足立 真一のTriton Blog

株式投資の実践、グローバルな視点での投資戦略。
銘柄選択は、成長株、中・小型株、新興市場株にバイアスを置く。

成長銘柄を見つけるヒント

2015-12-28 07:10:52 | 投資戦略
新年の世界株式への期待観が高まる。
いちばんの注目点はNY株の動向で、12月は不発に終わっただけにその反動高が出るだろう。連銀の政策転換で利上げ問題は相場に織り込まれた。12月下旬から上向きに転じてきたが、いまひとつ足取りはふらついた。
その人気は新春に持ち越されるだろう。年末になって原油相場がこれといった大きな材料が出ていないのに反騰した。米国での原油在庫の減少がきっかけだが、このような材料にも大きく反応したことに注目したい。相場は底を叩たいたのか?

12月からヘッジファンドの動きに胎動がみられる。ことしは全体が12月中旬まではマイナスで運用には苦闘した。しかし2015年にはポジションを大きく落とし、特に第4四半期には大きな動きがみられなかっただけに、新年に賭ける動きが高まってきた。連銀の政策転換で金融政策の方向性が明確になり、米国ではM&Aが増える兆しがみられる。
欧州、日本では緩和政策が続き、地域間での異なった方向性はヘッジファンドにとってはチャンスを提供する。
足元の東京市場ではテクニカル面での魅力が出てきた。
日経平均の25日移動平均との乖離率は-3.34%、騰落指数(25日移動平均)は76.58%といずれも買いゾーンにある。

先週、ウォール街ではバイオの人気株セルジーン(CELG)が1日で10%も急騰したことは本欄で書いた。
再度、この株について触れておきたい。今後の有望医薬品株を発掘のカギを提供してくれるからだ。
同社の主力製品レブラミド(多発性骨髄症の治療薬)の特許期限が裁判所の判定で2026年まで延長されたことが材料になった。この分野では世界初の決定的な治療薬である。
日本での患者数は1万5000人と少なく希少性医薬品だが、薬価が1ヵ月分で93万405円と高額である。3割負担の病気に投薬されると、健康保険を利用しても28万円弱のコストになる。この薬品の市場は世界に広がっており、セルジーンの売上全体の60%超になった。
現在のキャシュフローは膨大で、それが人間の生命を救う新薬の開発に投じられる。
高収益→高い研究開発費→画期的な新薬登場というサイクルが成長サイクルをつくる企業のお手本になった。このサイクルに乗れるかどうかが今後の医薬品株の成長のカギになってきた。技術革新のスピード化で停滞は許されない。市場はこのことに最大の関心を払う。
常識的な話だが、医薬品株の株価を判定するのに今一度、再考させられる点である。
東京市場でも日本のセルジーン探しが一段と強まるのが2016年である。この株への投資を再度おすすめしたい。
2016年の有望株を見つけるヒントにもなる。
コメント
  • Twitterでシェアする
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする