西都モノクローム

西都大好きな市議会議員が、徒然なるままに街のこと、写真のこと、空手のこと語ります。

長千代丸

2011-02-27 23:16:56 | 日記
私が40年ほど前通った妻北小学校の西側に、池があります。
何年生か忘れたけど、その池のそばに行きその池に伝わる伝説を知りました。
池のそばに何か建物があり(今のとは違うような気がします)そこに、伝説が書いてありました。

作っても作っても堤防が切れどうしようもない、ある住民が言います「ここには大蛇がいる、それを鎮めないかぎり何度堤防を作っても壊されてしまう」
「じゃあどうすればいいんだ」住民の一人が言うと。
「人柱を立てよう」と言うことになりました。
でもよく考えたら、人柱は死んじゃうわけですから、誰も自分の家族には、やらせたくありません。
協議が煮詰まっているとき、学舎(そのころはそこに通うだけで、超エリート)から帰宅していた法元長千代丸が話の輪に入ります。
そこは「おまえんとこの次男坊を出せ」とか「ふざけんな人柱は女だろうが」など不毛の口論が起こっていました。
長千代丸がいいます「明日の**の刻に、**な着物を着てここを通ります。その人を人人柱にすればいいと、お告げを感じます」
皆大賛成です、誰も自分の身内を人柱になんかしたくないわけです。
「それがいい、お告げならそうしようと」と協議は収まり明日を迎えます。・
予定の時間になり村人皆潜んでいると、来ました昨日長千代丸が言ったとおりの格好をした旅人が。
予言は本当だと、皆飛びかかり押さえつけました。
顔にかかる布をあけると、そこにある顔は長千代丸だったのです。
皆びっくりしますが、長千代丸の決意は変わらず、自害して池に沈み暴れる大蛇をしづめ、その後一度たりとてその池が氾濫したことはないという伝説です。

あのね、小学校の頃こんな話を聞いたら、どんな感じがすると思います。
今思い出すと「吐き気」「やるせなさ」「不条理」そんな感じを受けたんです。

その後心の奥底にこの話がじっと潜んでいました。
「ベスト よだ kids」という市民劇団の何回目かの講演にこの「長千代丸物語」を上演することができました。
私は劇団員の一人として、自分の中の稚児が池物語が昇華した気持ちがしたことを明確に覚えています。

今日毎年行っている、長千代丸慰霊祭に参加しました。
住民が言い合っている中、自分の命を捧げようとしたまだ十代の長千代丸の気持ちに思いをはせることのできた一日でした。

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする