今週のNY株の注目点は金曜日の雇用統計(2月)の発表である。
これまでのNY株を支えた景気指標は雇用の改善、住宅市場の回復、自動車販売の復調であった。雇用の動向には市場は大きな関心をもつ。
エコミストの予想数字は21万3000人増で1月の24万3000人より減少する。景気指標は短期的に回復の踊り場を暗示する数字が出てはいる。この予想数字から大きく乖離しなければ、相場への大きな影響はない。
日米の株価では久しぶりに東京市場の存在感が目立つ。
年初来では日経平均が+15%、NYダウは+6.2%と日本株が2倍のスピードで回復を始めた。差を大きくつけたのは2月の相場で日本は+10.4、米国は+2.5%であった。背景には2月上旬に円相場が76円を天井にして反転し80円台になったことである。このトレンドが続けば3月決算企業には好影響を及ぼす。
週末のウォール街ではSNSゲームのジンガ(ZNGA)の株価の急騰が目を引いた。先週末は一時は$15.91と昨年12月のIPO価格$10に対して50%超になり、時価総額も11億4000万ドル(9300億円)と1兆円の大台に迫った。世界でもSNSゲーム関連株が10億ドル超になったのははじめてである。これまでフエィスブックに依存じていた配信のプラットフォームを、この6月から独自のZynga.comのサイト上で運営する。名付けて“Project Z”。
東京市場のグリーは一足先に世界で独自のプラットフォームを4月から運営する。グリーはジンガの2倍の売上規模で世界一だ。時価総額は5800億円。グリーの株価の割安が比較して目立つ。