足立 真一のTriton Blog

株式投資の実践、グローバルな視点での投資戦略。
銘柄選択は、成長株、中・小型株、新興市場株にバイアスを置く。

年央安を予想するズーロッフ・・・当面の戦略を学ぶ

2005-01-18 21:12:47 | 株式
米バロンズ誌が今週から新年の投資座談会の特集を組み始めた。米国内から9名、海外から2人のファンドマネジャーとストラティジィストが参加、延々12時間におよぶ相場についての討論をした。日本のこの種の座談会とは異なって、それぞれが具体的な買い銘柄、カラ売り銘柄を発表。翌年の座談会で「どんな成果が出たか?」を評点する。まさに真剣勝負の議論の場だ。アビー・コーヘン(ゴールドマン・ザックス)、ビル・グロウス(ピムコ)、フェリックス・ズーロッフ、マーク・ファーバーなど、私にとっては係わり合いのある運用者が含まれている。
昨年の実績で最高にすばらしい成果を上げたのは、スイスから出席したフェリックス・ズーロッフだ。9銘柄の推奨をしたが、全てが上昇し23~80%の上昇というすごい成果を上げた。さすがはプロであり、本当の運用者だ。彼は2003年の座談会では唯一人、先行きにズバリ強気して成功した。特に日本株は「世紀の買場が到来」としたのはみごとな予測であった。今回は「世界は構造変化と循環的な変化に直面している。前者は中国を始め新興諸国が世界経済の枠の中に入ってきたこと。先進国にとってはデフレ圧力。後者は中国と日本が米国の景気のスローダウンに直面して、世界経済の足をひっぱる」とみる。相場は年央に向かって安値をつけ、年末に向けて回復するが、株価の水準は現在と大きな違いはないと予測する。
そのような環境下ではヘッジファンドのように「カラ売り」のできる向きはよいが、「買い」だけの投資家には実りのない年になる。下手をすれば年央の下げで大きな痛手を負って、後半の回復に乗れなくなる可能性もあるので注意したい。
彼の予想はわれわれにとっては不気味だ。しかし、ことしはいつも頭に入れておかなければならない。
ほかの出席者の話は、後日に譲る。
さて相場はテクニカルには注意信号が点滅してきた。ここから2月上旬にかけては持ち株を増やさない方針で臨みたい。戻りは手をすかす機会だ。
今週の銘柄は金曜日に書く予定。