Credo, quia absurdum.

旧「Mani_Mani」。ちょっと改名気分でしたので。主に映画、音楽、本について。ときどき日記。

「チャットモンチー レストラン スープ」チャットモンチー

2009-05-28 09:32:16 | music
チャットモンチー レストラン スープ [DVD]

キューンレコード

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チャットモンチー レストラン スープ

07.07.07日比谷野音でのライブを収録したDVDです。
日比谷野音なんて何年行ってないだろう。。
間違いなく記憶にあるのは泉谷しげるライブ。もう30年前のことだ。
その後一度くらいは行ったような気もするのだが、記憶が定かでない・・・
つまり、日比谷野音には縁がないということだな。。

そしてその野音でワタシの娘のような年齢の子がライブをやったDVDを観る。音楽は世代も越えるね。

野外なので、時折吹く風が橋本恵莉子ちゃんの髪をふわっとなびかせて、顔の輪郭がわかる。
ああ、なんてかわいいんでしょう。リンゴの木の下の世界だ。まだあげそめしまえがみの~・・・的青春の心持ここによみがえり~

・・などというオヤジコメントはさっさと終わらして、ですね、


******


チャットモンチーの魅力は、身も蓋もないけどやっぱり3ピースバンドとしてのポテンシャルが今マックスにあることだろうか。3つの楽器がそれぞれに水準が高くてかつ個性的でないと、ありきたりになってしまう。
これは非常に困難なことなのだが、この3人はあっさりと楽しげにそれを実行してしまっている。

特にギターは、かき鳴らしばかりではなく、リズムやリフを相当練っていてかつ練習している。テクニックが高いというよりは、自分のボキャブラリーを意識しているという点で強い。
複雑なコードを繰るでもなく、バリバリのソロを弾くでもなく、どちらかというと朴訥なプレイなのにかっこいいのは、その音が曲全体のイメージにマッチしてトータルな貢献をしているからだろう。
あのつたなさがかわいくかっこいいのです。
考えられたフレーズに要所でのエフェクター操作、そのうえに歌までうたってそれが切なくいいのだから、彼女のセルフコントロール能力は相当なものだと思うのだ。

ドラムの高橋久美子さんの驚異的ドラム語りが炸裂するのは、実はアルバム「告白」を待たねばならないが、この07年の時点で十分彼女は洗練されている。洗練はくみこんを語るうえでのキーワードになるだろう。
世には洗練を嫌う向きもあるのだが、洗練されて普通になってしまう場合と、洗練されてどんどん個性的になっていく場合があると思う。彼女は後者で、ほかには例えばスピッツの崎ちゃんなんかがそうだ。
コーラスの主要な部分を歌っていることもあって、くみこんのドラムは曲を支える以上の「歌い」をしている。

ベースは全体で見るとちょっと地味な印象を受けるが、3人目の「語り」を見出そうとしている感じのラインを弾く。ルート音をときおりはずれ、単音での物語を紡ぐ。
バスドラと一緒にルート音を弾かないとコンテストで落ちるよ~的なアホ臭さとは無縁な発想を彼女が得ているのは頼もしい。そのうえで、ライブ中一度たりともリズム落ちしない。高速16ビートをフィンガーピッキングで疾走してみせるあっこはなかなかかっこよい。

そう。彼女たちは一度たりとも「間違えない」のだ。これはすごいと思うが、プロってそういうもんだろうか。スタジオミュージシャンを集めたバックバンド的なものだったらそれもあるだろうが、そうでないバンドでこれは、よほど練習をしているか、よほどの天才であるかのどちらかであろう。両方かもしれない。

****

さて、ライブが始まって最初に驚くのは、ドラムのくみこんを正面右斜めから捉える固定カメラが、バスドラたたくたびにぶるぶるゆれることだ(笑)
ちょっと緊張気味で喉が慣れていないえっちゃんの切ない表情をよそに、くみこんはぶるぶるゆれている。いいなあ(笑)

ボーカルのちょっと頼りなさそうな感じもよい。高音を苦しそうに出すえっちゃんの素顔をときおりおきる風があらわにするところがなんともセクシイだ。
そのなれない感も後半にはすっかりこなれてくるのもよい。
夕方始まったライブは次第に夕暮れを向かえ、夜になる。野音の醍醐味だ。

たくさん曲をやったのだけれど、これもライブでやるのか~と感心したのは「ウィークエンドのまぼろし」。そういうタイトルだったのか~とタイトルを覚えられないワタシはまた感心するのだが。
演奏も結構凝ったアレンジなうえに、歌が早口言葉のようである。アクロバット的演奏を披露する彼女たちのなんともかっこいいことよ。

  広がるのはただ切れ間ない青のコラージュ
  少年はバスケットボール枕にして
  空に浮かぶ明日を見ている

ああ、歌詞の引用はご法度でしたっけ・・
広がるのは・・ってところでドラムがスネアのロールになるとこなんかが、くみこんのセンスだと思う。

あとは「恋愛スピリッツ」の歌い出しでしょうか。
えっちゃんのナマ声ですよ。と書くと隠微な感じ~。
あれはナマで聞くといいでしょうねえ。
そして楽器が一斉にはいるところのノーカウント入り!カウントなしはマンガ「緑茶夢」を思い出しますな。バンドなら一度はやってみたい技でしょう。その技をこの部分に選ぶそのセンスがよいですね~

「とび魚のバタフライ」のフラダンスもいいですね。PVでのえっちゃんの腰つきがなかなかよかったのを思い出します。

それと、アンコールでえっちゃんがサンバーストのストラトキャスターを弾きますね。これも見所っていうか、ギターでかくてストラトに見えません!(笑)

お客さんが結構おとなしめなのも野音のベンチの構造のせいでしょうかね。でも曲間のトークでのえっちゃんの起立・礼とかではちゃんと参加してましたね。あのくらいの緩さのお客さんのほうが安心します。楽しんでる感じがします。あんまり客席がノリノリってのも気持ち悪い。


なんかいいことばっかり書きましたが、実際わるいところがないのですよ。
いいなあ、バンドは^^/



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