足立 真一のTriton Blog

株式投資の実践、グローバルな視点での投資戦略。
銘柄選択は、成長株、中・小型株、新興市場株にバイアスを置く。

医薬品業界にM&Aの波・・・いずれ東京市場でも・・・

2014-04-29 09:26:00 | 株式

NY株は反騰した。注目されたのは世界最大の製薬会社ファイザー(PFE)による英アストラ・ゼネカ(AZN)の買収の動きだ。現在の時価総額はファイザーが2045億ドル(21兆円)、アストラゼネカは971億ドル(10兆円)だ。ことし1月にもファイザーが動いた。当時は時価に30%のプレミアムを付けたが買収は成立しなかった。今回は1000億ドルというウワサが出ており、ファイザーの意欲は強い。現在の製薬業界は新製品の開発競争がし烈になり、特にがん治療薬の分野が年々、大きくなってきており、ファイザーでさえ他社の新薬開発の力を取りいれなければ、成長が停滞してしまうという懸念がつきまとう。いまひとつファイザー側の思惑は海外に積み立てた現預金を国内に還流すれば課税されるので、節税対策としても大型買収を狙う。

ファイザーの時価総額は2040億ドル(21兆円)、アストラゼネカは970億ドル(10兆円)で規模は半分である。いったん出した買収の矛先を収めず、いままで水面下では交渉が続いていたフシがる。

このM&Aをみて考えさせられるのは日本の製薬業界の現状である。トップの武田薬品(4502)でさえ時価総額は35000億円で、アストラゼネカの足元にも届かない。欧米の製薬会社が世界第2位の市場の日本を見過ごすことはなく、M&A時代がやってくるだろう。日本の製薬業界に残された材料である。歴史的にみて米英やドイツ、スイスに比べて製薬業界の再編成は国内にとどまってきた。新薬開発では大きな遅れをとっている。

今週は米国で連銀FOMC2930日に予定されている。市場では政策当局が方向感を失った株式相場にイエーレン議長がどうみているかに関心がでてきたが、ウォール街には連銀の政策判断に期待を寄せる声が出てきた。東京市場とは大きな違いである。

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