9月3日(土):
280ページ 所要時間2:20 ブックオフ108円
山本博文氏は一部のみ執筆。ふざけてる。騙された感あり!
東京書籍の中学校の歴史教科書『新訂 新しい社会【歴史的分野】』(1972)を「昭和」の教科書と呼び、『新編 新しい社会【歴史】』(2006)を「平成」の教科書と呼んで、30数年間で教科書がどれだけ変わってきたかを紹介する内容の本である。
狙いの付け所は良かったとは思うが、如何せん中学校の教科書レベルでは説明の掘り下げも浅くて、正直「ああそうですか。」程度の印象しか持てない。エキサイティングでもない。ほとんどどこかで聞いたことがあるような内容ばかりである。この本を読んで面白いと思う人は、普段歴史に関心がなかった人だけだろう。歴史好きの大人の本ではない。はっきり言って、中途半端!期待外れ!せめて試みるなら、高校教科書でやるべきだ。
あと日露戦争の評価に違和感を覚えた。
【目次】はじめに
第一章 古代 :人類の出現――登場の年代はどんどんさかのぼる /三内丸山遺跡――発見、発掘で変わる時代像 /稲作の始まり――米づくりはいつ日本に伝わったのか /大和朝廷――「大和政権」と表記するようになった理由 /仁徳天皇陵――世界最大の古墳と習ったはずだが…… /聖徳太子――旧一万円札の肖像は別人? /和同開珎――日本ではじめて鋳造された貨幣は何か /蝦夷――反乱者から抵抗の英雄へ
第二章 中世 :鎌倉幕府――「イイクニつくろう」と覚えたが…… /源頼朝の肖像画――別人なのか? 論争つづく /モンゴル襲来――2回とも暴風が吹いたのか /騎馬武者像――足利尊氏ではなかった /倭寇――日本人ばかりではなかった /武田信玄画像――あの鬚の武将は誰なのか
第三章 近世 :長篠の戦い――「武田騎馬隊」は存在したのか /江戸時代の身分制度――「士農工商」はなかった /慶安のお触書――幕府が出したものではなかった /島原・天草一揆――「乱」から「一揆」へ /絵踏――「踏絵」を使って行われた「絵踏」 / 鎖国――幕府は国を閉じていなかった? /江戸時代の貨幣――「銀座」は京都にもあった /田沼意次――見直される「功」と「罪」 /百姓一揆――原因は「苦しい生活」だけなのか /「鎖国」は祖法――外国との通商を断る方便だった /南総里見八犬伝』――なぜ大ベストセラーになったのか?
第四章 近代 :インド大反乱――イギリスの植民地支配への抵抗 /日米和親条約――アメリカの目的は中国との貿易だった /大政奉還から倒幕へ――策謀でつくられた「倒幕の密勅」 /戊辰戦争――なぜ「戊辰の役」とは呼ばなくなったのか /古い身分制度の廃止――なくなった「四民平等」という言葉 /徴兵令――最初は抜け穴だらけだった /北海道開拓――従事させられたのは屯田兵だけではなかった /岩倉使節団――不平等条約改正をめざしたが…… /西南戦争――「役」から「戦争」に変わった理由 /日清戦争――きっかけは「甲午農民戦争」 /日露戦争――日本の大国意識とアジア諸国独立に影響
おわりに 参考文献一覧 執筆者紹介