世界の相場をリードするウォール街ではS&P500が待望の200日移動平均に接近した。
昨日の引け値と200日移動平均は次の通り。
引け値 200日移動平均
ダウ 10525←10422
ナスダック 2288← 2261
S&P500 1113←1114
S&P500もおそらく今週中にゴールデンククロスが実現するだろう。NY株の好調の背景はミクロ面、つまり企業業績の好調である。発表の第3週目であるが事前の予想を上回る決算が多く、第3四半期の見通しも明るい。数字をみているとリーマンショックの影響が出始めた2008年第4四半期と全く逆の現象である。当時は底なしの沼のように利益が落ち込んだ。今回はそれとはまったく逆の動きである。企業の合理化が顕在しているうえに、これまで利益が回復しても増加しなかった売上のトレンドが反転し増加をはじめた。
景気指標にはまだら模様が続くが、経営者は先行きに自信を持ち始めたことは確かである。
昨日の本欄で書いたようにヘッジファンド(トラクシス・パートナーズ)のバートン・ビッグスが君子豹変して一転、強気になったことの理由が業績面でのサブライズである。
彼はここ1ヵ月間に強気→弱気→強気と3回の相場観を替えた。口だけではなく、ポートフォリオを考え方にしたがって替えるのだから簡単な話ではない。
短期、中期を視点にした投資には彼のような行動が、時代の波を乗り切る戦法なのかも知れない。彼は「私はグロース派、バリュー派のどちらでもない」と断言する。