分も死ぬ。その前に恋がしたい。それで慰安所に行った。行列ができていて、「早くしろ」と後ろからせつかれる。ようやく順番が来てむしろの仕切りの中に入ったら、朝鮮の女性が死んだように寝ていたそうだ。「申し訳なかった」。戦後、心の中で女性に謝り続けていたんだ。

 僕は体験者から直接話を聞いた人間として発言し続ける。政府が与党に示した集団的自衛権などの15事例なんて、官僚の小細工だ。防衛庁長官や官房長官を経験したが、集団的自衛権を使えず、日本の安全が保てなかったという経験はない。米軍に紛争地から日本人を連れて帰ってもらおう、という話もなかった。その米軍を自衛隊で守るなんてあるわけない。

 尖閣諸島はヤギのすむ岩山。「安保がある」と言うけれど、尖閣を守るために、なぜ米国の若者が死ななきゃいけないのか。オバマが命じますか。外交は机上の空論じゃない。自分たちの家族の命をかけることとして考えるべきなんだ。

 中国の脅威というが、中国の観光客は増えている。もっと民間交流をすすめよう。日中とも外務官僚が仕切り、妥協の発想がない。

 日本を取り戻すというが、取り戻す日本とは何ですか。美しい、強い日本を構築しようなんていう論理では、人を説得できません。首相がこだわれば人気が落ちるだけだ。日本国民が許さない。
◇かとう・こういち 山形県選出で衆院13回当選。ハト派で知られる自民党宏池会の元会長。2012年の衆院選で落選、引退した。74歳。(聞き手・伊藤智章)

■村山富市元首相「戦争、自ら仕掛けるのか」

 村山富市 中曽根内閣の時、イラン・イラク戦争の機雷除去で、米国から自衛隊を出してほしいと要請があった。当時の官房長官だった後藤田(正晴)さんが断固として反対した。「いっぺん踏み出したら取り返しがつかない」と話されたことをよく覚えている。

 歴代の政権が守り抜いてきたものを、安倍政権になって見直すという。憲法改正は難しいから解釈改憲でやると。「これくらいなら」と認めた小さな穴が、いつの間にか大きな穴になる。太平洋戦争はまさにそんな戦争だった。再び過ちを繰り返すというのか。

 日本の安全保障が問われているというが、よく考えないといけない。今は戦争を起こさないように各国が努力している時代。もちろん国同士の小競り合いはありますよ。それをどうやって戦争にまで発展させないかが大事。それなのに、これでは自ら戦争を仕掛けにいくようなものだ。

 今、韓国との関係がよくないし、中国とはもっと悪い。原因を作り出したのは安倍さん自身だ。

 私が首相時代、戦後50年の節目に過去の戦争を総括し、アジア諸国の人々に謝罪した。それからもうすぐ20年、歴代の内閣が村山談話を継承してきた。安倍さんも第1次内閣では踏襲したのに、選挙に勝って自信を持ったのか、今回は見直したいようだ。侵略ではなかったと否定したいのだろう。靖国神社も参拝し、昔の日本に戻るのか、と非難を受けるのは当然だ。

 「備えあれば憂いなし」と言うが、地震と戦争は違う。戦争は人間がするから、防ぎようがあるんじゃ。日本は戦争をしないし、平和外交に努力していく、と胸を張って世界に言えばいい。理想や夢と言う人はいるだろう。でも、日本はこの平和憲法で70年近く生きてきた実績がある。
◇むらやま・とみいち 大分県選出で衆院当選8回。1994年に自社さ連立政権で首相に就任した。2000年に政界引退。90歳。(聞き手・安仁周)

京都)野中広務元官房長官インタビュー 聞き手・岡本智  
2014年5月29日03時00分

 他国のために自衛隊が戦争に加わる集団的自衛権の行使について、安倍晋三首相が憲法解釈を変えて可能にしようとしていることをどう見るか。「反対」の立場の野中広務・元自民党幹事長にその理由を聞いた。

 ――安倍政権は集団的自衛権の行使容認を、憲法解釈の変更で進めようとしています。

 内閣は憲法によってつくられている。その憲法を内閣の解釈で変えようというのは本来間違っている。日本国憲法は「アメリカが押し付けた」という表現を使う人もあるけれども、国会で議論をして最終的に世界に誇る憲法として作ったもの。それを簡単に条文を変更するとか、解釈で変更するとか、やるべき筋合いのものではない。この憲法があったから70年の平和があるんですよ。

 ――解釈改憲ではなく、憲法改正で対応するべきだという意見もあります。

 僕はそうは取らない。憲法は変えない。解釈(改憲)もダメだ。男女共同参画の問題のように、僕も憲法の中にはいくつか変えなきゃならんなと思うところもあったが、今の状況では絶対に憲法は変えてはならない。憲法の「平和」とか「人権」に手を入れては、絶対日本は正しい道を歩むことができませんよ。

 今の政治家は大体が戦後生まれ。戦争がいかに残酷で、中国や韓国、北朝鮮など近隣諸国にぬぐいがたき傷を残し、その傷が癒えていない状況かを知らないんですよ。靖国神社を首相が参拝するのは、犠牲になった国々の人たちから見れば許し難いことですよ。

 来日したオバマ米大統領は「中国の攻撃に遭った時は同盟国として攻撃に参加する」とは言っていない。「日米安保条約を適用すると言うから、中国、韓国との問題についてもっと勇気を持って自分で行動して解決しなさい」ということを言っているんですよ。

 ――米国には行使容認を歓迎する声もあります。

 米国は世界の警察官として活動していくうえでいろんな地域に軍隊を派遣しなきゃいけないが、経済的に非常に困難に陥っている。日本が補完勢力として協力してくれるのはありがたいということを言外に含んでいるんですよ。そのことを(安倍首相は)わからないんだ。

 ――安保法制懇の報告書は「必要最小限度の自衛権には集団的自衛権も含まれる」と解釈し、そのうえで安倍首相は「限定容認論」を主張しています。

 「必要最小限度の」というところがどの程度かわからない。そうやって日本が戦える国になることが彼の願望であるわけだ。

 ――連立与党の公明党に期待することは。

 平和ですよ。公明党は平和から一歩も踏み出さないという思いがあったから、野党の時に公明党と親しくなって協力をいただくようになり、村山内閣からずっと一緒に行動した。

 ――自民党にとって公明党はどういう存在ですか。

 自民党の制御装置。選挙で集票力になる。自民党と公明党がぶち切れたら小選挙区の7~8割は落選だ。公明党の存在は大きい。

 ――首相も公明党を説得するのは難しいようです。

 私もそれを期待している。今まで政教分離の原則で口を挟まなかった創価学会が(集団的自衛権の行使容認に反対する見解を示し)平和をめぐる憲法の基本を語ったのは大きい。党の存在そのものに関わると思ったから、支援団体の学会は言ったと思う。

 ――物言う政治家が少なく、自民党内が静かです。

 「我々は立法府の人間だ」という責任感をもっと持ってもらわないと困る。いかに官邸にじょうずして少しでもいいポストに就くか、ということばかり考えている。野党までそうだ。なんとかして与党と協力したいと考えている。

 ――自民党の次を担う人たちに一言を。

 やっぱり立ち上がるべき時に立ち上がらないと。今立ち上がらなくて、後でどうして立ち上がれるんだ?(聞き手・岡本智)

     ◇

 集団的自衛権の行使容認は、戦後日本の安全保障政策の大転換を意味します。推進、慎重、反対など、さまざまな立場の京都ゆかりの政治家らに話を聞き、動きを取材し、この問題を追っていきます。

◇〈のなか・ひろむ〉 1925年、旧園部町(現・南丹市)生まれ。同町長や府議、副知事などを経て、83年、57歳で衆院議員に初当選。93年に自民党が野党に下ると、翌年に自社さ連立政権で与党復帰を図った。98年、小渕内閣で官房長官。その後、自民党幹事長に就任した。自自公連立を誕生させるなど「政界のドン」と呼ばれる一方、戦争体験からハト派的な言動でも知られる。2003年10月、政界を引退。88歳。
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