6 006 松田道雄「私は二歳」(岩波新書：1961）感想３

9月12日(月)：　　

210ページ　　　　　所要時間1:15　　　　　　ブックオフ108円

著者53歳(1908-98：90歳)。小児科医。

読書を諦めかけたが、何とか読もうとして手に取った。2006年版で第60刷。ロングセラーである。見開き2ページ完結で100のエッセイ集形式をとっている。小児科医として多くの子どもたちと母親たちを診察してわかったことを、２歳の子どもの目線を借りて子どもたちを取り巻く状況を描き出した作品だ。しかし、読み始めると如何せん、時代も内容も古すぎる。嫁姑の問題も古臭いし、気持ちよくない。

アマゾンの評価は4.4と高かったが、最後まで、今ひとつ面白いと思えなかった。ゆっくり丁寧に読もうという気も起らなかった。俺の感性が弱いのか、やっぱり古すぎるのか。期待外れの出会いだった。

【目次】１　団地（ごはんを食べない（病気でない／強制はむだ）／オモチャをこわすー成長の必要経費／しかってもいいか（子どもの性分も問題／時間がたってはダメ／自然現象のように）　ほか）／２　京都の家（団地から京都へーおばあちゃんとママ／団地とちがう世界ードクシンの人／おばあちゃんー家事の芸術家　ほか）／３　京の街（肩がぬけたー疼痛マヒ／指しゃぶりー私は孤独だ／ドモリ（形式より内容を／キョウ正はしない）　ほか）

【内容紹介】子どもは二歳になると、からだも心も成長し、個性がはっきりしてくる。しつけが始められ、母親と父親の考え方の違い、おばあちゃんとの育児をめぐる対立も出てくる。夜尿、どもり、テレビ、体罰など、しつけや子どもの心理の問題から、突然の発熱、腹痛など病気の症状や手当てまで、わかりやすく説かれた新しい型の育児書。

160912 一年前：5 010 内田樹・名越康文「14歳の子を持つ親たちへ」（新潮新書：2005）感想４＋

9月12日(日)：

5 010　内田樹・名越康文「14歳の子を持つ親たちへ」（新潮新書：2005）感想４＋

９月１０日（木）：　　204ページ　　　所要時間 3:45　　　　ブックオフ 50円（安い！）内田樹師匠54歳（1950生まれ）。名越康文　45歳（1960生まれ）。......

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6 005 平田オリザ「わかりあえないことから」(講談社現代新書：2012) 感想３＋

9月11日(日)：　　副題「コミュニケーション能力とは何か」　　

230ページ　　　　所要時間1:40　　　　　ブックオフ260円

著者50歳(1962生まれ)。東京生まれ。国際基督教大学在学中に劇団「青年団」結成。戯曲と演出を担当。現在、大阪大学コミュニケーションデザイン・センター教授。2002年度から採用された国語教科書に掲載されている平田のワークショップ方法論により、多くの子どもたちが、教室で演劇を創るようになっている。

演劇の実践的視点からコミュニケーションの難しさと可能性について論じている。特に、単独の言葉ではなく、その背景に広がるコンテキスト(文脈)を探り、言葉の真意をとらえることの大切さを説いている……のかな？

1ページ15秒をベースに眺め読みをして、付箋をしまくったが、読み切れたとは到底言えない。それでよい。とりあえず、平田オリザという俺にとっては好もしい人物に少し触れることができたのだから。著者の文章は非常にわかりやすい。感想３＋は、もう少し時間をかければ、簡単に４以上になったはずだ。読み終わった今、もう一度読み直したいと思っている。

【目次】 第１章　コミュニケーション能力とは何か？／第２章　喋らないという表現／第３章　ランダムをプログラミングする／第４章　冗長率を操作する／第５章　「対話」の言葉を作る／第６章　コンテクストの「ずれ」／第７章　コミュニケーションデザインという視点／第８章　協調性から社交性へ

【内容紹介】 近頃の若者に「コミュニケーション能力がない」というのは、本当なのか。「子どもの気持ちがわからない」というのは、何が問題なのか。いま、本当に必要なこと。

・心からわかりあえることを前提とし、最終目標としてコミュニケーションというものを考えるのか、「いやいや人間はわかりあえない。でもわかりあえない人間同士が、どうにかして共有できる部分を見つけて、それを広げていくことならできるかもしれない」と考えるのか。／「心からわかりあえなければコミュニケーションではない」という言葉は、耳に心地よいけれど、そこには、心からわかりあう可能性のない人びとをあらかじめ排除するシマ国・ムラ社会の論理が働いてはいないだろうか。208ページ