明るい日差しはヨーロッパから上がった。
前日、米上院でのバーナンキ議長の“異常な不透明さ”発言で相場は冷や水を浴びせられたが、ユーロ圏の景況感の回復を示す景気指標が発表になり、ヨーロッパ株が大きく反騰した。
これを好感して、寄り付き前にはNY株の先物が急騰した。
取引き開始後、3M,UPS,キャタビラーが好決算を発表し、ミクロの好調が相場に買いエネルギーをもたらした。いずれも米国経済の景況をしめす象徴的な大企業である。
企業業績はS&P500の既発表124社の増益率が+55%と、事前のアナリスト予想の+25%を大きく上回る。相場のセンチメントは今週初めの強気のバイアスに戻った。
この日は前日に引き続いてバーナンキ議長が下院で証言したが、“景気の現状を精査しているが、必要ならいつでも出動する”と語ったのに注目した。「出動の基準のバーが低くなった」とみる向きが増えてきた。このような見方をみても前日のバーナンキ発言を前向きにとらえる人気がこの日は優勢であった。それというのも企業業績の好調が背景にある。
バーナンキ議長がどう動くかは8月10日の連銀FOMCで答えが出る可能性が強い。
東京市場の投資家センチメントは海外に比べて悪い。アナリストをはじめ投資家が自信を失っている。
昨日、信越化学(4063)が大手企業ではトップバッターとして業績を発表した。内容は本日の日経新聞で見るとして、電話会議を聞いて感じたのは3ヵ月前よりは会社が先行きに自信を示したことだ。半導体シリコンに質問が集中したが、市場でいわれる弱気トーンの話はなかった。