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ジョン・レノン「心の壁、愛の橋」1974
命日にちなみ聴いてみる。
真夜中が似合うアルバムという気がする。
「真夜中を突っ走れ」という曲があるせいでもないが(むしろこの曲は昼間っぽい)
やはり焦眉は#9 DREAMでして、ほんとにこの曲はいいよ。
魂を抜かれる。
10代のころは純粋で、途中のささやき声(じょ~ん)はヨーコの声だと素直に思ったが、よくよく考えるとあのアルバム制作期の背景からしても、あれはメイ・パンの声だ、と思わざるを得ず。
(wikipediaによるとまた違う説もあるらしく、ロック界の伝説ほどあてにならないものはないが。)
夢についての歌だけれど、その内容は具体的な情景ではなくて、聞こえる/聞こえるとか回る/回るとか、二つの霊が踊る、とか、抽象的なイメージをあることが面白いと思う。
そういう夢を子供の頃よくみたような気がする。
具体的情景でなくて、イメージだけの、感覚だけの夢を。
その中には「死」のイメージもあって、なんというか、深緑色で、その状態にはまり込むと死の世界に通じてしまう空間のようなもの。
この曲はそういうとても語り得ないものを表現していると思う。
あ~ばわか~わ、ぽっせぽっせ という変なリフレインもジョンの夢に出てきたものだとライナーにはあり。なんか非凡な奴。
あとはOld Dirt Roadが好きだな。
「ジェラス・ガイ」を思わせるイントロで始まり、途中不吉なコードの連続があり、ある種のジョン・レノンらしさをよく出している。
歌詞がよくて。
古びた埃っぽい道で/タールと羽毛にくるまれ/くまでで煙をすくいとろうとしてみる/風のある日に
ちょっとブルーノ・シュルツっぽい世界
ニルソンとジョンの共作。ピアノはもちろんニッキー・ホプキンス、渋すぎるギターはジェシー・エド・デイヴィス。
もうみんな故人だというのは感慨深い。
クラウスとジムはまだ生きているよな。
このアルバム、全曲でソロのジョン・レノンらしさというのを、自らコントロールして充満させている感じがある。ヨーコと別居して自堕落な生活をしていたくせにこんな曲が書けるなんてすごいよな。
でもワタシはアルバムとしてはMIND GAMESのほうが好きなんだけどね。
今はこのアルバムちょうど紙ジャケ盤も出ているので、リミックス版とどちらを買うべきかなやみどころ。
熱烈ファンなら両方買いでしょうが、ここはオリジナル版紙ジャケがいいかも。
↓こういう小説もあって、読みたいと思っている。
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