もみさんの一日一冊遊書録( 2011年9月1日 スタート!: メメント・モリ ) ~たゆたえど沈まず~

年とともに人生はクロノロジー(年代記)からパースペクティブ(遠近法)になり、最後は一枚のピクチュア(絵)になる

3 106 水木しげる「敗走記」(講談社文庫;1991)感想3+

2014年05月19日 01時31分49秒 | 一日一冊読書開始
5月18日(日):  

271ページ  所要時間 1:55    図書館

著者69歳(1922生まれ)。

戦記漫画の復刻版6編収録:
「敗走記」(1970・月刊別冊少年マガジン2月号・講談社)
「ダンピール海峡」(1970・文春漫画読本7月号・文藝春秋) 
「レーモン河畔」(1980・ビックゴールドNo.6・小学館)
「KANDERE」(1979・カスタムコミックNo.1・日本文芸社)
「ごきぶり」(1970・サンデー毎日増刊これが劇画だ・毎日新聞社)
「幽霊艦長」(1967・月刊少年9月号付録・光文社)

著者は、漫画という表現手段をもった人間が、実際に絶望的な南方激戦地に赴き、下級兵として九死に一生を得ている稀有な例である。戦地で終戦を迎え(23歳)ている著者は貴重な語り部である。漫画の中の物語を実際の人間の実体験として想像力を膨らませば、戦争の理不尽さ、悲惨さの断じて赦されないことを容易に想像させてくれる。

水木さんの戦記漫画は、彼の重要な業績の一つである。俺としては、BC級戦犯を描いた「ごきぶり」が、なんとも理不尽・不条理で忘れられない作品になった。もちろん、他の作品もひとつずつ印象深いし、この作品でしか得られない戦争の実相を伝えてくれている。
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