もみさんの一日一冊遊書録( 2011年9月1日 スタート!: メメント・モリ ) ~たゆたえど沈まず~

年とともに人生はクロノロジー(年代記)からパースペクティブ(遠近法)になり、最後は一枚のピクチュア(絵)になる

3 008-1 内田樹・高橋源一郎「どんどん沈む日本をそれでも愛せますか?」(ロッキング・オン;2012)感想5

2013年09月22日 02時53分48秒 | 一日一冊読書開始
9月21日(土):

333ページ  所要時間 4:05       図書館

内田62歳(1950生まれ)。高橋61歳(1951生まれ)。

皆様、ご無沙汰しております。少し仕事が立て込んでいることをよいことに、読書できる気分ではないという自己逃避をしておりました。申し訳ございません。今日も実は…。

夜の9:15。読書を諦めるか、微妙なタイミングだったが、「リハビリのつもりで、流し読みできたらいいわい」と読み始めた。2段組みの1ページ30秒を守って、読み始めたが、意外と<掘り出し物>で面白くなり、終盤速度が落ちた。

一言で言えば、センスの良い時論公論風の鼎談である。冒頭2010年9月「尖閣諸島沖で中国漁船衝突事件が発生」に始まり、2012年3月「東電の原発がすべて停止」まで、日本の動きが年表?風に紹介され、第1回~第6回まで各鼎談がどの時期に行われたかが紹介されている。

内容は、橋下徹をルサンチマンを抱えた「赤と黒」のジュリアン・ソレルに例え、反語的?・ほめ殺し的?評価を展開するのをはじめとして、我々が日常生活の中でメディアや政府・世間によって思い込まされている迷妄を「そうか!」と、取り払ってくれる内容になっている。

尖閣に始まり、橋下の大阪市長選挙、そして何よりも福島原発事故を前後1年ずつ挟んで論じられていることが大きい。民主党代表選の愚劣さも、きちんと指摘されている。

本書は、図書館の本なので、線が引けない必然的に、付箋でヤマアラシ状態になってしまった。とにかく、目から鱗、小気味よい指摘や穿った言葉が繰り返し現れて楽しい読書になった。ちょうど自分が関心のある時事問題について、週刊誌で自分の信頼する論者たちによる鼎談を読む気分だった。4時間という時間が、まったく苦痛ではなかった。

本書ような鼎談本の命は、初版にこそある。これが、5年ほど経って文庫本になって、さらに数年後ブックオフに並んでも、価値は五分の一以下になるだろう。その意味で、本書は、図書館だから出会える<価値ある一冊>と言える。

※ちょっと限界、寝なければいけません。たくさん書きたいことがあるのですが、後日に回します。悪しからず。

目次:
まえがき
2010年9月―2012年3月 日本の動き
第1回 浮き足立つな。まあ、座って、お茶でも一杯
第2回「まず給料を返納する」とか言う政治家は、絶対信用するな!
第3回 福島第一原発事故後の日本の「脱・原発路線」は、ワシントンのご意向である
第4回「風の谷」が、21世紀の日本のモデルである。我々は、「腐海」とともに生きるしかない
第5回「原発を作らせない」「沈む日本で楽しく生きる」 この両方を実現している場所が、今、この国には存在する
第6回 我々が、橋下徹を生み出した
総括対談──2011年3月11日以降、我々はこう生きている


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