もみさんの一日一冊遊書録( 2011年9月1日 スタート!: メメント・モリ ) ~たゆたえど沈まず~

年とともに人生はクロノロジー(年代記)からパースペクティブ(遠近法)になり、最後は一枚のピクチュア(絵)になる

5 032 大和和紀「あさきゆめみし 11」(講談社コミックス・ミミ:1991)感想4+

2015年11月30日 00時58分55秒 | 一日一冊読書開始
11月25日(火):  

著者43歳(1948生まれ)。

206ページ    所要時間 3:25(お風呂で(*´ω`))       蔵書

  「宇治十帖」の始まりであるが、心の動きが複雑でしんきくさい。読んでいてフラストレーションがたまる。特に薫大将にはイライラする。源氏物語の世界では男女関係は最後には男性が女性をレイプすることで成就することになっていて、これまで「これってどうなんかなあ」と思っていたが、逆に薫のように女性の気持ちを大切にして待つ姿勢を貫くと女性の側から「私をあなたのものにして下さい」とは絶対に言えない世界だから全く話が進展しない。読んでるうちに「こいつあほちゃうか?」と思ってしまった。それに比べると、匂の宮の方が何か潔さがあって好感が持てた。あと、大君(おおいきみ)もしんきくさい女性である。「宇治十帖」の作者別人説というのはあながち当たってるのかもしれないな、と思った。

  2度目。故六条院源氏の子(実は柏木の子)薫の中将と少し年上の源氏の孫匂の宮。自分の父が源氏でない誰かだと子供の時に聞き心に陰を持つ物静かな薫、天真爛漫ではあるが心根のやさしい匂の宮、二人は当代を代表する公達である。それでも昔を知る女房たちから見れば、光源氏の君には及びもしない。薫は香も焚かないのにかぐわしい匂いがして人に気づかれる。

  (血のつながらない)兄である冷泉院のもとで、居合わせた阿闍梨から薫は、昔冷泉院が春宮の時、廃太子の陰謀があり、対抗馬として勝手に利用され結局退けられた後、俗聖(ぞくひじり)として仏道に励む冷泉院の弟八の宮が愛する妻に先立たれ、娘二人と宇治の山奥に隠棲していることを聞きつける。

  仏道に励む八の宮を訪ね、親しくなった薫は、八の宮が山籠もりの修行中に琴の音に魅かれて偶然八の宮の娘大君(おおいきみ)と中の君を垣間見る。薫は姉の大君に魅かれる。

  貴人の相手のできる女房もいない山荘でようやく出てきた弁の君という老女が薫を見て涙ぐみ、薫が柏木衛門督の子であったことを告げる。ショックを受けつつ、薫はかえって自分の存在に初めて確信を持てた気になる。

  八の宮のもとに足繁く通う薫から姉妹の話を聞きつけて強く魅かれる匂う宮だが、皇族のゆえに自由に行動できない。八の宮が姉妹を残して山籠もりの修行中に亡くなってしまう。中の君は生まれた直後に母を失っており、姉の大君が母親代わりとして寄り添って生きてきた。八の宮に姉妹の行く末を託されていた薫はかいがいしく面倒を見ながら、大君への思いを深めていくが、源氏のような大胆さに欠け、女性に判断を預けてしまう。

  ようやく大君に襲いかかるが、「ここは亡くなった父の仏殿です」の言葉にひるみ何もできず朝まで過ごす。大君は大君で薫の気持ちを確かめると薫の気持ちを自分の持ち物と勘違いして、薫のような素晴らしい男性は、妹の中の君に譲って丈夫でない自分は山里で一人で生きようと決めて、薫に冷たくあたるようになる。

  八の宮の一周忌が明けて、薫が大君に積極的に出ると「妹をどうぞ」という。起こった薫が寝所に忍び込むと中の君を残して大君は隠れる。中の君だけだと知った薫は何もせず朝まで過ごす。匂の宮に中の君への仲介を頼まれたのを幸いに薫は大君に挨拶と称して裾をとり「わたしが嫌いですか」と問う。一方で、弁の君をだまし匂の宮を中の君のもとに案内させる。

  中の君は匂の宮のものとなるが、大君はとことん薫と結ばれることを拒む。薫を愛しているのに拒む大君に薫は「あなたは間違っている」と声をかける。ここで To be continued.

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