あるアジア専門のヘッジファンドは2月末から3月にかけての世界的な株安、その後の波乱を以下のように分析している。
「英誌エコノミストは“グローバル化が各国に経済構造の多様化を促進させ、それが景気に変動の平準化をもたらす”と報じた。その結果、家計も企業もより借り入れを増やしレバレッジ(テコの原理)を高水準しした。そしてクレジット・デルバティブの世界が進歩し、レバレッジがとてつもなく膨らんだ。その結果、マージンコール(追加担保の差し入れ)のために、売り物が急増した」と書いている。
2月末の中国株の暴落を端にして世界の株式市場が大波乱をしたが、このヘッジファンドの指摘は金融資産の世界の動きがが、現実の世界のファンダメンタルとは別に動き始め、それがこれまでの常識外の現象を起こすことを指摘している。
それなのに「なぜ1998年のロシア危機やLTCM破綻時のようなシステミック・リスクが発生しなかったのか?」
ヘッジファンドをはじめ機関投資家、投資銀行のトレーディング・デスクがリスク・コントロールの技術を身につけてきたからである。調整は瞬時に起こり、ヘッジの反対売買が発生して収縮する。
これからもこの種の相場の現象はエコノミスト誌の指摘するような世界のアセットクラスの相場の波乱を巻き起こす可能性は高まる。プロでない投資家はレバレッジ(テコの原理)を高くすることは控えたい。
月曜日は3月決算の配当・権利落ち最終の売買日。任天堂(7974)の配当は410円。短時日で埋めるだろう。
投資戦略として、ほかの高配当銘柄の配当取りを考えよう。