12月29日(月):
260ページ 所要時間 2:20 ブックオフ108円
著者52歳(1950生まれ)。NHK「週刊こどもニュース」キャスター。 *偶然だが米原万里、内田樹も1950年生まれだ。
2002年4月、「学校五日制」がスタート。土曜日も完全に休みになった。この年、5月出版された本である。
本書を手にした時、12年前、所謂「ゆとり教育」元年に出された古さに一瞬迷ったが、「ゆとり教育」の失敗が明らかになり、見直しが叫ばれる今だからこそ、逆に参考になり、面白い読み物になるのでは? と考えた。それに「池上彰にハズレ無し」、わずか108円なら失敗しても腹は立たない。「読んでみよう」と思えたのも何かの縁だ、と思って買った。
読んでみると、「教育の諸問題」を要領よく整理してあり、思っていた以上に読み易く、よくまとまっている内容だった。ページもさくさく進んだ。快調快調! 特に既に結論の出ている「ゆとり教育」部分は、本来の趣旨とその後の展開、結末がわかっているだけに格別の興味を持って読めた。ちっとも創造的でないお粗末な「総合的学習」の位置付けもわかった。
“教育問題への取り組み”の特徴として「改革すると悪化する」と述べ、中学校で新たに導入された「観点別評価が、中学生のストレスの原因になっている」と指摘しているのは炯眼というべきだろう。
文科省は学力について「可能性を学力と見る考え方」、「習得した能力を学力と見る考え方」、「創造性を学力と見る考え方」の内、最後の考え方を「新しい学力観」として重視している。ってか、「創造性を学力と見る」って、それどういう意味やねん?! 平等性を担保しながら、何様が、どうやって、そんな能力に占い師みたいに成績付けられるっちゅうねん。アホちゃうか!
目次:
第1章 日本の子どもの学力が低下している?:
第2章 今、学校はどうなっているのか: 子供をしばる「新しい学力観」、「学級崩壊」、「義務教育」は誰にとっての義務?
第3章 ニッポンの学校は不思議なところらしい: 集団意識と「五人組」
第4章 学校で教える内容はこう決まる: 「学習指導要領」、「ゆとり教育」、「総合的な学習」、「教科書検定」、日の丸・君が代
第5章 偏差値と通知表におびえる子:
第6章 先生はこうして生まれる: 日教組の方針転換、新任先生の組合離れ
第7章 文部科学省と教育委員会: 上下関係が発生
第8章 PTAとは何だろう
第9章 学校給食は楽しみでしたか?: 「現代版食糧難」の時代の給食
第10章 「わかる授業」への取り組み
補章 世界の学校はどうなっている?: 米(チャータースクール)、英、独(入試がない!)、韓(日本と同じだが先行)
260ページ 所要時間 2:20 ブックオフ108円
著者52歳(1950生まれ)。NHK「週刊こどもニュース」キャスター。 *偶然だが米原万里、内田樹も1950年生まれだ。
2002年4月、「学校五日制」がスタート。土曜日も完全に休みになった。この年、5月出版された本である。
本書を手にした時、12年前、所謂「ゆとり教育」元年に出された古さに一瞬迷ったが、「ゆとり教育」の失敗が明らかになり、見直しが叫ばれる今だからこそ、逆に参考になり、面白い読み物になるのでは? と考えた。それに「池上彰にハズレ無し」、わずか108円なら失敗しても腹は立たない。「読んでみよう」と思えたのも何かの縁だ、と思って買った。
読んでみると、「教育の諸問題」を要領よく整理してあり、思っていた以上に読み易く、よくまとまっている内容だった。ページもさくさく進んだ。快調快調! 特に既に結論の出ている「ゆとり教育」部分は、本来の趣旨とその後の展開、結末がわかっているだけに格別の興味を持って読めた。ちっとも創造的でないお粗末な「総合的学習」の位置付けもわかった。
“教育問題への取り組み”の特徴として「改革すると悪化する」と述べ、中学校で新たに導入された「観点別評価が、中学生のストレスの原因になっている」と指摘しているのは炯眼というべきだろう。
文科省は学力について「可能性を学力と見る考え方」、「習得した能力を学力と見る考え方」、「創造性を学力と見る考え方」の内、最後の考え方を「新しい学力観」として重視している。ってか、「創造性を学力と見る」って、それどういう意味やねん?! 平等性を担保しながら、何様が、どうやって、そんな能力に占い師みたいに成績付けられるっちゅうねん。アホちゃうか!
目次:
第1章 日本の子どもの学力が低下している?:
第2章 今、学校はどうなっているのか: 子供をしばる「新しい学力観」、「学級崩壊」、「義務教育」は誰にとっての義務?
第3章 ニッポンの学校は不思議なところらしい: 集団意識と「五人組」
第4章 学校で教える内容はこう決まる: 「学習指導要領」、「ゆとり教育」、「総合的な学習」、「教科書検定」、日の丸・君が代
第5章 偏差値と通知表におびえる子:
第6章 先生はこうして生まれる: 日教組の方針転換、新任先生の組合離れ
第7章 文部科学省と教育委員会: 上下関係が発生
第8章 PTAとは何だろう
第9章 学校給食は楽しみでしたか?: 「現代版食糧難」の時代の給食
第10章 「わかる授業」への取り組み
補章 世界の学校はどうなっている?: 米(チャータースクール)、英、独(入試がない!)、韓(日本と同じだが先行)