12月8日(土):
151ページ 所要時間2:20 図書館
著者43歳(1973生まれ)。
古本で買いたいのだが、本書は全く値崩れしない。仕方なしに図書館で借りていたが、読まないままでおいたら、返却の催促が来たので仕方なしに駆け足で内容を眺めた。思っていた以上に最初から終わりまで、わくわくしながら眺め続けることができた。「ブラタモリ」の京都案内役を務めた著者には、すごく感じの良いセンスを覚えていたが、本書の内容はその印象をさらに強くさせるものだった。
・方広寺大仏殿は、1798年(寛政10年)、落雷で焼失。豊臣氏と同時に滅びたわけではなかった。
・御土居は、たった4カ月で完成した。
・伏見「指月の丘」:橘俊綱(藤原頼道の息子)「伏見山荘」→後白河法皇「伏見殿」→豊臣秀吉「伏見城(指月城)」
・梅林:
まちなかに坂道や凹地があるのを見ると、「まちがボケてる」っていつも感じてしまいます。まちなかの地形は、歩く人からまるで「ツッコミ」を待っているように見えてしまう。140ページ
・梅林:
今話したようなまちなかにある地形や痕跡めいた凸凹地形、それは土地の記憶の現われなんだと。タモリさんの大名言に「地形は変えられない。変えても土地が覚えている」っていうのがありますが、坂道を削ったり、凹地を埋めたりして、今はもう地図上にないですよって言われても、現地に行くと実は微妙な高低差があったり、何かの痕跡を見つけたりできる。たぶんそこには「平地ではいられなかった物語」が重なっていて、それは人の頭のなかにある記憶ばっかりじゃなくって、人は忘れているかもしれないけど土地の形としてそのまちの営みが表れてるのかもしれない。そこを読み解いたら面白いんじゃない?っていうメッセージをいつもタモリさんから感じます。141ページ
【目次】
祇園(前編)ー“京都らしさ"は作られた!? 花街の段差を後ろ姿から眺める。
祇園(後編)ー希代の名コンビによる結晶。円山公園の絵画的な景観デザイン。
聚楽第ー洛中なのに「郊外」的!? 京都のど真ん中に巨大な凹地あり。
大仏ー江戸時代は京都観光のメッカだった! 今はなき巨大な「大仏様」。
御土居(前編)ー4ヶ月で京都を囲い込む超短期工事! 秀吉の「はんなり」じゃない巨大城壁。
御土居(後編)ー「京都人」とは誰のこと? 御土居が発信する京都の生活史。
巨椋池ー「土木マニア」秀吉が残した、日本史上まれに見る巨大工事の痕跡。
伏見指月ー天下人が愛したナイスビュー! 今に伝わる「ゲニウス・ロキ(地霊)」のブランド力。
淀城ー旧地形のパラダイス! 分割された城下町の名残り。
NHK「ブラタモリ」プロデューサー山内太郎さんとの特別対談
【内容紹介】
NHK「ブラタモリ」に最多出演! 足元に隠されたもう一つの都! /盆地の街、京都。実はその内側に、更なるガケの存在があった……! /豊臣秀吉由来の「御土居」をはじめ、凸凹ポイントで見つめ直せば、京都のディープな姿が出現する。/3D凸凹地形図と、古地図・絵画などの歴史的資料で紹介する、街歩きの新しい提案。