もみさんの一日一冊遊書録( 2011年9月1日 スタート!: メメント・モリ ) ~たゆたえど沈まず~

年とともに人生はクロノロジー(年代記)からパースペクティブ(遠近法)になり、最後は一枚のピクチュア(絵)になる

6 022,6 023,6 024 ジャンプ・コミックス「ヒカルの碁1~6巻」(集英社:1999~2000)感想5

2017年02月02日 02時01分53秒 | 一日一冊読書開始
2月1日(水):  ほったゆみ原作・漫画小畑健。  

1巻~6巻(漫画2巻を本1冊に換算する。) 所要時間6:00  アマゾンで全23巻+別巻1(2929円)  

職場で仕事がうまく行かない。徒労感ばかりを覚える。時代閉塞の状況、そんな時代だ。元気なくふさぎ込んで帰宅してみると、月曜の夜半にアマゾンで発注していた「ヒカルの碁」全23巻+別巻1セットが届いていた。現実逃避したい気分もあって、早速読み始めた。

俺は最盛期初段、現在3級程度の囲碁経験者である。下手の横好きという言葉もあるが、囲碁に対する憧れは殊の外強い人間である。俺にとって、とても懐かしい世界である。本作は、全23巻まで続き、アニメ放送もされたそうで、アマゾンのレビューの評価もすごく高かった。内容の充実ぶりは、十分に予測できていた。あとは相性の問題だと思っていた。

そして、実際に読み始めたら止まらなくなった。設定や内容の充実ぶりは、期待を大幅に超えていた。平安時代無念のうちに亡くなった天才棋士藤原佐為(さい)の霊が、江戸時代の碁聖本因坊秀策に憑依し、秀策の体を借りて史上最強水準にまで自らの棋力を高めた上で、さらに現代で囲碁と無縁の進藤ヒカル少年(小学校6年生)に何故か乗り移る。ヒカル少年と藤原佐為(秀策)の二人三脚が始まる。好敵手塔矢アキラが現れ、彼がヒカルを深奥なる囲碁の世界に導く。

発想のユニークさと妥当性・説得力とが両立出来ている。あまり知られていない囲碁の世界が知らない人間にも非常に分かりやすく紹介説明されている。ヒカル少年の棋力の急速な上昇ぶりも、囲碁における年少期の天才性の重要さを考えれば十二分に納得できる。物語りの展開が速くて、次々と出てくる展開が飽きさせないどころか、もっともっとという気分にさせられる。

実際に囲碁の打ち方を知らない人が読んでも全く問題なくストーリーの展開を楽しむことができるようになっている点、ヒカルの前に聳える塔矢アキラが実は進藤ヒカルという真の天才の才能を引き出す存在として途中で逆転する展開に既視感を覚えた。そう、以前に全巻買い揃えて読んだ「のだめカンタービレ」と同じなのだ。「のだめ」では音楽は聞こえてこないが、音楽の世界の深さ、広さがすごく伝わってきた。背景説明が非常に自然で充実しているのだ。また、千秋のお荷物だったはずの”のだめ”が実は真の天才であり、千秋は”のだめ”をヨーロッパの音楽の世界に誘い導くための存在だったと種明かしされる。この一致は、真似ではない! ある意味で、よくできた”物語の王道!”と言えると考える。

まだ、読み始めたばかりとも言えるが、残り17巻の展開が楽しみでならない。元々、自分のためというよりは、将来幼い息子の目に触れて、息子と囲碁との縁結びのきっかけになればと思って発注したコミックだが、俺自身だけで十分に楽しめて、元を取れた気分だ。家内もともに本書を読み、気に入ってくれたようである。最近では、なかなかヒットの買い物ができたと思っている。
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