もみさんの一日一冊遊書録( 2011年9月1日 スタート!: メメント・モリ ) ~たゆたえど沈まず~

年とともに人生はクロノロジー(年代記)からパースペクティブ(遠近法)になり、最後は一枚のピクチュア(絵)になる

49冊目 斎藤貴男著「強いられる死 自殺者三万人超の実相」(角川学芸出版;2009)評価3

2011年10月19日 03時55分33秒 | 一日一冊読書開始
10月18日(火):

270ページ  所要時間2:45

習慣維持のための眺め読み。著者は、俺が、最も信頼するジャーナリスト。この本の内容をまとめる力はない。ただ年間自殺者3万人超という異常事態が10年以上続いている問題について、いろいろと具体例によって考える材料を提示してくれる本にようやく出会えた。男女問題で死ぬのは、わずか4.1%に過ぎない。多くは健康、経済・生活、家庭、勤務など詩的でない散文的原因が中心だ。また自殺の原因は、決して一つだけでなく、たいてい4つぐらいの原因を抱え込んで、自殺に追い込まれるのが現実。今の事態は1998年ごろが出発点。パワハラと過重労働によるうつ病・クモ膜下出血の発症、多重債務、学校と自衛隊のいじめ。「死人に口なし、死んだら負けよ」の現実。企業も、学校も、自衛隊も、組織防衛のためなら平気で嘘をつき、決して自らの過ちを認めることはない。障害者自立支援法など一連の弱者切り捨ての政治。東京都知事石原慎太郎による大衆の嫌悪の扇動発言、一方でパワハラと乱脈経営を告発した元社員に対する新銀行東京による告訴という圧力・弾圧。つくづく荒んだ世の中に我々は生きさせられているのだと再認識した。ただ、意気込みは見られないが、内閣府が「自殺総合対策大綱」を出したのは、かすかな希望か…?。また、それぞれの分野と場所で、自らの信念で無償の自殺者救済の問題に取り組んでられる方々がいることは、本当に大きな希望だ。


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