足立 真一のTriton Blog

株式投資の実践、グローバルな視点での投資戦略。
銘柄選択は、成長株、中・小型株、新興市場株にバイアスを置く。

タイの株価が暴落した

2006-12-19 20:59:42 | 株式
本日の東京市場はアジア市場の株価の下げに振り回された。タイが自国の通貨バーツ高の対策として外資の流入規制を発表したからである。
タイの株式市場は1997年のアジア危機以来の下げになった。為替制限で外人投資家の資金が引き上げられるという懸念が出たからである。タイのバーツの上昇はアジアの中では今年は最も上昇していた。
発表に反応して株価指数は一時は-1176%も下がった。
タイの株式市場の31年の歴史では初めての大暴落で取引所は30分の取引き停止を決めた。さらに-10%になるなら1時間の停止をすると発表した。
タイの繊維産業は通貨高で中国、フイリッピン、ベトナムなどへの生産基地の移管を検討しはじめている。
今回のタイの外貨流入の規制は1997年のアジア危機とは全く逆のケースではあるが、金融市場にとっては規制の強化は現在の世界のグローバル化には逆行する措置である。それだけに外人投資家は一斉に資金の引き上げを検討し、新しい秩序の枠組みを模索し始めた。
われわれの関心事は米国やIMFがどういう見解を出すかにある。年末にかけて株式市場は波が高くなりそうだ。


慎重なヘッジファンドもみられるが

2006-12-19 18:28:39 | 株式
ヘッジファンドの世界は運用資産が200兆円近くになり、社数も1万社を超えた。それだけにかつてのように「ヘッジファンドはいま・・」といった類の話はナンセンスになった。
本日の寄り付き前の外人動向は買い越しと伝えられたが、東京市場は売られた。11月からNY株の強さをみて慎重姿勢に転じたヘッジファンドも散見される。
「自分たちの仕事はチャンスをつかみに行くことであるが、同時にリスクをコントロールすることにもある」と、最近のレポートで書いたヘッジファンドがあった。NY株の一本調子の上昇、ドル安を気にしていた。このような外人投資家は最近の東京市場でも、本日のような相場展開を期待していたのだろう。
しかし相場が大きく過熱していたわけではないので、相場の動きは微調整で終わるとみる。ただひとつだけ気になるのは日興コーディアルグループとミサワホームの会計疑惑問題である。
日本の産業界が資産バブル崩壊の過程でバランスシートの健全化を進め、経営者が問題意識をもったはずであるのに、ライブドアのような企業が歴史のある企業にもみられたことは残念である。2002年にウォール街を震撼とさせたエンロン問題が頭に蘇る。

本日、IPO(新規公開)の共英製綱(5440)は住友金属グループの電炉メーカーである。
IPO価格2400円に対して2910円で寄ったが、引けは2795円であった。売買高が1000万株と公開株は一回転した。
新日鉄やJFEホールディングスが新高値をつける環境下である。引け値でのPER(株価収益率)は7.8倍である。
新興市場のベンチャー企業とは人気面では大きく異なるが、株価の水準には注目できる。