ヘッジファンドのプレセンスが世界の資産市場でますます高まってきている。
ボストンのインスティチューショナルインベスターズの集計した2006年末の、世界のヘッジファンドの運用資産は1兆8900億ドル(220兆円)になった。これまで業界で推計していた数字は1兆4000億ドルであったが、その規模はますます大きくなってきている。昨日のウォール街の株価を刺激する大きな材料になった英バークレイズ銀行によるオランダの大手銀行AMNアムロの買収の話は、きっかけはヘッジファンドが仕掛けたものである。AMNアムロの株主還元が不十分として、銀行に揺さぶりをかけたヘッジファンドの行動が、買収の話のきっかけをつくった。
このようにヘッジファンドが金融業界をも動かすよううになってきた。東京市場でもこんな話が大手銀行にも起こりかねない。
最近ヘッジファンド業界で目立つのは新設ファンドの出現と、既存ファンドの追加募集である。運用者は目先き相場のボラティリティー(変動率)は高くなると読む。ヘッジファンドにとってはチャンスである。
手元に届いた大手ヘッジファンドの募集のメモには「向こう数年の金融市場と商品市場のボラテリティーは高まる。ロング(買い)にもショート(カラ売り)にもチャンス到来である」と書いてある。
同時に「波乱の大きくなる市場ではアセット・クラスと投資タイミングの面で運用の技術が問われる」としている。
本日の東京市場は落ち着いたが、今年は2月末のような相場の波乱を何度も経験するのだろうか?