ウォール街の「4月に売って11月に買い戻す」という古くからの投資戦略はどこかえ往ってしまった。
投資家の頭のなかにはがっちりと、昨年まではしまいこまれてきた格言である。毎年、4月には相場から手を引いて持ち株を全部売却し、11月に買い戻すという作戦をとれば、市場平均をはるかに超える成果をあげることができた。
2007年はこのジンクスが壊れた。NY株は4月が高値で5~6月と一応は下落したが、7月からは年末まで一本調子で上昇し、秋には史上最高値を記録した。昨年にかぎってはこの確度の高い経験則は崩れた。
「その経験則を信じて戦略を練って前半はよかったが、後半は失敗」というのが東京市場での投資家の感想であった。
さて今年はどうか?
ウォール街には過去の経験的なデータのパターン化はかなり精緻分析されており、東京市場の比ではない。それを専門にしてその種のデータを加工し相場の行方を予測し、さまざまな仮説をたてる調査機関が多い。
その一つであるストック・トレィダーズ・アルマナック(Stockt Trader Almanac)によると「1950年以降のNY株は4月のダウ平均は年間の最高のパフォーマンスを記録した」という経験則が指摘できるという。3月前半に波乱した相場は回復トレンドにはいってるが、4月が今年前半のヤマ場を形成するのか?
いわれてみるとその理由付けをしたくなる最近の相場展開である。