注目の米雇用統計は事前予想20万人増には届かず19万2000人であったが、市場は「ほぼ予想の範囲内」という見方をした。
しかし株価は大幅な下落でナスダック指数は2ヵ月振りの安値に落ち込んだ。今回の反騰相場の牽引役であっただけに市場心理に与える影響は大きかった。
雇用の数字をめぐっては連銀のイエーレン議長は「1050万人の失業者を抱えたままで、これまでのどの景気回復局面より深刻」と解釈し、簡単に現在の緩和政策の転換ができないことを週初の講演会で強調したのが分かる。民間部門の回復は続くが政府部門が不振である。
相場が下落すると弱気筋が頭を出す。サクソ銀行のスティーン・ジャコブセン(エコノミスト)は「相場は暴落する前には1,900~1,950のゾーンにはいるが、その後は30%の暴落」と不吉な予想を出す。現在の市場には強気筋が蔓延し、個人投資協会AAIIの個人センチメントは強気比率が67.2%とリーマンショック直前の水準にある。最近は有力メディアが、この種の弱気の見通しを紹介しはじめたのは注目点。
NY市場ではダウ平均が昨年末の史上最高値を前に足踏みをしているし、連銀の緩和政策の継続についてイエーレン新議長が折に触れ言及し始めている。株高の消費への波及効果を政策に組み入れている。
ウォール街でのIPO(新規公開)市場は好調。昨日、公開されたGrub Hub(GRUB)、IIMS health(IMS)には人気が集まった。