足立 真一のTriton Blog

株式投資の実践、グローバルな視点での投資戦略。
銘柄選択は、成長株、中・小型株、新興市場株にバイアスを置く。

バートン・ビッグスが手の内を披露

2012-03-21 07:28:42 | 株式

東京市場の祭日での休場中のNY株は小幅安で引けた。

NYダウ平均の最近の高値は前月比で+2.3%と2月の月間の上昇率分を達成しただけに、「ここは小休止した方がよい」という余裕のある受け止め方が多い。

モルガンスタンレーを退社し、ヘッジファンドを経営するバートン・ビッグス(トラクシス・パートナーズ)は昨日、グルンバーグ・ラジオに登場し「1月には株式比率は55%であったが、275%、390%に高めた」と語った。

彼はかつてモルガンスタンレーの名物ストラティジスト。70歳台で退社し、若手運用者がひしめくヘッジファンドの世界に飛び込んだ。古くから付き合いのあったヘッジファンドの運用者たちも個人の資金を出資して応援した。

その運用をみていて教えられるのはまず運用の透明性だ。毎月、定期的にブルンバーグのラジオ番組に出演し、現在の相場観と自己分のポジションを披露する。そのことが運用上のないよりも規律になり、世間が監査役だ。彼も神様ではないので、2003年の設立以来、試行錯誤の運用が続いたが100年に一度といわれる危機を切り抜けてきた。運用成果は市場平均を上回る。

感心するのは変わり身の早さである。「自分はバリュー投資家でもグロース投資家でもない」と公言してはばからない。

その足跡をみているとウォール街の底の深さを感じさせる。日本の年金運用者も悩まないで、彼のようなファンドのあることも知ってほしい。

東京市場では引き続き円安トレンドを買う動きは不変である。鉄鋼など素材関連の動きにも注目したい。