もみさんの一日一冊遊書録( 2011年9月1日 スタート!: メメント・モリ ) ~たゆたえど沈まず~

年とともに人生はクロノロジー(年代記)からパースペクティブ(遠近法)になり、最後は一枚のピクチュア(絵)になる

65冊目 永井路子「乱紋(上)」(文春文庫;1973)  評価2

2011年11月07日 04時13分18秒 | 一日一冊読書開始
11月6日(日):

398ページ  所要時間4:30

今日、ブックオフで偶然見つけて買った本。主人公は浅井三姉妹の三女おごう。今年のNHK大河があまりにひどいので3月頃から見るのをやめていたので、腹いせもあって買って読んだ。永井路子ならきっとしっかりした作品になってるだろうと信じていた。裏切られた。おごうとは本当にこんなに運命に身を任せ切りで、何を考えてるのかわからない、目立たない、晦渋な女性だったのか。当時の武家の姫の存在がそうだったということなのか。おごうを主人公だと言う割りには登場シーンも少なく、存在感が希薄で、ただ単に周りの目や変化に動じない少し鈍い?人柄としてしか描かれていない。浅井三姉妹も冷たい関係に描かれている。男性作家ならかえってこんな描き方はしなかっただろう。主人公が話さない、動かない分、侍女おちかや島井宗室に仕える?謎の男ちくぜんらが、どたばたと狂言回しをして物語りは展開していくが、結局小谷城落城時、6歳、4歳、2歳だった浅井三姉妹の中で、おごうが14歳で、伊勢の大野水軍を率いる従兄の佐治与九郎18歳(5万石)に嫁ぐところから始まる。5年後織田信雄没落に殉じた夫の与九郎とあっさり別れたおごうが、今度は秀吉の甥の秀勝(秀次の弟)に嫁いで名城の岐阜城に入る。文禄の役で秀勝はあっけなく戦病死するが、おごうは秀勝の子を身ごもっていた、で上巻は終わり。正直言って、永井路子の作品としては、はずれと言わざるを得ない。ちなみに、秀吉の子で秀勝は3人いた。実子1、養子2である。
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